JP6001299B2 - 光選択透過フィルター用基材、樹脂シート、光選択透過フィルター及び固体撮像素子 - Google Patents

光選択透過フィルター用基材、樹脂シート、光選択透過フィルター及び固体撮像素子 Download PDF

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Description

本発明は、光選択透過フィルター用基材、樹脂シート、光選択透過フィルター及び固体撮像素子に関する。より詳しくは、光学部材やオプトデバイス部材の他、表示デバイス部品、機械部品、電気・電子部品等の用途に有用な光選択透過フィルターに適した基材、それに用いられる樹脂シート、それを含む光選択透過フィルター及び固体撮像素子に関する。
光選択透過フィルターは、特定波長の光の透過率を選択的に低減するフィルターであり、例えば、光学部材やオプトデバイス部材の他、表示デバイス部品、機械部品、電気・電子部品等に用いられる光学フィルターとして有用なものである。例えば、代表的な光学部材の1つである固体撮像素子(カメラモジュールとも称す)においては、光学ノイズとなる赤外線(特に波長>780nm)を遮断する赤外線カットフィルター(IRカットフィルター)が用いられている。
このような赤外線カットフィルター等に代表される光選択透過フィルターの基材としては、従来、ガラス板が用いられてきた。しかし、近年では、デジタルカメラモジュールが携帯電話に搭載される等、光学部材等の分野で小型化が進みつつあり、これに伴って、光選択透過フィルターの薄膜化への要望が高まっていることから、基材として樹脂を用いることが検討されつつある。
基材に樹脂を用いた光選択透過フィルターとしては、例えば、厚みが200μm未満であり、かつ基材が耐リフロー性機能フィルムを含んで構成された光選択透過フィルターが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この光選択透過フィルターは、充分に薄くても耐熱性に優れるため、各種用途に極めて有用なものである。なお、特許文献1の第17〜18頁には、基材の両面に光選択透過層等の機能性材料層が積層された構造を有することが好ましい旨が記載されていて、光選択透過層として、第37頁及び39頁に、無機多層膜や赤外吸収色素を有する塗布膜が例示されている。後者の赤外吸収色素を有する塗布膜について、第40頁には、超微粒子や赤外吸収色素を有し、有機バインダーや無機バインダーをバインダーとして用いた塗料を成膜する手法が記載されている。
WO2008/081892号公報
上述したように、光選択透過フィルターの技術開発が進みつつあるが、樹脂を基材とする場合には基材形状が安定しないことがある。例えば、基材への樹脂材料の塗布乾燥や樹脂フィルムの熱圧着によって他の樹脂層を形成したり、基材に金属材料を蒸着して反射層を形成したりすることがあるが、乾燥や圧着、蒸着時の温度等によっては樹脂基材の形状が変化したり、温度変化によって層間に応力が生じクラックや割れが発生したりすることがある。このような場合、入射光や反射光の角度に歪みが生じ、結果として光選択透過フィルターとしての性能に影響を与えることになるため、この点で課題を有していた。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、基材形状を充分に安定して維持でき、例えば他の層を形成した際にもカールや反り、クラック、割れ等が生じるおそれが充分に抑制され、各種性能に優れる光選択透過フィルターを与えることが可能な光選択透過フィルター用基材、これに用いられる樹脂シート、該基材を含む光選択透過フィルター及び該光選択透過フィルターを有する固体撮像素子を提供することを目的とする。
本発明者等は、光選択透過フィルターに適した基材について種々検討したところ、支持体の両面に樹脂層を有する樹脂シートを含むという構成とすると、基材形状が充分に安定され、例えば反射層等の他の層を形成した場合にもカールや反り、クラック、割れ等の発生が充分に抑制されることを見いだした。そして、このような光選択透過フィルター用基材において、樹脂層の少なくとも一層及び/又は支持体を色素を含むものとすると、当該基材自体に光吸収能を付与できることを見いだし、また、ガラスを基材とする場合と比較して、光選択透過フィルター全体を大幅に薄膜化できることを見いだした。更に、このような光選択透過フィルター用基材を用いれば、固体撮像素子(カメラモジュール)に代表される光学用途やオプトデバイス用途等に極めて有効な光選択透過フィルターを得ることができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達した。
なお、特許文献1には、基材の両面に光選択透過層等の機能性材料層を有する形態が記載されているが、この光選択透過層は樹脂層には限定されていないうえ、本発明のような構成に起因してカールや反り、クラックの発生等が充分に抑制されるという効果についても、特許文献1では記載も示唆もされていない。
すなわち本発明は、光選択透過フィルターに用いられる基材であって、該光選択透過フィルター用基材は、樹脂シートを含み、該樹脂シートは、支持体を有し、かつ該支持体の両面に樹脂層を有する光選択透過フィルター用基材である。
本発明はまた、上記光選択透過フィルター用基材に用いられる樹脂シートでもある。
本発明は更に、上記光選択透過フィルター用基材を含む光選択透過フィルターでもある。
本発明はそして、上記光選択透過フィルター、レンズユニット部、及び、センサー部を少なくとも有する固体撮像素子でもある。
以下に本発明を詳述する。なお、以下において段落に分けて記載される本発明の好ましい形態の2つ又は3つ以上を組み合わせたものも本発明の好ましい形態である。
〔光選択透過フィルター用基材〕
本発明の光選択透過フィルター用基材は、1又は2以上の樹脂シートを含む。
このような樹脂シートは、支持体と樹脂層とを有し、該支持体の両面に該樹脂層を有する構成からなるが、これによって基材形状が充分に安定し、例えば該樹脂層を形成する際や該基材に他の層を形成する際の温度条件等による基材の形状変化が充分に抑制され、また、温度変化による層間の応力に起因するクラックや割れの発生も充分に防止されることになる。そのため、基材の形状変化等に起因する、光選択透過フィルターの性能への影響を充分に排除することができるため、優れた特性を発揮できる光選択透過フィルターを与えることが可能になる。このような上記光選択透過フィルター用基材に用いられる樹脂シートもまた、本発明の1つである。
このように上記樹脂層は、主に基材形状の安定化を目的として支持体の両面に形成されるが、樹脂層を極薄コートすることによって樹脂シートの膜厚を支持体の膜厚とほとんど変えずに本発明の効果を付与することもできるし、樹脂層を支持体の厚み調整に利用することもできる。
なお、上記樹脂シートは、必要に応じて更に他の層を含むものであってもよいし、また、支持体と樹脂層との間に他の層を有するものであってもよいが、支持体の表面に、直接、樹脂層が形成されてなることが好適である。また、1つの樹脂シートに支持体が2以上含まれる場合は、そのうちの少なくとも1以上の支持体の両面に、各面1層以上の樹脂層を有するものであればよい。
上記樹脂シートにおいては、上記樹脂層の少なくとも一層及び/又は支持体が色素を含むことが好適である。これにより、上記光選択透過フィルター用基材自体に特定波長の光を吸収する性能(光吸収能)を付与することができる。この場合、更に他の吸収層を形成しなくても、光吸収能を有する光選択透過フィルターを得ることができるため、薄膜化等の観点から好適である。中でも、少なくとも、上記樹脂層の少なくとも一層が色素を含むことが好ましい。この場合、樹脂層の厚みを変更することで吸収特性をより制御することもできる。
なお、上記樹脂層の少なくとも一層が色素を含む形態とは、支持体の両面に形成された樹脂層のいずれもが色素を含む形態と、支持体の一方の面に形成された樹脂層が色素を含み、かつ他方の面に形成された樹脂層は色素を含まない(好ましくは透明樹脂層である)形態とが挙げられるが、本発明ではこのいずれの形態も好適である。
上記樹脂シートにおいて、支持体としては、フィルム形状のもの(支持体フィルム)が好適であり、支持体フィルムとしては、透明性に優れる樹脂を用いることが好ましい。具体的には、例えば、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素化芳香族ポリマー、ポリ(アミド)イミド樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、シクロオレフィン樹脂等を用いることができる。これらの中でも、反射層を蒸着形成する際の耐熱性に優れる点で、フッ素化芳香族ポリマー、ポリ(アミド)イミド樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、エポキシ樹脂及び/又はアクリル樹脂が好ましい。より好ましくは、ポリ(アミド)イミド樹脂を少なくとも用いることである。
上記支持体フィルムを構成する樹脂はまた、溶剤可溶性樹脂、溶剤可溶性樹脂原料及び液状樹脂原料のうちの少なくとも1種より形成される樹脂に該当するものが好適である。中でも、可撓性、耐光性等に優れる点で、溶剤可溶性樹脂に該当するものが特に好ましい。溶剤可溶性樹脂、溶剤可溶性樹脂原料及び液状樹脂原料については、後述する。
