JP6003697B2 - 噴射特性取得装置、及び噴射特性取得方法 - Google Patents

噴射特性取得装置、及び噴射特性取得方法 Download PDF

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本発明は、燃料噴射システムの噴射特性を取得する装置及び方法に関する。
従来、この種の装置において、密閉された状態の圧力容器内に燃料噴射弁により燃料を噴射し、圧力容器内の圧力変化、燃料噴射弁の燃料通路内の圧力変化、及び噴射された燃料の体積を検出するものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のものでは、燃料通路内の圧力変化と燃料の体積とにより取得された実噴射率のモデルを、圧力容器内の圧力変化と燃料の体積とにより取得された実噴射率のモデルによって補正している。
特開2012−97672号公報
ところで、特許文献1に記載のものにおいて、圧力容器と燃料噴射弁との接続箇所や圧力容器自体から、内部の気体や噴射された燃料が漏れるおそれがある。この場合、圧力容器内の圧力変化や燃料の体積が正しく検出されないため、上記補正が不適切に行われるおそれがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、圧力容器からの漏れが有ることを判定することのできる噴射特性取得装置及び噴射特性取得方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、燃料を蓄圧保持する蓄圧容器と、前記燃料を噴射孔から噴射する燃料噴射弁と、前記蓄圧容器から前記噴射孔までの燃料通路内の燃料圧力を検出する第1圧力センサと、を備える燃料噴射システムに適用される噴射特性取得装置であって、密閉された状態で内部に前記燃料噴射弁により前記燃料が噴射される圧力容器と、前記圧力容器内の圧力を検出する第2圧力センサと、前記圧力容器内に噴射される前記燃料の体積を検出する体積検出部と、前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時に前記第1圧力センサにより検出される前記燃料圧力と前記燃料の実噴射率との予め取得された相関関係を用いて、前記第1圧力センサにより検出される前記燃料圧力に基づいて前記燃料の第1の実噴射率を取得する第1実噴射率取得部と、前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時に前記第2圧力センサにより検出される前記圧力に基づいて、前記燃料の相対噴射率を取得する相対噴射率取得部と、前記相対噴射率と前記燃料の体積とに基づいて、前記燃料の第2の実噴射率を取得する第2実噴射率取得部と、前記第2の実噴射率に基づいて、前記第1の実噴射率を補正する補正部と、前記第2の実噴射率と前記第1の実噴射率との比較に基づいて、前記圧力容器からの漏れが有ると判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、蓄圧容器に燃料が蓄圧保持され、燃料通路を通じて蓄圧容器から燃料噴射弁の噴射孔まで燃料が流通させられる。そして、密閉された状態の圧力容器の内部に、燃料噴射弁により燃料が噴射される。燃料通路内の燃料圧力が第1圧力センサにより検出され、圧力容器内の圧力が第2圧力センサのより検出される。また、圧力容器内に噴射された燃料の体積が、体積検出部により検出される。
ここで、燃料噴射弁による燃料の噴射時に第1圧力センサにより検出される燃料圧力と、燃料の実噴射率との相関関係が予め取得されている。詳しくは、燃料噴射弁による燃料の噴射時における燃料通路内の燃料圧力の変化量と燃料の実噴射率とは相関関係を有しており、この相関関係を予め実験等により取得しておくことができる。そして、この相関関係を用いて、第1圧力センサにより検出される燃料圧力に基づいて、燃料の第1の実噴射率が取得される。
一方、燃料噴射弁による燃料の噴射時に第2圧力センサにより検出される燃料圧力に基づいて、燃料の相対的な噴射率である相対噴射率が取得される。詳しくは、燃料噴射弁による燃料の噴射時における圧力容器内の圧力の変化量と、圧力容器内に噴射される燃料の体積とは、比例関係を有している。このため、圧力容器内の圧力に基づいて、燃料の相対噴射率を取得することができる。そして、この相対噴射率と体積検出部により検出される燃料の体積とに基づいて、燃料の第2の実噴射率が取得される。すなわち、体積検出部により検出される燃料の体積を用いることにより、相対噴射率を実噴射率に変換することができる。
圧力容器と燃料噴射弁との接続箇所や圧力容器自体から、内部の気体や噴射された燃料が漏れている場合には、圧力容器内の圧力や検出される燃料の体積が小さくなる。このため、これらの圧力及び燃料の体積に基づいて取得される第2の実噴射率も小さくなる。そこで、第2の実噴射率と第1の実噴射率との比較に基づいて、圧力容器からの漏れが有ると判定される。例えば、第2の実噴射率が閾値を超えて第1の実噴射率よりも小さい場合に、圧力容器からの漏れが有ると判定する。すなわち、第2の実噴射率が第1の実噴射率よりも小さく、且つその差が閾値を超えている場合には、圧力容器からの漏れが有ると判定することができる。
