JP6160454B2 - 噴射特性取得装置、及び噴射特性取得方法 - Google Patents

噴射特性取得装置、及び噴射特性取得方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃料噴射システムの噴射特性を取得する装置及び方法に関する。
従来、燃料噴射システムの噴射特性を取得する装置として、密閉された状態の圧力容器内に燃料噴射弁により燃料を噴射し、圧力容器内の圧力変化、燃料噴射弁の燃料通路内の圧力変化、及び噴射された燃料の体積を検出するものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の装置では、燃料通路内の圧力変化と燃料の体積とにより取得された実噴射率のモデルを、圧力容器内の圧力変化と燃料の体積により取得された実噴射率のモデルによって補正している。
特開2012−97672号公報
ところで、特許文献1に記載の噴射特性取得装置において、圧力容器からの燃料漏れ等の異常が生じるおそれがある。また、燃料通路内の圧力変化を検出する圧力センサや、燃料噴射弁の組み付け状態等に異常が生じるおそれがある。これらのいずれか1つでも異常が生じた場合、燃料通路内の圧力変化と燃料の体積とにより取得された実噴射モデルが、正しく補正されないおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑み、異常があるか否かを判定するとともに、異常がある場合には異常の種類を推定することが可能な噴射特性取得装置を提供することを主たる目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、燃料を蓄圧保持する蓄圧容器と、前記燃料を噴孔から噴射する燃料噴射弁と、前記蓄圧容器から前記噴孔までの燃料通路内の燃料圧力を検出する第1圧力センサと、を備える燃料噴射システムに適用される噴射特性取得装置であって、密閉された状態で内部に前記燃料噴射弁により前記燃料が噴射される圧力容器と、前記圧力容器内の圧力を検出する第2圧力センサと、前記燃料噴射弁に含まれる組み付け部品の寸法を入力する入力部と、前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時に、前記第1圧力センサにより検出される前記燃料圧力の変化波形に基づいて、前記燃料の第1噴射率波形を取得する第1噴射率取得部と、前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時に、前記第2圧力センサにより検出される前記圧力の変化波形に基づいて、前記燃料の第2噴射率波形を取得する第2噴射率取得部と、前記入力部により入力された前記寸法に基づいて、前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時における前記燃料の推定噴射率波形を取得する推定噴射率取得部と、前記第1噴射率波形、前記第2噴射率波形、及び前記推定噴射率波形の比較に基づいて、異常があるか否か判定するとともに、異常があると判定された場合には異常の種類を推定する判定部と、を備える。
請求項1に記載の発明によれば、燃料が蓄圧容器に蓄圧保持され、燃料が燃料通路を通じて蓄圧容器から燃料噴射弁の噴孔まで流通させられる。そして、燃料噴射弁により、燃料が密閉された状態の圧力容器の内部へ噴射される。燃料通路内の燃料圧力が第1圧力センサにより検出され、圧力容器内の圧力が第2圧力センサにより検出される。また、燃料噴射弁に含まれる組み付け部品の寸法が入力部により入力される。
さらに、第1圧力センサにより検出される燃料圧力の変化波形に基づいて、燃料の第1噴射率波形が取得され、第2圧力センサにより検出される圧力容器内の圧力の変化波形に基づいて、燃料の第2実噴射率波形が取得される。また、入力部により入力された組み付け部品の寸法、例えば噴孔径やノズルシート径等の寸法に基づいて、燃料噴射弁による燃料の噴射時における燃料の推定噴射率波形が取得される。
燃料噴射システム及び噴射特性取得装置に異常がない場合は、第1噴射率波形、第2噴射率波形、及び推定噴射率波形は、ほぼ等しい波形になる。一方、燃料噴射システム及び噴射特性取得装置に異常がある場合は、上記3つの波形が異常の種類に応じて正常時と異なる波形になる。よって、第1噴射率波形、第2噴射率波形、及び推定噴射率波形を比較することにより、異常があるか否かを判定できるとともに、異常がある場合には異常の種類を推定することができる。
また、請求項8に記載の発明は、燃料を蓄圧保持する蓄圧容器と、前記燃料を噴孔から噴射する燃料噴射弁と、前記蓄圧容器から前記噴孔までの燃料通路内の燃料圧力を検出する第1圧力センサと、を備える燃料噴射システムの噴射特性を取得する噴射特性取得方法であって、密閉された状態で内部に前記燃料噴射弁により前記燃料が噴射される圧力容器と、前記圧力容器内の圧力を検出する第2圧力センサと、を用意し、前記燃料噴射弁に含まれる組み付け部品の寸法を入力する入力工程と、前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時に、前記第1圧力センサにより検出される前記燃料圧力の変化波形に基づいて、前記燃料の第1噴射率波形を取得する第1噴射率取得工程と、前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時に、前記第2圧力センサにより検出される前記圧力の変化波形に基づいて、前記燃料の第2噴射率波形を取得する第2噴射率取得工程と、前記入力工程において入力された前記寸法に基づいて、前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時における前記燃料の推定噴射率波形を取得する推定噴射率取得工程と、前記第1噴射率波形、前記第2噴射率波形、及び前記推定噴射率波形の比較に基づいて、異常があるか否か判定するとともに、異常があると判定された場合には異常の種類を推定する判定工程と、を備える。