上記支持体が色素を含む場合、該色素は、支持体中に分散又は溶解されてなることが好ましい。例えば、後述する溶剤可溶性樹脂、溶剤可溶性樹脂原料及び/又は液状樹脂原料と色素とを含む樹脂組成物中に色素が分散又は溶解された形態の樹脂組成物により、支持体が形成されることが好適である。
なお、上記支持体が色素を含む場合の色素濃度(色素含有量)については、後述する樹脂層が色素を含む場合のそれと同様の範囲であることが好適である。
上記樹脂シートにおいて、樹脂層は、軟質の樹脂層であることが好適である。これにより、カールや反り、クラック、割れの発生等の基材の形状変化を充分に抑制するという本発明の作用効果をより充分に発揮することができる。また、樹脂層が軟質であることで、他の層との密着性に充分に優れる樹脂シートを得ることができる。軟質の樹脂層とは、軟質の樹脂組成物から形成された層であることが好ましく、軟質の樹脂組成物としては、例えば、軟質の樹脂成分を含む樹脂組成物や、硬質の樹脂成分と可塑剤とを含む樹脂組成物等が挙げられる。これらの中でも、上記樹脂層は、軟質の樹脂成分を含む樹脂組成物から形成された層であることが好適である。軟質の樹脂成分については後述するが、中でも、ポリ(アミド)イミド樹脂を少なくとも用いることが好適であり、より好ましくは、ポリイミド樹脂を少なくとも用いることである。これによって、反射層として好適な無機多層膜等の無機質膜との密着性がより一層向上される。
上記軟質の樹脂層は、非架橋層であることが好適である。上記樹脂層を形成する樹脂組成物が架橋されていないことが好ましい。これによって、基材の形状変化をより充分に抑制することが可能になる。より好ましくは、上記樹脂層を形成する樹脂組成物が、樹脂成分として熱可塑性樹脂を用いることであり、中でも特に、軟質の熱可塑性樹脂を用いることが好適である。
上記軟質の樹脂層はまた、23℃における曲げ弾性率が5000MPa以下であることが好適であり、これにより、基材の形状変化をより充分に抑制することが可能になる。より好ましくは3000MPa以下、更に好ましくは2500MPa以下である。また、曲げ弾性率の下限は特に限定されないが、例えば、1000MPa以上であることが好適である。
樹脂層の曲げ弾性率は、JIS K7203(1982年)に準拠して測定することができる。
上記樹脂層はまた、上記樹脂層と支持体との機械的特性の差異が小さいか、又は、樹脂層を構成する樹脂成分と支持体を構成する樹脂との機械的特性の差異が小さいことが好適である。
ここでいう機械的特性とは、曲げ弾性率であることが好ましく、これにより、基材の形状変化をより抑制することができる。例えば、これらの23℃における曲げ弾性率の差が1000MPa以下であることが好ましく、より好ましくは500MPa以下、更に好ましくは100MPa以下である。特に好ましくは、樹脂層を構成する樹脂成分と支持体を構成する樹脂が同じ材料であることであり、最も好ましくは、樹脂層を形成する樹脂組成物に含まれる樹脂成分、及び、支持体を構成する樹脂として、同じ材料を用いることである。
支持体を構成する樹脂の曲げ弾性率は、上記と同様に測定することができる。
上記支持体(好ましくは支持体フィルム)の材質と、樹脂層を構成する樹脂成分又は樹脂層を形成する樹脂組成物に含まれる樹脂成分との好適な組み合わせとしては、例えば、支持体フィルム/樹脂成分として、ポリ(アミド)イミド樹脂/ポリ(アミド)イミド樹脂、ポリ(アミド)イミド樹脂/アクリル樹脂、アクリル樹脂/ポリ(アミド)イミド樹脂、ポリ(アミド)イミド樹脂/フッ素化芳香族ポリマー、ポリアミド樹脂/アクリル樹脂、アラミド樹脂/ポリ(アミド)イミド樹脂、アラミド樹脂/アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂/アクリル樹脂等が挙げられる。中でも、ポリ(アミド)イミド樹脂/ポリ(アミド)イミド樹脂が好ましく、より好ましくは、ポリイミド樹脂/ポリイミド樹脂、ポリイミド樹脂/ポリアミドイミド樹脂、又は、ポリアミドイミド樹脂/ポリアミドイミド樹脂であり、更に好ましくは、ポリイミド樹脂/ポリイミド樹脂である。
上記樹脂シートではまた、支持体両面の樹脂層における機械的特性の差異も小さいことが好適である。より好ましくは曲げ弾性率の差が小さいことであり、これにより、基材の形状変化をより抑制することができる。例えば、23℃における曲げ弾性率の差が、1000MPa以下であることが好ましく、より好ましくは500MPa以下、更に好ましくは100MPa以下である。特に好ましくは、両面の樹脂層が、同じ樹脂成分を用いて形成されることである。また、支持体両面の樹脂層の膜厚(厚み)の差も小さいことが好ましい。例えば、膜厚の差が5μm以下であることが好ましく、より好ましくは3μm以下、更に好ましくは1μm以下である。
上記樹脂層の各々の膜厚(厚み)は、10μm以下であることが好適である。これにより、光選択透過フィルターを充分に薄膜化することができ、光学部材等の低背化要求に応えることができる。より好ましくは5μm以下である。また、0.5μm以上であることが好ましく、より好ましくは1μm以上である。
なお、樹脂シートの厚みとしては、1mm以下であることが好ましい。より好ましくは500μm以下、更に好ましくは300μm以下、特に好ましくは200μm以下、最も好ましくは150μm以下である。また、支持体の厚みは120μm以下であることが好ましい。
上記樹脂層はまた、上述したように、樹脂層のうち少なくとも一層が色素を含むことが好適である。色素を含む場合、該色素は、樹脂層中に分散又は溶解されてなることが好ましい。すなわち、樹脂成分と色素とを含む樹脂組成物中に色素が分散又は溶解された形態の樹脂組成物により、樹脂層が形成されることが好適である。
なお、色素は1種又は2種以上を使用することができ、樹脂成分も1種又は2種以上を使用することができる。以下では、色素及び樹脂成分について、更に説明する。
(i)色素
上記色素とは、特定波長の光を吸収する物質を意味し、樹脂成分と混合又は混練可能な色素を用いることができる。例えば、600〜1000nmの波長域に吸収極大を有するものが好適である。これにより、光選択透過フィルターを、固体撮像素子に有用な赤外線カットフィルターとして好適に適用することが可能になる。より好ましくは、650nm以上、800nm以下の波長域に吸収極大を有するものであり、更に好ましくは750nm以下、一層好ましくは710nm以下、特に好ましくは700nm以下の波長域に吸収極大を有するものである。上記色素はまた、400nm以上、600nm未満の波長域には実質的に吸収極大を持たないものであることが好ましい。
上記色素としては特に限定されず、例えば、フタロシアニン系色素、ポルフィリン系色素、シアニン系色素、銅イオン系色素、クアテリレン系色素、スクアリリウム系色素、ナフタロシアニン系色素、ニッケル錯体系色素等の1種又は2種以上を好適に使用することができる。これらの中でも、フタロシアニン系色素及び/又はポルフィリン系色素を少なくとも用いることが好適である。これにより、色素の樹脂成分への溶解性が高くなり、色素含有樹脂層を薄膜としても充分に吸収性能に優れた樹脂層とすることができる。また、光選択透過フィルターが可視光領域での透過率に優れるものとなる。より好ましくは、フタロシアニン系色素を少なくとも用いることである。
上記フタロシアニン系色素としては、金属フタロシアニン錯体が好適であり、例えば、銅、亜鉛、コバルト、バナジウム、鉄、ニッケル、錫、銀、マグネシウム、ナトリウム、リチウム、鉛等の金属元素を中心金属とする金属フタロシアニン錯体が挙げられる。これらの金属元素の中でも、溶解性、可視光透過性、耐光性がより優れることから、銅、バナジウム及び亜鉛のいずれか1以上を中心金属とするものが好ましい。中心金属としてより好ましくは銅及び亜鉛であり、更に好ましくは銅である。銅を用いたフタロシアニン系色素は、どのような樹脂成分(バインダー樹脂)に分散させても光による劣化がなく、非常に優れた耐光性を有する。
上記ポルフィリン系色素としては、テトラアザポルフィリン等が挙げられる。
上記シアニン系色素としては、I塩シアニン、ClO 塩シアニン、Br塩シアニン、OAc塩シアニン、BF 塩シアニン等が挙げられる。
上記銅イオン系色素としては、アクリル酸、カルボン酸、リン酸等の酸やケトン基、エステル基等の極性基が配位及び/又は結合した銅イオンを含む化合物等が挙げられる。
上記樹脂層が色素を含む場合、当該色素は樹脂層中に均一に分散又は溶解されてなることが好ましい。この形態において、色素を含む樹脂層の可視光領域におけるヘイズは、10%以下であることが好ましい。より好ましくは5%以下、更に好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。また、この形態において、色素を含む樹脂層の可視光500nmにおける透過率は60%以上であることが好適である。より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上、特に好ましくは85%以上である。更に、上記樹脂層が含有する色素の600nm〜1000nmの波長域における吸収極大波長における透過率は60%以下であることが好ましい。より好ましくは50%以下、更に好ましくは40%以下、特に好ましくは30%以下である。
透過率は、分光光度計(Shimadzu UV−3100、島津製作所社製)を用いて測定することができる。
なお、このような樹脂層を含む樹脂シート、光選択透過フィルター用基材及び光選択透過フィルターについても、可視光領域におけるヘイズ、可視光500nmにおける透過率、及び、色素の吸収極大波長における透過率が、夫々、色素を含む樹脂層についての上述した範囲と同様の範囲にあることが好ましい。
