JP2010007504A - 燃料噴射装置 - Google Patents
燃料噴射装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010007504A JP2010007504A JP2008165383A JP2008165383A JP2010007504A JP 2010007504 A JP2010007504 A JP 2010007504A JP 2008165383 A JP2008165383 A JP 2008165383A JP 2008165383 A JP2008165383 A JP 2008165383A JP 2010007504 A JP2010007504 A JP 2010007504A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel
- pressure
- orifice
- fuel injection
- fuel supply
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【解決手段】燃料噴射装置1Aは、高圧燃料ポンプ3Bによって送り出された燃料を蓄圧状態に貯留するコモンレール4、コモンレール4から分岐した高圧燃料供給管21を通じて供給される燃料をディーゼルエンジンの気筒ごとに対応して噴射する直動式の燃料噴射弁であるインジェクタ5A、及びインジェクタ5Aから燃料を噴射するための噴射指令信号を出力するECU80Aを備える。そして、コモンレール4寄りの高圧燃料供給管21内にオリフィス75を設け、オリフィス75の上流側及び下流側の差圧を検出する差圧センサSdPを設ける。ECU80Aは、差圧センサSdPからの信号にもとづいてオリフィス75を通過する実燃料供給量、つまり実燃料噴射量を算出する。
【選択図】図1
Description
一方、排気ガス規制に対応すべく、気筒の燃焼室への実際の燃料噴射量の制御精度の向上という要請が高まってきた。
また、前記特許文献2に記載の技術によりオリフィスを燃料供給管に設けて、燃料蓄圧部の圧力の脈動を抑制しても、前記した燃料噴射弁の製造公差に伴う実燃料噴射量のばらつきによる影響は解決されない。
そして、オリフィス差圧からオリフィス通過流量を算出することにより燃料噴射弁への実燃料供給量を正確に算出することができる。燃料噴射弁の製造公差があったとしてもその製造公差の影響を反映した実燃料供給量が演算できるので、例えば、算出された実燃料供給量にもとづいて制御部における燃料噴射弁への噴射指令信号の噴射時間幅を調整することにより、各気筒の燃料噴射弁への実燃料供給量を同一にすることができる。
ちなみに、燃料噴射弁がいわゆる直動式の場合、燃料噴射弁への実燃料供給量が気筒の燃焼室へ供給される実燃料噴射量そのものとなる。
そして、蓄圧部圧力センサからの信号と燃料供給管圧力センサからの信号からオリフィス差圧は容易に算出され、オリフィス差圧からオリフィス通過流量を算出することにより燃料噴射弁への実燃料供給量を正確に算出することができる。燃料噴射弁の製造公差があったとしてもその製造公差の影響を反映した実燃料供給量が演算できるので、例えば、算出された実燃料供給量にもとづいて制御部における燃料噴射弁への噴射時間を調整することにより、各気筒の燃料噴射弁への燃料供給量を同一にすることができる。
ちなみに、燃料噴射弁がいわゆる直動式の場合、燃料噴射弁への実燃料供給量が気筒の燃焼室へ供給される実燃料噴射量そのものとなる。
そして、このオリフィス差圧からオリフィス通過流量を算出することにより燃料噴射弁への実燃料供給量を正確に算出することができる。燃料噴射弁の製造公差があったとしてもその製造公差の影響を反映した実燃料供給量が演算できるので、例えば、算出された実燃料供給量にもとづいて制御部における燃料噴射弁への噴射時間を調整することにより、各気筒の燃料噴射弁への実燃料供給量を同一にすることができる。
ちなみに、燃料噴射弁がいわゆる直動式の場合、燃料噴射弁への実燃料供給量が気筒の燃焼室へ供給される実燃料噴射量そのものとなる。
また、自気筒における燃料噴射によりオリフィス上流側の圧力低下を、前もって想定した基準圧力低下線により考慮することができるので、実際にオリフィス差圧を検出する場合と同様の精度でオリフィス通過流量を算出することができる。
その結果、他気筒の燃料噴射による圧力変動による自気筒の燃料噴射弁への実燃料供給量の精度への影響を抑制できる。
以下に、本発明の第1の実施形態に係る燃料噴射装置について図1、図2を参照しながら詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置の全体構成を示した図であり、図2は、本実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置に用いられる直動式の燃料噴射弁(インジェクタ)の概念構成図である。
本実施形態の燃料噴射装置1Aは、エンジン制御装置(制御部)80A(以下ECU80Aと称する)により電子制御されるモータ63によって駆動される低圧ポンプ3A(フィードポンプとも呼ばれる)及びエンジンクランク軸から取り出された駆動力で機械的に駆動される高圧ポンプ3B(サプライポンプとも呼ばれる)と、この高圧ポンプ3Bから高圧燃料が供給されるコモンレール(燃料蓄圧部)4と、内燃機関、例えば、4気筒のディーゼルエンジン(以下エンジンと呼ぶ)の燃焼室内に高圧燃料を噴射供給するインジェクタ(燃料噴射弁)5Aと、ECU80Aにより電子制御されるインジェクタ5Aに内蔵のアクチュエータ6Aを含んで構成される。
ここで、低圧ポンプ3A及び高圧ポンプ3Bは請求項に記載の燃料ポンプに対応する。
なお、モータ63を駆動するモータ駆動回路を、ECU80Aが含んでも良いし、ECU80Aの外部に別個設けても良い。
以下では、ECU80Aに含まれるマイクロコンピュータで制御される内容を、単にECU80Aの制御として表現する。また、後記する第2から第6の実施形態におけるECU80B〜80Fのハード的な構成もECU80Aと同じである。
低圧燃料供給配管61のストレーナ64と流量調整弁69との中間から分岐した戻り配管65が、調圧弁67を経由して低圧ポンプ3Aの過剰な燃料供給を燃料タンク2に戻すようになっている。
高圧ポンプ3Bには、吐出される燃料温度を検出する温度センサSTが設けられ、その信号をECU80Aに出力している。
ここで、最大実燃料供給量は、多段噴射の場合はその積分量である。
エンジンの各気筒のインジェクタ5Aまでの高圧燃料供給管21の配管長さにはばらつきが出るのは当然であり、高圧燃料供給管21の前記オリフィス75を設ける位置は、前記した燃料通路容積を確保した上で、各気筒が同じ燃料通路容積となるように適宜調節する。
