JP5348154B2 - 燃料噴射システムの故障部位判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射システムの故障部位判定装置に関する。
特許文献1には、コモンレール(蓄圧容器)の吐出口から燃料噴射弁の噴孔に至るまでの燃料通路内の燃料圧力を検出する燃圧センサを備え、燃圧センサの検出値に基づき、噴射に伴い生じた燃料圧力の変化を表した燃圧波形を検出する技術が開示されている。これによれば、実際の噴射率変化を燃圧波形から算出することができるので、実際の噴射率変化に基づき燃料噴射弁の作動をフィードバック制御できる。
さらに特許文献1には、燃圧波形から算出した噴射率変化の態様が、噴射指令信号から想定される態様から大きく外れている場合に、燃料噴射弁の噴孔詰まり等の噴射異常が発生していると異常判定している。
特開2009−85164号公報
しかしながら、上記異常判定では、噴射異常の有無を判定できるものの、異常の原因となっている故障部位を特定するには至っていない。そのため、例えばコモンレールから燃料が漏れる漏れ故障が生じた場合に、燃料噴射弁は正常であるにも拘わらずコモンレールと燃料噴射弁とを一体的に交換してしまうことが懸念される。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、故障の有無を判定するに留まらず、故障部位の特定を実現可能にした燃料噴射システムの故障部位判定装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
第1の発明では、蓄圧容器で蓄圧した燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記蓄圧容器の吐出口から前記燃料噴射弁の噴孔に至るまでの燃料通路に配置され、前記燃料通路内の燃料圧力を検出する燃圧センサと、を備えた燃料噴射システムに適用されることを前提とする。
そして、前記燃圧センサの検出値に基づき、噴射に伴い生じた燃料圧力の変化を表した燃圧波形を検出する燃圧波形検出手段と、検出した前記燃圧波形に基づき、その燃圧波形に対応する噴射率波形を特定するのに要する複数種類の噴射率パラメータを算出する噴射率パラメータ算出手段と、前記噴射率パラメータの各々について異常値であるか否かを判定する異常判定手段と、前記複数種類の噴射率パラメータのうち、前記異常判定手段により異常値であると判定された噴射率パラメータの組み合わせに基づき、前記燃料噴射システムの故障部位を判定する故障部位判定手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、燃料噴射弁の噴孔詰まりや、燃料噴射弁のアクチュエータの駆動力低下、燃料通路詰まり、閉弁機構の故障による噴放し等の故障が生じると、噴射率波形は正常時と比べて大きく異なる波形になることに加え、その故障内容に応じて噴射率波形の形状は異なってくる。そのため、噴射率波形を特定する複数種類の噴射率パラメータのうち、異常値になっている噴射率パラメータの組み合わせは、故障内容に応じて異なってくる。
この点に着目した上記発明では、複数種類の噴射率パラメータのうち、異常値であると判定された噴射率パラメータの組み合わせに基づき故障部位を判定するので、故障部位の特定が実現可能となる。
ちなみに、複数種類の噴射率パラメータには、「噴射率の上昇速度」「噴射率の下降速度」「最大噴射率」及び以下に説明する「噴射開始遅れ時間」「噴射終了遅れ時間」等が具体例として挙げられる。「噴射開始遅れ時間」とは、噴射開始を指令してから燃料噴射弁が開弁作動を開始するまで又は実際に噴射が開始されるまでの遅れ時間のことである。「噴射終了遅れ時間」とは、噴射終了を指令してから燃料噴射弁が閉弁作動を開始するまで又は実際に噴射が終了するまでの遅れ時間のことである。
第2の発明では、前記複数種類の噴射率パラメータには、噴射率の上昇速度、噴射率の下降速度、及び最大噴射率の3種類が少なくとも含まれており、前記故障部位判定手段は、前記上昇速度及び前記下降速度が異常に遅く、かつ、前記最大噴射率が異常に小さいと前記異常判定手段により判定された場合には、前記燃料噴射弁の噴孔が詰まる故障であるとみなして、前記噴孔が前記故障部位であると判定することを特徴とする。
燃料噴射弁の噴孔詰まりが生じると、噴射率の上昇速度及び下降速度が遅くなるとともに最大噴射率が小さくなる(図8(b)参照)。この点を鑑みた上記発明によれば、噴射率の上昇速度及び下降速度が異常に遅く、かつ、最大噴射率が異常に小さいと判定された場合に、噴孔が詰まる故障であるとみなして噴孔が故障部位であると判定するので、故障部位が噴孔であることを高精度で特定できる。
第3の発明では、噴射開始を指令してから前記燃料噴射弁が開弁作動を開始するまで又は実際に噴射が開始されるまでを噴射開始遅れ時間とし、噴射終了を指令してから前記燃料噴射弁が閉弁作動を開始するまで又は実際に噴射が終了するまでを噴射終了遅れ時間とした場合において、前記故障部位判定手段は、前記噴射開始遅れ時間及び前記噴射終了遅れ時間の少なくとも1つが異常値ではないと前記異常判定手段により判定されていることを条件として、前記噴孔が前記故障部位であると判定することを特徴とする。
噴孔詰まりが生じた場合、先述の如く噴射率の上昇速度、下降速度及び最大噴射率が異常値になるものの、噴射開始遅れ時間や噴射終了遅れ時間が異常値になる可能性は低い(図8(b)参照)。この点を鑑みた上記発明によれば、噴射開始遅れ時間及び噴射終了遅れ時間の少なくとも1つが異常値ではないと判定されていることを条件として、噴孔が故障部位であると判定するので、その判定精度を向上できる。
第4の発明では、噴射開始を指令してから前記燃料噴射弁が開弁作動を開始するまで又は実際に噴射が開始されるまでを噴射開始遅れ時間とした場合において、前記複数種類の噴射率パラメータには、前記噴射開始遅れ時間及び噴射率の上昇速度の2種類が少なくとも含まれており、前記故障部位判定手段は、前記上昇速度が異常に遅く、かつ、前記噴射開始遅れ時間が異常に長いと前記異常判定手段により判定された場合には、前記燃料噴射弁を開弁作動させるアクチュエータの駆動力が低下している故障であるとみなして、前記アクチュエータが前記故障部位であると判定することを特徴とする。
アクチュエータの駆動力が低下してくると、噴射率の上昇速度が遅くなるとともに噴射開始遅れ時間が長くなる(図8(c)参照)。この点を鑑みた上記発明によれば、噴射率の上昇速度が異常に遅く、かつ、噴射開始遅れ時間が異常に長いと判定された場合に、アクチュエータの駆動力低下故障とみなしてアクチュエータが故障部位であると判定するので、故障部位がアクチュエータであることを高精度で特定できる。
第5の発明では、噴射終了を指令してから前記燃料噴射弁が閉弁作動を開始するまで又は実際に噴射が終了するまでを噴射終了遅れ時間とした場合において、前記故障部位判定手段は、前記噴射終了遅れ時間、噴射率の下降速度、及び最大噴射率の少なくとも1つが異常値ではないと前記異常判定手段により判定されていることを条件として、前記アクチュエータが前記故障部位であると判定することを特徴とする。
