JP5998970B2 - 燃料噴射特性検出装置 - Google Patents

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本発明は、燃料噴射弁からの燃料噴射時に燃圧センサの出力に基づいてセンサ波形を取得し、取得したセンサ波形に基づき燃料噴射特性を検出する燃料噴射特性検出装置に関する。
コモンレール(畜圧容器)から燃料噴射弁へ燃料を供給する燃料噴射システムにおいて、燃料噴射弁から燃料を噴射させると、噴射率の変化に応じて燃料噴射弁内部の燃料圧力が変化する。そこで、各燃料噴射弁に搭載された燃圧センサにより、噴射時に燃料圧力の変動波形を検出して、検出した変動波形に基づき噴射率変化を示す波形を推定することが行われている。さらに、推定した噴射率変化を示す波形から噴射開始時期、噴射終了時期、噴射量等の実際の噴射状態を検出して、検出した噴射状態に基づき燃料噴射弁の作動を制御することが行われている。
ただし、噴射時に燃圧センサにより検出される変動波形は、噴射に起因する燃料圧力の変動波形に、噴射に伴いコモンレールから燃料噴射弁に燃料が供給されることによる供給脈動の波形が重畳したものである。よって、実際の噴射状態を高精度に検出するためには、噴射時に燃圧センサにより検出される変動波形から、供給脈動の波形を除き、噴射に起因する燃料圧力の変動波形(燃料噴射特性)を抽出する必要がある。
そこで、特許文献1では、噴射時に燃圧センサにより検出される変動波形のうち噴射開始に伴い燃圧降下していく部分の降下波形に基づき、供給脈動の波形をモデル化している。さらに、噴射時に燃圧センサにより検出される変動波形から、モデル化した供給脈動の波形を差し引いて、噴射に起因する燃料圧力の変動波形を抽出している。
特開2012−077653号公報
特許文献1は、降下波形の傾きと供給脈動の傾きとの比例関係の式を予め試験して取得しておき、取得した比例関係の式に基づいて供給脈動の波形をモデル化している。しかしながら、コモンレールの製造ばらつき及び経年劣化等により、降下波形の傾きと供給脈動の傾きとの実際の関係が予め取得した比例関係からずれ、実際の供給脈動の波形とモデルとの間にずれが生じるおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑み、ハードウェアの特性に応じて供給脈動波形のモデルを補正し、補正したモデルを用いて噴射に起因する燃料圧力の変動波形を抽出することが可能な燃料噴射特性検出装置を提供することを主たる目的とする。
上記課題を解決するために、第1の発明は、高圧燃料を畜圧保持する畜圧容器と、前記畜圧容器に対して燃料を圧送する燃料ポンプと、前記畜圧容器内に畜圧保持された高圧燃料を内燃機関に噴射する燃料噴射弁と、前記畜圧容器から前記燃料噴射弁の噴射口までの燃料通路内の燃料圧力を検出する燃圧センサと、を備える燃料噴射システムに適用される燃料噴射特性検出装置であって、燃料噴射時の前記燃圧センサの出力に基づいて、燃料噴射時の圧力変動を表す噴射時センサ波形を取得する噴射時センサ波形取得手段と、前記燃料ポンプによる燃料の圧送時に、前記燃圧センサの出力に基づいて、圧送に伴う圧力変動を表す圧送波形を取得する圧送波形取得手段と、燃料噴射に伴い前記畜圧容器から前記燃料噴射弁へ燃料が供給されることによって発生する供給脈動波形のモデルを算出するモデル算出手段と、前記圧送波形取得手段により取得された圧送波形に基づいて、前記モデル算出手段により算出された前記モデルを補正して補正モデルを算出するモデル補正手段と、前記噴射時センサ波形取得手段により取得された前記噴射時センサ波形から、前記モデル補正手段により算出された補正モデルを差し引いて、噴射に起因する燃料の圧力変動を表す噴射時波形を抽出する噴射時波形抽出手段と、を備える。
第1の発明によれば、燃料ポンプにより畜圧容器へ燃料が圧送される。そして、畜圧容器から燃料噴射弁の噴射口までの燃料通路内の燃料圧力が、燃圧センサにより検出される。
燃料噴射時の燃圧センサの出力に基づいて、噴射に起因する燃料圧力の変動波形に、噴射に伴い畜圧容器から燃料噴射弁に燃料が供給されることによる供給脈動の波形が重畳した噴射時センサ波形が取得される。また、噴射に起因する燃料圧力の変動波形に重畳される供給脈動波形のモデルが算出される。
ここで、本発明者は、供給脈動波形は、畜圧容器のオリフィス等のハードウェアの特性に応じた形状になるため、畜圧容器の製造ばらつきや経年劣化等によっては、実際の供給脈動波形と、実際のハードウェアの特性を加味していない供給脈動波形のモデルとのずれが大きくなることに着目した。さらに、本発明者は、供給脈動波形と同様に圧送波形も、畜圧容器のオリフィス等のハードウェアの特性に応じた形状になるため、圧送波形と供給脈動波形とは相関が高いことに着目した。
そこで、燃料の圧送時の燃圧センサの出力に基づいて、燃料の圧送に伴う圧力変動を表す圧送波形が取得され、取得された圧送波形に基づいて、算出された供給脈動モデルが補正されて補正モデルが算出される。さらに、噴射時センサ波形から補正モデルが差し引かれて、噴射に起因する燃料の圧力変動を表す噴射時波形が抽出される。