上記樹脂層が色素を含む場合、該色素の濃度(含有量)としては、樹脂シートの構成や樹脂層の厚みによっても異なるが、例えば、樹脂層を構成する色素及び樹脂成分の総量100質量%に対して、色素が0.001質量%以上、20質量%以下であることが好適である。より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは1質量%以上である。また、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。
(ii)樹脂成分
上記樹脂層において、樹脂成分としては、色素を含む樹脂層を形成する場合は上述した色素を充分に溶解又は分散できる樹脂成分が好ましく、このような樹脂成分を適切に選択することにより、透過させたい波長域(例えば、可視領域)における高透過率と、遮断したい波長域(例えば、赤外領域)における高吸収性とを両立することが可能となる。また、色素を含まない樹脂層(好ましくは透明樹脂層)を形成する場合は、硬化又は乾燥後に充分な透明性を発揮できる樹脂成分が好ましい。
上記樹脂成分としては、例えば、溶剤可溶性樹脂、溶剤可溶性樹脂原料及び液状樹脂原料からなる群より選択される少なくとも1種が好適である。このような樹脂成分は、色素の分散性が高いため、光選択吸収性により優れた光吸収膜を形成することができるとともに、色素を高濃度で分散できるため、光選択透過フィルターの薄膜化も可能である。また、上記樹脂成分を用いると、後述する溶媒キャスト法によって樹脂層を形成(成膜)することができるため、樹脂層中に色素を高濃度で均一に分散できるとともに、比較的低温で吸収層を形成することができる。溶剤可溶性樹脂、溶剤可溶性樹脂原料及び液状樹脂原料はまた、優れた透明性を発揮することもできるため、透明樹脂層を得る場合にも好適に使用される。
なお、上記樹脂層自体は、溶剤可溶性であっても不溶性であってもよい。
ここで、「溶剤可溶性樹脂」とは、有機溶剤に可溶な樹脂を意味し、例えば、ジメチルアセトアミド又はN−メチルピロリドン100質量部に対し、1質量部以上溶解する樹脂であることが好適である。また、「溶剤可溶性樹脂原料」とは、溶剤可溶性の樹脂原料、すなわち樹脂原料であって溶剤可溶性であるものを意味し、例えば、ジメチルアセトアミド又はN−メチルピロリドン100質量部に対し、1質量部以上溶解するものが好適である。また、「液状樹脂原料」とは、液状の樹脂原料、すなわち樹脂原料であって液状であるものを意味する。物が「液状である」とは、その物自体の粘度が、常温(25℃)において100Pa・s以下であることを意味する。粘度は、B型粘度計により測定することができる。
なお、「樹脂原料」には、樹脂の前駆体や該前駆体の原料、更に、樹脂を形成するための単量体(硬化性モノマー等)が含まれるものとする。
上記樹脂成分としては、上述したように、溶剤可溶性樹脂、溶剤可溶性樹脂原料及び液状樹脂原料からなる群より選択される少なくとも1種が好ましいが、これらの中でも、溶剤可溶性樹脂を用いることが好適である。溶剤可溶性樹脂を用いると、溶剤可溶性樹脂原料や液状樹脂原料を用いた場合に比べて、耐光性に優れる。これは、溶剤可溶性樹脂が溶剤可溶性樹脂原料及び液状樹脂原料よりも、分散した色素の吸収性能の劣化を引き起こしにくいためである。理由として、溶剤可溶性樹脂は、そのモノマーや前駆体から調整し、重合や反応を完結させている。更に精製を行う場合もある。こうして得られた溶剤可溶性樹脂には、色素の劣化、分解を促進させる未反応物、反応性末端、イオン性基、触媒、酸・塩基性基等がほとんどないと考えられる。一方、溶剤可溶性樹脂原料及び液状樹脂原料は、このような色素の劣化、分解を促進させる因子が多く残っている。また、色素を分散させた状態で、色素の吸収性能や吸収スペクトルを保持したまま、溶剤可溶性樹脂原料及び液状樹脂原料の重合や反応を完結させることが難しい(未反応部位が多くなり、所望の物性も充分に得られない。)。そのため、同じ色素を分散させても、樹脂成分の違いにより、樹脂層の耐光性が異なる。したがって、耐光性の観点からは、少なくとも溶剤可溶性樹脂を用いることが好適である。
また透明樹脂層を得る場合にも、未反応物等の残渣が少なく、透明性をより発揮できる観点から、上記樹脂成分として溶剤可溶性樹脂を用いることが特に好適である。
また、溶剤可溶性樹脂を用いることは、軟質な樹脂層が得られ易い点からも好ましい。
上記溶剤可溶性樹脂として具体的には、例えば、フッ素化芳香族ポリマー、ポリ(アミド)イミド樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、シクロオレフィン樹脂等が挙げられる。中でも、耐光性により優れる観点から、フッ素化芳香族ポリマー及び/又はポリ(アミド)イミド樹脂が好ましい。より好ましくは、ポリ(アミド)イミド樹脂であり、更に好ましくはポリイミド樹脂である。
上記溶剤可溶性樹脂はまた、架橋反応(硬化反応)することが可能な反応性基(例えば、エポキシ基やオキセタン環、エチレンスルフィド基等の開環重合性基や、アクリル基、メタクリル基、ビニル基等のラジカル硬化性基及び/又は付加硬化性基)を有するものであってもよい。
なお、上記樹脂成分として溶剤可溶性樹脂を用いる場合、該溶剤可溶性樹脂がそのまま、上記樹脂層を構成する樹脂成分となっていてもよいし、該溶剤可溶性樹脂が架橋反応等により変化したものが、上記樹脂層を構成する樹脂成分となっていてもよい。
架橋可能な反応性基の量や成膜時の架橋反応をどの程度進めるかは特に限定されるものではないが、樹脂の溶剤可溶性が維持できる程度であることが好ましい。
上記フッ素化芳香族ポリマーとしては、少なくとも1以上のフッ素基を有する芳香族環と、エーテル結合、ケトン結合、スルホン結合、アミド結合、イミド結合及びエステル結合の群より選ばれた少なくとも1つの結合とを含む繰り返し単位により構成された重合体等が挙げられ、具体的には、例えば、フッ素原子を有するポリイミド、ポリエーテル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドエーテル、ポリアミド、ポリエーテルニトリル、ポリエステル等が挙げられる。これらの中でも、少なくとも1つ以上のフッ素基を有する芳香族環と、エーテル結合とを含む繰り返し単位を必須部位として有する重合体であることが好ましく、下記一般式(1−1)又は(1−2)で表される繰り返し単位を含む、フッ素原子を有するポリエーテルケトンがより好ましい。中でも特に、フッ素化ポリエーテルケトン(FPEK)が好適である。
なお、一般式(1−1)又は(1−2)で表される繰り返し単位は、同一でも異なっていてもよく、ブロック状、ランダム状等の何れの形態であってもよい。
Figure 0006001299
上記一般式(1−1)中、Rは炭素数1〜150の芳香族環を有する2価の有機鎖を表す。Zは2価の鎖又は直接結合を表す。x及びyは0以上の整数であり、x+y=1〜8を満たし、同一又は異なって、芳香族環に結合しているフッ素原子の数を表す。nは、重合度を表し、2〜5000の範囲内が好ましく、5〜500の範囲内がより好ましい。
上記一般式(1−2)中、Rは、置換基を有していてもよい、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基又は炭素数6〜20のアリールチオ基を表す。Rは、炭素数1〜150の芳香族環を有する2価の有機鎖を表す。zは、芳香族環に結合しているフッ素原子の数であり、1又は2である。nは、重合度を表し、2〜5000の範囲内が好ましく、5〜500の範囲内がより好ましい。
上記一般式(1−1)において、x+yは2〜8の範囲内が好ましく、4〜8の範囲内がより好ましい。また、エーテル構造部分(−O−R−O−)が芳香族環に結合する位置としては、Zに対してパラ位であることが好ましい。
上記一般式(1−1)及び(1−2)において、R及びRは2価の有機鎖であるが、例えば、下記の構造式群(2)で表されるいずれか一つ、又は、その組み合わせの有機鎖であることが好ましい。
Figure 0006001299
上記構造式群(2)中、Y〜Yは、同一若しくは異なって、水素基又は置換基を表し、該置換基は、ハロゲン原子、又は、置換基を有していてもよい、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアミノ基若しくはアリールチオ基を表す。
上記R及びRのより好ましい具体例としては、下記の構造式群(3)で表される有機鎖が挙げられる。
Figure 0006001299
上記一般式(1−1)において、Zは、2価の鎖又は直接結合していることを表す。当該2価の鎖としては、例えば、下記構造式群(4)(構造式(4−1)〜(4−13))で表される鎖であることが好ましい。
Figure 0006001299
上記構造式群(4)中、Xは、炭素数1〜50の2価の有機鎖であるが、例えば、上述した構造式群(3)で表される有機鎖が挙げられ、その中でもジフェニルエーテル鎖、ビスフェノールA鎖、ビスフェノールF鎖、フルオレン鎖が好ましい。
上記一般式(1−2)中のRにおいて、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基等が好適である。
上記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、フルフリルオキシ基、アリルオキシ基等が好適である。