請求項4に記載の発明は、燃料を蓄圧保持する蓄圧容器と、前記燃料を噴射孔から噴射する燃料噴射弁と、前記蓄圧容器から前記噴射孔までの燃料通路内の燃料圧力を検出する第1圧力センサと、を備える燃料噴射システムの噴射特性を取得する方法であって、密閉された状態で内部に前記燃料噴射弁により前記燃料が噴射される圧力容器と、前記圧力容器内の圧力を検出する第2圧力センサと、前記圧力容器内に噴射される前記燃料の体積を検出する体積検出部と、を用意し、前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時に前記第1圧力センサにより検出される前記燃料圧力と前記燃料の実噴射率との予め取得された相関関係を用いて、前記第1圧力センサにより検出される前記燃料圧力に基づいて前記燃料の第1の実噴射率を取得する第1実噴射率取得工程と、前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時に前記第2圧力センサにより検出される前記圧力に基づいて、前記燃料の相対噴射率を取得する相対噴射率取得工程と、前記相対噴射率と前記燃料の体積とに基づいて、前記燃料の第2の実噴射率を取得する第2実噴射率取得工程と、前記第2の実噴射率に基づいて、前記第1の実噴射率を補正する補正工程と、前記第2の実噴射率と前記第1の実噴射率との比較に基づいて、前記圧力容器からの漏れが有ると判定する異常判定工程と、を備えることを特徴とする噴射特性取得方法。
上記工程によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を奏することができる。
燃料噴射システムの制御装置の概略を示すブロック図。 燃料噴射システム及び噴射特性取得装置を示す模式図。 噴射特性取得装置を示す模式図。 噴射率モデルを学習する手順の概要を示す図。 噴射率モデル学習の処理手順を示すフローチャート。 圧力容器での噴射率モデル作成の処理手順を示すフローチャート。 噴射率モデルを作成する態様を示す図。 圧力容器からの漏れ判定の処理手順を示すフローチャート。
以下、噴射特性取得装置を具体化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態の装置は、例えばディーゼルエンジンを対象にしたコモンレール式燃料噴射システムに適用される。この燃料噴射システムは、ディーゼルエンジンのシリンダ内に、高圧燃料(例えば噴射圧力「1000気圧」以上の軽油)を直接噴射する。なお、エンジンとしては、自動車用の多気筒(例えば直列4気筒)エンジン、詳しくは4ストロークのレシプロ式ディーゼルエンジンを想定している。
はじめに、図1を参照して、燃料噴射システムの制御装置の概略について説明する。この制御装置は、各種センサからのセンサ出力(検出信号)を取り込み、それら各センサ出力に基づいて燃料供給系を構成する各装置の駆動を制御するように構成されている。制御装置は、周知のマイクロコンピュータを備えて構成され、各種センサの検出信号に基づいて対象エンジンの運転状態やユーザの要求を把握する。そして、運転状態やユーザの要求に応じて、エンジンの吸入調整弁やインジェクタ等の各種アクチュエータを操作することにより、その時々の状況に応じた適切な制御を行う。
制御装置に搭載されるマイクロコンピュータは、各種の演算を行うCPU、その演算途中のデータや演算結果等を一時的に記憶するメインメモリとしてのRAM、プログラムメモリとしてのROM、データ保存用メモリとしての書換え可能な不揮発性メモリやバックアップRAM、さらにはA/D変換器やクロック発生回路等の信号処理装置、外部との間で信号を入出力するための入出力ポート等によって構成されている。そして、ROMには、噴射特性取得や噴射指令補正に係るプログラムや制御マップ等が予め格納されている。また、データ保存用メモリには、対象エンジンの設計データをはじめとする各種の制御データ等が予め格納されている。
同図に示すように、制御装置は、随時入力される各種のセンサ出力(検出信号)に基づいて、その時々にエンジンの出力軸に生成すべきトルク(要求トルク)、ひいてはその要求トルクを満足するための要求燃料噴射量Q及び要求噴射開始時期Tを算出する。例えば、エンジンのインジェクタ内に設けられた圧力センサにより、コモンレールとインジェクタの噴射孔との間の燃料通路内の実圧力Pcが検出される。制御装置は、時々のエンジン運転状態や運転者によるアクセルペダルの操作量等に応じて、要求燃料噴射量Q及び要求噴射開始時期Tを算出する。
そして、要求燃料噴射量Q、要求噴射開始時期T、及び実圧力Pcを、制御装置の備える噴射率モデルMに適用することにより、指令噴射期間Tq及び指令噴射開始時期Tcが算出される。その結果、これらの指令噴射期間Tq及び指令噴射開始時期Tcに基づいて、インジェクタにより燃料の噴射が行われ、対象エンジンの出力トルクが目標値へ制御される。
この噴射時において、圧力センサにより燃料の実圧力Pcが検出され、その実圧力Pcの推移に基づいて、噴射率モデルMにより実燃料噴射量Qr及び実噴射開始時期Tr等を推定する。この実燃料噴射量Qr及び実噴射開始時期Trに基づいて、次回以降の燃料噴射を制御してもよいし、実圧力Pcに基づいて燃料噴射と同時にその実噴射率を把握して、実行中の燃料噴射を制御してもよい。
次に、上記の噴射率モデルMを作成する処理の概要について説明する。本実施形態では、圧力センサにより検出される燃料の実圧力Pcに基づいて、インジェクタの燃料噴射に係る一連の動作における所定時刻、詳しくは噴射開始時刻tsta、噴射率最大到達時刻tinc、噴射率が最大になった後の噴射率降下開始時刻tdec、噴射終了時刻tend、及び最大噴射率dQmaxを、モデルMのパラメータとして学習する。
