JP5209658B2 - かご形誘導電動機 - Google Patents

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Description

本発明は、かご形誘導電動機に係わり、特に効率向上を図ったかご形誘導電動機に関する。
従来のかご形誘導電動機において、回転子のスキュー構造に関する公知例として、特許文献1及び特許文献2には、各ブロック間に環状の短絡リングを設けて回転子導体を短絡した従来技術を開示している。
特開平7−163108号公報 特開昭57−49357号公報
特許文献1及び特許文献2の従来技術は、回転子のスキュー構造に関する技術であるが、短絡リングを設けた位置で磁気抵抗が大きくなり、無負荷電流が増加して効率が低下する。
本発明の目的は、高効率なかご形誘導電動機を提供することである。
本発明においては、固定子鉄心の内周近くに間隔を置いて設置された多数の固定子スロットに、固定子巻線を巻装した固定子と、回転子鉄心の外周近くに間隔を置いて設置された多数の回転子スロットに、回転子導体を埋め込み、回転子鉄心の両端にエンドリングを有する回転子を備えたかご形誘導電動機において、固定子の積厚よりも回転子の積厚を大きくした。
本発明においては、固定子鉄心の内周近くに間隔を置いて設置された多数の固定子スロットに、固定子巻線を巻装した固定子と、回転子鉄心の外周近くに間隔を置いて設置された多数の回転子スロットに、回転子導体を埋め込み、回転子鉄心の両端にエンドリングを有する回転子を備えたかご形誘導電動機において、回転子鉄心が複数のブロックで構成され、回転子鉄心の各ブロック間に環状の短絡リングを設けて回転子導体を短絡し、固定子の積厚よりも回転子の積厚を大きくした。
また、短絡リングの幅を、回転子スロット幅より大きく、かつ回転子スロット間隔よりも小さい範囲とした。
また、回転子鉄心の各ブロックに設ける回転子スロットは、シャフト方向に、かつブロックごとに互い違い位置に設けられるのがよい。
また、回転子鉄心の各ブロック間に設けられた環状の短絡リングは、ダイカスト部分と、非ダイカスト部分で構成されるのがよい。
また、固定子鉄心を複数のブロックで構成し、ブロック間に絶縁部を設けもうけるのがよい。
また、複数のブロックで構成された回転子鉄心は、ブロック幅を相違するようにされがよい。
また、固定子の積厚は、回転子の積厚の幅内にあるとともに、固定子の積厚の端部と、回転子の積厚の端部の間のシャフト方向の距離が、シャフトの左右で相違するようにされるのがよい。
本発明においては、固定子鉄心の内周近くに間隔を置いて設置された多数の固定子スロットに、固定子巻線を巻装した固定子と、回転子鉄心の外周近くに間隔を置いて設置された多数の回転子スロットに、回転子導体を埋め込み、回転子鉄心の両端にエンドリングを有する回転子を備えたかご形誘導電動機において、固定子鉄心と回転子鉄心が積層鉄心で構成され、積層鉄心の薄板の枚数が等しく、固定子鉄心よりも回転子鉄心の占積率を小さくし、固定子の積厚よりも回転子の積厚を大きくした。
また、固定子の積厚は、回転子の積厚の幅内にあるとともに、固定子の積厚の端部と、回転子の積厚の端部の間のシャフト方向の距離が、シャフトの左右で相違するようにされるのがよい。
また、回転子スロットをシャフトに斜めに形成して回転子導体を埋め込むのがよい。
また、固定子の積厚は、回転子の積厚の幅内にあるとともに、固定子の積厚の外部に位置する回転子の積厚の幅内の回転子スロットをシャフト方向に形成して回転子導体を埋め込むのがよい。
本発明によれば、高効率なかご形誘導電動機を提供できる。
回転子を分割し回転子積厚を大きくした例を示す図。 本発明の効果を示す図。 占積率により回転子積厚を大きくした例を示す図。 図3構成の変形例を示す図。 図1構成において、短絡リング幅を、スロット幅とした例を示す図。 図1構成において、短絡リング幅を、スロット間隔とした例を示す図。 図1構成において、短絡リングをダイカストと非ダイカストで構成した例を示す図。 図7構成において、非ダイカスト部を塊状とした例を示す図。 図1構成において、ブロック幅を相違させた例を示す図。 図1構成において、ブロックを3分割し、かつその幅を相違させた例を示す図。 図1構成において、積厚差を固定子左右に不均衡配置した図。
以下、図示した実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。まず、本発明のかご形誘導電動機の各実施例が標準的に備える基本構成について説明する。
図1は、本発明の一実施例によるかご形誘導電動機の部分断面図(同図上部)と回転子の正面図(同図下部)である。図1のかご形誘導電動機の主要部は、固定子10と、回転子20と、シャフト25を備える。
