JP2010007504A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】噴射される実燃料噴射量を正確に算出できる燃料噴射装置を提供することを目的とする。
【解決手段】燃料噴射装置1Aは、高圧燃料ポンプ3Bによって送り出された燃料を蓄圧状態に貯留するコモンレール4、コモンレール4から分岐した高圧燃料供給管21を通じて供給される燃料をディーゼルエンジンの気筒ごとに対応して噴射する直動式の燃料噴射弁であるインジェクタ5A、及びインジェクタ5Aから燃料を噴射するための噴射指令信号を出力するECU80Aを備える。そして、コモンレール4寄りの高圧燃料供給管21内にオリフィス75を設け、オリフィス75の上流側及び下流側の差圧を検出する差圧センサSdPを設ける。ECU80Aは、差圧センサSdPからの信号にもとづいてオリフィス75を通過する実燃料供給量、つまり実燃料噴射量を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料蓄圧部に蓄圧状態で貯留された燃料を燃料噴射弁から内燃機関の各気筒へ供給する燃料噴射装置に関する。
従来は各気筒への燃料噴射は、車両の運転状態、例えば、エンジン回転速度と、運転者のアクセルペダルの操作に応じたアクセル開度により、エンジン制御装置(本発明の制御部に対応)において、燃料噴射量を算出し、それに対応した噴射指令信号を各気筒の燃料噴射弁に出力することによって行っている。しかし、例えば、燃料噴射弁の製造公差により、燃料噴射弁内のノズルニードルのリフト量や、燃料噴射孔の面積にばらつきがあり、実燃料噴射量にばらつきを生じる。また、各気筒の吸気量のばらつきや気筒の寸法にもばらつきがある。このような各種要因により、各気筒の燃料噴射弁に同じ波形の燃料噴射信号を出力しても各気筒間の発生トルクの差を生じる原因となっていた。
この気筒間の発生トルクの差は、エンジン回転角速度又はクランク角速度の変動によって検出することができ、従来は前記した各種要因の総合結果としての発生トルクの差をそのままにして、単に、発生トルクの差を抑制するようにインジェクタへの噴射指令信号を補正していた。
一方、排気ガス規制に対応すべく、気筒の燃焼室への実際の燃料噴射量の制御精度の向上という要請が高まってきた。
これに対し、特許文献1には、燃料ポンプによって送り出された燃料を蓄圧状態に貯留する燃料蓄圧部、燃料蓄圧部から分岐した燃料供給管を通じて供給される燃料を内燃機関の各気筒内に噴射する燃料噴射弁、及び燃料噴射弁から燃料を噴射するための噴射指令信号を出力する制御部を備えた燃料噴射装置において、燃料供給管に配置されたベンチュリ形狭隘部に、差圧を検出する差圧センサと、を備え、制御部は、差圧センサからの信号にもとづいてベンチュリ形狭隘部を通過する実燃料供給量を算出する燃料噴射装置の技術が記載されている。
また、特許文献2には、燃料ポンプによって送り出された燃料を蓄圧状態に貯留する燃料蓄圧部、燃料蓄圧部から分岐した燃料供給管を通じて供給される燃料を内燃機関の各気筒内に噴射する燃料噴射弁、及び燃料噴射弁から燃料を噴射するための噴射指令信号を出力する制御部を備えた燃料噴射装置において、燃料供給管の燃料蓄圧部側端部近傍にオリフィスを設け、燃料蓄圧部の容積、各気筒に燃料を配分する燃料供給管の容積に応じてオリフィスの開口部径を変え、燃料蓄圧部の圧力の脈動を抑制する技術が記載されている。
特開2003−184632号公報(図4、図12、及び段落0051〜0058参照) 特許第354221号公報(図3参照)
しかしながら、前記第1の特許文献に記載の技術では、ベンチュリ形狭隘部の最小絞り成形に限界があり、滑らかに急激に絞ることが管の絞り加工技術上難しく、又、最小径を十分に小さくできない等、ベンチュリ形狭隘部を高精度に形成することは難しい。また、ベンチュリ形狭隘部の差圧の発生も小さく、燃料噴射弁の燃料噴射時の燃料供給量をベンチュリ形狭隘部の差圧から正確に算出することは困難である。
また、前記特許文献2に記載の技術によりオリフィスを燃料供給管に設けて、燃料蓄圧部の圧力の脈動を抑制しても、前記した燃料噴射弁の製造公差に伴う実燃料噴射量のばらつきによる影響は解決されない。
本発明は、前記した従来の課題を解決するものであり、噴射される実燃料噴射量を正確に算出できる燃料噴射装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、燃料ポンプによって送り出された燃料を蓄圧状態に貯留する燃料蓄圧部、その燃料蓄圧部から内燃機関の各気筒に向けて分岐した燃料供給管を通じて供給される燃料を内燃機関の各気筒の燃焼室へ供給する燃料噴射弁、及び燃料噴射弁から燃料を噴射するための噴射指令信号を出力する制御部を備えた燃料噴射装置において、燃料供給管に配置されたオリフィスと、燃料供給管内のオリフィスの上流側及び下流側の差圧を検出する差圧センサと、を備え、制御部は、差圧センサからの信号にもとづいてオリフィスを通過する実燃料供給量を算出することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、オリフィスの開口部の径を正確に製作することは容易であり、又、オリフィスの上流側と下流側との間の差圧は、ベンチュリ形狭隘部の上流側と下流側との間の差圧よりも大きなものとなり、流量検出に十分利用できる。
そして、オリフィス差圧からオリフィス通過流量を算出することにより燃料噴射弁への実燃料供給量を正確に算出することができる。燃料噴射弁の製造公差があったとしてもその製造公差の影響を反映した実燃料供給量が演算できるので、例えば、算出された実燃料供給量にもとづいて制御部における燃料噴射弁への噴射指令信号の噴射時間幅を調整することにより、各気筒の燃料噴射弁への実燃料供給量を同一にすることができる。
ちなみに、燃料噴射弁がいわゆる直動式の場合、燃料噴射弁への実燃料供給量が気筒の燃焼室へ供給される実燃料噴射量そのものとなる。
請求項2に記載の発明は、燃料ポンプによって送り出された燃料を蓄圧状態に貯留する燃料蓄圧部、その燃料蓄圧部から内燃機関の各気筒に向けて分岐した燃料供給管を通じて供給される燃料を内燃機関の各気筒の燃焼室へ供給する燃料噴射弁、及び燃料噴射弁から燃料を噴射するための噴射指令信号を出力する制御部を備えた燃料噴射装置において、燃料蓄圧部の圧力を検出する蓄圧部圧力センサと、燃料供給管に配置されたオリフィスと、燃料供給管内のオリフィスの下流側の圧力を検出する燃料供給管圧力センサと、を備え、制御部は、蓄圧部圧力センサからの信号及び燃料供給管圧力センサからの信号にもとづいて、オリフィスの上流側及び下流側の差圧を算出し、オリフィスを通過する実燃料供給量を算出することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、オリフィスの開口部の径を正確に製作することは容易であり、又、オリフィスの上流側の圧力として蓄圧部圧力センサからの信号を用い、オリフィス下流側の圧力として燃料供給管圧力センサからの信号を用い、その差圧をとると、ベンチュリ形狭隘部の上流側と下流側との間の差圧よりも大きなものとなり、流量検出に十分利用できる。
そして、蓄圧部圧力センサからの信号と燃料供給管圧力センサからの信号からオリフィス差圧は容易に算出され、オリフィス差圧からオリフィス通過流量を算出することにより燃料噴射弁への実燃料供給量を正確に算出することができる。燃料噴射弁の製造公差があったとしてもその製造公差の影響を反映した実燃料供給量が演算できるので、例えば、算出された実燃料供給量にもとづいて制御部における燃料噴射弁への噴射時間を調整することにより、各気筒の燃料噴射弁への燃料供給量を同一にすることができる。
ちなみに、燃料噴射弁がいわゆる直動式の場合、燃料噴射弁への実燃料供給量が気筒の燃焼室へ供給される実燃料噴射量そのものとなる。
請求項3に記載の発明は、燃料ポンプによって送り出された燃料を蓄圧状態に貯留する燃料蓄圧部、その燃料蓄圧部から内燃機関の各気筒に向けて分岐した燃料供給管を通じて供給される燃料を内燃機関の各気筒の燃焼室へ供給する燃料噴射弁、及び燃料噴射弁から燃料を噴射するための噴射指令信号を出力する制御部を備えた燃料噴射装置において、燃料供給管に配置されたオリフィスと、燃料供給管内のオリフィスの下流側の圧力を検出する燃料供給管圧力センサと、を備え、制御部は、圧力センサからの信号にもとづいて燃料噴射弁からの燃料の噴射に伴う圧力低下量を検出し、その圧力低下量にもとづいてオリフィスを通過する実燃料供給量を算出することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、オリフィスの開口部径を正確に製作することは容易であり、又、オリフィス下流側の圧力として燃料供給管圧力センサからの信号を用い、オリフィスにおける差圧は、制御部から燃料噴射弁に噴射指令信号を出力していないタイミング、つまり、オリフィスを燃料が流れていない状態における燃料供給管圧力センサから出力される信号にもとづく圧力をオリフィス上流側の圧力として仮定し、制御部から燃料噴射弁に噴射指令信号が出力された後のその圧力からの圧力低下量をもってオリフィス差圧とすることによって流量検出に十分利用できる。
そして、このオリフィス差圧からオリフィス通過流量を算出することにより燃料噴射弁への実燃料供給量を正確に算出することができる。燃料噴射弁の製造公差があったとしてもその製造公差の影響を反映した実燃料供給量が演算できるので、例えば、算出された実燃料供給量にもとづいて制御部における燃料噴射弁への噴射時間を調整することにより、各気筒の燃料噴射弁への実燃料供給量を同一にすることができる。
ちなみに、燃料噴射弁がいわゆる直動式の場合、燃料噴射弁への実燃料供給量が気筒の燃焼室へ供給される実燃料噴射量そのものとなる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明の構成において制御部は、燃料弁への噴射指令信号の立ち上がり開始以後におけるオリフィス下流側の圧力低下を検出した第1のタイミングと、その後にオリフィス下流側の圧力が所定値以上となった第2のタイミングとの間の圧力低下期間中の圧力低下量にもとづいて実燃料供給量を算出することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、燃料供給管圧力センサだけにより各気筒の燃料噴射弁への実際の燃料供給による圧力低下の開始と圧力低下の終了を正確に検出することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明の構成において制御部は、時間経過に従って単調に値の減少する基準圧力低下線のデータを予め記憶し、燃料噴射弁への噴射指令信号の立ち上がり開始以後におけるオリフィス下流側の閾値以上の圧力低下を検出した第1のタイミングを取得し、その第1のタイミング時点のオリフィス下流側の圧力値を取得し、第1のタイミング時点の圧力値を初期値として基準圧力低下線を設定し、第1のタイミングより以後のオリフィス下流側の圧力値が設定された基準圧力低下線以上となる第2のタイミングを取得し、第1及び第2のタイミングとの間の圧力低下期間中の圧力低下量にもとづいて実燃料供給量を算出することを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、燃料供給管圧力センサにより各気筒の燃料噴射弁への実際の燃料供給による圧力低下の開始と圧力低下の終了を正確に検出することができる。
