JP6003723B2 - 乗物用シートの取付構造 - Google Patents

乗物用シートの取付構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6003723B2
JP6003723B2 JP2013044190A JP2013044190A JP6003723B2 JP 6003723 B2 JP6003723 B2 JP 6003723B2 JP 2013044190 A JP2013044190 A JP 2013044190A JP 2013044190 A JP2013044190 A JP 2013044190A JP 6003723 B2 JP6003723 B2 JP 6003723B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seat cushion
push
hook
wire
seat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013044190A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014172433A (ja
Inventor
佑治 中野
佑治 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Boshoku Corp
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Boshoku Corp filed Critical Toyota Boshoku Corp
Priority to JP2013044190A priority Critical patent/JP6003723B2/ja
Priority to DE102014204082.5A priority patent/DE102014204082B4/de
Publication of JP2014172433A publication Critical patent/JP2014172433A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6003723B2 publication Critical patent/JP6003723B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60NSEATS SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLES; VEHICLE PASSENGER ACCOMMODATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60N2/00Seats specially adapted for vehicles; Arrangement or mounting of seats in vehicles
    • B60N2/005Arrangement or mounting of seats in vehicles, e.g. dismountable auxiliary seats
    • B60N2/015Attaching seats directly to vehicle chassis
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60NSEATS SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLES; VEHICLE PASSENGER ACCOMMODATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60N2/00Seats specially adapted for vehicles; Arrangement or mounting of seats in vehicles
    • B60N2/005Arrangement or mounting of seats in vehicles, e.g. dismountable auxiliary seats
    • B60N2/01Arrangement of seats relative to one another
    • B60N2/012The seat support being a part of the vehicle body or chassis
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60NSEATS SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLES; VEHICLE PASSENGER ACCOMMODATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60N2/00Seats specially adapted for vehicles; Arrangement or mounting of seats in vehicles
    • B60N2/70Upholstery springs ; Upholstery