アクチュエータの駆動力低下故障が生じた場合、先述の如く噴射率の上昇速度および噴射開始遅れ時間が異常値になるものの、噴射終了遅れ時間、噴射率の下降速度、及び最大噴射率が異常値になる可能性は低い(図8(c)参照)。この点を鑑みた上記発明によれば、噴射終了遅れ時間、噴射率の下降速度、及び最大噴射率の少なくとも1つが異常値ではないと判定されていることを条件として、アクチュエータが故障部位であると判定するので、その判定精度を向上できる。
第6の発明では、噴射終了を指令してから前記燃料噴射弁が閉弁作動を開始するまで又は実際に噴射が終了するまでを噴射終了遅れ時間とした場合において、前記複数種類の噴射率パラメータには、前記噴射終了遅れ時間及び噴射率の下降速度の2種類が少なくとも含まれており、前記故障部位判定手段は、前記下降速度が異常に速く、かつ、前記噴射終了遅れ時間が異常に短いと前記異常判定手段により判定された場合には、前記燃料通路が詰まって通路断面が縮小する故障であるとみなして、前記燃料通路が前記故障部位であると判定することを特徴とする。
燃料通路が詰まって通路断面が縮小してくると、噴射率の下降速度が速くなるとともに噴射終了遅れ時間が短くなる(図8(d)参照)。この点を鑑みた上記発明によれば、噴射率の下降速度が異常に速く、かつ、噴射終了遅れ時間が異常に短いと判定された場合に、燃料通路が詰まって通路断面が縮小する故障とみなして燃料通路が故障部位であると判定するので、故障部位が燃料通路であることを高精度で特定できる。
第7の発明では、噴射開始を指令してから前記燃料噴射弁が開弁作動を開始するまで又は実際に噴射が開始されまでを噴射開始遅れ時間とした場合において、前記故障部位判定手段は、前記噴射開始遅れ時間、噴射率の上昇速度、及び最大噴射率の少なくとも1つが異常値ではないと前記異常判定手段により判定されていることを条件として、前記燃料通路が前記故障部位であると判定することを特徴とする。
燃料通路が詰まる故障が生じた場合、先述の如く噴射率の下降速度および噴射終了遅れ時間が異常値になるものの、噴射開始遅れ時間、噴射率の上昇速度、及び最大噴射率が異常値になる可能性は低い(図8(d)参照)。この点を鑑みた上記発明によれば、噴射開始遅れ時間、噴射率の上昇速度、及び最大噴射率の少なくとも1つが異常値ではないと判定されていることを条件として、燃料通路が故障部位であると判定するので、その判定精度を向上できる。
第8の発明では、噴射終了を指令してから前記燃料噴射弁が閉弁作動を開始するまで又は実際に噴射が終了するまでを噴射終了遅れ時間とした場合において、前記複数種類の噴射率パラメータには、前記噴射終了遅れ時間及び噴射率の下降速度の2種類が少なくとも含まれており、前記故障部位判定手段は、噴射率の下降が開始されないことに起因して前記噴射終了遅れ時間及び前記下降速度が算出不能であると前記異常判定手段により判定された場合には、前記燃料噴射弁の閉弁機構が故障して燃料が噴放しになっているとみなして、前記閉弁機構が前記故障部位であると判定することを特徴とする。
燃料噴射弁の閉弁機構が故障して燃料が噴放しになる異常が発生すると、噴射終了を指令しても噴射率は下降を開始せず、噴射率がゼロにならなくなり、噴射終了遅れ時間及び下降速度が算出不能になる(図8(e)参照)。この点を鑑みた上記発明によれば、噴射終了遅れ時間及び下降速度が算出不能と判定された場合に、燃料が噴放しになっているとみなして閉弁機構が故障部位であると判定するので、故障部位が閉弁機構であることを高精度で特定できる。
第9の発明では、噴射開始を指令してから前記燃料噴射弁が開弁作動を開始するまで又は実際に噴射が開始されまでを噴射開始遅れ時間とした場合において、前記故障部位判定手段は、前記噴射開始遅れ時間、噴射率の上昇速度、及び最大噴射率の少なくとも1つが異常値ではないと前記異常判定手段により判定されていることを条件として、前記閉弁機構が前記故障部位であると判定することを特徴とする。
燃料の噴放し異常が生じた場合、先述の如く噴射終了遅れ時間及び下降速度が算出不能(異常値)になるものの、噴射開始遅れ時間、噴射率の上昇速度、及び最大噴射率が異常値になる可能性は低い(図8(e)参照)。この点を鑑みた上記発明によれば、噴射開始遅れ時間、噴射率の上昇速度、及び最大噴射率の少なくとも1つが異常値ではないと判定されていることを条件として、閉弁機構が故障部位であると判定するので、その判定精度を向上できる。
第10の発明では、前記複数種類の噴射率パラメータの少なくとも1つが前記異常判定手段により異常値であると判定されたことを条件として、前記故障部位判定手段による前記判定を実施することを特徴とする。
上記発明によれば、異常値の有無に拘わらず故障部位の判定を実施する場合に比べて、前記判定を実施する機会を減らすことができるので、その判定に要する処理の負荷を軽減できる。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関制御装置が適用される、燃料噴射システムの概略を示す図である。 噴射指令信号に対応する噴射率および燃圧の変化を示す図である。 上記一実施形態において、噴射率パラメータの学習及び噴射指令信号の設定等の概要を示すブロック図である。 上記一実施形態において、噴射率パラメータの算出手順を示すフローチャートである。 噴射時燃圧波形Wa、非噴射時燃圧波形Wu、噴射波形Wbを示す図である。 図3に示すフィードバック制御により、噴射量不足を解消するように噴射量が補償される態様を説明する図である。 上記一実施形態において、学習値の異常判定、および故障部位判定の処理手順を示すフローチャートである。 図7による故障部位判定の手法を説明する図である。
以下、本発明に係る制御装置を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。以下に説明する制御装置は、車両用のエンジン(内燃機関)に搭載されたものであり、当該エンジンには、複数の気筒#1〜#4について高圧燃料を噴射して圧縮自着火燃焼させるディーゼルエンジンを想定している。
図1は、上記エンジンの各気筒に搭載された燃料噴射弁10、各々の燃料噴射弁10に搭載された燃圧センサ20、及び車両に搭載された電子制御装置であるECU30等を示す模式図である。
先ず、燃料噴射弁10を含むエンジンの燃料噴射システムについて説明する。燃料タンク40内の燃料は、燃料ポンプ41によりコモンレール42(蓄圧容器)に圧送されて蓄圧され、各気筒の燃料噴射弁10(#1〜#4)へ分配供給される。複数の燃料噴射弁10(#1〜#4)は、予め設定された順番で燃料の噴射を順次行う。
なお、燃料ポンプ41にはプランジャポンプが用いられているため、プランジャの往復動に同期して燃料は圧送される。また、燃料タンク40から燃料ポンプ41(プランジャ)への燃料供給量を調量弁41aが調節する。したがって、調量弁41aによる供給量を調節するようECU30が調量弁41aの作動を制御すれば、燃料ポンプ41からコモンレール42への燃料圧送量を制御でき、コモンレール42内の圧力を目標圧力に制御することができる。
