JP6001299B2 - 光選択透過フィルター用基材、樹脂シート、光選択透過フィルター及び固体撮像素子 - Google Patents
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Description
なお、特許文献1には、基材の両面に光選択透過層等の機能性材料層を有する形態が記載されているが、この光選択透過層は樹脂層には限定されていないうえ、本発明のような構成に起因してカールや反り、クラックの発生等が充分に抑制されるという効果についても、特許文献1では記載も示唆もされていない。
本発明はまた、上記光選択透過フィルター用基材に用いられる樹脂シートでもある。
本発明は更に、上記光選択透過フィルター用基材を含む光選択透過フィルターでもある。
本発明はそして、上記光選択透過フィルター、レンズユニット部、及び、センサー部を少なくとも有する固体撮像素子でもある。
以下に本発明を詳述する。なお、以下において段落に分けて記載される本発明の好ましい形態の2つ又は3つ以上を組み合わせたものも本発明の好ましい形態である。
本発明の光選択透過フィルター用基材は、1又は2以上の樹脂シートを含む。
このような樹脂シートは、支持体と樹脂層とを有し、該支持体の両面に該樹脂層を有する構成からなるが、これによって基材形状が充分に安定し、例えば該樹脂層を形成する際や該基材に他の層を形成する際の温度条件等による基材の形状変化が充分に抑制され、また、温度変化による層間の応力に起因するクラックや割れの発生も充分に防止されることになる。そのため、基材の形状変化等に起因する、光選択透過フィルターの性能への影響を充分に排除することができるため、優れた特性を発揮できる光選択透過フィルターを与えることが可能になる。このような上記光選択透過フィルター用基材に用いられる樹脂シートもまた、本発明の1つである。
なお、上記樹脂シートは、必要に応じて更に他の層を含むものであってもよいし、また、支持体と樹脂層との間に他の層を有するものであってもよいが、支持体の表面に、直接、樹脂層が形成されてなることが好適である。また、1つの樹脂シートに支持体が2以上含まれる場合は、そのうちの少なくとも1以上の支持体の両面に、各面1層以上の樹脂層を有するものであればよい。
なお、上記樹脂層の少なくとも一層が色素を含む形態とは、支持体の両面に形成された樹脂層のいずれもが色素を含む形態と、支持体の一方の面に形成された樹脂層が色素を含み、かつ他方の面に形成された樹脂層は色素を含まない(好ましくは透明樹脂層である)形態とが挙げられるが、本発明ではこのいずれの形態も好適である。
なお、上記支持体が色素を含む場合の色素濃度(色素含有量)については、後述する樹脂層が色素を含む場合のそれと同様の範囲であることが好適である。
樹脂層の曲げ弾性率は、JIS K7203(1982年)に準拠して測定することができる。
ここでいう機械的特性とは、曲げ弾性率であることが好ましく、これにより、基材の形状変化をより抑制することができる。例えば、これらの23℃における曲げ弾性率の差が1000MPa以下であることが好ましく、より好ましくは500MPa以下、更に好ましくは100MPa以下である。特に好ましくは、樹脂層を構成する樹脂成分と支持体を構成する樹脂が同じ材料であることであり、最も好ましくは、樹脂層を形成する樹脂組成物に含まれる樹脂成分、及び、支持体を構成する樹脂として、同じ材料を用いることである。
支持体を構成する樹脂の曲げ弾性率は、上記と同様に測定することができる。
なお、樹脂シートの厚みとしては、1mm以下であることが好ましい。より好ましくは500μm以下、更に好ましくは300μm以下、特に好ましくは200μm以下、最も好ましくは150μm以下である。また、支持体の厚みは120μm以下であることが好ましい。
なお、色素は1種又は2種以上を使用することができ、樹脂成分も1種又は2種以上を使用することができる。以下では、色素及び樹脂成分について、更に説明する。
上記色素とは、特定波長の光を吸収する物質を意味し、樹脂成分と混合又は混練可能な色素を用いることができる。例えば、600〜1000nmの波長域に吸収極大を有するものが好適である。これにより、光選択透過フィルターを、固体撮像素子に有用な赤外線カットフィルターとして好適に適用することが可能になる。より好ましくは、650nm以上、800nm以下の波長域に吸収極大を有するものであり、更に好ましくは750nm以下、一層好ましくは710nm以下、特に好ましくは700nm以下の波長域に吸収極大を有するものである。上記色素はまた、400nm以上、600nm未満の波長域には実質的に吸収極大を持たないものであることが好ましい。