ノズルホルダ19は、ピストン16を摺動自在に支持する長孔23を中心部の長手方向に形成したシリンダを構成する。そして、長孔23の上には、アクチュエータボディ55に設けられた長孔23よりも拡径された作動室56が設けられている。
リテーニングナット31の図示上端部には、電磁コイル34への給電のための図示しないコネクタが組み付けられている。
電磁コイル34への通電が終わると、鉄心33は起磁力を消失し、コイルスプリング37の付勢力によりピストンフランジ部16aを下方に押し下げ、ピストン16と連結したノズルニードル14がシート面17aに着座し、燃料噴射孔10からの燃料噴射が止まる。
図3は、1つの気筒に対して燃料の噴射指令が出たときの、高圧燃料供給管における燃料挙動の時間推移を示す図であり、(a)は噴射指令信号のパターンを示す図であり、(b)はインジェクタからの実燃料噴射量の時間推移を示す図であり、(c)は燃料のオリフィス通過流量の時間推移を示す図であり、(d)はオリフィスの上下流側の圧力変化の時間推移を示す図である。
図3の(a)では、燃料の噴射指令信号は一つの広幅のパルスで概念的に表してあり、噴射指令信号の立ち上がり開始タイミングがt0であり、噴射指令信号の立下り開始タイミングがt3であり、噴射指令信号の立下り完了タイミングがt3’である。
燃料のオリフィス75を通過する量(オリフィス通過流量)は、図3の(c)に示すように、燃料通路25(図2参照)や高圧燃料供給管21(図1参照)の容積分だけ燃料噴射開始のタイミングt1より遅れてt2から立ち上がる。そして、同様に燃料通路25や高圧燃料供給管21の容積分だけ燃料噴射完了のタイミングt4より遅れてt5にオリフィス通過流量が0に戻る。
また、オリフィス通過流量QORの計算を簡単化するために、数十μsecオーダーの極めて高速なオリフィス差圧ΔPORのサンプリングを行って、オリフィス差圧ΔPORの平均値とオリフィス差圧ΔPORが生じている時間幅を求め、求められた平均のオリフィス差圧ΔPORを(1)式に代入して、その結果にオリフィス差圧ΔPORが生じている時間幅を乗じてオリフィス通過流量QORを算出しても良い。
そして、オリフィス差圧ΔPORからオリフィス通過流量QORを算出することによりインジェクタ5Aへの実燃料供給量が正確に算出することができる。インジェクタ5Aの製造公差があったとしてもその製造公差の影響を反映した燃料のオリフィス通過流量QOR、つまり、実燃料供給量が演算できるので、例えば、算出された実燃料供給量にもとづいてECU80Aにおけるインジェクタ5Aへの噴射指令信号の噴射時間幅を調整することにより、各気筒への実燃料供給量を同一にすることができる。ちなみに、インジェクタ5Aは、いわゆる直動式の燃料噴射弁であるので、実燃料供給量が実燃料噴射量そのものとなる。
その結果、各気筒への実燃料噴射量を正確に算出して、各気筒の発生トルクをより正確に制御できる。
そして、このような多段噴射における実燃料噴射量がエンジンの運転状態における目標値通りになされないと、エンジンの排気ガスの規制値をクリアすることができなかったりする。特に、実燃料噴射量に経年変化がある場合でも、オリフィス差圧ΔPORから実燃料噴射量を正確に算出することができるので、ECU80Aにおいて、噴射指令信号の噴射時間幅を調整することにより、実燃料供給量を目標値に一致するように制御することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る燃料噴射装置について図4を参照しながら詳細に説明する。
図4は、第2の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置の全体構成を示した図である。
本実施形態の燃料噴射装置1Bが第1の実施形態の燃料噴射装置1Aと異なる点は、(1)エンジンの各気筒に配されたインジェクタ5Aに燃料を供給する高圧燃料供給管21に設けられたオリフィス75の上下流差圧を検出する差圧センサSdPの代わりに、オリフィス75の下流側の圧力を検出する圧力センサ(燃料供給管圧力センサ)SPsを設けた点と、(2)ECU80Aの代わりにECU(制御部)80Bとなった点と、(3)ECU80Bにおいて燃料のオリフィス通過流量QORを算出するオリフィス差圧ΔPORの定義を変えた点である。
第1の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
そして、本実施形態におけるECU80Bの機能は、基本的に第1の実施形態におけるECU80Aと同じであるが、燃料のオリフィス通過流量QORをECU80Bで算出するときに用いる信号が第1の実施形態の場合と異なる。
第1の実施形態では、前記した(1)式によりオリフィス通過流量QORを算出したが、本実施形態では、(1)式におけるオリフィス差圧ΔPORを、圧力センサSPcが検出するコモンレール圧力Pcと、圧力センサSPsが検出するオリフィス75の下流側圧力Psとの差圧(Pc−Ps)に置き換える。
そして、第1の実施形態と同様にエンジンシステムの個々の部品への寸法公差等のハード仕様に対する要求を緩和しても排ガス規制をクリアし易くなる。特に、インジェクタに対するハード仕様を緩和することができる。ひいては、エンジンシステムの製造コスト低減にも寄与する。
次に、本発明の第3の実施形態に係る燃料噴射装置について図5を参照しながら詳細に説明する。
図5は、第3の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置の全体構成を示した図である。
本実施形態の燃料噴射装置1Cが第2の実施形態の燃料噴射装置1Bと異なる点は、(1)コモンレール圧力Pcを検出する圧力センサSPcを削除した点と、(2)ECU80Bの代わりにECU(制御部)80Cとなった点と、(3)コモンレール圧力Pcを制御するのに圧力センサSPcの代わりに圧力センサSPsを用いる点と、(4)ECU80Cにおいて燃料のオリフィス通過流量QORを算出する方法を変えた点である。
第2の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
そして、ECU80Cにおいて圧力センサSPsから入力された圧力信号には高周波のノイズをカットするフィルタ処理を行う。
ここでオリフィス75の下流側の圧力Psをフィルタ処理したものを圧力Psfilと称することにする。
このように圧力センサSPsから入力された圧力信号をフィルタ処理することにより、ECU80Cにおいて図示しないクランク角センサや、気筒判別センサからの信号及びECU80C内で発生させる気筒別の燃料噴射指令にもとづいて、ある気筒において燃料噴射が完了して、「爆発行程」、「排気行程」、「吸気行程」に入り、比較的圧力振動の少ない状態における圧力センサSPsからの圧力Psfilの信号は、コモンレール圧力Pcと略同じ値となる。