燃料噴射弁10は、以下に説明するボデー11、ニードル形状の弁体12及びアクチュエータ13等を備えて構成されている。ボデー11は、内部に高圧通路11aを形成するとともに、燃料を噴射する噴孔11bを形成する。弁体12は、ボデー11内に収容されて噴孔11bを開閉する。
ボデー11内には弁体12に背圧を付与する背圧室11cが形成されており、高圧通路11a及び低圧通路11dは背圧室11cと接続されている。高圧通路11a及び低圧通路11dと背圧室11cとの連通状態は制御弁14により切り替えられており、電磁コイルやピエゾ素子等のアクチュエータ13へ通電してピストン15とともに制御弁14を図1の下方へ押し下げ作動させると、背圧室11cは低圧通路11dと連通して背圧室11c内の燃料圧力は低下する。その結果、弁体12へ付与される背圧力が低下して弁体12はリフトアップ(開弁作動)する。これにより、弁体12のシート面12aがボデー11のシート面11eから離座して、噴孔11bから燃料が噴射される。
一方、アクチュエータ13への通電をオフさせると、スプリング16の弾性力によりピストン15が図1の上方へ作動して、制御弁14が図1の上方へ作動する。すると、背圧室11cは高圧通路11aと連通して背圧室11c内の燃料圧力は上昇する。その結果、弁体12へ付与される背圧力の上昇及びスプリング17の弾性力により、弁体12はリフトダウン(閉弁作動)する。これにより、弁体12のシート面12aがボデー11のシート面11eに着座して、噴孔11bからの燃料噴射が停止される。
したがって、ECU30がアクチュエータ13への通電を制御することで、弁体12の開閉作動が制御される。これにより、コモンレール42から高圧通路11aへ供給された高圧燃料は、弁体12の開閉作動に応じて噴孔11bから噴射される。
燃圧センサ20は、各々の燃料噴射弁10に搭載されており、以下に説明するステム21(起歪体)及び圧力センサ素子22等を備えて構成されている。ステム21はボデー11に取り付けられており、ステム21に形成されたダイヤフラム部21aが高圧通路11aを流通する高圧燃料の圧力を受けて弾性変形する。圧力センサ素子22はダイヤフラム部21aに取り付けられており、ダイヤフラム部21aで生じた弾性変形量に応じて圧力検出信号をECU30へ出力する。
ECU30は、アクセルペダルの操作量やエンジン負荷、エンジン回転速度NE等に基づき目標噴射状態(例えば噴射段数、噴射開始時期、噴射終了時期、噴射量等)を算出する。例えば、エンジン負荷及びエンジン回転速度に対応する最適噴射状態を噴射状態マップにして記憶させておく。そして、現状のエンジン負荷及びエンジン回転速度に基づき、噴射状態マップを参照して目標噴射状態を算出する。そして、算出した目標噴射状態に対応する噴射指令信号t1、t2、Tq(図2(a)参照)を、後に詳述する噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxに基づき設定し、燃料噴射弁10へ出力することで燃料噴射弁10の作動を制御する。
また、燃圧センサ20の検出値に基づき、噴射に伴い生じた燃料圧力の変化を燃圧波形(図2(c)参照)として検出し、検出した燃圧波形に基づき燃料の噴射率変化を表した噴射率波形(図2(b)参照)を演算して噴射状態を検出する。そして、検出した噴射率波形(噴射状態)を特定する噴射率パラメータRα,Rβ,Rmaxを学習するとともに、噴射指令信号(パルスオン時期t1、パルスオフ時期t2及びパルスオン期間Tq)と噴射状態との相関関係を特定する噴射率パラメータtd,teを学習する。
具体的には、燃圧波形のうち、噴射開始に伴い燃圧降下を開始する変曲点P1から降下が終了する変曲点P2までの降下波形を、最小二乗法等により直線に近似した降下近似直線Lαを算出する。そして、降下近似直線Lαのうち基準値Bαとなる時期(LαとBαの交点時期LBα)を算出する。この交点時期LBαと噴射開始時期R1とは相関が高いことに着目し、交点時期LBαに基づき噴射開始時期R1を算出する。例えば、交点時期LBαよりも所定の遅れ時間Cαだけ前の時期を噴射開始時期R1として算出すればよい。
また、燃圧波形のうち、噴射終了に伴い燃圧上昇を開始する変曲点P3から降下が終了する変曲点P5までの上昇波形を、最小二乗法等により直線に近似した上昇近似直線Lβを算出する。そして、上昇近似直線Lβのうち基準値Bβとなる時期(LβとBβの交点時期LBβ)を算出する。この交点時期LBβと噴射終了時期R4とは相関が高いことに着目し、交点時期LBβに基づき噴射終了時期R4を算出する。例えば、交点時期LBβよりも所定の遅れ時間Cβだけ前の時期を噴射終了時期R4として算出すればよい。
次に、降下近似直線Lαの傾きと噴射率増加の傾きとは相関が高いことに着目し、図2(b)に示す噴射率波形のうち噴射増加を示す直線Rαの傾きを、降下近似直線Lαの傾きに基づき算出する。例えば、Lαの傾きに所定の係数を掛けてRαの傾きを算出すればよい。同様にして、上昇近似直線Lβの傾きと噴射率減少の傾きとは相関が高いので、噴射率波形のうち噴射減少を示す直線Rβの傾きを、上昇近似直線Lβの傾きに基づき算出する。
次に、噴射率波形の直線Rα,Rβに基づき、噴射終了を指令したことに伴い弁体12がリフトダウンを開始する時期(閉弁作動開始時期R23)を算出する。具体的には、両直線Rα,Rβの交点を算出し、その交点時期を閉弁作動開始時期R23として算出する。また、噴射開始時期R1の噴射開始指令時期t1に対する遅れ時間(噴射開始遅れ時間td)を算出する。また、閉弁作動開始時期R23の噴射終了指令時期t2に対する遅れ時間(噴射終了遅れ時間te)を算出する。
また、降下近似直線Lα及び上昇近似直線Lβの交点に対応した圧力を交点圧力Pαβとして算出し、後に詳述する基準圧力Pbaseと交点圧力Pαβとの圧力差ΔPγを算出し、この圧力差ΔPγと最大噴射率Rmaxとは相関が高いことに着目し、圧力差ΔPγに基づき最大噴射率Rmaxを算出する。具体的には、圧力差ΔPγに相関係数Cγを掛けることで最大噴射率Rmaxを算出する。但し、圧力差ΔPγが所定値ΔPγth未満である小噴射の場合には、上述の如くRmax=ΔPγ×Cγとする一方で、ΔPγ≧ΔPγthである大噴射の場合には、予め設定しておいた値(設定値Rγ)を最大噴射率Rmaxとして算出する。
なお、上記「小噴射」とは、噴射率がRγに達する前に弁体12がリフトダウンを開始する態様の噴射を想定しており、シート面11e,12aで燃料が絞られて噴射量が制限されている時の噴射率が最大噴射率Rmaxとなる。一方、上記「大噴射」とは、噴射率がRγに達した後に弁体12がリフトダウンを開始する態様の噴射を想定しており、噴孔11bで燃料が絞られて噴射量が制限されている時の噴射率が最大噴射率Rmaxとなる。要するに、噴射指令期間Tqが十分に長く、最大噴射率に達した以降も開弁状態を継続させる場合においては、図2(b)に示す噴射率波形は台形となる。一方、最大噴射率に達する前に閉弁作動を開始させるような小噴射の場合には、噴射率波形は三角形となる。
