JP2011252418A - 内燃機関の燃料噴射システム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数回の燃料噴射を行うときの脈動の影響を考慮してより正確な燃料噴射を行う。
【解決手段】気筒内へ複数回の燃料噴射を行う内燃機関の燃料噴射システムにおいて、先に行なわれる先の噴射と該先の噴射よりも後に行なわれる後の噴射との間隔である噴射インターバルを先の噴射により発生する燃料の圧力脈動の周期で除算した値である無次元インターバルに対応する補正量に基づいて後の噴射を補正する補正部を備え、補正部は、先の噴射及び後の噴射に起因して発生する燃料圧力の変動から得られる燃料の脈動の伝播速度と相関関係にある物理量の実測値と、該物理量の予測値と、の比に基づいて圧力脈動の周期を補正する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射システムに関する。
パイロット噴射時に発生した燃料の圧力脈動の影響で変動する主噴射量を補正するための燃料噴射量補正制御において、パイロット噴射から主噴射までの噴射インターバルを圧力脈動の周期で除算して無次元インターバルを算出し、この無次元インターバルに対する補正量(噴射量と噴射時期)を補正マップから求め、その補正量をディーゼル機関の運転状態から算出された主噴射量及び主噴射時期に加算して最終的な主噴射量及び主噴射時期を決定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。ここで、無次元インターバルマップは、規定の運転条件下でパイロット噴射のインターバルを変化させ、そのときの噴射量の変動を脈動の周期で除した値に対してマップ化したものである。この技術によれば、圧力脈動の周期を算出する際に燃料圧力及び燃料温度が用いられるため、運転条件などの変化に対応した補正が可能となる。
しかし、実際には、たとえば燃料噴射弁のボディー部とパイプ部とで温度が異なるため、負荷が変化したり外気温度が変化したりした場合などでは、全体を代表する温度をどこの温度とするのか決定することは困難である。すなわち、1箇所で温度を測定しても、その温度が全体を代表する温度とはならない場合もある。このため、圧力脈動の伝播速度を正確に求めることも困難となる。これに対し、あらゆる条件を網羅しようとするとデータ量が膨大となるため、試験を行なう時間がかかったり、大容量のメモリーが必要となったりするため、コスト高となる。
また、圧力も、一般的にはコモンレールの圧力を検出しているが、実際には燃料噴射弁の先端の圧力の影響が大きいため、全体を代表する圧力を測定していない可能性がある。
さらに、燃料噴射弁のニードルの挙動(作動速度)は、燃料圧力の影響を受ける。そして、燃料噴射弁のニードルの挙動によって、燃料噴射量の変動の特性が変わる。すなわち、脈動の伝播速度以外にも、燃料噴射弁のニードルの挙動の変化に応じた補正を行わなければ、正確な燃料噴射を行なうことが困難な場合もある。
また、複数回のパイロット噴射を行なう場合には、補正値のずれが噴射回数分積み重なるため、従来の温度及び圧力による脈動の伝播速度のみの補正では不十分な場合がある。
特開2003−314337号公報 特開2001−164976号公報 特開2004−068616号公報
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数回の燃料噴射を行うときの脈動の影響を考慮してより正確な燃料噴射を行うことにある。
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の燃料噴射システムは、
気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁を備え、気筒内へ複数回の燃料噴射を行う内燃機関の燃料噴射システムにおいて、
先に行なわれる先の噴射と該先の噴射よりも後に行なわれる後の噴射との間隔である噴射インターバルを前記先の噴射により発生する燃料の圧力脈動の周期で除算した値である無次元インターバルに対応する補正量に基づいて前記後の噴射を補正する補正部を備え、