上記ポルフィリン系色素としては、テトラアザポルフィリン等が挙げられる。
上記銅イオン系色素としては、アクリル酸、カルボン酸、リン酸等の酸やケトン基、エステル基等の極性基が配位及び/又は結合した銅イオンを含む化合物等が挙げられる。
透過率は、分光光度計(Shimadzu UV−3100、島津製作所社製)を用いて測定することができる。
なお、このような樹脂層を含む樹脂シート、光選択透過フィルター用基材及び光選択透過フィルターについても、可視光領域におけるヘイズ、可視光500nmにおける透過率、及び、色素の吸収極大波長における透過率が、夫々、色素を含む樹脂層についての上述した範囲と同様の範囲にあることが好ましい。
上記樹脂層において、樹脂成分としては、色素を含む樹脂層を形成する場合は上述した色素を充分に溶解又は分散できる樹脂成分が好ましく、このような樹脂成分を適切に選択することにより、透過させたい波長域(例えば、可視領域)における高透過率と、遮断したい波長域(例えば、赤外領域)における高吸収性とを両立することが可能となる。また、色素を含まない樹脂層(好ましくは透明樹脂層)を形成する場合は、硬化又は乾燥後に充分な透明性を発揮できる樹脂成分が好ましい。
なお、上記樹脂層自体は、溶剤可溶性であっても不溶性であってもよい。
なお、「樹脂原料」には、樹脂の前駆体や該前駆体の原料、更に、樹脂を形成するための単量体(硬化性モノマー等)が含まれるものとする。
また透明樹脂層を得る場合にも、未反応物等の残渣が少なく、透明性をより発揮できる観点から、上記樹脂成分として溶剤可溶性樹脂を用いることが特に好適である。
また、溶剤可溶性樹脂を用いることは、軟質な樹脂層が得られ易い点からも好ましい。
なお、上記樹脂成分として溶剤可溶性樹脂を用いる場合、該溶剤可溶性樹脂がそのまま、上記樹脂層を構成する樹脂成分となっていてもよいし、該溶剤可溶性樹脂が架橋反応等により変化したものが、上記樹脂層を構成する樹脂成分となっていてもよい。
架橋可能な反応性基の量や成膜時の架橋反応をどの程度進めるかは特に限定されるものではないが、樹脂の溶剤可溶性が維持できる程度であることが好ましい。
なお、一般式(1−1)又は(1−2)で表される繰り返し単位は、同一でも異なっていてもよく、ブロック状、ランダム状等の何れの形態であってもよい。
上記一般式(1−2)中、R2は、置換基を有していてもよい、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基又は炭素数6〜20のアリールチオ基を表す。R3は、炭素数1〜150の芳香族環を有する2価の有機鎖を表す。zは、芳香族環に結合しているフッ素原子の数であり、1又は2である。n1は、重合度を表し、2〜5000の範囲内が好ましく、5〜500の範囲内がより好ましい。
上記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、フルフリルオキシ基、アリルオキシ基等が好適である。
上記アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基等が好適である。
上記アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、iso−プロピルチオ基等が好適である。
上記アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、ヒドロキシ安息香酸及びそのエステル類(例えば、メチルエステル、エチルエステル、メトキシエチルエステル、エトキシエチルエステル、フルフリルエステル及びフェニルエステル等)由来の基、ナフトキシ基、o−、m−又はp−メチルフェノキシ基、o−、m−又はp−フェニルフェノキシ基、フェニルエチニルフェノキシ基、クレソチン酸及びそのエステル類由来の基等が好適である。
上記アリールアミノ基としては、アニリノ基、o−、m−又はp−トルイジノ基、1,2−又は1,3−キシリジノ基、o−、m−又はp−メトキシアニリノ基、アントラニル酸及びそのエステル類由来の基等が好適である。