Description

本発明は、乗物用シートの取付構造に関する。詳しくは、シートクッションをフロア上のベースに取り付けるための乗物用シートの取付構造に関する。
従来、車両用シートのフロアに対する取付構造として、これらの間に重力方向への押し込み操作によって結合される押込み式の結合構造が採用されたものが知られている(特許文献1)。上記押込み式の結合構造は、押込み部材が蛸壺形の差込み口内に押し込まれることによって内部で弾性的な掛かり動作が起こって抜け止めされた状態に結合される構成となっており、簡便な押込み操作によって車両用シートをフロア上に取り付けられるようなっている。
特開2012−51439号公報
しかし、上記従来技術では、上述した押込み式の結合構造が車両の衝突発生時に生じる大荷重に耐え切れず、押込み部材が蛸壺形の差込み口から抜けてしまうおそれがある。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、シートクッションのフロアに対する取付構造を、取り付け作業が簡便でありながら、大荷重にも耐えられる構成とすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の乗物用シートの取付構造は次の手段をとる。
第1の発明は、シートクッションをフロア上のベースに取り付けるための乗物用シートの取付構造であり、押込み式の結合構造と、非常用の掛かり構造と、を有する。押込み式の結合構造は、シートクッションとベースとの間に設けられ、押し込みにより一方が他方に対して弾性的に引掛かるように動作して抜け止めされた状態に結合される構成となっている。非常用の掛かり構造は、シートクッションとベースとの間に設けられ、押込み式の結合構造が結合状態とされることにより、互いに所定状態に向かい合わされた状態となり、シートクッションが乗物の衝突などに伴う大荷重の入力を受けて変位することで互いに相対的に接近する方向に押し動かされて掛かり合う構成とされている。押込み式の結合構造と非常用の掛かり構造とが、互いに横隣に並んだ状態で設けられている。シートクッションが大荷重の入力を受けて押し動かされても、非常用の掛かり構造が掛かり合うことにより、シートクッションのフロア上からの剥離が防止されるようになっている。
この第1の発明によれば、押込み式の結合構造により、シートクッションをフロア上のベースに対して単純な押し込み操作によって抜け止めした状態に結合することができる。このフロア上のベースに取り付けられたシートクッションは、乗物の衝突などに伴う大荷重の入力を受けて押し動かされても、非常用の掛かり構造が掛かり合うことにより、フロア上からの剥離が防止される。詳しくは、押込み式の結合構造と非常用の掛かり構造とが互いに横隣に並んだ状態で設けられていることにより、シートクッションがフロア上から剥離しようとするバタつき移動が、押込み式の結合構造の近くで非常用の掛かり構造によって効果的に抑えられる。したがって、押込み式の結合構造の抜けが効果的に抑えられる。このように、シートクッションのフロアへの取付構造を、取り付けが簡素でありながら、大荷重にも耐えられる構成とすることができる。
第2の発明は、上述した第1の発明において、次の構成とされているものである。非常用の掛かり構造が、シートクッションのパッド内に埋設されたフレームに固定された状態としてシート下方側に突出して設けられた引掛け具と、ベース上に設けられて、引掛け具を入れ込み可能な通し孔と通し孔内に部分的に突出して大荷重の入力時に引掛け具を引掛け可能な引掛け爪とを備えた引掛け口と、の組み合わせによって構成されている。
この第2の発明によれば、シート下方側に突出するように設けられた引掛け具を、ベース上に設けられた通し孔内に通す構成とすることにより、両者を斜め上方側の視線から目視しやすくなるため、通し作業の確認をより簡便に行うことができる。
第3の発明は、上述した第2の発明において、次の構成とされているものである。押込み式の結合構造が、フレームに固定された状態としてシート下方側に突出して設けられた押込み具と、ベース上に設けられて押込み具を押し込みにより抜け止めした状態に結合させることのできる押込み孔と、の組み合わせによって構成されている。上述したベース上に設けられる押込み式の結合構造の押込み孔と非常用の掛かり構造の引掛け口とが、それぞれ、ベース上に結合されて設けられる共通のブラケットに形成されている。
この第3の発明によれば、押込み式の結合構造の押込み孔と非常用の掛かり構造の引掛け口とを、それぞれ共通のブラケットに形成することにより、構成の合理化を図ることができると共に、両者の相対的な位置関係のずれを少なく抑えることができる。
実施例1の乗物用シートの取付構造を示す斜視図である。 シートクッションをフロア上に取り付けた状態を示す斜視図である。 シートクッションの外観斜視図である。 図2のIV部の装着前状態を示す(a)正面視縦断面(b)側面視縦断面図である。 同部の装着後状態を示す(a)正面視縦断面(b)側面視縦断面図である。 図2のVI部の拡大斜視図である。 同部が車両の後部衝突を受けて前側で掛かり合った状態を示す斜視図である。 同部が車両の前部衝突を受けて後側で掛かり合った状態を示す斜視図である。 図2のIX部の拡大斜視図である。 同部が車両の後部衝突を受けて前側で掛かり合った状態を示す斜視図である。 同部が車両の前部衝突を受けて後側で掛かり合った状態を示す斜視図である。 実施例2の乗物用シートの取付構造の要部拡大図である。 実施例3の乗物用シートの取付構造の要部拡大図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1の乗物用シートの取付構造について、図1〜図11を用いて説明する。本実施例の乗物用シートの取付構造は、図1〜図2に示すように、自動車のリヤシート1のシートクッション3を車両のフロアパネルFP上に取り付けて固定するための取付構造である。ここで、リヤシート1は、横幅の長い3人掛用のシートとして構成されており、着座乗員の背凭れとなる図示しないシートバックと、着座部となるシートクッション3と、を備えた構成となっている。シートクッション3は、3人掛け用の長い横幅を有したひと続きの構成となっているが、図示しないシートバックは、左右に6:4の比率で分割された構成となっている。ここで、フロアパネルFPが本発明の「ベース」に相当する。
上述した6:4分割された図示しないシートバックの各部分は、それぞれ、それらの互いに内向する内側の下端部が、フロアパネルFP上に設けられたヒンジブラケット30の各可動具31に結合されており、フロアパネルFPに対してヒンジブラケット30の回転軸33まわりに前後回転することができる状態に枢着された状態とされている。また、上記分割された図示しないシートバックの各部分は、それらの外側の下端部が、それぞれ、フロアパネルFP上に設けられた図示しないヒンジ構造部に連結されており、フロアパネルFPに対して上記ヒンジブラケット30の回転軸33と同軸回りに前後回転することができる状態に枢着された状態とされている。上記分割された図示しないシートバックの各部分は、常時は、それらの車両外側の肩口部に設けられた各係合部が車体の各側壁部に設けられた被係合部に係合して回転止めされていることにより、それぞれの背凭れ角度が定位置に固定されて保持された状態とされている(図示省略)。
ここで、上述したヒンジブラケット30は、フロアパネルFP上に固定されたL字板状の固定具32と、固定具32の立板部分に回転軸33によって回転可能な状態に枢着された可動具31と、から成る構成となっている。固定具32は、そのL字状に折り曲げられた底板側の部分がフロアパネルFP上にボルト締結されて一体的に結合された状態とされており、その立板部分がシート幅方向に面を向けた状態として、前後方向にかけられる曲げの負荷に対して強い状態に配設された状態とされている。可動具31は、上記固定具32の左右両側の側部にそれぞれ設けられており、回転軸33によりそれぞれが個別に自由に回転することができるように固定具32に枢着された状態とされている。
シートクッション3は、その前部の左右2箇所に底面側に突出して設けられた各押込みワイヤ3F1bが、それぞれ、フロアパネルFP上の左右2箇所に設置された各差込み具10内に押し込まれて係合されることにより、フロアパネルFP上に一体的に結合されて取り付けられた状態とされている。このように、シートクッション3は、フロアパネルFPとの間に設けられた左右2箇所の押込み式の結合構造ST1により、フロアパネルFPに対して簡単な押し込み操作によって取り付けられるようになっている。