このうち、図1上の部分断面図に示すように、固定子10は、固定子鉄心11と、固定子鉄心11の内周近くに間隔を置いて設置された多数の固定子スロット12と、固定子スロット12に巻装された固定子巻線13を備える。
回転子20は、回転子鉄心21と、回転子鉄心21の外周近くに間隔を置いて設置された多数の回転子スロット22と、回転子スロット22に埋め込まれた回転子導体23と、回転子鉄心21の両端に設置されたエンドリング24とを備える。
本発明のかご形誘導電動機の各実施例が標準的に備える基本構成は、以上のようなものであるが、個々の実施例において相違する部分あるいは付加した構成がある場合には、個別の実施例において別途説明する。
以上の基本構成において、本発明では固定子の積厚よりも回転子の積厚を大きくしたも
のである。そしてこの結果として、図2に示すように無負荷電流を低減でき、それにより
効率を向上したものである。
この理由について説明する。固定子の積厚は変化させずに回転子の積厚を大きくすると、それだけ回転子で磁束が通りやすくなる。その結果磁気抵抗が小さくなり、反比例するリアクタンスが大きくなる。電流はリアクタンスに反比例するので、無負過電流が低減されることになる。
以下、図1と、図4から図10を用いて「固定子の積厚よりも回転子の積厚を大きく」する第1の具体策とその応用事例について説明し、図3と、図11を用いて第2の具体策とその応用事例について説明する。
第1の具体策について、図1で説明する。
第1の具体策では、「固定子の積厚Lsよりも回転子の積厚Lrを大きく」するために、回転子鉄心21を複数のブロック(21Aと21B)で構成し、各ブロック間に環状の短絡リング26を設けて回転子導体23を短絡している。つまり、短絡リング26の幅を利用して、回転子の積厚を大きくしている。
次に、固定子10と回転子20の積厚の取り扱いについて検討する。まず、短絡リング26の幅aについてみると、図1では回転子スロット22の間隔cの半分としたが、回転子スロット22の幅b以上、かつ回転子スロット22の間隔c以下とすればよい。このことについては、以下の実施例で詳細に説明する。
回転子鉄心21の積厚は、固定子鉄心11よりも、dおよびeだけ大きくする。つまり、図1の例では固定子右側にe、左側にdの幅を持たせる。実施例では短絡リング26の幅aは、dとeの和と等しく、かつdとeの大きさを等しくしている。但し、aはdとeの和と等しくなくてもよく、かつdとeが等しくなくてもよい。いずれの場合であっても、固定子10よりも回転子20の積厚を大きくしているため、磁気抵抗の増大を緩和でき無負荷電流を低減して効率の向上ができる。
第1の具体策によれば、短絡リング26を設けた位置で磁気抵抗が大きくなるが、固定子10よりも回転子20の積厚を大きくしているため磁気抵抗の増大を緩和でき、図2のように無負荷電流を低減して効率の向上ができる。
図2は、従来技術によるかご形誘導電動機の特性を100とした場合における本実施例によるかご形誘導電動機の特性を示している。無負荷電流は、従来の100ポイントから91.4ポイントに低減でき、それにより効率を従来の100ポイントから101.5ポイントに向上できる。
第1の具体策では、以上のようにして、磁気抵抗の増大を緩和し無負荷電流を低減して効率の向上を図っているが、図1はそれ以外にも幾つかの点で工夫されている。具体的には、図1では固定子鉄心11と回転子鉄心21は、等しい枚数の薄板で構成された積層鉄心であり、各ブロック(21Aと21B)間のスロット位置を0.5スロットピッチ異ならせている。
この結果、固定子鉄心11と回転子鉄心21の薄板の枚数が等しいままで、固定子10よりも回転子20の積厚を大きくできるため、歩留まりが少なくコストを低減できる。
さらに、各ブロック間のスロット位置を0.5スロットピッチ異ならせて、回転子20に見かけ上のスキューを持つことに等価とさせたため、異常トルクや振動・騒音を抑制でき、また、スキューによる横流損の発生を防止でき、効率を向上できる。
なお、本実施例では回転子導体23と、エンドリング24と、短絡リング26はアルミダイカスト構造であるが、銅ダイカスト構造でもよい。
また、本実施例では短絡リング26は単数であるが、複数としてもよく、各ブロック間のスロット位置を異ならせて、回転子20に見かけ上のスキューを持つことに等価とさせられるため、異常トルクや振動・騒音を抑制でき、また、スキューによる横流損の発生を防止でき、効率を向上できる。
また、本実施例では回転子鉄心21の薄板の枚数を各ブロックともに等しくしているが、等しくなくてもよく、固定子10よりも回転子20の積厚を大きくしているため、磁気抵抗の増大を緩和でき無負荷電流を低減して効率の向上ができる。
次に、第2の具体策について、図3で説明する。