上記アリールチオ基としては、フェニルチオ基、フェニルメタンチオ基、o−、m−又はp−トリルチオ基、チオサリチル酸及びそのエステル類由来の基等が好適である。
なお、ポリイミド樹脂におけるイミド結合は、通常、アミド結合とそれに隣接するカルボキシル基とを有する結合鎖(本発明では、該結合鎖をアミック酸ともいう。通常は、アミド結合が結合した炭素原子に隣接する炭素原子にカルボキシル基が結合した構造である。)におけるアミド結合とカルボキシル基との脱水反応による形成される。
ポリアミック酸から脱水反応によりポリイミド樹脂を生成させる際、分子内に若干量のアミック酸は残存し得る。したがって、本発明で「ポリイミド樹脂」という場合は、イミド結合を含み、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得ないアミド結合は含まないが、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得るアミド結合は含まないか若干量含んでいてもよい。
上記ポリ(アミド)イミド樹脂はまた、透明性を有することが好ましい。透明性向上のためには、芳香環が少ないほうが好ましい。中でも、芳香環を脂環又は脂肪鎖等で置き換えた構造を有することが好適である。より好ましくは、全重量100%中の芳香環の重量が65%以下、更に好ましくは45%以下、特に好ましくは30%以下である。
上記一般式(5)におけるR4としては、2価の有機基が好ましく、中でも、炭素数2〜39の2価の有機基が好ましい。また、当該有機基は1種又は2種以上の炭化水素骨格を含むものが好ましい。炭化水素骨格としては、脂肪族鎖状炭化水素、脂肪族環状炭化水素又は芳香族炭化水素であることが好ましい。当該有機基はまた、複素環骨格を有するものであってもよい。
なお、上記一般式(5)で表される繰り返し単位におけるそれぞれのR4としては、同一であっても異なるものであってもよい。
なお、一般式(5)におけるシクロヘキシル環における水素原子の一部又は全部が置換されていてもよいが、無置換(全て水素原子である形態)であるものが好ましい。
上記一般式(5)で表される繰り返し単位は、同一でも異なっていてもよく、ブロック状、ランダム状等の何れの形態であってもよい。
なお、本明細書中、エポキシ基とは、3員環のエーテルであるオキシラン環を含むものであり、狭義のエポキシ基の他、グリシジル基(グリシジルエーテル基及びグリシジルエステル基を含む)を含むものを意味する。
上記可撓性成分としては、上記エポキシ化合物とは異なる化合物であってもよいし、上記エポキシ化合物の少なくとも1種が可撓性成分であってもよい。
アクリル樹脂とは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物((メタ)アクリロイル基含有化合物又は(メタ)アクリル系化合物とも称す。)を含む硬化性組成物の硬化物であり、スチレン樹脂とは、スチレンやジビニルベンゼン等のスチレン系モノマー(スチレン系化合物とも称す。)を含む硬化性組成物の硬化物であり、アクリル−スチレン樹脂とは、(メタ)アクリロイル基含有化合物及びスチレン系モノマーを含む硬化性組成物の硬化物である。上記ビニル重合体樹脂の中でも、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂が好ましい。
上記アクリル−スチレン樹脂原料としては、上記アクリル樹脂原料の好適な形態において更にスチレン系モノマーを用いた組成物が好ましい。
本発明はまた、上記光選択透過フィルター用基材(単に「基材」とも称す)を含む光選択透過フィルターでもある。
上記光選択透過フィルターは、上記基材を含むものであればよいが、更に他の層を1又は2以上有していてもよい。他の層としては、例えば、光吸収能を有する吸収層(吸収膜とも称す)や、光反射能を有する反射層(反射膜とも称す)等が挙げられる。なお、上記基材中の樹脂層の少なくとも一層及び/又は支持体が色素を含む場合は、該基材自体が吸収層としての機能も併せ持つことになる。この場合の上記光選択透過フィルターとしては、更に他の吸収層を有するものであってもよいし、薄膜化をより一層実現する観点から有さないものであってもよい。
