JP6002575B2 - 車両用ターンキャンセル信号出力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のステアリングホイールの操作状態に基づいて、前記車両に搭載された方向指示器の動作状態を解除するための契機を与えるターンキャンセル信号を生成する車両用ターンキャンセル信号出力装置に関する。
例えば、複数の走行レーンが存在する道路上で車両が隣接する他の走行レーンに移動する場合(レーンチェンジ)や、交差点で車両が右折または左折して進路を変更しようとする場合(ターン)には、他の車両の運転者が認識できるように方向指示の合図を出す必要がある。
このような方向指示の合図を出すために、車両には方向指示器(ウインカー)としてターンシグナルランプが備わっている。また、車両のステアリングホイールの近傍に備わっている操作レバーを運転者が操作することにより、車体の右側または左側に配置されたターンシグナルランプを点滅させることができる。
レーンチェンジの場合には、レーンを変える前に、他の車両の運転者が認識できるように数秒間程度、ターンシグナルランプを点滅させる必要がある。また、ターンの場合には、ターンが終了するまでターンシグナルランプの点滅を維持する必要がある。
一般的な車両においては、方向指示器の動作を操作するための操作レバーが2段階の操作位置を有している。例えば、運転者が操作レバーに力を加えて少しだけレバーを傾けた場合には(1段目の位置)、力を加えてレバーを保持している間だけターンシグナルランプが点滅する。すなわち、レバーを保持するために加えている力を解除すると、レバーはスプリングの力により所定の中立位置に戻るので、ターンシグナルランプの点滅動作は終了する。一方、運転者が操作レバーに力を加えて大きくレバーを傾けた場合には(2段目の位置)、機械的にレバーの位置が保持されるので、運転者がレバーに加えている力を解除してもターンシグナルランプは点滅状態に維持される。また、ステアリングホイールの操舵状態を機械的に検出するための機構が備わっており、操舵が終了した状態になると前記操作レバーの保持が自動的に解除される。
従って、通常の運転では、レーンチェンジの場合は操作レバーの1段目の位置を使用し、右折または左折のターンの場合には操作レバーの2段目の位置を使用する。2段目の位置を使用することにより、ステアリングホイールの回転を伴う右折や左折の運転操作中に、操作レバーを保持する力を加え続ける必要がなく運転操作が楽になる。また、右折や左折の際にそのターンが終了すると、その状態が機械的に検出されて操作レバーが中立位置に自動的に戻るので、運転者はターンシグナルランプの点滅を終了させるために特別な操作を行う必要がない。
上記のようなターンシグナルランプの点滅を制御する装置に関しては、例えば特許文献1〜特許文献3に開示されているように、操舵角度を検出するセンサを採用した電子制御装置も知られている。
特許文献1においては、自動復帰形のレバースイッチと、ステアリングの回転方向及び角度を検出する舵角センサを制御手段に接続し、制御手段がレバースイッチの動作信号に基づいて所定の旋回信号を出力する。また、この旋回信号によりターンシグナルランプを点滅させると共に、舵角センサによりステアリングの回転位置を検出し、直進位置時には旋回信号の出力を停止して、ターンシグナルランプを消灯することを開示している。
特許文献2においては、車線変更時に、より適切なタイミングでターンシグナルを自動消灯させるための技術を開示している。具体的には、ヨーレートセンサおよび舵角センサを搭載し、初速度が高速領域の場合には、高速走行時の検出結果の信頼性が高いヨーレート検出信号に基づいて消灯条件の判断を行い、初速度が低速領域の場合には、低速走行時の検出結果の信頼性が高い舵角検出信号に基づいて消灯条件の判断を行う。
特許文献3においては、右左折時にターンシグナルの誤消灯を防止するための技術を開示している。具体的には、舵角センサの操舵角がキャンセル準備角に達するか否かに基づいて右左折と車線変更とを自動的に区別して消灯条件を切り替えることを提案している。
また、ターンシグナルランプの点滅とは無関係であるが、車両のパワーステアリング装置に関する従来技術が特許文献4に開示されている。特許文献4においては、操舵角センサの検出した操舵角と、車速センサの検出した車速とを利用している。具体的には、検出した操舵角からハンドルの切り増しか切り戻しかの判定を行う。また、操舵角と車速とに基づいて操舵角に対してヒステリシス特性をもった操舵反力指令値を演算し、この操舵反力指令値に相当する操舵反力がハンドルに作用するようモータなどのアクチュエータを駆動制御することを開示している。
特開2005−35343号公報 特開2011−88480号公報 特開2011−131631号公報 特開2002−19631号公報
特許文献1〜特許文献3に開示されているように、ターンシグナルランプを制御する電子制御装置(ECU)が、ステアリングの回転角度を検出する舵角センサを用いて、ランプ消灯(ターンキャンセル)の条件を識別することは従来より知られている。
しかしながら、このような電子制御装置(ECU)は、一般的にターンシグナルランプの点滅/消灯の他に、様々な制御を実施しなければならない。ところが、ターンキャンセルの条件を高精度で識別するためには、舵角センサの検出した舵角を短い時間周期で頻繁に監視して、条件の比較を頻繁に繰り返す必要がある。そのため、ターンキャンセルを識別するための条件が複雑になると、ターンシグナルランプの制御に関する電子制御装置(ECU)の負担が増大し、所定時間内に全てを処理しきれない状況になる。従って、電子制御装置(ECU)に高性能のコンピュータを搭載しなければならず、コストが大幅に増大するのは避けられない。
ターンキャンセルの条件の識別に関しては、例えば次のような課題がある。
例えば、トラックやバスのような大型車の場合には、ステアリングホイールの回転可能範囲は数回転に及ぶ。従って、舵角センサの検出した絶対角度を0〜360度の範囲内でのみ識別する場合には、車両の右折または左折に伴ってステアリングホイールがn回転(n×360度の回転)する間に、条件と一致する状態がn回発生することになる。その結果、運転者が希望しないタイミングで(まだターンの途中であるのに)ターンキャンセルが検出され、ターンシグナルランプが消灯制御されてしまう。
例えば、トラックやバスのような大型車の場合には、車体の全長が長いので、狭い道路の交差点で左折(車両が道路の左側を走行する場合)をする場合には、まず右側に少しだけ舵を切ってから左側に大きく舵を切って左折するように運転操作を行わなければならない。このような場合には、ターンキャンセルの識別の条件が不適切であると、右側に舵を切った後、左側に舵を切るためにステアリングホイールを中立付近まで戻した時(左折を始める時)に、ターンキャンセルが検出され、ターンシグナルランプが消灯制御されてしまう。
また、ステアリングホイールの回転角度と車輪の操舵角度との関係は、一般的な乗用車と大型車とでは大きく異なる。更に、ターンキャンセルを識別するための適切な条件についても、車種に応じて異なる可能性がある。そのため、ターンシグナルランプを制御する電子制御装置(ECU)を様々な車種について共通化することができない。このような制約により、電子制御装置(ECU)のコストの低減が難しくなっている。
また、特許文献1〜特許文献3に開示されているような方法でターンシグナルランプの消灯を制御する場合であっても、ターンシグナルランプが消灯するタイミングは、ステアリングホイールの回転位置が事前に定めた位置(操舵角度)まで戻った時である。一方、運転者は実際の操舵状況と、ターンシグナルランプが消灯するタイミングとの間に違和感を感じる場合がある。具体的には次のような状況である。
なお、通常、運転者はターンシグナルランプが消灯したことを、メータユニット上の方向指示表示灯の消灯、あるいはターンシグナルランプ点滅の通電を制御するリレーの作動音の消音により認知する。また、ここでは仮にステアリングホイールを中立位置から30度手前の位置まで戻した状態の操舵角度で、車両側の装置がターンシグナルランプを自動的に消灯する場合を想定する。