上記アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基等が好適である。
上記アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、iso−プロピルチオ基等が好適である。
上記アリール基としては、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、o−、m−又はp−トリル基、2,3−又は2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニリル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、ピレニル基等が好適である。
上記アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、ヒドロキシ安息香酸及びそのエステル類(例えば、メチルエステル、エチルエステル、メトキシエチルエステル、エトキシエチルエステル、フルフリルエステル及びフェニルエステル等)由来の基、ナフトキシ基、o−、m−又はp−メチルフェノキシ基、o−、m−又はp−フェニルフェノキシ基、フェニルエチニルフェノキシ基、クレソチン酸及びそのエステル類由来の基等が好適である。
上記アリールアミノ基としては、アニリノ基、o−、m−又はp−トルイジノ基、1,2−又は1,3−キシリジノ基、o−、m−又はp−メトキシアニリノ基、アントラニル酸及びそのエステル類由来の基等が好適である。
上記アリールチオ基としては、フェニルチオ基、フェニルメタンチオ基、o−、m−又はp−トリルチオ基、チオサリチル酸及びそのエステル類由来の基等が好適である。
上記Rとしては、これらのうち、置換基を有していてもよい、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基が好ましい。但し、Rには、二重結合又は三重結合が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
上記一般式(1−2)中のRにおける置換基としては、上述のような炭素数1〜12のアルキル基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;シアノ基、ニトロ基、カルボキシエステル基等が好適である。また、これら置換基の水素がハロゲン化されていてもよいし、されていなくてもよい。これらの中でも、好ましくは、ハロゲン原子、水素がハロゲン化されていてもよいし、されていなくてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基及びカルボキシエステル基である。
上記ポリ(アミド)イミド樹脂とは、狭義のポリイミド樹脂(イミド結合を含み、アミド結合を含まない樹脂を意味し、ここでいうアミド結合とは、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得ないアミド結合を意味する。)、及び、ポリアミドイミド樹脂(アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得ないアミド結合とイミド結合とを含む樹脂を意味する。)のいずれをも包含する。
なお、ポリイミド樹脂におけるイミド結合は、通常、アミド結合とそれに隣接するカルボキシル基とを有する結合鎖(本発明では、該結合鎖をアミック酸ともいう。通常は、アミド結合が結合した炭素原子に隣接する炭素原子にカルボキシル基が結合した構造である。)におけるアミド結合とカルボキシル基との脱水反応による形成される。
ポリアミック酸から脱水反応によりポリイミド樹脂を生成させる際、分子内に若干量のアミック酸は残存し得る。したがって、本発明で「ポリイミド樹脂」という場合は、イミド結合を含み、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得ないアミド結合は含まないが、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得るアミド結合は含まないか若干量含んでいてもよい。
上記溶剤可溶性樹脂としては、ポリイミド樹脂におけるイミド結合含有率(イミド化反応によりイミド化し得るアミド結合数とイミド結合数の合計量100モル%に対するイミド結合数の割合)が80モル%以上であるポリイミド樹脂が好ましい。より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上、特に好ましくは98モル%以上である。
ここで、ポリアミドイミド樹脂とは、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得ないアミド結合とイミド結合とを含むが、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得るアミド結合は含まないか若干量含んでいてもよい。アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得るアミド結合を含む場合、アミド結合数(脱水反応によりイミド結合を形成し得ないアミド結合数と脱水反応によりイミド結合を形成し得るアミド結合数との和)とイミド結合数との合計量100モル%に対する、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得るアミド結合の含有率は、20モル%未満が好ましい。より好ましくは10モル%未満、更に好ましくは5モル%未満、特に好ましくは2モル%未満である。
上記ポリ(アミド)イミド樹脂は、多価カルボン酸化合物と、多価アミン化合物及び/又は多価イソシアネート化合物との反応により得られるポリ(アミド)イミド樹脂の原料(ポリ(アミド)イミド前駆体とも称す。)を、イミド化反応して得ることができる。
上記ポリ(アミド)イミド樹脂はまた、透明性を有することが好ましい。透明性向上のためには、芳香環が少ないほうが好ましい。中でも、芳香環を脂環又は脂肪鎖等で置き換えた構造を有することが好適である。より好ましくは、全重量100%中の芳香環の重量が65%以下、更に好ましくは45%以下、特に好ましくは30%以下である。
上記ポリ(アミド)イミド樹脂としては、イミド結合を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、下記一般式(5):
Figure 0006001299
(式中、Rは、同一又は異なって、有機基を表す。)で表される繰り返し単位を有する化合物が好適である。
上記一般式(5)におけるRとしては、2価の有機基が好ましく、中でも、炭素数2〜39の2価の有機基が好ましい。また、当該有機基は1種又は2種以上の炭化水素骨格を含むものが好ましい。炭化水素骨格としては、脂肪族鎖状炭化水素、脂肪族環状炭化水素又は芳香族炭化水素であることが好ましい。当該有機基はまた、複素環骨格を有するものであってもよい。
上記一般式(5)におけるRとしてはまた、上記の炭化水素骨格及び/又は複素環骨格から選ばれる、同一又は異なる2種以上を有し、それらが炭素―炭素結合を介して、又は、炭素―炭素結合とは異なる結合基を介して、結合した骨格を含むものが好ましい。結合基としては、例えば、−O−、−SO−、−CO−、−Si(CH−、−CO−、−S−等が挙げられる。
なお、上記一般式(5)で表される繰り返し単位におけるそれぞれのRとしては、同一であっても異なるものであってもよい。
上記Rで表される有機基は窒素原子に直接結合していてもよいし、結合基として、−O−、−SO−、−CO−、−CH−、−C(CH−、−Si(CH−、−CO−、−S−等を有していてもよい。
なお、一般式(5)におけるシクロヘキシル環における水素原子の一部又は全部が置換されていてもよいが、無置換(全て水素原子である形態)であるものが好ましい。
上記一般式(5)で表される繰り返し単位は、同一でも異なっていてもよく、ブロック状、ランダム状等の何れの形態であってもよい。
上記ポリ(アミド)イミド樹脂の好ましい具体例としては、例えば、三菱ガス化学社製のネオプリムL−3430(厚さ50μm、100μm、200μm等)等が挙げられる。なお、この製品はフィルム形状であるが、有機溶剤に可溶であるので、上記溶剤可溶性樹脂として好ましく使用される。
上記溶剤可溶性樹脂原料又は液状樹脂原料としては、例えば、エポキシ樹脂の原料となるエポキシ化合物、ビニル重合体樹脂の原料であるビニル系化合物((メタ)アクリル系化合物、スチレン系化合物等)、ポリ(アミド)イミド前駆体等が挙げられる。好ましくは、エポキシ化合物、ビニル系化合物である。
上記エポキシ樹脂とは、エポキシ基を有する化合物(エポキシ化合物)を含む硬化性組成物の硬化物である。硬化物の形態としてはエポキシ化合物をカチオン硬化触媒の存在下で光及び/又は熱硬化してなる形態、エポキシ化合物を付加的硬化剤と反応させることにより得られる硬化物の形態等が挙げられる。後者において硬化反応促進のため従来公知の硬化促進剤を併用することもできる。付加的硬化剤としては、例えば、酸無水物、多価フェノール化合物、多価アミン等が例示されるが、中でも酸無水物が好ましい。
上記エポキシ化合物としては、芳香族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、水添エポキシ化合物等が好適であり、例えば、大阪ガスケミカル社製のフルオレンエポキシ(オンコートEX−1);ジャパンエポキシレジン社製のビスフェノールA型エポキシ化合物(エピコート828EL);ジャパンエポキシレジン社製の水添ビスフェノールA型エポキシ化合物(エピコートYX8000);ダイセル工業社製の脂環式液状エポキシ化合物(セロキサイド2021)等が好ましく使用できる。