また、自気筒における燃料噴射によりオリフィス上流側の圧力低下を、前もって想定した基準圧力低下線により考慮することができるので、実際にオリフィス差圧を検出する場合と同様の精度でオリフィス通過流量を算出することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の発明の構成において、制御部は、燃料供給管圧力センサの信号をフィルタ処理し、高周波成分を除去した信号にもとづいて圧力低下を検出することを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、燃料蓄圧部の燃料ポンプによる燃料蓄圧部の圧力脈動や、自他の気筒での燃料噴射による燃料蓄圧部の圧力脈動が生じていても、例えば、噴射指令が出力される前の、つまり、第1のタイミングより前の期間における燃料供給管圧力センサからの信号の平均値をオリフィス上流側の圧力初期値として用い、以後の検出される圧力低下からオリフィス上下差圧を精度良く算出できる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の発明の構成において、燃料供給管に設けたオリフィスから各気筒の燃料噴射弁の燃料噴射孔までの燃料通路容積が、燃料噴射弁の一回の最大実燃料供給量よりも大きくなるように設定されたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、オリフィスから各気筒の燃料噴射弁の燃料噴射孔までの燃料通路容積が、燃料噴射弁の一回の最大実燃料供給量よりも大きく設定されているので、オリフィスによる圧力伝播の抑制と相俟って、自気筒における燃料噴射による燃料蓄圧部の圧力の脈動となる影響を抑制し、また、他気筒における燃料噴射による燃料蓄圧部の圧力の脈動が、自気筒の燃料噴射弁の直近まで圧力伝播するのを抑制できる。
その結果、他気筒の燃料噴射による圧力変動による自気筒の燃料噴射弁への実燃料供給量の精度への影響を抑制できる。
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の発明の構成において、燃料噴射弁は、燃料噴射時に燃料供給管を通じて供給された燃料の全量を気筒の燃焼室へ供給する構造であり、制御部は、オリフィスを通過する実燃料供給量を実際に気筒に噴射される実燃料噴射量として算出し、当該実燃料噴射量にもとづいて燃料噴射制御をすることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、燃料噴射弁がいわゆる直動式の場合には、算出された燃料噴射弁への実燃料供給量が実際に気筒に噴射される実燃料噴射量と同じであり、この実燃料噴射量にもとづいて精確な燃料噴射制御をすることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の発明の構成において、燃料噴射弁は、燃料噴射時に燃料供給管を通じて供給された燃料の一部を戻り燃料配管に戻して、燃料供給系の低圧部へ排出する構造であり、制御部は、オリフィスを通過する実燃料供給量の内、戻り燃料配管に戻らないで実際に各気筒の燃焼室に供給される実燃料噴射量を、実燃料供給量及び所定の係数値にもとづいて算出し、当該実燃料噴射量にもとづいて燃料噴射制御をすることを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、燃料噴射弁がいわゆる背圧式の場合でも、算出された燃料噴射弁への実燃料供給量に所定の係数値を乗じることによって実燃料噴射量を算出することができる。そして、この実燃料噴射量にもとづいて精確な燃料噴射制御をすることができる。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明の構成において、制御部は、少なくとも前記噴射指令信号のパターンに対応させて前記係数値を予め記憶し、少なくとも噴射指令信号のパターンを参照して所定の係数値を設定することを特徴とする。
請求項10に記載の発明よれば、制御部は、燃料噴射信号のパターンに対応させて所定の係数値を設定するので、実燃料供給量から実燃料噴射量へのより正確な算出ができる。
本発明によれば、噴射される実燃料噴射量を正確に算出して、各気筒の発生トルクをより正確に制御できる燃料噴射装置を提供することができる。
《第1の実施形態》
以下に、本発明の第1の実施形態に係る燃料噴射装置について図1、図2を参照しながら詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置の全体構成を示した図であり、図2は、本実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置に用いられる直動式の燃料噴射弁(インジェクタ)の概念構成図である。
本実施形態の燃料噴射装置1Aは、エンジン制御装置(制御部)80A(以下ECU80Aと称する)により電子制御されるモータ63によって駆動される低圧ポンプ3A(フィードポンプとも呼ばれる)及びエンジンクランク軸から取り出された駆動力で機械的に駆動される高圧ポンプ3B(サプライポンプとも呼ばれる)と、この高圧ポンプ3Bから高圧燃料が供給されるコモンレール(燃料蓄圧部)4と、内燃機関、例えば、4気筒のディーゼルエンジン(以下エンジンと呼ぶ)の燃焼室内に高圧燃料を噴射供給するインジェクタ(燃料噴射弁)5Aと、ECU80Aにより電子制御されるインジェクタ5Aに内蔵のアクチュエータ6Aを含んで構成される。
ここで、低圧ポンプ3A及び高圧ポンプ3Bは請求項に記載の燃料ポンプに対応する。
ここで、ECU80Aは、図示省略するがマイクロコンピュータ、インターフェース回路、アクチュエータ6Aを駆動するアクチュエータ駆動回路等を含む。前記マイクロコンピュータは、図示省略のエンジン回転速度センサ、気筒判別センサ、クランク角センサ、水温センサ、吸気温度センサ、吸気圧センサ、アクセル(スロットル)開度センサ、温度センサST、圧力センサ(蓄圧部圧力センサ)SPc、差圧センサSdP等の各センサからの信号を用いて、最適な燃料噴射量及び噴射時期を演算してアクチュエータ6Aを電子制御する。
なお、モータ63を駆動するモータ駆動回路を、ECU80Aが含んでも良いし、ECU80Aの外部に別個設けても良い。
以下では、ECU80Aに含まれるマイクロコンピュータで制御される内容を、単にECU80Aの制御として表現する。また、後記する第2から第6の実施形態におけるECU80B〜80Fのハード的な構成もECU80Aと同じである。
低圧ポンプ3A及びモータ63は、燃料タンク2内にフィルタ62とともに組み込まれ、低圧燃料供給配管61により燃料タンク2から高圧ポンプ3Bの吸い込み側に燃料を供給する。低圧ポンプ3Aの吐出側と高圧ポンプ3Bの吸い込み側との間の低圧燃料供給配管61にはストレーナ64、逆止弁68を内蔵した流量調整弁69が直列に配置され、ストレーナ64には、図示省略の差圧センサが設けられ、その信号がECU80Aに入力されて、ECU80Aが低圧ポンプ3Aやフィルタ62やストレーナ64の異常(低圧燃料供給量低)を検出できるようになっている。
低圧燃料供給配管61のストレーナ64と流量調整弁69との中間から分岐した戻り配管65が、調圧弁67を経由して低圧ポンプ3Aの過剰な燃料供給を燃料タンク2に戻すようになっている。
高圧ポンプ3Bには、吐出される燃料温度を検出する温度センサSTが設けられ、その信号をECU80Aに出力している。
高圧ポンプ3Bから吐出配管70に吐出された高圧燃料は比較的に高い圧力の高圧燃料を蓄圧するサージタンクの一種で、コモンレール4に蓄圧される。コモンレール4にはコモンレールの圧力Pc(以下、コモンレール圧力Pcと称する)を検出する圧力センサSPcが設けられ、その検出圧信号はECU80Aに出力され、ECU80Aが、コモンレール4と燃料タンク2とを接続する戻り配管71の途中に配置された圧力調整弁72によりコモンレール4の圧力を、車両の運転状態、例えば、エンジン回転速度に応じて、例えば、30MPa〜200MPaの所定の目標圧力に制御する。
また、コモンレール4はインジェクタ5Aと高圧燃料供給管(燃料供給管)21により連通するように構成されている。4本の高圧燃料供給管21のコモンレール4寄りには、オリフィス75がそれぞれ設けられ、そのオリフィス75の上流側(コモンレール4側)と下流側(コモンレール4から遠ざかる側)とから取り出される圧力検出管がそれぞれ差圧センサSdPに接続され、4本の高圧燃料供給管21のオリフィス差圧をそれぞれ個別に検出することによってオリフィス75を通過する燃料流量を検出できるようになっている。
なお、このオリフィス75の位置から下流側の高圧燃料供給管21及びインジェクタ5Aの燃料噴射孔10までの燃料通路(後記するインジェクタ5A内の燃料通路25及び油溜り20(図2参照))を含む燃料通路容積は、1つの気筒における吸気、圧縮、爆発、排気のサイクルのうちの爆発行程のために高圧燃料供給管21を通じて供給する燃料の最大実燃料供給量、例えば、アクセルを一杯踏み込まれて最大トルクが必要とされる時のような場合の最大実燃料供給量を超える燃料通路容積とする。
ここで、最大実燃料供給量は、多段噴射の場合はその積分量である。
エンジンの各気筒のインジェクタ5Aまでの高圧燃料供給管21の配管長さにはばらつきが出るのは当然であり、高圧燃料供給管21の前記オリフィス75を設ける位置は、前記した燃料通路容積を確保した上で、各気筒が同じ燃料通路容積となるように適宜調節する。
次に、本実施形態のインジェクタ5Aの構造を図1及び図2を参照しながら説明する。このインジェクタ5Aは、エンジンの各気筒に取り付けられている。そして、インジェクタ5Aは、先端部に1個または2個以上の燃料噴射孔10を形成したインジェクタ本体13と、このインジェクタ本体13内に摺動自在に支持されたノズルニードル14と、このノズルニードル14の上端側に連結されてノズルニードル14と一体的に往復変位するピストン16とから構成されている。
インジェクタ本体13は、ノズルボディ17、ノズルホルダ19及びアクチュエータボディ55等より構成されている。ノズルボディ17の内部には、ノズルニードル14の周囲に常に高圧燃料を充満させるための油溜り20が形成されている。この油溜り20は、燃料通路25及び高圧燃料供給管21を介してコモンレール4に常に連通している。ノズルボディ17はノズルホルダ19にリテーニングナット22により締め付け固定されている。
ノズルホルダ19は、ピストン16を摺動自在に支持する長孔23を中心部の長手方向に形成したシリンダを構成する。そして、長孔23の上には、アクチュエータボディ55に設けられた長孔23よりも拡径された作動室56が設けられている。
ノズルニードル14は、アクチュエータ6Aの中心軸と同一軸心上に配設されて、ノズルボディ17の内周に摺動自在に支持されている。ノズル開弁時には、ノズルニードル14がリフトしてノズルニードル14の先端部とノズルボディ17との間に燃料通路が形成されて油溜り20と燃料噴射孔10とが連通してエンジンへの燃料噴射がなされる。また、ノズル閉弁時には、ノズルニードル14の先端部がノズルボディ17のシート面17aに着座して高圧燃料の噴射を終了する。
次に、図2を参照しながらアクチュエータ6Aを説明する。アクチュエータ6Aは、インジェクタ5Aのノズルホルダ19の上端部に液密的に当接した状態でリテーニングナット31によりノズルホルダ19の上端面に締め付け固定されるアクチュエータボディ55と、このアクチュエータボディ55内部に配設された鉄心33と、この鉄心33の収納部に巻装された電磁コイル34と、アクチュエータボディ55内に長孔23よりも拡径された作動室56と、前記したピストン16の上端に設けられたピストンフランジ部16aと、このピストンフランジ部16aの最大リフト量を規制するストッパ36と、ピストン16を閉弁方向に付勢するコイルスプリング37とから構成されている。