その結果、圧送波形に基づいて供給脈動波形のモデルを補正することにより、ハードウェアの特性を加味した補正モデルを算出することができる。ひいては、噴射時センサ波形から噴射に起因する燃料圧力の変動を高精度に抽出することができる。
また、第2の発明は、高圧燃料を畜圧保持する畜圧容器と、前記畜圧容器内の燃料を排出する減圧弁と、前記畜圧容器内に畜圧保持された高圧燃料を内燃機関に噴射する燃料噴射弁と、前記畜圧容器から前記燃料噴射弁の噴射口までの燃料通路内の燃料圧力を検出する燃圧センサと、を備える燃料噴射システムに適用される燃料噴射特性検出装置であって、燃料噴射時の前記燃圧センサの出力に基づいて、燃料噴射時の圧力変動を表す噴射時センサ波形を取得する噴射時センサ波形取得手段と、前記減圧弁による燃料の排出時に、前記燃圧センサの出力に基づいて、排出に伴う圧力変動を表す減圧波形を取得する減圧波形取得手段と、燃料噴射に伴い前記畜圧容器から前記燃料噴射弁へ燃料が供給されることによって発生する供給脈動波形のモデルを算出するモデル算出手段と、前記減圧波形取得手段により取得された減圧波形に基づいて、前記モデル算出手段により算出された前記モデルを補正して補正モデルを算出するモデル補正手段と、前記噴射時センサ波形取得手段により取得された前記噴射時センサ波形から、前記モデル補正手段により算出された補正モデルを差し引いて、噴射に起因する燃料の圧力変動を表す噴射時波形を抽出する噴射時波形抽出手段と、を備える。
第2の発明は、燃料の圧送に伴う圧力変動を表す圧送波形の代わりに、燃料の排出に伴う圧力変動を表す減圧波形に基づいて、供給脈動波形のモデルを補正して補正モデルを算出する点が第1の発明と異なる。圧送波形と同様に減圧波形も、畜圧容器のオリフィス等のハードウェアの特性に応じた形状になるため、減圧波形と供給脈動波形とは相関が高い。
したがって、第1の発明と同様に、実際のハードウェアの特性を加味した補正モデルを算出することができる。ひいては、噴射時センサ波形から噴射に起因する燃料圧力の変動を高精度に抽出することができる。
燃料噴射システムの概略を示す構成図。 燃料噴射弁の内部構造を模式的に示す内部側面図。 噴射指令信号に対応する噴射率及び燃圧の変化を示す図。 噴射時センサ波形、供給脈動波形モデル、噴射時波形を示す図。 圧送波形及び減圧波形と供給脈動波形との対応を示す図。 燃料噴射特性を検出する処理手順を示すフローチャート。 圧送波形に基づいて供給脈動波形モデルを補正する処理手順を示すサブルーチン。 圧送波形を示す図。 減圧波形に基づいて供給脈動波形モデルを補正する処理手順を示すサブルーチン。
以下、燃料噴射特性検出装置を車両に搭載した各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。各実施形態に係る燃料噴射特性検出装置は、4気筒のディーゼルエンジンに搭載されることを想定している。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
(第1実施形態)
図1を参照して、本実施形態に係る燃料噴射特性検出装置を適用する燃料噴射システムの概略を説明する。本燃料噴射システムは、高圧燃料を畜圧保持するコモンレール42(畜圧容器)と、コモンレール42に対して燃料を圧送する燃料ポンプ41と、コモンレール42内の燃料を排出する減圧弁43と、コモンレール42内に畜圧保持された高圧燃料をエンジン(内燃機関)に噴射する燃料噴射弁10と、コモンレール42から燃料噴射弁10の噴射口までの燃料通路内の燃料圧力を逐次検出する燃圧センサ20(図2参照)と、を備える。
燃料タンク40は、エンジンの各気筒#1〜#4に供給される燃料(軽油)を溜めておくためのタンクである。また、燃料ポンプ41は、低圧ポンプ41a及び高圧ポンプ41bを有する。低圧ポンプ41aは、燃料タンク40から燃料を汲み上げる。高圧ポンプ41bは、低圧ポンプ41aによって汲み上げられた燃料を加圧して、逐次所定のタイミングでコモンレール42へ圧送する。なお、どちらのポンプもエンジンのクランク軸に連動して駆動する。
コモンレール42は、燃料ポンプ41により圧送された燃料を畜圧保持する。コモンレール42内の圧力が、各気筒の燃料噴射弁10へ供給される燃料の供給圧Pcとなる。コモンレール42には、燃料を燃料タンク40に排出させるための電子制御式の減圧弁43が設けられている。コモンレール42内の燃料圧力を低下させる場合には、減圧弁43を駆動して燃料を排出させる。コモンレール42内に蓄圧された燃料は、配管44(燃料通路)を通して各気筒の燃料噴射弁10へ分配されて供給される。
コモンレール42と配管44との接続部分には、配管44を通してコモンレール42へ伝播される燃料脈動(主に噴射時に燃料噴射弁10の噴射口にて発生)を、軽減するオリフィス45が設けられている。このオリフィス45により、コモンレール42内の圧力脈動を低減して、安定した圧力で各燃料噴射弁10へ燃料を供給することができるようになっている。コモンレール42と配管44との接続部分は、オリフィス45以外に、フローダンパや、オリフィス及びフローダンパの組み合わせ等が適用できる。