前記補正部は、前記先の噴射及び前記後の噴射に起因して発生する燃料圧力の変動から得られる燃料の脈動の伝播速度と相関関係にある物理量の実測値と、該物理量の予測値と、の比に基づいて前記圧力脈動の周期を補正する。
噴射インターバルは、先の噴射が完了してから後の噴射が開始されるまでの期間、または先の噴射が開始されてから後の噴射が開始されるまでの期間とすることができる。そして、先の噴射及び後の噴射により夫々燃料の圧力脈動が生じる。この燃料の圧力脈動の周期は、圧力脈動の伝播速度に基づいて算出することができ、この圧力脈動の伝播速度は、燃料温度や燃料圧力に基づいて算出することができる。補正部は、たとえば後の噴射における燃料噴射量または燃料噴射時期を補正する。ここで、前記物理量の実測値と、該物理量の予測値と、に差がある場合には、圧力脈動の伝播速度が正確に予測できていないと考えられる。これは、燃料圧力や燃料温度の代表値が正確に得られていないために起こり得る。これに対し、前記物理量の実測値と、該物理量の予測値と、の比は、脈動の伝播速度のずれの度合いを表しており、この値によれば圧力脈動の周期を補正することができる。そうすると、燃料圧力及び燃料温度により変化する圧力脈動の伝播速度を考慮して圧力脈動の周期を補正することができる。また、燃料圧力の影響を受けて燃料噴射弁のニードルの挙動が変わることで燃料噴射量の変動の特性が変わったとしても、補正が可能となる。このようにして、より正確な圧力脈動の周期を用いて無次元インターバルを算出することができるので、後の噴射の補正の精度を高めることができる。
本発明においては、前記補正部は、前記物理量の実測値を予測値で除算して得られる比を、燃料温度及び燃料圧力をパラメータとして算出される圧力脈動の周期の予測値に乗算することで該圧力脈動の周期を補正することができる。そうすると、燃料の脈動の伝播速度のずれに応じて圧力脈動の周期を補正することが可能となる。
本発明においては、前記物理量は、前記先の噴射により燃料の圧力が極小値となってから前記後の噴射により燃料の圧力が極小値となるまでの期間であってもよい。ここで、先の噴射により燃料噴射弁の先端の燃料の圧力が低下する。そして、燃料噴射弁が閉じられることで、該燃料噴射弁の先端の圧力の低下が脈動となって伝播する。また、後の噴射によっても同様の脈動が発生する。そして、先の噴射により燃料の圧力が極小値となってから後の噴射により燃料の圧力が極小値となるまでの期間は、燃料の脈動の伝播速度によって変わる。なお、燃料の圧力はセンサなどにより容易に得ることができる。一方、脈動が及ぶ範囲である燃料通路の長さと、燃料の体積弾性率と、燃料温度と、から脈動の伝播速度が予測できるため、先の噴射により燃料の圧力が極小値となってから後の噴射により燃料の圧力が極小値となるまでの期間を予測することができる。したがって、燃料の脈動の伝播速度と相関関係にある物理量の実測値と、該物理量の予測値と、の比を容易に求めることができる。
本発明においては、前記後の噴射よりも前に、前記先の噴射が複数回行なわれる場合には、それぞれの先の噴射に対して物理量の実測値と、該物理量の予測値と、の比を算出し、算出されたそれぞれの比に基づいて前記圧力脈動の周期を補正することができる。
燃料噴射を3回以上行なう場合には、後の噴射を行なう前に2回以上の燃料噴射が行なわれ得る。以前に2回以上の燃料噴射が行なわれた場合には、それぞれの燃料噴射により燃料の脈動が発生し、後の噴射はそれぞれの脈動の影響を受ける。このため、以前に行な
われた全ての燃料噴射に対して、前記比を夫々求めて圧力脈動の周期を補正すれば、該圧力脈動の周期を高精度に補正することができる。
本発明においては、前記物理量の実測値を予測値で除算して得られる比を、燃料圧力及び燃料温度と関連付けて学習値として記憶する記憶部を備えることができる。このような学習を行なうことにより、それ以降の燃料噴射の精度を高めることができる。
本発明によれば、複数回の燃料噴射を行うときの脈動の影響を考慮してより正確な燃料噴射を行うことができる。