しかし、このような取り付けが簡単な押込み式の結合構造ST1だけでは、車両の衝突発生時に生じる大荷重には耐え切れず、シートクッション3がフロアパネルFP上から剥離してしまうおそれがある。そこで、このような大荷重に耐えられるようにするために、上記シートクッション3の前部の左右2箇所とフロアパネルFPとの間には、更に、シートクッション3が車両の衝突発生に伴う大荷重の入力を受けて前後方向に押し動かされることがあっても、互いに掛かり合うことでシートクッション3の剥離移動を防止する非常用の掛かり構造ST2が設けられている。これら非常用の掛かり構造ST2は、上述した各押込み式の結合構造ST1とそれぞれ横隣に並んで設けられた状態とされている。ここで、上述した押込み式の結合構造ST1が本発明の「押込み式の結合構造」に相当し、各非常用の掛かり構造ST2が本発明の「非常用の掛かり構造」に相当する。
また、シートクッション3の後方中央部とフロアパネルFP(前述したヒンジブラケット30の固定具32)との間にも、シートクッション3が車両の衝突発生に伴う大荷重の入力を受けて前後方向に押し動かされることがあっても、互いに掛かり合うことでシートクッション3の剥離移動を防止する非常用の掛かり構造ST3が設けられている。
上述した各非常用の掛かり構造ST2,ST3は、それぞれ、上述した押込み式の結合構造ST1を押し込みによって結合させる際に、それらの非常時に掛かり合う部材同士を互いに前後方向に向かい合わせた状態となるように位置合わせするのみで、非常時にシートクッション3の剥離移動を防止するように機能するようになっている。具体的には、各非常用の掛かり構造ST2,ST3は、それぞれ、上述した押込み式の結合構造ST1を押し込みによって結合させた通常の状態時には、それぞれ、それらの非常時に掛かり合う部材同士が互いに前後方向に隙間を有して離間した状態に向かい合わされた状態とされており、シートクッション3が車両の衝突発生に伴う大荷重の入力を受けて前後方向に押し動かされることにより互いに相対的に接近する方向に押し動かされて掛かり合う構成とされている。
したがって、上記のような結合作業が簡単な押込み式の結合構造ST1と、上記結合作業時に位置合わせされて非常時に掛かり合うように動作する非常用の掛かり構造ST2,ST3とが組み合わされた構成により、シートクッション3のフロアパネルFPへの取付構造を、取り付けが簡素でありながら大荷重にも耐えられる構成とすることができる。以下、上述した押込み式の結合構造ST1と非常用の掛かり構造ST2,ST3の各構成について、シートクッション3の構成と併せて具体的に詳しく説明していく。
上述したシートクッション3は、図3に示すように、そのクッション構造を成す発泡ウレタン製のクッションパッド3Pの内部に、クッションパッド3Pの骨格を成す四角枠状に組まれた金属製のワイヤフレーム3Fが埋設された構成となっている。なお、上述したクッションパッド3Pの表面には、図示しない布製のクッションカバーが被せ付けられて張設された状態とされているが、本実施例では、上述したクッションパッド3P及びその内部に埋設されたワイヤフレーム3Fの構成を分かりやすく示すために、クッションカバーの図示及び説明は省略されている。ここで、クッションパッド3Pが本発明の「パッド」に相当し、ワイヤフレーム3Fが本発明の「フレーム」に相当する。
上述したワイヤフレーム3Fは、図1〜図2に示すように、クッションパッド3Pの前側部の骨格を成すフロントワイヤ3F1と、クッションパッド3Pの両外側の骨格を成す両サイドワイヤ3F2と、クッションパッド3Pの後側部の骨格を成すリヤワイヤ3F3と、がひとつに繋げられて、クッションパッド3Pの外周縁形状に沿って形を延ばす四角枠状に組まれた構成となっている。上述したワイヤフレーム3Fは、クッションパッド3Pの発泡成形時に成形型内にセットされることにより、同型内で発泡成形されたクッションパッド3P内に一体的に接着成形された状態となって形成された状態とされている。上述したワイヤフレーム3Fには、更に、上述したフロントワイヤ3F1の左右の端部間に前方側に張り出して架橋される形でシート幅方向に延びる形状出しワイヤ3F1cが一体的に付設されている。この形状出しワイヤ3F1cは、そのフロントワイヤ3F1の前側に張り出した形状によって、クッションパッド3Pの前側部の左右両側部に形成される前方側に膨らんだ形状を内側から支えて、同部の形状が上述した図示しないクッションカバーの張設力などによって潰れないようにするための形状出し部材として機能するものとなっている。
更に、上述したフロントワイヤ3F1の左右両端側の2箇所には、それぞれ、シート後方側にU字状に折り曲げられて両端がフロントワイヤ3F1に固定されて設けられた付設ワイヤ3F1aと、これら付設ワイヤ3F1aとフロントワイヤ3F1とによって囲まれた前後の各枠部間にそれぞれ横隣に並んで架橋されたU字状の押込みワイヤ3F1b及び引掛けワイヤ3F1dと、が一体的に付設されている。
各押込みワイヤ3F1bは、それぞれ、下方側にU字状に折り曲げられた形に形成されており、フロアパネルFP上の前方側の左右2箇所の位置に設置された各ブラケット20の差込孔21内に装着された樹脂製の差込み具10内にそれぞれ上方側から差し込まれることにより、各差込み具10によって抜け止めされた状態に装着されて保持されるようになっている。これら押込みワイヤ3F1bがフロアパネルFP上の各差込み具10内に差し込まれて抜け止めされた状態に結合される構成が、前述した押込み式の結合構造ST1に相当するものとなっている。これら押込み式の結合構造ST1により、シートクッション3をフロアパネルFP上に簡便に取り付けられるようになっている。ここで、上記各押込みワイヤ3F1bがそれぞれ本発明の「押込み具」に相当し、各差込孔21がそれぞれ本発明の「押込み孔」に相当する。なお、これら押込み式の結合構造ST1の具体的な構成については、後に、図4〜図5を用いて詳しく説明することとする。
また、上述した各押込みワイヤ3F1bの横隣に並んで設けられた各引掛けワイヤ3F1dは、それぞれ、各押込みワイヤ3F1bよりも浅く下方側にU字状に折り曲げられた形に形成されており、上述したフロアパネルFP上の左右2箇所に設置された各ブラケット20の差込孔21の横隣に並んで形成された各引掛け口22内にそれぞれ上方側から差し込まれて通された状態にセットされるようになっている。これにより、各引掛けワイヤ3F1dは、常時は、各ブラケット20の引掛け口22とは前後方向には係合していない状態に保持されるが、車両衝突が発生した非常時には、各引掛け口22に形成された前後いずれかの引掛け爪22Bとそれぞれ掛かり合って、シートクッション3の剥離移動を防止するように機能するようになっている(図6〜図8参照)。これら引掛けワイヤ3F1dが各ブラケット20の引掛け口22の引掛け爪22Bとそれぞれ掛かり合う構成が、前述した非常用の掛かり構造ST2に相当するものとなっている。ここで、上記各引掛けワイヤ3F1dがそれぞれ本発明の「引掛け具」に相当する。また、上記差込孔21と引掛け口22とがそれぞれ形成された各ブラケット20が、それぞれ本発明の「共通のブラケット」に相当する。なお、これら非常用の掛かり構造ST2の具体的な構成については、後に、図6〜図8を用いて詳しく説明することとする。
また、図1〜図2に示すように、上述したリヤワイヤ3F3の中間部には、シート後方側にU字状に張り出すように折り曲げられて両端がリヤワイヤ3F3に固定されて設けられたU字ワイヤ3F3aが一体的に付設されている。そして、上記U字ワイヤ3F3aの左右の枠部間には、L字状に折り曲げられた形の架橋ワイヤ3F3bがシート幅方向に一体的に架橋されて設けられている。上述したU字ワイヤ3F3aは、前述したフロアパネルFP上の後方中央部に設置されたヒンジブラケット30の固定具32から切り起こされて形成された切り起こし部32Aの先端の下方側に折れ曲がった形の曲がり部32A1に、そのU字を下方側から通すようにセットされるようになっている。これにより、U字ワイヤ3F3aは、その上部にかかるヒンジブラケット30の固定具32の切り起こし部32Aによって、上方側への剥離移動が抑えられた状態に保持されるようになっている。
上述したU字ワイヤ3F3aは、常時は、そのU字の曲げ返し部分(後端)と上述した曲がり部32A1とが前後方向に離間した配置とされると共に、架橋ワイヤ3F3bがヒンジブラケット30の固定具32と前後方向に離間した配置状態とされており、車両衝突が発生した非常時に、そのU字の曲げ返し部分(後端)が曲がり部32A1と掛かり合ったり、架橋ワイヤ3F3bがヒンジブラケット30の固定具32に掛かり合ったりして、シートクッション3の剥離移動を防止するように機能するようになっている(図9〜図11参照)。これらU字ワイヤ3F3aや架橋ワイヤ3F3bがフロアパネルFP上のヒンジブラケット30の固定具32と掛かり合う構成が、前述した非常用の掛かり構造ST3に相当するものとなっている。なお、この非常用の掛かり構造ST3の具体的な構成については、後に、図9〜図11を用いて詳しく説明することとする。