次に、図2を参照して燃料噴射弁10の構造について説明する。燃料噴射弁10は、ボデー11と、ニードル弁12と、電磁コイルやピエゾ素子等のアクチュエータ13とを備えて構成される。ボデー11は、内部に、高圧通路11a(燃料通路)と、低圧通路11dと、高圧通路11aと繋がる噴孔11b(噴射口)とが形成されている。コモンレール42から供給された燃料は、高圧通路11aを通って噴孔11bから噴射される。ニードル弁12は、ボデー内部に収容されて噴孔11bを開閉する。
さらに、ボデー11は、内部に、ニードル弁12に背圧を付与する背圧室11cが形成されている。高圧通路11a及び低圧通路11dは、背圧室11cと接続されている。そして、高圧通路11a及び低圧通路11dと背圧室11cとの連通状態は、制御弁14により切り替えられる。
具体的には、アクチュエータ13へ通電されると、制御弁14は噴孔11b側へ押し下げられる。それにより、背圧室11cは低圧通路11dと連通した状態となるので、背圧室11c内の燃料圧力は低下し、ニードル弁12を噴孔11b側に押し付ける背圧が低下する。その結果、ニードル弁12のシート面12aが、噴孔11bと繋がるように形成されたボデー11のシート面11eから離座するので、噴孔11bから燃料が噴射される。
一方、アクチュエータ13への通電をオフにすると、制御弁14はアクチュエータ13側に押し上げられる。それにより、背圧室11cは高圧通路11aと連通した状態となるので、背圧室11c内の燃料圧力は上昇し、ニードル弁12を噴孔11b側に押し付ける背圧が上昇する。その結果、ニードル弁12のシート面12aが、ボデー11のシート面11eに着座するので、噴孔11bからの燃料噴射が停止される。
よって、噴射指令信号により、アクチュエータ13の駆動期間を制御すると、噴孔11bから噴射される燃料の噴射量が制御される。
燃圧センサ20は、各燃料噴射弁10に搭載されており、ステム21(起歪体)、圧力センサ素子22を備えている。ステム21は、ボデー11に取り付けられており、ダイヤフラム部21aを有している。ダイヤフラム部21aは、高圧通路11aを流通する高圧燃料の圧力を受けて弾性変形する。圧力センサ素子22は、ダイヤフラム部21aに取り付けられており、ダイヤフラム部21aの弾性変形量に応じた圧力信号をECU30へ送信する。
ECU30(噴射特性検出装置)は、CPU、ROM及びRAM等のメモリ32(記憶手段)、I/O、及びこれらを接続するバスライン等からなるマイクロコンピュータとして構成される。ECU30は、アクセルペダルの操作量、エンジン負荷、エンジン回転速度等に基づき、要求供給圧及び要求噴射量からなる目標噴射状態を算出する。例えば、エンジン負荷及びエンジン回転速度に対応する最適噴射状態を噴射状態マップにして記憶させておく。ECU30は、現状のエンジン負荷及びエンジン回転速度に基づき、噴射状態マップを参照して目標噴射状態を算出する。また、ECU30は、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することで、噴射時センサ波形取得手段、圧送波形取得手段、モデル算出手段、モデル補正手段、噴射時波形抽出手段としての機能を実現する。
次に、図3を参照して、燃料噴射時の圧力変動を表す噴射時センサ波形Wと、噴射状態との関係について説明する。噴射時センサ波形Wは、燃料噴射時の燃圧センサ20の出力に基づいて、噴射時センサ波形取得手段により取得される。図3(a)は、燃料噴射弁10のアクチュエータ13へECU30から出力される噴射指令信号を示す。本燃料噴射システムでは、噴射指令信号のパルスオン期間Tqにより噴孔11bの開弁時間を制御することで、噴射量Qを制御している。図3(b)は、上記噴射指令に伴い生じる噴孔11bから噴射される燃料の噴射率変化(噴射率波形)を示し、図3(c)は、噴射時センサ波形Wを示す。
図3(a)(b)(c)に示すように噴射が指令されたt1時点の後、噴射率がR1の時点で上昇を開始して噴射が開始される。一方、噴射時センサ波形Wは、R1の時点で噴射率が上昇を開始してから遅れ時間C1が経過した時点で、変化点P1にて下降を開始する。その後、R2の時点で噴射率が最大噴射率に到達したことに伴い、噴射時センサ波形Wの降下は変化点P2にて停止する。次に、R3の時点で噴射率が降下を開始してから遅れ時間C3が経過した時点で、噴射時センサ波形Wは変化点P3にて上昇を開始する。その後、R4の時点で噴射率がゼロになり実際の噴射が終了したことに伴い、噴射時センサ波形Wの上昇は変化点P5にて停止する。
以上説明したように、噴射時センサ波形Wと噴射率波形とは相関が高い。例えば、降下波形の近似曲線Laと噴射率が上昇する傾きRαとは相関が高く、上昇波形の近似曲線Lbと噴射率が降下する傾きRβとは相関が高い。そして、噴射率波形には、噴射開始時期(R1出現時期)や、噴射終了時期(R4出現時期)、噴射量(図3(b)中の網点部分の面積)が表されているので、噴射時センサ波形Wから噴射率波形を推定することで噴射状態を検出できる。
ただし、噴射時センサ波形Wは、噴射に起因する燃料圧力の変動波形に、噴射に伴いコモンレール42から燃料噴射弁10へ燃料が供給されることにより発生した供給脈動波形Wa(図3(c)P2〜P3)が重畳した波形である。それゆえ、噴射時センサ波形Wは、噴射状態をそのまま反映しておらず、噴射時センサ波形Wから供給脈動波形Wa(図3(c)P2〜P3)を除いた波形、すなわち噴射に起因する燃料圧力の変動波形(燃料噴射特性)が噴射状態をそのまま反映している。