リテーニングナット31の図示上端部には、電磁コイル34への給電のための図示しないコネクタが組み付けられている。
鉄心33は、電磁コイル34への通電時に、磁化されて電磁石となり、ピストンフランジ部16aを上方に吸引し、ピストン16と連結したノズルニードル14を引き上げ、燃料噴射孔10から燃料が噴射される。
電磁コイル34への通電が終わると、鉄心33は起磁力を消失し、コイルスプリング37の付勢力によりピストンフランジ部16aを下方に押し下げ、ピストン16と連結したノズルニードル14がシート面17aに着座し、燃料噴射孔10からの燃料噴射が止まる。
ここで、図3を参照しながら適宜図1、図2を参照してECU80Aにおける燃料の各気筒への実燃料噴射量の演算方法について説明する。
図3は、1つの気筒に対して燃料の噴射指令が出たときの、高圧燃料供給管における燃料挙動の時間推移を示す図であり、(a)は噴射指令信号のパターンを示す図であり、(b)はインジェクタからの実燃料噴射量の時間推移を示す図であり、(c)は燃料のオリフィス通過流量の時間推移を示す図であり、(d)はオリフィスの上下流側の圧力変化の時間推移を示す図である。
図3の(a)では、燃料の噴射指令信号は一つの広幅のパルスで概念的に表してあり、噴射指令信号の立ち上がり開始タイミングがt0であり、噴射指令信号の立下り開始タイミングがt3であり、噴射指令信号の立下り完了タイミングがt3’である。
これに対応して、図3の(b)に示すように直動式の燃料噴射弁であるインジェクタ5Aにおける燃料噴射開始のタイミングはt0より少し遅れたt1から立ち上がり、t3より少し遅れたt4に噴射が完了する。
燃料のオリフィス75を通過する量(オリフィス通過流量)は、図3の(c)に示すように、燃料通路25(図2参照)や高圧燃料供給管21(図1参照)の容積分だけ燃料噴射開始のタイミングt1より遅れてt2から立ち上がる。そして、同様に燃料通路25や高圧燃料供給管21の容積分だけ燃料噴射完了のタイミングt4より遅れてt5にオリフィス通過流量が0に戻る。
図3の(c)に対応するオリフィス75の上下流側における圧力は図3の(d)に示すように、コモンレール圧力Pcの振動によってオリフィス上流側圧力が変動していても、差圧センサSdPによりオリフィス差圧が検出できるので、オリフィス通過流量(実燃料供給量)が算出できる。そして、図3の(c)に示すオリフィス通過流量のドットで示した領域の面積は、直動式のインジェクタ5Aの場合、図3の(b)に示す実燃料噴射量の面積と同じになる。
ちなみに、オリフィス差圧ΔPORから燃料のオリフィス通過流量QORは次式により容易に算出できる。
Figure 2010007504
実際のECU80Aにおけるオリフィス通過流量QORの計算では、前記(1)式によるオリフィス通過流量QORはオリフィス差圧ΔPORが時間推移とともに刻々変化するのにあわせて変化するので、例えば、数十μsecオーダーの極めて高速なオリフィス差圧ΔPORのサンプリングを行って、サンプリング時間幅におけるオリフィス通過流量QORを算出して、それを積算するようにする。
また、オリフィス通過流量QORの計算を簡単化するために、数十μsecオーダーの極めて高速なオリフィス差圧ΔPORのサンプリングを行って、オリフィス差圧ΔPORの平均値とオリフィス差圧ΔPORが生じている時間幅を求め、求められた平均のオリフィス差圧ΔPORを(1)式に代入して、その結果にオリフィス差圧ΔPORが生じている時間幅を乗じてオリフィス通過流量QORを算出しても良い。
本実施形態によれば、オリフィス75の開口部の径を正確に製作することは容易であり、又オリフィス75の上流側と下流側との間の差圧ΔPORは、ベンチュリ形狭隘部の上流側と下流側との間の差圧よりも大きなものとなり、差圧センサSdPによるオリフィス差圧ΔPORから容易に(1)式によりオリフィス通過流量QORが算出できる。
そして、オリフィス差圧ΔPORからオリフィス通過流量QORを算出することによりインジェクタ5Aへの実燃料供給量が正確に算出することができる。インジェクタ5Aの製造公差があったとしてもその製造公差の影響を反映した燃料のオリフィス通過流量QOR、つまり、実燃料供給量が演算できるので、例えば、算出された実燃料供給量にもとづいてECU80Aにおけるインジェクタ5Aへの噴射指令信号の噴射時間幅を調整することにより、各気筒への実燃料供給量を同一にすることができる。ちなみに、インジェクタ5Aは、いわゆる直動式の燃料噴射弁であるので、実燃料供給量が実燃料噴射量そのものとなる。
その結果、各気筒への実燃料噴射量を正確に算出して、各気筒の発生トルクをより正確に制御できる。
また、インジェクタ5Aからの燃料噴射は、PM(粒子状物質)の低減、NOxと燃焼騒音の低減、排ガス昇温や還元剤供給による触媒の活性化等の目的で実際は、「パイロット(Pilot)噴射」、「プレ(Pre)噴射」、「アフタ(After)噴射」、「ポスト(Post)噴射」の多段噴射にすることが普通である。
そして、このような多段噴射における実燃料噴射量がエンジンの運転状態における目標値通りになされないと、エンジンの排気ガスの規制値をクリアすることができなかったりする。特に、実燃料噴射量に経年変化がある場合でも、オリフィス差圧ΔPORから実燃料噴射量を正確に算出することができるので、ECU80Aにおいて、噴射指令信号の噴射時間幅を調整することにより、実燃料供給量を目標値に一致するように制御することができる。
その結果、エンジンシステムの個々の部品への寸法公差等のハード仕様に対する要求を緩和しても排ガス規制をクリアし易くなる。特に、インジェクタに対するハード仕様を緩和することができる。ひいては、エンジンシステムの製造コスト低減にも寄与する。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態に係る燃料噴射装置について図4を参照しながら詳細に説明する。
図4は、第2の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置の全体構成を示した図である。
本実施形態の燃料噴射装置1Bが第1の実施形態の燃料噴射装置1Aと異なる点は、(1)エンジンの各気筒に配されたインジェクタ5Aに燃料を供給する高圧燃料供給管21に設けられたオリフィス75の上下流差圧を検出する差圧センサSdPの代わりに、オリフィス75の下流側の圧力を検出する圧力センサ(燃料供給管圧力センサ)SPsを設けた点と、(2)ECU80Aの代わりにECU(制御部)80Bとなった点と、(3)ECU80Bにおいて燃料のオリフィス通過流量QORを算出するオリフィス差圧ΔPORの定義を変えた点である。
第1の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図4に示すように4つの圧力センサSPsが検出した圧力信号は、ECU80Bに入力される。
そして、本実施形態におけるECU80Bの機能は、基本的に第1の実施形態におけるECU80Aと同じであるが、燃料のオリフィス通過流量QORをECU80Bで算出するときに用いる信号が第1の実施形態の場合と異なる。
第1の実施形態では、前記した(1)式によりオリフィス通過流量QORを算出したが、本実施形態では、(1)式におけるオリフィス差圧ΔPORを、圧力センサSPcが検出するコモンレール圧力Pcと、圧力センサSPsが検出するオリフィス75の下流側圧力Psとの差圧(Pc−Ps)に置き換える。
各高圧燃料供給管21のオリフィス75上流側の圧力は、コモンレール圧力Pcと略一致することは明らかであり、本実施形態は第1の実施形態と同様に、(1)式においてオリフィス差圧ΔPORを差圧(Pc−Ps)に置き換えて容易に精度の高い燃料のオリフィス通過流量QORを、つまり、実燃料噴射量を、気筒ごとに、噴射指令信号ごとに算出できる。その結果、ECU80Bにおいて第1の実施形態と同様に噴射指令信号の噴射時間幅を調整して、噴射指令における目標の燃料噴射量と一致するように制御できる。
そして、第1の実施形態と同様にエンジンシステムの個々の部品への寸法公差等のハード仕様に対する要求を緩和しても排ガス規制をクリアし易くなる。特に、インジェクタに対するハード仕様を緩和することができる。ひいては、エンジンシステムの製造コスト低減にも寄与する。
《第3の実施形態》
次に、本発明の第3の実施形態に係る燃料噴射装置について図5を参照しながら詳細に説明する。
図5は、第3の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置の全体構成を示した図である。
本実施形態の燃料噴射装置1Cが第2の実施形態の燃料噴射装置1Bと異なる点は、(1)コモンレール圧力Pcを検出する圧力センサSPcを削除した点と、(2)ECU80Bの代わりにECU(制御部)80Cとなった点と、(3)コモンレール圧力Pcを制御するのに圧力センサSPcの代わりに圧力センサSPsを用いる点と、(4)ECU80Cにおいて燃料のオリフィス通過流量QORを算出する方法を変えた点である。
第2の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図5に示すように4つの圧力センサSPsが検出した圧力信号は、ECU80Cに入力される。
そして、ECU80Cにおいて圧力センサSPsから入力された圧力信号には高周波のノイズをカットするフィルタ処理を行う。
ここでオリフィス75の下流側の圧力Psをフィルタ処理したものを圧力Psfilと称することにする。
このように圧力センサSPsから入力された圧力信号をフィルタ処理することにより、ECU80Cにおいて図示しないクランク角センサや、気筒判別センサからの信号及びECU80C内で発生させる気筒別の燃料噴射指令にもとづいて、ある気筒において燃料噴射が完了して、「爆発行程」、「排気行程」、「吸気行程」に入り、比較的圧力振動の少ない状態における圧力センサSPsからの圧力Psfilの信号は、コモンレール圧力Pcと略同じ値となる。
そこで、ECU80Cでは、コモンレール圧力Pcを略一定に制御するため、前記した比較的圧力振動の少ない状態における圧力Psfilをサンプリングすることによって、圧力調整弁72を制御して、所定のコモンレール圧力Pcの範囲内に制御する。
なお、このコモンレール圧力Pcの制御に用いる圧力センサSPsは、本実施形態のような4気筒エンジンの場合に代表的に4つの内の1つのみとしても良いし、4つ全てを用いて、サンプリングするタイミングが異なる4つの信号の平均値をもってコモンレール圧力Pcとしても良い。
そして、本実施形態におけるECU80Cの機能は、前記したコモンレール圧力Pcの制御の方法を除いて、基本的に第2の実施形態におけるECU80Bと同じであるが、燃料のオリフィス通過流量QORをECU80Cで算出するときに用いるオリフィス差圧が第1及び第2の実施形態の場合のように差圧センサSdP又は圧力センサSPc,SPsの検出信号にもとづく差圧によらず、オリフィス75の下流側の圧力センサSPsからの信号のみによる点である。
次に、図6、図7を参照しながら本実施形態におけるオリフィス75の下流側の圧力センサSPsからの信号のみによる燃料のオリフィス通過流量QOR、つまり、実燃料噴射量を算出する方法を説明する。