なお、このコモンレール圧力Pcの制御に用いる圧力センサSPsは、本実施形態のような4気筒エンジンの場合に代表的に4つの内の1つのみとしても良いし、4つ全てを用いて、サンプリングするタイミングが異なる4つの信号の平均値をもってコモンレール圧力Pcとしても良い。
図6は、第3の実施形態におけるECU80Cでの1つの気筒における燃料のオリフィス通過流量QORを算出する制御の流れを示すフローチャートである。図7は、1つの気筒に対して燃料の噴射指令が出たときの、高圧燃料供給管における燃料挙動の時間推移を示す図であり、(a)は噴射指令信号のパターンを示す図であり、(b)はオリフィスの下流側の圧力Psfilの時間推移を示す図である。
ここでのステップS03〜S07の処理は、例えば、数十μsecの周期で行われ、後記するΔtはフィルタ処理された圧力Psfilをサンプリングする周期であり、数十μsecである。
図7の(a)において、噴射指示立ち上がりのタイミングをt0で示す。
なお、噴射指令信号の噴射指示立ち上がりの検出は、例えば、噴射指令信号を時間微分することにより容易に検出できる。
ステップS02では、Qsum=0.0と初期値リセットする。ここで、Qsumは一つの燃料の噴射指令信号に対して時間積分して算出されたオリフィス通過流量QORに対応する。
ステップS03では、圧力センサSPsで検出されたフィルタ処理された後のオリフィス75の下流側圧力Psfilが所定値P0より下に低下したか否かをチェックする〔(Psfil<P0)?〕。所定値P0より下に低下した場合(Yes)はステップS04へ進み、そうでない場合(No)はステップS03を繰り返す。
図7の(b)において、下流側圧力Psfilが所定値P0より下に低下したタイミングがt2である。
ここで、オリフィス通過流量QORは、(1)式において、ΔPORの代わりに圧力低下量ΔPdownを代入することにより容易に算出できる。
ステップS05では、Qsum=Qsum+QOR・ΔtとしてQORを積算する。
ステップS06では、燃料の噴射指令信号の噴射指示立ち下がりを検出したか否かをチェックする。検出した場合(Yes)は、ステップS07へ進み、検出しない場合(No)はステップS04に戻り、ステップS04における圧力低下量ΔPdownを算出して、オリフィス通過流量QORを算出して、ステップS05におけるQORの積算を繰り返す。
図7の(a)において、噴射指示立ち下がりのタイミングをt3で示し、噴射指示立ち下がり完了のタイミングをt3’で示す。
なお、噴射指令信号の噴射指示立ち下がりの検出は、例えば、噴射指令信号を時間微分することにより容易に検出できる。
図7の(b)において、オリフィス75の下流側圧力Psfilが所定値P0以上に増加したタイミングをt5で示す。
ステップS08では、Qsumを実燃料供給量(実燃料噴射量)とする。図7の(b)において、ドットで示した所定値P0と圧力Psfilの曲線で囲まれた領域の面積が前記した実燃料供給量(実燃料噴射量)に対応する。
また、オリフィス75の下流側の圧力を検出する圧力センサSPsからの圧力信号のみで、オリフィス差圧ΔPORを圧力低下量ΔPdown(P0−Psfil)に置き換えた(1)式にもとづいて容易に精度の高い燃料のオリフィス通過流量QORを、つまり、実燃料噴射量を、気筒ごとに、噴射指令信号ごとに算出できる。その結果、ECU80Cにおいて第2の実施形態と同様に噴射指令信号の噴射時間幅を調整して、噴射指令における目標の燃料噴射量と一致するように制御できる。
そして、第2の実施形態と同様にエンジンシステムの個々の部品への寸法公差等のハード仕様に対する要求を緩和しても排ガス規制をクリアし易くなる。特に、インジェクタに対するハード仕様を緩和することができる。ひいては、エンジンシステムの製造コスト低減にも寄与する。
次に、図5、図8、図9を参照しながら第3の実施形態における変形例の燃料噴射装置について説明する。本変形例の構成は第3の実施形態と同じであり、第3の実施形態と異なるのは、基本的に前記した請求項に記載の第2のタイミングの検出の方法である。
第3の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図9の(a)には、基準圧力低下線として直線タイプの基準圧力低下線x1と、2次曲線タイプの基準圧力低下線x2を例示してある。Piは燃料噴射開始前の初期圧力を示し、この値は後記するようにフローティングである。
図9の(a)に示すように燃料の噴射時間幅が長くなるほど初期圧力Piからの低下量が増加する。
ここでのステップS13〜S18処理は、例えば、数十μsecの周期で行われ、後記するΔtはフィルタ処理された圧力Psfilをサンプリングする周期であり、数十μsecである。
図9の(b)において、噴射指示立ち上がりのタイミングをt0で示す。
ステップS12では、Qsum=0.0と初期値リセットする。ここで、Qsumは一つの燃料の噴射指令信号に対して時間積分して算出されたオリフィス通過流量QORに対応する。
ステップS13では、圧力センサSPsで検出されたフィルタ処理された後のオリフィス75の下流側圧力Psfilが所定値より下に低下したか否かをチェックする〔(Psfil<P0―ΔPε)?〕。所定値(P0―ΔPε)より下に低下した場合(Yes)はステップS14へ進み、そうでない場合(No)はステップS13を繰り返す。
図9の(c)において、下流側圧力Psfilが所定値(P0―ΔPε)より下に低下したタイミングがt2である。
なお、初期値Piは、所定値(P0―ΔPε)と一致する場合もあれば、圧力Psfilをサンプリングする繰返し周期の次の繰り返しのタイミングとなり、所定値(P0―ΔPε)と異なる値となる場合もある。
ここで、オリフィス通過流量QORは、(1)式において、ΔPORの代わりに圧力低下量ΔPdownを代入することにより容易に算出できる。
ステップS16では、Qsum=Qsum+QOR・ΔtとしてQORを積算する。
ステップS17では、燃料の噴射指令信号の噴射指示立ち下がりを検出したか否かをチェックする。検出した場合(Yes)は、ステップS18へ進み、検出しない場合(No)はステップS15に戻り、ステップS15における圧力低下量ΔPdownを算出して、オリフィス通過流量QORを算出して、ステップS16におけるQORの積算を繰り返す。
図9の(b)において、噴射指示立ち下がりのタイミングをt3で示し、噴射指示立ち下がり完了のタイミングをt3’で示す。
図9の(c)において、オリフィス75の下流側圧力Psfilが基準圧力低下線以上に増加したタイミングをt5で示す。
