JP2010216384A - 燃料噴射量制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料圧力変動に影響されることなく、燃料噴射量の制御を安定に行える燃料噴射量制御装置を提供する。
【解決手段】ECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cは、検出された燃料圧力の値によって示される関数に基づいて2階微分値を算出する。また、燃料噴射開始時刻判定部2cは、その2階微分値に基づいて燃料噴射が行われた燃料噴射開始時刻を判定する。燃料噴射量算出部2dは、判定された燃料噴射開始時刻に基づいて燃料噴射量を算出する。
【選択図】図1
【解決手段】ECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cは、検出された燃料圧力の値によって示される関数に基づいて2階微分値を算出する。また、燃料噴射開始時刻判定部2cは、その2階微分値に基づいて燃料噴射が行われた燃料噴射開始時刻を判定する。燃料噴射量算出部2dは、判定された燃料噴射開始時刻に基づいて燃料噴射量を算出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、コモンレールを用いた燃料噴射量制御装置に関する。
ディーゼルエンジンに適用される燃料噴射量制御装置においては、エンジンの燃焼室に燃料を直接噴射するインジェクター(以下、燃料噴射弁ともいう)に蓄圧された燃料を供給するコモンレールシステムが多く利用されている。このようなコモンレールシステムでは、瞬時に規定量を噴射させることができるように、高圧ポンプによって加圧された燃料がコモンレールに供給されている。
また、インジェクターの応答性改善によりインジェクターから短い噴射時間で燃料を噴射することができる。このような応答性の高いインジェクターと前述した高圧に蓄圧できるコモンレールを組み合わせることによって燃料を勢いよく燃焼室に噴射し、燃料を微粒化して、燃焼特性を改善することができる。このように燃焼特性を改善することによって、排出ガスのさらなるクリーン化を図ることが行われている。
また、インジェクターの応答性改善によりインジェクターから短い噴射時間で燃料を噴射することができる。このような応答性の高いインジェクターと前述した高圧に蓄圧できるコモンレールを組み合わせることによって燃料を勢いよく燃焼室に噴射し、燃料を微粒化して、燃焼特性を改善することができる。このように燃焼特性を改善することによって、排出ガスのさらなるクリーン化を図ることが行われている。
また、ディーゼルエンジンでは、噴射される燃料の量とその噴射時期によって出力特性及び燃料消費率が左右される。つまり、必要な量の燃料を必要とされるときにエンジンに供給するためには、燃料噴射量制御装置では燃料の噴射量と噴射時期を適切に管理することが必要とされている。
燃料の噴射量は、燃料噴射時間と燃料圧力に基づいて導くことができ、実際に噴射が行われている時間を正確に検出することにより、燃料噴射量も正確に制御することができる。
このような燃料噴射量制御装置において、噴射される燃料噴射量の制御のために噴射開始時刻を検出するいくつかの技術が存在する(例えば、特許文献1)。
このような燃料噴射量制御装置において、噴射される燃料噴射量の制御のために噴射開始時刻を検出するいくつかの技術が存在する(例えば、特許文献1)。
特許文献1の技術によれば、燃料圧力を検出し、その燃料圧力の変動を1階微分した微分波形によって示される特徴に基づいて、燃料噴射開始時刻の検出を行うことが示されている。
この1階微分の波形に応じて変化する閾値を時間の関数として定め、その閾値に基づいて1階微分波形の変化を検出できることが記載されている。また、1階微分波形におけるいくつかの特徴点を検出し、燃料噴射の現象を検出できることが記載されている。しかしながら、それぞれの検出方法において、閾値の設定や、特徴点の検出について具体的な手法は示されていない。
一般に、サンプリングされた情報に基づいて、各種の補間処理がある連続的な変化を近似して導くことができる。補間処理による近似において、サンプリングされた情報に含まれる変動が本来の変化を示すものであるか、検出誤差などに影響されたものかの判定を少ないサンプリングデータに基づいて検出することが困難である。また、限られた処理時間内に行える演算量も制限されるため、複雑な処理は適していない。処理を簡素化して低次のモデルで近似する補間処理では、補間された情報は近似精度が低くなり、特徴の検出が困難であるという問題がある。
この1階微分の波形に応じて変化する閾値を時間の関数として定め、その閾値に基づいて1階微分波形の変化を検出できることが記載されている。また、1階微分波形におけるいくつかの特徴点を検出し、燃料噴射の現象を検出できることが記載されている。しかしながら、それぞれの検出方法において、閾値の設定や、特徴点の検出について具体的な手法は示されていない。
一般に、サンプリングされた情報に基づいて、各種の補間処理がある連続的な変化を近似して導くことができる。補間処理による近似において、サンプリングされた情報に含まれる変動が本来の変化を示すものであるか、検出誤差などに影響されたものかの判定を少ないサンプリングデータに基づいて検出することが困難である。また、限られた処理時間内に行える演算量も制限されるため、複雑な処理は適していない。処理を簡素化して低次のモデルで近似する補間処理では、補間された情報は近似精度が低くなり、特徴の検出が困難であるという問題がある。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、燃料圧力変動に影響されることなく、燃料噴射量の制御を安定に行える燃料噴射量制御装置を提供することにある。
上記問題を解決するために、請求項1に記載した発明は、供給された燃料を蓄圧する燃料蓄圧手段(例えば、実施の形態におけるコモンレール13)と、前記燃料蓄圧手段から供給される燃料を噴射する燃料噴射手段(例えば、実施の形態における燃料噴射弁6)と、前記蓄圧手段と前記燃料噴射手段との間の燃料圧力を検出する燃料圧力検出手段(例えば、実施の形態における燃料圧力センサ37)と、前記燃料圧力の変動値に基づいて燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御装置(例えば、実施の形態における燃料噴射量制御装置10)において、前記検出された燃料圧力の値によって示される関数に基づいて2階微分値を算出し、該2階微分値に基づいて燃料噴射が行われた燃料噴射開始時刻を判定する燃料噴射開始時刻判定手段(例えば、実施の形態におけるECU2の燃料噴射開始時刻判定部2c)と、該燃料噴射開始時刻に基づいて燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出手段(例えば、実施の形態におけるECU2の燃料噴射量算出部2d)と、を備えることを特徴とする燃料噴射量制御装置である。
請求項1に記載した発明によれば、燃料噴射開始時刻判定手段は、燃料圧力検出手段が検出した燃料圧力の値によって示される燃料圧力の変化を示す関数を定義する。燃料噴射開始時刻判定手段は、その関数に基づいて2階微分値を算出し、その2階微分値の値から燃料噴射が行われた燃料噴射開始時刻を判定する。燃料噴射量算出手段は、燃料噴射開始時刻に基づいて燃料噴射量を算出する。
そして、検出された燃料圧力の2階微分値から、燃料噴射にともなって変量圧力が減少を開始する変化点を検出することができる。また、燃料噴射開始時刻を正確に判定できることから、燃料噴射開始時の燃料圧力も正確に検出することができる。
そして、検出された燃料圧力の2階微分値から、燃料噴射にともなって変量圧力が減少を開始する変化点を検出することができる。また、燃料噴射開始時刻を正確に判定できることから、燃料噴射開始時の燃料圧力も正確に検出することができる。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明において、前記燃料噴射開始時刻判定手段は、前記2階微分値の算出に、テーラー展開の式に基づいて導かれる差分方程式を用いて算出することを特徴とする。