図3(a)(b)(c)に示すように、噴射指令期間Tqを十分に長くして、最大噴射率に達した後に閉弁作動を開始させる場合は、噴射波形が台形(台形噴射)となる。それゆえ、供給脈動波形Wa(図3(c)P2〜P3)が重畳していない部分の上昇波形(図3(c)P3〜P5)に基づき近似直線Lbを算出するので、噴射時センサ波形Wからでも噴射終了時期と相関の高い近似直線Lbを算出することができる。
これに対して、図3(a)(b)において一点鎖線で示すように、噴射指令期間Tqを短くして、最大噴射率到達と同時期に閉弁作動を開始させる場合は、噴射率波形は三角形となる(三角形噴射)。三角形噴射の場合、噴射時センサ波形Wのうち噴射率低下に伴い生じる上昇波形の部分(図3(c)P3〜P5の部分)に、供給脈動波形Wa(図3(c)P2〜P3)が重畳することとなり、噴射時センサ波形Wは図3(d)に示す波形となる。それゆえ、三角形噴射では供給脈動波形Waが重畳した部分の上昇波形(図3(d)P3〜P5)に基づき、近似直線Lbを算出する場合に問題が生じる。例えば、噴射時センサ波形Wから噴射終了時期と相関の高い近似直線Lbを算出することが困難となり、最適な近似直線Lbからずれた近似直線Lb’を算出することが懸念される。すなわち、噴射時センサ波形Wから噴射終了時期等の噴射状態を高精度に推定できないことが懸念される。
このため、噴射時センサ波形Wから供給脈動波形Waを除去して、噴射に起因する燃料圧力の変動である噴射特性を抽出することが要求される。そこで、モデル算出手段により、供給脈動波形Waのモデルを算出する。図4(a)において、実線は噴射時センサ波形取得手段により取得された噴射時センサ波形Wを示し、破線は噴射時センサ波形Wに重畳している供給脈動波形Waを示す。図4(b)は、モデル算出手段により算出された供給脈動波形モデルWmを示す。
供給脈動波形モデルWmは、重畳開始時期ta、圧力の上昇傾きPγ、圧力上昇量ΔPmから算出する。重畳開始時期taは、噴射時センサ波形Wの降下開始時期Tstaに、供給脈動伝播時間Taを加算して算出する。供給脈動伝播時間Taは、燃料圧力に応じて決まる脈動の伝播速度及び配管44の形状から算出する。圧力の上昇傾きPγは、噴射時センサ波形Wの降下の傾きPαとPγとの比例式から算出する。この比例式は、予め試験により取得しておく。圧力上昇量ΔPmは、燃料噴射弁10の形状、脈動の伝播速度、上述した変化点P1での圧力及び変化点P2での圧力から算出する(詳しくは、特許文献1参照)。
あるいは、燃料の供給圧Pcごとに、予め複数のパターンの供給脈動波形Waのモデルを用意しておき、例えば重畳開始時期taや降下の傾きPα等に応じて、最適の供給脈動波形モデルWmを選択するようにしてもよい。
供給脈動波形Waは、コモンレール42に設けられたオリフィス45や燃料噴射弁10等のハードウェアの個々の特性に応じた形状になる。しかしながら、供給脈動波形モデルWmは、ハードウェアの特性を一定(マスタ燃料噴射弁を装着したハードウェアの特性)と仮定して、モデル算出手段により算出されている。それゆえ、コモンレール42の製造ばらつきや経年劣化等によっては、供給脈動波形Waと、実際のハードウェアの特性を加味していない供給脈動波形モデルWmとのずれが大きくなるおそれがある。
本発明者は、圧送波形Wpが、供給脈動波形Waと同様に、コモンレール42のオリフィス45を介して伝わることから、圧送波形Wpはハードウェアの特性に応じた形状になることに着目した。そこで、圧送波形Wpに基づいて、モデル算出手段により算出した供給脈動波形モデルWmを補正し、実際のハードウェアの特性を加味した供給脈動波形補正モデルWm´(補正モデル)を算出することにした。圧送波形Wpは、燃料ポンプ41による燃料の圧送時に、燃圧センサ20の出力に基づいて、圧送波形取得手段により取得される。
図5に、圧送波形Wp及び噴射時センサ波形Wを示す。二点鎖線、実線、一点鎖線の圧送波形Wpは、ハードウェア特性に応じた流量特性による圧力変動のばらつきを表す。ハードウェア特性による圧力変動のばらつきにより、圧送波形Wpが目標供給圧まで上昇するときの上昇傾きはPa,Pb,Pcとばらつき、上昇時間は、Δta,Δtb,Δtcとばらついている。また、この圧力変動のばらつきに対応して、噴射時センサ波形Wに重畳される供給脈動波形Waにもばらつきが生じている。
圧送波形Wpの圧力上昇の傾きと、供給脈動波形Waの圧力上昇の傾きは、どちらもオリフィス45等の特性に応じた傾きになる。したがって、圧送波形Wpの圧力上昇の傾きを用いて、供給脈動波形モデルWmの圧力上昇傾きPγを補正する。例えば、上昇傾きがPaの場合に、PaがPγよりも大きければ、Pγを大きくするように補正する。上昇傾きがPcの場合に、PcがPγよりも小さければ、Pγを小さくするように補正する。