入力処理部Iは、圧力センサの出力(実圧力Pc)をローパスフィルタに通すフィルタリング処理を行い、その出力から高周波ノイズを除去する。そして、処理後のデータに対して、ポンプの燃料圧送による圧力の上昇成分を除去する(裏気等補正)。詳しくは、エンジンにおいて、1つの気筒で燃料噴射が行われている時に、燃料噴射が行われていない気筒での燃料圧力の上昇分を、燃料噴射が行われている気筒での燃料圧力から差し引く。また、入力処理部Iは、インジェクタによる噴射開始(ノズル開弁)に伴って発生する圧力脈動を、圧力センサの出力から除去する(開弁圧力脈動補償)。さらに、1回の燃焼行程においてインジェクタにより複数段の噴射を行う場合には、前段の噴射により生じた圧力脈動を除去する(前段噴射圧力脈動補償)。
解析部Aは、上記のように処理された圧力推移(圧力の変化波形)に基づいて、燃料噴射に係る上記の各時刻を検出する。まず、解析部Aは、上記圧力推移について各時刻における1階微分値及び2階微分値を算出する。そして、2階微分値が負の閾値Kよりも小さい場合に、その時の時刻を噴射開始時刻tstaとして検出する。その際には、噴射開始から圧力センサに圧力が伝播するまでの期間を考慮する(圧力伝播遅れ戻し)。また、解析部Aは、1階微分値の前回値が正であり、且つ1階微分値(今回値)が負の閾値よりも小さい場合に、その時刻を噴射終了時刻tendとして検出する。この際には、噴射終了から圧力センサに圧力が伝播するまでの期間を考慮する(圧力伝播遅れ戻し)。さらに、解析部Aは、1階微分値の前回値が負であり、且つ1階微分値(今回値)が正の閾値よりも大きい場合に、その時刻を噴射率最大到達時刻tincとして検出する。なお、解析部Aは、噴射終了時刻tendから所定時間前の時刻を、噴射率降下開始時刻tdecとして検出する。上記の各時刻を検出する方法は、これらの方法に限定されず、種々の方法を用いることができる。
学習部Lは、これらの噴射開始時刻tsta、噴射率最大到達時刻tinc、噴射率降下開始時刻tdec、噴射終了時刻tendを学習(保存)する。そして、これらの時刻に基づいて、相対噴射率の推移(変化波形)を取得する。この相対噴射率は、燃料の噴射率に対応するものであり、圧力センサにより検出される燃料の実圧力Pcの変化に応じて変化する相対的な値である。さらに、学習部Lは、後述する噴射率モデル学習に基づいて、相対噴射率を実噴射率に変換して、最大噴射率dQmaxを学習(保存)する。これらの実噴射率及び最大噴射率dQmaxは、実際の噴射率の大きさを表す絶対的な値である。
制御装置は、学習部Lで学習されたパラメータ(各時刻及び最大噴射率)を反映して、噴射率モデルMを作成する。そして、燃料噴射システムの燃料噴射制御において、噴射率モデルMが用いられる。
図2は、燃料噴射システム10及び噴射特性取得装置20を示す模式図である。同図に示すように、燃料噴射システム10は、燃料ポンプ11、コモンレール12、燃料配管13、及びインジェクタ14を備えている。
燃料ポンプ11は、高圧ポンプ及び低圧ポンプを有し、低圧ポンプによって燃料タンクから汲み上げられた燃料を、高圧ポンプにて加圧して吐出するように構成されている。燃料ポンプ11により燃料タンクから汲み上げられた燃料は、コモンレール12へ加圧供給(圧送)される。そして、コモンレール12(蓄圧容器)は、その燃料ポンプ11から圧送された燃料を高圧状態で蓄える(蓄圧保持する)。コモンレール12内の燃料は、エンジンのシリンダに対応して設けられた各燃料配管13(燃料通路)を通じて、各シリンダに対応する各インジェクタ14(燃料噴射弁)へそれぞれ供給される。インジェクタ14は、制御装置からの指令に応じて、噴射孔14aから燃料を噴射する。
噴射特性取得装置20は、圧力容器21、誘導配管22、及び流量計23を備えている。各圧力容器21(収集容器)には、各インジェクタ14が接続されている。圧力容器21は、高圧に耐えることのできる中空の容器であり、その内部の圧力が外部に漏れないように密閉されている。圧力容器21の内部にインジェクタ14の噴射孔14a(先端)が露出しており、インジェクタ14により圧力容器21の内部へ燃料が噴射される。圧力容器21の内部へ噴射された燃料は、圧力容器21の内壁を伝って下部へ収集される。
各圧力容器21の下部には、各誘導配管22の上端(一端)が接続されており、各誘導配管22の下端(他端)は流量計23に接続されている。そして、圧力容器21の下部へ収集された燃料は、誘導配管22を通じて流量計23へ誘導される。
図3は、噴射特性取得装置20を示す模式図である。同図に示すように、各インジェクタ14には、第1圧力センサ16及び第1温度センサ17が設けられている。噴射特性取得装置20は、各圧力容器21に設けられた第2圧力センサ26、各流量計23に設けられた第2温度センサ27、及びPC(Personal Computer)25を備えている。
第1圧力センサ16は、インジェクタ14において上記燃料配管13に接続された燃料通路14bの燃料取込み口の近傍に設けられている。燃料通路14bは、上記噴射孔14aに連通している。第1圧力センサ16は、この燃料取込み口の近傍において、燃料通路14b内の燃料圧力を検出する。なお、第1圧力センサ16は、燃料取込み口近傍の燃料圧力を検出するものに限らず、上記コモンレール12からインジェクタ14の噴射孔14aまでの燃料通路内の燃料圧力を検出するものであればよい。