実施例に係る内燃機関の概略構成を示す図である。 実施例に係る主噴射補正制御のフローを示したフローチャートである。 燃料噴射弁の指令信号及びコモンレール内の圧力の推移を示したタイムチャートである。 噴射インターバルに対する主噴射量のずれを示した図である。 無次元インターバルに対する主噴射量のずれを示した図である。 主噴射の前にパイロット噴射を3回行なう場合の燃料噴射弁の指令信号とコモンレール内の圧力との推移を示したタイムチャートである。
以下、本発明に係る内燃機関の燃料噴射システムの具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。ここでは、本発明による内燃機関の燃料噴射システムを車両駆動用のディーゼルエンジンに適用した場合を例に挙げて説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関1の概略構成を示す図である。なお、本実施例においては、内燃機関1を簡潔に表示するため、一部の構成要素の表示を省略している。内燃機関1は、4つの気筒を有する4サイクルディーゼル機関である。
内燃機関1には、気筒内へ燃料を噴射する燃料噴射弁2が夫々の気筒毎に取り付けられている。燃料噴射弁2は、それぞれ分配管3を介してコモンレール4に接続されている。このコモンレール4は、燃料ポンプ5に接続されている。燃料ポンプ5は、燃料タンク(図示省略)に接続されている。
さらに、コモンレール4には、該コモンレール4内の燃料の圧力を測定する圧力センサ6、および該コモンレール4内の燃料の温度を測定する温度センサ7が取り付けられている。また、内燃機関1には、該内燃機関1の回転数を検出するためのクランクポジションセンサ8が取り付けられている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU10が併設されている。このECU10は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御する。
ECU10には、上記センサの他、アクセルペダル11の開度に応じた信号を出力し内燃機関1の負荷を検出するアクセル開度センサ12が電気的に接続されている。また、ECU10には、燃料噴射弁2及び燃料ポンプ5が電気配線を介して接続されており、これらはECU10により制御される。
たとえば、ECU10は、内燃機関1の運転状態(内燃機関1の回転数と負荷)に基づいて目標燃料圧力(目標コモンレール圧)を算出し、実際のコモンレール圧(圧力センサ6の検出値)が目標燃料圧力と一致する様に燃料ポンプ5の燃料吐出量を制御する。また、ECU10は、内燃機関1の運転状態から噴射時期と噴射量を算出し、燃料噴射弁2への通電時期により噴射時期を制御し、燃料噴射弁2への通電時間により噴射期間(噴射量)を制御する。
なお、ECU10は、1つの気筒に対し1サイクルの間に2回の噴射を実施する。つまり、燃料噴射弁2に対する通電を2回行うことにより、噴射率の小さいパイロット噴射の後に、噴射率の大きい主噴射が実施される。但し、パイロット噴射時に発生した圧力脈動がコモンレール4と燃料噴射弁2との間(分配管3)を往復するため、その影響で主噴射量及び主噴射時期が或る周期(=圧力脈動の周期)で変動する。これに対し、本実施例では、主噴射量及び主噴射時期を補正するための主噴射補正制御を実施している。
次に、主噴射補正制御を実行するECU10の処理手順を説明する。図2は、本実施例に係る主噴射補正制御のフローを示したフローチャートである。本ルーチンは、ECU10により所定の時間毎に実行される。
ステップS101では、アクセル開度センサ12及びクランクポジションセンサ8の出力信号に基づいて、アクセル開度(機関負荷)及び機関回転数を検出する。
ステップS102では、内燃機関1の運転状態(アクセル開度と機関回転数)からパイロット噴射量と主噴射量を算出する。この関係は、予めECU10に記憶されている。
ステップS103では、内燃機関1の運転状態に応じて最適な燃料噴射圧を実現するための目標燃料圧力を算出する。この関係は、予めECU10に記憶されている。