また、圧送波形Wpは、圧送が開始されてから燃料圧力が目標供給圧力(あるいは高圧ポンプ41bを1回駆動後の圧力)になるまで上昇する。一方、供給脈動波形Waは、燃料噴射弁10に燃料の供給が開始されてから、供給される燃料の流量と噴射される燃料の流量とが釣り合うまで圧力が上昇する。圧送波形Wpの上昇時間と、供給脈動波形Waの上昇時間は、どちらもオリフィス45等の特性に応じた時間になる。したがって、圧送波形Wpの上昇時間を用いて、供給脈動波形モデルWmの圧力上昇時間Δtを補正する。例えば、上昇時間がΔtaの場合に、ΔtaがΔtよりも短ければ、Δtを短くするように補正する。上昇時間がΔtcの場合に、ΔtcがΔtよりも長ければ、Δtを長くするように補正する。このようにして、モデル補正手段により、供給脈動波形補正モデルWm´が算出される。
そして、噴射時波形抽出手段により、噴射時センサ波形Wから供給脈動波形補正モデルWm´が差し引かれて、噴射に起因する燃料の圧力変動を表す噴射時波形W´(図4(c)参照)が抽出される。抽出された噴射時波形W´は噴射状態をそのまま反映しているので、噴射時波形W´から噴射率状態を精度良く検出できる。
次に、図6のフローチャートを参照して、噴射特性を検出する処理手順について説明する。本検出処理は、ECU30が気筒ごとに実行する。
まず、S11では、噴射時センサ波形取得手段により、噴射時の燃圧センサ20の出力に基づいて、噴射時センサ波形Wを取得する。続いて、S12では、S11で取得した噴射時センサ波形WをAD変換し、変化点P1〜P5等を検出する。
続いて、S13では、モデル算出手段により、供給脈動波形モデルWmを算出する。続いて、S14では、図7に示すサブルーチンを実行して、S13で算出された供給脈動波形モデルWmを補正して供給脈動波形補正モデルWm´を算出する。図7に示すサブルーチンの処理は、後で詳しく述べる。
続いて、S15では、S11で取得した噴射時センサ波形Wから、S14で算出した供給脈動波形補正モデルWm´を差し引いて、噴射時波形W´を抽出する。すなわち、噴射特性を検出する。
次に、図7のサブルーチンを参照して、S14で供給脈動波形モデルWmを補正する処理手順について説明する。本補正処理では、圧送波形Wpの上昇傾き及び上昇時間を学習値としてメモリ32(記憶手段)にそれぞれ記憶する。また、圧送波形取得手段により取得された圧送波形Wpに基づき、モデル補正手段が備える検出値取得手段により、圧送波形Wpの上昇傾き及び上昇時間の検出値をそれぞれ取得する。さらに、モデル補正手段が備える学習手段により、検出値を用いて学習値を更新する。そして、モデル補正手段は、学習値を用いて、供給脈動波形モデルWmを補正する。
まず、S141では、圧送波形取得手段により、燃料の圧送時の燃圧センサ20の出力に基づいて、圧送波形Wpを取得する。続いて、S142では、S141で取得した圧送波形WpをAD変換する。
続いて、S143及びS144では、圧送波形Wpの上昇傾き及び上昇時間を学習する条件を満たしているか否か判定する。S143では、燃料ポンプ41による燃料の圧送時に、燃料噴射弁10による燃料噴射、及び減圧弁43による燃料の排出が行われていないか否か判定する。すなわち、S141で取得された圧送波形Wpに、燃料の排出に伴う圧力変動(減圧波形)や、噴射に起因する圧力変動(噴射時波形)が重畳されていないか否か判定する。なお、圧送時の圧力変動を出力する燃圧センサ20に対応する気筒で燃料噴射が行われていないことを判定すればよく、それ以外の気筒では燃料噴射が行われていても行われていなくてもどちらでもよい。燃料の圧送時に、燃料噴射及び燃料排出の少なくとも一方が行われている場合は(NO)、上昇傾き及び上昇時間の学習を行わずに、S148の処理に進む。一方、燃料噴射及び燃料排出のどちらも行われていない場合は(YES)、S144の判定に進む。
S144では、燃料の圧送に伴う圧力変動が、所定量よりも大きい圧力上昇であるか否か判定する。すなわち、図8に示すように、S141で取得した圧送波形Wpが閾値よりも大きくなるか否か判定する。圧送に伴う圧力変動が所定量以下の圧力上昇の場合、上昇傾き及び上昇時間の検出値の検出精度が悪化するおそれがある。よって、圧送に伴う圧力変動が、所定量以下の圧力上昇である場合は(NO)、上昇傾き及び上昇時間の学習を行わずに、S148の処理に進む。一方、圧送に伴う圧力変動が、所定量よりも大きい圧力上昇である場合は(YES)、S145の処理に進む。
S145〜S147では、上昇傾き及び上昇時間の学習を行う。S145では、検出値取得手段により、S141で取得された圧送波形Wpの上昇傾き及び上昇時間の検出値をそれぞれ取得する。続いて、S146では、複数回にわたって検出値取得手段により取得された上昇傾き及び上昇時間の検出値を、それぞれ平滑化する。複数個の検出値を単純に平均して平滑化してもよいし、複数個の検出値のそれぞれに重みをつけて加重平均してもよい。また、メモリ32に記憶されている学習値と、今回検出した検出値とを平均してもよい。続いて、S146では、メモリ32に記憶されている上昇傾き及び上昇時間の学習値を、S147で平滑化した上昇傾き及び上昇時間の検出値にそれぞれ更新する。
続いて、S148では、メモリ32に記憶されている上昇傾き及び上昇時間の学習値を用いて、供給脈動波形モデルWmを補正し、供給脈動波形補正モデルWm´を算出する。S143及びS144で学習条件を満たしていないと判定された場合は、更新されていない学習値を用いる。