右折、左折等の際に、ターンシグナルランプを点滅している状態で、運転者が比較的ゆっくりとステアリングホイールを操作して中立位置に戻そうとしている時には、運転者が次のように感じる可能性がある。すなわち、ターンシグナルランプの消灯を認知した時に、この消灯動作が早すぎると感じる。つまり、ステアリングホイールを中立位置から30度程度手前までしか戻しておらず、右左折が完了していないにもかかわらず、ターンシグナルランプが勝手に消灯してしまったと感じる。更に、ターンシグナルランプによる合図を既に行っていないので、自車が右左折の途中であることが後続車両や対向車両などに認識されているのかどうかについて不安を感じる可能性がある。
一方、右折、左折等の際に、ターンシグナルランプを点滅している状態で、運転者が比較的速い速度でステアリングホイールを操作して中立位置に戻そうとしている時には運転者は特に違和感を感じない可能性が高い。すなわち、ステアリングホイールを中立位置から30度程度手前まで戻した時にターンシグナルランプが消灯したとしても、ターンシグナルランプの消灯を運転者が認知する時には、既にステアリングホイールがほぼ中立位置まで戻っている。従って、運転者は右左折の完了とほぼ同時にターンシグナルランプが消灯したと感じることになり、違和感や不安感は生じない。
しかし、仮にターンシグナルランプを自動的に消灯する時の操舵角を、30度よりも中立位置により近い角度に変更すると次のように状況が変化する。すなわち、運転者が比較的ゆっくりとステアリングホイールを操作して中立位置に戻そうとしている時には違和感や不安感が解消される可能性がある。しかし、運転者が比較的速い速度でステアリングホイールを操作して中立位置に戻す時に違和感が生じる。すなわち、既にステアリングホイールを中立位置まで戻して右左折が完了しているのにターンシグナルランプの点滅が継続しており、ターンシグナルランプが消灯するまでに時間がかかりすぎると感じる可能性がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ターンシグナルランプ等を制御する上位の電子制御装置(ECU)が適切なターンキャンセルの認識のために行うべき処理の簡略化を可能にすると共に、右左折時に運転者が感じる違和感を解消し、更に様々な車種の車両において適切なタイミングでターンキャンセルを検出するために役立つ車両用ターンキャンセル信号出力装置を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る車両用ターンキャンセル信号出力装置は、下記(1)〜(5)を特徴としている。
(1) 車両のステアリングホイールの操作状態に基づいて、前記車両に搭載された方向指示器の動作状態を解除するための契機を与えるターンキャンセル信号を生成する車両用ターンキャンセル信号出力装置であって、
前記ステアリングホイールの操舵角度を検出する操舵角度検出部と、
検出した前記操舵角度に基づいて操舵角速度を検出する操舵角速度検出部と、
前記操舵角度検出部が検出した操舵角度に基づき、車両のターンの終了を表すエッジとして検出すべき目標エッジ操舵角度になった時に、第1キャンセルパルスを生成すると共に、前記操舵角速度の大小に応じて前記目標エッジ操舵角度を補正する第1キャンセルパルス生成部と、
前記操舵角度検出部が検出した操舵角度に基づき、操舵の回転方向を表す第2キャンセルパルスを生成する第2キャンセルパルス生成部と、
前記第1キャンセルパルスおよび第2キャンセルパルスの少なくとも一方の状態を反映した信号を出力する信号出力端子と
を備えること。
(2) 上記(1)の構成の車両用ターンキャンセル信号出力装置であって、
前記第1キャンセルパルスを生成する条件に影響を与える少なくとも1つのパラメータの情報を保持する不揮発性記憶部
を更に備えること。
(3) 上記(2)の構成の車両用ターンキャンセル信号出力装置であって、
前記不揮発性記憶部は、前記第1キャンセルパルスを生成する前記目標エッジ操舵角度の基準値を表す第1のパラメータと、認知遅延時間を表す第2のパラメータとを保持し、
前記第1キャンセルパルス生成部は、検出した前記操舵角速度と、前記第2のパラメータとの乗算結果を用いて、前記目標エッジ操舵角度を補正すること。
(4) 上記(3)の構成の車両用ターンキャンセル信号出力装置であって、
前記第1キャンセルパルス生成部は、前記操舵角速度に応じた前記目標エッジ操舵角度の補正を、前記操舵角速度の絶対値が所定の閾値以内の場合のみに限定すること。
(5) 上記(3)の構成の車両用ターンキャンセル信号出力装置であって、
前記不揮発性記憶部は、前記目標エッジ操舵角度の最小値を表す第3のパラメータを更に保持し、
前記第1キャンセルパルス生成部は、補正後の前記目標エッジ操舵角度の絶対値を、前記第3のパラメータの値以上に維持すること。
上記(1)の構成の車両用ターンキャンセル信号出力装置によれば、前記操舵角速度の大小を反映するように、前記目標エッジ操舵角度を自動的に修正することができる。従って、実際の運転状況に応じてステアリングホイールを操作する速度が変化する場合であっても、運転者に違和感や不安を与えない適切なタイミングでターンキャンセル信号を生成することができる。
上記(2)の構成の車両用ターンキャンセル信号出力装置によれば、ターンキャンセルを検出する条件を、前記不揮発性記憶部に保持されたパラメータにより決定することができる。従って、このパラメータを変更するだけで、車両の車種の違い等に応じた適切な対応が可能になる。
上記(3)の構成の車両用ターンキャンセル信号出力装置によれば、ターンシグナルランプが消灯してからその状態を運転者が認知するまでの機器内部の遅延や運転者自身の認知の遅延を表す認知遅延時間を考慮して、前記操舵角速度が変化する場合でも適切なタイミングでターンキャンセル信号を生成することができる。
上記(4)の構成の車両用ターンキャンセル信号出力装置によれば、ステアリングホイールを比較的ゆっくりと操作する場合のように、運転者がターンシグナルランプの消灯を認知するタイミングに前記操舵角速度の違いが影響を及ぼす範囲内において、前記目標エッジ操舵角度を適切に補正することが可能になる。
上記(5)の構成の車両用ターンキャンセル信号出力装置によれば、ステアリングホイールが完全な中立位置に戻る前に、ターンキャンセル信号を生成することができる。従って、操舵機構に存在する遊びや、ステアリングホイールの中立位置のずれや、舵角センサの取り付け位置のずれの影響を受ける場合であっても、右左折が終了した時には確実にターンキャンセル信号を生成することができる。
本発明の車両用ターンキャンセル信号出力装置によれば、ターンシグナルランプ等を制御する上位の電子制御装置(ECU)が適切なターンキャンセルの認識のために行うべき処理の簡略化が可能になる。また、右左折時に運転者が感じる違和感を解消し、更に様々な車種の車両において適切なタイミングでターンキャンセルを検出するために役立てることができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、ターンキャンセル信号出力装置の主要部に関する機能上の構成を表すブロック図である。 図2は、ターンキャンセル信号出力装置の外観を示す正面図である。 図3は、図2に示したターンキャンセル信号出力装置における実際の電気回路の構成を示すブロック図である。 図4は、第1キャンセルパルスC/P−1を生成する動作を示すフローチャートである。 図5は、第2キャンセルパルスC/P−2を生成する動作を示すフローチャートである。 図6は、ターンキャンセル信号出力装置の動作特性の具体例(1)を表すタイムチャートである。 図7は、ターンキャンセル信号出力装置の動作特性の具体例(2)を表すタイムチャートである。 図8は、ターンキャンセル信号出力装置の動作特性の具体例(3)を表すタイムチャートである。 図9は、ターンキャンセル信号出力装置における自己診断およびパラメータ書き換えの動作を示すフローチャートである。 図10は、変形例におけるターンキャンセル信号出力装置の機能上の構成を表すブロック図である。 図11は、ステアリングホイールの操作に応じた舵角および回転方向の状態遷移と方向指示灯の制御との対応関係の具体例を示す状態遷移図である。 図12は、操舵角速度毎の補正値および補正前後のキャンセルエッジ角度の一覧を示す模式図である。 図13は、操舵角速度と補正後のキャンセルエッジ角度との関係を示すグラフである。 図14は、6種類の条件下における検出操舵角度とC/P−1との関係を示すタイムチャートである。 図15は、ステアリングホイールの操作に応じた舵角および回転方向の状態遷移と方向指示灯の制御との対応関係の具体例を示す状態遷移図である。