図6は、第3の実施形態におけるECU80Cでの1つの気筒における燃料のオリフィス通過流量QORを算出する制御の流れを示すフローチャートである。図7は、1つの気筒に対して燃料の噴射指令が出たときの、高圧燃料供給管における燃料挙動の時間推移を示す図であり、(a)は噴射指令信号のパターンを示す図であり、(b)はオリフィスの下流側の圧力Psfilの時間推移を示す図である。
ここでのステップS03〜S07の処理は、例えば、数十μsecの周期で行われ、後記するΔtはフィルタ処理された圧力Psfilをサンプリングする周期であり、数十μsecである。
ステップS01では、燃料の噴射指令信号の噴射指示立ち上がりを検出したか否かをチェックする。検出した場合(Yes)は、ステップS02へ進み、検出しない場合(No)はステップS01を繰り返す。
図7の(a)において、噴射指示立ち上がりのタイミングをt0で示す。
なお、噴射指令信号の噴射指示立ち上がりの検出は、例えば、噴射指令信号を時間微分することにより容易に検出できる。
ステップS02では、Qsum=0.0と初期値リセットする。ここで、Qsumは一つの燃料の噴射指令信号に対して時間積分して算出されたオリフィス通過流量QORに対応する。
ステップS03では、圧力センサSPsで検出されたフィルタ処理された後のオリフィス75の下流側圧力Psfilが所定値P0より下に低下したか否かをチェックする〔(Psfil<P0)?〕。所定値P0より下に低下した場合(Yes)はステップS04へ進み、そうでない場合(No)はステップS03を繰り返す。
図7の(b)において、下流側圧力Psfilが所定値P0より下に低下したタイミングがt2である。
ここで、所定値P0は、圧力センサSPsで検出された圧力信号から高周波ノイズ、例えば、高圧ポンプ3Bの充填動作による圧力脈動や、他の気筒のインジェクタ5Aが噴射動作をして、圧力振動を伝播させたことによる圧力脈動や、自気筒のインジェクタ5Aが噴射動作をした後の反射波による圧力脈動等をフィルタ処理して取り除き、その後に残った圧力変動における振動の下限の値を所定値P0と設定する。この値は、試験により求めることができる。
ステップS04では、所定値P0から圧力Psfilまでの圧力低下量ΔPdownを算出して、オリフィス通過流量QORを算出する。図7の(b)にΔPdownの定義を示す。
ここで、オリフィス通過流量QORは、(1)式において、ΔPORの代わりに圧力低下量ΔPdownを代入することにより容易に算出できる。
ステップS05では、Qsum=Qsum+QOR・ΔtとしてQORを積算する。
ステップS06では、燃料の噴射指令信号の噴射指示立ち下がりを検出したか否かをチェックする。検出した場合(Yes)は、ステップS07へ進み、検出しない場合(No)はステップS04に戻り、ステップS04における圧力低下量ΔPdownを算出して、オリフィス通過流量QORを算出して、ステップS05におけるQORの積算を繰り返す。
図7の(a)において、噴射指示立ち下がりのタイミングをt3で示し、噴射指示立ち下がり完了のタイミングをt3’で示す。
なお、噴射指令信号の噴射指示立ち下がりの検出は、例えば、噴射指令信号を時間微分することにより容易に検出できる。
ステップS07では、フィルタ処理されたオリフィス75の下流側圧力Psfilが所定値P0以上に増加したか否かをチェックする〔(Psfil≧P0)?〕。所定値P0以上に増加した場合(Yes)はステップS08へ進み、そうでない場合(No)はステップS04に戻りステップS04,S05を繰り返す。
図7の(b)において、オリフィス75の下流側圧力Psfilが所定値P0以上に増加したタイミングをt5で示す。
ステップS08では、Qsumを実燃料供給量(実燃料噴射量)とする。図7の(b)において、ドットで示した所定値P0と圧力Psfilの曲線で囲まれた領域の面積が前記した実燃料供給量(実燃料噴射量)に対応する。
なお、本実施形態ではステップS06において燃料の噴射指令信号の噴射指示立ち下がりを検出したか否かをチェックし、噴射指示立ち下がりを検出した後に、オリフィス75の下流側圧力Psfilが所定値P0以上に増加したタイミングt5を検出する制御としているが、ステップS06を省略してもタイミングt5を検出して、燃料のオリフィス75の通過終了を検出できる。
本実施形態における図7の(b)におけるタイミングt2が、請求項に記載の第1のタイミングに対応し、オリフィス75の下流側圧力Psfilが所定値P0以上に増加したタイミングt5が、請求項に記載の第2のタイミングに対応する。
本実施形態によれば、コモンレール圧力Pcを検出する圧力センサSPcを削除して、オリフィス75の下流側の圧力Psを検出する圧力センサSPsで、コモンレール圧力Pcの制御が容易にでき、コストが低減できる。
また、オリフィス75の下流側の圧力を検出する圧力センサSPsからの圧力信号のみで、オリフィス差圧ΔPORを圧力低下量ΔPdown(P0−Psfil)に置き換えた(1)式にもとづいて容易に精度の高い燃料のオリフィス通過流量QORを、つまり、実燃料噴射量を、気筒ごとに、噴射指令信号ごとに算出できる。その結果、ECU80Cにおいて第2の実施形態と同様に噴射指令信号の噴射時間幅を調整して、噴射指令における目標の燃料噴射量と一致するように制御できる。
そして、第2の実施形態と同様にエンジンシステムの個々の部品への寸法公差等のハード仕様に対する要求を緩和しても排ガス規制をクリアし易くなる。特に、インジェクタに対するハード仕様を緩和することができる。ひいては、エンジンシステムの製造コスト低減にも寄与する。
《第3の実施形態の変形例》
次に、図5、図8、図9を参照しながら第3の実施形態における変形例の燃料噴射装置について説明する。本変形例の構成は第3の実施形態と同じであり、第3の実施形態と異なるのは、基本的に前記した請求項に記載の第2のタイミングの検出の方法である。
第3の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図8は、第3の実施形態の変形例におけるECU80Cでの1つの気筒における燃料のオリフィス通過流量QORを算出する制御の流れを示すフローチャートである。図9は、1つの気筒に対して燃料の噴射指令が出たときの、高圧燃料供給管における燃料挙動の時間推移を示す図であり、(a)は、燃料噴射がなされたときにオリフィス75の下流側の圧力Psfilが低下する基準圧力低下線を示す図であり、(b)は噴射指令信号のパターンを示す図であり、(c)はオリフィスの下流側の圧力Psfilの時間推移を示す図である。
本変形例においては、図3の(d)に示すようにインジェクタ5Aの燃料噴射完了後における燃料の流動に伴う、オリフィス75の差圧ΔPORが0となる時点において、オリフィス75の上流側の圧力は燃料噴射完開始前の初期の圧力より必ず低くなる傾向にあること、燃料の噴射時間幅が長くなるほどその低下量が大きくなるという実験データにもとづいて、オリフィス上流側の基準圧力低下線を図9の(a)のように予め実験データにもとづいて設定する。
図9の(a)には、基準圧力低下線として直線タイプの基準圧力低下線x1と、2次曲線タイプの基準圧力低下線x2を例示してある。Piは燃料噴射開始前の初期圧力を示し、この値は後記するようにフローティングである。
図9の(a)に示すように燃料の噴射時間幅が長くなるほど初期圧力Piからの低下量が増加する。
以下に説明するフローチャートでは、直線タイプの基準圧力低下線x1を用いた場合の例で説明する。
ここでのステップS13〜S18処理は、例えば、数十μsecの周期で行われ、後記するΔtはフィルタ処理された圧力Psfilをサンプリングする周期であり、数十μsecである。
ステップS11では、燃料の噴射指令信号の噴射指示立ち上がりを検出したか否かをチェックする。検出した場合(Yes)は、ステップS12へ進み、検出しない場合(No)はステップS11を繰り返す。
図9の(b)において、噴射指示立ち上がりのタイミングをt0で示す。
ステップS12では、Qsum=0.0と初期値リセットする。ここで、Qsumは一つの燃料の噴射指令信号に対して時間積分して算出されたオリフィス通過流量QORに対応する。
ステップS13では、圧力センサSPsで検出されたフィルタ処理された後のオリフィス75の下流側圧力Psfilが所定値より下に低下したか否かをチェックする〔(Psfil<P0―ΔPε)?〕。所定値(P0―ΔPε)より下に低下した場合(Yes)はステップS14へ進み、そうでない場合(No)はステップS13を繰り返す。
図9の(c)において、下流側圧力Psfilが所定値(P0―ΔPε)より下に低下したタイミングがt2である。
ここで、所定値P0は、圧力センサSPsで検出された圧力信号から高周波ノイズ、例えば、高圧ポンプ3Bの充填動作による圧力脈動や、他の気筒のインジェクタ5Aが噴射動作をして、圧力振動を伝播させたことによる圧力脈動や、自気筒のインジェクタ5Aが噴射動作をした後の反射波による圧力脈動等をフィルタ処理して取り除き、その後に残った圧力Psfilの振動の中心値(平均値)を所定値P0と設定する。そして、ΔPεは、フィルタ処理後の圧力Psfilの振動下限値として設定したものである。
ステップS14では、ステップS13における(タイミングがt2における)圧力Psfilを初期値Piとして図9の(c)に示すように基準圧力低下線を設定する。
なお、初期値Piは、所定値(P0―ΔPε)と一致する場合もあれば、圧力Psfilをサンプリングする繰返し周期の次の繰り返しのタイミングとなり、所定値(P0―ΔPε)と異なる値となる場合もある。
ステップS15では、初期値Piとする基準圧力低下線から圧力Psfilまでの圧力低下量ΔPdownを算出して、オリフィス通過流量QORを算出する。図9の(c)にΔPdownの定義を示す。
ここで、オリフィス通過流量QORは、(1)式において、ΔPORの代わりに圧力低下量ΔPdownを代入することにより容易に算出できる。
ステップS16では、Qsum=Qsum+QOR・ΔtとしてQORを積算する。
ステップS17では、燃料の噴射指令信号の噴射指示立ち下がりを検出したか否かをチェックする。検出した場合(Yes)は、ステップS18へ進み、検出しない場合(No)はステップS15に戻り、ステップS15における圧力低下量ΔPdownを算出して、オリフィス通過流量QORを算出して、ステップS16におけるQORの積算を繰り返す。
図9の(b)において、噴射指示立ち下がりのタイミングをt3で示し、噴射指示立ち下がり完了のタイミングをt3’で示す。
ステップS18では、フィルタ処理されたオリフィス75の下流側圧力Psfilが基準圧力低下線以上に増加したか否かをチェックする。基準圧力低下線以上に増加した場合(Yes)はステップS19へ進み、そうでない場合(No)はステップS15に戻りステップS15,S16を繰り返す。
図9の(c)において、オリフィス75の下流側圧力Psfilが基準圧力低下線以上に増加したタイミングをt5で示す。
ステップS19では、Qsumを実燃料供給量(実燃料噴射量)とする。図9の(c)において、ドットで示した基準圧力低下線x1と圧力Psfilの曲線で囲まれた領域の面積が前記した実燃料供給量(実燃料噴射量)に対応する。
本実施形態における図9の(c)におけるタイミングt2が、請求項に記載の第1のタイミングに対応し、オリフィス75の下流側圧力Psfilが基準圧力低下線以上に増加したタイミングt5が、請求項に記載の第2のタイミングに対応する。