なお、光遮断特性の入射角依存性は、吸収層の吸収により充分に低減されている必要があり、入射角の変化に対して透過率スペクトルが変化しないこと、又は、その変化の程度が小さいことが好ましい。具体的には、入射角0°を20°に変えても(より好ましくは25°に変えても)、透過率80%以上の領域において、透過率のスペクトルが変化しないことが好ましく、より好ましくは、透過率70%以上の領域において透過率のスペクトルが変化しないことであり、更に好ましくは、透過率60%以上の領域において透過率のスペクトルが変化しないことである。最も好ましくは、いずれの透過率領域においてもスペクトルが変化しないことである。
上記誘電体層Aを構成する材料としては、屈折率が1.6以下の材料を通常用いることができ、好ましくは、屈折率の範囲が1.2〜1.6の材料が選択される。このような材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、六フッ化アルミニウムナトリウム等が好適である。
また上記基材(好ましくは樹脂シート)が有機材料、具体的には樹脂組成物により形成される場合には、未硬化又は半硬化状態の基材(樹脂組成物)に誘電体層等を蒸着した後、基材を硬化する方法が好適である。このような方法を用いると、多層蒸着後の冷却時に基材が流動的となり、液状に近い状態となるために、樹脂組成物と誘電体層等との熱膨張係数差が問題にならず、光選択透過フィルターの変形(カール)をより充分に抑制することができる。
上記線膨張係数が低い樹脂層又は支持体フィルムとして具体的には、例えば、ポリ(アミド)イミド樹脂、アラミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、有機無機ハイブリッド樹脂等が好適であり、上記樹脂層又は支持体フィルムが、これらからなる群より選択される少なくとも1種により形成されるものである形態は、本発明の好適な形態の1つである。また、樹脂を延伸する;無機微粒子等を分散させる;ガラスクロスを用いる;架橋密度を上げる;コンポジット化する;結晶化させる;等によっても線膨張係数を低下させることができる。
また、上記反射膜の厚みは、0.5〜10μmであることが好ましい。より好ましくは、2〜8μmである。反射膜が上記基材の両面に形成される形態においては、両面の反射膜の合計の厚みが上記範囲内にあることが好ましい。
このように本発明の光選択透過フィルターが他の機能を有する形態においては、上記基材の一方の表面に反射膜を形成し、他方の表面に他の機能を付与するための機能性材料層を形成することが好ましい。機能性材料層は、例えば、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法により、直接、上記基材上に形成したり、離型処理された仮の基材上に形成された機能性材料層を上記基材に接着剤で張り合わせたりすることにより得ることができる。また、原料物質を含有する液状組成物を上記基材に塗布、乾燥して、製膜することによっても得ることができる。
図1に示すように、光選択透過フィルターは、所望の波長の光(カメラモジュールにおいては、例えば、700nm以上の波長の光)をカットし、シーモスセンサーの誤作動を防ぐ役割がある。カメラモジュールに光選択透過フィルターを入れると、焦点距離が伸びるため、バックフォーカスが伸張し、モジュールが大きくなる。光選択透過フィルターの厚みがtで屈折率nが1.5程度の場合、図2に示すように、バックフォーカスが約t/3伸張し、モジュールが大きくなるが、光選択透過フィルターを薄くして、焦点距離を短くし、モジュールを小さくすることができる。それにより、例えば、1/10インチの光学サイズの光路長としては、光選択透過フィルターなしの場合の120%以下とすることが好ましい。より好ましくは110%以下、更に好ましくは105%以下である。
紫外線カットフィルターは、紫外線を遮断する機能を有するフィルターである。選択的に低減する波長の範囲としては、200〜350nmであることが好ましい。
赤外・紫外線カットフィルターは、紫外線及び赤外線の両方を遮断する機能を有するフィルターである。選択的に低減する波長の範囲は、上述と同様であることが好ましい。
透過率は、分光光度計(Shimadzu UV−3100、島津製作所社製)を用いて測定することができる。
なお、レンズユニット部については、WO2008/081892に記載の形態が好ましく採用できる。
なお、下記合成例における数平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー(カラム:TSKgel SuperMultiporeHZ−N 4.6*150を2本、溶離液:テトラヒドロフラン、標準サンプル:TSKポリスチレンスタンダード)により測定した。