請求項2に記載した発明によれば、燃料噴射開始時刻判定手段は、テーラー展開の式に基づいて導かれる差分方程式を用いて2階微分値を算出する。
請求項2に記載した発明によれば、燃料噴射開始時刻判定手段は、テーラー展開の式に基づいて導かれる差分方程式を用いて2階微分値を算出する。
請求項3に記載した発明は、請求項2に記載した発明において、前記燃料噴射開始時刻判定手段は、前記差分方程式に中心差分方程式を用いて算出することを特徴とする。
請求項3に記載した発明によれば、燃料噴射開始時刻判定手段は、差分方程式に中心差分方程式を用いて算出する。そして、燃料噴射開始時刻判定手段は、検出された燃料圧力に含まれる変化に影響されることなく、その時点の微分演算を安定に行うことができる。
請求項3に記載した発明によれば、燃料噴射開始時刻判定手段は、差分方程式に中心差分方程式を用いて算出する。そして、燃料噴射開始時刻判定手段は、検出された燃料圧力に含まれる変化に影響されることなく、その時点の微分演算を安定に行うことができる。
請求項4に記載した発明は、請求項3に記載した発明において、前記燃料噴射開始時刻判定手段は、前記2階微分値の算出に、テーラー展開の式に基づいて導かれる1階差分方程式を用いた演算を2度繰り返して行うことを特徴とする。
請求項4に記載した発明によれば、燃料噴射開始時刻判定手段は、テーラー展開の式に基づいて導かれる1階差分方程式を用いた演算を2度繰り返して行い、2階微分値を算出する。そして、燃料噴射開始時刻判定手段は、値の小さな高次の成分を誤差として扱うことができ、検出精度が高い1階差分方程式によって燃料噴射の開始時刻を検出することができる。
請求項4に記載した発明によれば、燃料噴射開始時刻判定手段は、テーラー展開の式に基づいて導かれる1階差分方程式を用いた演算を2度繰り返して行い、2階微分値を算出する。そして、燃料噴射開始時刻判定手段は、値の小さな高次の成分を誤差として扱うことができ、検出精度が高い1階差分方程式によって燃料噴射の開始時刻を検出することができる。
請求項5に記載した発明は、請求項3に記載した発明において、前記燃料噴射開始時刻判定手段は、前記2階微分値の算出に、テーラー展開の式に基づいて導かれる2階差分方程式を用いて算出することを特徴とする。
請求項5に記載した発明によれば、燃料噴射開始時刻判定手段は、テーラー展開の式に基づいて導かれる2階差分方程式を用いて2階微分値を算出する。そして、燃料噴射開始時刻判定手段は、値の小さな高次の成分を誤差として扱うことができ、直接2階差分方程式によって燃料噴射の開始時刻を検出することができる。
請求項5に記載した発明によれば、燃料噴射開始時刻判定手段は、テーラー展開の式に基づいて導かれる2階差分方程式を用いて2階微分値を算出する。そして、燃料噴射開始時刻判定手段は、値の小さな高次の成分を誤差として扱うことができ、直接2階差分方程式によって燃料噴射の開始時刻を検出することができる。
請求項1から請求項5に記載した発明によれば、燃料圧力の変動に影響されずに燃料噴射時刻を安定に検出することが可能となる。
(第1実施形態)
図1を参照し本発明における実施形態の燃料噴射量制御装置10について説明する。燃料噴射量制御装置10は、図示されない車両に搭載されるディーゼルエンジン(以下、「エンジン1」という)に適応され、エンジン1の燃焼室に供給される燃料の圧力を制御する。
図1を参照し本発明における実施形態の燃料噴射量制御装置10について説明する。燃料噴射量制御装置10は、図示されない車両に搭載されるディーゼルエンジン(以下、「エンジン1」という)に適応され、エンジン1の燃焼室に供給される燃料の圧力を制御する。
燃料タンク11は、エンジン1に供給される燃料が収容される。その燃料タンク11内には、低圧ポンプP1が設けられている。
低圧ポンプP1には、ECU(Electronic Control Unit)2に接続されているモータP1−Mが設けられている。低圧ポンプP1は、ECU2によってモータP1−Mが制御され、エンジン1の運転中に常時作動する電動ポンプであり、燃料タンク11内の燃料を所定圧(例えば、0.5MPa(メガパスカル))まで増圧して吐出する。
低圧ポンプP1の吸入側にはフィルタ17が設けられ、吐出側には燃料供給路12が接続される。接続される燃料供給路12には、ECU2からの制御によって燃料の温度制御を行うヒータを備えるフィルタ18と、同じくECU2からの制御によって低圧ポンプP1から供給される燃料の流量を制御する電磁流量制御弁21とが順次設けられている。
低圧ポンプP1には、ECU(Electronic Control Unit)2に接続されているモータP1−Mが設けられている。低圧ポンプP1は、ECU2によってモータP1−Mが制御され、エンジン1の運転中に常時作動する電動ポンプであり、燃料タンク11内の燃料を所定圧(例えば、0.5MPa(メガパスカル))まで増圧して吐出する。
低圧ポンプP1の吸入側にはフィルタ17が設けられ、吐出側には燃料供給路12が接続される。接続される燃料供給路12には、ECU2からの制御によって燃料の温度制御を行うヒータを備えるフィルタ18と、同じくECU2からの制御によって低圧ポンプP1から供給される燃料の流量を制御する電磁流量制御弁21とが順次設けられている。
フィルタ18と電磁流量制御弁21の間の燃料供給路12には、燃料タンク11に燃料を戻す燃料戻し路16が分岐接続される。燃料戻し路16には、燃料供給路12の圧力制御を行う圧力制御弁22が介装されている。圧力制御弁22は、燃料供給路12の圧力が前述の所定圧を超えたときに開弁して燃料戻し路16を介して燃料を燃料タンク11内に戻す。
また、フィルタ18と電磁流量制御弁21の間の燃料供給路12において、燃料戻し路16の接続部と電磁流量制御弁21との間には、燃料温度センサ35が設けられている。燃料温度センサ35は、低圧ポンプP1から吐出された燃料の温度を検出し、検出された温度を表す検出信号SgTempをECU2に出力する。
また、フィルタ18と電磁流量制御弁21の間の燃料供給路12において、燃料戻し路16の接続部と電磁流量制御弁21との間には、燃料温度センサ35が設けられている。燃料温度センサ35は、低圧ポンプP1から吐出された燃料の温度を検出し、検出された温度を表す検出信号SgTempをECU2に出力する。
電磁流量制御弁21の下流側には、高圧ポンプP2が接続され、高圧ポンプP2の吐出側には高圧配管13aを介してコモンレール13が接続されている。高圧ポンプP2は、低圧ポンプP1から供給される燃料をさらに増圧してコモンレール13に供給する。高圧ポンプP2によって吐出される燃料は、電磁流量制御弁21において流量制御されることにより、その圧力が制御されることとなる。
コモンレール13の戻し路側には、高圧配管13dが接続され、この高圧配管13dには、燃料戻し路16が接続されている。高圧配管13dには、電磁圧力制御弁23が設けられ、電磁圧力制御弁23から燃料戻し路16までは、燃料戻し路14で接続されている。
この電磁圧力制御弁23は、機械的に動作する機能と、接続されるECU2からの制御によって電気的に動作する機能を有している。機械的な動作では、高圧ポンプP2の運転により燃料圧力Prailが所定の設定圧Prail_max(例えば、200MPa(メガパスカル))を超えたときに、開弁する。これにより、コモンレール13内の燃料が燃料タンク11内に戻され、燃料圧力Prailが所定の設定圧Prail_maxまで低減される。また、電気的動作では、必要に応じて出力されるECU2からの減圧指示にしたがって弁が開放されることにより、コモンレール13内に蓄圧された燃料を放出し減圧することができる。