本変形例によれば、オリフィス75の下流側圧力Psfilのみにより実燃料噴射量を第3の実施形態よりもよりも正確に算出することができる。
以上、第1の実施形態から第3の実施形態、及び第3の実施形態の変形例においては、図2に示すような直動式の燃料噴射弁であるインジェクタ5Aとし、そのアクチュエータ6Aは電磁コイル34によりピストン16を直接駆動するタイプであるが、それに限定されるものではない。例えば、電磁コイル34の代わりにピエゾ素子を多層に重ねて形成したスタックをピストンフランジ部16aの下面側に配置し、ピエゾ素子のスタックに電圧を印加したときにコイルスプリング37の付勢力に抗してピストン16を上方にリフトアップし、燃料噴射をさせ、ピエゾ素子のスタックへの電圧印加を停止するとコイルスプリング37によりピストン16が下がり燃料噴射が止まるような構成のインジェクタでも良い。
《第4の実施形態》
以下に、本発明の第4の実施形態に係る燃料噴射装置について図10、図11を参照しながら詳細に説明する。
図10は、第4の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置の全体構成を示した図であり、図11は、本実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置に用いられる背圧式の燃料噴射弁(インジェクタ)の概念構成図である。
本実施形態における燃料噴射装置1Dは、第1の実施形態と以下の点で異なる。
(1)背圧式の燃料噴射弁であるアクチュエータ6Bを有するインジェクタ5Bが用いられている。(2)それに伴い、各気筒に設けられたインジェクタ5Bには、ドレーン通路9が接続され、それらは戻り燃料配管73に更に接続して、逆止弁74とオリフィス76を並列に接続した流量調整器を介して低圧ポンプ3Aの吐出側の低圧燃料供給配管61に接続している。(3)本実施形態の燃料噴射装置1Dは、ECU(制御部)80Dにより電子制御される。
第1の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
次に、本実施形態のインジェクタ5Bの構造を図10及び図11を参照しながら説明する。このインジェクタ5Bは、周知のものであり、エンジンの各気筒に取り付けられている。以下にインジェクタ5Bの概要を説明する。
インジェクタ5Bは、先端部に1個または2個以上の燃料噴射孔10を形成したインジェクタ本体13と、このインジェクタ本体13内に摺動自在に支持されたノズルニードル14と、このノズルニードル14の上端側にプレッシャピン15を介して連結されてノズルニードル14と一体的に往復変位するピストン16とから構成されている。
インジェクタ本体13は、ノズルボディ17及びノズルホルダ19等より構成されている。ノズルボディ17の内部には、ノズルニードル14の周囲に常に高圧燃料を充満させるための油溜り20が形成されている。この油溜り20は、ノズルホルダ19内に形成される燃料通路25及び高圧燃料供給管21を介してコモンレール4に常に連通している。ノズルボディ17はノズルホルダ19にリテーニングナット22により締め付け固定されている。
ノズルホルダ19は、ピストン16を摺動自在に支持する長孔23を中心部の長手方向に形成したシリンダを構成する。そして、長孔23の上端部には、第1絞り形成部材11の下端面との間に、ノズルホルダ19の上端面で開口する背圧室7が形成されている。そして、高圧燃料供給管21及びノズルホルダ19内に形成される高圧燃料供給管21と連通した燃料通路から分岐した燃料通路25は、第1絞り形成部材11に形成された連通路26を介して背圧室7に連通している。
ノズルニードル14は、二方電磁弁で構成されたアクチュエータ6Bの中心軸と同一軸心上に配設されて、ノズルボディ17の内周に摺動自在に支持されている。ノズル開弁時には、ノズルニードル14がリフトしてノズルニードル14の先端部とノズルボディ17との間に燃料通路が形成されて油溜り20と燃料噴射孔10とが連通してエンジンへの燃料噴射がなされる。また、ノズル閉弁時には、ノズルニードル14の先端部がノズルボディ17のシート面17aに着座して高圧燃料の噴射を終了する。
プレッシャピン15の大径部とノズルホルダ19との間には、ノズルニードル14を閉弁方向に付勢するコイルスプリング27が装着されている。ピストン16は、アクチュエータ6Bの中心軸と同一軸心上に配設されて、ノズルホルダ19の長孔23の内周面に摺動自在に支持されている。
アクチュエータ6Bは、図11に示すように、バルブボディ32よりも上側に配設された鉄心33と、この鉄心33の収納部に巻装された電磁コイル34と、バルブボディ32内を摺動自在に変位するバルブ35と、このバルブ35の最大リフト量を規制するストッパ36と、バルブ35を閉弁方向に付勢するコイルスプリング37とから構成されている。バルブボディ32、鉄心33、電磁コイル34、バルブ35、ストッパ36は、インジェクタ5Bのノズルホルダ19の上端部にバルブボディ32の下端部を液密的に当接した状態で図示省略のリテーニングナットによりノズルホルダ19の上端面に締め付け固定される。
バルブボディ32は、背圧室7と連通するように開口した凹所39内に第1、第2絞り形成部材11、12が液密的に嵌め込まれている。そして、バルブボディ32内には、凹所39よりも内径の大きい燃料室40が形成されている。この燃料室40は、バルブボディ32等に設けられたドレーン通路9を介して燃料タンク2に連通する戻り燃料配管73に接続している。
鉄心33は、ECU80Dに制御されて電磁コイル34への通電時時に、磁化されて電磁石となり起磁力を発生する。バルブ35は、先端側にプレート形状のシール部42を有し、上端側に棒状部43を有している。鉄心33が起磁力を発生すると、バルブ35が吸引されて上方に移動し、バルブ35の棒状部43がストッパ36の先端面に着座する。電磁コイル34への通電が終わると、鉄心33の吸引力が無くなり、コイルスプリング37の下方への付勢力により、バルブ35のシール部42が第2絞り形成部材12の上端面に着座する。
第1、第2絞り形成部材11、12は、例えば、SCM420等の合金鋼や炭素鋼よりなり、アクチュエータ6Bのバルブ35の中心軸と同一の軸心を中心にした円環板形状に形成されている。そして、第1絞り形成部材11及び第2絞り形成部材12には、オリフィス51,52が燃料通路25及び連通路26の内径よりも小さい内径となるように形成されている。オリフィス51は、第1絞り形成部材11の中心軸より若干連通路26側に中心軸がずれて配置され、オリフィス52は第2絞り形成部材12の中心軸と同一軸心上に形成されている。そして、オリフィス51は、背圧室7とオリフィス52とを連通する第1の通路の通路断面積を絞る。また、オリフィス52は、オリフィス51とドレーン通路9とを連通する第2通路の通路断面積を絞る。そして、オリフィス52は、オリフィス51の内径よりも1.4倍〜1.6倍程度大きい内径を有したバルブシート部材である。
なお、オリフィス51、52の図示下端側は、背圧室7側内径が大きくなるように形成されている。そして、オリフィス51の出口はオリフィス52の入口のテーパ状通路壁面に対向するように配設されている。
次に、図12を参照しながら適宜図10、図11を参照してECU80Dにおける燃料の各気筒への実燃料噴射量の演算方法について説明する。
図12は、1つの気筒に対して燃料の噴射指令が出たときの、高圧燃料供給管における燃料挙動の時間推移を示す図であり、(a)は噴射指令信号のパターンを示す図であり、(b)はインジェクタからの実燃料噴射量及びバックフローの時間推移を示す図であり、(c)は燃料のオリフィス通過流量の時間推移を示す図であり、(d)はオリフィスの上下流側の圧力変化の時間推移を示す図である。
図12の(a)では、燃料の噴射指令信号は一つの広幅のパルスで概念的に表してあり、噴射指令信号の立ち上がり開始タイミングがt0であり、噴射指令信号の立下り開始タイミングがt3であり、噴射指令信号の立下り完了タイミングがt3’である。
これに対応して、背圧式の燃料噴射弁であるインジェクタ5Bにおけるバルブ35(図10参照)のリフトアップにより燃料通路25、連通路26、背圧室7、オリフィス51,52、燃料室40及びドレーン通路9等を経て低圧燃料供給配管61に戻るバックフローが、図12の(b)に曲線bで示すように、タイミングt1Aで開始する。このバックフローの開始は、前記した噴射指令信号の立ち上がりt0より少し遅れて生じる。
このバックフローの発生により背圧室7が油溜り20の圧力よりも低圧となり、ピストン16が上方に引き上げられ、図12の(b)に曲線aで示すように燃料の実噴射がタイミングt1Bに開始される。
そして、噴射指令信号の立下りタイミングt3において、電磁コイル34(図11参照)の通電が終わり、コイルスプリング37がバルブ35を下方に押し下げ、バックフローの流路を閉じて、図12の(b)に曲線bで示すようタイミングt4Aでバックフローが終了する。その結果、背圧室7(図11参照)の圧力が油溜り20の圧力と均衡し、コイルスプリング27の付勢力によりピストン16とともにノズルニードル14が下方に移動しシート面17aに着座し、図12の(b)に曲線aで示すようにタイミングt4Bで燃料の実噴射が終了する。
燃料のオリフィス75を通過する量(オリフィス通過流量)は、図12の(c)に示すように、燃料通路25(図10参照)や高圧燃料供給管21(図10参照)の容積分だけバックフロー開始のタイミングt1Aより遅れてt2から立ち上がる。そして、同様に燃料通路25や高圧燃料供給管21の容積分だけ燃料噴射完了のタイミングt4Bより遅れてt5にオリフィス通過流量が0に戻る。
図12の(c)に対応するオリフィス75の上下流側における圧力は図12の(d)に示すように、コモンレール圧力Pcの振動によってオリフィス上流側圧力が変動していても、差圧センサSdPによりオリフィス差圧が検出できるので、オリフィス通過流量(実燃料供給量)が算出できる。そして、図12の(c)に示すオリフィス通過流量のドットで示した領域の面積は、背圧式のインジェクタ5Bの場合、図12の(b)に示すバックフローと実燃料噴射量の両方を合計した面積と同じになる。
オリフィス差圧ΔPORから燃料のオリフィス通過流量QORは前記した第1の実施形態と同様に(1)式により容易に算出できる。
そして、ECU80Dには、予め、燃料の噴射指令信号の波形パターンに応じて、算出されたオリフィス通過流量QORのうち、実燃料噴射量の割合を示す係数値である実噴射量換算係数γを、例えば、信号パラメータの相関式の形でメモリーの中に格納している。
燃料の噴射指令信号の波形パターンに応じた実噴射量換算係数γは、例えば、次式に示す相関式のように信号波形面積APを前記した信号パラメータとし、所定間隔以上時間的に離れた独立の噴射指令信号の場合は、噴射時間幅を反映した独立噴射指令信号の1つの信号波形面積で、又、所定間隔内の時間的に近接した複数の噴射指令信号の場合は、その複数の噴射指令信号の合計信号波形面積に応じて次式のように設定する。
Figure 2010007504
ここで、MPは独立信号波形か、近接した複数の信号波形かを示すパラメータである。
そして、ECU80Dにおいて図12の(a)に示すような噴射指令信号を発生させたとき、その波形パターンに応じて、独立信号波形か、近接した複数の信号波形かを判定し、更に信号波形面積APを演算して、(2)式により実噴射量換算係数γを設定する。
なお、インジェクタ5Bの開閉の応答速度の速い場合は、前記した独立信号波形か、近接した複数の信号波形かの区別は不要である。