本発明の車両用ターンキャンセル信号出力装置に関する具体的な実施の形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<車両用ターンキャンセル信号出力装置の概要>
本発明の車両用ターンキャンセル信号出力装置は、車両上に搭載される一般的なステアリング用の舵角センサの代わりとして使用できるように、例えば図2に示すような形状で一体的に構成される。
また、この車両用ターンキャンセル信号出力装置は、一般的な舵角センサと同様に操舵角度の情報を出力できる。更に、この操舵角度の他に特別なターンキャンセル信号(図1中のC/P−1,C/P−2に相当する)を出力する機能を搭載している。
車両においては、ステアリングホイール(ハンドル)の近傍に配置されている所定の操作レバーを運転者が操作することにより、車両の右折/左折、レーンチェンジなどのためのターン信号が生成される。このターン信号に従って、車両上の電子制御装置(ECU)が方向指示器のターンシグナルランプを点滅させる。
レーンチェンジの場合には、運転者が操作レバーに加える力を解除することによりターン信号が解除され、それを契機としてターンシグナルランプの点滅は終了する。一方、右折または左折の場合には、実際に車両のターンが終了するまでターンシグナルランプの点滅を継続する必要があるので、運転者が操作レバーに加える力を解除してもターン信号はオン状態に自己保持される。
従って、右折または左折の場合には、車両のターンが終了した状態を自動的に識別して、ターンシグナルランプの点滅を終了させる必要がある。上記の電子制御装置(ECU)は、センサにより検出された舵角の情報を監視することにより、車両のターンが終了した状態を自動的に識別することが可能である。
しかし、本発明の車両用ターンキャンセル信号出力装置を採用した場合には、電子制御装置(ECU)は、前記ターンキャンセル信号に基づいて車両のターンが終了した状態を、舵角を監視する場合と比べ、非常に簡単な処理だけで検出可能になる。
<機能上の主要な構成の説明>
ターンキャンセル信号出力装置100の主要部に関する機能上の構成を図1に示す。
このターンキャンセル信号出力装置100は、操舵角度検出部10、第1キャンセルパルス生成部21、第2キャンセルパルス生成部22、操舵角速度検出部25、不揮発性記憶部30および出力端子41、42を備えている。
操舵角度検出部10は、センサブロック11および舵角演算部12により構成されている。センサブロック11は、車両の操舵用の回動軸の回転位置を検出対象とし、回転角度を検出することができる。すなわち、中立状態に対するステアリングホイールの回転角度を検出することができる。センサブロック11の検出原理については、市販されている従来の舵角センサと同様の技術を利用している。
舵角演算部12は、センサブロック11が出力する電気信号を演算処理することにより、最新の舵角ANGstrg([°])の情報を逐次出力することができる。
操舵角速度検出部25は、操舵角度検出部10から出力される舵角ANGstrgを監視し、その変化速度を操舵角速度SPEEDstrg([°/sec])として出力することができる。この操舵角速度SPEEDstrgの情報は第1キャンセルパルス生成部21に入力される。
第1キャンセルパルス生成部21は、操舵角度検出部10から出力される舵角ANGstrgおよび不揮発性記憶部30が保持している各パラメータP2〜P5に基づいて、第1キャンセルパルスC/P−1を生成する機能を有している。また、第1キャンセルパルス生成部21は操舵角速度検出部25から入力される操舵角速度SPEEDstrgを利用して、第1キャンセルパルスC/P−1を生成するタイミング(角度)を自動的に補正する。この第1キャンセルパルスC/P−1は、車両のターンの終了を表すエッジとして検出すべき操舵角度になったか否かを表す。
第2キャンセルパルス生成部22は、操舵角度検出部10から出力される舵角ANGstrgに基づき、第2キャンセルパルスC/P−2を生成する機能を有している。この第2キャンセルパルスC/P−2は、操舵軸の回転方向を表す。
不揮発性記憶部30は、以下に示す各パラメータP1〜P5のデータを保持することができる。これらのパラメータの内容は書き換えることができる。
P1:操舵角度検出部10が検出した舵角ANGstrg
P2:キャンセルエッジ角度値
P3:ヒステリシス角度値(ヒステリシス特性を与えるための微少角度)
P4:キャンセルモード指定(シングル/マルチのいずれか)
P5:操舵角速度検出部25が検出した操舵角速度SPEEDstrg
P6:認知遅延時間(TIME−P/D)
P7:キャンセル目標角度(ANGc/t)
上記認知遅延時間(TIME−P/D)については、次のような意味を持っている。すなわち、ターンキャンセル信号出力装置100が出力するターンキャンセル信号(C/P−1,C/P−2)に従ってターンシグナルランプの点滅が終了する時から、その終了を実際に運転者が認知するまでのタイムラグを表す。具体的には、ターンシグナルランプの点滅終了タイミングから、それが表示やリレーの動作停止に反映されるまでの機器内部の時間遅れや、表示や動作音の変化を運転者自身が認知するまでに必要な認知所要時間を含む。この認知遅延時間の具体例としては、0.1秒(sec)の定数を用いることが考えられる。
第1キャンセルパルス生成部21が生成した第1キャンセルパルスC/P−1は出力端子41に出力され、第2キャンセルパルス生成部22が生成した第2キャンセルパルスC/P−2は出力端子42に出力される。
方向指示器などを制御する上位の電子制御装置(ECU)は、ターンキャンセル信号出力装置100の出力端子41、42から出力されるC/P−1、C/P−2を参照することにより、簡単な処理だけで車両のターンの終了を検出することができる。ターンの終了を検出すると、これを契機として電子制御装置(ECU)は、ターンシグナルランプの点滅を終了する。
なお、操舵角速度検出部25の動作に相当する機能を操舵角度検出部10が内蔵している場合には、操舵角速度検出部25の搭載を省略し、操舵角度検出部10が出力する操舵角速度の情報を第1キャンセルパルス生成部21に入力すれば良い。
<外観の説明>
ターンキャンセル信号出力装置100の外観の具体例を図2に示す。図2に示すように、ターンキャンセル信号出力装置100の本体は筐体101の内部に配置されている。
筐体101には、円形の開口部102およびコネクタ103が設けてある。開口部102の直径は、車両のステアリングホイールを支持する回転軸の外形と同等の大きさになっている。すなわち、前記回転軸がターンキャンセル信号出力装置100の開口部102を貫通する状態で、ターンキャンセル信号出力装置100を車両に固定することができる。
図1に示したセンサブロック11は、ターンキャンセル信号出力装置100の開口部102に配置された前記回転軸の回転量を検出することができる。この回転量に基づき、ステアリングホイールの回転角度を舵角演算部12が算出する。