第1温度センサ17は、インジェクタ14において燃料通路14bの燃料取込み口の近傍に設けられている。第1温度センサ17は、この燃料取込み口の近傍において、燃料通路14b内の燃料の温度を検出する。なお、第1温度センサ17は、インジェクタ14内の燃料の温度と等しい温度を検出するものであればよく、例えば燃料配管13内の燃料の温度やコモンレール12内の燃料の温度を検出するものであってもよい。
第2圧力センサ26は、圧力容器21内の圧力を検出する。圧力容器21は密閉されているため、インジェクタ14から圧力容器21内へ燃料が噴射されることにより、圧力容器21内の圧力が変化する。したがって、第2圧力センサ26により、インジェクタ14による燃料噴射に伴う圧力容器21内の圧力変化が検出される。
流量計23(体積検出部)は、微小流量を検出可能な流量計であり、流量計23を通過する流体の体積流量を検出する。流量計23は、誘導配管22を通じて流量計23へ誘導される燃料、すなわちインジェクタ14から噴射される燃料の体積流量を検出する。
第2温度センサ27は、流量計23を通過する燃料の温度を検出する。すなわち、第2温度センサ27は、流量計23により燃料の流量を検出する際に、その燃料の温度を検出する。なお、第2温度センサ27は、流量計23内の燃料の温度と等しい温度を検出するものであればよく、例えば誘導配管22内の燃料の温度を検出するものであってもよい。
PC25は、公知のコンピュータであり、各種の演算を行うCPU、その演算途中のデータや演算結果等を一時的に記憶するメインメモリとしてのRAM、プログラムメモリとしてのROM、データ保存用の記憶装置、さらにはA/D変換器やクロック発生回路等の信号処理装置、外部との間で信号を入出力するための入出力ポート等によって構成されている。
上記の第1圧力センサ16、第1温度センサ17、第2圧力センサ26、流量計23、及び第2温度センサ27の各出力は、PC25へ入力される。PC25は、流量計23により検出される燃料の流量を積分することにより、流量計23を通過した燃料の体積、すなわちインジェクタ14により噴射された燃料の体積を検出する。
また、PC25は、上記の各種センサの出力に基づいて、流量計23で検出された燃料の体積をインジェクタ14から噴射される燃料の体積に換算するとともに、インジェクタ14から噴射される燃料の相対噴射率を取得する。そして、相対噴射率の推移と換算された燃料の体積とに基づいて、第1圧力センサ16により検出される圧力と燃料の実噴射率との関係(第1実噴射率モデル)、及び第2圧力センサ26により検出される圧力と燃料の実噴射率との関係(第2実噴射率モデル)を取得する。
図4は、こうした噴射率モデルを学習する手順の概要を示す図である。インジェクタ14により燃料噴射が行われると、インジェクタ14に設けられた第1圧力センサ16では、同図の上側に破線で示すような圧力の推移(変化波形)が検出される。そして、図1を参照して説明したように、この圧力推移に基づいて、噴射開始時刻tsta、噴射率最大到達時刻tinc、噴射率降下開始時刻tdec、噴射終了時刻tendを学習する。そして、これらの時刻に基づいて、同図の右側に破線で示すような燃料の相対噴射率の推移(変化波形)を取得する。
また、インジェクタ14により燃料噴射が行われると、圧力容器21に設けられた第2圧力センサ26では、同図の下側に実線で示すような圧力の推移(変化波形)が検出される。すなわち、密閉された圧力容器21内にインジェクタ14から燃料が噴射されることにより、噴射された燃料の体積に応じて圧力容器21内の圧力が上昇する。
ここで、圧力容器21内の圧力の上昇量(総変化量)と圧力容器21内に噴射された燃料の体積(総噴射体積)とは、比例関係を有している。このため、圧力容器21内の圧力の微分値と、燃料の体積の微分値である噴射率とは比例関係を有している。したがって、圧力の微分値の変化波形は、同図の右側に実線で示すような燃料の相対噴射率の推移(変化波形)を表すこととなる。
そして、燃料の相対噴射率の積分値(曲線よりも下側部分の面積)は燃料の体積を表すため、これに流量計23で検出された燃料の体積(実噴射量)を適用することにより、上記の各相対噴射率を実噴射率に変換する。このとき、流量計23を通過する燃料の温度と、インジェクタ14により噴射される燃料の温度とは異なっている。したがって、燃料の温度変化に起因して燃料の体積が変化することから、流量計23で検出された燃料の体積を相対噴射率の積分値にそのまま適用した場合には、取得される実噴射率が不正確になるおそれがある。
そこで、本実施形態では、流量計23に設けられた第2温度センサ27の検出値と、インジェクタ14に設けられた第1温度センサ17との検出値に基づいて、流量計23で検出された燃料の体積を、インジェクタ14から噴射される燃料の体積に換算する。そして、この換算された燃料の体積を燃料の相対噴射率の積分値に適用して、各相対噴射率を実噴射率に変換する。したがって、インジェクタ14に設けられた第1圧力センサ16により検出される圧力と燃料の実噴射率との関係、及び圧力容器21に設けられた第2圧力センサ26により検出される圧力と燃料の実噴射率との関係を、正確に取得することができる。そして、これらの実噴射率が一致するように補正することが可能となる。
図5は、こうした噴射率モデル学習の処理手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、インジェクタ14による燃料噴射時にPC25により実行される。