その後、算出されたオリフィス通過流量QORに実噴射量換算係数γを乗じることにより、実燃料噴射量が算出される。
本実施形態によれば、オリフィス75の開口部の径を正確に製作することは容易であり、又オリフィス75の上流側と下流側との間の差圧ΔPORは、ベンチュリ形狭隘部の上流側と下流側との間の差圧よりも大きなものとなり、差圧センサSdPによるオリフィス差圧ΔPORから容易に(1)式によりオリフィス通過流量QORが算出できる。
そして、オリフィス差圧ΔPORからオリフィス通過流量QORを算出することによりインジェクタ5Bへの実燃料供給量を正確に算出することができる。更に、実燃料供給量に実噴射量換算係数γを乗じることにより実燃料噴射量が算出できる。
インジェクタ5Bの製造公差により、同一噴射信号の波形に対して、バックフローと実燃料噴射量の合計値である実燃料供給量(オリフィス通過流量QOR)のばらつきがインジェクタ5B間で存在しても、その製造公差の影響を反映した実燃料供給量の演算でき、それに応じた実燃料噴射量が算出できるので、例えば、算出された実燃料噴射量にもとづいてECU80Dにおけるインジェクタ5Bへの噴射指令信号の噴射時間幅を調整することにより、各気筒への実燃料噴射量を同一にすることができる。
その結果、各気筒への実燃料噴射量を正確に算出して、各気筒の発生トルクをより正確に制御できる。
また、インジェクタ5Bからの燃料噴射は、PM(粒子状物質)の低減、NOxと燃焼騒音の低減、排ガス昇温や還元剤供給による触媒の活性化等の目的で実際は、「パイロット(Pilot)噴射」、「プレ(Pre)噴射」、「アフタ(After)噴射」、「ポスト(Post)噴射」の多段噴射にすることが普通である。
そして、このような多段噴射における実燃料噴射量がエンジンの運転状態における目標値通りになされないと、エンジンの排気ガスの規制値をクリアすることができなかったりする。特に、実燃料噴射量に経年変化がある場合でも、オリフィス差圧ΔPORから実燃料噴射量を正確に算出することができるので、ECU80Dにおいて、噴射指令信号の噴射時間幅を調整することにより、実燃料供給量を目標値に一致するように制御することができる。
その結果、エンジンシステムの個々の部品への寸法公差等のハード仕様に対する要求を緩和しても排ガス規制をクリアし易くなる。特に、インジェクタに対するハード仕様を緩和することができる。ひいては、エンジンシステムの製造コスト低減にも寄与する。
なお、本実施形態においては、オリフィス通過流量QORから実燃料供給量を算出するときに用いる実噴射量換算係数γを可変としたが、近似的に固定値としても良い。
《第5の実施形態》
次に、本発明の第5の実施形態に係る燃料噴射装置について図13を参照しながら詳細に説明する。
図13は、第5の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置の全体構成を示した図である。
本実施形態の燃料噴射装置1Eが第4の実施形態の燃料噴射装置1Dと異なる点は、(1)エンジンの各気筒に配されたインジェクタ5Bに燃料を供給する高圧燃料供給管21に設けられたオリフィス75の上下流差圧を検出する差圧センサSdPの代わりに、オリフィス75の下流側の圧力を検出する圧力センサSPsを設けた点と、(2)ECU80Dの代わりにECU(制御部)80Eとなった点と、(3)ECU80Eにおいて燃料のオリフィス通過流量QORを算出するオリフィス差圧ΔPORの定義を変えた点である。
言い換えると、本実施形態は、第2の実施形態において直動式の燃料噴射弁であるインジェクタ5Aを背圧式の燃料噴射弁であるインジェクタ5Bに変え、インジェクタ5Bに適合するように第2の実施形態を変形したものである。
第4の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図13に示すように4つの圧力センサSPsが検出した圧力信号は、ECU80Eに入力される。
そして、本実施形態におけるECU80Eの機能は、基本的に第4の実施形態におけるECU80Dと同じであるが、燃料のオリフィス通過流量QORをECU80Eで算出するときに用いる信号が第4の実施形態の場合と異なる。
第4の実施形態では、前記した(1)式によりオリフィス通過流量QORを算出したが、本実施形態では、(1)式におけるオリフィス差圧ΔPORを、圧力センサSPcが検出するコモンレール圧力Pcと、圧力センサSPsが検出するオリフィス75の下流側圧力Psとの差圧(Pc−Ps)に置き換える。
各高圧燃料供給管21のオリフィス75上流側の圧力は、コモンレール圧力Pcと略一致することは明らかであり、本実施形態は第4の実施形態と同様に、オリフィス差圧ΔPORを差圧(Pc−Ps)に置き換えた(1)式にもとづいて容易に精度の高い燃料のオリフィス通過流量QORを算出し、更に実噴射量換算係数γを噴射指令信号の波形パターンに応じて算出しオリフィス通過流量QORに乗じて、つまり、実燃料噴射量を、気筒ごとに、噴射指令信号ごとに算出できる。その結果、ECU80Eにおいて第4の実施形態と同様に噴射指令信号の噴射時間幅を調整して、噴射指令における目標の燃料噴射量と一致するように制御できる。
そして、第4の実施形態と同様にエンジンシステムの個々の部品への寸法公差等のハード仕様に対する要求を緩和しても排ガス規制をクリアし易くなる。特に、インジェクタに対するハード仕様を緩和することができる。ひいては、エンジンシステムの製造コスト低減にも寄与する。
《第6の実施形態》
次に、本発明の第6の実施形態に係る燃料噴射装置について図14を参照しながら詳細に説明する。
図14は、第6の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置の全体構成を示した図である。
本実施形態の燃料噴射装置1Fが第5の実施形態の燃料噴射装置1Eと異なる点は、(1)コモンレール圧力Pcを検出する圧力センサSPcを削除した点と、(2)ECU80Eの代わりにECU(制御部)80Fとなった点と、(3)コモンレール圧力Pcを制御するのに圧力センサSPcの代わりに圧力センサSPsを用いる点と、(4)ECU80Fにおいて燃料のオリフィス通過流量QORを算出する方法を変えた点である。
言い換えると、本実施形態は、第3の実施形態において直動式の燃料噴射弁であるインジェクタ5Aを背圧式の燃料噴射弁であるインジェクタ5Bに変え、インジェクタ5Bに適合するように第3の実施形態を変形したものである。
第5の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図14に示すように4つの圧力センサSPsが検出した圧力信号は、ECU80Fに入力される。
そして、ECU80Fにおいて圧力センサSPsから入力された圧力信号には高周波のノイズをカットするフィルタ処理を行う。
このように圧力センサSPsから入力された圧力信号をフィルタ処理することにより、ECU80Fにおいて図示しないクランク角センサや、気筒判別センサからの信号及びECU80F内で発生させる気筒別の燃料噴射指令にもとづいて、ある気筒において燃料噴射が完了して、「爆発行程」、「排気行程」、「吸気行程」に入り、比較的圧力振動の少ない状態における圧力センサSPsからの圧力Psfilの信号は、コモンレール圧力Pcと略同じ値となる。
そこで、ECU80Fでは、コモンレール圧力Pcを略一定に制御するため、前記した比較的圧力振動の少ない状態における圧力Psfilをサンプリングすることによって、圧力調整弁72を制御して、所定のコモンレール圧力Pcの範囲内に制御する。
なお、このコモンレール圧力Pcの制御に用いる圧力センサSPsは、本実施形態のような4気筒エンジンの場合に代表的に4つの内の1つのみとしても良いし、4つ全てを用いて、サンプリングするタイミングが異なる4つの信号の平均値をもってコモンレール圧力Pcとしても良い。
そして、本実施形態におけるECU80Fの機能は、前記したコモンレール圧力Pcの制御の方法を除いて、基本的に第5の実施形態におけるECU80Eと同じであるが、燃料のオリフィス通過流量QORをECU80Fで算出するときに用いるオリフィス差圧が第4及び第5の実施形態の場合のように差圧センサSdP又は圧力センサSPc,SPsの検出信号にもとづく差圧によらず、オリフィス75の下流側の圧力センサSPsからの信号みによる点である。
次に、図15、図16を参照しながら本実施形態におけるオリフィス75の下流側の圧力センサSPsからの信号のみによる燃料のオリフィス通過流量QORを算出して、更に実燃料噴射量を算出する方法を説明する。
図15は、第6の実施形態におけるECU80Fでの1つの気筒における燃料のオリフィス通過流量QOR及び実燃料噴射量を算出する制御の流れを示すフローチャートである。図16は、1つの気筒に対して燃料の噴射指令が出たときの、高圧燃料供給管における燃料挙動の時間推移を示す図であり、(a)は噴射指令信号のパターンを示す図であり、(b)はオリフィスの下流側の圧力Psfilの時間推移を示す図である。
図15に示すフローチャートにおけるステップS03〜S07の処理は、前記した第3の実施形態における図6に示したフローチャートと同じであり、ステップS08がステップS08Aに変わり、ステップS09が追加している点が、第3の実施形態と異なる。したがって、同じステップ符号を付して、重複する説明を省略する。ただし、図6のフローチャートの説明文中の「図7」は「図16」に読み替え、「インジェクタ5A」は「インジェクタ5B」に読み替える。
ステップS07の後ステップS08Aでは、噴射指示を参照して、実噴射量換算係数γを取得し、次いでQsumに実噴射量換算係数γを乗じて実燃料噴射量とする(ステップS09)。図16の(b)において、ドットで示した所定値P0と圧力Psfilの曲線で囲まれた領域の面積がQsum、つまり、実燃料供給量に対応する。
本実施形態における図16の(b)におけるタイミングt2が、請求項に記載の第1のタイミングに対応し、オリフィス75の下流側圧力Psfilが所定値P0以上に増加したタイミングt5が、請求項に記載の第2のタイミングに対応する。
本実施形態によれば、コモンレール圧力Pcを検出する圧力センサSPcを削除して、オリフィス75の下流側の圧力Psを検出する圧力センサSPsで、コモンレール圧力Pcの制御が容易にでき、コストが低減できる。
また、オリフィス75の下流側の圧力を検出する圧力センサSPsからの圧力信号のみで、オリフィス差圧ΔPORを圧力低下量ΔPdown(P0−Psfil)に置き換えた(1)式にもとづいて容易に精度の高い燃料のオリフィス通過流量QORを算出でき、噴射指令信号に応じた実噴射量換算係数γをさらに乗じて実燃料噴射量を、気筒ごとに、噴射指令信号ごとに算出できる。その結果、ECU80Fにおいて第5の実施形態と同様に噴射指令信号の噴射時間幅を調整して、噴射指令における目標の燃料噴射量と一致するように制御できる。
そして、第5の実施形態と同様にエンジンシステムの個々の部品への寸法公差等のハード仕様に対する要求を緩和しても排ガス規制をクリアし易くなる。特に、インジェクタに対するハード仕様を緩和することができる。ひいては、エンジンシステムの製造コスト低減にも寄与する。
《第6の実施形態の変形例》
次に、図17、図18を参照しながら、適宜図9の(a)及び図12を参照して、第6の実施形態における変形例の燃料噴射装置について説明する。本変形例の構成は第6の実施形態と同じであり、第6の実施形態と異なるのは、基本的に前記した請求項に記載の第2のタイミングの検出の方法である。