請求項1と同様の効果を奏する。
燃料噴射システムの概略を示す図。 燃料噴射システムの制御装置の概略を示すブロック図。 噴射特性取得装置を示す模式図。 噴射率モデルを作成する手順の概要を示す図。 噴射率モデル作成の処理手順を示すフローチャート。 圧力容器での噴射率モデル作成の処理手順を示すフローチャート。 組み付け部品の寸法と推定するパラメータとの対応を示す表。 燃料噴射弁の圧力センサによる噴射率モデル、圧力容器での噴射率モデル、及び推定噴射率モデルの比較を示す図。 異常が反映された噴射率モデルと推定される異常の種類との対応を示す表。 異常の有無及び異常の種類を判定する処理手順を示すフローチャート。
以下、噴射特性取得装置を具現化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る噴射特性取得装置は、例えばディーゼルエンジンを対象にしたコモンレール式燃料噴射システムに適用される。
まず、図1を参照して、噴射特性取得装置を適用する燃料噴射システムについて説明する。この燃料噴射システムは、ディーセルエンジンのシリンダ内に、高圧燃料(例えば噴射圧力「1000気圧」以上の軽油)を直接噴射する。なお、エンジンとしては、自動車用の4気筒エンジンを想定している。
燃料噴射システム50は、エンジンの各気筒#1〜#4に搭載された燃料噴射弁10、燃圧センサ20(第1圧力センサ)、温度センサ17、コモンレール42(蓄圧容器)、燃料ポンプ41を備え、ECU30(電子制御装置)により制御される。
燃料ポンプ41は、エンジンのクランク軸に連動して駆動し、燃料タンク内の燃料をコモンレール42へ圧送する。圧送された燃料はコモンレール42内に蓄圧保持される。コモンレール42内に蓄圧された燃料は、燃料通路42bを通って、各気筒の燃料噴射弁10へ分配されて供給される。各気筒の燃料噴射弁10は、予め設定された順番で順次燃料を噴射する。
燃料噴射弁10は、ボデー11と、ニードル弁12と、電磁コイルやピエゾ素子等のアクチュエータ13とを備えて構成される。ボデー11は、内部に、高圧の燃料通路11aと、低圧の燃料通路11dと、高圧の燃料通路11aと繋がる噴孔11bとが形成されている。コモンレール42から供給された燃料は、高圧の燃料通路11aを通って噴孔11bから噴射される。ニードル弁12は、ボデー内部に収容されて噴孔11bを開閉する。
また、ニードル弁12の先端外周面とボデー11の先端内周面との間には、高圧室18が形成されている。さらに、ボデー11の内部には、ニードル弁12に背圧を付与する背圧室16と、背圧室16の燃料圧力を制御する制御室15が形成されている。制御室15は、インオリフィス11fを介して高圧の燃料通路11aと接続しているとともに、アウトオリフィス11gを介して低圧の燃料通路11dと接続している。そして、高圧の燃料通路11a及び低圧の燃料通路11dと制御室15との連通状態は、制御室15に収納されている制御弁14により切り替えられる。
ニードル弁12には、高圧室18の燃料圧力と背圧室16の燃料圧力との差に相当する燃料圧力が印加される。印加される燃料圧力がノズルスプリング12bの付勢力より大きくなると、ニードル弁12は噴孔11bを開く。
アクチュエータ13へ通電されると、制御弁14は噴孔11b側へ押し下げられる。それにより、背圧室16は低圧の燃料通路11dと連通した状態となるので、背圧室16内の燃料圧力は低下し、ニードル弁12を噴孔11b側に押し付ける背圧が低下する。その結果、ニードル弁12のシート面12aが、噴孔11bと繋がるように形成されたボデー11のシート面11eから離座するので、噴孔11bから燃料が噴射される。
一方、アクチュエータ13への通電をオフにすると、制御弁14はアクチュエータ13側に押し上げられる。それにより、背圧室16は高圧の燃料通路11aと連通した状態となるので、背圧室16内の燃料圧力は上昇し、ニードル弁12を噴孔11b側に押し付ける背圧が上昇する。その結果、ニードル弁12のシート面12aが、ボデー11のシート面11eに着座するので、噴孔11bからの燃料噴射が停止される。
燃圧センサ20は、各燃料噴射弁10に搭載されており、コモンレール42から噴孔11bまでの燃料通路42b,11a内の燃料圧力を逐次検出する。燃圧センサ20は、ステム21(起歪体)と圧力センサ素子22とを備える。ステム21は、ボデー11に取り付けられており、ダイヤフラム部21aを有している。ダイヤフラム部21aは、燃料通路11aを流通する高圧燃料の圧力を受けて弾性変形する。圧力センサ素子22は、ダイヤフラム部21aに取り付けられており、ダイヤフラム部21aの弾性変形量に応じた圧力信号をECU30へ送信する。