<FPEK(フッ素化ポリエーテルケトン)の合成>
温度計、冷却管、ガス導入管、及び、攪拌機を備えた反応器に、BPDE(4,4’−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル)16.74部、HF(9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン)10.5部、炭酸カリウム4.34部、DMAc(ジメチルアセトアミド)90部を仕込んだ。この混合物を80℃に加温し、8時間反応した。反応終了後、反応溶液をブレンダーで激しく攪拌しながら、1%酢酸水溶液中に注加した。析出した反応物を濾別し、蒸留水及びメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、フッ素化芳香族ポリマー(FPEK)を得た。
上記ポリマーのガラス転移点温度(Tg)は242℃、数平均分子量(Mn)が70770、表面抵抗値は1.0×1018Ω/cm2以上であった。
合成例1で得たFPEK10部に、メチルイソブチルケトン(MIBK)70部を加え、均一に溶解させ、樹脂組成物(1)を得た。この樹脂組成物(1)にTX−EX−609K(開発品名、フタロシアニン系色素、吸収極大波長650nm、日本触媒社製)を0.3部加え溶解させ、色素含有樹脂組成物(1)を得た。
支持体フィルムとしてのネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、50μm厚)上に、色素含有樹脂組成物(1)を15μm厚で塗布し、150℃で60分間乾燥後、裏面にも色素含有樹脂組成物(1)を15μm厚で塗布し、150℃で60分間乾燥して、樹脂シート(1)52.2μmを得た。樹脂シート(1)の構成を表1に示す。
得られた樹脂シート(1)について、カールの有無を目視にて評価するとともに、下記のように反射膜を蒸着により形成して光選択透過フィルターを得た後の反りの有無を目視にて評価した。これらの結果及び樹脂シート(1)の構成を表1に示す。
樹脂シート(1)を、幅60mm、長さ100mmの長方形にカッティングした。この両面に、蒸着基板温度150℃で赤外線を反射する多層膜{シリカ(SiO2:膜厚120〜190nm)層とチタニア(TiO2:膜厚70〜120nm)層とが交互に積層されてなるもの、積層数は片面20層ずつ両面に蒸着:計40層}を蒸着により形成し、光選択透過フィルター(光学フィルター)(1)を製造した。製造後の光選択透過フィルター(1)について、反りの有無を目視にて評価した。
支持体フィルムとしてネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、100μm厚)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂シート(2)102.2μmを得た。この樹脂シート(2)について、実施例1と同様に評価した結果及び樹脂シート(2)の構成を表1に示す。
支持体フィルムとしてのネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、100μm厚)上に、実施例1で得られた色素含有樹脂組成物(1)を15μm厚で塗布し、150℃で60分間乾燥後、裏面には樹脂組成物(1)を15μm厚で塗布し、150℃で60分間乾燥して樹脂シート(3)102.2μmを得た。この樹脂シート(3)について、実施例1と同様に評価した結果及び樹脂シート(3)の構成を表1に示す。
ネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、50μm厚)10部に、DMAc(ジメチルアセトアミド)90部を加え、120℃で1時間撹拌し、樹脂組成物(2)を得た。この樹脂組成物(2)にTX−EX−609K(開発品名、フタロシアニン系色素、吸収極大波長650nm、日本触媒社製)を0.3部加えて均一に溶解させ、色素含有樹脂組成物(2)を得た。
支持体フィルムとしてのネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、50μm厚)上に、色素含有樹脂組成物(2)を15μm厚で塗布し、150℃で60分間乾燥後、裏面にも色素含有樹脂組成物(2)を15μm厚で塗布し、150℃で60分間乾燥して、樹脂シート(4)54μmを得た。この樹脂シート(4)について、実施例1と同様に評価した結果及び樹脂シート(4)の構成を表1に示す。