言い換えると、本実施形態は、第3の実施形態の変形例において直動式の燃料噴射弁であるインジェクタ5Aを背圧式の燃料噴射弁であるインジェクタ5Bに変え、インジェクタ5Bに適合するように第3の実施形態の変形例を変形したものである。
第6の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図17は、第6の実施形態の変形例におけるECU80Fでの1つの気筒における燃料のオリフィス通過流量QORを算出する制御の流れを示すフローチャートである。図18は、1つの気筒に対して燃料の噴射指令が出たときの、高圧燃料供給管における燃料挙動の時間推移を示す図であり、(a)は噴射指令信号のパターンを示す図であり、(b)はオリフィスの下流側の圧力Psfilの時間推移を示す図である。
本変形例においては、図12の(d)に示すようにインジェクタ5Bの燃料噴射完了後における燃料の流動に伴う、オリフィス75の差圧ΔPORが0となる時点において、オリフィス75の上流側の圧力は燃料噴射完開始前の初期の圧力より必ず低くなる傾向にあること、燃料の噴射時間幅が長くなるほどその低下量が大きくなるという実験データにもとづいて、前記したようにオリフィス上流側の基準圧力低下線を図9の(a)のように予め実験データにもとづいて設定する。
以下に説明するフローチャートでは、直線タイプの基準圧力低下線x1を用いた場合の例で説明する。
図17に示すフローチャートにおけるステップS11〜S18の処理は、前記した第3の実施形態の変形例における図8に示したフローチャートと同じであり、ステップS19がステップS19Aに変わり、ステップS20が追加している点が、第3の実施形態の変形例と異なる。したがって、同じステップ符号を付して、重複する説明を省略する。ただし、図6のフローチャートの説明文中の「図9の(b)」は「図18(a)」に読み替え、「図9の(c)」は「図17(b)」に読み替え、「インジェクタ5A」は「インジェクタ5B」に読み替える。
ステップS18の後ステップS19Aでは、噴射指示を参照して、実噴射量換算係数γを取得し、次いでQsumに実噴射量換算係数γを乗じて実燃料噴射量とする(ステップS20)。図18の(b)において、ドットで示した基準圧力低下線x1と圧力Psfilの曲線で囲まれた領域の面積がQsum、つまり、実燃料供給量に対応する。
本実施形態における図18の(b)におけるタイミングt2が、請求項に記載の第1のタイミングに対応し、オリフィス75の下流側圧力Psfilが基準圧力低下線以上に増加したタイミングt5が、請求項に記載の第2のタイミングに対応する。
本変形例によれば、オリフィス75の下流側圧力Psfilのみにより実燃料噴射量を第3の実施形態よりもより正確に算出することができる。
以上、第4の実施形態から第6の実施形態、及び第6の実施形態の変形例においては、図11に示すような背圧式の燃料噴射弁であるインジェクタ5Bとし、そのアクチュエータ6Bは電磁コイル34によりバルブ35を駆動して背圧室7の圧力を制御するタイプであるが、それに限定されるものではない。例えば、ピエゾ素子のスタックを用いて三方弁構造の制御弁を動作させて、ノズルニードルの上方に配置した背圧室の圧力を制御して燃料噴射、噴射停止をさせ構成のインジェクタでも良い。
また、第1の実施形態から第6の実施形態、第3の実施形態の変形例及び第6の実施形態の変形例において、燃料噴射装置1A〜1Fの高圧燃料供給管21のオリフィス75を配置した位置から下流側の高圧燃料供給管21及びインジェクタ5A又インジェクタ5Bの燃料噴射孔10までの燃料通路(インジェクタ5A又はインジェクタ5B内の燃料通路25及び油溜り20(図2、図11参照))を含む燃料通路容積は、1つの気筒における吸気、圧縮、爆発、排気のサイクルの内の爆発行程のために高圧燃料供給管21を通じて供給する燃料の最大実燃料供給量、例えば、アクセルを一杯踏み込まれて最大トルクが必要とされる時のような場合の最大実燃料供給量を超える燃料通路容積としているので、基本的にオリフィス75の下流側に燃料噴射前に貯留されている高圧燃料のみで気筒内への燃料噴射が賄える。
図19に高圧燃料供給管21のコモンレール4側にオリフィス75を配置して前記のような燃料通路容積とした場合のコモンレール圧力Pc(図19の(a))、自気筒(#1気筒)の高圧燃料供給管圧力(インジェクタ直近)(図19の(b))、自気筒(#1気筒)の高圧燃料供給管圧力(コモンレール直近)(図19の(c))それぞれの時間推移と、高圧燃料供給管21のコモンレール4側にオリフィス75を配置しないで前記のような燃料通路容積とした場合のコモンレール圧力Pc(図19の(d))、自気筒(#1気筒)の高圧燃料供給管圧力(インジェクタ直近)(図19の(e))、自気筒(#1気筒)の高圧燃料供給管圧力(コモンレール直近)(図19の(f))それぞれの時間推移を比較して示す。この図は、背圧式のインジェクタの場合の例である。
図19において時間軸の左端は、他気筒である#2気筒の噴射信号のタイミングを示し、0で示した時間軸の中央は、自気筒である#1気筒の噴射信号のタイミングを示している。
ここで、エンジン回転速度は1500rpmで、コモンレール圧力Pcが70MPa、実燃料噴射量が20mm3の場合の条件である。
図19の(a)のA部と同(d)のB部を比較して分かるように、オリフィス75を設けることにより、燃料噴射時のコモンレール圧力Pcの圧力変動が軽減されている。この結果、ECU80(実施形態におけるECU80A〜80Fを代表して記載)の圧力調整弁72の制御によるコモンレール圧力Pcの略一定の制御において、コモンレール圧力Pcの変動が小さい分、燃料噴射量の制御精度が向上する。
また、図19の(b)のC部と同(e)のD部を比較して分かるように、オリフィス75を設けることにより、他気筒(#2気筒)の燃料噴射時の自気筒(#1気筒)のインジェクタ直近の高圧燃料供給管21の圧力変動が小さく抑制され、且つ、速やかに整定している。エンジンの気筒数が4気筒よりも多い場合に、他気筒と自気筒との燃料噴射間隔が短くなることがあり、その場合に他気筒の燃料噴射による圧力変動が速やかに減衰するということは、自気筒の実燃料噴射量の制御において外乱を抑制できるということになる。
次に、図19の(b)のE部と同(e)のF部を比較して分かるように、自気筒(#1気筒)の燃料噴射時の自気筒(#1気筒)のインジェクタ直近の高圧燃料供給管21の圧力変動が小さく抑制される。
高圧燃料供給管21にオリフィス75を設けるケースと設けないケースにおいて、燃料噴射量が同じであるので、最初の圧力の低下量はE部でもF部でも同じである。しかし、オリフィス75がある場合、インジェクタで消費された燃料をコモンレール4から供給する際に、オリフィス75で流路面積が絞られ抵抗が大きいので、燃料供給が絞られその後の圧力ゲイン(圧力増加)は小さくなる。
一方、オリフィス75が設けられていない場合、インジェクタで消費された燃料をコモンレール4から供給する際の抵抗が小さいので燃料供給量が大きく、F部に示すようにその後の圧力ゲイン(圧力増加)は大きなものとなる。そしてその圧力振動の反射波も大きくなることと、圧力伝播の実効的な容積にコモンレール4の容積も含むことになり、圧力振動が長く続く。
ちなみに、インジェクタが噴射した際のコモンレール4から高圧燃料供給管21への燃料供給量(時間率)の差異は、図19の(a)のA部と図19の(d)のBを比較すると明らかであり、オリフィス75を設けないケースのB部に示すようにコモンレール圧力Pcの低下量がA部に示されるそれよりも大きい。
また、図19の(c)のG部と同(f)のH部を比較して分かるように、オリフィス75を設けるケースの方が設けないケースよりも自気筒(#1気筒)のコモンレール直近(オリフィス75下流側)の高圧燃料供給管21の圧力変動が大きくなっているが、その圧力変動は早く整定している。
これは、一般論として所定の容積Vの空間において、ΔQだけ流体体積が変化したときに生じる圧力変化dP/dtは、次式で表わされる。
Figure 2010007504
ここで、Kは定数である。そして、容積Vは、オリフィス75が設けられた場合は、実質的に高圧燃料供給管21とインジェクタ内の噴射孔10までの燃料通路になるのに対し、オリフィス75が設けられない場合はそれに加えてコモンレール4の容積も加えられる。
したがって、オリフィス75を設けるケースでは、インジェクタによりΔQだけ消費されると、図19の(c)のG部に示すように(3)式に従いコモンレレール直近の高圧燃料供給管21の圧力低下は大きくなり、その後の圧力振動の跳ね返り(増加)も大きいものとなる。しかし、圧力振動の実質的な容積にコモンレール4を含まないので、圧力振動の持続時間が短くなる。
一方、オリフィス75を設けないケースでは、インジェクタによりΔQだけ消費されると、図19の(f)のH部に示すように(3)式に従いコモンレレール直近の高圧燃料供給管21の圧力低下はG部に比較して小さくなり、その後の圧力振動の跳ね返り(増加)も小さいものとなる。しかし、圧力振動の実質的な容積にコモンレール4を含むので、圧力振動の持続時間が長くなる。
以上の説明をまとめて、高圧燃料供給管21のコモンレール4寄りにオリフィス75を設けることの利点は次のようになる。
(1) オリフィス75を設けるとインジェクタ直近における高圧燃料供給管21の圧力変動は、オリフィス75を設けない場合よりも小さくできる。
(2) オリフィス75を設けるとコモンレール4直近(オリフィス75下流側)における高圧燃料供給管21の圧力変動は、オリフィス75を設けない場合のコモンレール4直近における高圧燃料供給管21よりも大きくできる。
(3) 燃料噴射後の高圧燃料供給管21の圧力変動を短時間に整定できる。
したがって、オリフィス75を設けることにより燃料噴射時のコモンレール4直近の圧力変動を大きくして流量検出の精度を上げることができる。逆にインジェクタ直近における燃料噴射時の圧力変動を小さくして、かつ、短時間で圧力変動を整定できるので、インジェクタから連続して複数回の噴射をする際の各噴射量を精度良く制御し易くなる。
なお、オリフィス75が配置されている場合、オリフィス75が流動抵抗となりインジェクタ直近の高圧燃料供給管21において噴射終了時の燃料供給による衝撃圧力は小さくなる。そして、その衝撃圧力の反射波も小さいことと、圧力伝播の実効的な容積が高圧燃料供給管21の容積に限定され、コモンレール4の容積を含まないので、圧力振動が速やかに整定する。これは、すなわち、自気筒(#1気筒)からコモンレール4を介して他気筒の高圧燃料供給管21へ伝播する圧力変動が小さくなることを意味する。
以上、変形例を含む第1の実施形態から第6の実施形態においてECU80A〜80Fにおいて気筒内への燃料噴射量を制御するために生成する噴射指令信号は、燃料噴射量を噴射指令信号の時間幅で制御するものとして説明したが、噴射指令信号の時間幅に加えて、噴射指令信号の高さも変化させ、インジェクタ5A,5Bのノズルニードル14のリフト量によっても制御しても良い。
更に、変形例を含む第1の実施形態から第6の実施形態において、インジェクタ5A,5Bは、直接各気筒の燃焼室内に燃料噴射を行うものとして説明したが、それに限定されるものではない。本発明は、インジェクタ5A,5Bが、各気筒の燃焼室に隣接して形成される副室(予混合空間)に向けて燃料噴射を行う構成や、各気筒の吸気ポートに向けて燃料噴射を行う構成も含む。また、そのような構成においても、前記した変形例を含む第1の実施形態から第6の実施形態における作用効果は同様に得られる。