この電磁圧力制御弁23は、機械的に動作する機能と、接続されるECU2からの制御によって電気的に動作する機能を有している。機械的な動作では、高圧ポンプP2の運転により燃料圧力Prailが所定の設定圧Prail_max(例えば、200MPa(メガパスカル))を超えたときに、開弁する。これにより、コモンレール13内の燃料が燃料タンク11内に戻され、燃料圧力Prailが所定の設定圧Prail_maxまで低減される。また、電気的動作では、必要に応じて出力されるECU2からの減圧指示にしたがって弁が開放されることにより、コモンレール13内に蓄圧された燃料を放出し減圧することができる。
また、コモンレール13は、高圧ポンプP2によって加圧され供給される燃料の量と、電磁圧力制御弁23などで放出され減圧される量とをバランスさせることによって、その内部空間を高圧の状態(例えば、200MPa(メガパスカル))で蓄える燃料室となる。
このコモンレール13には、エンジン1に燃料を噴射する4つの燃料噴射弁6−1〜6−4(以下、まとめて表すときには、「燃料噴射弁6」という。)に燃料を供給する高圧配管13b−1〜13b−4が接続されている。
燃料噴射弁6は、ECU2からの制御信号などにより開弁してコモンレール13から供給される燃料をエンジン1の燃焼室内に噴射する。
このコモンレール13には、エンジン1に燃料を噴射する4つの燃料噴射弁6−1〜6−4(以下、まとめて表すときには、「燃料噴射弁6」という。)に燃料を供給する高圧配管13b−1〜13b−4が接続されている。
燃料噴射弁6は、ECU2からの制御信号などにより開弁してコモンレール13から供給される燃料をエンジン1の燃焼室内に噴射する。
高圧配管13b−1〜13b−4のコモンレール13への接続点付近には、オリフィス13c−1〜13c−4(以下、まとめて表すときには、「オリフィス13c」という。)がそれぞれ設けられる。このオリフィス13cは、燃料噴射弁6からの燃料噴射によって生じる高圧配管13b−1〜13b−4における燃料圧力の圧力変動によって起こる、コモンレール13の圧力変動の影響を低減させることができる。
また、そのオリフィス13cの下流側には、燃料圧力センサ37−1〜37−4(以下、まとめて表すときには、「燃料圧力センサ37」という。)がそれぞれ取り付けられる。この燃料圧力センサ37は、オリフィス13cの下流側の燃料圧力を検出する。燃料圧力センサ37は、検出された圧力を示す検出信号SgPをECU2に出力する。
また、そのオリフィス13cの下流側には、燃料圧力センサ37−1〜37−4(以下、まとめて表すときには、「燃料圧力センサ37」という。)がそれぞれ取り付けられる。この燃料圧力センサ37は、オリフィス13cの下流側の燃料圧力を検出する。燃料圧力センサ37は、検出された圧力を示す検出信号SgPをECU2に出力する。
燃料戻し路15は、それぞれの燃料噴射弁6からの燃料の戻り路を示し、並列に接続されるチェック弁24と圧力制御バルブ25を介して低圧ポンプP1とフィルタ18との間の燃料供給路12に接続されている。
この燃料戻し路15の途中に設けられるチェック弁24と圧力制御バルブ25は、燃料噴射弁6からの排出油の圧力を一定に調整する。圧力制御バルブ25は、エンジン1の運転開始時には、燃料供給路12から燃料噴射弁6に至る燃料戻し路15を燃料供給路12に接続される低圧ポンプP1によって加圧させる働きも有する。
この燃料戻し路15の途中に設けられるチェック弁24と圧力制御バルブ25は、燃料噴射弁6からの排出油の圧力を一定に調整する。圧力制御バルブ25は、エンジン1の運転開始時には、燃料供給路12から燃料噴射弁6に至る燃料戻し路15を燃料供給路12に接続される低圧ポンプP1によって加圧させる働きも有する。
ECU2は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)およびI/O(Input/Output)インターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成される。
ECU2は、燃料噴射制御を行うための主な機能として、燃料噴射タイミング制御部2a、燃料噴射量制御部2b、燃料噴射開始時刻判定部2c及び燃料噴射量算出部2dの機能を備える。
ECU2における燃料噴射タイミング制御部2aは、エンジン1に設けられたクランク角センサ33によって検出されるエンジン1のクランク角度情報SgDegから、燃料噴射弁6での燃料噴射タイミングを制御する。また、燃料噴射量制御部2bは、前述した燃料温度センサ35からの検出信号SgTemp、燃料圧力センサ37からの検出信号SgPなどの検出信号に応じてエンジン1の運転状態を判断し、電磁流量制御弁21、電磁圧力制御弁23、低圧ポンプP1を制御することによりコモンレール13の圧力を制御するとともに、燃料噴射弁6を開閉動作させることにより燃料噴射量制御を実行する。
ECU2は、燃料噴射制御を行うための主な機能として、燃料噴射タイミング制御部2a、燃料噴射量制御部2b、燃料噴射開始時刻判定部2c及び燃料噴射量算出部2dの機能を備える。
ECU2における燃料噴射タイミング制御部2aは、エンジン1に設けられたクランク角センサ33によって検出されるエンジン1のクランク角度情報SgDegから、燃料噴射弁6での燃料噴射タイミングを制御する。また、燃料噴射量制御部2bは、前述した燃料温度センサ35からの検出信号SgTemp、燃料圧力センサ37からの検出信号SgPなどの検出信号に応じてエンジン1の運転状態を判断し、電磁流量制御弁21、電磁圧力制御弁23、低圧ポンプP1を制御することによりコモンレール13の圧力を制御するとともに、燃料噴射弁6を開閉動作させることにより燃料噴射量制御を実行する。
ECU2では、検出信号SgPに基づいて、コモンレール13内の燃料圧力である燃料圧力Prail及び燃料噴射弁6による燃料噴射によって生じる燃料圧力変動を導く。
燃料噴射開始時刻判定部2cは、燃料圧力センサ37によって検出された燃料圧力をサンプリングし、サンプリングされた燃料圧力情報を記録する。そのサンプリングされた燃料圧力情報に基づいて、予め定められる演算式を用いて燃料噴射開始時刻を検出する。燃料噴射開始時刻は、後述のテーラー展開の式から導かれた中心差分方程式によって算出され、燃料圧力情報によって示される関数を2階微分する演算処理の結果から検出される。
燃料噴射量算出部2dは、燃料圧力センサ37によって検出された燃料圧力の変動値に基づいて燃料噴射量を算出する。
燃料噴射開始時刻判定部2cは、燃料圧力センサ37によって検出された燃料圧力をサンプリングし、サンプリングされた燃料圧力情報を記録する。そのサンプリングされた燃料圧力情報に基づいて、予め定められる演算式を用いて燃料噴射開始時刻を検出する。燃料噴射開始時刻は、後述のテーラー展開の式から導かれた中心差分方程式によって算出され、燃料圧力情報によって示される関数を2階微分する演算処理の結果から検出される。
燃料噴射量算出部2dは、燃料圧力センサ37によって検出された燃料圧力の変動値に基づいて燃料噴射量を算出する。
なお、燃料圧力センサ37は、各高圧配管13b−1〜13b−4にそれぞれ独立に設けられる形態を例示し、それぞれの燃料圧力センサ37が独立に燃料圧力を検出することとしたが、少なくとも高圧配管13b−1〜13b−4のうちいずれか1箇所に設けた燃料圧力センサ37が、コモンレール13及び各高圧配管13b−1〜13b−4の燃料圧力を検出することも可能である。その際、ECU2は、1つの燃料圧力センサ37によって検出された検出信号から、コモンレール13及び他の高圧配管13bの燃料圧力を導く処理を行う。
以上に示した構成により、この燃料噴射量制御装置10では、電磁流量制御弁21により流量制御される高圧ポンプP2の運転状態、電磁圧力制御弁23の開閉状態、および燃料噴射弁6の開閉状態により、コモンレール13の燃料圧力Prailが所定の設定値Prail_maxを上限とする範囲内で制御される。
なお、図1で示される実線での接続は、燃料系の配管を示し、一点鎖線での接続は、電気信号による制御線での接続を示すものとする。また、燃料タンク11内に低圧ポンプP1が設けられていることとしたが、低圧ポンプP1を燃料タンク11の外に配置したものでも良い。
なお、図1で示される実線での接続は、燃料系の配管を示し、一点鎖線での接続は、電気信号による制御線での接続を示すものとする。また、燃料タンク11内に低圧ポンプP1が設けられていることとしたが、低圧ポンプP1を燃料タンク11の外に配置したものでも良い。
