JP6000149B2 - かご形誘導電動機 - Google Patents

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Description

本発明は、かご形誘導電動機に関する。
一般的に、かご形誘導電動機のかご形回転子は、ダイカストによる2次導体のローターバー部と2次導体のローターバー部が入る回転子鉄心の溝部表面との間が絶縁処理されていない。特に、回転軸を中心に捻りながら積層した、いわゆるスキューのかかった回転子鉄心の溝部にダイカストにより2次導体を鋳込んだタイプのかご形回転子においては、ローターバー部−鉄心−隣のローターバー部の経路に横流れ電流が流れ、トルク発生に有効な2次導体のローターバー部に流れる電流の減少によりモータートルクが低下しやすく、モーター効率の悪化を招く傾向にある。
特許文献1には、スロット部及びその内側の冷却孔をそれぞれ有した複数の回転子鉄板を順次に積層して回転子鉄心を形成し、溶融アルミニウムでスロット部の内周部と回転子鉄心の両端部とを連結して導体バーを形成し、回転子鉄心及び導体バーを含むかご形回転子を400〜450℃に加熱し、回転子鉄心の外周部と冷却孔との両方を冷却水で冷却することが記載されている。これにより、特許文献1によれば、スロット部が均一に冷却されやすくなるため、回転子鉄心と導体バーとの熱膨張係数の差により導体バーが回転子鉄心から剥離し、回転子鉄心と導体バーとの間に良好で安定した空間の絶縁層が形成されるとされている。
特開2001−224152号公報
特許文献1に記載の方法は、かご形回転子に対して加熱→水冷を行い、回転子鉄心と2次導体との線膨張係数差により回転子鉄心と2次導体のローターバー部とを剥離する方法であると考えられる。この方法では、かご形回転子の全体を加熱し冷却する必要があるため、量産品で実施するには大掛かりな加熱設備や冷却設備が必要となるとともに、短時間での処理が難しく、製造コストを増大させる可能性があり、量産に適していないと考えられる。
また、400〜450度の温度で加熱するため、鉄心の酸化や高温による熱変形等の加熱に伴う品質上の問題を発生させる可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、製造コストを低減でき、加熱に伴う品質上の問題を回避できるかご形誘導電動機を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の1つの側面にかかるかご形誘導電動機は、かご形回転子を備え、前記かご形回転子は、回転軸方向の一端側から他端側に延びた溝部を周面に有する回転子鉄心と、前記溝部に収容された導体バーとを有し、前記溝部の表面と前記導体バーの表面との少なくとも一方は、前記回転子鉄心と前記導体バーとの接触を抑制する凹凸構造を有することを特徴とする。
本発明によれば、回転子鉄心の各溝部の表面を凹凸構造にする方法としては、例えば、鉄心を打抜く金型のポンチとダイのかみ合い部を凸凹形状にするだけでよく、金型製作時に少し工程が増える以外は通常の生産工程となるため、2次導体の導体バーと回転子鉄心との接触抑制を安価に行うことができる。また、加熱しないで2次導体の導体バーと回転子鉄心との接触抑制を行うことができるので、鉄心の酸化や高温による熱変形等の品質上の問題も発生しない。すなわち、製造コストを低減でき、加熱に伴う品質上の問題を回避できる。
図1は、実施の形態1にかかるかご形誘導電動機の構成を示す図である。 図2は、実施の形態1における鋼板の構成例を示す図である。 図3は、実施の形態1におけるかご形誘導電動機の製造方法を示す図である。 図4は、実施の形態1における回転数−トルク特性図である。 図5は、実施の形態1における回転数−効率特性図である。 図6は、実施の形態1の変形例における鋼板の構成例を示す図である。 図7は、実施の形態1の変形例における固定子及び回転子の構成を示す図である。 図8は、実施の形態2における2次導体の構成を示す図である。 図9は、実施の形態2における導体バーの構成を示す図である。