図2に示すように、筐体101の外側に配置されたコネクタ103には、多数の端子が備わっている。これらの端子の中には、図1に示した出力端子41、42も含まれている。つまり、方向指示器などを制御する上位の電子制御装置(ECU)は、コネクタ103を介してターンキャンセル信号出力装置100と接続することができ、C/P−1、C/P−2を参照することができる。
<電気回路の構成の説明>
図2に示したターンキャンセル信号出力装置100における実際の電気回路の構成を図3に示す。図3に示すように、このターンキャンセル信号出力装置100にはハードウェアとして、以下に説明する111〜117の各ブロックが備わっている。
マイクロコンピュータ(CPU)111は、予め組み込まれているプログラムを実行することにより、ターンキャンセル信号出力装置100に必要とされる様々な機能を実現するための処理を行う。例えば、図1に示した舵角演算部12、操舵角速度検出部25、第1キャンセルパルス生成部21、第2キャンセルパルス生成部22の各機能はマイクロコンピュータ111により実現される。もちろん、マイクロコンピュータ以外の専用のハードウェアを設けてこれらの機能をそれぞれ実現することも可能である。
第1センシングブロック112および第2センシングブロック113は、図1に示したセンサブロック11に相当し、ステアリングホイールの回転量あるいは回転角度を検出することができる。すなわち、図2に示した開口部102に配置される回転軸の回転量あるいは回転角度を第1センシングブロック112および第2センシングブロック113が検出する。
メモリブロック114は、データの読み出しおよび書き換えが可能な不揮発性記憶装置であり、例えばEEPROMにより構成される。メモリブロック114は、マイクロコンピュータ111が実行するプログラムや定数などのデータを保持することができる。メモリブロック114は、図1における不揮発性記憶部30の機能を含んでいる。
レギュレータブロック115は、車両側からコネクタ103の電源ライン(Vcc,GND)に供給される直流電力を安定した直流電力に変換し、その出力をマイクロコンピュータ111などの各回路に供給する。
CANインタフェースブロック116は、CAN(Controller Area Network)の通信規格に従って信号処理を行い、車両上の通信ネットワーク(CAN)とターンキャンセル信号出力装置100との間の通信接続を可能にする。CANインタフェースブロック116は、コネクタ103の各端子として備わっている信号線(CAN−H,CAN−L)を介して車両上の通信ネットワーク(CAN)と接続される。従って、車両上の様々な電子制御装置(ECU)は、車両上の通信ネットワークを経由してターンキャンセル信号出力装置100にアクセスすることができる。
キャンセルパルスインタフェースブロック117は、前述の第1キャンセルパルスC/P−1および第2キャンセルパルスC/P−2を予め規定した信号レベルの信号として出力するための信号処理を行う。なお、図1に示した第1キャンセルパルス生成部21および第2キャンセルパルス生成部22の機能を、専用のハードウェアとしてキャンセルパルスインタフェースブロック117の内部に組み込むことも可能である。
<ターンキャンセル信号出力装置100の具体的な動作の説明>
<C/P−1の生成動作>
第1キャンセルパルスC/P−1を生成する動作を図4に示す。すなわち、図3に示したマイクロコンピュータ111が図4に示す処理を実行することにより、図1に示した第1キャンセルパルス生成部21の機能を実現し、これにより第1キャンセルパルスC/P−1が生成される。図4の動作について以下に説明する。
マイクロコンピュータ111は、電源がオンになるとステップS11で所定の初期化を実行した後、次のステップS12で、不揮発性記憶部30からパラメータP2〜P4、P6、およびP7のデータを読み込む。
ステップS13では、マイクロコンピュータ111は最新の舵角ANGstrgの情報を、操舵角度検出部10の出力から、もしくはメモリブロック114上のデータとして周期的に読み込む。
ステップS14では、マイクロコンピュータ111はS12で読み込んだパラメータP4を参照し、現在指定されているターンキャンセルモードがシングルかマルチかを識別する。シングルキャンセルモードの場合は次にS15に進み、マルチキャンセルモードの場合は次にS23に進む。
ステップS15では、マイクロコンピュータ111は最新の舵角ANGstrg(N)と、前回取得した舵角ANGstrg(N−1)との差分ΔANGstrgを算出する。また、次のステップS16では、マイクロコンピュータ111はS15で算出した差分ΔANGstrgと、舵角ANGstrgの読み込み周期λangとに基づき操舵角速度SPEEDstrgを算出する。
ステップS17では、マイクロコンピュータ111はS16で算出した操舵角速度SPEEDstrgの絶対値を閾値(250[°/sec])と比較する。この閾値は、操舵角速度に応じてキャンセルエッジ角度を補正すべき範囲の上限を表す。「|SPEEDstrg|<250」の条件を満たす場合はキャンセルエッジ角度を補正する必要があるのでS18に進み、条件を満たさない場合は補正が不要なのでS20に進む。
ステップS18では、マイクロコンピュータ111は操舵角速度に応じたキャンセルエッジ角度の補正値(offset_ANG_CE)を次式により算出する。
補正値(offset_ANG_CE)=P7−{P2−(|SPEEDstrg|×P6)}
つまり、操舵角速度(SPEEDstrg)と認知遅延時間(パラメータP6)との乗算結果に応じた補正を行う。また、ステアリングホイールの回転位置が完全な中立位置(角度0)に戻る前に確実にターンキャンセル信号が発生するように、キャンセル目標角度(パラメータP7)を考慮して補正値を決定する。
ステップS19では、マイクロコンピュータ111は、S18で算出した補正値を用いてキャンセルエッジ角度値(P2)を補正する。すなわち次式の計算を行う。
補正後のキャンセルエッジ角度値=補正前のP2+補正値(offset_ANG_CE)
ステップS20では、マイクロコンピュータ111はシングルキャンセルモードにおけるC/P−1の識別条件を次に示すように特定する。
C/P−1を低レベル(Low)に切り替える条件(キャンセルエッジ検出条件):
|ANGstrg|≦ P2
C/P−1を高レベル(High)に切り替える条件(検出解除の条件):
|ANGstrg|≧ (P2+P3)
C/P−1のレベルを維持する条件:上記2つのいずれの条件にも該当しない場合
ステップS21では、マイクロコンピュータ111は、S20で特定した前記キャンセルエッジ検出条件を満たすか否かを識別し、条件を満たす場合はS26に進み、条件を満たさない場合はS22に進む。
ステップS22では、マイクロコンピュータ111は、S20で特定した前記検出解除の条件を満たすか否かを識別し、条件を満たす場合はS27に進み、条件を満たさない場合はS13に進む。
ステップS23では、マイクロコンピュータ111はマルチキャンセルモードにおけるC/P−1の識別条件を次に示すように特定する。
C/P−1を低レベル(Low)に切り替える条件(キャンセルエッジ検出条件):
(|ANGstrg|−360×n)≦ P2
C/P−1を高レベル(High)に切り替える条件(検出解除の条件):
(|ANGstrg|−360×n)≧ (P2+P3)
C/P−1のレベルを維持する条件:上記2つのいずれの条件にも該当しない場合
但し、nの値は次の通り:
|ANGstrg|≧ 540[°]の場合:n=2
|ANGstrg|≧ 180[°]の場合:n=1
|ANGstrg|< 180[°]の場合:n=0
ステップS24では、マイクロコンピュータ111は、S23で特定した前記キャンセルエッジ検出条件を満たすか否かを識別し、条件を満たす場合はS26に進み、条件を満たさない場合はS25に進む。
ステップS25では、マイクロコンピュータ111は、S23で特定した前記検出解除の条件を満たすか否かを識別し、条件を満たす場合はS27に進み、条件を満たさない場合はS13に進む。