まず、インジェクタ14の第1圧力センサ16の出力に基づいて噴射率モデル(相対噴射率推移)を作成するとともに、インジェクタ14の第1温度センサ17により燃料の温度を検出する(S11)。続いて、圧力容器21の第2圧力センサ26の出力に基づいて、噴射率モデル(相対噴射率推移)を作成する(S12)。圧力容器21の第2圧力センサ26の出力に基づく噴射率モデルの作成については後述する。
続いて、流量計23の第2温度センサ27により流量計23を通過する燃料の温度を検出するとともに、流量計23の出力に基づいてインジェクタ14により噴射される燃料の体積を検出する(S13)。流量計23で検出された燃料の体積を、インジェクタ14から噴射される燃料の体積に換算する(S14)。詳しくは、燃料の種類により定まる燃料の熱膨張率(温度変化に対する体積変化率)と、流量計23の第2温度センサ27により検出される燃料の温度と、インジェクタ14の第1温度センサ17により検出される燃料の温度とに基づいて、燃料の体積を換算する。
続いて、この換算された燃料の体積を用いて、圧力容器21の第2圧力センサ26の出力に基づく噴射率モデルの単位を実噴射率の単位に換算する(S15)。詳しくは、換算された燃料の体積と圧力容器21での燃料の相対噴射率の積分値(曲線よりも下側部分の面積)とが等しいとして、相対噴射率の推移を実噴射率の推移に変換する。これにより、第2圧力センサ26の出力に基づいて、インジェクタ14の燃料噴射における実噴射率や最大噴射率が算出される。さらに、第2圧力センサ26により検出される圧力と、上記実噴射率との関係が取得される。
上記換算された燃料の体積を用いて、インジェクタ14の第1圧力センサ16の出力に基づく噴射率モデルの単位を実噴射率の単位に換算する(S16)。詳しくは、換算された燃料の体積とインジェクタ14での燃料の相対噴射率の積分値とが等しいとして、相対噴射率の推移を実噴射率の推移に変換する。これにより、第1圧力センサ16の出力に基づいて、インジェクタ14の燃料噴射における実噴射率や最大噴射率が算出される。さらに、第1圧力センサ16により検出される圧力と、上記実噴射率との関係が取得される。その後、この一連の処理を終了する。
なお、S12の処理が相対噴射率取得部としての処理(相対噴射率取得工程)に相当し、S15の処理が第2実噴射率取得部としての処理(第2実噴射率取得工程)に相当する。
図6は、圧力容器21での噴射率モデル作成の処理手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、インジェクタ14による燃料噴射時にPC25により実行される。
まず、圧力容器21の第2圧力センサ26の出力をローパスフィルタ処理し(S121)、処理されたデータを微分処理する(S122)。これにより、図7の上側に示す圧力推移の曲線から、同図の下側に示す圧力の微分値推移の曲線が得られる。
続いて、微分処理した曲線の頂上に沿って水平線を引く(S123)。すなわち、図7に示すように、曲線の頂上の平均的な高さを通るように水平線Hを引く。なお、水平線Hの引き方として、圧力の微分値推移の曲線において、それを微分した値が正の値から0又は負の値に変化する点(上昇終了点)を通るように引いてもよいし、それを微分した値が0又は正の値から負の値に変化する点(下降開始点)を通るように引いてもよいし、それらの上昇終了点及び下降開始点を結ぶように引いてもよい。
さらに、曲線の最大上昇部分及び最大下降部分において、それぞれ頂上に対して第1の割合の高さの点と第2の割合の高さの点とを直線で結ぶ(S124)。例えば、図7に示すように、最大上昇部分において、頂上(水平線H)に対して25%の高さの点P11と75%の高さの点P12とを直線L1で結ぶ。また、最大下降部分において、頂上(水平線H)に対して25%の高さの点P21と75%の高さの点P22とを直線L2で結ぶ。なお、これらの点P11,P12,P21,P22は、曲線において直線部分の両端の点を便宜的に求めたものであり、各々の点の位置はインジェクタ14の仕様や実験結果等に基づいて設定される。このため、これらの点の位置は、25%,75%の高さに限らず、30%,70%等の高さを用いることもできる。
そして、直線L1,L2と0点との交点、及び直線L1,L2と水平線Hとの交点を算出する(S125)。図7に示すように、直線L1と0点との交点P13、直線L1と水平線Hとの交点P14、直線L2と0点との交点P23、及び直線L2と水平線Hとの交点P24を算出する。これらの点P13、P14、P24、P23は、それぞれ噴射開始時刻tsta、噴射率最大到達時刻tinc、噴射率降下開始時刻tdec、噴射終了時刻tendに相当する。そして、これらの時刻に基づいて、相対噴射率の推移を取得する。その後、この一連の処理を終了する。なお、S121〜S125の処理が、相対噴射率取得部としての処理(相対噴射率取得工程)に相当する。
ここで、圧力容器21とインジェクタ14との接続箇所や圧力容器21自体から、内部の気体や噴射された燃料が漏れるおそれがある。このような漏れが生じている場合には、圧力容器21内の圧力や検出される燃料の体積が小さくなる。このため、図4の下側に一点鎖線で示すように、圧力容器21の第2圧力センサ26により検出される圧力が小さくなる。詳しくは、検出される圧力の上昇速度(上昇の傾き)が小さくなるとともに、検出される圧力の上昇量(最大圧力)が小さくなる。その結果、同図の右側に一点鎖線で示すように、圧力の微分値(相対噴射率の変化波形)も、上昇速度(上昇の傾き)が小さくなるとともに、上昇量(最大値)が小さくなる。また、この場合、流量計23により検出される燃料の体積も小さくなる。したがって、これらに基づいて取得される実噴射率の変化波形も同様に、上昇速度(上昇の傾き)が小さくなるとともに、上昇量(最大値)が小さくなる。