以下に、本発明にかかるかご形誘導電動機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
実施の形態1にかかるかご形誘導電動機100について図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1にかかるかご形誘導電動機100の構成を示す側面図である。
かご形誘導電動機100は、かご形回転子30及び固定子20を備える。かご形回転子30は、回転子鉄心1、2次導体2、及び回転軸3を有する。2次導体2は、2つのエンドリング部2e−1,2e−2、及び複数の導体バー(複数のローターバー)2b−1〜2b−kを有する。
回転子鉄心1は、複数の鋼板15−1〜15−nが回転軸3に沿った方向に積層されたものである。回転子鉄心1は、回転軸3に貫通されるとともに固定されており、また、複数の溝部4−1〜4−kを周面に有する。各溝部4−1〜4−kは、回転軸方向の一端側から他端側に螺旋状にねじれて延びている。すなわち、複数の鋼板15−1〜15−nは、各溝部4−1〜4−kが螺旋状にねじれるように、回転方向にスキューを持たせながら回転軸3に沿った方向に積層されている。各溝部4−1〜4−kには、複数の導体バー2b−1〜2b−kのうち対応する導体バーが収容される。
例えば、各鋼板15−1〜15−nは、穴15a及び複数の打ち抜きパターン15b−1〜15b−kを有する。穴15aは、回転軸3が挿通されるべき穴である。回転軸3が穴15aに挿通されることで、回転子鉄心1は、回転軸3に貫通されるとともに固定される。すなわち、穴15aは、複数の鋼板15−1〜15−nの間で鋼板における同様の位置に形成されている。
複数の打ち抜きパターン15b−1〜15b−kは、複数の溝部4−1〜4−kに対応している(図2(a)参照)。各打ち抜きパターン15b−1〜15b−kは、複数の導体バー2b−1〜2b−kのうち対応する導体バーが収容されるべきパターンである。各打ち抜きパターン15b−1〜15b−kは、複数の鋼板15−1〜15−nの間で、各溝部4−1〜4−kが螺旋状にねじれることに対応した位置に形成されている。すなわち、各打ち抜きパターン15b−1〜15b−kは、複数の鋼板15−1〜15−nのうち隣接する鋼板との間で回転方向にスキューを持たせた位置に形成されている。
複数の導体バー2b−1〜2b−kは、複数の溝部4−1〜4−kに収容されている。各導体バー2b−1〜2b−kは、例えば、棒状の形状を有している。すなわち、各導体バー2b−1〜2b−kは、複数の溝部4−1〜4−kのうち対応する溝部を介して2つのエンドリング部2e−1,2e−2を両端面で連結する。例えば、各導体バー2b−1〜2b−kは、複数の溝部4−1〜4−kのうち対応する溝部内に2次導体が鋳込まれたもの(ダイカストにて成形されたもの)である。各導体バー2b−1〜2b−kは、2次導体(例えば、アルミニウム)で形成されている。
2つのエンドリング部2e−1,2e−2は、回転子鉄心1に対して、回転軸3に沿った方向の両端に配されている。各エンドリング部2e−1,2e−2は、例えば、回転軸3を内側に収容する環状の形状を有している。各エンドリング部2e−1,2e−2は、例えば、導体バー2bと同じ2次導体(例えば、アルミニウム)で形成されている。
固定子20は、固定子鉄心13(図7参照)及び複数の固定子巻線14−1〜14−pを有する。固定子鉄心13は、例えば、略円筒形状を有しており、かご形回転子30を内側に収容している(図7参照)。固定子鉄心13は、複数の固定子巻線14−1〜14−pを巻き回すための複数の歯部13t−1〜13t−pを有している。複数の歯部13t−1〜13t−pは、例えば、回転方向に沿って略等間隔で配されている。複数の固定子巻線14−1〜14−pは、複数の歯部13t−1〜13t−pのうち対応する歯部に巻き回されている。