ステップS104では、パイロット噴射と主噴射との間隔である噴射インターバルIを求める。なお、この噴射インターバルIは、パイロット噴射の終了時点から主噴射の開始時点までの時間間隔であり、以下の手順で算出される。(1)まず、機関回転数と主噴射量との2次元マップより、パイロット噴射の開始時期と主噴射の開始時期との時間間隔TAを算出する。(2)次に、目標燃料圧力とパイロット噴射量からパイロット噴射の実噴射期間TBを算出する。(3)そして、上記(1)で算出した時間間隔TAからパイロット噴射の実噴射期間TBを引き算して噴射インターバルIを算出する。
ステップS105では、圧力センサ6及び温度センサ7により、燃料温度及び燃料圧力(コモンレール圧)を検出する。
ステップS106では、パイロット噴射時に発生する燃料の圧力脈動の周期(脈動周期Tと称する)を算出する。この脈動周期Tは、以下の算式により求められる。
脈動周期T=4L/圧力脈動の伝播速度 (L:燃料通路長さ)
なお、燃料通路長さLは、コモンレール4に開口する分配管3の開口端〜燃料噴射弁2の内部のシート部(先端部としてもよい)までの長さである。この燃料通路長さLは、予め求められてECU10に記憶されている。
また、圧力脈動の伝播速度は、以下の算式により求められる。
圧力脈動の伝播速度=(燃料の体積弾性係数/燃料密度)(1/2)
ここで、燃料の体積弾性係数は、燃料圧力及び燃料温度の関数であり、燃料密度は、燃料温度の関数である。
ステップS107では、圧力センサ6により実際に得られる圧力の推移に基づいて、脈動周期Tを補正する。
ここで、図3は、燃料噴射弁2の指令信号及びコモンレール4内の圧力の推移を示したタイムチャートである。コモンレール4内の圧力における実線は圧力センサ6により実際に得られる値(実圧力と称する。)であり、一点鎖線はステップS106で得られる圧力脈動の伝播速度に基づいて予想される値(予測圧力と称する。)である。パイロット噴射指令後及び主噴射指令後に、それぞれの噴射に起因してコモンレール4内の圧力が一旦低下した後、上昇に転じる。そして、パイロット噴射指令後にコモンレール4内の圧力が極小値となる時期から、主噴射指令後にコモンレール4内の圧力が極小値となる時期までの期間を比較すると、実圧力の場合と予測圧力の場合とで差が生じている。この差が生じる原因の1つとして、圧力脈動の伝播速度が正確に求められていないことが挙げられる。すなわち、圧力脈動の伝播速度のずれが、実圧力と予測圧力との差となって現れている。これは、燃料圧力や燃料温度の代表値が圧力センサ6及び温度センサ7によって正確に得られていないことにより実圧力と予測圧力とに差が生じているともいえる。
これに対し本実施例では、ステップS106で得られる脈動周期Tを図3に示される関係に従って補正する。ここで、実圧力におけるパイロット噴射指令後にコモンレール4内の圧力が極小値となる時期から、主噴射指令後にコモンレール4内の圧力が極小値となる時期までの期間を「実期間TC」とする。また、予測圧力におけるパイロット噴射指令後にコモンレール4内の圧力が極小値となる時期から、主噴射指令後にコモンレール4内の圧力が極小値となる時期までの期間を「予測期間TD」とする。そうすると、この比(実期間TC/予測期間TD)は、燃料圧力や燃料温度が圧力センサ6及び温度センサ7により正確に代表されていないことにより生じている差を補正する補正係数となる。なお、本実施例においては、パイロット噴射指令後にコモンレール4内の圧力が極小値となる時期から、主噴射指令後にコモンレール4内の圧力が極小値となる時期までの期間が、本発明における燃料の脈動の伝播速度と相関関係にある物理量に相当する。
ここで、図4は、噴射インターバルに対する主噴射量のずれを示した図である。実線は補正後の値を示し、一点鎖線は補正前の値(予測値)を示している。主噴射量のずれが0のときは、指令値通りの燃料が噴射されていることを示し、主噴射のずれが0よりも小さいときには指令値よりも燃料噴射量が少ないことを示し、主噴射のずれが0よりも大きいときには指令値よりも燃料噴射量が多いことを示している。この関係は、実験等により得ることができる。図4に示されるように、噴射インターバルが大きくなるに従って、主噴射量のずれが0を境に上下に変動する。主噴射量のずれの最初の極大値までの期間を脈動周期とすると、補正後の脈動周期TFは、以下の式により得られる。
補正後の脈動周期TF=脈動周期T×(実期間TC/予測期間TD)