ステップS19では、Qsumを実燃料供給量(実燃料噴射量)とする。図9の(c)において、ドットで示した基準圧力低下線x1と圧力Psfilの曲線で囲まれた領域の面積が前記した実燃料供給量(実燃料噴射量)に対応する。
以下に、本発明の第4の実施形態に係る燃料噴射装置について図10、図11を参照しながら詳細に説明する。
図10は、第4の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置の全体構成を示した図であり、図11は、本実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置に用いられる背圧式の燃料噴射弁(インジェクタ)の概念構成図である。
本実施形態における燃料噴射装置1Dは、第1の実施形態と以下の点で異なる。
(1)背圧式の燃料噴射弁であるアクチュエータ6Bを有するインジェクタ5Bが用いられている。(2)それに伴い、各気筒に設けられたインジェクタ5Bには、ドレーン通路9が接続され、それらは戻り燃料配管73に更に接続して、逆止弁74とオリフィス76を並列に接続した流量調整器を介して低圧ポンプ3Aの吐出側の低圧燃料供給配管61に接続している。(3)本実施形態の燃料噴射装置1Dは、ECU(制御部)80Dにより電子制御される。
第1の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
インジェクタ5Bは、先端部に1個または2個以上の燃料噴射孔10を形成したインジェクタ本体13と、このインジェクタ本体13内に摺動自在に支持されたノズルニードル14と、このノズルニードル14の上端側にプレッシャピン15を介して連結されてノズルニードル14と一体的に往復変位するピストン16とから構成されている。
ノズルホルダ19は、ピストン16を摺動自在に支持する長孔23を中心部の長手方向に形成したシリンダを構成する。そして、長孔23の上端部には、第1絞り形成部材11の下端面との間に、ノズルホルダ19の上端面で開口する背圧室7が形成されている。そして、高圧燃料供給管21及びノズルホルダ19内に形成される高圧燃料供給管21と連通した燃料通路から分岐した燃料通路25は、第1絞り形成部材11に形成された連通路26を介して背圧室7に連通している。
アクチュエータ6Bは、図11に示すように、バルブボディ32よりも上側に配設された鉄心33と、この鉄心33の収納部に巻装された電磁コイル34と、バルブボディ32内を摺動自在に変位するバルブ35と、このバルブ35の最大リフト量を規制するストッパ36と、バルブ35を閉弁方向に付勢するコイルスプリング37とから構成されている。バルブボディ32、鉄心33、電磁コイル34、バルブ35、ストッパ36は、インジェクタ5Bのノズルホルダ19の上端部にバルブボディ32の下端部を液密的に当接した状態で図示省略のリテーニングナットによりノズルホルダ19の上端面に締め付け固定される。
図12は、1つの気筒に対して燃料の噴射指令が出たときの、高圧燃料供給管における燃料挙動の時間推移を示す図であり、(a)は噴射指令信号のパターンを示す図であり、(b)はインジェクタからの実燃料噴射量及びバックフローの時間推移を示す図であり、(c)は燃料のオリフィス通過流量の時間推移を示す図であり、(d)はオリフィスの上下流側の圧力変化の時間推移を示す図である。
図12の(a)では、燃料の噴射指令信号は一つの広幅のパルスで概念的に表してあり、噴射指令信号の立ち上がり開始タイミングがt0であり、噴射指令信号の立下り開始タイミングがt3であり、噴射指令信号の立下り完了タイミングがt3’である。
このバックフローの発生により背圧室7が油溜り20の圧力よりも低圧となり、ピストン16が上方に引き上げられ、図12の(b)に曲線aで示すように燃料の実噴射がタイミングt1Bに開始される。
オリフィス差圧ΔPORから燃料のオリフィス通過流量QORは前記した第1の実施形態と同様に(1)式により容易に算出できる。
燃料の噴射指令信号の波形パターンに応じた実噴射量換算係数γは、例えば、次式に示す相関式のように信号波形面積APを前記した信号パラメータとし、所定間隔以上時間的に離れた独立の噴射指令信号の場合は、噴射時間幅を反映した独立噴射指令信号の1つの信号波形面積で、又、所定間隔内の時間的に近接した複数の噴射指令信号の場合は、その複数の噴射指令信号の合計信号波形面積に応じて次式のように設定する。
そして、ECU80Dにおいて図12の(a)に示すような噴射指令信号を発生させたとき、その波形パターンに応じて、独立信号波形か、近接した複数の信号波形かを判定し、更に信号波形面積APを演算して、(2)式により実噴射量換算係数γを設定する。
なお、インジェクタ5Bの開閉の応答速度の速い場合は、前記した独立信号波形か、近接した複数の信号波形かの区別は不要である。
そして、オリフィス差圧ΔPORからオリフィス通過流量QORを算出することによりインジェクタ5Bへの実燃料供給量を正確に算出することができる。更に、実燃料供給量に実噴射量換算係数γを乗じることにより実燃料噴射量が算出できる。
インジェクタ5Bの製造公差により、同一噴射信号の波形に対して、バックフローと実燃料噴射量の合計値である実燃料供給量(オリフィス通過流量QOR)のばらつきがインジェクタ5B間で存在しても、その製造公差の影響を反映した実燃料供給量の演算でき、それに応じた実燃料噴射量が算出できるので、例えば、算出された実燃料噴射量にもとづいてECU80Dにおけるインジェクタ5Bへの噴射指令信号の噴射時間幅を調整することにより、各気筒への実燃料噴射量を同一にすることができる。
その結果、各気筒への実燃料噴射量を正確に算出して、各気筒の発生トルクをより正確に制御できる。
そして、このような多段噴射における実燃料噴射量がエンジンの運転状態における目標値通りになされないと、エンジンの排気ガスの規制値をクリアすることができなかったりする。特に、実燃料噴射量に経年変化がある場合でも、オリフィス差圧ΔPORから実燃料噴射量を正確に算出することができるので、ECU80Dにおいて、噴射指令信号の噴射時間幅を調整することにより、実燃料供給量を目標値に一致するように制御することができる。
次に、本発明の第5の実施形態に係る燃料噴射装置について図13を参照しながら詳細に説明する。
図13は、第5の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置の全体構成を示した図である。
本実施形態の燃料噴射装置1Eが第4の実施形態の燃料噴射装置1Dと異なる点は、(1)エンジンの各気筒に配されたインジェクタ5Bに燃料を供給する高圧燃料供給管21に設けられたオリフィス75の上下流差圧を検出する差圧センサSdPの代わりに、オリフィス75の下流側の圧力を検出する圧力センサSPsを設けた点と、(2)ECU80Dの代わりにECU(制御部)80Eとなった点と、(3)ECU80Eにおいて燃料のオリフィス通過流量QORを算出するオリフィス差圧ΔPORの定義を変えた点である。