かご形誘導電動機100では、複数の固定子巻線14−1〜14−pは、電力が供給された際に、その電力に応じて磁界を発生させる。このとき、発生された磁界に応じて各導体バー2bに電流(2次導体バー電流)が流れるとともに、その電流の大きさに応じてかご形回転子30にモータートルクが発生する。
このとき、仮に、導体バー2bから回転子鉄心1へ横流れ電流が流れてしまうと、トルク発生に有効な2次導体バー電流および有効鎖交磁束が減少して、モータートルクが低下し、モータ効率が悪化する可能性がある。
そこで、本実施の形態では、各溝部4−1〜4−kの表面が、回転子鉄心1と導体バー2bとの接触を抑制する凹凸構造を有するように構成することで、導体バー2bから回転子鉄心1への横流れ電流を抑制することを目指す。
具体的には、回転子鉄心1を構成すべき各鋼板15は、図2(a)〜図2(c)に示す構成を有する。図2(a)は、鋼板15を回転軸3に沿った方向から見た図である。図2(b)は、図2(a)における打ち抜きパターン15bを拡大した図である。図2(c)は、図2(b)における打ち抜きパターン15bの端部をさらに拡大した図である。なお、図2(a)は、鋼板15を回転軸3に沿った方向から見た図であるが、回転子鉄心1を回転軸3に垂直な方向で切った断面図とみなすこともできる。
図2(a)に示すように、各鋼板15は、例えば、略円盤形状を基本形状として、その基本形状に対して、中心近傍に穴15aを形成し、円周近傍に複数の打ち抜きパターン15b−1〜15b−kを円周に沿って所定間隔(例えば、等間隔)で形成したものである。
図2(b)に示すように、各打ち抜きパターン15bは、第1のパターン15b1及び第2のパターン15b2を有する。第1のパターン15b1は、第2のパターン15b2より鋼板15の径方向内側に位置し、第2のパターン15b2より円周に沿った方向の幅が広い。第1のパターン15b1は、例えば、鋼板15の径方向に沿った長辺を有する略楕円形状を有している。
第2のパターン15b2は、第1のパターン15b1より鋼板15の径方向外側に位置し、第1のパターン15b1を鋼板15の円周の外側へ連通させる。第2のパターン15b2は、第1のパターン15b1より円周に沿った方向の幅が狭い。第2のパターン15b2は、例えば、鋼板15の径方向に沿った略矩形状を有している。
図2(c)に示すように、各鋼板15は、複数の凸状パターン6a−1〜6a−4及び複数の凹状パターン6b−1〜6b−3をさらに有する。凸状パターン6a−1〜6a−4と凹状パターン6b−1〜6b−3とは、第1のパターン15b1の端部15b1aに沿って交互に配されている。
各凸状パターン6a−1〜6a−4は、第1のパターン15b1の端部15b1aから第1のパターン15b1の内側へ延びている。また、図示しないが、各凸状パターン6a−1〜6a−4は、第2のパターン15b2の端部15b2a(図2(b)参照)から第2のパターン15b2の内側へ延びている。すなわち、各凸状パターン6a−1〜6a−4は、打ち抜きパターン15bの端部から打ち抜きパターン15bの内側へ延びている。
各凹状パターン6b−1〜6b−3は、第1のパターン15b1の端部15b1aから第1のパターン15b1の外側へ延びている。また、図示しないが、各凸状パターン6a−1〜6a−4及び各凹状パターン6b−1〜6b−3は、第2のパターン15b2の端部15b2a(図2(b)参照)から第2のパターン15b2の外側へ延びている。すなわち、各凹状パターン6b−1〜6b−3は、打ち抜きパターン15bの端部から打ち抜きパターン15bの外側へ延びている。