続いて、本発明の燃料噴射量制御装置10における燃料噴射時の燃料圧力変動と燃料噴射量の関係について説明する。
図1に示した燃料圧力センサ37は、高圧配管13b−1〜13b−4内に設けられたオリフィス13cの下流部の圧力を検出する。燃料噴射により噴射される燃料の量は、式(1)に示される関係が成立する。
図1に示した燃料圧力センサ37は、高圧配管13b−1〜13b−4内に設けられたオリフィス13cの下流部の圧力を検出する。燃料噴射により噴射される燃料の量は、式(1)に示される関係が成立する。
式(1)において、Cが流量係数を示し、Aが燃料噴射弁6の開口面積を示し、ΔPが燃料噴射弁6に供給される燃料圧力とエンジン1の燃焼室内の圧力との差を示し、ρが液体の密度を示し、Qが燃料噴射弁6から噴射される燃料の噴射量、Twが燃料噴射弁6に印加される燃料噴射指令の継続時間を示す。
この式によって示される流量Qは、燃料噴射指令Tiを継続する時間に比例する。
一方、燃料噴射指令Tiを継続して出力する時間を所定の値に定めた場合、流量Qは、圧力差ΔPの関数となる。また、エンジン1の燃焼室における燃料圧力に変化がないとすれば、圧力差ΔPは、燃料噴射弁6に供給される燃料圧力の変化に依存する。すなわち、流量Qは、燃料噴射弁6に供給される燃料圧力に依存して変化する。
この式によって示される流量Qは、燃料噴射指令Tiを継続する時間に比例する。
一方、燃料噴射指令Tiを継続して出力する時間を所定の値に定めた場合、流量Qは、圧力差ΔPの関数となる。また、エンジン1の燃焼室における燃料圧力に変化がないとすれば、圧力差ΔPは、燃料噴射弁6に供給される燃料圧力の変化に依存する。すなわち、流量Qは、燃料噴射弁6に供給される燃料圧力に依存して変化する。
図2は、燃料噴射量制御装置10における燃料噴射時の燃料圧力の変動を示すタイミングチャートである。
(a)は、燃料噴射過程の燃料圧力をモデル化して示した波形である。燃料噴射によって変動する燃料圧力Pを燃料圧力センサ37が検出する。波形gPは、検出された燃料圧力Pに基づいて、ECU2がサンプリングして取り込んだ燃料圧力情報をモデル化して示している。
(b)は、波形gPによって示される燃料圧力Pの値の変化率を示す波形gP’を示す。波形gP’は、波形gPによって示された関数を1階微分した結果を示している。
(c)は、波形gPによって示される燃料圧力Pに基づいて、燃料圧力Pの変化を2階微分した結果を波形gP”に示す。
(a)は、燃料噴射過程の燃料圧力をモデル化して示した波形である。燃料噴射によって変動する燃料圧力Pを燃料圧力センサ37が検出する。波形gPは、検出された燃料圧力Pに基づいて、ECU2がサンプリングして取り込んだ燃料圧力情報をモデル化して示している。
(b)は、波形gPによって示される燃料圧力Pの値の変化率を示す波形gP’を示す。波形gP’は、波形gPによって示された関数を1階微分した結果を示している。
(c)は、波形gPによって示される燃料圧力Pに基づいて、燃料圧力Pの変化を2階微分した結果を波形gP”に示す。
このタイミングチャートを時間経過にしたがって、各波形によって示される変化を説明する。
時刻t0において、断続的に行われる噴射過程において、断続して行われる分割噴射のうち先の燃料噴射(パイロット噴射)が行われた結果、そのパイロット噴射による燃料が消費され、燃料噴射弁6に供給されている燃料圧力Pが低下する。その燃料圧力Pの低下に伴い、燃料圧力Pを示す波形gPが右下がりの傾きを示す(図(a)参照)。また、波形gPを1階微分した波形gP’(図(b)参照)は、負の値を示す。また、波形gPを2階微分した波形gP”(図(c)参照)は、燃料圧力Pの低下率が高まることにより、右下がりの傾きを示す。波形gP”において、負の値を示す状態は燃料圧力Pの低下率が徐々に大きくなる状態を示す。反対に、波形gP”において、正の値を示す状態は燃料圧力Pの上昇率が徐々に大きくなる状態を示す。
その後、燃料圧力Pは、徐々に当初の圧力に復帰する傾向を示すようになると、波形gP’は正の値を示し、波形gP”は、正の値に転じる。図に示すように、波形gP’及び波形gP”は、波形gPの変化に応じて変化する。
時刻t0において、断続的に行われる噴射過程において、断続して行われる分割噴射のうち先の燃料噴射(パイロット噴射)が行われた結果、そのパイロット噴射による燃料が消費され、燃料噴射弁6に供給されている燃料圧力Pが低下する。その燃料圧力Pの低下に伴い、燃料圧力Pを示す波形gPが右下がりの傾きを示す(図(a)参照)。また、波形gPを1階微分した波形gP’(図(b)参照)は、負の値を示す。また、波形gPを2階微分した波形gP”(図(c)参照)は、燃料圧力Pの低下率が高まることにより、右下がりの傾きを示す。波形gP”において、負の値を示す状態は燃料圧力Pの低下率が徐々に大きくなる状態を示す。反対に、波形gP”において、正の値を示す状態は燃料圧力Pの上昇率が徐々に大きくなる状態を示す。
その後、燃料圧力Pは、徐々に当初の圧力に復帰する傾向を示すようになると、波形gP’は正の値を示し、波形gP”は、正の値に転じる。図に示すように、波形gP’及び波形gP”は、波形gPの変化に応じて変化する。
時刻t1において、断続して行われる分割噴射のうち後の燃料噴射(メイン噴射)が始まる。この燃料噴射の開始時刻(時刻t1)は、燃料噴射弁6の応答性能などにより影響され、ECU2が出力した燃料噴射指令Tiからの遅延時間、すなわちむだ時間となって現れる。このむだ時間は、個々の装置の状況による個体差によって、時刻t1の時刻は変動する。
燃料噴射開始時(時刻t1)の燃料圧力Pの値をP0とする。燃料噴射の開始に伴って、燃料圧力Pが低下し、波形gPの傾きが右下がり示す。また、波形gPを1階微分した波形gP’も、燃料圧力Pが低下することから負の値を示す。また、波形gPを2階微分した波形gP”では、燃料圧力Pの低下する変化率が増すことから負の値を示すようになる。
燃料噴射開始時(時刻t1)の燃料圧力Pの値をP0とする。燃料噴射の開始に伴って、燃料圧力Pが低下し、波形gPの傾きが右下がり示す。また、波形gPを1階微分した波形gP’も、燃料圧力Pが低下することから負の値を示す。また、波形gPを2階微分した波形gP”では、燃料圧力Pの低下する変化率が増すことから負の値を示すようになる。
この時刻t1を過ぎると、燃料噴射の多い燃料噴射(メイン噴射)により燃料圧力Pの値は急激に低下する。
また、ECU2が燃料噴射指令Tiを停止し、燃料噴射指令Tiの停止からむだ時間の遅れを持って、実際の燃料噴射が停止する(時刻t2)。燃料噴射弁6からの燃料噴射が停止すると、その後の燃料圧力Pは、水撃の原理により上昇に転じる。
時刻t3において、燃料圧力Pは燃料噴射を始める前の圧力を経てさらに上昇する。この燃料圧力Pの変動は、周期性を示す減衰振動による変化が継続する。
また、ECU2が燃料噴射指令Tiを停止し、燃料噴射指令Tiの停止からむだ時間の遅れを持って、実際の燃料噴射が停止する(時刻t2)。燃料噴射弁6からの燃料噴射が停止すると、その後の燃料圧力Pは、水撃の原理により上昇に転じる。
時刻t3において、燃料圧力Pは燃料噴射を始める前の圧力を経てさらに上昇する。この燃料圧力Pの変動は、周期性を示す減衰振動による変化が継続する。
ここで、時刻t1周辺の各波形について比較する。
図(a)に示した燃料圧力を示す波形gPでは、パイロット噴射に加え燃料噴射弁6の制御によって消費された燃料の影響があり、燃料噴射指令Tiが出力された時点より圧力が低い圧力P0に低下している。その低下した圧力P0から回復する前にメイン噴射が開始されるため、噴射開始となる圧力を予め設定することが困難である。仮に燃料圧力Pを判定する閾値を設定したとしても、燃料圧力Pの変動を見込んだ閾値としなければならず、噴射開始時刻の検出が遅れ、時間遅れ方向の誤差が大きく含まれることになる。そのため、燃料圧力の低下を検出する閾値を設定しても、燃料噴射開始時刻を検出することが困難である。