ここで、図3に示すように、上述したクッションパッド3Pの後縁部には、その左右2箇所の部位に、図示しないシートベルト装置のバックルを下方側から通すために高さ方向に貫通したバックル通し孔3P1が形成されている。そのため、クッションパッド3Pの後側部に沿って通されているリヤワイヤ3F3は、これら2箇所のバックル通し孔3P1からの露出を避けるために、各バックル通し孔3P1の近傍箇所を通る2箇所の部位が、それぞれシート前方側にクランク状に折り曲げられた形に形成されている。上述したクッションパッド3Pは、上述したように、ワイヤフレーム3F全体を外部に露出させないように内部に埋設させた形に形成されているが、上述したリヤワイヤ3F3に付設されたU字ワイヤ3F3aのU字内箇所には、図1〜図2で上述したヒンジブラケット30の固定具32に形成された切り起こし部32Aの曲がり部32A1を上方側から内部に通せるようにするための曲がり部通し孔3P3が形成されている。
上述した曲がり部通し孔3P3は、リヤワイヤ3F3に付設されたU字ワイヤ3F3a及び架橋ワイヤ3F3bをそれぞれ外部に露呈させないようにこれらの間に空けられている。これにより、上述したU字ワイヤ3F3aや架橋ワイヤ3F3bが、それぞれ、クッションパッド3Pの形状によって外側から覆われた状態とされており、これらが通常時、車両走行時のガタ付きなどによって、曲がり部通し孔3P3に通された金属製の曲がり部32A1にそれぞれ直接接触して異音を発生させないように保護された状態とされている。また、上述したフロントワイヤ3F1に付設された各差込みワイヤも、クッションパッド3Pの底面部に部分的に下方側に膨らんで形成された形状部によって外側から覆われた状態とされており、これらが通常時、車両走行時のガタ付きなどによって、これらが通されている金属製のブラケット20にそれぞれ直接接触して異音を発生させないように保護された状態とされている。
なお、上述したフロントワイヤ3F1に付設された各押込みワイヤ3F1bは、クッションパッド3Pの底面部から下方側に突出して外部に露呈した状態となっている。これら押込みワイヤ3F1bは、前述したように樹脂製の差込み具10内に差し込まれて抜け止めされた状態に係合する構成となっているため、上記のような金属同士の接触に伴う異音は発生しないようになっている。
次に、図4〜図5を参照しながら、上述した各押込み式の結合構造ST1の構成について詳しく説明する。各押込み式の結合構造ST1は、上述したように、シートクッション3のフロントワイヤ3F1に付設されたU字状の各押込みワイヤ3F1bが、フロアパネルFP上に設置された各ブラケット20の差込孔21内に装着された樹脂製の各差込み具10内に上方側から押し込まれることにより、各差込み具10が各押込みワイヤ3F1bに弾性的に引掛けられるように係合して、各差込み具10内に抜け止めされた状態に装着される構成となっている。具体的には、上述した各差込み具10は、フロアパネルFP上に結合された台座状に立設する各ブラケット20の差込孔21内に上方側から差し込まれて取り付けられた状態とされている。
各差込み具10は、各ブラケット20の差込孔21内に一体的に装着された状態に固定される有底横長円筒型の固定部11と、固定部11の筒内に設けられて各押込みワイヤ3F1bが上方側から内部に押込まれることにより固定部11に底付きする位置まで押込まれて嵌合する可動部12と、を有した構成となっている。上記固定部11は、その頭部が差込孔21よりも広い外形を有した形状に形成されており、その下方側に延びる筒部が差込孔21内に上方側から差し込まれることにより、上記頭部の下部周縁に傘状に広がる形に形成されたスタビライザ11Cが、ブラケット20の上面に当接して係止される位置に装着された状態とされている。
可動部12は、上記固定部11の筒内に嵌め込まれて固定部11の筒形状に沿って高さ方向に摺動することができる状態に装着された有底横長円筒形状に形成されている。この可動部12は、上述した押込みワイヤ3F1bを上方側から内部に受け入れることのできる長円形状の受入孔12Aと、受入孔12Aの短手方向に対向する各壁部から受入孔12A内に向かって突出するように形成された各係止爪12Bと、可動部12の短手方向に対向する各壁部の上縁部に外側に張り出す形となって形成された各戻り防止爪12Cと、を有する形に形成されている。上記各係止爪12Bは、それぞれ、図4(a)に示すように、可動部12の各壁部にU字状に切込みが入れられることで、それらの上縁部のみが可動部12に繋がっていて、これらの上縁部を支点に全体が内外に撓み変形することができる構成とされており、図4(b)に示すように、それぞれ、自由状態時には、互いの先端同士を受入孔12A内に突出させて接近させた状態に保たれた状態とされている。
各係止爪12Bは、図5(a)(b)に示すように、押込みワイヤ3F1bが可動部12の受入孔12A内に押し込まれてくることにより、この押込みワイヤ3F1bによって押し退けられる形で互いの先端同士が引き離される方向に撓み変形し、押込みワイヤ3F1bが可動部12の底部12Dに底付きする位置まで押し込まれることにより、それぞれ復元変形して互いの先端同士を受入孔12A内で接近させた初期位置の状態に戻されるようになっている。
各戻り防止爪12Cは、図4(b)に示すように、可動部12に押込みワイヤ3F1bが押し込まれる前の初期時には、それらの外側に張り出した傾斜面形状が固定部11の上方側に傾斜した内周面上に乗り上がった状態として、固定部11のスタビライザ11Cよりも上方側に位置した状態(ブラケット20の差込孔21よりも上方側に位置した状態)に保持された状態とされている。各戻り防止爪12Cは、図5(b)に示すように、押込みワイヤ3F1bが可動部12の底部12Dに底付きする位置まで押し込まれた後、更なる押込みによって可動部12の底部12Dが固定部11の底部11Bに向けて底付きする位置まで押し込まれることにより、固定部11の筒内に弾性的に押し窄められながら入り込んでいき、それらの上縁部がブラケット20の差込孔21内に入り込んだところで、固定部11の壁部に形成された孔からその上縁部の爪形状を弾発力によって外側に張り出させて、同爪形状をブラケット20の差込孔21の内周面に下方側から引掛けて上方側に抜けないように係止させた状態となって保持されるようになっている。
そして、上記可動部12は、上記の押し込みによってその底部12Dが固定部11の底部11Bに底付きするまで押し込まれて、上記各戻り防止爪12Cがブラケット20の差込孔21に引掛けられて係止された状態となる時には、その両係止爪12Bが、固定部11の筒内の内径が狭められた狭小域11A内に押し込まれた状態となって、その外側への撓み変形が禁止されたロック状態へと移行するようになっている。このような状態となることにより、可動部12は、上記押込みワイヤ3F1bに上方側に引き抜かれる方向の力がかけられても、各戻り防止爪12Cの上縁部がブラケット20の差込孔21に引掛けられて抜け止めされていると共に、各係止爪12Bが固定部11の狭小域11Aにあって開けなくなっているために、押込みワイヤ3F1bを上記各係止爪12Bの先端と底部12Dとの間に挟み込んだ状態に保持し続けることができるようになっている。
次に、図6〜図8を参照しながら、上述した各押込み式の結合構造ST1と横隣に並んで設けられた各非常用の掛かり構造ST2の構成について詳しく説明する。図6に示すように、各非常用の掛かり構造ST2は、上述もしたように、シートクッション3のフロントワイヤ3F1に付設された各引掛けワイヤ3F1dが、フロアパネルFP上に設置された各ブラケット20の引掛け口22内に上方側から差し込まれて通されることにより、常時は各引掛け口22に形成された各引掛け爪22Bとは係合しないが、非常時に各引掛け口22に形成された前後どちらかの引掛け爪22Bに引掛けられてシートクッション3の剥離移動を防止する状態にセットされるようになっている。
ここで、各引掛け口22は、上述した各ブラケット20の上面部に貫通して形成されており、各引掛けワイヤ3F1dを上方側から通せるようにする四角孔状の通し孔22Aと、各通し孔22Aの前後側の各内周面上の中央位置から各通し孔22A内に向かって爪状に突出する引掛け爪22Bと、を有した形に形成されている。上述した各引掛け爪22Bは、それらの下面に各引掛けワイヤ3F1dのU字の曲げ返し部分(下端)を前方側或いは後方側から受け入れて、上方側へ逃がさないように拘束することのできる引掛け形状とされている。