なお、横流れ電流によるトルクの低下は、固定子鉄心歯部13tから発生する磁束の入り口に当たる回転子外周面に近いところで導体バーと回転子鉄心とが接触導通するほど影響が大きいため、第2のパターン15b2の端部15b2aにだけ、各凸状パターン6a−1〜6a−4及び各凹状パターン6b−1〜6b−3を設けてもよい。また、導体バー2bとなるべき2次導体が第2のパターン15b2まで鋳込まれない場合、各凸状パターン6a−1〜6a−4及び各凹状パターン6b−1〜6b−3は、第1のパターン15b1の端部15b1aに選択的に設けられ、第2のパターン15b2の端部15b2aに設けられていなくてもよい。すなわち、各凸状パターン6a−1〜6a−4及び各凹状パターン6b−1〜6b−3は、少なくとも、導体バー2bとなるべき2次導体が鋳込まれるべき領域に設けられていればよい。
次に、かご形誘導電動機100の製造方法について図3を用いて説明する。図3(a)、(b)は、かご形誘導電動機100の製造方法における各工程を示す図である。
図3(a)に示す工程では、図2(a)〜図2(c)に示す構成をそれぞれ有する複数の鋼板15−1〜15−nを、挿通されるべき回転軸3の方向に沿って順次に積層していく。このとき、各打ち抜きパターン15b−1〜15b−kが、隣接する鋼板15との間で回転方向にスキューを持たせた位置になるように、各鋼板15−1〜15−nを積層していく。これにより、回転子鉄心1が形成されるとともに、回転軸方向の一端側から他端側に螺旋状にねじれてそれぞれ延びた複数の溝部4−1〜4−kが回転子鉄心1の周面に形成される。
このとき、各鋼板15が、複数の打ち抜きパターン15b−1〜15b−kを有するとともに、各打ち抜きパターン15bごとに、打ち抜きパターン15bの端部から打ち抜きパターン15bの内側へそれぞれ延びた複数の凸状パターン6aと打ち抜きパターン15bの端部から打ち抜きパターン15bの外側へ延びた複数の凹状パターン6bとを有している。これにより、回転子鉄心1の各溝部4の表面6は、凸状パターン6a及び凹状パターン6bが交互に繰り返された凹凸構造を有する(図2(c)参照)。
図3(b)に示す工程では、回転子鉄心1の各溝部4−1〜4−k内に2次導体(例えば、アルミニウム)の溶湯が流し込まれる。これにより、複数の導体バー2b−1〜2b−kが2次導体のダイカストで成形される。なお、図3(b)は、製造方法を概念的に示す図であり、実際にダイカスト成形に用いる鋳造装置は、縦型でもよいし、横型でもよい。
ここで、仮に、比較例として、図2(c)に破線で示すように、回転子鉄心1の各溝部4の表面6がフラットな構造を有する場合、2次導体をダイカストする時に、導体バー2bと回転子鉄心1の溝部4の表面6とが接触しやすい。これにより、導体バー2bと回転子鉄心1との電気的な接触抵抗が低くなり、かご形誘導電動機100を動作させる際に、横流れ電流が発生する可能性が高い。上記のように、導体バー2bから回転子鉄心1へ横流れ電流が流れてしまうと、トルク発生に有効な2次導体バー電流が減少して、モータートルクが低下し、モータ効率が悪化する可能性がある。
それに対して、本実施の形態では、図2(c)に実線で示すように、回転子鉄心1の各溝部4の表面6が凹凸構造を有するので、2次導体をダイカストする時に凹部には空気などのガスが溜まりやすく、導体バー2bと回転子鉄心1の溝部4の表面6との接触を抑制できる。さらに、凸部に対しても界面張力効果により接触面積が少なくなり、接触抵抗が大きくなる。これにより、導体バー2bと回転子鉄心1との電気的な接触抵抗が高くなり、かご形誘導電動機100を動作させる際に、横流れ電流を抑制することが可能である。この結果、横流れ電流の抑制により、かご形誘導電動機の横流れ電流によるモータトルクの低下を抑えることができモータ効率を改善できる。
次に、本実施形態による効果について図4及び図5を用いて説明する。図4は、かご形誘導電動機の回転数−トルク特性について本実施の形態と比較例とを比較して示す図である。図5は、かご形誘導電動機の回転数−効率特性について本実施の形態と比較例とを比較して示す図である。