図(a)に示した燃料圧力を示す波形gPでは、パイロット噴射に加え燃料噴射弁6の制御によって消費された燃料の影響があり、燃料噴射指令Tiが出力された時点より圧力が低い圧力P0に低下している。その低下した圧力P0から回復する前にメイン噴射が開始されるため、噴射開始となる圧力を予め設定することが困難である。仮に燃料圧力Pを判定する閾値を設定したとしても、燃料圧力Pの変動を見込んだ閾値としなければならず、噴射開始時刻の検出が遅れ、時間遅れ方向の誤差が大きく含まれることになる。そのため、燃料圧力の低下を検出する閾値を設定しても、燃料噴射開始時刻を検出することが困難である。
次に、図(b)に示した1階微分を施した波形gP’では、燃料噴射開始前の燃料圧力の変化が少ないことから、0(零)に近い値を示し遷移する。燃料噴射が始まると燃料圧力Pの低下に伴って負の値を示す。この波形に基づいて燃料噴射開始を検出するには、噴射開始直前の値が0(零)に近い値をとることから、噴射開始の閾値に0を設定することができず、0近傍で変化する変動を検出しないだけの余裕を見込んで負の値を設定することになり、噴射開始時刻の検出が遅れ、時間遅れ方向の誤差が大きく含まれることになる。そのため、燃料圧力の変化の値を検出する閾値を設定しても、燃料噴射開始時刻を検出することが困難である。
次に、図(c)に示した2階微分を施した波形gP”では、メイン噴射開始前に行われたパイロット噴射により、燃料圧力Pが一端低下するが、徐々に燃料圧力が回復する変化を示すことから、燃料圧力が回復する期間は正の値を示す。一方、メイン噴射が始まると急激に燃料圧力が低下することから、燃料噴射開始後は負の値を示す。この波形の特徴を利用して、噴射開始を検出する閾値を0に設定することができる。
ここで、2階微分を導く方法について説明する。
与えられた関数の値に基づいて、その関数を近似する方法にテーラー展開がある。テーラー展開の式は、式(2)に示されるように、任意の変数における関数f(x)の値と、その関数のn次微分f(n)(x)の値に基づいて定義される。
与えられた関数の値に基づいて、その関数を近似する方法にテーラー展開がある。テーラー展開の式は、式(2)に示されるように、任意の変数における関数f(x)の値と、その関数のn次微分f(n)(x)の値に基づいて定義される。
式(2)において、hは、微小な値の定数であって、変数xと、変数x近傍の値との差を示す。
また、任意の変数におけるn階微分の近似値を導くのに、離散化されたデータ列の値を用いて導かれる差分方程式がある。この差分方程式では、任意の変数を基準にして変数の片側に位置するデータの値を用いる場合と、その変数を基準にして変数を挟んで両側のデータの値を用いる場合とがある。前者を中間差分方程式といい、後者を、変数の増加方向の近傍の値を用いる場合には、前進差分方程式という。
また、任意の変数におけるn階微分の近似値を導くのに、離散化されたデータ列の値を用いて導かれる差分方程式がある。この差分方程式では、任意の変数を基準にして変数の片側に位置するデータの値を用いる場合と、その変数を基準にして変数を挟んで両側のデータの値を用いる場合とがある。前者を中間差分方程式といい、後者を、変数の増加方向の近傍の値を用いる場合には、前進差分方程式という。
図3を参照し、差分方程式におけるデータの扱い方について示す。
(a)は、中心差分による演算処理を任意の変数t1の前後1点ずつを選択して示したものである。
図に示される変数t1における関数の傾きが示されている。変数t1からdtだけ隔てた前後の変数(t1−dt)と(t1+dt)における関数の値を結んだ線分の傾きを、先の変数t1における関数の傾きと比較すると、傾きが近い値になっていることが明らかである。
一方、(b)は、前進差分による演算処理を任意の変数t1に隣接する1点を選択して示したものである。
変数t1と変数(t1+dt)の値を結んだ線の傾きと、変数t1における関数の接線の傾きとを比較してみると、上記の中心差分による方法に対して誤差が大きくなることが示されている。データにノイズが含まれ変動するような場合の処理には、中心差分の方が微分値との乖離が少ない。以下の説明では、差分方程式には、微分値との乖離が少ない中心差分方程式を用いることとする。
(a)は、中心差分による演算処理を任意の変数t1の前後1点ずつを選択して示したものである。
図に示される変数t1における関数の傾きが示されている。変数t1からdtだけ隔てた前後の変数(t1−dt)と(t1+dt)における関数の値を結んだ線分の傾きを、先の変数t1における関数の傾きと比較すると、傾きが近い値になっていることが明らかである。
一方、(b)は、前進差分による演算処理を任意の変数t1に隣接する1点を選択して示したものである。
変数t1と変数(t1+dt)の値を結んだ線の傾きと、変数t1における関数の接線の傾きとを比較してみると、上記の中心差分による方法に対して誤差が大きくなることが示されている。データにノイズが含まれ変動するような場合の処理には、中心差分の方が微分値との乖離が少ない。以下の説明では、差分方程式には、微分値との乖離が少ない中心差分方程式を用いることとする。
そこで、式(2)に示したテーラー展開の式を、変数(tk)から、それぞれhと2h離れた周辺の前後2点について導き、変数(tk−2h)、(tk−h)、(tk)、(tk+h)及び(tk+2h)における展開式をそれぞれ式(3)に示す。
式(3)において、fk-2、fk-1、fk、fk+1及びfk+2は、変数(tk−2h)、(tk−h)、(tk)、(tk+h)及び(tk+2h)における関数の値を示し、また、hは、隣接する変数が等間隔であるとしたときのその間隔を示す値としたときの関係を、それぞれを式(4)に示す。
ここで、式(3)の右辺第2項に示される1階微分f’(・)の項が残るように、係数を選択し、式(3)に示されるそれぞれの式にその係数を乗じて、加算する。選択された係数によって導かれる関係式を式(5)に示す。
式(5)は、次のことを示している。
(1)変数(tk)を中心とした、変数(tk)を含めて計5点の範囲の情報を用いた演算から、その変化を示す関数の1階微分の値を近似演算する。
(2)変数(tk)を中心に、近傍の2点の値を示す式に乗じた係数が、残りの2点より重み付けが高く設定される。
(3)式に乗じた係数は、変数(tk)に対してそれぞれの絶対値が対象であり、符号が反転している。
(2)変数(tk)を中心に、近傍の2点の値を示す式に乗じた係数が、残りの2点より重み付けが高く設定される。
(3)式に乗じた係数は、変数(tk)に対してそれぞれの絶対値が対象であり、符号が反転している。
上記の係数により、右辺第3項、第5項は、相殺され「0(零)」となる。右辺第1項、第4項も、乗じた係数の設定により「0(零)」になる。したがって、右辺は、第2項と、第6項(5階微分以上の項)とが残る。第6項は、5階微分以上の項にまとめて示される高次の項であり、小さな値となることから、「0(零)」とみなすことができる。そのように近似することにより、演算を簡素化できる。
検出された燃料圧力をPkで示し、高次の項を「0(零)」とみなした近似式を式(6)に示す。
検出された燃料圧力をPkで示し、高次の項を「0(零)」とみなした近似式を式(6)に示す。
式(6)では、時刻tk周辺における燃料圧力Pk−2、Pk−1、Pk+1、Pk+2から、時刻tkにおける燃料圧力の変化率、すなわち微分係数を近似式によって導けることが示される。
したがって、テイラー展開の式に基づいて導かれた式(5)に示した中間差分方程式を用いることで、任意の変数(tk)における1階差分演算を行えることが示された。ここで導かれた1階差分演算の値を、変数(tk)における1階微分係数の近似値として扱う。
また、燃料圧力Pの2階微分を導出するのに、式(5)に示した1階差分演算を2回繰り返して行うことにより、式(6)で導かれた近似値に基づいて、式(7)に示すように2階微分演算を近似することとする。
式(7)では、時刻tk周辺の燃料圧力の変化率P’k−2、P’k−1、P’k+1、P’k+2から、時刻tkにおける燃料圧力の2階微分係数を近似式によって導けることが示される。