大噴射時の最大噴射率Rmaxである上記設定値Rγは、燃料噴射弁10の経年変化に伴い変化していく。例えば、噴孔11bにデポジット等の異物が堆積して噴射量が減少するといった経年劣化が進行すると、図2(c)に示す圧力降下量ΔPは小さくなっていく。また、シート面11e,12aが磨耗して噴射量が増大するといった経年劣化が進行すると、圧力降下量ΔPは大きくなっていく。なお、圧力降下量ΔPとは、噴射率上昇に伴い生じた検出圧力の降下量のことであり、例えば、基準圧力Pbaseから変曲点P2までの圧力降下量、又は、変曲点P1から変曲点P2までの圧力降下量のことである。
そこで本実施形態では、大噴射時の最大噴射率Rmax(設定値Rγ)と圧力降下量ΔPとは相関が高いことに着目し、圧力降下量ΔPの検出結果から設定値Rγを算出して学習する。つまり、大噴射時における最大噴射率Rmaxの学習値は、圧力降下量ΔPに基づく設定値Rγの学習値に相当する。
以上により、燃圧波形から噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxを算出することができる。そして、これらの噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxの学習値に基づき、噴射指令信号(図2(a)参照)に対応した噴射率波形(図2(b)参照)を算出することができる。なお、このように算出した噴射率波形の面積(図2(b)中の網点ハッチ参照)は噴射量に相当するので、噴射率パラメータに基づき噴射量を算出することもできる。
図3は、これら噴射率パラメータの学習及び噴射指令信号の設定等の概要を示すブロック図であり、ECU30により機能する各手段31,32,33について以下に説明する。噴射率パラメータ算出手段31は、燃圧センサ20により検出された燃圧波形に基づき噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxを算出する。
学習手段32は、算出した噴射率パラメータをECU30のメモリに記憶更新して学習する。なお、噴射率パラメータは、その時の供給燃圧(コモンレール42内の圧力)に応じて異なる値となるため、供給燃圧又は後述する基準圧力Pbase(図2(c)参照)と関連付けて学習させることが望ましい。図3の例では、燃圧に対応する噴射率パラメータの値を噴射率パラメータマップMに記憶させている。
設定手段33(制御手段)は、現状の燃圧に対応する噴射率パラメータ(学習値)を、噴射率パラメータマップMから取得する。そして、取得した噴射率パラメータに基づき、目標噴射状態に対応する噴射指令信号t1、t2、Tqを設定する。そして、このように設定した噴射指令信号にしたがって燃料噴射弁10を作動させた時の燃圧波形を燃圧センサ20で検出し、検出した燃圧波形に基づき噴射率パラメータ算出手段31は噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxを算出する。
要するに、噴射指令信号に対する実際の噴射状態(つまり噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmax)を検出して学習し、その学習値に基づき、目標噴射状態に対応する噴射指令信号を設定する。そのため、実際の噴射状態に基づき噴射指令信号がフィードバック制御されることとなり、先述した経年劣化が進行しても、実噴射状態が目標噴射状態に一致するよう燃料噴射状態を高精度で制御できる。
特に、実噴射量が目標噴射量となるように、噴射率パラメータに基づき噴射指令期間Tqを設定するようフィードバック制御することで、実噴射量が目標噴射量となるように補償している。
次に、検出した燃圧波形(図2(c)参照)から噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmax(図2(b)参照)を算出する手順について、図4のフローチャートを用いて説明する。なお、図4に示す処理は、ECU30が有するマイクロコンピュータにより、燃料の噴射を1回実施する毎に実行される。なお、前記燃圧波形とは、所定のサンプリング周期で取得した、燃圧センサ20による複数の検出値の集合である。
先ず、図4に示すステップS10(燃圧波形検出手段)において、噴射率パラメータの算出に用いる燃圧波形であって、以下に説明する噴射波形Wb(補正後燃圧波形)を算出する。なお、以下の説明では、燃料噴射弁10から燃料を噴射させている気筒を噴射気筒(表気筒)、この噴射気筒が燃料を噴射しているときに燃料噴射させていない気筒を非噴射気筒(裏気筒)とし、かつ、噴射気筒に対応する燃圧センサ20を噴射時燃圧センサ、非噴射気筒に対応する燃圧センサ20を非噴射時燃圧センサと呼ぶ。
噴射時燃圧センサにより検出された燃圧波形である噴射時燃圧波形Wa(図5(a)参照)は、噴射による影響のみを表しているわけではなく、以下に例示する噴射以外の影響で生じた波形成分をも含んでいる。すなわち、燃料タンク40の燃料をコモンレール42へ圧送する燃料ポンプ41がプランジャポンプの如く間欠的に燃料を圧送するものである場合には、燃料噴射中にポンプ圧送が行われると、そのポンプ圧送期間中における噴射時燃圧波形Waは全体的に圧力が高くなった波形となる。つまり、噴射時燃圧波形Wa(図5(a)参照)には、噴射による燃圧変化を表した燃圧波形である噴射波形Wb(図5(c)参照)と、ポンプ圧送による燃圧上昇を表した燃圧波形(図5(b)中の実線Wu参照)とが含まれていると言える。
また、このようなポンプ圧送が燃料噴射中に行われなかった場合であっても、燃料を噴射した直後は、その噴射分だけ噴射システム内全体の燃圧が低下する。そのため、噴射時燃圧波形Waは全体的に圧力が低くなった波形となる。つまり、噴射時燃圧波形Waには、噴射による燃圧変化を表した噴射波形Wbの成分と、噴射システム内全体の燃圧低下を表した燃圧波形(図5(b)中の点線Wu’参照)の成分とが含まれていると言える。
そこで図4のステップS10では、非噴射気筒センサにより検出される非噴射時燃圧波形Wu(Wu’)はコモンレール内の燃圧(噴射システム内全体の燃圧)の変化を表していることに着目し、噴射気筒センサにより検出された噴射時燃圧波形Waから、非噴射気筒センサによる非噴射時燃圧波形Wu(Wu’)を差し引いて噴射波形Wbを演算している。なお、図2(c)に示す燃圧波形は噴射波形Wbである。
また、多段噴射を実施する場合には、前段噴射にかかる燃圧波形の脈動Wc(図2(c)参照)が燃圧波形Waに重畳する。特に、前段噴射とのインターバルが短い場合には、燃圧波形Waは脈動Wcの影響を大きく受ける。そこで、非噴射時燃圧波形Wu(Wu’)に加えて脈動Wcを燃圧波形Waから差し引く処理を実施して、噴射波形Wbを算出することが望ましい。
続くステップS11(基準圧力算出手段)では、噴射波形Wbのうち、噴射開始に伴い燃圧が降下を開始するまでの期間に対応する部分の波形である基準波形に基づき、その基準波形の平均燃圧を基準圧力Pbaseとして算出する。例えば、噴射開始指令時期t1から所定時間が経過するまでの期間TAに対応する部分を、基準波形として設定すればよい。或いは、降下波形の微分値に基づき変曲点P1を算出し、噴射開始指令時期t1から変曲点P1より所定時間前までの期間に相当する部分を基準波形として設定すればよい。