図4について、上記の(例えば図2(c)に破線で示す)比較例では、横流れ電流が発生する可能性が高いので、モータートルクが低下しやすく、破線の回転数−トルク特性7になる。それに対して、(例えば図2(c)に実線で示す)本実施の形態では、横流れ電流を抑制できるので、モータトルクの低下を抑制でき、実線の回転数−トルク特性8になる。実線の回転数−トルク特性8は、ほぼ全ての実用回転数域に渡って、破線の回転数−トルク特性7より高トルク側に位置している。すなわち、本実施の形態によれば、比較例に比べて、ほぼ全ての実用回転数域に渡ってモータトルクを向上できることが分かる。
図5について、上記の(例えば図2(c)に破線で示す)比較例では、横流れ電流が発生する可能性が高いので、モーター効率が悪化しやすく、破線の回転数−効率特性9になる。それに対して、(例えば図2(c)に実線で示す)本実施の形態では、横流れ電流を抑制できるので、モータ効率を改善でき、実線の回転数−効率特性10になる。実線の回転数−効率特性10は、ほぼ全ての実用回転数域に渡って、破線の回転数−効率特性9より高効率側に位置している。すなわち、本実施の形態によれば、比較例に比べて、ほぼ全ての実用回転数域に渡ってモータ効率を改善できることが分かる。
以上のように、実施の形態1では、かご形誘導電動機100において、回転子鉄心1の各溝部4の表面6が、回転子鉄心1と導体バー2bとの接触を抑制する(例えば図2(c)に実線で示す)凹凸構造を有する。すなわち、2次導体の導体バー2bが鋳込まれるべき回転子鉄心1の各溝部4の表面6を凹凸構造にすることで、凹部における回転子鉄心1と2次導体の導体バー2bとの間の接触導通を抑制することができる。回転子鉄心1の各溝部4の表面6を凹凸構造にする方法としては、例えば、鉄心を打抜く金型のポンチとダイのかみ合い部を凸凹形状にするだけでよく、金型製作時に少し工程が増える以外は通常の生産工程となるため、2次導体の導体バー2bと回転子鉄心1との接触抑制を安価に行うことができる。また、加熱しないで2次導体の導体バー2bと回転子鉄心1との接触抑制を行うことができるので、鉄心の酸化や高温による熱変形等の品質上の問題も発生しない。すなわち、実施の形態1によれば、製造コストを低減でき、加熱に伴う品質上の問題を回避できる。
また、実施の形態1では、かご形誘導電動機100において、導体バー2bは、溝部4に2次導体が鋳込まれたものであり、溝部4の表面6は、2次導体が鋳込まれるべき領域に凹凸構造を有する。これにより、2次導体をダイカストする時に凹部には空気などのガスが溜まりやすく、導体バー2bと回転子鉄心1の溝部4の表面6との接触を抑制できる。さらに、凸部に対しても界面張力効果により接触面積が少なくなり、接触抵抗が大きくなる。これにより、導体バー2bと回転子鉄心1との電気的な接触抵抗を高くすることができ、かご形誘導電動機100を動作させる際に、横流れ電流を抑制することが可能である。
また、実施の形態1では、かご形誘導電動機100において、回転子鉄心1は、複数の鋼板15−1〜15−nが積層されたものである。そして、複数の鋼板15−1〜15−nのそれぞれは、溝部4に対応した打ち抜きパターン15bと、打ち抜きパターン15bの端部から打ち抜きパターン15bの内側へ延びた複数の凸状パターン6aとを有する。これにより、複数の鋼板15−1〜15−nが積層された回転子鉄心1の各溝部4の表面6を凹凸構造にすることができる。
なお、図2(c)では、ダイカストにより2次導体の導体バー2bが鋳込まれるべき回転子鉄心1の各溝部4の表面6の凸部(凸状パターン6a)と凹部(凹状パターン6b)とが、溝部4の表面6に沿った方向に均等な寸法を有する場合について例示的に示されている。それに対して、図6に示すように、溝部4の表面6に沿った方向において、凸部寸法11を、凹部寸法12に対し短くしたほうが、2次導体の導体バー2bと回転子鉄心1の溝部4との接触面積が少なくなるため、横流れ電流の抑制効果をより得やすくなる。また、隣合う凸凹は多いほど(すなわちピッチが小さいほど)凹部へのダイカストの流れ込みが少なくなり、また、境界張力効果も出てきて、2次導体の導体バー2bと回転子鉄心1の溝部4の表面6との接触を抑制する上で好ましい。