ステップS26では、マイクロコンピュータ111は、出力する第1キャンセルパルスC/P−1の電位を低レベル(Low:例えばGNDに近い電位)に切り替える。
ステップS27では、マイクロコンピュータ111は、出力する第1キャンセルパルスC/P−1の電位を高レベル(High:例えばVccに近い電位)に切り替える。
なお、S26、S27のいずれも実行しない時には、第1キャンセルパルスC/P−1の電位は、それまでと同じ電位に維持される。
<C/P−2の生成動作>
第2キャンセルパルスC/P−2を生成する動作を図5に示す。すなわち、図3に示したマイクロコンピュータ111が図5に示す処理を実行することにより、図1に示した第2キャンセルパルス生成部22の機能を実現し、これにより第2キャンセルパルスC/P−2が生成される。図5の動作について以下に説明する。
マイクロコンピュータ111は、電源がオンになるとステップS31で所定の初期化を実行した後、次のステップS32に進む。
ステップS32では、マイクロコンピュータ111は最新の舵角ANGstrgの情報を、操舵角度検出部10の出力から、もしくはメモリブロック114上のデータとして周期的に読み込む。また、過去2回分の処理で得られた舵角ANGstrgの情報を一時的に保持し、N回目の処理で読み込んだ最新の舵角をANGstrg(N)とし、1周期前のN−1回目の処理で読み込んだ過去の舵角をANGstrg(N-1)とする。
ステップS33では、マイクロコンピュータ111は過去2回のS32の処理で得られた舵角の情報を用いて次式の計算を行い、舵角の差分(変化分)ΔANGstrgを求める。
ΔANGstrg=ANGstrg(N)−ANGstrg(N-1)
ステップS34では、マイクロコンピュータ111は「ΔANGstrg>0」の条件を満たすか否かを識別する。この条件を満たす場合はS36に進み、条件を満たさない場合はS35に進む。
ステップS35では、マイクロコンピュータ111は「ΔANGstrg<0」の条件を満たすか否かを識別する。この条件を満たす場合はS37に進み、条件を満たさない場合はS32に進む。
ステップS36では、マイクロコンピュータ111は、第2キャンセルパルスC/P−2の電位を高レベル(High:例えばVccに近い電位)に切り替える。この状態は、操舵軸の回転方向が反時計回り(CCW)であることを表す。
ステップS37では、マイクロコンピュータ111は、第2キャンセルパルスC/P−2の電位を低レベル(Low:例えばGNDに近い電位)に切り替える。この状態は、操舵軸の回転方向が時計回り(CW)であることを表す。
<動作特性の具体例>
<操舵角速度に応じた補正をしない場合の動作>
上述のターンキャンセル信号出力装置100における動作特性の具体例を図6、図7、図8にそれぞれ示す。
図6に示す動作特性は、シングルキャンセルモードが指定されている状態で、−750度〜+750度の角度まで一定の速度でCCW方向に操舵した後、逆に+720度〜−720度まで一定の速度でCW方向に操舵した状況を表している。また、この場合は各パラメータとして次の値を用いている。
P2: 30[°](キャンセルエッジ角度値)
P3: 2[°](ヒステリシス角度値)
P4: シングルキャンセルモード
図6に示すように、シングルキャンセルモードの場合には、操舵可能な−750度〜+750度の全範囲内の1回の操舵について、第1キャンセルパルスC/P−1として有効なパルス(Lowの区間)が1つだけ現れる。
つまり、舵角ANGstrgが図4におけるS21のキャンセルエッジ検出条件を満たしたとき(|ANGstrg|≦P2)にS26でC/P−1が「Low」に切り替わる。また、その直後にS22の検出解除の条件を満たしたとき(|ANGstrg|≧(P2+P3))にS27でC/P−1が「High」に切り替わる。
一方、図7に示す動作特性は、マルチキャンセルモードが指定されている状態で、−750度〜+750度の角度まで一定の速度でCCW方向に操舵した状況を表している。また、この場合は各パラメータとして次の値を用いている。
P2: 30[°](キャンセルエッジ角度値)
P3: 2[°](ヒステリシス角度値)
P4: マルチキャンセルモード
図7に示すように、マルチキャンセルモードの場合には、操舵軸およびステアリングホイールが1回転(360度の回転)する毎に、キャンセルエッジの条件を満たすと第1キャンセルパルスC/P−1として有効なパルス(Lowの区間)が現れる。
つまり、舵角ANGstrgが図4におけるS24のキャンセルエッジ検出条件を満たしたとき((|ANGstrg|−360×n)≦P2)にS26でC/P−1が「Low」に切り替わる。また、その直後にS25の検出解除の条件を満たしたとき((|ANGstrg|−360×n)≧(P2+P3))にS27でC/P−1が「High」に切り替わる。
また、図8に示す動作特性は、ステアリングホイールの動きに回転方向の変化を与えた場合の第2キャンセルパルスC/P−2の変化の様子を表している。すなわち、図8に示した例では次のような操舵を想定している。
(1)最初に舵角の0〜+750[°]までの範囲でCCW方向に回転
(2)次に舵角の+750〜−60[°]までの範囲でCW方向に回転
(3)次に舵角の−60〜+60[°]までの範囲でCCW方向に回転
(4)次に舵角の+60〜−750[°]までの範囲でCW方向に回転
(5)次に舵角の−750〜0[°]までの範囲でCCW方向に回転
図8に示すように、第2キャンセルパルスC/P−2は、舵角ANGstrgの変化する回転方向がCCWの時には高レベル(High)になり、回転方向がCWの時には低レベル(Low)に切り替わる。つまり、図5に示すS34の条件を満たす時に回転方向が(CCW)とみなされてC/P−2が高レベルになり、S35の条件を満たす時に回転方向が(CW)とみなされてC/P−2が低レベルになる。
<操舵角速度に応じた補正の動作>
操舵角速度(SPEEDstrg)毎の補正値および補正前後のキャンセルエッジ角度の一覧を図12に示す。また、操舵角速度と補正後のキャンセルエッジ角度との関係を図13に示す。更に、6種類の条件下における検出操舵角度とC/P−1との関係を図14に示す。
図12、図13、図14に示した例では、前述のパラメータおよびその他の条件として以下のような状況を想定している。
P2: 30[°](キャンセルエッジ角度値:ANG C/E)
P3: 2[°](ヒステリシス角度値)
P4: シングルキャンセルモード
P6: 0.1[sec]認知遅延時間(TIME−P/D)
P7: 5 [°]キャンセル目標角度(ANGc/t)
補正を実施する操舵角速度の範囲:−250〜+250[°/sec]
図12に示すように、補正前(befor offset)のキャンセルエッジ角度値ANG C/Eは、パラメータP2の値なので、30[°]である。また、図12中に示すANG C/Eの補正値(offset value)は、図4のステップS18で次式により算出される。
補正値(offset value)=P7−{P2−(|SPEEDstrg|×P6)} ・・・(1)
また、図12中に示す補正後(after offset)のキャンセルエッジ角度値ANG C/Eは、「補正前のP2に補正値(offset value)を加算した結果として図4のS19で算出される。
例えば、操舵角速度(SPEEDstrg)が50[°/sec]の時には、前記第(1)式から算出される補正値(offset value)が「−20[°]」になり、補正後(after offset)のキャンセルエッジ角度値ANG C/Eは「10[°]」になる。また、操舵角速度(SPEEDstrg)が150[°/sec]の時には、補正値(offset value)が「−10[°]」になり、補正後(after offset)のキャンセルエッジ角度値ANGC/Eは「20[°]」になる。操舵角速度(SPEEDstrg)が250[°/sec]の時には、補正値(offset value)が「0[°]」になり、補正後(after offset)のキャンセルエッジ角度値ANG C/Eは「30[°]」になる。つまり、図12に示す通りである。