続くステップS12(直線近似手段)では、噴射波形Wbのうち、噴射率増大に伴い燃圧が降下していく期間に対応する部分の波形である降下波形に基づき、その降下波形の近似直線Lαを算出する。例えば、噴射開始指令時期t1から所定時間が経過した時点からの所定期間TBに対応する部分を、降下波形として設定すればよい。或いは、降下波形の微分値に基づき変曲点P1,P2を算出し、これら変曲点P1,P2の間に相当する部分を降下波形として設定すればよい。そして、降下波形を構成する複数の燃圧検出値(サンプリング値)から、最小二乗法により近似直線Lαを算出すればよい。或いは、降下波形のうち微分値が最小となる時点における接線を、近似直線Lαとして算出すればよい。
続くステップS13(直線近似手段)では、噴射波形Wbのうち、噴射率減少に伴い燃圧が上昇していく期間に対応する部分の波形である上昇波形に基づき、その上昇波形の近似直線Lβを算出する。例えば、噴射終了指令時期t2から所定時間が経過した時点からの所定期間TCに対応する部分を、上昇波形として設定すればよい。或いは、上昇波形の微分値に基づき変曲点P3,P5を算出し、これら変曲点P3,P5の間に相当する部分を上昇波形として設定すればよい。そして、上昇波形を構成する複数の燃圧検出値(サンプリング値)から、最小二乗法により近似直線Lβを算出すればよい。或いは、上昇波形のうち微分値が最大となる時点における接線を、近似直線Lβとして算出すればよい。
続くステップS14では、基準圧力Pbaseに基づき基準値Bα,Bβを算出する。例えば、基準圧力Pbaseより所定量だけ低い値を基準値Bα,Bβとして算出すればよい。なお、両基準値Bα,Bβを同じ値に設定する必要はない。また、前記所定量は基準圧力Pbaseの値や燃料温度等に応じて可変設定してもよい。
続くステップS15では、近似直線Lαのうち基準値Bαとなる時期(LαとBαの交点時期LBα)を算出する。この交点時期LBαと噴射開始時期R1とは相関が高いことに着目し、交点時期LBαに基づき噴射開始時期R1を算出する。例えば、交点時期LBαよりも所定の遅れ時間Cαだけ前の時期を噴射開始時期R1として算出すればよい。
続くステップS16では、近似直線Lβのうち基準値Bβとなる時期(LβとBβの交点時期LBβ)を算出する。この交点時期LBβと噴射終了時期R4とは相関が高いことに着目し、交点時期LBβに基づき噴射終了時期R4を算出する。例えば、交点時期LBβよりも所定の遅れ時間Cβだけ前の時期を噴射終了時期R4として算出すればよい。なお、上記遅れ時間Cα,Cβは、基準圧力Pbaseの値や燃料温度等に応じて可変設定してもよい。
続くステップS17では、近似直線Lαの傾きと噴射率増加の傾きとは相関が高いことに着目し、図2(b)に示す噴射率波形のうち噴射増加を示す直線Rαの傾きを、近似直線Lαの傾きに基づき算出する。例えば、Lαの傾きに所定の係数を掛けてRαの傾きを算出すればよい。なお、ステップS15で算出した噴射開始時期R1と当該ステップS17で算出したRαの傾きに基づき、噴射指令信号に対する噴射率波形の上昇部分を表した直線Rαを特定することができる。
さらにステップS17では、近似直線Lβの傾きと噴射率減少の傾きとは相関が高いことに着目し、噴射率波形のうち噴射減少を示す直線Rβの傾きを、近似直線Lβの傾きに基づき算出する。例えば、Lβの傾きに所定の係数を掛けてRβの傾きを算出すればよい。なお、ステップS16で算出した噴射終了時期R4と当該ステップS17で算出したRβの傾きに基づき、噴射指令信号に対する噴射率波形の降下部分を表した直線Rβを特定することができる。なお、上記所定の係数は、基準圧力Pbaseの値や燃料温度等に応じて可変設定してもよい。
続くステップS18では、ステップS17で算出した噴射率波形の直線Rα,Rβに基づき、噴射終了を指令したことに伴い弁体12がリフトダウンを開始する時期(閉弁作動開始時期R23)を算出する。具体的には、両直線Rα,Rβの交点を算出し、その交点時期を閉弁作動開始時期R23として算出する。
続くステップS19では、ステップS15で算出した噴射開始時期R1の噴射開始指令時期t1に対する遅れ時間(噴射開始遅れ時間td)を算出する。また、ステップS18で算出した閉弁作動開始時期R23の噴射終了指令時期t2に対する遅れ時間(噴射終了遅れ時間te)を算出する。なお、噴射終了遅れ時間teとは、噴射終了を指令した時期t2から、制御弁14の作動を開始する時期までの遅れ時間のことである。要するにこれらの遅れ時間td,teは、噴射指令信号に対する噴射率変化の応答遅れを表すパラメータであり、他にも、噴射開始指令時期t1から最大噴射率到達時期R2までの遅れ時間、噴射終了指令時期t2から噴射率低下開始R3までの遅れ時間、噴射終了指令時期t2から噴射終了時期R4までの遅れ時間等が挙げられる。
続くステップS20では、基準圧力Pbaseと交点圧力Pαβとの圧力差ΔPγが所定値ΔPγth未満であるか否かを判定する。ΔPγ<ΔPγthと判定された場合(S20:YES)には、次のステップS21(最大噴射率算出手段)において、先述した小噴射であるとみなして、圧力差ΔPγに基づき最大噴射率Rmaxを算出する(Rmax=ΔPγ×Cγ)。一方、ΔPγ≧ΔPγthと判定された場合(S20:NO)には、次のステップS22(最大噴射率算出手段)において、予め設定しておいた値(設定値Rγ)を最大噴射率Rmaxとして算出する。
ところで、燃料噴射システムの構成部品が経年劣化してくると、噴射指令信号が同じであっても噴射率波形が変化してくる。例えば、図6(b)中の実線に示すように噴射率波形が小さくなってくることが懸念されるが、この場合には、先述したフィードバック制御により、噴射終了指令時期t2を遅らせて噴射量不足を補うように噴射量が補償されるので(図6(c)参照)、前記懸念は解消される。
しかし、図6(d)に示すようにフィードバック制御による補正量が限度を超えて大きくなると、噴射量を目標量に合わせ込むことはできても、燃焼状態は所望する状態からかけ離れてしまい、排気エミッションやドライバビリティが許容範囲を超えて悪化するといったエンジン出力の異常を来たすことが懸念される。
そこで本実施形態では、このようなエンジン出力異常になることを次のように予測する。すなわち、図6(b)(c)(d)に例示するように噴射率波形が変形してくると、図6(a)に示すように、噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxの学習値の初期値に対する変化量が閾値THを超えて大きくなってくる。そして、このような学習値の異常発生は、先述したエンジン出力異常の予兆として現れる。つまり、学習値異常を検出したT10時期の後でエンジン出力異常に陥るので、学習値異常を検出すればエンジン出力異常に陥る時期T20の前にその旨を報知して、故障部位の修理を促すことができる。
さらに本実施形態では、エンジン出力異常を予測して異常報知することに加え、その故障部位を、図7及び図8を用いて以下に説明する手法で判定する。