言い換えると、本実施形態は、第2の実施形態において直動式の燃料噴射弁であるインジェクタ5Aを背圧式の燃料噴射弁であるインジェクタ5Bに変え、インジェクタ5Bに適合するように第2の実施形態を変形したものである。
第4の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
そして、本実施形態におけるECU80Eの機能は、基本的に第4の実施形態におけるECU80Dと同じであるが、燃料のオリフィス通過流量QORをECU80Eで算出するときに用いる信号が第4の実施形態の場合と異なる。
第4の実施形態では、前記した(1)式によりオリフィス通過流量QORを算出したが、本実施形態では、(1)式におけるオリフィス差圧ΔPORを、圧力センサSPcが検出するコモンレール圧力Pcと、圧力センサSPsが検出するオリフィス75の下流側圧力Psとの差圧(Pc−Ps)に置き換える。
そして、第4の実施形態と同様にエンジンシステムの個々の部品への寸法公差等のハード仕様に対する要求を緩和しても排ガス規制をクリアし易くなる。特に、インジェクタに対するハード仕様を緩和することができる。ひいては、エンジンシステムの製造コスト低減にも寄与する。
次に、本発明の第6の実施形態に係る燃料噴射装置について図14を参照しながら詳細に説明する。
図14は、第6の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置の全体構成を示した図である。
本実施形態の燃料噴射装置1Fが第5の実施形態の燃料噴射装置1Eと異なる点は、(1)コモンレール圧力Pcを検出する圧力センサSPcを削除した点と、(2)ECU80Eの代わりにECU(制御部)80Fとなった点と、(3)コモンレール圧力Pcを制御するのに圧力センサSPcの代わりに圧力センサSPsを用いる点と、(4)ECU80Fにおいて燃料のオリフィス通過流量QORを算出する方法を変えた点である。
言い換えると、本実施形態は、第3の実施形態において直動式の燃料噴射弁であるインジェクタ5Aを背圧式の燃料噴射弁であるインジェクタ5Bに変え、インジェクタ5Bに適合するように第3の実施形態を変形したものである。
第5の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
そして、ECU80Fにおいて圧力センサSPsから入力された圧力信号には高周波のノイズをカットするフィルタ処理を行う。
このように圧力センサSPsから入力された圧力信号をフィルタ処理することにより、ECU80Fにおいて図示しないクランク角センサや、気筒判別センサからの信号及びECU80F内で発生させる気筒別の燃料噴射指令にもとづいて、ある気筒において燃料噴射が完了して、「爆発行程」、「排気行程」、「吸気行程」に入り、比較的圧力振動の少ない状態における圧力センサSPsからの圧力Psfilの信号は、コモンレール圧力Pcと略同じ値となる。
なお、このコモンレール圧力Pcの制御に用いる圧力センサSPsは、本実施形態のような4気筒エンジンの場合に代表的に4つの内の1つのみとしても良いし、4つ全てを用いて、サンプリングするタイミングが異なる4つの信号の平均値をもってコモンレール圧力Pcとしても良い。
図15は、第6の実施形態におけるECU80Fでの1つの気筒における燃料のオリフィス通過流量QOR及び実燃料噴射量を算出する制御の流れを示すフローチャートである。図16は、1つの気筒に対して燃料の噴射指令が出たときの、高圧燃料供給管における燃料挙動の時間推移を示す図であり、(a)は噴射指令信号のパターンを示す図であり、(b)はオリフィスの下流側の圧力Psfilの時間推移を示す図である。
図15に示すフローチャートにおけるステップS03〜S07の処理は、前記した第3の実施形態における図6に示したフローチャートと同じであり、ステップS08がステップS08Aに変わり、ステップS09が追加している点が、第3の実施形態と異なる。したがって、同じステップ符号を付して、重複する説明を省略する。ただし、図6のフローチャートの説明文中の「図7」は「図16」に読み替え、「インジェクタ5A」は「インジェクタ5B」に読み替える。
また、オリフィス75の下流側の圧力を検出する圧力センサSPsからの圧力信号のみで、オリフィス差圧ΔPORを圧力低下量ΔPdown(P0−Psfil)に置き換えた(1)式にもとづいて容易に精度の高い燃料のオリフィス通過流量QORを算出でき、噴射指令信号に応じた実噴射量換算係数γをさらに乗じて実燃料噴射量を、気筒ごとに、噴射指令信号ごとに算出できる。その結果、ECU80Fにおいて第5の実施形態と同様に噴射指令信号の噴射時間幅を調整して、噴射指令における目標の燃料噴射量と一致するように制御できる。
そして、第5の実施形態と同様にエンジンシステムの個々の部品への寸法公差等のハード仕様に対する要求を緩和しても排ガス規制をクリアし易くなる。特に、インジェクタに対するハード仕様を緩和することができる。ひいては、エンジンシステムの製造コスト低減にも寄与する。
次に、図17、図18を参照しながら、適宜図9の(a)及び図12を参照して、第6の実施形態における変形例の燃料噴射装置について説明する。本変形例の構成は第6の実施形態と同じであり、第6の実施形態と異なるのは、基本的に前記した請求項に記載の第2のタイミングの検出の方法である。
言い換えると、本実施形態は、第3の実施形態の変形例において直動式の燃料噴射弁であるインジェクタ5Aを背圧式の燃料噴射弁であるインジェクタ5Bに変え、インジェクタ5Bに適合するように第3の実施形態の変形例を変形したものである。
第6の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図17に示すフローチャートにおけるステップS11〜S18の処理は、前記した第3の実施形態の変形例における図8に示したフローチャートと同じであり、ステップS19がステップS19Aに変わり、ステップS20が追加している点が、第3の実施形態の変形例と異なる。したがって、同じステップ符号を付して、重複する説明を省略する。ただし、図6のフローチャートの説明文中の「図9の(b)」は「図18(a)」に読み替え、「図9の(c)」は「図17(b)」に読み替え、「インジェクタ5A」は「インジェクタ5B」に読み替える。
図19において時間軸の左端は、他気筒である#2気筒の噴射信号のタイミングを示し、0で示した時間軸の中央は、自気筒である#1気筒の噴射信号のタイミングを示している。
ここで、エンジン回転速度は1500rpmで、コモンレール圧力Pcが70MPa、実燃料噴射量が20mm3の場合の条件である。