また、ここでは補正を実施する操舵角速度の範囲を「−250〜+250[°/sec]」に定めているので、操舵角速度(SPEEDstrg)と補正後のキャンセルエッジ角度(ANG C/E)との関係は図13のような特性になる。つまり、図4のステップS17で比較する閾値が250[°/sec]であるので、操舵角速度(SPEEDstrg)の絶対値が250以下の範囲内において補正が実施される。
また、図13に示すように補正後のキャンセルエッジ角度(ANG C/E)の最小値は5[°]である。この最小値は、パラメータP7の値により規定することができる。つまり、操舵角速度が非常に小さい場合であっても、運転者がステアリングホイールを中立位置(0[°])になる前の角度5[°]まで戻した時点で確実にターンキャンセル信号を出力することができる。
<動作タイミングの具体例>
図14に示した動作例Gp11およびGp12は、次のような条件下での動作タイミングを表している。
キャンセルエッジ角度(ANG C/E)の補正値:−20[°]
補正後のキャンセルエッジ角度(ANG C/E): 10[°]
ステアリングホイールの回転方向:Gp11はCCW、Gp12はCW
動作例Gp11においては、舵角ANGstrgが−10[°]まで中立位置に近づいた時に第1キャンセルパルスC/P−1がLowになる。また、中立位置を通り過ぎて舵角ANGstrgが+32[°]になった時に第1キャンセルパルスC/P−1がHighになる。
また、動作例Gp12においては、舵角ANGstrgが+10[°]まで中立位置に近づいた時に第1キャンセルパルスC/P−1がLowになる。また、中立位置を通り過ぎて舵角ANGstrgが−32[°]になった時に第1キャンセルパルスC/P−1がHighになる。
一方、図14に示した動作例Gp21およびGp22は、次のような条件下での動作タイミングを表している。
キャンセルエッジ角度(ANG C/E)の補正値:−10[°]
補正後のキャンセルエッジ角度(ANG C/E): 20[°]
ステアリングホイールの回転方向:Gp21はCCW、Gp22はCW
動作例Gp21においては、舵角ANGstrgが−20[°]まで中立位置に近づいた時に第1キャンセルパルスC/P−1がLowになる。また、中立位置を通り過ぎて舵角ANGstrgが+32[°]になった時に第1キャンセルパルスC/P−1がHighになる。
また、動作例Gp22においては、舵角ANGstrgが+20[°]まで中立位置に近づいた時に第1キャンセルパルスC/P−1がLowになる。また、中立位置を通り過ぎて舵角ANGstrgが−32[°]になった時に第1キャンセルパルスC/P−1がHighになる。
一方、図14に示した動作例Gp31およびGp32は、次のような条件下での動作タイミングを表している。
キャンセルエッジ角度(ANG C/E)の補正値: 0[°]
補正後のキャンセルエッジ角度(ANG C/E): 30[°]
ステアリングホイールの回転方向:Gp21はCCW、Gp22はCW
動作例Gp31においては、舵角ANGstrgが−30[°]まで中立位置に近づいた時に第1キャンセルパルスC/P−1がLowになる。また、中立位置を通り過ぎて舵角ANGstrgが+32[°]になった時に第1キャンセルパルスC/P−1がHighになる。
また、動作例Gp32においては、舵角ANGstrgが+30[°]まで中立位置に近づいた時に第1キャンセルパルスC/P−1がLowになる。また、中立位置を通り過ぎて舵角ANGstrgが−32[°]になった時に第1キャンセルパルスC/P−1がHighになる。
つまり、各動作例Gp11、Gp21、Gp13の違いから分かるように、第1キャンセルパルスC/P−1がLowになるタイミング(舵角ANGstrg)は、前記補正値の違いに応じて変化する。すなわち、操舵角速度の変化が、キャンセルエッジの検出タイミングの変化に反映されている。
<C/P−1,C/P−2を利用したターンキャンセルの識別例>
上位の電子制御装置(ECU)においては、上述のターンキャンセル信号出力装置100から出力されるC/P−1、C/P−2の2つを利用することにより、比較的簡単にターンキャンセルの識別を行うことができる。すなわち、方向指示器のターンシグナルランプの点滅を開始した後、点滅を終了させるための契機となるターンキャンセルの識別を、C/P−1、C/P−2に基づいて行うことができる。
具体的には、上位の電子制御装置(ECU)は次のような条件を用いて識別する。
<右方向ターンシグナルランプの消灯条件の例>
第1キャンセルパルスC/P−1の立ち上がり(Low→High)を検出
且つ、第2キャンセルパルスC/P−2の回転方向がCCW(High)
<左方向ターンシグナルランプの消灯条件の例>
第1キャンセルパルスC/P−1の立ち上がり(Low→High)を検出
且つ、第2キャンセルパルスC/P−2の回転方向がCW(Low)
<方向指示器の具体的な制御例>
<操舵角速度に応じた補正をしない場合>
ステアリングホイールの操作に応じた舵角および回転方向の状態遷移と方向指示灯の制御との対応関係の具体例を図11に示す。すなわち、ステアリングホイールの操作による状態遷移に伴って、上位の電子制御装置(ECU)が図11に示すように方向指示灯(ターンシグナルランプ)の消灯を制御する。図11に示す例では、上記の消灯条件を用いて上位の電子制御装置(ECU)が制御を行う。ここで想定しているターンキャンセル信号出力装置100のパラメータについては次の通りである。
操舵角度の範囲: −750〜+750[°]
P2: 30[°](キャンセルエッジ角度値)
P3: 2[°](ヒステリシス角度値)
図11に示した各々の状態および状態遷移の状況について以下に説明する。
車両を右折するために運転者が操作レバーを操作すると、方向指示灯を制御する上位の電子制御装置(ECU)は、「右ターン信号」をオンにする。これにより、右方向指示灯の点滅動作が開始される。これが図11に示す最初の状態C00に相当する。ここで、右方向指示灯の点滅を終了させるためにはターンキャンセルの状態を検出する必要がある。
電子制御装置(ECU)は、上記の「右ターン信号」と、ターンキャンセル信号出力装置100から出力されるC/P−1、C/P−2とに基づいてターンキャンセルの状態を識別することができる。実際には、各々の状態遷移の結果として図11に示す各状態C05、C14、C24、C34、C44のようになる。
(1)図11のように、ステアリングホイールSTが状態C01→C02→C03→C04と変化し、舵角[°]が0(中立位置)→「−135」→「−315」→「−400」とCW方向に変化した場合には、ターンキャンセルの状態は検出されない。その結果、状態C05では右方向指示灯の点滅動作が継続される。
(2)ステアリングホイールSTが状態C02の後で、CCW方向に回転し、状態C13のように舵角[°]が「−30」になると、C/P−1のパルスが現れて前述の「消灯条件」を満たすので、ターンキャンセルの状態が検出される。その結果、状態C14では右方向指示灯が消灯する。
(3)上記と同様に、状態C01→C22→C23のようにステアリングホイールの状態が遷移した場合にも、マルチキャンセルモードが指定されている時には、C/P−1のパルスが現れて前述の「消灯条件」を満たすので、ターンキャンセルの状態が検出される。その結果、状態C24では右方向指示灯が消灯する。
(4)状態C00→C32→C33のようにステアリングホイールの状態が遷移した場合にも、C/P−1のパルスが現れて前述の「消灯条件」を満たすので、ターンキャンセルの状態が検出される。その結果、状態C34では右方向指示灯が消灯する。