図7に示すフローチャートは、ECU30が有するマイクロコンピュータにより、学習手段32による学習値が更新される毎に実行、或いは所定周期で繰り返し実行される処理である。
先ず、図7のステップS30(異常判定手段)において、噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxの学習値の各々について、異常値になっているか否かを判定する。具体的には、学習値の初期値(例えば、燃料噴射弁10を工場出荷した時の初期値)に対する変化量ΔL(図6(a)参照)を算出し、当該変化量ΔLが閾値THを超えて大きくなった場合に、学習値が異常値になっていると判定する。なお、現時点の学習値から初期値を減算して変化量ΔLを算出するにあたり、経年変化していく学習値の所定期間における平均値を現時点の学習値として用いることで、学習誤差が異常判定に及ぼす影響を抑制させるようにしてもよい。
続くステップS31では、警告ランプの点灯等により車両運転者に異常発生の旨を報知する。この報知が開始される時期は、図6(a)に示すT10時点となり、エンジン出力異常が発生するT20時点より前に報知が為されることとなる。したがって、ステップS31による報知はエンジン出力異常を予告するものであると言える。
続くステップS32(故障部位判定手段)では、複数種類の噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxの学習値のうち、ステップS30で異常値であると異常判定された学習値の組み合わせ、及び異常値ではないと判定(正常判定)された学習値の組み合わせに基づき、燃料噴射システムの故障部位を判定する。
以下、図8を用いてステップS32による故障部位判定の手法を説明する。
図8(a)の左欄は、図2(b)に例示する大噴射時の噴射率波形であって、学習値異常が発生していない正常時の噴射率波形を示す。一方、図8(b)〜(e)の左欄の実線は、後述する各種異常が発生した時の噴射率波形を示す。なお、図中の直線Rαの傾きは、噴射率の上昇速度に相当するものであり噴射率パラメータRαとして学習される。図中の直線Rβの傾きは、噴射率の下降速度に相当するものであり噴射率パラメータRβとして学習される。
図8の右欄は、ステップS30による判定結果を示し、○印は正常判定された噴射率パラメータ、×印は異常判定された噴射率パラメータを表す。したがって、正常時を示す図8(a)では全ての噴射率パラメータが○印になっており、異常時を示す図8(b)〜(e)では×印になっている噴射率パラメータが存在する。
次に、図8(b)〜(e)に示す異常の内容について説明する。
図8(b)は、燃料噴射弁10の噴孔11bが詰まる異常が生じた場合を示す。この噴孔詰まりが生じると、図中の点線に示す正常波形が実線に示す異常波形になる。つまり、噴射率の上昇速度及び下降速度が遅くなるとともに最大噴射率Rmaxが小さくなり、これに伴って、3つの学習値Rα,Rβ,Rmaxが異常判定される。但し、上記噴孔詰まりが生じても、他の学習値td,teについては正常判定される。したがって、学習値Rα,Rβ,Rmaxが異常判定され、学習値td,teが正常判定される組み合わせの場合には、ステップS32において、噴孔11bが詰まる故障であるとみなして、燃料噴射弁10の噴孔11bが故障部位であると判定する。
図8(c)は、アクチュエータ13の駆動力(例えば電磁ソレノイドの吸引力)が低下して、制御弁14を迅速に作動できなくなるといった、吸引力不足の異常が生じた場合を示す。このような吸引力不足が生じると、図中の点線に示す正常波形が実線に示す異常波形になる。つまり、噴射率の上昇速度が遅くなるとともに噴射開始遅れ時間tdが長くなり、これに伴って、2つの学習値td,Rαが異常判定される。但し、上記吸引力不足が生じても、他の学習値te,Rβ,Rmaxについては正常判定される。したがって、学習値td,Rαが異常判定され、学習値te,Rβ,Rmaxが正常判定される組み合わせの場合には、ステップS32において、アクチュエータ13の駆動力低下故障であるとみなして、燃料噴射弁10のアクチュエータ13が故障部位であると判定する。
図8(d)は、燃料通路に異物が詰まって通路断面が縮小してくるといった通路断面縮小の異常が生じた場合を示す。なお、上記燃料通路とは、燃料ポンプ41の吐出口から燃料噴射弁10の噴孔11bに至るまでの高圧通路のことである。具体的には、燃料噴射弁10内部の高圧通路11a、コモンレール42と燃料噴射弁10とを接続する高圧配管42b、コモンレール42の流出口42a及び流入口、燃料ポンプ41の吐出口とコモンレール42とを接続する高圧配管等における通路縮小異常が挙げられる。但し、特定の気筒についてのみ噴射率波形に異常が見られる場合には、その故障部位は、燃料噴射弁10内部の高圧通路11a又は高圧配管42bに特定される。
このような通路断面縮小の異常が生じると、図中の点線に示す正常波形が実線に示す異常波形になる。つまり、噴射率の下降速度が速くなるとともに噴射終了遅れ時間teが短くなり、これに伴って、2つの学習値te,Rβが異常判定される。但し、上記通路断面縮小が生じても、他の学習値td,Rα,Rmaxについては正常判定される。したがって、学習値te,Rβが異常判定され、学習値td,Rα,Rmaxが正常判定される組み合わせの場合には、ステップS32において、高圧通路11a及び高圧配管42b等の燃料通路が詰まって通路断面が縮小する故障とみなして、燃料通路が故障部位であると判定する。
図8(e)は、燃料噴射弁10の閉弁機構が故障して燃料が噴放しになる異常が生じた場合を示す。なお、上記閉弁機構の故障の具体例としては、ピストン15の摺動不良、スプリング16,17の故障、弁体12の摺動不良等が挙げられる。そして、このように閉弁機構が故障すると、噴射終了を指令しても閉弁できなくなるので噴孔11bから燃料が噴放される状態になる。
このような噴放し異常が生じると、図中の点線に示す正常波形が実線に示す異常波形になる。つまり、噴射終了を指令しても噴射率は下降を開始しないので、噴射率がゼロにならなくなり、これに伴って、噴射終了遅れ時間及び下降速度が算出不能になるので、2つの学習値te,Rβが異常判定される。但し、閉弁機構の故障時点にかかる噴射率波形については、他の学習値td,Rα,Rmaxについては正常判定される。なお、次回以降の噴射にかかる噴射率波形については、全ての学習値td,te,Rα,Rβ,Rmaxが異常判定される。したがって、学習値te,Rβが異常判定され、学習値td,Rα,Rmaxが正常判定される組み合わせの場合には、ステップS32において、燃料が噴放しになっているとみなして、ピストン15、スプリング16,17、弁体12等の閉弁機構が故障部位であると判定する。
なお、ステップS32による故障部位の判定結果は、メモリに記憶させておき、当該メモリの情報を修理作業者が確認できるようにすれば、故障部位を修理作業者へ報知できる。
以上により、本実施形態によれば、複数種類の噴射率パラメータの学習値td,te,Rα,Rβ,Rmaxうち、異常値であると判定された学習値の組み合わせに基づき故障部位を判定するので、故障部位の特定を高精度で実現できる。