図を参照し、上記に示した演算方法から導かれた結果を具体的に示す。
図4は、第1実施形態における燃料噴射時の燃料圧力波形を示す図である。
この図に示される横軸は、時間の経過を示し、中心差分演算の変数を示す。縦軸は、燃料圧力Pと、1階微分係数と2階微分係数の値を示す。図に示す時刻t0〜t3は、図2に示した時刻と同じタイミングを示す。
波形gP1が、燃料圧力Pの値を示し、波形gP1’が、燃料圧力Pの変化率(1階微分の結果)を示し、波形gP1”が、燃料圧力Pの2階微分の結果を示す。
波形gP1”について時刻t1近傍について整理すると、時刻t1までは正の値をとり、時刻t1において横軸と交差して負の値をとることが示される。燃料噴射弁6から燃料噴射が開始された時刻をその時刻t1から検出することができる。
図4は、第1実施形態における燃料噴射時の燃料圧力波形を示す図である。
この図に示される横軸は、時間の経過を示し、中心差分演算の変数を示す。縦軸は、燃料圧力Pと、1階微分係数と2階微分係数の値を示す。図に示す時刻t0〜t3は、図2に示した時刻と同じタイミングを示す。
波形gP1が、燃料圧力Pの値を示し、波形gP1’が、燃料圧力Pの変化率(1階微分の結果)を示し、波形gP1”が、燃料圧力Pの2階微分の結果を示す。
波形gP1”について時刻t1近傍について整理すると、時刻t1までは正の値をとり、時刻t1において横軸と交差して負の値をとることが示される。燃料噴射弁6から燃料噴射が開始された時刻をその時刻t1から検出することができる。
図を参照し、燃料噴射開始時刻の検出手順を説明する。
図5は、第1実施形態における燃料噴射開始時刻検出処理を示すフローチャートである。
燃料圧力センサ37が検出した燃料圧力PをECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cが取り込んで、予め定められたサンプリング周期にしたがってサンプリングする。サンプリングされたデータ(燃料圧力情報)は、ECU2内部の記憶部に割り当てられた記憶領域に、時系列データとして記録される(ステップSa10)。
次に、ECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cは、記憶されている燃料圧力情報を参照し、直近にサンプリングされた数個の燃料圧力情報に基づいて、高域周波数成分を除去するためのローパスフィルタ(LPF)処理を行い、処理結果を改めて記憶領域に記録する。このローパスフィルタ処理は、カットオフ周波数に、例えば10kHz(キロヘルツ)を設定したデジタルフィルタ処理により実施される(ステップSa12)。
図5は、第1実施形態における燃料噴射開始時刻検出処理を示すフローチャートである。
燃料圧力センサ37が検出した燃料圧力PをECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cが取り込んで、予め定められたサンプリング周期にしたがってサンプリングする。サンプリングされたデータ(燃料圧力情報)は、ECU2内部の記憶部に割り当てられた記憶領域に、時系列データとして記録される(ステップSa10)。
次に、ECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cは、記憶されている燃料圧力情報を参照し、直近にサンプリングされた数個の燃料圧力情報に基づいて、高域周波数成分を除去するためのローパスフィルタ(LPF)処理を行い、処理結果を改めて記憶領域に記録する。このローパスフィルタ処理は、カットオフ周波数に、例えば10kHz(キロヘルツ)を設定したデジタルフィルタ処理により実施される(ステップSa12)。
次に、ECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cは、式(6)に示した1階差分演算式により、燃料圧力Pに基づいた1階変化率演算を行う。ECU2は、ローパスフィルタ処理された情報を参照して、1階変化率演算を行い、演算結果を記憶領域に記録する(ステップSa14)。
次に、ECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cは、式(7)に示した1階差分演算式により、燃料圧力Pに基づいた2階変化率演算を行う。ECU2は、ローパスフィルタ処理された情報を参照して、2階変化率演算を行い、演算結果を記憶領域に記録する(ステップSa16)。
次に、ECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cは、ステップSa16によって導かれた2階変化率演算の結果(2階微分値)に基づいて燃料噴射開始時刻を判定する。燃料噴射時刻は、メイン噴射による燃料噴射が始まると推定される期間において、2階変化率演算の結果が正の値から負の値に変化する時刻を検出することにより判定を行う(ステップSa18)。
この燃料噴射開始時刻判定部2cによるの燃料噴射開始時刻の判定結果に基づいて、ECU2の燃料噴射量算出部2dは、その時刻の燃料圧力P0を基準にした燃料圧力変動量を検出して噴射量Qを算出する。
次に、ECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cは、式(7)に示した1階差分演算式により、燃料圧力Pに基づいた2階変化率演算を行う。ECU2は、ローパスフィルタ処理された情報を参照して、2階変化率演算を行い、演算結果を記憶領域に記録する(ステップSa16)。
次に、ECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cは、ステップSa16によって導かれた2階変化率演算の結果(2階微分値)に基づいて燃料噴射開始時刻を判定する。燃料噴射時刻は、メイン噴射による燃料噴射が始まると推定される期間において、2階変化率演算の結果が正の値から負の値に変化する時刻を検出することにより判定を行う(ステップSa18)。
この燃料噴射開始時刻判定部2cによるの燃料噴射開始時刻の判定結果に基づいて、ECU2の燃料噴射量算出部2dは、その時刻の燃料圧力P0を基準にした燃料圧力変動量を検出して噴射量Qを算出する。
(第2実施形態)
第2実施形態では、2階微分係数の導出を、中心差分方程式を用いた1回の演算によって導く形態を示す。第1実施形態に示した形態において、燃料噴射開始時刻検出処理の処理方法が異なり、その相違点を中心に説明する。
第1実施形態における式(5)に代え、別の中心差分方程式を定義する。
ここで、式(3)の右辺第2項に示される2階微分f”(・)の項が残るように、係数を選択し、式(3)に示されるそれぞれの式にその係数を乗じて、加算する。選択された係数によって導かれる関係式を式(8)に示す。
第2実施形態では、2階微分係数の導出を、中心差分方程式を用いた1回の演算によって導く形態を示す。第1実施形態に示した形態において、燃料噴射開始時刻検出処理の処理方法が異なり、その相違点を中心に説明する。
第1実施形態における式(5)に代え、別の中心差分方程式を定義する。
ここで、式(3)の右辺第2項に示される2階微分f”(・)の項が残るように、係数を選択し、式(3)に示されるそれぞれの式にその係数を乗じて、加算する。選択された係数によって導かれる関係式を式(8)に示す。
式(8)は、次のことを示している。
(1)変数(tk)を中心とした、変数(tk)を含めて計5点の範囲の情報を用いた演算から、その変化を示す関数の1階微分の値を近似演算する。
(2)変数(tk)を中心に、近傍の2点の値を示す式に乗じた係数は、残りの2点より重み付けが高く設定される。
(3)式に乗じた係数は、変数(tk)に対してそれぞれの対象である。
(2)変数(tk)を中心に、近傍の2点の値を示す式に乗じた係数は、残りの2点より重み付けが高く設定される。
(3)式に乗じた係数は、変数(tk)に対してそれぞれの対象である。