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
・燃料の圧送時の燃圧センサ20の出力に基づいて、燃料の圧送に伴う圧力変動を表す圧送波形Wpが取得され、取得された圧送波形Wpに基づいて、算出された供給脈動波形モデルWmが補正されて供給脈動波形補正モデルWm´が算出される。よって、実際のハードウェアの特性を加味した供給脈動波形補正モデルWm´を算出することができる。さらに、噴射時センサ波形Wから供給脈動波形補正モデルWm´が差し引かれて、噴射に起因する燃料の圧力変動を表す噴射時波形W´が抽出される。したがって、噴射時センサ波形Wから噴射に起因する燃料圧力の変動を表す噴射特性を高精度に抽出することができる。
・圧送波形Wpの圧力上昇の傾き及び供給脈動波形Waの圧力上昇の傾きのどちらも、共通のハードウェア(共通のオリフィス45等)の特性に応じた傾きになる。したがって、圧送波形Wpの圧力上昇の傾きを用いて、供給脈動波形モデルWmの圧力上昇の傾きPγを補正することができる。
・圧送波形Wpの圧力上昇時間及び供給脈動波形Waの圧力上昇時間Δtのどちらも、共通のハードウェアの特性に応じた時間になる。したがって、圧送波形Wpの上昇時間を用いて、供給脈動波形モデルWmの圧力上昇時間Δtを補正することができる。
・複数回にわたって取得した圧送波形Wpの上昇傾き及び上昇時間の検出値を、それぞれ平滑化した学習値を用いて、供給脈動波形モデルWmを補正するため、高精度な供給脈動波形補正モデルWm´を算出することができる。
・燃料の排出に伴う減圧波形や、燃料噴射に起因する燃料圧力の変動波形が重畳されていない圧送波形Wpが取得された場合に限って、圧送波形Wpの上昇傾き及び上昇時間の学習が行われる。よって、検出精度の高い圧送波形Wpの上昇傾き及び上昇時間の検出値に基づいて、圧送波形Wpの上昇傾き及び上昇時間の学習を行うことができる。ひいては、高精度な供給脈動波形補正モデルWm´を算出することができる。
・圧送に伴う圧力変動が、所定量よりも大きい圧力上昇である場合に限って、圧送波形Wpの上昇傾き及び上昇時間の学習が行われる。よって、検出精度の高い圧送波形Wpの上昇傾き及び上昇時間の検出値に基づいて、圧送波形Wpの上昇傾き及び上昇時間の学習を行うことができる。ひいては、より高精度な供給脈動波形補正モデルWm´を算出することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について第1実施形態と異なる点について説明する。第2実施形態では、ECU30は、圧送波形取得手段の代わりに減圧波形取得手段を実現する。減圧波形取得手段は、減圧弁43による燃料の排出時に、燃圧センサ20の出力に基づいて、排出に伴う圧力の変動を表す減圧波形Wrを取得する。減圧波形Wrも、圧送波形Wpと同様に、コモンレール42のオリフィス45等のハードウェア特性に応じた形状になる。そこで、第2実施形態では、減圧波形Wrに基づいて供給脈動波形モデルWmを補正し、供給脈動波形補正モデルWm´を算出する。
図5に、減圧波形Wrを示す。二点鎖線、実線、一点鎖線の減圧波形Wrは、ハードウェア特性に応じた流量特性による圧力変動のばらつきを表す。ハードウェア特性による圧力変動のばらつきにより、減圧波形Wrが目標供給圧まで降下するときの降下傾きはPa´,Pb´,Pc´とばらつき、降下時間は、Δta´,Δtb´,Δtc´とばらついている。
減圧波形Wrの圧力降下の傾きと、供給脈動波形Waの圧力上昇の傾きは、どちらもオリフィス45等の特性に応じた傾きになる。したがって、減圧波形Wrの圧力降下の傾きを用いて、供給脈動波形モデルWmの圧力上昇傾きPγを補正する。例えば、降下傾きがPa´の場合に、Pa´の絶対値がPγよりも大きければ、Pγを大きくするように補正する。降下傾きがPc´の場合に、Pc´の絶対値がPγよりも小さければ、Pγを小さくするように補正する。
また、減圧波形Wrは、排出が開始されてから燃料圧力が目標供給圧力になるまで降下する。減圧波形Wrの降下時間と、供給脈動波形Waの上昇時間は、どちらもオリフィス45等の特性に応じた時間になる。したがって、減圧波形Wrの降下時間を用いて、供給脈動波形モデルWmの圧力上昇時間Δtを補正する。例えば、降下時間がΔta´の場合に、Δta´がΔtよりも短ければ、Δtを短くするように補正する。降下時間がΔtc´の場合に、Δtc´がΔtよりも長ければ、Δtを長くするように補正する。
次に、噴射特性を検出する処理手順について説明する。第2実施形態においては、第1実施形態と同様に、図6のフローチャートのS11〜S13、S15の処理を行う。ただし、S14では、図9のサブルーチンの処理を実行して、供給脈動波形補正モデルWm´を算出する。
図9のサブルーチンを参照して、S14で供給脈動波形モデルWmを補正する処理手順について説明する。
まず、S241では、減圧波形取得手段により、燃料の排出時の燃圧センサ20の出力に基づいて、減圧波形Wrを取得する。続いて、S242では、S241で取得した減圧波形WrをAD変換する。