なお、本明細書中、エポキシ基とは、3員環のエーテルであるオキシラン環を含むものであり、狭義のエポキシ基の他、グリシジル基(グリシジルエーテル基及びグリシジルエステル基を含む)を含むものを意味する。
上記エポキシ化合物を含む硬化性組成物は、可撓性を有する成分(可撓性成分)を含むことが好適である。可撓性成分を含むことにより、成形時や基板、型等からはずすときに割れない、形が崩れない、剥がれやすい、柔軟性がある等の一体感のある樹脂組成物とすることができる。
上記可撓性成分としては、上記エポキシ化合物とは異なる化合物であってもよいし、上記エポキシ化合物の少なくとも1種が可撓性成分であってもよい。
上記ビニル重合体樹脂とは、重合原料としてビニル系化合物を(共)重合して得られる重合体であり、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル−スチレン樹脂等が例示される。
アクリル樹脂とは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物((メタ)アクリロイル基含有化合物又は(メタ)アクリル系化合物とも称す。)を含む硬化性組成物の硬化物であり、スチレン樹脂とは、スチレンやジビニルベンゼン等のスチレン系モノマー(スチレン系化合物とも称す。)を含む硬化性組成物の硬化物であり、アクリル−スチレン樹脂とは、(メタ)アクリロイル基含有化合物及びスチレン系モノマーを含む硬化性組成物の硬化物である。上記ビニル重合体樹脂の中でも、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂が好ましい。
上記(メタ)アクリロイル基含有化合物として好ましくは、(メタ)アクリレートモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が例示される。(メタ)アクリレートモノマーを(共)重合した(メタ)アクリレート(共)重合体(ただし(メタ)アクリロイル基を有する)も好適に使用できる。フィルム化を容易にできる点で、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート(共)重合体等の重合性オリゴマーと、(メタ)アクリレートモノマーとを含む組成物をアクリル樹脂原料として用いることが好ましい。
上記アクリル−スチレン樹脂原料としては、上記アクリル樹脂原料の好適な形態において更にスチレン系モノマーを用いた組成物が好ましい。
上記ポリ(アミド)イミド前駆体とは、ポリ(アミド)イミド樹脂を形成するための原料、すなわちイミド化反応に供される化合物であり、例えば、ポリアミック酸等が好適である。具体的には、例えば、日立化成工業社製のHPC−7000−30等が好ましく使用される。
上記溶剤可溶性樹脂、溶剤可溶性樹脂原料及び液状樹脂原料の中でも、上述したように軟質の樹脂成分であることが好適である。具体的には、ポリ(アミド)イミド樹脂等の1種又は2種以上を使用することが好ましい。また、中でも、熱可塑性樹脂であることが好ましく、例えば、熱可塑性のポリ(アミド)イミド樹脂が好ましい。より好ましくは、熱可塑性のポリイミド樹脂である。これによって、基材の形状変化がより一層抑制されるとともに、他の層との密着性により優れ、各種用途に極めて有用な光選択透過フィルターを与えることが可能になる。
上記樹脂層を形成する樹脂組成物は、上述したように樹脂成分を含み、必要に応じて色素も含むものであるが、更に必要に応じて、その他の成分を含むものであってもよい。ただし、その他の成分として、金属酸化物等の無機成分を含む場合、その含有量は、可視光の透過率の観点から樹脂組成物100質量%中に50質量%未満であることが好適である。より好ましくは20質量%未満、更に好ましくは5質量%未満、特に好ましくは1質量%未満である。最も好ましくは、上記樹脂層を形成する樹脂組成物が、無機成分を実質的に含まないことである。
上記樹脂シートの形成方法としては特に限定されず、例えば、樹脂層を形成する樹脂組成物を、支持体表面(又は、支持体と樹脂層との間に他の層を有する場合は、当該他の層の表面)に塗布し、乾燥(硬化)することにより形成する方法(塗布法又はコーティング法と称す)や、支持体に対して、樹脂組成物から形成された樹脂フィルムを熱圧着することにより形成する方法の他、練込法等も挙げられる。これらの中でも、塗布法を採用することが好ましい。すなわち上記樹脂層は、塗布法によって形成された層であることが好ましく、これによって上記樹脂層と支持体等との密着性がより充分なものとなり、光選択透過フィルター用の基材としてより一層好適なものとなる。
上記塗布法の中でも好ましくは、溶媒キャスト法であり、このように上記樹脂層が溶媒キャスト法によって形成された層である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。特に、色素を含む樹脂層を得る場合には、溶媒キャスト法を用いると色素をより均一に分散できるため、光選択吸収性により優れた光吸収膜を形成することができ、好適である。また、色素を高濃度で分散可能であるため薄膜化が可能であり、撮像レンズ素子等の部材の低背化要求により応えることもできる。更に、比較的低温で樹脂層を形成することができるため、比較的耐熱性の低い色素も使用することができる。一方、練込法においては、樹脂を高温(例えば、200℃以上)で溶融して用いることになるため、耐熱性の低い色素は分解してしまい、充分な光吸収性が得られないおそれがある。また、色素の分散性も充分に高くならないおそれがある。
上記塗布法(溶媒キャスト法を含む)においては、溶媒に、樹脂層を形成するための樹脂組成物を溶解して得られる溶液を、支持体上に塗布・乾燥(硬化)することにより、樹脂層を製膜(成膜)することが好ましい。色素を含む樹脂層を得る際、樹脂成分として液状樹脂原料を用いる場合には、該樹脂原料に直接色素を分散させてもよいし、該樹脂原料を溶媒で希釈したうえで色素を分散させてもよい。
上記溶媒(有機溶剤)としては、上記樹脂層を形成するための樹脂組成物を溶解できるものであれば特に限定されず、樹脂成分等の種類に応じて適宜選択可能であるが、例えば、メチルエチルケトン(2−ブタノン)、メチルイソブチルケトン(4−メチル−2−ペンタノン)、シクロヘキサノン等のケトン類;PGMEA(2−アセトキシ−1−メトキシプロパン)、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体(エーテル化合物、エステル化合物、エーテルエステル化合物等);N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;N−メチル−ピロリドン(より具体的には、1−メチル−2−ピロリドン等)等のピロリドン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジプチルエーテル等のエーテル類;等が好適である。より好ましくは、メチルエチルケトン、酢酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミドである。
上記溶媒の使用量としては、上記樹脂組成物の総量100質量部に対して、150質量部以上であることが好ましく、また、1900質量部以下が好ましい。より好ましくは、200質量部以上であり、また、1400質量部以下である。上記範囲とすることにより、例えば、色素濃度の高い樹脂層が得られ易い。
〔光選択透過フィルター〕
本発明はまた、上記光選択透過フィルター用基材(単に「基材」とも称す)を含む光選択透過フィルターでもある。
上記光選択透過フィルターは、上記基材を含むものであればよいが、更に他の層を1又は2以上有していてもよい。他の層としては、例えば、光吸収能を有する吸収層(吸収膜とも称す)や、光反射能を有する反射層(反射膜とも称す)等が挙げられる。なお、上記基材中の樹脂層の少なくとも一層及び/又は支持体が色素を含む場合は、該基材自体が吸収層としての機能も併せ持つことになる。この場合の上記光選択透過フィルターとしては、更に他の吸収層を有するものであってもよいし、薄膜化をより一層実現する観点から有さないものであってもよい。
上記光選択透過フィルターとして好ましくは、反射膜(反射層とも称す)を含む形態である。これによって、光の遮断性能に優れる光選択透過フィルターを得ることが可能になる。このように上記光選択透過フィルターが更に反射膜を含む形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。この場合、上記光選択透過フィルターは、反射膜とともに吸収層を有することが好適であり、これにより、光選択透過性に優れ、光遮断特性の入射角依存性が充分に低減され、かつ充分な薄膜化を実現することが可能な光選択透過フィルターとなり得る。中でも、上記基材が吸収層としての機能を併せ持つこと、すなわち上記樹脂層の少なくとも一層及び/又は支持体が色素を含むことが好適であり、薄膜化をより一層実現することができる。
また反射膜と吸収層との組み合わせは特に限定されるものではない。例えば、反射膜が遮断できない又は遮断が充分できていない波長域を吸収膜で遮断するように組み合わせて光選択透過性に優れるフィルターとすることができる。また、反射膜における、透過から反射に転ずる波長域(例えば600〜700nm)、又は、反射から透過に転ずる波長域(例えば350〜450nm)の光を吸収するように、吸収層、好ましくは基材(樹脂シート)の吸収透過特性を制御(吸収色素の種類、量、吸収層の厚み等を制御)することにより、入射角依存性の抑制された光選択透過フィルターとすることができる。