上記各引掛け口22は、図6に示すように、シートクッション3がフロアパネルFP上に落とし込まれて取り付けられた状態とされる通常時には、それらの前後側の各面に形成された各引掛け爪22Bが、シートクッション3の各引掛けワイヤ3F1dとは当接しておらず、各引掛け爪22Bの方が各引掛けワイヤ3F1dよりも僅かに高い位置に配置されてはいるものの、両者は互いに前後方向に離間した配置状態とされるようになっている。したがって、各非常用の掛かり構造ST2は、上述したように互いに離間した非接触状態でセットされる構成となっていることにより、図1〜図2で前述したように、シートクッション3をフロアパネルFP上に落とし込んで取り付ける際には、上述した左右各側の押込み式の結合構造ST1を位置合わせして結合する作業によって、左右各側の各引掛けワイヤ3F1dが各引掛け口22内にそれぞれ通されるように位置合わせされるため、特段の位置合わせ作業を要することなく簡便に、各非常用の掛かり構造ST2を非常時に有効に機能させられる状態にセットすることができる。
上述した各非常用の掛かり構造ST2は、例えば、図7に示すように、車両の後部衝突が発生するなどして、シートクッション3に対して車両後方側への弾みの付いた大荷重が入力された場合に、シートクッション3がその弾みで後方側に変位する動きによって、その左右両側の各引掛けワイヤ3F1dがこれらを覆うクッションパッド3Pの形状部が引き裂かれながら各ブラケット20の引掛け口22の後側の内周面に当たって同側の引掛け爪22Bに引掛けられた状態(引掛け爪22Bを受け入れた状態)となり、シートクッション3の後方側及び上方側への移動を規制した状態となる。これにより、シートクッション3が後方側に大きく揺さぶられることがなくなるため、図2で前述したシートクッション3の前側の2箇所をフロアパネルFP上に結合している各押込み式の結合構造ST1が、無理な負荷を受けてこれらの結合状態が強制的に外されることが抑制されるようになっている。もしくは、各押込み式の結合構造ST1の結合状態が強制的に外されることがあっても、各非常用の掛かり構造ST2の引掛かりによって、シートクッション3がフロアパネルFP上から剥離されることが防止されるようになっている。
また、図8に示すように、各非常用の掛かり構造ST2は、車両の前部衝突が発生するなどして、シートクッション3に対して車両前方側への弾みの付いた大荷重が入力された場合には、シートクッション3がその弾みで前方側に変位する動きによって、その左右両側の各引掛けワイヤ3F1dがこれらを覆うクッションパッド3Pの形状部が引き裂かれながら各ブラケット20の引掛け口22の前側の内周面に当たって同側の引掛け爪22Bに引掛けられた状態(引掛け爪22Bを受け入れた状態)となり、シートクッション3の前方側及び上方側への移動を規制した状態となる。これにより、シートクッション3が前方側に大きく揺さぶられることがなくなるため、図2で前述したシートクッション3の前側の2箇所をフロアパネルFP上に結合している各押込み式の結合構造ST1が、無理な負荷を受けてこれらの結合状態が強制的に外されることが抑制されるようになっている。もしくは、各押込み式の結合構造ST1の結合状態が強制的に外されることがあっても、各非常用の掛かり構造ST2の引掛かりによって、シートクッション3がフロアパネルFP上から剥離されることが防止されるようになっている。
次に、図9〜図11を参照しながら、上述したシートクッション3の後方中央部とフロアパネルFPとの間に設けられた非常用の掛かり構造ST3の構成について詳しく説明する。図9に示すように、この非常用の掛かり構造ST3は、上述したように、シートクッション3のリヤワイヤ3F3に付設されたシート後方側に延びるU字ワイヤ3F3aが、そのU字内にフロアパネルFP上に設置されたヒンジブラケット30の固定具32に形成された切り起こし部32Aの曲がり部32A1に下方側から通されるように掬い掛けられることにより、常時はこの固定具32とは係合しないが、非常時にU字ワイヤ3F3a又はU字ワイヤ3F3aに架橋された架橋ワイヤ3F3bが上記曲がり部32A1又は固定具32の前縁部に形成された凹部32Bに引掛かってシートクッション3の剥離移動を防止する状態にセットされるようになっている。
ここで、上述したU字ワイヤ3F3aは、図1〜図2に示すように、そのU字の両端がリヤワイヤ3F3に掛けられて固定された状態とされているが、図示右側のU字の一辺3F3a1がリヤワイヤ3F3との固定点よりも更にシート前方側に延び出してフロントワイヤ3F1にも掛けられて固定された状態とされている。これにより、U字ワイヤ3F3aは、その図示右側の一辺3F3a1が、リヤワイヤ3F3にもフロントワイヤ3F1にも固定されて強固に一体的に結合された状態とされている。また、ワイヤフレーム3Fにおいても、上記U字ワイヤ3F3aの図示右側の一辺3F3a1が、リヤワイヤ3F3とフロントワイヤ3F1との間に跨って架橋された状態とされていることにより、その横長な四角枠形状の中間部に、リヤワイヤ3F3とフロントワイヤ3F1とを繋げるワイヤが追加されて両者が互いに前後方向に離れにくいように補強された状態とされている。
そして、図9に示すように、上記U字ワイヤ3F3aの左右の枠部間には、これらと同じ太さで形成されたL字状に折り曲げられた形の架橋ワイヤ3F3bが架橋されている。上記架橋ワイヤ3F3bは、U字ワイヤ3F3aの図示向かって右側のU字の一辺3F3a1から右方側に延出した延長部3F3b1を有する構成となっており、同延長部3F3b1の延出した先の端部には、シート後方側に折り曲げられた形の折れ曲がり部3F3b2が形成されている。上記架橋ワイヤ3F3bは、上述したU字ワイヤ3F3aのU字内に上記固定具32の切り起こし部32Aの先端に形成された曲がり部32A1が通された状態では、その延長部3F3b1が固定具32の前縁部に形成された凹部32Bの前方側に離間した位置に配置された状態としてセットされるようになっている。
上述したU字ワイヤ3F3aに通された固定具32の曲がり部32A1は、その曲げられた鉤形状によって、U字ワイヤ3F3aの曲げ返し部分(後端)を後方側から受け入れて、上方側へ逃がさないように拘束することのできる引掛け部として機能するようになっている。また、固定具32の前縁部に形成された凹部32Bは、その凹み形状によって、U字ワイヤ3F3aの両枠部間に架橋された架橋ワイヤ3F3bの延長部3F3b1を前方側から受け入れて、上方側へ逃がさないように拘束することのできる引掛け部として機能するようになっている。
したがって、上述した非常用の掛かり構造ST3は、上述したように互いに離間した非接触状態でセットされる構成となっていることにより、図1〜図2で前述したように、シートクッション3をフロアパネルFP上に落とし込んで取り付ける際には、先ず、上述したU字ワイヤ3F3aを固定具32の曲がり部32A1に掬い掛けてから、シートクッション3の前側の各押込み式の結合構造ST1を位置合わせして結合することにより、上述したU字ワイヤ3F3aに架橋された架橋ワイヤ3F3bの延長部3F3b1が上記固定具32の凹部32Bの前方位置に位置合わせされるため、特段の位置合わせ作業を要することなく簡便に、非常用の掛かり構造ST3を非常時に有効に機能させられる状態にセットすることができる。
上述した非常用の掛かり構造ST3は、例えば、図10に示すように、車両の後部衝突が発生するなどして、シートクッション3に対して車両後方側への弾みの付いた大荷重が入力された場合に、シートクッション3がその弾みで後方側に変位する動きによって、上述したU字ワイヤ3F3aに架橋された架橋ワイヤ3F3bの延長部3F3b1が同部を覆うクッションパッド3Pの形状部が引き裂かれながら固定具32の前側の凹部32B内に入り込んで引掛けられた状態となり、シートクッション3の後方側及び上方側への移動を規制した状態となる。これにより、シートクッション3が後方側に大きく揺さぶられることがなくなるため、図2で前述したシートクッション3の前側の2箇所をフロアパネルFP上に結合している各押込み式の結合構造ST1が、無理な負荷を受けてこれらの結合状態が強制的に外されることが抑制されるようになっている。もしくは、各押込み式の結合構造ST1の結合状態が強制的に外されることがあっても、非常用の掛かり構造ST3の引掛かりによって、シートクッション3がフロアパネルFP上から剥離されることが防止されるようになっている。
詳しくは、上述した非常用の掛かり構造ST3は、図2に示すように、シートクッション3の幅方向の右寄りの領域部に設定されているため、上記車両の後部衝突の発生時には、その勢いで、架橋ワイヤ3F3bが固定具32の凹部32Bに当たった点を支点に、シートクッション3の重量比率の重い左側領域が更に後方側に大きく押し込まれるように偏って変位して、架橋ワイヤ3F3bが図示左方側に擦り動かされて外される方向に負荷を受けることがある。しかし、この非常用の掛かり構造ST3は、上述したような左右で偏った負荷がかけられても、図10に示されている架橋ワイヤ3F3bの右側の端部に形成された折れ曲がり部3F3b2が、固定具32の凹部32Bの右側面に引っ掛かることにより、架橋ワイヤ3F3bと凹部32Bとの引掛かり状態を強く維持することができるようになっている。