高圧燃料供給管21にオリフィス75を設けるケースと設けないケースにおいて、燃料噴射量が同じであるので、最初の圧力の低下量はE部でもF部でも同じである。しかし、オリフィス75がある場合、インジェクタで消費された燃料をコモンレール4から供給する際に、オリフィス75で流路面積が絞られ抵抗が大きいので、燃料供給が絞られその後の圧力ゲイン(圧力増加)は小さくなる。
一方、オリフィス75が設けられていない場合、インジェクタで消費された燃料をコモンレール4から供給する際の抵抗が小さいので燃料供給量が大きく、F部に示すようにその後の圧力ゲイン(圧力増加)は大きなものとなる。そしてその圧力振動の反射波も大きくなることと、圧力伝播の実効的な容積にコモンレール4の容積も含むことになり、圧力振動が長く続く。
ちなみに、インジェクタが噴射した際のコモンレール4から高圧燃料供給管21への燃料供給量(時間率)の差異は、図19の(a)のA部と図19の(d)のBを比較すると明らかであり、オリフィス75を設けないケースのB部に示すようにコモンレール圧力Pcの低下量がA部に示されるそれよりも大きい。
これは、一般論として所定の容積Vの空間において、ΔQだけ流体体積が変化したときに生じる圧力変化dP/dtは、次式で表わされる。
したがって、オリフィス75を設けるケースでは、インジェクタによりΔQだけ消費されると、図19の(c)のG部に示すように(3)式に従いコモンレレール直近の高圧燃料供給管21の圧力低下は大きくなり、その後の圧力振動の跳ね返り(増加)も大きいものとなる。しかし、圧力振動の実質的な容積にコモンレール4を含まないので、圧力振動の持続時間が短くなる。
一方、オリフィス75を設けないケースでは、インジェクタによりΔQだけ消費されると、図19の(f)のH部に示すように(3)式に従いコモンレレール直近の高圧燃料供給管21の圧力低下はG部に比較して小さくなり、その後の圧力振動の跳ね返り(増加)も小さいものとなる。しかし、圧力振動の実質的な容積にコモンレール4を含むので、圧力振動の持続時間が長くなる。
(1) オリフィス75を設けるとインジェクタ直近における高圧燃料供給管21の圧力変動は、オリフィス75を設けない場合よりも小さくできる。
(2) オリフィス75を設けるとコモンレール4直近(オリフィス75下流側)における高圧燃料供給管21の圧力変動は、オリフィス75を設けない場合のコモンレール4直近における高圧燃料供給管21よりも大きくできる。
(3) 燃料噴射後の高圧燃料供給管21の圧力変動を短時間に整定できる。
したがって、オリフィス75を設けることにより燃料噴射時のコモンレール4直近の圧力変動を大きくして流量検出の精度を上げることができる。逆にインジェクタ直近における燃料噴射時の圧力変動を小さくして、かつ、短時間で圧力変動を整定できるので、インジェクタから連続して複数回の噴射をする際の各噴射量を精度良く制御し易くなる。
2 燃料タンク
3A 低圧ポンプ(燃料ポンプ)
3B 高圧ポンプ(燃料ポンプ)
4 コモンレール(燃料蓄圧部)
5A,5B インジェクタ(燃料噴射弁)
6A,6B アクチュエータ
7 背圧室
9 ドレーン通路
10 燃料噴射孔
14 ノズルニードル
16 ピストン
17 ノズルボディ
17a シート面
20 油溜り
21 高圧燃料供給管(燃料供給管)
32 バルブボディ
33 鉄心
34 電磁コイル
35 バルブ
36 ストッパ
37 コイルスプリング
55 アクチュエータボディ
56 作動室
70 吐出配管
71 戻り配管
72 圧力調整弁
73 戻り燃料配管
75 オリフィス
80A,80B,80C,80D,80E,80F ECU(制御部)
ST 温度センサ
SdP 差圧センサ
SPc 圧力センサ(蓄圧部圧力センサ)
SPs 圧力センサ(燃料供給管圧力センサ)
x1 基準圧力低下線
x2 基準圧力低下線
Claims (10)
- 燃料ポンプによって送り出された燃料を蓄圧状態に貯留する燃料蓄圧部、該燃料蓄圧部から内燃機関の各気筒に向けて分岐した燃料供給管を通じて供給される燃料を前記内燃機関の各気筒の燃焼室へ供給する燃料噴射弁、及び該燃料噴射弁から燃料を噴射するための噴射指令信号を出力する制御部を備えた燃料噴射装置において、
前記燃料供給管に配置されたオリフィスと、
前記燃料供給管内の前記オリフィスの上流側及び下流側の差圧を検出する差圧センサと、を備え、
前記制御部は、前記差圧センサからの信号にもとづいて前記オリフィスを通過する実燃料供給量を算出することを特徴とする燃料噴射装置。 - 燃料ポンプによって送り出された燃料を蓄圧状態に貯留する燃料蓄圧部、該燃料蓄圧部から内燃機関の各気筒に向けて分岐した燃料供給管を通じて供給される燃料を前記内燃機関の各気筒の燃焼室へ供給する燃料噴射弁、及び該燃料噴射弁から燃料を噴射するための噴射指令信号を出力する制御部を備えた燃料噴射装置において、
前記燃料蓄圧部の圧力を検出する蓄圧部圧力センサと、
前記燃料供給管に配置されたオリフィスと、
前記燃料供給管内の前記オリフィスの下流側の圧力を検出する燃料供給管圧力センサと、を備え、
前記制御部は、前記蓄圧部圧力センサからの信号及び前記燃料供給管圧力センサからの信号にもとづいて、前記オリフィスの上流側及び下流側の差圧を算出し、前記オリフィスを通過する実燃料供給量を算出することを特徴とする燃料噴射装置。 - 燃料ポンプによって送り出された燃料を蓄圧状態に貯留する燃料蓄圧部、該燃料蓄圧部から内燃機関の各気筒に向けて分岐した燃料供給管を通じて供給される燃料を前記内燃機関の各気筒の燃焼室へ供給する燃料噴射弁、及び該燃料噴射弁から燃料を噴射するための噴射指令信号を出力する制御部を備えた燃料噴射装置において、
前記燃料供給管に配置されたオリフィスと、
前記燃料供給管内の前記オリフィスの下流側の圧力を検出する燃料供給管圧力センサと、を備え、
前記制御部は、前記燃料供給管圧力センサからの信号にもとづいて前記燃料噴射弁からの燃料の噴射に伴う圧力低下量を検出し、その圧力低下量にもとづいて前記オリフィスを通過する実燃料供給量を算出することを特徴とする燃料噴射装置。 - 前記制御部は、前記燃料弁への噴射指令信号の立ち上がり開始以後における前記オリフィス下流側の圧力低下を検出した第1のタイミングと、その後に前記オリフィス下流側の圧力が所定値以上となった第2のタイミングとの間の圧力低下期間中の前記圧力低下量にもとづいて前記実燃料供給量を算出することを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射装置。
- 前記制御部は、時間経過に従って単調に値の減少する基準圧力低下線のデータを予め記憶し、
前記燃料噴射弁への前記噴射指令信号の立ち上がり開始以後における前記オリフィス下流側の閾値以上の圧力低下を検出した第1のタイミングを取得し、