上記の係数により、右辺第2項、第4項は、相殺され「0(零)」となる。右辺第1項、第5項も、乗じた係数の設定により「0(零)」になる。したがって、右辺は、第3項と、第6項(5階微分以上の項)とが残る。第6項として、5階微分以上の項にまとめて示される高次の項の値は、小さな値となることから、「0(零)」とみなスことができる。そのように近似することにより、演算を簡素化できる。
検出された燃料圧力をPkで示し、高次の項を「0(零)」とみなした近似式を式(9)に示す。
式(9)では、時刻tk周辺における燃料圧力Pk−2、Pk−1、Pk、Pk+1、Pk+2から、時刻tkにおける燃料圧力の変化率、すなわち2階微分係数を近似式によって導けることが示される。
したがって、テイラー展開の式に基づいて導かれた式(8)に示した中間差分方程式を用いることで、任意の変数(tk)における2階差分演算を行えることが示された。2階差分演算の値を、変数(tk)における2階微分係数の近似値として扱う。
燃料圧力Pの2階微分を導出は、式(9)に示した2階差分演算を1回行うことにより、2階微分演算を近似することとする。
燃料圧力Pの2階微分を導出は、式(9)に示した2階差分演算を1回行うことにより、2階微分演算を近似することとする。
図を参照し、上記に示した演算方法から導かれた結果を具体的に示す。
図6は、第2実施形態における燃料噴射時の燃料圧力波形を示す図である。
この図に示される横軸は、時間の経過を示し、中心差分演算の変数を示す。縦軸は、燃料圧力Pと、2階微分係数の値を示す。図に示す時刻t0〜t3は、図2に示した時刻と同じタイミングを示す。
波形gP2が、燃料圧力Pの値を示し、波形gP2”が、燃料圧力Pの2階微分の結果を示す。
波形gP2”について時刻t1近傍について整理すると、時刻t1までは正の値をとり、時刻t1において横軸と交差して負の値をとることが示される。燃料噴射弁6から燃料噴射が開始された時刻をその時刻t1から検出することができる。
図6は、第2実施形態における燃料噴射時の燃料圧力波形を示す図である。
この図に示される横軸は、時間の経過を示し、中心差分演算の変数を示す。縦軸は、燃料圧力Pと、2階微分係数の値を示す。図に示す時刻t0〜t3は、図2に示した時刻と同じタイミングを示す。
波形gP2が、燃料圧力Pの値を示し、波形gP2”が、燃料圧力Pの2階微分の結果を示す。
波形gP2”について時刻t1近傍について整理すると、時刻t1までは正の値をとり、時刻t1において横軸と交差して負の値をとることが示される。燃料噴射弁6から燃料噴射が開始された時刻をその時刻t1から検出することができる。
図を参照し、燃料噴射開始時刻の検出手順を説明する。
図7は、第2実施形態における燃料噴射開始時刻検出処理を示すフローチャートである。
燃料圧力センサ37が検出した燃料圧力PをECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cが取り込んで、予め定められたサンプリング周期にしたがってサンプリングする。サンプリングされたデータ(燃料圧力情報)は、ECU2内部の記憶部に割り当てられた記憶領域に、時系列データとして記録される(ステップSb20)。
次に、ECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cは、記憶されている燃料圧力情報を参照し、直近にサンプリングされた数個の燃料圧力情報に基づいて、高域周波数成分を除去するためのローパスフィルタ(LPF)処理を行い、処理結果を改めて記憶領域に記録する。このローパスフィルタ処理は、カットオフ周波数に、例えば10kHz(キロヘルツ)を設定したデジタルフィルタ処理により実施される(ステップSb22)。
図7は、第2実施形態における燃料噴射開始時刻検出処理を示すフローチャートである。
燃料圧力センサ37が検出した燃料圧力PをECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cが取り込んで、予め定められたサンプリング周期にしたがってサンプリングする。サンプリングされたデータ(燃料圧力情報)は、ECU2内部の記憶部に割り当てられた記憶領域に、時系列データとして記録される(ステップSb20)。
次に、ECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cは、記憶されている燃料圧力情報を参照し、直近にサンプリングされた数個の燃料圧力情報に基づいて、高域周波数成分を除去するためのローパスフィルタ(LPF)処理を行い、処理結果を改めて記憶領域に記録する。このローパスフィルタ処理は、カットオフ周波数に、例えば10kHz(キロヘルツ)を設定したデジタルフィルタ処理により実施される(ステップSb22)。
次に、ECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cは、式(9)に示した2階差分演算式により、燃料圧力Pに基づいた2階変化率演算を行う。ECU2は、ローパスフィルタ処理された情報を参照して、2階変化率演算を行い、演算結果を記憶領域に記録する(ステップSb24)。
次に、ECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cは、ステップSb24によって導かれた2階変化率演算の結果に基づいて燃料噴射開始時刻を判定する。燃料噴射時刻は、メイン噴射による燃料噴射が始まると推定される期間において、2階変化率演算の結果が正の値から負の値に変化する時刻を検出することにより判定を行う(ステップSb26)。
次に、ECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cは、ステップSb24によって導かれた2階変化率演算の結果に基づいて燃料噴射開始時刻を判定する。燃料噴射時刻は、メイン噴射による燃料噴射が始まると推定される期間において、2階変化率演算の結果が正の値から負の値に変化する時刻を検出することにより判定を行う(ステップSb26)。
この燃料噴射開始時刻判定部2cによるの燃料噴射開始時刻の判定結果に基づいて、ECU2の燃料噴射量算出部2dは、その時刻の燃料圧力P0を基準にした燃料圧力変動量を検出して噴射量Qを算出する。
以上に示された本発明の実施形態によれば、コモンレール13と燃料噴射弁6との間の燃料圧力を検出する燃料圧力センサ37が検出した燃料圧力の変動値に基づいて燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御装置10である。ECU2の燃料噴射開始時刻判定部2cは、検出された燃料圧力の値によって示される関数に基づいて2階微分値を算出し、その2階微分値に基づいて燃料噴射が行われた燃料噴射開始時刻を判定する。そして、燃料噴射量算出部2dは、該燃料噴射開始時刻に基づいて燃料噴射量を算出する。
本発明の実施形態によれば、燃料噴射開始時刻判定部2cは、燃料圧力検出手段が検出した燃料圧力の値によって示される燃料圧力の変化を示す関数を定義する。燃料噴射開始時刻判定部2cは、その関数に基づいて2階微分値を算出し、その2階微分値の値から燃料噴射が行われた燃料噴射開始時刻を判定する。燃料噴射量算出手段は、燃料噴射開始時刻に基づいて燃料噴射量を算出する。そして、検出された燃料圧力変化の変化率(2階微分値)から、燃料噴射にともなって変量圧力が減少を開始する変化点を検出することができる。また、燃料噴射開始時刻を正確に判定できることから、燃料噴射開始時の燃料圧力も正確に検出することができる。
本発明の実施形態によれば、燃料噴射開始時刻判定部2cは、2階微分値の算出に、テーラー展開の式に基づいて導かれる差分方程式を用いて算出する。
本発明の実施形態によれば、前記燃料噴射開始時刻判定部2cは、差分方程式に中心差分方程式を用いて算出する。そして、燃料噴射開始時刻判定部2cは、検出された燃料圧力に含まれる変化に影響されることなく、その時点の微分演算を安定に行うことができる。
本発明の実施形態によれば、燃料噴射開始時刻判定部2cは、2階微分値の算出に、テーラー展開の式に基づいて導かれる1階差分方程式を用いた演算を2度繰り返して行う。そして、燃料噴射開始時刻判定部2cは、高次の成分を誤差として扱うことができ、検出精度が高い1階差分方程式による演算によって燃料噴射の開始時刻を検出することができる。