ここで、光遮断特性の入射角依存性は、分光光度計(Shimadzu UV−3100、島津製作所社製)を用いて、入射角を変えた透過率(例えば0°、20°、25°、30°等。入射角0°における透過率とは、光選択透過フィルターの厚み方向から光が入射するようにして測定される透過率であり、入射角20°における透過率とは、光選択透過フィルターの厚み方向に対して20°傾いた方向から光が入射するようにして測定される透過率である。)を測定し、そのスペクトル変化量により評価できる。
なお、光遮断特性の入射角依存性は、吸収層の吸収により充分に低減されている必要があり、入射角の変化に対して透過率スペクトルが変化しないこと、又は、その変化の程度が小さいことが好ましい。具体的には、入射角0°を20°に変えても(より好ましくは25°に変えても)、透過率80%以上の領域において、透過率のスペクトルが変化しないことが好ましく、より好ましくは、透過率70%以上の領域において透過率のスペクトルが変化しないことであり、更に好ましくは、透過率60%以上の領域において透過率のスペクトルが変化しないことである。最も好ましくは、いずれの透過率領域においてもスペクトルが変化しないことである。
上記反射膜としては、多層からなる膜であることが好適である。すなわち上記反射膜は、光学多層膜であることが好ましい。また、光学多層膜としては、耐熱性に優れる点で、各波長の屈折率を制御できる無機多層膜等が好適である。無機多層膜としては、基材やその他の機能性材料層の上に、真空蒸着法やスパッタリング法等により、低屈折率材料及び高屈折率材料を交互に積層させた屈折率制御多層膜であることが好ましい。上記反射膜はまた、透明導電膜であることも好適である。透明導電膜としては、インジウム−スズ系酸化物(ITO)等の赤外線を反射する膜としての透明導電膜が好ましい。これらの中でも、無機多層膜が好適である。
上記無機多層膜としては、誘電体層Aと、誘電体層Aが有する屈折率よりも高い屈折率を有する誘電体層Bとを交互に積層した誘電体多層膜が好適である。
上記誘電体層Aを構成する材料としては、屈折率が1.6以下の材料を通常用いることができ、好ましくは、屈折率の範囲が1.2〜1.6の材料が選択される。このような材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、六フッ化アルミニウムナトリウム等が好適である。
上記誘電体層Bを構成する材料としては、屈折率が1.7以上の材料を用いることができ、好ましくは、屈折率の範囲が1.7〜2.5の材料が選択される。このような材料としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化インジウムを主成分とし酸化チタン、酸化錫、酸化セリウム等を少量含有させたもの等が好適である。
上記誘電体層A及び誘電体層Bの各層の厚みは、通常、遮断しようとする光の波長をλ(nm)とすると、0.1λ〜0.5λの厚みであることが好ましい。厚みがこの範囲外になると、屈折率(n)と膜厚(d)との積(n×d)がλ/4で算出される光学的膜厚と大きく異なって反射・屈折の光学的特性の関係が崩れてしまい、特定波長の遮断・透過をするコントロールができなくなるおそれがある。
上記誘電体層Aと誘電体層Bとを積層する方法については、これら材料層を積層した誘電体多層膜が形成される限り特に制限はないが、例えば、CVD法、スパッタ法、真空蒸着法等によって、誘電体層Aと誘電体層Bとを交互に積層することにより、誘電体多層膜を形成することができる。
上記無機多層膜等の反射膜は、上記方法等により好適に形成することができるが、蒸着によって光選択透過フィルターが変形しカールしたり、割れが生じたりする可能性をより一層小さくするために、次の方法を用いることができる。すなわち具体的には、離型処理したガラス等の仮の基材に蒸着層を形成し、上記基材(好ましくは樹脂シート)に該蒸着層を転写して反射膜を形成する反射膜の転写方法が好適である。この場合、上記基材には、接着層を形成しておくことが好ましい。
また上記基材(好ましくは樹脂シート)が有機材料、具体的には樹脂組成物により形成される場合には、未硬化又は半硬化状態の基材(樹脂組成物)に誘電体層等を蒸着した後、基材を硬化する方法が好適である。このような方法を用いると、多層蒸着後の冷却時に基材が流動的となり、液状に近い状態となるために、樹脂組成物と誘電体層等との熱膨張係数差が問題にならず、光選択透過フィルターの変形(カール)をより充分に抑制することができる。
このように上記基材への反射膜(好ましくは光学多層膜、より好ましくは無機多層膜)の形成には、蒸着法を用いることが好適であるが、蒸着温度は、100℃以上とすることが好適である。より好ましくは120℃以上、更に好ましくは150℃以上である。このような高温で蒸着すると、無機膜(無機多層膜を構成する無機膜)が緻密で硬くなり、種々の耐性が向上し、歩留りが向上する等の利点がある。そのため、このような蒸着温度に耐える基材や色素等の材料を用いることは、非常に意味がある。また、このような高温での蒸着には、樹脂シートを構成する樹脂層又は支持体フィルムとして、線膨張係数の低い樹脂層又は支持体フィルムを用いることが好適である。これにより、無機・有機の線膨張係数の差による無機層クラックをより抑制することができる。また、線膨張係数が低い樹脂層又は支持体フィルムを用いると、高温で蒸着できるだけでなく、低温で蒸着したとしても、無機膜との線膨張係数の差が小さいため、光選択透過フィルターを有する固体撮像素子を製造する場合等に採用されるリフロー工程等の製造工程での加熱環境や過酷な使用環境においても、無機・有機の線膨張係数の差による無機層クラックが生じない。
上記線膨張係数が低い樹脂層又は支持体フィルムとしては、線膨張係数が60ppm以下のものが好ましい。より好ましくは50ppm以下、更に好ましくは30ppm以下、最も好ましくは10ppm以下である。
上記線膨張係数が低い樹脂層又は支持体フィルムとして具体的には、例えば、ポリ(アミド)イミド樹脂、アラミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、有機無機ハイブリッド樹脂等が好適であり、上記樹脂層又は支持体フィルムが、これらからなる群より選択される少なくとも1種により形成されるものである形態は、本発明の好適な形態の1つである。また、樹脂を延伸する;無機微粒子等を分散させる;ガラスクロスを用いる;架橋密度を上げる;コンポジット化する;結晶化させる;等によっても線膨張係数を低下させることができる。
上記反射膜は、上記基材(好ましくは樹脂シート)の少なくとも一方の表面に形成されてなることが好適である。反射膜は、上記基材の一方の表面のみに形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよいが、両面に形成されることが好ましい。これにより、本発明に係る光選択透過フィルターの反りや反射膜の割れをより一層低減することができる。なお、反射膜は、上記基材における樹脂層の表面に形成されることが好適である。
また他の好ましい形態として、上記基材とは異なる樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に反射膜が形成され、更に該反射膜の表面に、上記基材が形成される形態も挙げられる。すなわち、樹脂フィルムの表面に、反射膜、上記基材の順に積層されてなる形態である。反射膜は樹脂フィルムの両面に設けられることが好ましい。その場合、上記基材は、一方の反射膜の表面に積層されていても、2つの反射膜の表面に積層されていてもよい。この場合、樹脂フィルムは、上述した支持体フィルムと同様のものを使用することができ、好適な形態についても支持体フィルムの場合と同様である。
上述したように上記反射膜は光学多層膜であることが好ましいが、その積層数は、上記基材の一方の表面にのみ上記光学多層膜を有する場合は、10〜80層の範囲が好ましく、より好ましくは25〜50層の範囲である。一方、上記基材の両面に上記光学多層膜を有する場合は、上記光学多層膜の積層数は、基材両面の積層数の合計として、10〜80層の範囲が好ましく、より好ましくは25〜50層の範囲である。
また、上記反射膜の厚みは、0.5〜10μmであることが好ましい。より好ましくは、2〜8μmである。反射膜が上記基材の両面に形成される形態においては、両面の反射膜の合計の厚みが上記範囲内にあることが好ましい。
本発明の光選択透過フィルターは、所望の光の透過率を選択的に低減させるという機能以外の種々の他の機能を有していてもよい。例えば、光選択透過フィルターとして好ましい形態の1つである赤外カットフィルターの場合、紫外線を遮蔽する機能等の赤外カット以外の各種機能を有する形態や、強靱性、強度等の赤外カットフィルターの物性を向上させる機能を有する形態を挙げることができる。
このように本発明の光選択透過フィルターが他の機能を有する形態においては、上記基材の一方の表面に反射膜を形成し、他方の表面に他の機能を付与するための機能性材料層を形成することが好ましい。機能性材料層は、例えば、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法により、直接、上記基材上に形成したり、離型処理された仮の基材上に形成された機能性材料層を上記基材に接着剤で張り合わせたりすることにより得ることができる。また、原料物質を含有する液状組成物を上記基材に塗布、乾燥して、製膜することによっても得ることができる。