また、図11に示すように、上述した非常用の掛かり構造ST3は、車両の前部衝突が発生するなどして、シートクッション3に対して車両前方側への弾みの付いた大荷重が入力された場合には、シートクッション3がその弾みで前方側に変位する動きによって、上述したU字ワイヤ3F3aの曲げ返し部(後端)が同部を覆うクッションパッド3Pの形状部が引き裂かれながら固定具32の曲がり部32A1に当たって引掛けられた状態となり、シートクッション3の前方側及び上方側への移動を規制した状態となる。これにより、シートクッション3が前方側に大きく揺さぶられることがなくなるため、図2で前述したシートクッション3の前側の2箇所をフロアパネルFP上に結合している各押込み式の結合構造ST1が、無理な負荷を受けてこれらの結合状態が強制的に外されることが抑制されるようになっている。もしくは、各押込み式の結合構造ST1の結合状態が強制的に外されることがあっても、非常用の掛かり構造ST3の引掛かりによって、シートクッション3がフロアパネルFP上から剥離されることが防止されるようになっている。
このように、本実施例の乗物用シートの取付構造は、押込み式の結合構造ST1と、非常用の掛かり構造ST2と、を有する。押込み式の結合構造ST1は、シートクッション3とフロアパネルFP(ベース)との間に設けられ、押し込みにより一方が他方に対して弾性的に引掛かるように動作して抜け止めされた状態に結合される構成となっている。非常用の掛かり構造ST2は、シートクッション3とフロアパネルFPとの間に設けられ、押込み式の結合構造ST1が結合状態とされることにより、互いに所定状態に向かい合わされた状態となり、シートクッション3が乗物の衝突などに伴う大荷重の入力を受けて変位することにより、互いに相対的に接近する方向に押し動かされて掛かり合う構成とされている。上述した押込み式の結合構造ST1と非常用の掛かり構造ST2とは、互いに横隣に並んだ状態で設けられており、シートクッション3が上記大荷重の入力を受けて押し動かされても、非常用の掛かり構造ST2が掛かり合うことで、シートクッション3のフロア上からの剥離が防止されるようになっている。
このような構成とされていることにより、上記押込み式の結合構造ST1によって、シートクッション3をフロアパネルFPに対して単純な押し込み操作によって抜け止めした状態に結合することができる構成でありながら、シートクッション3が乗物の衝突などに伴う大荷重の入力を受けて押し動かされても、非常用の掛かり構造ST2が掛かり合うことにより、シートクッション3のフロアパネルFP上からの剥離を防止することができる。詳しくは、上述した押込み式の結合構造ST1と非常用の掛かり構造ST2とは互いに横隣に並んだ状態で設けられていることにより、シートクッション3がフロア上から剥離しようとするバタつき移動が、押込み式の結合構造ST1の近くで非常用の掛かり構造ST2によって効果的に抑えられる。したがって、押込み式の結合構造ST1の抜けが効果的に抑えられる。このように、シートクッション3のフロアへの取付構造を、取り付けが簡素でありながら、大荷重にも耐えられる構成とすることができる。
具体的には、上述した非常用の掛かり構造ST2は、シートクッション3のクッションパッド3P(パッド)内に埋設されたワイヤフレーム3F(フレーム)に固定された状態としてシート下方側に突出して設けられた引掛けワイヤ3F1d(引掛け具)と、フロアパネルFP上に設けられて、引掛けワイヤ3F1dを入れ込み可能な通し孔22Aと通し孔22A内に部分的に突出して大荷重の入力時に引掛けワイヤ3F1dを引掛け可能な引掛け爪22Bとを備えた引掛け口22と、の組み合わせによって構成されている。このように、シート下方側に突出するように設けられた引掛けワイヤ3F1dを、フロアパネルFP上に設けられた通し孔22A内に通す構成とすることにより、両者を斜め上方側の視線から目視しやすくなるため、通し作業の確認をより簡便に行うことができる。
また、押込み式の結合構造ST1が、ワイヤフレーム3Fに固定された状態としてシート下方側に突出して設けられた押込みワイヤ3F1b(押込み具)と、フロアパネルFP上に設けられて押込みワイヤ3F1bを押し込みにより抜け止めした状態に結合させることのできる差込孔21(押込み孔)と、の組み合わせによって構成されており、上述したフロアパネルFP上に設けられる押込み式の結合構造ST1の差込孔21と非常用の掛かり構造ST2の引掛け口22とが、それぞれ、フロアパネルFP上に結合されて設けられる共通のブラケット20に形成されていることにより、構成の合理化を図ることができると共に、両者の相対的な位置関係のずれを少なく抑えることができる。
続いて、実施例2の乗物用シートの取付構造について、図12を用いて説明する。本実施例では、シートクッション3の前部の左右2箇所に設定される非常用の掛かり構造ST2が次のように構成されている。すなわち、非常用の掛かり構造ST2は、シートクッション3のフロントワイヤ3F1とこれに付設された各付設ワイヤ3F1aとの間に、金属板をプレス加工して形成した引掛けプレート3F1eが結合され、これら引掛けプレート3F1eが、フロアパネルFP上の各ブラケット20に形成された引掛け口22内に通されるようにセットされて、非常時に各ブラケット20の引掛け口22内に形成された前後側の各引掛け爪22Bが引掛けプレート3F1eの掛入孔3F1e1内に引掛けられてシートクッション3の剥離を防止する構成となっている。このような構成によっても、各引掛けプレート3F1eを各ブラケット20の引掛け口22内に通すように落とし込むだけの簡単な作業によって、これらを非常時に掛け合わせ機能させられる状態にセットすることができる。
続いて、実施例3の乗物用シートの取付構造について、図13を用いて説明する。本実施例では、シートクッション3の前部の左右2箇所に設定される非常用の掛かり構造ST2が次のように構成されている。すなわち、非常用の掛かり構造ST2は、シートクッション3のフロントワイヤ3F1とこれに付設された各付設ワイヤ3F1aとの間に、金属板をプレス加工して形成した引掛けプレート3F1fが結合され、これら引掛けプレート3F1fが、フロアパネルFP上の各ブラケット20に形成された引掛け口22内に通されるようにセットされて、非常時に各ブラケット20の引掛け口22の前後の内周面の両側部に張り出して形成された各引掛け壁22Cの間に引掛けプレート3F1fの下部に形成されたくびれ部3F1f1が入り込んで、くびれ部3F1f1より下側の部位が各引掛け壁22Cに引掛けられた状態となってシートクッション3の剥離を防止する構成となっている。このような構成によっても、各引掛けプレート3F1fを各ブラケット20の引掛け口22内に通すように落とし込むだけの簡単な作業によって、これらを非常時に掛け合わせ機能させられる状態にセットすることができる。
以上、本発明の実施形態を3つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、本発明が対象とする「乗物用シート」は、自動車のリヤシート以外のシートであってもよく、鉄道等の自動車以外の車両に適用されるシートであってもよく、また、航空機、船舶等の様々な乗物用に供されるシートであってもよい。
また、押込み式の結合構造は、シートクッションとベースとの間に設けられて、押し込みにより一方が他方に対して弾性的に引掛かるように動作して抜け止めされた状態に結合される構成となっているものであればよく、弾性的に引掛るように動作する部材がシートクッション側に設けられるものであっても、ベース側に設けられるものであってもどちらでも構わない。また、押込み式の結合構造と非常用の掛かり構造とは、互いに横隣に並んだ状態で設けられるようになっていればよく、シートクッションの両側部や後部に設定されるものであってもよい。
1 リヤシート(乗物用シート)
3 シートクッション
3P クッションパッド(パッド)
3P1 バックル通し孔
3P3 曲がり部通し孔
3F ワイヤフレーム(フレーム)
3F1 フロントワイヤ
3F1a 付設ワイヤ
3F1b 押込みワイヤ(押込み具)
3F1d 引掛けワイヤ(引掛け具)
3F1c 形状出しワイヤ
3F1e 引掛けプレート
3F1e1 掛入孔
3F1f 引掛けプレート
3F1f1 くびれ部
3F2 サイドワイヤ
3F3 リヤワイヤ
3F3a U字ワイヤ
3F3a1 一辺
3F3b 架橋ワイヤ
3F3b1 延長部
3F3b2 折れ曲がり部
10 差込み具
11 固定部
11A 狭小域
11B 底部
11C スタビライザ
12 可動部
12A 受入孔
12B 係止爪
12C 戻り防止爪
12D 底部
20 ブラケット(共通のブラケット)
21 差込孔(押込み孔)
22 引掛け口
22A 通し孔
22B 引掛け爪
22C 引掛け壁
30 ヒンジブラケット
31 可動具
32 固定具
32A 切り起こし部
32A1 曲がり部
32B 凹部
33 回転軸
ST1 押込み式の結合構造
ST2 非常用の掛かり構造
ST3 非常用の掛かり構造
FP フロアパネル(ベース)