第1の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置の全体構成を示した図である。 第1の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置に用いられる直動式の燃料噴射弁(インジェクタ)の概念構成図である。 1つの気筒に対して燃料の噴射指令が出たときの、高圧燃料供給管における燃料挙動の時間推移を示す図であり、(a)は噴射指令信号のパターンを示す図であり、(b)はインジェクタからの実燃料噴射量の時間推移を示す図であり、(c)は燃料のオリフィス通過流量の時間推移を示す図であり、(d)はオリフィスの上下流側の圧力変化の時間推移を示す図である。 第2の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置の全体構成を示した図である。 第3の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置の全体構成を示した図である。 第3の実施形態におけるECU80Cにおける1つの気筒における燃料のオリフィス通過流量QORを算出する制御の流れを示すフローチャートである。 1つの気筒に対して燃料の噴射指令が出たときの、高圧燃料供給管における燃料挙動の時間推移を示す図であり、(a)は噴射指令信号のパターンを示す図であり、(b)はオリフィスの下流側の圧力Psfilの時間推移を示す図である。 第3の実施形態の変形例におけるECU80Cでの1つの気筒における燃料のオリフィス通過流量QORを算出する制御の流れを示すフローチャートである。 1つの気筒に対して燃料の噴射指令が出たときの、高圧燃料供給管における燃料挙動の時間推移を示す図であり、(a)は、燃料噴射がなされたときにオリフィス75の下流側の圧力Psfilが低下する基準圧力低下線を示す図であり、(b)は噴射指令信号のパターンを示す図であり、(c)はオリフィスの下流側の圧力Psfilの時間推移を示す図である。 第4の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置の全体構成を示した図である。 第4の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置に用いられる背圧式の燃料噴射弁(インジェクタ)の概念構成図である。 1つの気筒に対して燃料の噴射指令が出たときの、高圧燃料供給管における燃料挙動の時間推移を示す図であり、(a)は噴射指令信号のパターンを示す図であり、(b)はインジェクタからの実燃料噴射量及びバックフローの時間推移を示す図であり、(c)は燃料のオリフィス通過流量の時間推移を示す図であり、(d)はオリフィスの上下流側の圧力変化の時間推移を示す図である。 第5の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置の全体構成を示した図である。 第6の実施形態の蓄圧式の燃料噴射装置の全体構成を示した図である。 第6の実施形態におけるECU80Fでの1つの気筒における燃料のオリフィス通過流量QOR及び実燃料噴射量を算出する制御の流れを示すフローチャートである。 1つの気筒に対して燃料の噴射指令が出たときの、高圧燃料供給管における燃料挙動の時間推移を示す図であり、(a)は噴射指令信号のパターンを示す図であり、(b)はオリフィスの下流側の圧力Psfilの時間推移を示す図である。 第6の実施形態の変形例におけるECU80Fでの1つの気筒における燃料のオリフィス通過流量QORを算出する制御の流れを示すフローチャートである。 1つの気筒に対して燃料の噴射指令が出たときの、高圧燃料供給管における燃料挙動の時間推移を示す図であり、(a)は噴射指令信号のパターンを示す図であり、(b)はオリフィスの下流側の圧力Psfilの時間推移を示す図である。 高圧燃料供給管のコモンレール側にオリフィスを配置した場合とオリフィスを配置しない場合の各部の圧力変動の推移を説明する図であり、(a)はオリフィスを配置した場合のコモンレール圧力Pcの時間推移を、(b)はオリフィスを配置した場合の自気筒(#1気筒)の高圧燃料供給管圧力(インジェクタ直近)の時間推移を、(c)はオリフィスを配置した場合の自気筒(#1気筒)の高圧燃料供給管圧力(コモンレール直近)の時間推移を、(d)はオリフィスを配置しない場合のコモンレール圧力Pcの時間推移を、(e)はオリフィスを配置しない場合の自気筒(#1気筒)の高圧燃料供給管圧力(インジェクタ直近)の時間推移を、(f)はオリフィスを配置しない場合の自気筒(#1気筒)の高圧燃料供給管圧力(コモンレール直近)の時間推移を示す図である。
符号の説明
1A,1B,1C,1D,1E,1F 燃料噴射装置
2 燃料タンク
3A 低圧ポンプ(燃料ポンプ)
3B 高圧ポンプ(燃料ポンプ)
4 コモンレール(燃料蓄圧部)
5A,5B インジェクタ(燃料噴射弁)
6A,6B アクチュエータ
7 背圧室
9 ドレーン通路
10 燃料噴射孔
14 ノズルニードル
16 ピストン
17 ノズルボディ
17a シート面
20 油溜り
21 高圧燃料供給管(燃料供給管)
32 バルブボディ
33 鉄心
34 電磁コイル
35 バルブ
36 ストッパ
37 コイルスプリング
55 アクチュエータボディ
56 作動室
70 吐出配管
71 戻り配管
72 圧力調整弁
73 戻り燃料配管
75 オリフィス
80A,80B,80C,80D,80E,80F ECU(制御部)
T 温度センサ
dP 差圧センサ
Pc 圧力センサ(蓄圧部圧力センサ)
Ps 圧力センサ(燃料供給管圧力センサ)
x1 基準圧力低下線
x2 基準圧力低下線

Claims (10)

  1. 燃料ポンプによって送り出された燃料を蓄圧状態に貯留する燃料蓄圧部、該燃料蓄圧部から内燃機関の各気筒に向けて分岐した燃料供給管を通じて供給される燃料を前記内燃機関の各気筒の燃焼室へ供給する燃料噴射弁、及び該燃料噴射弁から燃料を噴射するための噴射指令信号を出力する制御部を備えた燃料噴射装置において、
    前記燃料供給管に配置されたオリフィスと、
    前記燃料供給管内の前記オリフィスの上流側及び下流側の差圧を検出する差圧センサと、を備え、
    前記制御部は、前記差圧センサからの信号にもとづいて前記オリフィスを通過する実燃料供給量を算出することを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 燃料ポンプによって送り出された燃料を蓄圧状態に貯留する燃料蓄圧部、該燃料蓄圧部から内燃機関の各気筒に向けて分岐した燃料供給管を通じて供給される燃料を前記内燃機関の各気筒の燃焼室へ供給する燃料噴射弁、及び該燃料噴射弁から燃料を噴射するための噴射指令信号を出力する制御部を備えた燃料噴射装置において、
    前記燃料蓄圧部の圧力を検出する蓄圧部圧力センサと、
    前記燃料供給管に配置されたオリフィスと、
    前記燃料供給管内の前記オリフィスの下流側の圧力を検出する燃料供給管圧力センサと、を備え、
    前記制御部は、前記蓄圧部圧力センサからの信号及び前記燃料供給管圧力センサからの信号にもとづいて、前記オリフィスの上流側及び下流側の差圧を算出し、前記オリフィスを通過する実燃料供給量を算出することを特徴とする燃料噴射装置。
  3. 燃料ポンプによって送り出された燃料を蓄圧状態に貯留する燃料蓄圧部、該燃料蓄圧部から内燃機関の各気筒に向けて分岐した燃料供給管を通じて供給される燃料を前記内燃機関の各気筒の燃焼室へ供給する燃料噴射弁、及び該燃料噴射弁から燃料を噴射するための噴射指令信号を出力する制御部を備えた燃料噴射装置において、
    前記燃料供給管に配置されたオリフィスと、
    前記燃料供給管内の前記オリフィスの下流側の圧力を検出する燃料供給管圧力センサと、を備え、
    前記制御部は、前記燃料供給管圧力センサからの信号にもとづいて前記燃料噴射弁からの燃料の噴射に伴う圧力低下量を検出し、その圧力低下量にもとづいて前記オリフィスを通過する実燃料供給量を算出することを特徴とする燃料噴射装置。
  4. 前記制御部は、前記燃料弁への噴射指令信号の立ち上がり開始以後における前記オリフィス下流側の圧力低下を検出した第1のタイミングと、その後に前記オリフィス下流側の圧力が所定値以上となった第2のタイミングとの間の圧力低下期間中の前記圧力低下量にもとづいて前記実燃料供給量を算出することを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射装置。
  5. 前記制御部は、時間経過に従って単調に値の減少する基準圧力低下線のデータを予め記憶し、
    前記燃料噴射弁への前記噴射指令信号の立ち上がり開始以後における前記オリフィス下流側の閾値以上の圧力低下を検出した第1のタイミングを取得し、
    その第1のタイミング時点の前記オリフィス下流側の圧力値を取得し、
    前記第1のタイミング時点の前記圧力値を初期値として前記基準圧力低下線を設定し、
    前記第1のタイミングより以後の前記オリフィス下流側の圧力値が前記設定された基準圧力低下線以上となる前記第2のタイミングを取得し、
    前記第1及び第2のタイミングとの間の圧力低下期間中の、前記圧力低下量にもとづいて前記実燃料供給量を算出することを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射装置。
  6. 前記制御部は、前記燃料供給管圧力センサの信号をフィルタ処理し、高周波成分を除去した信号にもとづいて前記圧力低下を検出することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の燃料噴射装置。
  7. 前記燃料供給管に設けた前記オリフィスから前記各気筒の燃料噴射弁の燃料噴射孔までの燃料通路容積が、前記燃料噴射弁の一回の最大実燃料供給量よりも大きくなるように設定されたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
  8. 前記燃料噴射弁は、燃料噴射時に前記燃料供給管を通じて供給された燃料の全量を前記気筒の燃焼室へ供給する構造であり、
    前記制御部は、前記オリフィスを通過する前記実燃料供給量を実際に前記気筒に噴射される実燃料噴射量として算出し、
    当該実燃料噴射量にもとづいて燃料噴射制御をすることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
  9. 前記燃料噴射弁は、燃料噴射時に前記燃料供給管を通じて供給された燃料の一部を戻り燃料配管に戻して、燃料供給系の低圧部へ排出する構造であり、
    前記制御部は、前記オリフィスを通過する前記実燃料供給量の内、前記戻り燃料配管に戻らないで実際に前記各気筒の燃焼室に供給される実燃料噴射量を、前記実燃料供給量及び所定の係数値にもとづいて算出し、
    当該実燃料噴射量にもとづいて燃料噴射制御をすることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
  10. 前記制御部は、少なくとも前記噴射指令信号のパターンに対応させて前記係数値を予め記憶し、
    少なくとも前記噴射指令信号のパターンを参照して前記所定の係数値を設定することを特徴とする請求項9に記載の燃料噴射装置。
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