なお、主噴射時期のずれも同様にして考えることができる。
次に、ステップS108では、ステップS104で算出した噴射インターバルIをステップS107で算出した補正後の脈動周期TFで除算して無次元インターバルを算出する。
ステップS109では、ステップS108で算出した無次元インターバルに対する主噴射量及び主噴射時期の補正量を求める。
ここで、図5は、無次元インターバルに対する主噴射量のずれを示した図である。図5は、図4に示す噴射インターバルを補正後の脈動周期TFで除算することにより得ることができる。なお、主噴射時期のずれも同様にして考えることができる。図5に示される無次元インターバルに対する主噴射量のずれを打ち消す(0とする)燃料量が補正量となる
。なお、主噴射時期のずれも同様にして補正することができる。なお、無次元インターバルと補正量との関係は、予め適合が図られて、補正マップとして作成されていてもよい。この補正マップには、主噴射量の補正量を求める補正マップと、主噴射時期の補正量を求める補正マップとが作成され、それぞれECU10に記憶される。
ステップS110では、ステップS102で算出した主噴射量と、ステップS104で算出した主噴射時期に対し、それぞれステップS109で求めた補正量を加算して、最終の主噴射量及び主噴射時期を決定する。なお、本実施例ではこのようなフローに基づいて補正を行うECU10が、本発明における補正部に相当する。
なお、上述の比(実期間TC/予測期間TD)は、燃料圧力及び燃料温度によって変化し得るため、この比(実期間TC/予測期間TD)を燃料圧力及び燃料温度と関連付けて学習値として記憶させておけば、この学習値をその後の制御に使用することができる。なお、本実施例では学習値を記憶するECU10が、本発明における記憶部に相当する。
(変形例)上記した燃料噴射量及び燃料噴射時期の補正は、3回以上の燃料噴射を行なう場合であっても同様に適用することができる。例えば、主噴射の前にパイロット噴射を3回行なう場合、すなわち、合計4回の燃料噴射を行なう場合では、夫々のパイロット噴射が後のパイロット噴射や主噴射に及ぼす影響を考慮して夫々の燃料噴射を補正することができる。
図6は、主噴射の前にパイロット噴射を3回行なう場合の燃料噴射弁2の指令信号とコモンレール4内の圧力との推移を示したタイムチャートである。コモンレール4内の圧力における実線は圧力センサ6により実際に得られる値(実圧力)である。それぞれのパイロット噴射指令後及び主噴射指令後に、それぞれの噴射に起因してコモンレール4内の圧力が一旦低下した後、上昇に転じる。そして、1回目のパイロット噴射指令後にコモンレール4内の圧力が極小値となる時期から、その後のパイロット噴射指令後及び主噴射指令後にコモンレール4内の圧力が極小値となる時期までの期間を比較すると、実圧力と予測圧力との間に差が生じる。
ここで、実圧力における1回目のパイロット噴射指令後にコモンレール4内の圧力が極小値となる時期から、2回目のパイロット噴射指令後にコモンレール4内の圧力が極小値となる時期までの期間を「実期間TC12」とする。また、実圧力における1回目のパイロット噴射指令後にコモンレール4内の圧力が極小値となる時期から、3回目のパイロット噴射指令後にコモンレール4内の圧力が極小値となる時期までの期間を「実期間TC13」とする。さらに、実圧力における1回目のパイロット噴射指令後にコモンレール4内の圧力が極小値となる時期から、主噴射指令後にコモンレール4内の圧力が極小値となる時期までの期間を「実期間TC14」とする。
また、実期間TC12、実期間TC13、実期間TC14に対応する予測期間を夫々、予測期間TD12、予測期間TD13、予測期間TD14とする。
1回目のパイロット噴射は脈動による影響を受けないため、燃料噴射量及び燃料噴射時期を補正する必要はない。
2回目のパイロット噴射では、1回目のパイロット噴射により生じる脈動の影響を受けるため、(実期間TC12/予測期間TD12)を補正係数として脈動周期を補正する。
3回目のパイロット噴射では、1回目のパイロット噴射により生じる脈動の影響及び2回目のパイロット噴射により生じる脈動の影響を受けるため、(実期間TC13/予測期