また、実施の形態1では、固定子20の巻線方式について特に限定していないが、固定子20として、例えば、図7に示すように、突極集中巻で構成された固定子を用いることができる。図7は、固定子20が突極集中巻のかご形誘導電動機100の軸方向からみた固定子20およびかご形回転子30の正面図である。
図7に示すように、固定子20は、固定子鉄心13及び複数の固定子巻線14−1〜14−pを有する。固定子鉄心13は、例えば、略円筒形状を有しており、かご形回転子30を内側に収容している(図7参照)。固定子鉄心13は、複数の固定子巻線14−1〜14−pを巻き回すための複数の歯部13t−1〜13t−pを有している。複数の歯部13t−1〜13t−pは、例えば、回転方向に沿って略等間隔で配されている。複数の固定子巻線14−1〜14−pは、突極集中巻方式で、複数の歯部13t−1〜13t−pのうち対応する歯部に巻き回されている。
固定子巻線14に通電されることで、固定子鉄心の歯部13tと、回転子鉄心1との間に磁束が流れる。突極集中巻では、固定子鉄心13の歯部13tと固定子巻線14とが1対1に巻かれるのに対し、分布巻では、固定子巻線14が複数の固定子鉄心の歯部13tを跨って巻回される。突極集中巻の場合、固定子巻線14への通電により、固定子鉄心13の歯部13tと回転子鉄心1との間の空隙部の磁束分布が、分布巻に比べて空間高調波が多くなり、横流れ電流が多くなる傾向にある。その改善策として、実施の形態1のように、回転子鉄心1の各溝部4の表面6を凸凹構造とすることがたいへん有用であり、トルクの低下や効率の悪化をかなり改善できる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2にかかるかご形誘導電動機200について説明する。以下では、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態1では、回転子鉄心1の各溝部4の表面6が凹凸構造を有しているが、実施の形態2では、さらに、2次導体の各導体バー202bの表面202b1が凹凸構造を有する。
具体的には、かご形誘導電動機200のかご形回転子230は、図8に示すように、2次導体2(図1参照)に代えて2次導体202を備える。図8は、かご形誘導電動機200における2次導体202の構成を示す図である。なお、図8では、図示の簡略化のため、回転子鉄心1及び回転軸3の図示を省略している。
2次導体202は、複数の導体バー2b−1〜2b−k(図1参照)に代えて複数の導体バー202b−1〜202b−kを有する。各導体バー202b−1〜202b−kは、その表面に凹凸構造を有する。
例えば、各導体バー202b−1〜202b−kは、図9(a)〜図9(c)に示す構成を有する。図9(a)は、図8に示す複数の導体バー202b−1〜202b−kをA−A線で切った場合の断面を示す図である。図9(b)は、図9(a)における導体バー202bを拡大した図である。図9(c)は、図9(b)における導体バー202bの端部をさらに拡大した図である。
図9(a)に示すように、複数の導体バー202b−1〜202b−kは、例えば、回転軸3(図1参照)が挿通されるべき位置を中心にして、環状に所定間隔(例えば、等間隔)で配されている。
図9(b)に示すように、各導体バー202bは、溝部4(打ち抜きパターン15b)に対応した断面形状を有している。各導体バー202bは、例えば、鋼板15(図2(a)参照)の径方向に沿った長辺を有する略楕円形状を有している。
図9(c)に示すように、各導体バー202bは、複数の凸状パターン226a−1〜226a−4及び複数の凹状パターン226b−1〜226b−3を表面226に有する。凸状パターン226a−1〜226a−4と凹状パターン226b−1〜226b−3とは、導体バー202bの端部202b1に沿って交互に配されている。