その第1のタイミング時点の前記オリフィス下流側の圧力値を取得し、
前記第1のタイミング時点の前記圧力値を初期値として前記基準圧力低下線を設定し、
前記第1のタイミングより以後の前記オリフィス下流側の圧力値が前記設定された基準圧力低下線以上となる前記第2のタイミングを取得し、
前記第1及び第2のタイミングとの間の圧力低下期間中の、前記圧力低下量にもとづいて前記実燃料供給量を算出することを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射装置。 - 前記制御部は、前記燃料供給管圧力センサの信号をフィルタ処理し、高周波成分を除去した信号にもとづいて前記圧力低下を検出することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の燃料噴射装置。
- 前記燃料供給管に設けた前記オリフィスから前記各気筒の燃料噴射弁の燃料噴射孔までの燃料通路容積が、前記燃料噴射弁の一回の最大実燃料供給量よりも大きくなるように設定されたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
- 前記燃料噴射弁は、燃料噴射時に前記燃料供給管を通じて供給された燃料の全量を前記気筒の燃焼室へ供給する構造であり、
前記制御部は、前記オリフィスを通過する前記実燃料供給量を実際に前記気筒に噴射される実燃料噴射量として算出し、
当該実燃料噴射量にもとづいて燃料噴射制御をすることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。 - 前記燃料噴射弁は、燃料噴射時に前記燃料供給管を通じて供給された燃料の一部を戻り燃料配管に戻して、燃料供給系の低圧部へ排出する構造であり、
前記制御部は、前記オリフィスを通過する前記実燃料供給量の内、前記戻り燃料配管に戻らないで実際に前記各気筒の燃焼室に供給される実燃料噴射量を、前記実燃料供給量及び所定の係数値にもとづいて算出し、
当該実燃料噴射量にもとづいて燃料噴射制御をすることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。 - 前記制御部は、少なくとも前記噴射指令信号のパターンに対応させて前記係数値を予め記憶し、
少なくとも前記噴射指令信号のパターンを参照して前記所定の係数値を設定することを特徴とする請求項9に記載の燃料噴射装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008165383A JP2010007504A (ja) | 2008-06-25 | 2008-06-25 | 燃料噴射装置 |
US12/489,918 US20090326788A1 (en) | 2008-06-25 | 2009-06-23 | Fuel injection device |
EP09163827A EP2138694B1 (en) | 2008-06-25 | 2009-06-25 | Fuel injection device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008165383A JP2010007504A (ja) | 2008-06-25 | 2008-06-25 | 燃料噴射装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010007504A true JP2010007504A (ja) | 2010-01-14 |
Family
ID=41588291
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008165383A Pending JP2010007504A (ja) | 2008-06-25 | 2008-06-25 | 燃料噴射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010007504A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010101235A (ja) * | 2008-10-23 | 2010-05-06 | Honda Motor Co Ltd | 燃料噴射装置 |
CN104373273A (zh) * | 2014-10-11 | 2015-02-25 | 唐山学院 | 质量式智能型喷油泵试验台量油装置 |
JP2016070256A (ja) * | 2014-10-01 | 2016-05-09 | 株式会社小野測器 | 噴射量計測装置及び方法 |
CN105612334A (zh) * | 2013-08-14 | 2016-05-25 | Mtu腓特烈港有限责任公司 | 用于确定内燃机的至少一个喷射参数的方法以及内燃机 |
JP2017203417A (ja) * | 2016-05-11 | 2017-11-16 | 三菱自動車工業株式会社 | エンジンの燃料噴射装置 |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58155272A (ja) * | 1982-03-11 | 1983-09-14 | Mitsubishi Electric Corp | 燃料噴射装置 |
JPS59159782U (ja) * | 1983-04-09 | 1984-10-26 | 株式会社明電舎 | 燃料噴射ポンプの噴射量計測装置 |
JPH0674123A (ja) * | 1992-08-26 | 1994-03-15 | Nippondenso Co Ltd | コモンレール圧検出装置 |
JPH07259688A (ja) * | 1994-03-24 | 1995-10-09 | Hino Motors Ltd | 直接噴射式ディーゼルエンジン用燃料噴射装置 |
JP2000205081A (ja) * | 1999-01-06 | 2000-07-25 | Usui Internatl Ind Co Ltd | ディ―ゼル内燃機関の蓄圧式燃料噴射システム |
JP2001207931A (ja) * | 2000-01-26 | 2001-08-03 | Usui Internatl Ind Co Ltd | フユーエルデリバリパイプ |
JP2002089401A (ja) * | 2000-09-18 | 2002-03-27 | Hitachi Ltd | 燃料供給装置 |
JP2002221122A (ja) * | 2001-01-22 | 2002-08-09 | Usui Internatl Ind Co Ltd | フユーエルデリバリパイプ |