温度センサ17は、燃料通路11aの燃料取り込み口の近傍に設けられている。温度センサ17は、燃料取り込み口の近傍において、燃料通路11a内の燃料の温度を検出する。なお、温度センサ17は、燃料噴射弁10内の燃料の温度と等しい温度を検出するものであればよく、例えば燃料通路42b内の燃料の温度やコモンレール42内の燃料の温度を検出するものであってもよい。
EC30は、車両に搭載された燃料噴射弁10による燃料の噴射を制御する。ECU30は、各種の演算を行うCPU、その演算途中のデータや演算結果等を一時的に記憶するメインメモリとしてのRAM、プログラムメモリとしてのROM、入出力ポート等によって構成されたコンピュータである。そして、ROMには、噴射特性取得や噴射指令補正に係るプログラムや制御マップ等が予め格納されている。また、データ保存用メモリには、対象エンジンの設計データをはじめとする各種の制御データ等が予め格納されている。
図2に示すように、ECU30は、随時入力される各種のセンサ出力(検出信号)に基づいて、その時々にエンジンの出力軸に生成すべきトルク(要求トルク)、ひいてはその要求トルクを満足するための要求燃料噴射量Q及び要求噴射開始時期Tを算出する。例えば、燃圧センサ20により、コモンレール42と燃料噴射弁10の噴孔11bとの間の燃料通路42b,11a内の実圧力Pcが検出される。ECU30は、時々のエンジン運転状態や運転者によるアクセルペダルの操作量等に応じて、要求燃料噴射量Q及び要求噴射開始時期Tを算出する。
そして、要求燃料噴射量Q、要求噴射開始時期T、及び実圧力Pcを、ECU30の備える噴射率モデルMに適用することにより、指令噴射期間Tq及び指令噴射開始時期Tcが算出される。その結果、これらの指令噴射期間Tq及び指令噴射開始時期Tcに基づいて、燃料噴射弁10により燃料の噴射が行われ、対象エンジンの出力トルクが目標値へ制御される。
この噴射時において、燃圧センサ20により燃料の実圧力Pcが検出され、その実圧力Pcの推移に基づいて、噴射率モデルMにより実燃料噴射量Qr及び実噴射開始時期Tr等を推定する。この実燃料噴射量Qr及び実噴射開始時期Trに基づいて、次回以降の燃料噴射を制御してもよいし、実圧力Pcに基づいて燃料噴射と同時にその実噴射率を把握して、実行中の燃料噴射を制御してもよい。
次に、上記の噴射率モデルMを作成する処理の概要について説明する。本実施形態では、燃圧センサ20により検出される燃料の実圧力Pcに基づいて、燃料噴射弁10の燃料噴射に係る噴射開始時刻tsta、噴射開始傾きRα、噴射終了傾きRβ、噴射終了時刻tend、及び最大噴射率Rmaxを、噴射率モデルMのパラメータとして学習する。噴射開始傾きRαは、噴射が開始されてから最大噴射率に到達するまでの噴射率の上昇傾きである。噴射終了傾きRβは、最大噴射率から噴射が終了するまでの噴射率の下降傾きである。
入力処理部Iは、実圧力Pcをローパスフィルタに通すフィルタリング処理を行い、その出力から高周波ノイズを除去する。そして、処理後のデータに対して、燃料ポンプ41の燃料圧送による圧力の上昇成分を除去する(裏気筒補正)。また、入力処理部Iは、燃料噴射弁10による噴射開始(ノズル開弁)に伴って発生する圧力脈動を、燃圧センサ20の出力から除去する(開弁圧力脈動補償)。さらに、1回の燃焼行程において燃料噴射弁10により複数段の噴射を行う場合には、前段の噴射により生じた圧力脈動を除去する(前段噴射圧力脈動補償)。
解析部Aは、上記のように処理された圧力推移(圧力の変化波形)に基づいて、燃料噴射に係る各種の時刻を検出する。まず、解析部Aは、上記圧力推移について各時刻における1階微分値及び2階微分値を算出する。そして、2階微分値が負の閾値Kよりも小さい場合に、その時の時刻を噴射開始時刻tstaとして検出する。その際には、噴射開始から燃圧センサ20に圧力が伝播するまでの期間を考慮する(圧力伝播遅れ戻し)。また、解析部Aは、1階微分値の前回値が正であり、且つ1階微分値(今回値)が負の閾値よりも小さい場合に、その時刻を噴射終了時刻tendとして検出する。この際には、噴射終了から燃圧センサ20に圧力が伝播するまでの期間を考慮する(圧力伝播遅れ戻し)。さらに、解析部Aは、1階微分値の前回値が負であり、且つ1階微分値(今回値)が正の閾値よりも大きい場合に、その時刻を噴射率最大到達時刻tincとして検出する。なお、解析部Aは、噴射終了時刻tendから所定時間前の時刻を、噴射率降下開始時刻tdecとして検出する。上記の各時刻を検出する方法は、これらの方法に限定されず、種々の方法を用いることができる。
学習部Lは、これらのパラメータ、噴射開始時刻tsta、噴射率最大到達時刻tinc、噴射率降下開始時刻tdec、噴射終了時刻tendを学習(保存)する。そして、これらのパラメータに基づいて、相対噴射率の変化波形を取得する。この相対噴射率は、燃料の噴射率に対応するものであり、燃圧センサ20により検出される燃料の実圧力Pcの変化に応じて変化する相対的な値である。さらに、学習部Lは、燃圧センサ20により検出される圧力と燃料の実噴射率との相関関係に基づいて、相対噴射率の変化波形を実噴射率の変化波形に変換して、最大噴射率Rmaxを学習(保存)する。また、学習部Lは、噴射開始時刻tsta、噴射率最大到達時刻tinc、及び最大噴射率Rmaxから噴射開始傾きRαを算出し、噴射終了時刻tend、噴射率降下開始時刻tdec及び最大噴射率Rmaxから噴射終了傾きRβを算出して学習(保存)する。これらの実噴射率の変化波形及び最大噴射率Rmaxは、実際の噴射率の大きさを表す絶対的な値である。なお、燃圧センサ20により検出される圧力と燃料の実噴射率との相関関係は、予め工場等で取得されているものであり、詳しくは後述する。