(5)状態C00→C42→C43のようにステアリングホイールの状態が遷移した場合にも、マルチキャンセルモードが指定されている時には、C/P−1のパルスが現れて前述の「消灯条件」を満たすので、ターンキャンセルの状態が検出される。その結果、状態C44では右方向指示灯が消灯する。
<操舵角速度に応じた補正をする場合>
ステアリングホイールの操作に応じた舵角および回転方向の状態遷移と方向指示灯の制御との対応関係の具体例を図15に示す。すなわち、ステアリングホイールの操作による状態遷移に伴って、上位の電子制御装置(ECU)が図15に示すように方向指示灯(ターンシグナルランプ)の消灯を制御する。図15に示す例では、上記の消灯条件を用いて上位の電子制御装置(ECU)が制御を行う。ここで想定しているターンキャンセル信号出力装置100のパラメータについては次の通りである。
P2: 30[°](キャンセルエッジ角度値)
P3: 2[°](ヒステリシス角度値)
P4: シングルキャンセルモード
P6: 0.1[sec]認知遅延時間(TIME−P/D)
P7: 5 [°]キャンセル目標角度(ANGc/t)
補正を実施する操舵角速度の範囲:−250〜+250[°/sec]
図15に示した各々の状態および状態遷移の状況について以下に説明する。
車両を右折するために運転者が操作レバーを操作すると、方向指示灯を制御する上位の電子制御装置(ECU)は、「右ターン信号」をオンにする。これにより、右方向指示灯の点滅動作が開始される。これが図15に示す最初の状態C50に相当する。ここで、右方向指示灯の点滅を終了させるためにはターンキャンセルの状態を検出する必要がある。
電子制御装置(ECU)は、上記の「右ターン信号」と、ターンキャンセル信号出力装置100から出力されるC/P−1、C/P−2とに基づいてターンキャンセルの状態を識別することができる。実際には、各々の状態遷移の結果として図15に示す各状態C54、C61、C62のようになる。
(1)図15のように、ステアリングホイールSTが状態C51→C52→C53と変化し、舵角[°]が0(中立位置)→「−135」→「−40」と変化した場合には、ターンキャンセルの状態は検出されない。従って、状態C52では右方向指示灯の点滅動作が継続される。
(2)ステアリングホイールSTが状態C52の後で状態C53のように変化し、舵角[°]が「−30」まで戻ると、操舵角速度が速い場合には、C/P−1のパルスが現れて前述の「消灯条件」を満たすので、ターンキャンセルの状態が検出される。その結果、状態C54では右方向指示灯が消灯する。但し、運転者が状態C54のようなターンキャンセルの状態を実際に認知するのは、状態C53で「消灯条件」を満たした後、認知遅延時間(0.1[sec])を経過した時である。
(3)一方、操舵角速度が50[°/sec]の場合には、図12に示すように補正値(offset value)が−20[°]になり、補正後のキャンセルエッジ角度値が10[°]になる。従って、図15の状態C61のように、舵角[°]が「−10」まで戻った時にC/P−1のパルスが現れて前述の「消灯条件」を満たし、状態C61では右方向指示灯が消灯する。但し、運転者が状態C54のようなターンキャンセルの状態を実際に認知するのは、状態C61で「消灯条件」を満たした後、認知遅延時間(0.1[sec])を経過した時である。すなわち、状態C62のように舵角[°]が「−5」まで戻った時に、運転者が状態C54のような右方向指示灯の消灯を認知する。
(4)操舵角速度が250[°/sec]の場合には、補正値が0[°]なので、状態C53のように舵角[°]が「−30」まで戻ると、C/P−1のパルスが現れて前述の「消灯条件」を満たし右方向指示灯が消灯する。但し、運転者がターンキャンセルの状態を実際に認知するのは、状態C53で「消灯条件」を満たした後、認知遅延時間(0.1[sec])を経過した時であり、状態C62と一致するタイミングである。つまり、操舵角速度の大小とはほぼ無関係に、運転者は同じ状態C62になった時にターンキャンセルの状態を認知する。従って、ターンキャンセルのタイミングについて、運転者が違和感や不安感を感じることがなくなる。
<自己診断およびパラメータ書き換え>
ターンキャンセル信号出力装置100における自己診断およびパラメータ書き換えの動作を図9に示す。ターンキャンセル信号出力装置100に内蔵されているマイクロコンピュータ111(図3参照)が所定のプログラムを実行することにより、図9の動作が実現される。図9の各ステップの処理について以下に説明する。
ターンキャンセル信号出力装置100の電源がオンになると、マイクロコンピュータ111はステップS41で所定の初期化を実行した後、S42の処理に進む。
ステップS42では、マイクロコンピュータ111は所定の自己診断処理を実行する。例えば、マイクロコンピュータ111自身の機能に関する診断や、マイクロコンピュータ111に接続されている各ブロック(112、113、116、117等)の断線、信号レベルの異常等に関する診断を実施する。また、正しい舵角を検出できる状況か否かについても診断する。
ステップS43では、マイクロコンピュータ111はS42の結果として異常な診断結果が得られたか否かを識別する。異常を検出した場合はS44に進み、異常を検出していない場合はS45に進む。
ステップS44では、正しい舵角を検出できない状況なので、マイクロコンピュータ111は、前述の第1キャンセルパルスC/P−1および第2キャンセルパルスC/P−2の出力を禁止する(信号レベルをHighに固定する)ように、キャンセルパルスインタフェースブロック117を制御する。
ステップS45では、マイクロコンピュータ111は、ターンキャンセル信号出力装置100が通常の動作を行うように所定の処理を開始する。これにより、例えば図4に示した処理や図5に示した処理が普通に実行される。従って、前述の第1キャンセルパルスC/P−1および第2キャンセルパルスC/P−2を出力することができる。
ステップS46では、マイクロコンピュータ111はCANインタフェースブロック116の状況を監視することにより、CAN通信開始の有無を識別する。CAN通信を開始する場合は次のS47に進む。
ステップS47では、マイクロコンピュータ111は、CANインタフェースブロック116が「データ送信要求」のコマンドを車両上の通信ネットワーク(CAN)に接続されている他の電子制御装置(ECU)から受信したか否かを識別する。「データ送信要求」を受信した場合はS48に進み、受信していない場合はS49に進む。
ステップS48では、操舵角度検出部10が検出した最新の舵角ANGstrgのデータを読み取り、このデータをCANインタフェースブロック116を経由して車両上の通信ネットワーク(CAN)に送出する。
ステップS49では、マイクロコンピュータ111は「パラメータ書き換え要求」のコマンドを車両上の通信ネットワーク(CAN)に接続されている他の電子制御装置(ECU)から受信したか否かを識別する。「パラメータ書き換え要求」を受信した場合はS50に進み、受信していない場合はS46に進む。
ステップS50では、マイクロコンピュータ111は受信した「パラメータ書き換え要求」の内容に従って、メモリブロック114(不揮発性記憶部30)上に保持されているパラメータP2〜P4、P6、およびP7のデータを書き換える。
<変形例>
この変形例におけるターンキャンセル信号出力装置100の機能上の構成を図10に示す。実際の電気回路のハードウェアについては図3と同様であるが、コネクタ103に設ける端子の数や信号の内容が変更されている。また信号の変更に伴って、キャンセルパルスインタフェースブロック117にも変更が加えられている。
図10に示したように、この変形例においては第3キャンセルパルス生成部23が新たな構成要素として追加されている。また、第1キャンセルパルス生成部21が出力する第1キャンセルパルスC/P−1、ならびに第2キャンセルパルス生成部22が出力する第2キャンセルパルスC/P−2は、第3キャンセルパルス生成部23に入力される。