各凸状パターン226a−1〜226a−4は、導体バー202bの端部202b1から導体バー202bの外側へ延びている。すなわち、各凸状パターン226a−1〜226a−4は、導体バー202bの端部202b1から回転子鉄心1の各溝部の表面に近づく方向へ延びている。
各凹状パターン226b−1〜226b−3は、導体バー202bの端部202b1から導体バー202bの内側へ延びている。すなわち、各凹状パターン226b−1〜226b−3は、導体バー202bの端部202b1から回転子鉄心1の各溝部の表面に対して遠ざかる方向へ延びている。
また、かご形誘導電動機100の製造方法が次の点で実施の形態1と異なる。
図3(b)に示す工程では、回転子鉄心1の各溝部4−1〜4−kの表面に、2次導体の溶湯をはじく性質を有する物質の液体を噴霧状に吹き付ける。そして、回転子鉄心1の各溝部4−1〜4−k内に2次導体(例えば、アルミニウム)の溶湯が流し込まれる。これにより、複数の導体バー202b−1〜202b−kが2次導体のダイカストで成形されるとともに、各導体バー202bの表面226に凹凸構造が形成される。
以上のように、実施の形態2では、かご形誘導電動機200において、2次導体202の各導体バー202bの表面226が、回転子鉄心1と導体バー202bとの接触を抑制する(例えば図2(c)に実線で示す)凹凸構造を有する。例えば、2次導体の導体バー202bが鋳込まれるべき回転子鉄心1の各溝部4の表面6に2次導体の溶湯をはじくような表面処理を施すことで、凹部における回転子鉄心1と2次導体の導体バー202bとの間の接触導通をさらに抑制することができる。
以上のように、本発明にかかるかご形誘導電動機は、2次導体のダイカスト成形に有用である。
1 回転子鉄心、2 2次導体、2b,202b 導体バー、3 回転軸、4 溝部、6 表面、11 凸部寸法、12 凹部寸法、13 固定子鉄心、14 固定子巻線、15 鋼板、20 固定子、30 かご形回転子、100,200 かご形誘導電動機。

Claims (5)

  1. かご形回転子を備え、
    前記かご形回転子は、
    回転軸方向の一端側から他端側に延びた溝部を周面に有する回転子鉄心と、
    前記溝部に収容された導体バーと、
    を有し、
    前記溝部の表面と前記導体バーの表面との少なくとも一方は、前記回転子鉄心の外周側から前記回転軸に向けて凹部と凸部とが並べられた凹凸構造を有する
    ことを特徴とするかご形誘導電動機。
  2. 前記導体バーは、前記溝部に2次導体が鋳込まれたものであり、
    前記溝部の表面は、前記2次導体が鋳込まれるべき領域に前記凹凸構造を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のかご形誘導電動機。
  3. 前記回転子鉄心は、複数の鋼板が積層されたものであり、
    前記複数の鋼板のそれぞれは、
    前記溝部に対応した打ち抜きパターンと、
    前記凹凸構造に対応した凹状パターンおよび凸状パターンと、
    を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のかご形誘導電動機。
  4. 前記凹凸構造は、前記溝部の表面に沿った方向における凸部の寸法が凹部の寸法より短い
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のかご形誘導電動機。
  5. 突極集中巻で構成された固定子をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のかご形誘導電動機。
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