ECU30は、学習部Lで学習されたパラメータを反映して、噴射率モデルMを作成する。すなわち、ECU30は、燃料噴射弁10による燃料の噴射時に、燃圧センサ20により検出される燃料圧力の変化波形、及び予め取得されている上記相関関係に基づいて噴射率モデルMを作成し、作成した噴射率モデルMを用いて燃料噴射制御を実行する。
次に、燃料噴射システム50に適用する噴射特性取得装置60について説明する。図3は、燃料噴射システム50及び噴射特性取得装置60を示す模式図である。噴射特性取得装置60は、圧力容器62、誘導配管65、流量計66、及びPC(Personal Computer)64を備えている。各圧力容器62には、圧力センサ61(第2圧力センサ)及び排出弁63が設けられている。また、各流量計66には、温度センサ67が設けられている。なお、噴射特性取得装置60による噴射特性の取得は、燃料噴射システム50の出荷前に工場等において行われる。
圧力容器62は、高圧に耐えることのできる中空の容器であり、その内部の圧力が外部に漏れないように密閉されている。圧力容器62の内部に燃料噴射弁10の噴孔11b(先端)が露出しており、燃料噴射弁10により圧力容器62の内部へ燃料が噴射される。圧力容器62の内部へ噴射された燃料は、圧力容器62の内壁を伝って下部へ収集される。
各圧力容器62の下部には、各誘導配管65の上端が接続されており、各誘導配管65の下端は流量計66に接続されている。そして、圧力容器62の下部へ収集された燃料は、誘導配管65を通じて流量計66へ誘導される。
圧力センサ61は、圧力容器62内の圧力を検出する。圧力容器62は密閉されているため、燃料噴射弁10から圧力容器62内へ燃料が噴射されることにより、圧力容器62内の圧力が変化する。したがって、圧力センサ61により、燃料噴射弁10による燃料噴射に伴う圧力容器62内の圧力変化が検出される。排出弁63は、圧力容器62内の圧力が規定値よりも高くなった場合に開いて、圧力容器62内の圧力を解放する弁である。
流量計66は、微小流量を検出可能な流量計であり、流量計66を通過する流体の体積流量を検出する。流量計66は、誘導配管65を通じて流量計66へ誘導される燃料、すなわち燃料噴射弁10から噴射される燃料の体積流量を検出する。
温度センサ67は、流量計66を通過する燃料の温度を検出する。すなわち、温度センサ67は、流量計66により燃料の流量を検出する際に、その燃料の温度を検出する。なお、温度センサ67は、流量計66内の燃料の温度と等しい温度を検出するものであればよく、例えば誘導配管65内の燃料の温度を検出するものであってもよい。
PC64は、公知のコンピュータである。PC64は、各種の演算を行うCPU、その演算途中のデータや演算結果等を一時的に記憶するメインメモリとしてのRAM、プログラムメモリとしてのROM、データ保存用の記憶装置、外部との間で信号を入出力するための入出力ポート、キーボード等の入力インターフェース(入力部)等から構成されている。
PC64は、燃圧センサ20、温度センサ17、圧力センサ61、流量計66、及び温度センサ67の各出力を受信する。PC64は、流量計66により検出される燃料の流量を積分することにより、流量計66を通過した燃料の体積を検出する。さらに、流量計66を通過する燃料の温度と、燃料噴射弁10により噴射される燃料の温度とは異なっているため、PC64は、上記各種センサの出力に基づいて、流量計66により検出した燃料の体積を燃料噴射弁10により噴射された燃料の体積に換算する。
また、PC64は、図2で示したECU30による噴射率モデルMの学習と同様にして、燃料噴射弁10による燃料の噴射時に、燃圧センサ20により検出される圧力の変化波形(図4の上側の破線)に基づいて、相対噴射率の変化波形(図4の右側の破線)を取得する。そして、PC64は、取得した相対噴射率の変化波形、及び換算された燃料の体積に基づいて、燃料の実噴射率の推移を示す噴射率モデルM2(第1噴射率波形)を取得する。また、PC64は、燃圧センサ20により検出される圧力と燃料の実噴射率との相関関係を取得する。PC64により取得されたこの相関関係が、ECU30で用いられる。
また、PC64は、圧力センサ61により検出される圧力の変化波形、及び換算された燃料の体積に基づいて、燃料の実噴射率の推移を示す噴射率モデルM3(第2噴射率波形)を取得する。詳しくは、燃料噴射弁10により燃料の噴射が行われると、圧力容器62に設けられた圧力センサ61により、図4の下側に実線で示すような圧力の変化波形が検出される。すなわち、密閉された圧力容器62内に燃料噴射弁10から燃料が噴射されることにより、噴射された燃料の体積に応じて圧力容器62内の圧力が上昇する。
ここで、圧力容器62内の圧力の上昇量(総変化量)と圧力容器62内に噴射された燃料の体積(総噴射体積)とは、比例関係を有している。このため、圧力容器62内の圧力の微分値と、燃料の体積の微分値である噴射率とは比例関係を有している。したがって、圧力の微分値の変化波形は、図4の右側に実線で示すような燃料の相対噴射率の変化波形を表すこととなる。
そして、燃料の相対噴射率の積分値(曲線よりも下側部分の面積)は燃料の体積を表すため、これに換算された燃料の体積を適用することにより、燃料の実噴射率の推移を示す噴射率モデルM3を取得する。