間TD13)及び((実期間TC13−実期間TC12)/(予測期間TD13−予測期間TD12))を補正係数として脈動周期を補正する。
主噴射では、1回目から3回目までのパイロット噴射により生じるそれぞれの脈動の影響を受けるため、(実期間TC14/予測期間TD14)、((実期間TC14−実期間TC12)/(予測期間TD14−予測期間TD12))、及び((実期間TC14−実期間TC13)/(予測期間TD14−予測期間TD13))を補正係数として脈動周期を補正する。
このように、以前に行なわれた燃料噴射により生じる脈動の影響をそれぞれ考慮することで、燃料噴射の回数が増えた場合であっても適用することができる。また、それぞれの補正係数を燃料圧力及び燃料温度と関連付けて学習値として記憶させておけば、この学習値をその後の制御に使用することができる。
なお、上記の実施例では、パイロット噴射と主噴射との噴射インターバルIを、パイロット噴射の終了時点から主噴射の開始時点までの時間間隔としているが、パイロット噴射期間は、圧力脈動の周期に比べて小さいので、パイロット噴射の開始時点から主噴射の開始時点までの時間間隔TAとして無次元インターバルを算出しても良い。
以上説明したように本実施例によれば、実際の脈動の伝播速度に基づいて脈動周期を補正するため、代表温度や代表圧力を正確に得ることができない場合であっても、燃料噴射量や燃料噴射時期を補正することができる。そして、燃料圧力及び燃料温度などの補正誤差を最小化できるので、精度の高い燃料噴射制御が可能となる。また、補正量を求めるためのマップ数を削減(データ容量の削減)できる。さらに、燃料噴射の回数が多い場合であっても、それぞれの燃料噴射による影響を考慮した補正が可能であるため、精度の高い燃料噴射制御が可能となる。
1 内燃機関
2 燃料噴射弁
3 分配管
4 コモンレール
5 燃料ポンプ
6 圧力センサ
7 温度センサ
8 クランクポジションセンサ
10 ECU
11 アクセルペダル
12 アクセル開度センサ

Claims (5)

  1. 気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁を備え、気筒内へ複数回の燃料噴射を行う内燃機関の燃料噴射システムにおいて、
    先に行なわれる先の噴射と該先の噴射よりも後に行なわれる後の噴射との間隔である噴射インターバルを前記先の噴射により発生する燃料の圧力脈動の周期で除算した値である無次元インターバルに対応する補正量に基づいて前記後の噴射を補正する補正部を備え、
    前記補正部は、前記先の噴射及び前記後の噴射に起因して発生する燃料圧力の変動から得られる燃料の脈動の伝播速度と相関関係にある物理量の実測値と、該物理量の予測値と、の比に基づいて前記圧力脈動の周期を補正することを特徴とする内燃機関の燃料噴射システム。
  2. 前記補正部は、前記物理量の実測値を予測値で除算して得られる比を、燃料温度及び燃料圧力をパラメータとして算出される圧力脈動の周期の予測値に乗算することで該圧力脈動の周期を補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射システム。
  3. 前記物理量は、前記先の噴射により燃料の圧力が極小値となってから前記後の噴射により燃料の圧力が極小値となるまでの期間であることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射システム。
  4. 前記後の噴射よりも前に、前記先の噴射が複数回行なわれる場合には、それぞれの先の噴射に対して前記物理量の実測値と、該物理量の予測値と、の比を算出し、算出されたそれぞれの比に基づいて前記圧力脈動の周期を補正することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の内燃機関の燃料噴射システム。
  5. 前記物理量の実測値を該物理量の予測値で除算して得られる比を、燃料圧力及び燃料温度と関連付けて学習値として記憶する記憶部を備えることを特徴とする請求項2または4に記載の内燃機関の燃料噴射システム。
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