また、これらの学習値の異常有無に基づき、エンジン出力異常に陥る可能性の高いことを事前に報知するので、エンジン出力異常に陥ることを未然に防止できる。
また、ステップS30にて学習値が異常であると判定された場合に限り、ステップS32による故障部位の判定処理を実施するので、その故障部位判定を実施する機会を減らすことができるので、マイクロコンピュータの演算処理負荷を軽減できる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記実施形態では、噴射開始指令時期t1から噴射開始時期R1までの遅れ時間を、噴射率パラメータの噴射開始遅れ時間tdとして学習している。この変形例として、噴射開始指令時期t1から変化点P0が現れるまでの時間に基づき、噴射開始指令時期t1から開弁作動開始するまでの遅れ時間を算出し、その遅れ時間を、噴射率パラメータの噴射開始遅れ時間として学習してもよい。なお、上記開弁作動開始とは、制御弁14の作動開始を意味しており、制御弁14の作動開始に伴い燃圧波形に表れる変化点P0を検出することで、開弁作動開始の時期を算出できる。
・上記実施形態では、噴射終了指令時期t2から閉弁作動開始時期R23までの遅れ時間を、噴射率パラメータの噴射終了遅れ時間teとして学習している。この変形例として、噴射終了指令時期t2から噴射終了時期R4までの遅れ時間を、噴射率パラメータの噴射終了遅れ時間として学習してもよい。
・図7のステップS32の故障部位判定に用いる噴射率パラメータの学習値として、噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxに基づき算出した噴射量を採用してもよい。また、このように算出した噴射量の噴射指令期間Tqに対する比率を、ステップS32の故障部位判定に用いる噴射率パラメータの学習値として採用してもよい。
・図1に示す上記実施形態では、燃圧センサ20を燃料噴射弁10に搭載しているが、コモンレール42の流出口42aから噴孔11bに至るまでの燃料供給経路内に燃圧センサを配置してもよい。よって、例えばコモンレール42と燃料噴射弁10とを接続する高圧配管42bに燃圧センサを搭載してもよい。また、コモンレール42に燃圧センサ20を配置してもよいし、燃料ポンプ41の吐出口からコモンレール42にいたるまでの燃料供給経路内に燃圧センサを配置してもよい。
10…燃料噴射弁、20…燃圧センサ、42…コモンレール(蓄圧容器)、S10…燃圧波形検出手段、31…噴射率パラメータ算出手段、S30…異常判定手段、S32…故障部位判定手段、td,te,Rα,Rβ,Rmax…複数種類の噴射率パラメータ。

Claims (12)

  1. 蓄圧容器で蓄圧した燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記蓄圧容器の吐出口から前記燃料噴射弁の噴孔に至るまでの燃料通路に配置され、前記燃料通路内の燃料圧力を検出する燃圧センサと、
    を備えた燃料噴射システムに適用され、
    前記燃圧センサの検出値に基づき、噴射に伴い生じた燃料圧力の変化を表した燃圧波形を検出する燃圧波形検出手段と、
    検出した前記燃圧波形に基づき、その燃圧波形に対応する噴射率波形を特定するのに要する複数種類の噴射率パラメータを算出する噴射率パラメータ算出手段と、
    前記噴射率パラメータの各々について異常値であるか否かを判定する異常判定手段と、
    前記複数種類の噴射率パラメータのうち、前記異常判定手段により異常値であると判定された噴射率パラメータの組み合わせに基づき、前記燃料噴射システムの故障部位を判定する故障部位判定手段と、
    を備え、
    前記複数種類の噴射率パラメータには、噴射率の上昇速度、噴射率の下降速度、及び最大噴射率の3種類が少なくとも含まれており、
    前記故障部位判定手段は、
    前記上昇速度及び前記下降速度が異常に遅く、かつ、前記最大噴射率が異常に小さいと前記異常判定手段により判定された場合には、前記燃料噴射弁の噴孔が詰まる故障であるとみなして、前記噴孔が前記故障部位であると判定することを特徴とする燃料噴射システムの故障部位判定装置。
  2. 噴射開始を指令してから前記燃料噴射弁が開弁作動を開始するまで又は実際に噴射が開始されるまでを噴射開始遅れ時間とし、噴射終了を指令してから前記燃料噴射弁が閉弁作動を開始するまで又は実際に噴射が終了するまでを噴射終了遅れ時間とした場合において、
    前記故障部位判定手段は、
    前記噴射開始遅れ時間及び前記噴射終了遅れ時間の少なくとも1つが異常値ではないと前記異常判定手段により判定されていることを条件として、前記噴孔が前記故障部位であると判定することを特徴とする請求項に記載の燃料噴射システムの故障部位判定装置。
  3. 噴射開始を指令してから前記燃料噴射弁が開弁作動を開始するまで又は実際に噴射が開始されるまでを噴射開始遅れ時間とした場合において、
    前記複数種類の噴射率パラメータには、前記噴射開始遅れ時間及び噴射率の上昇速度の2種類が少なくとも含まれており、
    前記故障部位判定手段は、
    前記上昇速度が異常に遅く、かつ、前記噴射開始遅れ時間が異常に長いと前記異常判定手段により判定された場合には、前記燃料噴射弁を開弁作動させるアクチュエータの駆動力が低下している故障であるとみなして、前記アクチュエータが前記故障部位であると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料噴射システムの故障部位判定装置。
  4. 蓄圧容器で蓄圧した燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記蓄圧容器の吐出口から前記燃料噴射弁の噴孔に至るまでの燃料通路に配置され、前記燃料通路内の燃料圧力を検出する燃圧センサと、
    を備えた燃料噴射システムに適用され、
    前記燃圧センサの検出値に基づき、噴射に伴い生じた燃料圧力の変化を表した燃圧波形を検出する燃圧波形検出手段と、
    検出した前記燃圧波形に基づき、その燃圧波形に対応する噴射率波形を特定するのに要する複数種類の噴射率パラメータを算出する噴射率パラメータ算出手段と、
    前記噴射率パラメータの各々について異常値であるか否かを判定する異常判定手段と、
    前記複数種類の噴射率パラメータのうち、前記異常判定手段により異常値であると判定された噴射率パラメータの組み合わせに基づき、前記燃料噴射システムの故障部位を判定する故障部位判定手段と、
    を備え、
    噴射開始を指令してから前記燃料噴射弁が開弁作動を開始するまで又は実際に噴射が開始されるまでを噴射開始遅れ時間とした場合において、
    前記複数種類の噴射率パラメータには、前記噴射開始遅れ時間及び噴射率の上昇速度の2種類が少なくとも含まれており、
    前記故障部位判定手段は、