図5は、噴射率モデルM2,M3を作成する処理手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、燃料噴射弁10による所定の噴射条件(指令噴射期間Tq,指令噴射開始時期Tc、燃料圧力)における燃料の噴射時に、PC64により実行される。
まず、燃料噴射弁10の燃圧センサ20の出力に基づいて相対噴射率の変化波形を取得するとともに、燃圧センサ20の温度センサ17により燃料の温度を検出する(S11)。続いて、圧力容器62の圧力センサ61の出力に基づいて、相対噴射率の変化波形を取得する(S12)。圧力センサ61の出力に基づく相対噴射率の変化波形の取得については後述する。
続いて、流量計66の温度センサ67により流量計66を通過する燃料の温度を検出するとともに、流量計66の出力に基づいて流量計66を通過した燃料の体積を検出する(S13)。流量計66で検出された燃料の体積を、燃料噴射弁10から噴射された燃料の体積に換算する(S14)。詳しくは、燃料の種類により定まる燃料の熱膨張率(温度変化に対する体積変化率)と、流量計66の温度センサ67により検出される燃料の温度と、燃料噴射弁10の温度センサ17により検出される燃料の温度とに基づいて、燃料の体積を換算する。
上記換算された燃料の体積を用いて、燃料噴射弁10の燃圧センサ20の出力に基づく相対噴射率の単位を実噴射率の単位に換算し、噴射率モデルM2を作成する(S15、第1噴射率取得工程)。詳しくは、換算された燃料の体積と、S11で取得した相対噴射率の変化波形の積分値とが等しいとして、相対噴射率の推移を実噴射率の推移に変換する。これにより、燃圧センサ20の出力に基づいて、燃料噴射弁10の燃料の噴射における実噴射率や最大噴射率Rmaxが算出される。さらに、燃圧センサ20により検出される圧力と実噴射率との相関関係が取得される。
さらに、上記換算された燃料の体積を用いて、圧力容器62の圧力センサ61の出力に基づく相対噴射率の単位を実噴射率の単位に換算し、噴射率モデルM3を作成する(S16、第2噴射率取得工程)。詳しくは、換算された燃料の体積と、S12で取得した相対噴射率の変化波形の積分値とが等しいとして、相対噴射率の推移を実噴射率の推移に変換する。これにより、圧力センサ61により検出される圧力と実噴射率との相関関係が取得される。その後、この一連の処理を終了する。
図6は、圧力容器62での相対噴射率の変化波形を取得する処理手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、燃料噴射弁10による燃料噴射時にPC64により実行される。
まず、圧力容器62の圧力センサ61の出力をローパスフィルタ処理し(S121)、処理されたデータを微分処理する(S122)。
続いて、微分処理した曲線の頂上に沿って水平線Hを引く(S123)。さらに、曲線の最大上昇部分及び最大下降部分において、それぞれ頂上に対して第1の割合の高さの点と第2の割合の高さの点とを直線で結ぶ(S124)。例えば、最大上昇部分において、頂上(水平線H)に対して25%の高さの点と75%の高さの点とを直線L1で結ぶ。また、最大下降部分において、頂上(水平線H)に対して25%の高さの点と75%の高さの点とを直線L2で結ぶ。
そして、直線L1,L2と0点との交点、及び直線L1,L2と水平線Hとの交点を算出する(S125)。これらの交点は、それぞれ噴射開始時刻tsta、噴射率最大到達時刻tinc、噴射率降下開始時刻tdec、噴射終了時刻tendに相当する。そして、これらの時刻に基づいて、相対噴射率の推移を取得する。その後、この一連の処理を終了する。
また、PC64は、燃料噴射弁10に含まれる組み付け部品の寸法に基づいて、推定噴射率波形を取得する。詳しくは、PC64に、組み付け部品の規定の寸法を入力する。入力は、手動で行ってもよいし、記録媒体から読み込んでもよい。入力する組み付け部品の寸法は、例えば、シート面11eの径(ノズルシート径)、ノズルスプリング12bのばね定数(ノズルセット荷重)、インオリフィス11fの径、アウトオリフィス11gの径、噴孔11bの径などである。
図7に、各組み付け部品の寸法と、各組み付け部品の寸法から推定されるパラメータとの対応の一例を示す。ノズルシート径が小さくノズルセット荷重が軽いほど、噴射指令後に噴孔11bから早く燃料が噴射される。よって、ノズルシート径及びノズルセット荷重から、噴射開始時刻tstaを推定する。また、アウトオリフィス11gの径が大きいほど、背圧室16の燃料圧力の低下速度が速くなり、ニードル弁12のシート面12aがボデー11のシート面11eから離れる速度が速くなる。その結果、噴射率0から最大噴射率になるまでの時間が短くなり、噴射開始傾きRαが急になる。よって、アウトオリフィス11gの径から噴射開始傾きRαを推定する。
また、噴孔11bの径が大きいほど最大噴射率Rmaxは大きくなる。よって、噴孔11bの径から最大噴射率Rmaxを推定する。また、インオリフィス11fの径が大きいほど、背圧室16の燃料圧力の上昇速度が速くなり、ニードル弁12のシート面12aがボデー11のシート面11eに近付く速度が速くなる。その結果、最大噴射率から噴射率0になるまでの時間が短くなり、噴射終了傾きRβが急になる。よって、インオリフィス11fの径から噴射終了傾きRβを推定する。