Claims (2)

  1. シートクッションをフロア上のベースに取り付けるための乗物用シートの取付構造であって、
    前記シートクッションと前記ベースとの間に設けられ、押し込みにより一方が他方に対して弾性的に引掛かるように動作して抜け止めされた状態に結合される押込み式の結合構造と、
    前記シートクッションと前記ベースとの間に設けられ、前記押込み式の結合構造が結合状態とされることにより、互いに所定状態に向かい合わされた状態となって前記シートクッションが乗物の衝突などに伴う大荷重の入力を受けて変位することで互いに相対的に接近する方向に押し動かされて掛かり合う構成とされた非常用の掛かり構造と、を有し、
    前記押込み式の結合構造と前記非常用の掛かり構造とが互いに横隣に並んだ状態で設けられており、前記シートクッションが大荷重の入力を受けて押し動かされても、前記非常用の掛かり構造が掛かり合うことにより、前記シートクッションの前記フロア上からの剥離が防止されるようになっており、
    前記非常用の掛かり構造が、前記シートクッションのパッド内に埋設されたフレームに固定された状態としてシート下方側に突出して設けられた引掛け具と、前記ベース上に設けられて、前記引掛け具を入れ込み可能な通し孔と該通し孔内に部分的に突出して大荷重の入力時に前記引掛け具を引掛け可能な引掛け爪とを備えた引掛け口と、の組み合わせによって構成されていることを特徴とする乗物用シートの取付構造。
  2. 請求項1に記載の乗物用シートの取付構造であって、
    前記押込み式の結合構造が、前記フレームに固定された状態としてシート下方側に突出して設けられた押込み具と、前記ベース上に設けられて前記押込み具を押し込みにより抜け止めした状態に結合させることのできる押込み孔と、の組み合わせによって構成されており、
    前記ベース上に設けられる前記押込み式の結合構造の前記押込み孔と前記非常用の掛かり構造の前記引掛け口とが、それぞれ、前記ベース上に結合されて設けられる共通のブラケットに形成されていることを特徴とする乗物用シートの取付構造。
JP2013044190A 2013-03-06 2013-03-06 乗物用シートの取付構造 Active JP6003723B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013044190A JP6003723B2 (ja) 2013-03-06 2013-03-06 乗物用シートの取付構造
DE102014204082.5A DE102014204082B4 (de) 2013-03-06 2014-03-06 Befestigungsstruktur für einen Fahrzeugsitz