また、コネクタ103に新たに設けられた入力端子44、45から、右ターン信号TurnRおよび左ターン信号TurnLが第3キャンセルパルス生成部23に入力される。
右ターン信号TurnRおよび左ターン信号TurnLは、現在の方向指示状態を表し、上位の電子制御装置(ECU)から出力される。右ターン信号TurnRは、右側の方向指示灯が点滅している制御状態(車両が右ターンの状態)でオン状態(例えばLowレベル)になる。同様に、左ターン信号TurnLは、左側の方向指示灯が点滅している制御状態(車両が右ターンの状態)でオン状態になる。
第3キャンセルパルス生成部23は、入力される各信号(C/P−1、C/P−2、TurnR、TurnL)に基づいて、第3キャンセルパルスC/P−3を生成する。この第3キャンセルパルスC/P−3が出力端子43に出力される。出力端子43および入力端子44、45は、コネクタ103上に配置される。
従って、図10に示した変形例のターンキャンセル信号出力装置100を使用する場合には、上位の電子制御装置(ECU)は、右ターン信号TurnRおよび左ターン信号TurnLを出力し、第3キャンセルパルスC/P−3を入力することができる。
第3キャンセルパルスC/P−3は、左右の方向指示灯の点滅を終了するための契機として利用できる信号である。つまり、上位の電子制御装置(ECU)は、右の方向指示灯が点滅している状況では、C/P−3にパルスが現れた時に右の方向指示灯の点滅を終了すれば良い。また、左の方向指示灯が点滅している状況では、C/P−3にパルスが現れた時に左の方向指示灯の点滅を終了すれば良い。
第3キャンセルパルス生成部23は、次に示す条件に従って第3キャンセルパルスC/P−3を生成することができる。
右ターン信号TurnRがオンの場合:
第1キャンセルパルスC/P−1の立ち上がり(Low→High)を検出
且つ、第2キャンセルパルスC/P−2の回転方向がCCW(High)
の条件を満たす時に、C/P−3に1つの有効なパルスを出力するか、あるいはターンキャンセルを表す信号レベルを出力する。
左ターン信号TurnLがオンの場合:
第1キャンセルパルスC/P−1の立ち上がり(Low→High)を検出
且つ、第2キャンセルパルスC/P−2の回転方向がCW(Low)
の条件を満たす時に、C/P−3に1つの有効なパルスを出力するか、あるいはターンキャンセルを表す信号レベルを出力する。
<補足説明>
(1)図1に示したように、車両用ターンキャンセル信号出力装置(100)は、車両のステアリングホイールの操作状態に基づいて、前記車両に搭載された方向指示器の動作状態を解除するための契機を与えるターンキャンセル信号を生成する。また、前記ステアリングホイールの操舵角度を検出する操舵角度検出部(10)と、検出した前記操舵角度に基づいて操舵角速度を検出する操舵角速度検出部(25)と、前記操舵角度検出部が検出した操舵角度に基づき、車両のターンの終了を表すエッジとして検出すべき目標エッジ操舵角度になった時に、第1キャンセルパルスを生成すると共に、前記操舵角速度の大小に応じて前記目標エッジ操舵角度を補正する第1キャンセルパルス生成部(21)と、前記操舵角度検出部が検出した操舵角度に基づき、操舵の回転方向を表す第2キャンセルパルスを生成する第2キャンセルパルス生成部(22)と、前記第1キャンセルパルスおよび第2キャンセルパルスの少なくとも一方の状態を反映した信号を出力する信号出力端子(41、42)とを備えている。
(2)また、図1に示すように車両用ターンキャンセル信号出力装置(100)は、前記第1キャンセルパルスを生成する条件に影響を与える少なくとも1つのパラメータ(P2〜P4、P6、P7)の情報を保持する不揮発性記憶部(30)を更に備えている。
(3)また、前記不揮発性記憶部は、前記第1キャンセルパルスを生成する前記目標エッジ操舵角度の基準値を表す第1のパラメータ(P2)と、認知遅延時間を表す第2のパラメータ(P6)とを保持し、前記第1キャンセルパルス生成部(21)は、検出した前記操舵角速度と、前記第2のパラメータとの乗算結果を用いて、前記目標エッジ操舵角度を補正する(S18,S19)。
(4)また、前記第1キャンセルパルス生成部(21)は、前記操舵角速度に応じた前記目標エッジ操舵角度の補正(S18,S19)を、前記操舵角速度の絶対値が所定の閾値以内の場合のみに限定する(S17)。
(5)また、前記不揮発性記憶部(30)は、前記目標エッジ操舵角度の最小値を表す第3のパラメータ(P7)を更に保持し、前記第1キャンセルパルス生成部は、補正後の前記目標エッジ操舵角度の絶対値を、前記第3のパラメータの値以上に維持する(S18,S19)。
10 操舵角度検出部
11 センサブロック
12 舵角演算部
21 第1キャンセルパルス生成部
22 第2キャンセルパルス生成部
23 第3キャンセルパルス生成部
25 操舵角速度検出部
30 不揮発性記憶部
41,42,43 出力端子
44,45 入力端子
100 ターンキャンセル信号出力装置
101 筐体
102 開口部
103 コネクタ
111 マイクロコンピュータ
112 第1センシングブロック
113 第2センシングブロック
114 メモリブロック
115 レギュレータブロック
116 CANインタフェースブロック
117 キャンセルパルスインタフェースブロック
C/P−1 第1キャンセルパルス
C/P−2 第2キャンセルパルス
C/P−3 第3キャンセルパルス
P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7 パラメータ
TurnR 右ターン信号
TurnL 左ターン信号

Claims (4)

  1. 車両のステアリングホイールの操作状態に基づいて、前記車両に搭載された方向指示器の動作状態を解除するための契機を与えるターンキャンセル信号を生成する車両用ターンキャンセル信号出力装置であって、
    前記ステアリングホイールの操舵角度を検出する操舵角度検出部と、
    検出した前記操舵角度に基づいて操舵角速度を検出する操舵角速度検出部と、
    前記操舵角度検出部が検出した操舵角度に基づき、車両のターンの終了を表すエッジとして検出すべき目標エッジ操舵角度になった時に、第1キャンセルパルスを生成すると共に、前記操舵角速度の大小に応じて前記目標エッジ操舵角度を補正する第1キャンセルパルス生成部と、
    前記操舵角度検出部が検出した操舵角度に基づき、操舵の回転方向を表す第2キャンセルパルスを生成する第2キャンセルパルス生成部と、
    前記第1キャンセルパルスおよび第2キャンセルパルスの少なくとも一方の状態を反映した信号を出力する信号出力端子と
    を備えることを特徴とする車両用ターンキャンセル信号出力装置。
  2. 前記第1キャンセルパルスを生成する条件に影響を与える少なくとも1つのパラメータの情報を保持する不揮発性記憶部
    を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用ターンキャンセル信号出力装置。
  3. 前記不揮発性記憶部は、前記第1キャンセルパルスを生成する前記目標エッジ操舵角度の基準値を表す第1のパラメータと、認知遅延時間を表す第2のパラメータとを保持し、
    前記第1キャンセルパルス生成部は、検出した前記操舵角速度と、前記第2のパラメータとの乗算結果を用いて、前記目標エッジ操舵角度を補正する
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両用ターンキャンセル信号出力装置。
  4. 前記第1キャンセルパルス生成部は、前記操舵角速度に応じた前記目標エッジ操舵角度の補正を、前記操舵角速度の絶対値が所定の閾値以内の場合のみに限定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両用ターンキャンセル信号出力装置。
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