このようにして、PC64は、入力された各組み付け部品の寸法、及び噴射率モデルM2,M3を取得した際の所定の噴射条件に基づいて、燃料噴射弁10による燃料の噴射時における推定噴射率モデルM1(推定噴射率波形)を取得する。
なお、PC64は、上記組み付け部品の寸法に限らず、他の組み付け部品の寸法に基づいて、推定噴射率モデルM1を取得してもよい。また、PC64は、予め、基準となる各組み付け部品の寸法に基づいて、基準となる推定噴射率モデルを作成して保存しておいてもよい。この場合、PC64には、基準となる各組み付け部品の寸法とのずれ量を入力し、PC64は、各ずれ量と基準となる推定噴射率モデルとから、推定噴射率モデルM1を作成してもよい。
PC64は、図8に示すように、推定噴射率モデルM1、燃圧センサ20の出力による噴射率モデルM2、圧力容器62での噴射率モデルM3を作成した後、作成した3つのモデルを互いに比較する。詳しくは、噴射開始時刻tsta、噴射開始傾きRα、噴射終了傾きRβ、噴射終了時刻tend、最大噴射率Rmaxのそれぞれのパラメータについて、3つのモデルを比較する。そして、PC64は、比較結果に基づいて、燃料噴射システム50及び噴射特性取得装置60に異常があるか否か判定するとともに、異常がある場合には、異常の種類を推定する。
燃料噴射システム50及び噴射特性取得装置60に異常がない場合は、推定噴射率モデルM1、噴射率モデルM2、及び噴射率モデルM3は、ほぼ等しい波形になる。一方、燃料噴射システム50及び噴射特性取得装置60に異常がある場合は、3つのモデルM1,M2,M3が異常の種類に応じて正常時と異なる波形になる。詳しくは、図9に示すように、推定噴射率モデルM1、噴射率モデルM2、噴射率モデルM3のそれぞれの差が全て閾値よりも小さい場合は、PC64は異常なしと判定する。これ以外の場合、PC64は異常ありと判定する。
噴射率モデルM2と噴射率モデルM3の差が閾値よりも小さく、且つ、噴射率モデルM2及び噴射率モデルM3の少なくとも一方と、推定噴射率モデルM1との差が閾値よりも大きい場合は、推定噴射率モデルM1に異常が反映されている。この場合、組み付け部品の寸法から推定される燃料噴射弁10の作動状態が、実際の燃料噴射弁10の作動状態と異なっているので、PC64は、異常の種類を燃料噴射弁10の作動状態に関する異常と推定する。具体的には、PC64は、異常の種類を、入力された組み付け部品の寸法の間違い、組み付け部品の実際の寸法が入力された規定の寸法と異なる寸法異常、圧力容器62に対する燃料噴射弁10の組み付け異常、及び組み付け部品の組み付け異常の少なくとも1つであると推定する。
また、推定噴射率モデルM1と噴射率モデルM3との差が閾値よりも小さく、且つ、推定噴射率モデルM1及び噴射率モデルM3の少なくとも一方と、噴射率モデルM2との差が閾値よりも大きい場合は、噴射率モデルM2に異常が反映されている。噴射率モデルM2は、燃圧センサ20により検出された圧力の変化波形に基づいて取得されるモデルであるため、PC64は、異常の種類を、燃圧センサ20に関する異常と推定する。具体的には、PC64は、異常の種類を、燃圧センサ20自体の異常、及び燃圧センサ20に供給される電源電圧の異常の少なくとも1つであると推定する。
また、推定噴射率モデルM1と噴射率モデルM2との差が閾値よりも小さく、且つ、推定噴射率モデルM1及び噴射率モデルM2の少なくとも一方と、噴射率モデルM3との差が閾値よりも大きい場合は、噴射率モデルM3に異常が反映されている。噴射率モデルM3は、圧力容器62内の圧力の変化波形に基づいて取得されるモデルであるため、PC64は、異常の種類を、圧力容器62に関する異常と推定する。具体的には、PC64は、異常の種類を、圧力センサ61の異常、圧力容器62の燃料漏れ、及び排出弁63の異常(圧力容器62内の圧力解放異常)の少なくとも1つであると推定する。
また、PC64は、推定噴射率モデルM1、噴射率モデルM2、噴射率モデルM3のそれぞれの差が全て閾値よりも大きい場合に、上記各異常とは異なる異常が発生していると推定する。あるいは、PC64は、燃料噴射弁10の作動状態に関する異常、燃圧センサ20に関する異常、及び圧力容器62に関する異常のうち、複数の異常が同時に発生していると推定する。
なお、PC64のCPUが所定のプログラムを実行することにより、第1噴射率取得部、第2噴射率取得部、推定噴射率取得部、及び判定部の機能が実現される。
図10は、異常の有無を判定するとともに、異常の種類を推定する処理手順を示すフローチャートである。S20及びS21の処理は人により工場内で実行され、S22〜S34の処理はPC64により工場内で実行される。
まず、コモンレール42及び燃料ポンプ41に接続された燃料噴射弁10を、噴射特性取得装置60の圧力容器62に組み付ける(S20)。続いて、工場のPC64に各組み付け部品の寸法を入力する(S21、入力工程)。続いて、入力された各組み付け部品の寸法に基づいて、推定噴射率モデルM1を作成する(S22、推定噴射率取得工程)。
続いて、燃料噴射弁10から圧力容器62内へ燃料を噴射する(S23)。続いて、燃料噴射弁10による燃料の噴射時に、燃圧センサ20により検出された圧力の変化波形に基づいて、噴射率モデルM2を作成する(S24、第1噴射率取得工程)。続いて、燃料噴射弁10による燃料の噴射時に、圧力センサ61により検出された圧力の変化波形に基づいて、噴射率モデルM3を作成する(S25、第2噴射率取得工程)。