そこで、本実施形態では、上述した圧力容器21の第2圧力センサ26の出力及び検出される燃料の体積に基づき取得される第2の実噴射率と、インジェクタ14の第1圧力センサ16の出力及び予め取得された相関関係に基づき取得される第1の実噴射率との比較により、圧力容器21からの漏れの有無を判定する。
図8は、圧力容器21からの漏れの有無を判定する漏れ判定の処理手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、図5の噴射率モデル学習を実行する前に、PC25により実行される。
まず、インジェクタ14から燃料を噴射させる(S21)。そして、インジェクタ14の第1圧力センサ16により検出された燃料圧力と燃料の実噴射率との予め取得された相関関係を用いて、第1圧力センサ16により検出された燃料圧力に基づいて燃料の第1の実噴射率の推移を取得する(S22)。詳しくは、図1を参照して説明したモデルMの作成と同様の手順により、第1圧力センサ16により検出される圧力の推移(変化波形)を取得する。ここでは、圧力容器21からの漏れがないことが別の方法により確認された上で、インジェクタ14の基準となるマスタインジェクタを用いた実験等により、上記相関関係が予め取得されている。すなわち、マスタインジェクタにおいて、燃料の噴射時に第1圧力センサ16により検出される燃料圧力と、燃料の実噴射率との相関関係が取得されている。そして、上記圧力の推移に対してこの相関関係を用いて、燃料の第1の実噴射率の推移(第1噴射率モデル)を取得する。
一方、圧力容器21の第2圧力センサ26により検出された燃料圧力と流量計23により検出された燃料の噴射体積とに基づいて、燃料の第2の実噴射率の推移を取得する(S23)。詳しくは、図5,6を参照して説明した手順により、圧力容器21の第2圧力センサ26の出力に基づく噴射率モデルの単位を実噴射率の単位に換算して、燃料の第2の実噴射率の推移(第2噴射率モデル)を取得する。
続いて、第1噴射率モデルと第2噴射率モデルとの比較に基づいて、圧力容器21からの漏れがないか否か判定する(S24)。詳しくは、第2の実噴射率の推移における最大値が、閾値を超えて第1の実噴射率の推移における最大値よりも小さい場合に、圧力容器21からの漏れが有ると判定する。これに対して、第2の実噴射率の推移における最大値が、第1の実噴射率の推移における最大値から上記閾値を引いた値よりも大きい場合に、圧力容器21からの漏れがないと判定する。なお、上記最大値に代えて、圧力推移の曲線における頂上の平均的な高さ(圧力の大きさ)や、曲線全体の平均値を用いることもできる。
上記判定において、圧力容器21からの漏れがないと判定した場合(S24:YES)、圧力容器21は正常であると判定する(S25)。そして、この一連の処理を終了する。この場合は、その後に図5の噴射率学習処理を実行する。一方、上記判定において、圧力容器21からの漏れがあると判定した場合(S24:NO)、圧力容器21は異常であると判定し、その旨を報知する(S26)。そして、この一連の処理を終了する。この場合は、その後に図5の噴射率学習処理を実行しない。
なお、S22の処理が第1実噴射率取得部としての処理(第1実噴射率取得工程)に相当し、S23の処理が第2実噴射率取得部としての処理(第2実噴射率取得工程)に相当し、S24及びS25の処理が正常判定工程に相当し、S24及びS26の処理が判定部としての処理(異常判定工程)に相当する。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
・圧力容器21での第2の実噴射率とインジェクタ14での第1の実噴射率との比較に基づいて、圧力容器21からの漏れが有ると判定される。詳しくは、第2の実噴射率が閾値を超えて第1の実噴射率よりも小さい場合に、圧力容器21からの漏れが有ると判定される。すなわち、第2の実噴射率が第1の実噴射率よりも小さく、且つその差が閾値を超えている場合には、圧力容器21からの漏れが有ると判定することができる。
・インジェクタ14による燃料の噴射時における燃料通路14b内の燃料圧力の変化量と燃料の実噴射率とは相関関係を有しており、この相関関係を予め実験等により取得しておくことができる。第1圧力センサ16により検出される燃料圧力の変化波形とこの相関関係とに基づいて、第1の実噴射率の変化波形が取得される。また、圧力容器21での相対噴射率の変化波形と燃料の体積とに基づいて、第2の実噴射率の変化波形が取得される。このため、燃料噴射システム10の噴射特性として、これらの実噴射率の変化波形を取得することができる。
・第2の実噴射率の変化波形における最大値が、閾値を超えて第1の実噴射率の変化波形における最大値よりも小さい場合に、圧力容器21からの漏れが有ると判定される。したがって、これらの実噴射率の変化波形を用いて、圧力容器21からの漏れが有ることを容易に判定することができる。
上記実施形態に限定されず、例えば次のように実施することもできる。