本発明の光選択透過フィルターはまた、厚み(上記基材と反射膜等の他の層との合計の厚み)が1mm以下であることが好ましい。光選択透過フィルターの厚みとは、該光選択透過フィルターの最大厚みをいう。より好ましくは、薄膜化要求に対応し得る点で、200μm以下であり、更に好ましくは150μm以下、特に好ましくは120μm以下、最も好ましくは60μm以下である。また、耐リフロー性、特に260℃の温度における耐熱性に優れる点で、1μm以上であることが好ましく、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは30μm以上である。また、光選択透過フィルターの厚みの範囲は、1〜150μmであることが好ましく、より好ましくは10〜120μm、更に好ましくは30〜120μm、特に好ましくは30〜60μmである。
上記光選択透過フィルターの厚みを1mm以下とすることにより、光選択透過フィルターをより小型化、軽量化することができ、種々の用途に好適に用いることができる。特に、光学部材等の光学用途において好適に用いることができる。光学用途においては、他の光学部材と同様に光選択透過フィルターも小型化、軽量化が強く求められている。本発明の光選択透過フィルターは、厚みを1mm以下とすることが可能であるため、薄膜化をより達成でき、特に撮像レンズ等のレンズユニットに用いた場合に、レンズユニットの低背化を実現することができる。言い換えると1mm以下の薄い光選択透過フィルターを光学部材として用いた場合に、光路を短縮することができ、該光学部材を小さくすることができる。具体的には、カメラモジュールにおいては、レンズと光選択透過フィルターとシーモスセンサーとを有することとなる。
図1及び図2に、カメラモジュールの一例を、模式的に示す。なお、これらの図は、エレクトロニックジャーナル第81回テクニカルセミナー(Electronic Journal 第81回 Technical Seminar)資料を参照した。
図1に示すように、光選択透過フィルターは、所望の波長の光(カメラモジュールにおいては、例えば、700nm以上の波長の光)をカットし、シーモスセンサーの誤作動を防ぐ役割がある。カメラモジュールに光選択透過フィルターを入れると、焦点距離が伸びるため、バックフォーカスが伸張し、モジュールが大きくなる。光選択透過フィルターの厚みがtで屈折率nが1.5程度の場合、図2に示すように、バックフォーカスが約t/3伸張し、モジュールが大きくなるが、光選択透過フィルターを薄くして、焦点距離を短くし、モジュールを小さくすることができる。それにより、例えば、1/10インチの光学サイズの光路長としては、光選択透過フィルターなしの場合の120%以下とすることが好ましい。より好ましくは110%以下、更に好ましくは105%以下である。
本発明の光選択透過フィルターは、光の透過率を選択的に低減するものである。低減させる光としては、10nm〜100μmの間のものであればよく、用いる用途により選択することができる。低減させる光の波長に応じて赤外線カットフィルター、紫外線カットフィルター、赤外・紫外線カットフィルター等とすることができるが、中でも、650nm〜10μmの赤外光と200〜350nmの紫外光とを低減し、それ以外の光を透過するものであることが好ましい。すなわち、上記光選択透過フィルターは赤外・紫外線カットフィルターであることが好ましい。
赤外線カットフィルターは、赤外線領域である650nm〜10μmの波長を有する光のうち、いずれかの波長(範囲)の光を選択的に低減する機能を有するフィルターであればよい。選択的に低減する波長の範囲としては、650nm〜2.5μm、650nm〜1μm又は800nm〜1μmであることが好適である。これらの範囲の波長の少なくとも一つを選択的に低減するフィルターもまた、上記赤外線カットフィルターに含まれる。選択的に低減する波長の範囲としては、近赤外線領域である650nm〜1μmであることがより好ましい。
紫外線カットフィルターは、紫外線を遮断する機能を有するフィルターである。選択的に低減する波長の範囲としては、200〜350nmであることが好ましい。
赤外・紫外線カットフィルターは、紫外線及び赤外線の両方を遮断する機能を有するフィルターである。選択的に低減する波長の範囲は、上述と同様であることが好ましい。
本発明の光選択透過フィルターが赤外線カットフィルターである形態においては、650〜1000nmの赤外線の透過率を選択的に5%以下に低減するものが好ましい。その他の波長域の透過率は、75%以上であることが好ましいが、フィルターの用途に応じて特定の波長域の透過率のみが高いものであってもよい。例えば、上記赤外線カットフィルターをカメラモジュールとして用いる場合には、赤外光の透過率が5%以下であり、可視光(400〜600nm)の透過率が80%以上であることが好適である。より好ましくは85%以上である。また、可視光の中でも450〜550nmの波長域の光の透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好適である。なお、上記赤外線カットフィルターにおいては、その他(赤外線領域以外)の波長の透過率としては、より好ましくは85%以上であり、更に好ましくは90%以上である。すなわち、上記光選択透過フィルターは、波長が400〜600nmにおける光の透過率が80%以上であり、かつ800〜1000nmにおける透過率が5%以下の赤外線カットフィルターであることが好ましい。より好ましくは750〜1000nmにおける透過率が5%以下、更に好ましくは700〜1000nmにおける透過率が5%以下である。
透過率は、分光光度計(Shimadzu UV−3100、島津製作所社製)を用いて測定することができる。
本発明の光選択透過フィルターが紫外線カットフィルターである形態においては、200〜350nmの紫外線の透過率を選択的に5%以下に低減するものが好ましい。その他の波長域の透過率は、75%以上であることが好ましい。
本発明の光選択透過フィルターが赤外・紫外線カットフィルターである形態においては、650nm〜10μmの赤外光と200〜350nmの紫外光とを選択的に5%以下に低減するものが好ましく、その他の波長域の透過率は、75%以上であることが好ましい。
上述したように、本発明の光選択透過フィルターは、安定して形状を維持できる基材が用いられることに起因して、光選択透過フィルターが有する性能を充分に発揮することができるため、自動車や建物等のガラス等に装着される熱線カットフィルター等として有用であるのみならず、カメラモジュール(固体撮像素子ともいう)用途における光ノイズを遮断し視感度補正するためのフィルターとしても有用である。中でも、本発明の光選択透過フィルターは、薄型化・軽量化が進むデジタルスチルカメラや携帯電話用カメラ等のカメラモジュールに用いられるフィルターとして有用である。カメラモジュールは、通常、レンズユニット(撮像レンズ)部、光選択透過フィルター、及び、CCDやCMOS等のセンサー部を備えるが、本発明の光選択透過フィルターを用いたカメラモジュールは、通常、レンズユニット(撮像レンズ)部と、CCDやCMOS等のセンサー部との間に配置される。このように本発明の光選択透過フィルター、レンズユニット部、及び、センサー部を少なくとも有する固体撮像素子もまた、本発明の1つである。
なお、レンズユニット部については、WO2008/081892に記載の形態が好ましく採用できる。
上記固体撮像素子では特に、上記光選択透過フィルターが吸収層と反射層とを有する形態であることが好ましく、これによって、入射角依存性に起因する影響が充分に排除されるため、レンズユニット部を構成するレンズの枚数を少なくすることができ、薄型化・軽量化がより実現されることになる。
上記固体撮像素子として具体的には、例えば、携帯電話、デジタルカメラ、車載用カメラ、監視カメラ、表示素子(LED等)等が挙げられる。このように本発明の光選択透過フィルターを用いてなる、携帯電話用カメラ、デジタルカメラ、車載用カメラ、監視カメラ、及び、表示素子もまた、本発明の好適な形態に含まれる。
本発明の光選択透過フィルター用基材は、上述の構成よりなり、基材形状を充分に安定して維持でき、例えば他の層を形成した際にもカールや反り、クラックが生じるおそれが充分抑制され、各種性能に優れる光選択透過フィルターを与えることが可能なものである。したがって、本発明の光選択透過フィルター用基材を含む光選択透過フィルターは、遮断したい波長域をよりシャープに遮断でき、かつ透過させたい波長域では高い透過率を示すといった光透過特性に代表される各種性能に優れ、例えば、オプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品、電気・電子部品等の様々な用途に好適に用いることができる。中でも、固体撮像素子(カメラモジュール)に好適に適用できるが、この場合、上記光選択透過フィルターは、特に撮像レンズ等のレンズ用光選択透過フィルターとして有用であり、中でも、カメラモジュール用IRカットフィルターとして極めて有用である。
:カメラモジュールの構成を示す断面模式図である。 :光選択透過フィルターの有無によるバックフォーカスの伸張を示す模式図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