続いて、S26〜S34の処理では、異常の有無の判定、及び異常の種類の推定を行う(判定工程)。S26〜S34の処理は、各パラメータについてそれぞれ行い、少なくとも1つのパラメータについて異常ありと判定した場合は、燃料噴射システム50及び噴射特性取得装置60に異常ありとする。異常ありとした場合は、燃圧センサ20により検出された圧力と実噴射率との相関関係の学習を実施しない。
まず、推定噴射率モデルM1と噴射率モデルM2との差分が閾値よりも小さいか否か判定する(S26)。閾値よりも小さい場合は(S26:YES)、続いて推定噴射率モデルM1と噴射率モデルM3との差分が閾値よりも小さいか否か判定する(S27)。閾値よりも小さい場合は(S27:YES)、異常なし、すなわち正常と判定して、通常の噴射特性の学習を実施する(S28)。すなわち、燃圧センサ20により検出された圧力と実噴射率との相関関係の学習を実施する。
一方、推定噴射率モデルM1と噴射率モデルM3との差分が閾値よりも大きい場合は(S27:NO)、異常ありと判定するとともに、噴射率モデルM3に異常が反映されているため、異常の種類を圧力容器62に関する異常と推定する(S29)。
推定噴射率モデルM1と噴射率モデルM2との差分が閾値よりも大きい場合は(S26:NO)、推定噴射率モデルM1と噴射率モデルM3との差分が閾値よりも小さいか否か判定する(S30)。閾値よりも小さい場合は(S30:YES)、異常ありと判定するとともに、噴射率モデルM2に異常が反映されているため、異常の種類を燃圧センサ20に関する異常と推定する(S31)。一方、推定噴射率モデルM1と噴射率モデルM3との差分が閾値よりも大きい場合は(S30:NO)、噴射率モデルM2と噴射率モデルM3との差分が閾値よりも小さいか否か判定する(S32)。閾値よりも小さい場合は(S32:YES)、異常ありと判定するとともに、推定噴射率モデルM1に異常が反映されているため、異常の種類を燃料噴射弁10の作動状態に関する異常と推定する。
噴射率モデルM2と噴射率モデルM3との差分が閾値よりも大きい場合は(S32:NO)、3つの噴射率モデルのそれぞれの差分がすべて閾値よりも大きいので、異常ありと判定するとともに、異常の種類を、その他の異常又は複数種類の異常の同時発生と推定する(S33)。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
・燃料噴射システム50及び噴射特性取得装置60に異常がない場合は、推定噴射率モデルM1、噴射率モデルM2、及び噴射率モデルM3が、ほぼ等しい波形になる。一方、燃料噴射システム50及び噴射特性取得装置60に異常がある場合は、推定噴射率モデルM1、噴射率モデルM2、及び噴射率モデルM3が、異常の種類に応じて正常時と異なる波形になる。よって、推定噴射率モデルM1、噴射率モデルM2、及び噴射率モデルM3を比較することにより、異常があるか否かを判定できるとともに、異常がある場合には異常の種類を推定することができる。
・噴射率モデルM2と噴射率モデルM3との差が閾値よりも小さく、且つ、噴射率モデルM2及び噴射率モデルM3の少なくとも一方と、推定噴射率モデルM1との差が閾値よりも大きい場合は、推定噴射率モデルM1に異常が反映されている。推定噴射率モデルM1は、燃料噴射弁10に含まれる組み付け部品の寸法に基づいて取得されるモデルのため、推定噴射率モデルM1に反映される異常の種類は、組み付け部品の寸法異常や燃料噴射弁10の組み付け不良等による燃料噴射弁10の作動状態に関する異常と推定できる。詳しくは、異常の種類は、入力された組み付け部品の寸法の異常、組み付け部品の実際の寸法の異常、燃料噴射弁10の組み付け異常、及び組み付け部品の組み付け異常の少なくとも1つと推定できる。
・推定噴射率モデルM1と噴射率モデルM3との差が閾値よりも小さく、且つ、推定噴射率モデルM1及び噴射率モデルM3の少なくとも一方と、噴射率モデルM2との差が閾値よりも大きい場合は、噴射率モデルM2に異常が反映されている。噴射率モデルM2は、燃圧センサ20により検出される燃料通路42b,11a内の燃料圧力の変化波形に基づいて取得される波形のため、噴射率モデルM2に反映される異常の種類は、燃圧センサ20に関する異常と推定できる。詳しくは、異常の種類は、燃圧センサ20及び燃圧センサ20に供給される電源電圧の少なくとも1つと推定できる。
・推定噴射率モデルM1と噴射率モデルM2との差が閾値よりも小さく、且つ、推定噴射率モデルM1及び噴射率モデルM2の少なくとも一方と、噴射率モデルM3との差が閾値よりも大きい場合は、噴射率モデルM3に異常が反映されている。噴射率モデルM3は、圧力容器62内の圧力の変化波形に基づいて取得される波形のため、噴射率モデルM3に反映される異常の種類は、圧力容器62に関する異常と推定できる。詳しくは、異常の種類は、圧力センサ61の異常、圧力容器62の燃料漏れ、及び圧力容器62の排出弁63の異常の少なくとも1つと推定できる。
(他の実施形態)
・相対噴射率の変化波形を、最大噴射率Rmaxが推定噴射率モデルM1の最大噴射率Rmaxとなるように実噴射率の変化波形に変換し、噴射率モデルM2、噴射率モデルM3を取得してもよい。この場合、各モデルの最大噴射率Rmax以外のパラメータを比較することで、異常の有無の判定、及び異常の種類の推定を行うことができる。