・上記実施形態では、インジェクタ14内の燃料の温度を第1温度センサ17により検出したが、燃料の圧力等に基づいてインジェクタ14内の燃料の温度を推定してもよい。
・上記実施形態では、第2の実噴射率の変化波形における最大値と、第1の実噴射率の変化波形における最大値とを比較して、圧力容器21からの漏れが有ると判定した。しかしながら、第2の実噴射率の変化波形における最大上昇部分の傾きが、閾値を超えて第1の実噴射率の変化波形における最大上昇部分の傾きよりも小さい場合に、圧力容器21からの漏れが有ると判定することもできる。この場合も、これらの実噴射率の変化波形を用いて、圧力容器21からの漏れが有ることを容易に判定することができる。
・また、第2の実噴射率の変化波形における最大下降部分の傾きが、閾値を超えて第1の実噴射率の変化波形における最大下降部分の傾きよりも小さい(傾きが緩い)場合に、圧力容器21からの漏れが有ると判定することもできる。
・上記実施形態では、第2温度センサ27により検出された燃料の温度に基づいて、流量計23により検出された燃料の体積を、インジェクタ14から噴射される燃料の体積に換算したが、インジェクタ14から噴射される燃料の質量に換算してもよい。その際には、燃料の密度及び熱膨張率を用いる。そして、取得された相対噴射率の推移と換算された燃料の質量とに基づいて、第1圧力センサ16により検出される圧力とインジェクタ14から噴射される燃料の実噴射率(質量噴射率)との関係を取得してもよい。
・第1圧力センサ16を備えていないインジェクタによる燃料の噴射特性を取得する場合は、以下のように行うことが望ましい。すなわち、上記第2の実噴射率と上記第1の実噴射率との比較に基づいて、圧力容器21からの漏れがないと判定する正常判定工程を備え、正常判定工程において圧力容器21からの漏れがないと判定されたことを条件として、インジェクタ14を圧力容器21から取り外すとともに、第1圧力センサ16を燃料噴射システム10から取り外す取り外し工程と、インジェクタ14とは別の所定のインジェクタを圧力容器21に取り付ける取り付け工程と、所定のインジェクタによる燃料の噴射時に第2圧力センサ26により検出される圧力に基づいて、燃料の相対噴射率を取得する相対噴射率取得工程と、相対噴射率と燃料の体積とに基づいて、所定のインジェクタによる燃料の第3の実噴射率を取得する第3実噴射率取得工程と、を実行する。
上記工程によれば、上記実施形態と同様にして、圧力容器21からの漏れがないと判定される。圧力容器21からの漏れがないと判定されたことを条件として、インジェクタ14が圧力容器21から取り外されるとともに、第1圧力センサ16が燃料噴射システム10から取り外され、このインジェクタ14とは別の所定のインジェクタ(第1圧力センサ16を備えていないインジェクタ)が圧力容器21に取り付けられる。そして、所定のインジェクタによる燃料の噴射時に第2圧力センサ26により検出される圧力に基づいて、燃料の相対噴射率が取得される。この相対噴射率と流量計23により検出される燃料の体積とに基づいて、所定のインジェクタによる燃料の第3の実噴射率が取得される。
すなわち、第1圧力センサ16が取り付けられている状態で、圧力容器21からの漏れが有るか否か判定され、圧力容器21からの漏れがないと判定された場合に限り、所定のインジェクタによる燃料の実噴射率(噴射特性)が取得される。したがって、第1圧力センサ16を備えていないインジェクタであっても、圧力容器21からの漏れがないとことを確認した上で、燃料の噴射特性を取得することができる。
・第2圧力センサ26により検出される圧力容器21内の圧力は、第1圧力センサ16により検出されるインジェクタ14内の圧力よりも、インジェクタ14による燃料噴射の影響を直接的に反映すると考えられる。したがって、第2圧力センサ26により検出される圧力容器21内の圧力と実噴射率との関係の精度は、第1圧力センサ16により検出されるインジェクタ14内の圧力と実噴射率との関係の精度よりも高くなる。
この点、第2圧力センサ26の出力に基づく噴射率モデルにより取得された圧力と実噴射率との関係に基づいて、第1圧力センサ16の出力に基づく噴射率モデルにより取得された圧力と実噴射率との関係を補正するといった構成を採用するとよい。ただし、上述したように、圧力容器21からの漏れがないことを補正前に確認した上で、こうした補正を行うことが望ましい。こうした構成によれば、第1圧力センサ16により検出される圧力と燃料の実噴射率との関係を、より精度が向上するように補正することができる。具体的には、最大噴射率を補正したり、平均噴射率を補正したり、噴射率の変化波形を部分的に補正したりすることができる。
・上記実施形態では、コモンレール12を備える燃料噴射システム10に具体化したが、直噴ガソリンエンジンのデリバリパイプを備える燃料噴射システムに具体化することもできる。
10…燃料噴射システム、12…コモンレール、13…燃料配管、14…インジェクタ、14a…噴射孔、14b…燃料通路、16…第1圧力センサ、20…噴射特性取得装置、21…圧力容器、23…流量計、25…PC、26…第2圧力センサ。

Claims (5)

  1. 燃料を蓄圧保持する蓄圧容器(12)と、前記燃料を噴射孔(14a)から噴射する燃料噴射弁(14)と、前記蓄圧容器から前記噴射孔までの燃料通路(13,14b)内の燃料圧力を検出する第1圧力センサ(16)と、を備える燃料噴射システム(10)に適用される噴射特性取得装置(20)であって、