支持体フィルムとしてネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、100μm厚)を用いたこと以外は実施例4と同様にして、樹脂シート(5)103μmを得た。この樹脂シート(5)について、実施例1と同様に評価した結果及び樹脂シート(5)の構成を表1に示す。
支持体フィルムとしてのネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、100μm厚)上に、実施例4で得られた色素含有樹脂組成物(2)を15μm厚で塗布し、150℃で60分間乾燥後、裏面には樹脂組成物(2)を15μm厚で塗布し、150℃で60分間乾燥して樹脂シート(6)103μmを得た。この樹脂シート(6)について、実施例1と同様に評価した結果及び樹脂シート(6)の構成を表1に示す。
支持体フィルムとしてのネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、50μm厚)上に、実施例1で得られた色素含有樹脂組成物(1)を30μm厚で塗布し、樹脂シート(7)52.3μmを得た。この樹脂シート(7)について、実施例1と同様に評価した結果及び樹脂シート(7)の構成を表1に示す。
支持体フィルムとしてネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、100μm厚)を用いたこと以外は比較例1と同様にして、樹脂シート(8)102μmを得た。この樹脂シート(8)について、実施例1と同様に評価した結果及び樹脂シート(8)の構成を表1に示す。
支持体フィルムとしてのネオプリムL−3430(三菱ガス化学社製、100μm厚)上に、実施例4で得られた色素含有樹脂組成物(2)を15μm厚で塗布し、150℃で60分間乾燥して樹脂シート(9)101.5μmを得た。この樹脂シート(9)について、実施例1と同様に評価した結果及び樹脂シート(9)の構成を表1に示す。
実施例1〜6で得た樹脂シートは、いずれも支持体の両面に樹脂層を有するものであるのに対し、比較例1〜3で得た樹脂シートは、支持体の片面にしか樹脂層を有さないものである。このような相違の下、基材のカールの有無を対比すると、実施例1〜6ではカールが生じず安定して形状を維持できたのに対し、比較例1〜3では樹脂層を内側にしてカールが生じたことが分かる。また、蒸着後の反りの有無を対比すると、実施例1〜6では反りが発生しなかったのに対し、比較例1〜3では反りが残ったことが分かる。
2:光選択透過フィルター
3:センサー
Claims (6)
- 光選択透過フィルターに用いられる基材であって、
該光選択透過フィルター用基材は、樹脂シートを含み、
該樹脂シートは、支持体を有し、かつ該支持体の両面に樹脂層を有し、
該樹脂層の少なくとも1層は、色素を含み、
該色素を含む樹脂層を構成する樹脂成分は、フッ素化芳香族ポリマー、ポリ(アミド)イミド樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂及びシクロオレフィン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の溶剤可溶性樹脂であり、
該色素の含有量は、該溶剤可溶性樹脂100重量部に対して3重量部以上である
ことを特徴とする光選択透過フィルター用基材。 - 前記支持体は、色素を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の光選択透過フィルター用基材。 - 請求項1又は2に記載の光選択透過フィルター用基材に用いられる
ことを特徴とする樹脂シート。 - 請求項1又は2に記載の光選択透過フィルター用基材を含む
ことを特徴とする光選択透過フィルター。 - 前記光選択透過フィルターは、更に、反射膜を含む
ことを特徴とする請求項4に記載の光選択透過フィルター。 - 請求項4又は5に記載の光選択透過フィルター、レンズユニット部、及び、センサー部を少なくとも有する
ことを特徴とする固体撮像素子。
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