続いて、S243及びS244では、減圧波形Wrの降下傾き及び降下時間を学習する条件を満たしているか否か判定する。S143では、減圧弁43による燃料の排出時に、燃料噴射弁10による燃料噴射、及び燃料ポンプ41による燃料の圧送が行われていないか否か判定する。すなわち、S241で取得された減圧波形Wrに、燃料の圧送に伴う圧送波形や噴射に起因する噴射時波形が重畳されていないか否か判定する。燃料の排出時に、燃料噴射及び燃料圧送の少なくとも一方が行われている場合は(NO)、降下傾き及び降下時間の学習を行わずに、S248の処理に進む。一方、燃料噴射及び燃料圧送のどちらも行われていない場合は(YES)、S244の判定に進む。
S244では、燃料の圧送に伴う圧力変動が、所定量よりも大きい圧力降下であるか否か判定する。排出に伴う圧力変動が所定量以下の圧力降下の場合、降下傾き及び降下時間の検出値の検出精度が悪化するおそれがある。よって、排出に伴う圧力変動が、所定量以下の圧力降下である場合は(NO)、降下傾き及び降下時間の学習を行わずに、S248の処理に進む。一方、排出に伴う圧力変動が、所定量よりも大きい圧力降下である場合は(YES)、S145の処理に進む。
S245〜S247では、S145〜S147と同様に、降下傾き及び降下時間の学習を行う。続いて、S248では、メモリ32に記憶されている降下傾き及び降下時間の学習値を用いて、供給脈動波形モデルWmを補正し、供給脈動波形補正モデルWm´を算出する。
以上説明した第2実施形態によれば、以下の効果を奏する。
・圧送波形Wpと同様に減圧波形Wrも、コモンレール42のオリフィス45等のハードウェアの個々の特性に応じた形状になるため、減圧波形Wrと供給脈動波形Waとは相関が高い。したがって、第1実施形態と同様に、実際のハードウェアの特性を加味した供給脈動波形補正モデルWm´を算出することができる。ひいては、噴射時センサ波形Wから噴射に起因する燃料圧力の変動を表す噴射特性を高精度に抽出することができる。
・減圧波形Wrの圧力降下の傾き及び供給脈動波形Waの圧力上昇の傾きのどちらも、共通のハードウェア(共通のオリフィス45等)の特性に応じた傾きになる。したがって、減圧波形Wrの圧力降下の傾きを用いて、供給脈動波形モデルWmの圧力上昇の傾きを補正することができる。
・減圧波形Wrの圧力降下時間及び供給脈動波形Waの圧力上昇時間のどちらも、共通のハードウェアの特性に応じた時間になる。したがって、減圧波形Wrの降下時間を用いて、供給脈動波形モデルWmの圧力上昇時間を補正することができる。
・圧送に伴う圧送波形や、燃料噴射に起因する燃料圧力の変動波形が重畳されていない減圧波形Wrが取得された場合に限って、減圧波形Wrの降下傾き及び降下時間の学習が行われる。よって、検出精度の高い降下傾き及び降下時間の検出値に基づいて、降下傾き及び降下時間の学習を行うことができる。ひいては、高精度な供給脈動波形補正モデルWm´を算出することができる。
・排出に伴う圧力変動が、所定量よりも大きい圧力降下である場合に限って、減圧波形Wrの降下傾き及び降下時間の学習が行われる。よって、検出精度の高い降下傾き及び降下時間の検出値に基づいて、降下傾き及び降下時間の学習を行うことができる。ひいては、より高精度な供給脈動波形補正モデルWm´を算出することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。
・供給脈動波形モデルWmの上昇傾きPγ及び上昇時間Δtを補正することが望ましいが、圧送波形Wpの上昇傾き又は減圧波形Wrの降下傾きの学習値を用いて、供給脈動波形モデルWmの圧力上昇傾きPγだけを補正してもよい。
・圧送波形Wpの上昇傾き及び上昇時間の検出値の検出精度が低下するおそれはあるが、S143の判定処理及びS144の判定処理は、どちらか一方だけ実行してもよいし、どちらも実行しなくてもよい。
・減圧波形Wrの降下傾き及び降下時間の検出値の検出精度が低下するおそれはあるが、S243の判定処理及びS244の判定処理は、どちらか一方だけ実行してもよいし、どちらも実行しなくてもよい。
・供給脈動波形補正モデルWm´の算出精度が低下するおそれはあるが、圧送波形Wpの上昇傾き及び上昇時間、又は減圧波形Wrの降下傾き及び降下時間を継続的に学習しなくてもよい。すなわち、1回の検出による圧送波形Wpの上昇傾き及び上昇時間の検出値、又は1回の検出による減圧波形Wrの降下傾き及び降下時間の検出値を用いて、供給脈動波形補正モデルW´を算出してもよい。
・S14の処理において、S141〜S148の処理、及びS241〜S248の処理のどちらも実行してもよい。すなわち、圧送波形Wp及び減圧波形Wrの両方に基づいて、供給脈動波形モデルWを補正してもよい。
・燃料噴射システムは、ディーゼルエンジンに限らず直噴ガソリンエンジンに搭載してもよい。また、燃料噴射システムは、4気筒以外のエンジンに搭載してもよい。また、燃料噴射システムは、車両のエンジンに限らず、船舶等のエンジンに搭載してもよい。
10…燃料噴射弁、11b…噴孔、20…燃圧センサ、30…ECU、32…メモリ、41…燃料ポンプ、42…コモンレール、43…減圧弁、45…オリフィス、W…噴射時センサ波形、Wp…圧送波形、Wr…減圧波形。