    前記上昇速度が異常に遅く、かつ、前記噴射開始遅れ時間が異常に長いと前記異常判定手段により判定された場合には、前記燃料噴射弁を開弁作動させるアクチュエータの駆動力が低下している故障であるとみなして、前記アクチュエータが前記故障部位であると判定することを特徴とする燃料噴射システムの故障部位判定装置。
  5. 噴射終了を指令してから前記燃料噴射弁が閉弁作動を開始するまで又は実際に噴射が終了するまでを噴射終了遅れ時間とした場合において、
    前記故障部位判定手段は、
    前記噴射終了遅れ時間、噴射率の下降速度、及び最大噴射率の少なくとも1つが異常値ではないと前記異常判定手段により判定されていることを条件として、前記アクチュエータが前記故障部位であると判定することを特徴とする請求項3又は4に記載の燃料噴射システムの故障部位判定装置。
  6. 噴射終了を指令してから前記燃料噴射弁が閉弁作動を開始するまで又は実際に噴射が終了するまでを噴射終了遅れ時間とした場合において、
    前記複数種類の噴射率パラメータには、前記噴射終了遅れ時間及び噴射率の下降速度の2種類が少なくとも含まれており、
    前記故障部位判定手段は、
    前記下降速度が異常に速く、かつ、前記噴射終了遅れ時間が異常に短いと前記異常判定手段により判定された場合には、前記燃料通路が詰まって通路断面が縮小する故障であるとみなして、前記燃料通路が前記故障部位であると判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の燃料噴射システムの故障部位判定装置。
  7. 蓄圧容器で蓄圧した燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記蓄圧容器の吐出口から前記燃料噴射弁の噴孔に至るまでの燃料通路に配置され、前記燃料通路内の燃料圧力を検出する燃圧センサと、
    を備えた燃料噴射システムに適用され、
    前記燃圧センサの検出値に基づき、噴射に伴い生じた燃料圧力の変化を表した燃圧波形を検出する燃圧波形検出手段と、
    検出した前記燃圧波形に基づき、その燃圧波形に対応する噴射率波形を特定するのに要する複数種類の噴射率パラメータを算出する噴射率パラメータ算出手段と、
    前記噴射率パラメータの各々について異常値であるか否かを判定する異常判定手段と、
    前記複数種類の噴射率パラメータのうち、前記異常判定手段により異常値であると判定された噴射率パラメータの組み合わせに基づき、前記燃料噴射システムの故障部位を判定する故障部位判定手段と、
    を備え、
    噴射終了を指令してから前記燃料噴射弁が閉弁作動を開始するまで又は実際に噴射が終了するまでを噴射終了遅れ時間とした場合において、
    前記複数種類の噴射率パラメータには、前記噴射終了遅れ時間及び噴射率の下降速度の2種類が少なくとも含まれており、
    前記故障部位判定手段は、
    前記下降速度が異常に速く、かつ、前記噴射終了遅れ時間が異常に短いと前記異常判定手段により判定された場合には、前記燃料通路が詰まって通路断面が縮小する故障であるとみなして、前記燃料通路が前記故障部位であると判定することを特徴とする燃料噴射システムの故障部位判定装置。
  8. 噴射開始を指令してから前記燃料噴射弁が開弁作動を開始するまで又は実際に噴射が開始されまでを噴射開始遅れ時間とした場合において、
    前記故障部位判定手段は、
    前記噴射開始遅れ時間、噴射率の上昇速度、及び最大噴射率の少なくとも1つが異常値ではないと前記異常判定手段により判定されていることを条件として、前記燃料通路が前記故障部位であると判定することを特徴とする請求項6又は7に記載の燃料噴射システムの故障部位判定装置。
  9. 噴射終了を指令してから前記燃料噴射弁が閉弁作動を開始するまで又は実際に噴射が終了するまでを噴射終了遅れ時間とした場合において、
    前記複数種類の噴射率パラメータには、前記噴射終了遅れ時間及び噴射率の下降速度の2種類が少なくとも含まれており、
    前記故障部位判定手段は、
    噴射率の下降が開始されないことに起因して前記噴射終了遅れ時間及び前記下降速度が算出不能であると前記異常判定手段により判定された場合には、前記燃料噴射弁の閉弁機構が故障して燃料が噴放しになっているとみなして、前記閉弁機構が前記故障部位であると判定することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の燃料噴射システムの故障部位判定装置。
  10. 蓄圧容器で蓄圧した燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記蓄圧容器の吐出口から前記燃料噴射弁の噴孔に至るまでの燃料通路に配置され、前記燃料通路内の燃料圧力を検出する燃圧センサと、
    を備えた燃料噴射システムに適用され、
    前記燃圧センサの検出値に基づき、噴射に伴い生じた燃料圧力の変化を表した燃圧波形を検出する燃圧波形検出手段と、
    検出した前記燃圧波形に基づき、その燃圧波形に対応する噴射率波形を特定するのに要する複数種類の噴射率パラメータを算出する噴射率パラメータ算出手段と、
    前記噴射率パラメータの各々について異常値であるか否かを判定する異常判定手段と、
    前記複数種類の噴射率パラメータのうち、前記異常判定手段により異常値であると判定された噴射率パラメータの組み合わせに基づき、前記燃料噴射システムの故障部位を判定する故障部位判定手段と、
    を備え、
    噴射終了を指令してから前記燃料噴射弁が閉弁作動を開始するまで又は実際に噴射が終了するまでを噴射終了遅れ時間とした場合において、
    前記複数種類の噴射率パラメータには、前記噴射終了遅れ時間及び噴射率の下降速度の2種類が少なくとも含まれており、
    前記故障部位判定手段は、
    噴射率の下降が開始されないことに起因して前記噴射終了遅れ時間及び前記下降速度が算出不能であると前記異常判定手段により判定された場合には、前記燃料噴射弁の閉弁機構が故障して燃料が噴放しになっているとみなして、前記閉弁機構が前記故障部位であると判定することを特徴とする燃料噴射システムの故障部位判定装置。
  11. 噴射開始を指令してから前記燃料噴射弁が開弁作動を開始するまで又は実際に噴射が開始されまでを噴射開始遅れ時間とした場合において、
    前記故障部位判定手段は、
    前記噴射開始遅れ時間、噴射率の上昇速度、及び最大噴射率の少なくとも1つが異常値ではないと前記異常判定手段により判定されていることを条件として、前記閉弁機構が前記故障部位であると判定することを特徴とする請求項9又は10に記載の燃料噴射システムの故障部位判定装置。
  12. 前記複数種類の噴射率パラメータの少なくとも1つが前記異常判定手段により異常値であると判定されたことを条件として、前記故障部位判定手段による前記判定を実施することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の燃料噴射システムの故障部位判定装置。
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