本発明の実施形態によれば、燃料噴射開始時刻判定部2cは、2階微分値の算出に、テーラー展開の式に基づいて導かれる2階差分方程式を用いて算出する。そして、燃料噴射開始時刻判定部2cは、高次の成分を誤差として扱うことができ、直接2階差分方程式にによる演算よって燃料噴射の開始時刻を検出することができる。
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、本発明の燃料噴射量制御装置10における、燃料圧力センサ37は、燃料噴射弁6に対応して設けられるものとして説明したが、少なくとも1つの燃料圧力センサ37によって、複数の燃料噴射弁6の噴射によって変動する燃料圧力変動を検出することとしても良い。その燃料圧力センサ37の設置箇所は、オリフィス13cの下流に配置することが好適であるが、目的の変動量を検出することができる場所に設けることとしても良い。
例えば、本発明の燃料噴射量制御装置10における、燃料圧力センサ37は、燃料噴射弁6に対応して設けられるものとして説明したが、少なくとも1つの燃料圧力センサ37によって、複数の燃料噴射弁6の噴射によって変動する燃料圧力変動を検出することとしても良い。その燃料圧力センサ37の設置箇所は、オリフィス13cの下流に配置することが好適であるが、目的の変動量を検出することができる場所に設けることとしても良い。
また、オリフィス13cを例に示し、コモンレール13と高圧配管13bの間に流量を制限する抵抗成分を設けた。この抵抗成分には、オリフィス13c以外にも目的の流量制御を行える構造のものであれば選択可能である。
また、高圧配管13b内に設けられるオリフィス13cの配置は、コモンレール13側に近い位置とすることが好適である。
また、燃料圧力センサ37の配置は、オリフィス13cに近い下流部側とすることが好適である。
また、メイン噴射に先立って行われるパイロット噴射の回数は、1回に限定されることなく、複数回に分割することは可能である。
また、燃料圧力センサ37の配置は、オリフィス13cに近い下流部側とすることが好適である。
また、メイン噴射に先立って行われるパイロット噴射の回数は、1回に限定されることなく、複数回に分割することは可能である。
また、本実施形態では、燃料噴射弁6の数を4個、コモンレール13の数を1個として説明しているが、それぞれ4個と1個に制限されるものではなく、エンジン1の構成によってその数量は任意に設定することができる。
また、エンジン1はディーゼルエンジンであることとして説明したが、この燃料噴射量制御装置10はガソリンエンジンに対する適応も可能である。
また、本発明は、船外機のような船舶推進機用の内燃機関を含む、様々な産業用の内燃機関に適用することが可能である。
また、エンジン1はディーゼルエンジンであることとして説明したが、この燃料噴射量制御装置10はガソリンエンジンに対する適応も可能である。
また、本発明は、船外機のような船舶推進機用の内燃機関を含む、様々な産業用の内燃機関に適用することが可能である。
1 エンジン(内燃機関)
2 ECU(噴射量算出手段)
2c 燃料噴射開始時刻判定部(燃料噴射開始時刻判定手段)
2d 燃料噴射量算出部(燃料噴射量算出手段)
6 燃料噴射弁(燃料噴射手段)
10 燃料噴射量制御装置(燃料噴射量制御装置)
13 コモンレール(燃料蓄圧手段)
37、37−1〜37−4 燃料圧力センサ(燃料圧力検出手段)
P2 高圧ポンプ(燃料供給手段)
2 ECU(噴射量算出手段)
2c 燃料噴射開始時刻判定部(燃料噴射開始時刻判定手段)
2d 燃料噴射量算出部(燃料噴射量算出手段)
6 燃料噴射弁(燃料噴射手段)
10 燃料噴射量制御装置(燃料噴射量制御装置)
13 コモンレール(燃料蓄圧手段)
37、37−1〜37−4 燃料圧力センサ(燃料圧力検出手段)
P2 高圧ポンプ(燃料供給手段)
Claims (5)
- 供給された燃料を蓄圧する燃料蓄圧手段と、
前記燃料蓄圧手段から供給される燃料を噴射する燃料噴射手段と、
前記蓄圧手段と前記燃料噴射手段との間の燃料圧力を検出する燃料圧力検出手段と、
前記燃料圧力の変動値に基づいて燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御装置において、
前記検出された燃料圧力の値によって示される関数に基づいて2階微分値を算出し、該2階微分値に基づいて燃料噴射が行われた燃料噴射開始時刻を判定する燃料噴射開始時刻判定手段と、
該燃料噴射開始時刻に基づいて燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出手段と、
を備えることを特徴とする燃料噴射量制御装置。 - 前記燃料噴射開始時刻判定手段は、
前記2階微分値の算出に、テーラー展開の式に基づいて導かれる差分方程式を用いて算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射量制御装置。 - 前記燃料噴射開始時刻判定手段は、
前記差分方程式に中心差分方程式を用いて算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射量制御装置。 - 前記燃料噴射開始時刻判定手段は、
前記2階微分値の算出に、テーラー展開の式に基づいて導かれる1階差分方程式を用いた演算を2度繰り返して行う
ことを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射量制御装置。 - 前記燃料噴射開始時刻判定手段は、
前記2階微分値の算出に、テーラー展開の式に基づいて導かれる2階差分方程式を用いて算出する
ことを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射量制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009064388A JP2010216384A (ja) | 2009-03-17 | 2009-03-17 | 燃料噴射量制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009064388A JP2010216384A (ja) | 2009-03-17 | 2009-03-17 | 燃料噴射量制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010216384A true JP2010216384A (ja) | 2010-09-30 |
Family
ID=42975475
Family Applications (1)
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JP2009064388A Pending JP2010216384A (ja) | 2009-03-17 | 2009-03-17 | 燃料噴射量制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010216384A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013256890A (ja) * | 2012-06-12 | 2013-12-26 | Nippon Soken Inc | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
JP2017053309A (ja) * | 2015-09-11 | 2017-03-16 | 株式会社デンソー | データ解析装置 |
-
2009
- 2009-03-17 JP JP2009064388A patent/JP2010216384A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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