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013044190A JP6003723B2 (ja) 2013-03-06 2013-03-06 乗物用シートの取付構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014172433A JP2014172433A (ja) 2014-09-22
JP6003723B2 true JP6003723B2 (ja) 2016-10-05

Family

ID=51385784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013044190A Active JP6003723B2 (ja) 2013-03-06 2013-03-06 乗物用シートの取付構造

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6003723B2 (ja)
DE (1) DE102014204082B4 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6776907B2 (ja) * 2017-01-20 2020-10-28 トヨタ紡織株式会社 乗物用シートクッション
JP7368286B2 (ja) * 2020-03-18 2023-10-24 株式会社豊田自動織機 シートクッション及びシートクッションを備える車両
CN112550095B (zh) * 2020-11-10 2021-12-10 浙江合众新能源汽车有限公司 一种加强型汽车后排座位的防潜滑结构

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2810929B1 (fr) * 2000-07-03 2002-10-18 Faure Bertrand Equipements Sa Dispositif d'assise pour vehicule
JP5593567B2 (ja) 2010-08-31 2014-09-24 ダイハツ工業株式会社 シートクッション固定構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014172433A (ja) 2014-09-22
DE102014204082A1 (de) 2014-09-11
DE102014204082B4 (de) 2019-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6003724B2 (ja) 非常用の掛かり構造
JP2023063393A (ja) シートフレーム
US9616778B1 (en) Vehicle seat structure
JPWO2009069339A1 (ja) 乗物用シートのシートクッションのフレーム構造
JP2009154691A (ja) 車両用シート
JP6003723B2 (ja) 乗物用シートの取付構造
JP6169134B2 (ja) 車両用シートレール
KR101712278B1 (ko) 자동차용 시트 등받이 각도 해제 장치
JP6024522B2 (ja) 乗物用シートの取付構造
JP6040832B2 (ja) 乗物用シート
JP2011255860A (ja) 自動車のシートバックの支持構造
JP6548997B2 (ja) スライドレール
JP6583128B2 (ja) 乗物用シート
CN111483357B (zh) 滑动装置
JP5989856B2 (ja) 乗物用シート
JP6235328B2 (ja) 車両用シートのスライドレール装置
JP5932007B2 (ja) 乗物用シート
JP6204055B2 (ja) 乗物用シート
KR100820439B1 (ko) 리어시트 쿠션 폴딩부 구조
JP6499690B2 (ja) 乗物用シート
JP4924139B2 (ja) シートベルトバックルの取付け構造
JP2015080979A (ja) 車両用シート
JP5753614B2 (ja) 乗物用シート
JP7347174B2 (ja) 乗物シート用フレーム
JP5629205B2 (ja) 乗物用シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160628

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160630

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160719

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160822

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6003723

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250