・S26〜S34の処理は、各パラメータについてそれぞれ行わなくてもよい。任意の数のパラメータについて行ってもよい。
10…燃料噴射弁、11a,42b…燃料通路、11b…噴孔、20…燃圧センサ、42…コモンレール、50…燃料噴射システム、60…噴射特性取得装置、61…圧力センサ、62…圧力容器。

Claims (8)

  1. 燃料を蓄圧保持する蓄圧容器(42)と、前記燃料を噴孔(11b)から噴射する燃料噴射弁(10)と、前記蓄圧容器から前記噴孔までの燃料通路(11a,42b)内の燃料圧力を検出する第1圧力センサ(20)と、を備える燃料噴射システム(50)に適用される噴射特性取得装置(60)であって、
    密閉された状態で内部に前記燃料噴射弁により前記燃料が噴射される圧力容器(62)と、
    前記圧力容器内の圧力を検出する第2圧力センサ(61)と、
    前記燃料噴射弁に含まれる組み付け部品の寸法を入力する入力部と、
    前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時に、前記第1圧力センサにより検出される前記燃料圧力の変化波形に基づいて、前記燃料の第1噴射率波形を取得する第1噴射率取得部と、
    前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時に、前記第2圧力センサにより検出される前記圧力の変化波形に基づいて、前記燃料の第2噴射率波形を取得する第2噴射率取得部と、
    前記入力部により入力された前記寸法に基づいて、前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時における前記燃料の推定噴射率波形を取得する推定噴射率取得部と、
    前記第1噴射率波形、前記第2噴射率波形、及び前記推定噴射率波形の比較に基づいて、異常があるか否か判定するとともに、異常があると判定された場合には異常の種類を推定する判定部と、を備えることを特徴とする噴射特性取得装置。
  2. 前記判定部は、前記第2噴射率波形と前記推定噴射率波形との差が閾値よりも小さく、且つ、前記第2噴射率波形及び前記推定噴射率波形の少なくとも一方と前記第1噴射率波形との差が前記閾値よりも大きい場合に、前記異常の種類を前記第1圧力センサに関する異常と推定する請求項1に記載の噴射特性取得装置。
  3. 前記判定部は、前記第1噴射率波形と前記第2噴射率波形との差が閾値よりも小さく、且つ、前記第1噴射率波形及び前記第2噴射率波形の少なくとも一方と前記推定噴射率波形との差が前記閾値よりも大きい場合に、前記異常の種類を前記燃料噴射弁の作動状態に関する異常と推定する請求項1又は2に記載の噴射特性取得装置。
  4. 前記判定部は、前記第1噴射率波形と前記推定噴射率波形との差が閾値よりも小さく、且つ前記第1噴射率波形及び前記推定噴射率波形の少なくとも一方と前記第2噴射率波形との差が前記閾値よりも大きい場合に、前記異常の種類を前記圧力容器に関する異常と推定する請求項1〜3のいずれかに記載の噴射特性取得装置。
  5. 前記第1圧力センサに関する異常は、前記第1圧力センサの異常、及び前記第1圧力センサに供給される電源電圧の異常の少なくとも1つである請求項2に記載の噴射特性取得装置。
  6. 前記燃料噴射弁の作動状態に関する異常は、前記入力部により入力された前記寸法の間違い、前記部品の実際の寸法異常、前記燃料噴射弁の組み付け異常、及び前記部品の組み付け異常の少なくとも1つである請求項3に記載の噴射特性取得装置。
  7. 前記圧力容器に関する異常は、前記第2圧力センサの異常、前記圧力容器の燃料漏れ、及び前記圧力容器内の圧力解放異常の少なくとも1つである請求項4に記載の噴射特性取得装置。
  8. 燃料を蓄圧保持する蓄圧容器(42)と、前記燃料を噴孔(11b)から噴射する燃料噴射弁(10)と、前記蓄圧容器から前記噴孔までの燃料通路(11a,42b)内の燃料圧力を検出する第1圧力センサ(20)と、を備える燃料噴射システム(50)の噴射特性を取得する噴射特性取得方法であって、
    密閉された状態で内部に前記燃料噴射弁により前記燃料が噴射される圧力容器(62)と、前記圧力容器内の圧力を検出する第2圧力センサ(61)と、を用意し、
    前記燃料噴射弁に含まれる組み付け部品の寸法を入力する入力工程と、
    前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時に、前記第1圧力センサにより検出される前記燃料圧力の変化波形に基づいて、前記燃料の第1噴射率波形を取得する第1噴射率取得工程と、
    前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時に、前記第2圧力センサにより検出される前記圧力の変化波形に基づいて、前記燃料の第2噴射率波形を取得する第2噴射率取得工程と、
    前記入力工程において入力された前記寸法に基づいて、前記燃料噴射弁による前記燃料の噴射時における前記燃料の推定噴射率波形を取得する推定噴射率取得工程と、
    前記第1噴射率波形、前記第2噴射率波形、及び前記推定噴射率波形の比較に基づいて、異常があるか否か判定するとともに、異常があると判定された場合には異常の種類を推定する判定工程と、を備えることを特徴とする噴射特性取得方法。
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