Claims (11)

  1. 高圧燃料を畜圧保持する畜圧容器(42)と、前記畜圧容器に対して燃料を圧送する燃料ポンプ(41)と、前記畜圧容器内に畜圧保持された高圧燃料を内燃機関に噴射する燃料噴射弁(10)と、前記畜圧容器から前記燃料噴射弁の噴射口(11b)までの燃料通路内(44,11a)の燃料圧力を検出する燃圧センサ(20)と、を備える燃料噴射システムに適用される燃料噴射特性検出装置(30)であって、
    燃料噴射時の前記燃圧センサの出力に基づいて、燃料噴射時の圧力変動を表す噴射時センサ波形を取得する噴射時センサ波形取得手段と、
    前記燃料ポンプによる燃料の圧送時に、前記燃圧センサの出力に基づいて、圧送に伴う圧力変動を表す圧送波形を取得する圧送波形取得手段と、
    燃料噴射に伴い前記畜圧容器から前記燃料噴射弁へ燃料が供給されることによって発生する供給脈動波形のモデルを算出するモデル算出手段と、
    前記圧送波形取得手段により取得された圧送波形に基づいて、前記モデル算出手段により算出された前記モデルを補正して補正モデルを算出するモデル補正手段と、
    前記噴射時センサ波形取得手段により取得された前記噴射時センサ波形から、前記モデル補正手段により算出された補正モデルを差し引いて、噴射に起因する燃料の圧力変動を表す噴射時波形を抽出する噴射時波形抽出手段と、を備え
    前記モデル補正手段は、前記圧送波形の上昇傾きを用いて、前記モデル算出手段により算出された前記モデルの前記供給脈動波形の上昇傾きを補正することを特徴とする燃料噴射特性検出装置。
  2. 前記燃料噴射システムは、前記畜圧容器内の燃料を排出する減圧弁(43)を備え、
    記減圧弁による燃料の排出時に、前記燃圧センサの出力に基づいて、排出に伴う圧力変動を表す減圧波形を取得する減圧波形取得手段を備え、
    前記モデル補正手段は、前記減圧波形取得手段により取得された減圧波形に基づいて、前記モデル算出手段により算出された前記モデルを補正して前記補正モデルを算出する請求項1に記載の燃料噴射特性検出装置。
  3. 前記モデル補正手段は、前記減圧波形の降下傾きを用いて、前記モデル算出手段により算出された前記モデルの前記供給脈動波形の上昇傾きを補正する請求項2に記載の燃料噴射特性検出装置。
  4. 前記モデル補正手段は、前記圧送波形の上昇時間を用いて、前記モデル算出手段により算出された前記モデルの前記供給脈動波形の上昇時間を補正する請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料噴射特性検出装置。
  5. 前記モデル補正手段は、前記減圧波形の降下時間を用いて、前記モデル算出手段により算出された前記モデルの前記供給脈動波形の上昇時間を補正する請求項に記載の燃料噴射特性検出装置。
  6. 前記モデル補正手段は、
    前記圧送波形の上昇傾き及び上昇時間を学習値としてそれぞれ記憶する記憶手段(32)と、
    前記圧送波形取得手段により取得された圧送波形に基づき、前記圧送波形の上昇傾き及び上昇時間の検出値をそれぞれ取得する検出値取得手段と、
    複数回にわたって前記検出値取得手段により取得された前記検出値をそれぞれ平滑化して、前記記憶手段に記憶されている前記学習値をそれぞれ更新する学習手段と、を備え、
    前記記憶手段に記憶されている前記学習値を用いて、前記補正モデルを算出する請求項に記載の燃料噴射特性検出装置。
  7. 前記モデル補正手段は、
    前記減圧波形の降下傾き及び降下時間を学習値としてそれぞれ記憶する記憶手段(32)と、
    前記減圧波形取得手段により取得された減圧波形に基づき、前記減圧波形の降下傾き及び降下時間の検出値をそれぞれ取得する検出値取得手段と、
    複数回にわたって前記検出値取得手段により取得された前記検出値をそれぞれ平滑化して、前記記憶手段に記憶されている前記学習値をそれぞれ更新する学習手段と、を備え、
    前記記憶手段に記憶されている前記学習値を用いて、前記補正モデルを算出する請求項に記載の燃料噴射特性検出装置。
  8. 前記燃料噴射システムは、前記畜圧容器内の燃料を排出する減圧弁(43)を備え、
    前記学習手段は、前記燃料ポンプによる燃料の圧送時に、前記減圧弁による燃料の排出、及び前記燃料噴射弁による燃料噴射が行われていないことを条件として、前記学習値を更新する請求項に記載の燃料噴射特性検出装置。
  9. 記学習手段は、前記減圧弁による燃料の排出時に、前記燃料ポンプによる燃料の圧送、及び前記燃料噴射弁による燃料噴射が行われていないことを条件として、前記学習値を更新する請求項に記載の燃料噴射特性検出装置。
  10. 前記学習手段は、前記圧送に伴う圧力変動が、所定量よりも大きい圧力上昇であることを条件として、前記学習値を更新する請求項又はに記載の燃料噴射特性検出装置。
  11. 前記学習手段は、前記排出に伴う圧力変動が、所定量よりも大きい圧力降下であることを条件として、前記学習値を更新する請求項又はに記載の燃料噴射特性検出装置。
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