    密閉された状態で内部に前記燃料噴射弁により前記燃料が噴射される圧力容器(21)と、
    前記圧力容器内の圧力を検出する第2圧力センサ(26)と、
    前記圧力容器内に噴射される前記燃料の体積を検出する体積検出部(23)と、
    前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時に前記第1圧力センサにより検出される前記燃料圧力と前記燃料の実噴射率との予め取得された相関関係を用いて、前記第1圧力センサにより検出される前記燃料圧力に基づいて前記燃料の第1の実噴射率を取得する第1実噴射率取得部と、
    前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時に前記第2圧力センサにより検出される前記圧力に基づいて、前記燃料の相対噴射率を取得する相対噴射率取得部と、
    前記相対噴射率と前記燃料の体積とに基づいて、前記燃料の第2の実噴射率を取得する第2実噴射率取得部と、
    前記第2の実噴射率に基づいて、前記第1の実噴射率を補正する補正部と、
    前記第2の実噴射率と前記第1の実噴射率との比較に基づいて、前記圧力容器からの漏れが有ると判定する判定部と、
    を備えることを特徴とする噴射特性取得装置。
  2. 前記相対噴射率取得部は、前記第2圧力センサにより検出される前記圧力の変化波形に基づいて、前記燃料の相対噴射率の変化波形を取得し、
    前記第1実噴射率取得部は、前記第1圧力センサにより検出される前記燃料圧力の変化波形と前記相関関係とに基づいて、前記第1の実噴射率の変化波形を取得し、
    前記第2実噴射率取得部は、前記相対噴射率の変化波形と前記燃料の体積とに基づいて、前記第2の実噴射率の変化波形を取得し、
    前記判定部は、前記第2の実噴射率の変化波形における最大値が、閾値を超えて前記第1の実噴射率の変化波形における最大値よりも小さい場合に、前記圧力容器からの漏れが有ると判定する請求項1に記載の噴射特性取得装置。
  3. 前記相対噴射率取得部は、前記第2圧力センサにより検出される前記圧力の変化波形に基づいて、前記燃料の相対噴射率の変化波形を取得し、
    前記第1実噴射率取得部は、前記第1圧力センサにより検出される前記燃料圧力の変化波形と前記相関関係とに基づいて前記第1の実噴射率の変化波形を取得し、
    前記第2実噴射率取得部は、前記相対噴射率の変化波形と前記燃料の体積とに基づいて、前記第2の実噴射率の変化波形を取得し、
    前記判定部は、前記第2の実噴射率の変化波形における最大上昇部分の傾きが、閾値を超えて前記第1の実噴射率の変化波形における最大上昇部分の傾きよりも小さい場合に、前記圧力容器からの漏れが有ると判定する請求項1に記載の噴射特性取得装置。
  4. 燃料を蓄圧保持する蓄圧容器(12)と、前記燃料を噴射孔(14a)から噴射する燃料噴射弁(14)と、前記蓄圧容器から前記噴射孔までの燃料通路(13,14b)内の燃料圧力を検出する第1圧力センサ(16)と、を備える燃料噴射システム(10)の噴射特性を取得する方法であって、
    密閉された状態で内部に前記燃料噴射弁により前記燃料が噴射される圧力容器(21)と、前記圧力容器内の圧力を検出する第2圧力センサ(26)と、前記圧力容器内に噴射される前記燃料の体積を検出する体積検出部(23)と、
    を用意し、
    前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時に前記第1圧力センサにより検出される前記燃料圧力と前記燃料の実噴射率との予め取得された相関関係を用いて、前記第1圧力センサにより検出される前記燃料圧力に基づいて前記燃料の第1の実噴射率を取得する第1実噴射率取得工程と、
    前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時に前記第2圧力センサにより検出される前記圧力に基づいて、前記燃料の相対噴射率を取得する相対噴射率取得工程と、
    前記相対噴射率と前記燃料の体積とに基づいて、前記燃料の第2の実噴射率を取得する第2実噴射率取得工程と、
    前記第2の実噴射率に基づいて、前記第1の実噴射率を補正する補正工程と、
    前記第2の実噴射率と前記第1の実噴射率との比較に基づいて、前記圧力容器からの漏れが有ると判定する異常判定工程と、
    を備えることを特徴とする噴射特性取得方法。
  5. 前記第2の実噴射率と前記第1の実噴射率との比較に基づいて、前記圧力容器からの漏れがないと判定する正常判定工程を備え、
    前記正常判定工程において前記圧力容器からの漏れがないと判定されたことを条件として、
    前記燃料噴射弁を前記圧力容器から取り外すとともに、前記第1圧力センサを前記燃料噴射システムから取り外す取り外し工程と、
    前記燃料噴射弁とは別の所定の燃料噴射弁を前記圧力容器に取り付ける取り付け工程と、
    前記所定の燃料噴射弁による前記燃料の噴射時に前記第2圧力センサにより検出される前記圧力に基づいて、前記燃料の相対噴射率を取得する相対噴射率取得工程と、
    前記相対噴射率と前記燃料の体積とに基づいて、前記所定の燃料噴射弁による前記燃料の第3の実噴射率を取得する第3実噴射率取得工程と、
    を実行する請求項4に記載の噴射特性取得方法。
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