なお、下記合成例における数平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー(カラム:TSKgel SuperMultiporeHZ−N 4.6150を2本、溶離液:テトラヒドロフラン、標準サンプル:TSKポリスチレンスタンダード)により測定した。
合成例1
<FPEK(フッ素化ポリエーテルケトン)の合成>
温度計、冷却管、ガス導入管、及び、攪拌機を備えた反応器に、BPDE(4,4’−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル)16.74部、HF(9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン)10.5部、炭酸カリウム4.34部、DMAc(ジメチルアセトアミド)90部を仕込んだ。この混合物を80℃に加温し、8時間反応した。反応終了後、反応溶液をブレンダーで激しく攪拌しながら、1%酢酸水溶液中に注加した。析出した反応物を濾別し、蒸留水及びメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、フッ素化芳香族ポリマー(FPEK)を得た。
上記ポリマーのガラス転移点温度(Tg)は242℃、数平均分子量(Mn)が70770、表面抵抗値は1.0×1018Ω/cm以上であった。
実施例1
合成例1で得たFPEK10部に、メチルイソブチルケトン(MIBK)70部を加え、均一に溶解させ、樹脂組成物(1)を得た。この樹脂組成物(1)にTX−EX−609K(開発品名、フタロシアニン系色素、吸収極大波長650nm、日本触媒社製)を0.3部加え溶解させ、色素含有樹脂組成物(1)を得た。
支持体フィルムとしてのネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、50μm厚)上に、色素含有樹脂組成物(1)を15μm厚で塗布し、150℃で60分間乾燥後、裏面にも色素含有樹脂組成物(1)を15μm厚で塗布し、150℃で60分間乾燥して、樹脂シート(1)52.2μmを得た。樹脂シート(1)の構成を表1に示す。
得られた樹脂シート(1)について、カールの有無を目視にて評価するとともに、下記のように反射膜を蒸着により形成して光選択透過フィルターを得た後の反りの有無を目視にて評価した。これらの結果及び樹脂シート(1)の構成を表1に示す。
<光選択透過フィルターの作製>
樹脂シート(1)を、幅60mm、長さ100mmの長方形にカッティングした。この両面に、蒸着基板温度150℃で赤外線を反射する多層膜{シリカ(SiO:膜厚120〜190nm)層とチタニア(TiO:膜厚70〜120nm)層とが交互に積層されてなるもの、積層数は片面20層ずつ両面に蒸着:計40層}を蒸着により形成し、光選択透過フィルター(光学フィルター)(1)を製造した。製造後の光選択透過フィルター(1)について、反りの有無を目視にて評価した。
実施例2
支持体フィルムとしてネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、100μm厚)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂シート(2)102.2μmを得た。この樹脂シート(2)について、実施例1と同様に評価した結果及び樹脂シート(2)の構成を表1に示す。
実施例3
支持体フィルムとしてのネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、100μm厚)上に、実施例1で得られた色素含有樹脂組成物(1)を15μm厚で塗布し、150℃で60分間乾燥後、裏面には樹脂組成物(1)を15μm厚で塗布し、150℃で60分間乾燥して樹脂シート(3)102.2μmを得た。この樹脂シート(3)について、実施例1と同様に評価した結果及び樹脂シート(3)の構成を表1に示す。
実施例4
ネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、50μm厚)10部に、DMAc(ジメチルアセトアミド)90部を加え、120℃で1時間撹拌し、樹脂組成物(2)を得た。この樹脂組成物(2)にTX−EX−609K(開発品名、フタロシアニン系色素、吸収極大波長650nm、日本触媒社製)を0.3部加えて均一に溶解させ、色素含有樹脂組成物(2)を得た。
支持体フィルムとしてのネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、50μm厚)上に、色素含有樹脂組成物(2)を15μm厚で塗布し、150℃で60分間乾燥後、裏面にも色素含有樹脂組成物(2)を15μm厚で塗布し、150℃で60分間乾燥して、樹脂シート(4)54μmを得た。この樹脂シート(4)について、実施例1と同様に評価した結果及び樹脂シート(4)の構成を表1に示す。
実施例5
支持体フィルムとしてネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、100μm厚)を用いたこと以外は実施例4と同様にして、樹脂シート(5)103μmを得た。この樹脂シート(5)について、実施例1と同様に評価した結果及び樹脂シート(5)の構成を表1に示す。
実施例6
支持体フィルムとしてのネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、100μm厚)上に、実施例4で得られた色素含有樹脂組成物(2)を15μm厚で塗布し、150℃で60分間乾燥後、裏面には樹脂組成物(2)を15μm厚で塗布し、150℃で60分間乾燥して樹脂シート(6)103μmを得た。この樹脂シート(6)について、実施例1と同様に評価した結果及び樹脂シート(6)の構成を表1に示す。
比較例1
支持体フィルムとしてのネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、50μm厚)上に、実施例1で得られた色素含有樹脂組成物(1)を30μm厚で塗布し、樹脂シート(7)52.3μmを得た。この樹脂シート(7)について、実施例1と同様に評価した結果及び樹脂シート(7)の構成を表1に示す。
比較例2
支持体フィルムとしてネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、100μm厚)を用いたこと以外は比較例1と同様にして、樹脂シート(8)102μmを得た。この樹脂シート(8)について、実施例1と同様に評価した結果及び樹脂シート(8)の構成を表1に示す。
比較例3
支持体フィルムとしてのネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、100μm厚)上に、実施例4で得られた色素含有樹脂組成物(2)を15μm厚で塗布し、150℃で60分間乾燥して樹脂シート(9)101.5μmを得た。この樹脂シート(9)について、実施例1と同様に評価した結果及び樹脂シート(9)の構成を表1に示す。
Figure 0006001299
上記実施例及び比較例から以下のことが分かる。
実施例1〜6で得た樹脂シートは、いずれも支持体の両面に樹脂層を有するものであるのに対し、比較例1〜3で得た樹脂シートは、支持体の片面にしか樹脂層を有さないものである。このような相違の下、基材のカールの有無を対比すると、実施例1〜6ではカールが生じず安定して形状を維持できたのに対し、比較例1〜3では樹脂層を内側にしてカールが生じたことが分かる。また、蒸着後の反りの有無を対比すると、実施例1〜6では反りが発生しなかったのに対し、比較例1〜3では反りが残ったことが分かる。
1:レンズ
2:光選択透過フィルター
3:センサー

Claims (6)

  1. 光選択透過フィルターに用いられる基材であって、
    該光選択透過フィルター用基材は、樹脂シートを含み、
    該樹脂シートは、支持体を有し、かつ該支持体の両面に樹脂層を有し、
    該樹脂層の少なくとも1層は、色素を含み、
    該色素を含む樹脂層を構成する樹脂成分は、フッ素化芳香族ポリマー、ポリ(アミド)イミド樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂及びシクロオレフィン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の溶剤可溶性樹脂であり、
    該色素の含有量は、該溶剤可溶性樹脂100重量部に対して3重量部以上である
    ことを特徴とする光選択透過フィルター用基材。
  2. 前記持体は、色素を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の光選択透過フィルター用基材。
  3. 請求項1又は2に記載の光選択透過フィルター用基材に用いられる
    ことを特徴とする樹脂シート。
  4. 請求項1又は2に記載の光選択透過フィルター用基材を含む
    ことを特徴とする光選択透過フィルター。
  5. 前記光選択透過フィルターは、更に、反射膜を含む
    ことを特徴とする請求項4に記載の光選択透過フィルター。
  6. 請求項4又は5に記載の光選択透過フィルター、レンズユニット部、及び、センサー部を少なくとも有する
    ことを特徴とする固体撮像素子。
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