JP2007332816A (ja) * | 2006-06-13 | 2007-12-27 | Denso Corp | 燃料噴射制御装置 |
-
2008
- 2008-06-25 JP JP2008165383A patent/JP2010007504A/ja active Pending
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58155272A (ja) * | 1982-03-11 | 1983-09-14 | Mitsubishi Electric Corp | 燃料噴射装置 |
JPS59159782U (ja) * | 1983-04-09 | 1984-10-26 | 株式会社明電舎 | 燃料噴射ポンプの噴射量計測装置 |
JPH0674123A (ja) * | 1992-08-26 | 1994-03-15 | Nippondenso Co Ltd | コモンレール圧検出装置 |
JPH07259688A (ja) * | 1994-03-24 | 1995-10-09 | Hino Motors Ltd | 直接噴射式ディーゼルエンジン用燃料噴射装置 |
JP2000205081A (ja) * | 1999-01-06 | 2000-07-25 | Usui Internatl Ind Co Ltd | ディ―ゼル内燃機関の蓄圧式燃料噴射システム |
JP2001207931A (ja) * | 2000-01-26 | 2001-08-03 | Usui Internatl Ind Co Ltd | フユーエルデリバリパイプ |
JP2002089401A (ja) * | 2000-09-18 | 2002-03-27 | Hitachi Ltd | 燃料供給装置 |
JP2002221122A (ja) * | 2001-01-22 | 2002-08-09 | Usui Internatl Ind Co Ltd | フユーエルデリバリパイプ |
JP2007332816A (ja) * | 2006-06-13 | 2007-12-27 | Denso Corp | 燃料噴射制御装置 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010101235A (ja) * | 2008-10-23 | 2010-05-06 | Honda Motor Co Ltd | 燃料噴射装置 |
CN105612334A (zh) * | 2013-08-14 | 2016-05-25 | Mtu腓特烈港有限责任公司 | 用于确定内燃机的至少一个喷射参数的方法以及内燃机 |
JP2016531234A (ja) * | 2013-08-14 | 2016-10-06 | エム・テー・ウー・フリードリッヒスハーフェン・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 内燃機関の少なくとも1つの噴射パラメータを決定するための方法及び内燃機関 |
JP2016070256A (ja) * | 2014-10-01 | 2016-05-09 | 株式会社小野測器 | 噴射量計測装置及び方法 |
CN104373273A (zh) * | 2014-10-11 | 2015-02-25 | 唐山学院 | 质量式智能型喷油泵试验台量油装置 |
JP2017203417A (ja) * | 2016-05-11 | 2017-11-16 | 三菱自動車工業株式会社 | エンジンの燃料噴射装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4835715B2 (ja) | 燃料噴射状態検出装置 | |
JP4737314B2 (ja) | 燃料噴射状態検出装置 | |
JP4737315B2 (ja) | 燃料噴射状態検出装置 | |
JP4835716B2 (ja) | 燃料噴射状態検出装置 | |
JP4424395B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御装置 | |
US9588016B2 (en) | Fuel injection device and adjustment method thereof | |
JP4582191B2 (ja) | 燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システム | |
JP4407731B2 (ja) | 燃料噴射制御装置 | |
JP4996580B2 (ja) | 燃料噴射装置 | |
JP5141723B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御装置 | |
JP2009057924A (ja) | 燃料噴射特性検出装置及び燃料噴射指令補正装置 | |
JP3885888B2 (ja) | コモンレールシステム | |
JP2009052414A (ja) | 燃料噴射制御装置 | |
JP2010101245A (ja) | 燃料噴射装置 | |
JP4211610B2 (ja) | 内燃機関用燃料噴射制御装置 | |
JP2010007504A (ja) | 燃料噴射装置 | |
JP5370348B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御装置 | |
JP4148134B2 (ja) | 燃料噴射装置 | |
WO2021245984A1 (ja) | 電磁弁制御装置 | |
JP5022336B2 (ja) | 燃料噴射装置 | |
JP5075095B2 (ja) | 燃料噴射装置 | |
JP4269913B2 (ja) | 蓄圧式燃料噴射装置 | |
JP5294510B2 (ja) | 燃料噴射装置の制御装置及び制御方法 | |
JP2014139426A (ja) | 燃料噴射装置 | |
JP2010084613A (ja) | 燃料噴射装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20101125 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20111222 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120110 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120309 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120605 |