第1の具体策では、「固定子の積厚Lsよりも回転子の積厚Lrを大きく」するために、固定子鉄心11よりも回転子鉄心21の占積率を小さくした。つまり、固定子鉄心11と回転子鉄心21の薄板の枚数を等しいままで、回転子鉄心21側の薄板間の隙間を大きくして、上記の関係を達成した。因みに、固定子鉄心11の占積率をks、回転子鉄心21の占積率をkrとしたときに、ks>krとしている。
この結果、短絡リング26を設けずに、固定子10よりも回転子20の積厚を大きくしているため、磁気抵抗が小さくなり、無負荷電流が減少して効率が向上する。
また、固定子鉄心11と回転子鉄心21の薄板の枚数が等しいままで、固定子10よりも回転子20の積厚を大きくできるため、歩留まりが少なくコストを低減できる。
第2の具体策では、以上のようにして、磁気抵抗の増大を緩和し無負荷電流を低減して効率の向上を図っているが、図3はそれ以外にも幾つかの点で工夫されている。具体的には、図3では回転子20にスキュー(スロット22と導体23を斜めにした構造)が施されている。
この場合、回転子鉄心21の占積率が小さいため、積厚方向の磁気抵抗を大きくすることができ、かつスキューによる積厚方向の漏れ磁束を低減できるため、効率を向上できる。また、スキューを施しているため、異常トルクや振動・騒音を抑制できる。
なお、図で3は、スキューを一様に施しているが、固定子鉄心21と回転子鉄心22が対向していない位置(図3のdとeの位置)にはスキューを施さなくてもよく、異常トルクや振動・騒音を抑制できる。
図4は、固定子鉄心21と回転子鉄心22が対向していない位置(図3のdとeの位置)にスキューを施さない(スロット22と導体23を斜めにしない)構造を示している。本実施例では、固定子鉄心21と回転子鉄心22が対向していない位置(図4のdとeの位置)にはスキューを施しておらず、その位置でのスキューによる積厚方向の漏れ磁束を低減でき、効率を向上できる。
また、固定子10にスキューを施す場合でも、固定子鉄心11よりも回転子鉄心21の占積率を小さくし、固定子鉄心11と回転子鉄心21の薄板の枚数を等しいままで、固定子10よりも回転子20の積厚を大きくすることで、スキューによる積厚方向の漏れ磁束を低減でき、効率を向上できる。
次に、図1の第1の具体策の説明において、「短絡リング26の幅aについて図1では回転子スロット22の間隔cの半分としたが、回転子スロット22の幅b以上、かつ回転子スロット22の間隔c以下とすればよい」としたので、この点について説明する。
図5は、短絡リング26の幅aを、回転子スロット22の幅bと等しくした例である。図5は、図1に比較して、短絡リング26の幅aが狭いので、図1の場合よりも短絡リング26部分の磁気抵抗を小さくでき、効率が向上する。
図6は、短絡リング26の幅aを、回転子スロット22の間隔cと等しくした例である。図6は、図1に比較して、短絡リング26の幅aが広いので、図1の場合よりも短絡リング26部分の磁気抵抗が大きくなるが、固定子の積厚Lsと回転子の積厚Lrの差が大きくなる。この場合には、前者の不利益を後者の利益が上回り、総合的には効率が向上する。
以上、図5と図6から、以下のことが言える。
まず、短絡リングの幅aを小さくすると、短絡リングの磁気抵抗が小さくなり効率を向上させる効果があるが、他方ではLrの増加が小さくなり、Ls<Lrによる磁気抵抗低減での効率向上の効果が小さくなる。さらに、短絡リングの電流密度が高くなり、短絡リングの銅損が増加して効率を低減させる悪影響を生じる。一般には、短絡リングの幅aを小さくし過ぎると、悪影響の方が大きくなる。
逆に短絡リングの幅aを大きくすると、短絡リングの磁気抵抗が大きくなり効率を低減させる悪影響があるが、Lrの増加が大きくなり、Ls<Lrによる磁気抵抗低減での効率向上の効果が大きい。但し、短絡リングの幅aを大きくし過ぎると、悪影響の方が大きくなる。
本発明においては、このように、短絡リングのaの幅は、小さすぎても大きすぎてもダメで、調度良い範囲があり、これがb<a<cであるとしている。
以下、図1の第1の具体策の特徴を維持しつつ採用し得る幾つかの変形例について説明する。まず、第1の具体策での第1の変形例は図7に示される。
図7は、図1においてさらに、短絡リング26がダイカスト部分261と非ダイカスト部分262に分かれて構成され、固定子鉄心11は複数のブロック(11Aと11B)で構成し各ブロック間に空気層を設けている。
このうち、短絡リング26の特徴について説明する。短絡リング26はダイカスト部分261と非ダイカスト部分262に分かれており、ダイカスト部分261を導電体材料とすることで、回転子導体23を短絡している。
このように、短絡リング26の一部を非ダイカストとすることで、ダイカスト(射込み)で必要なジグが不要となる。つまり、短絡リング26に非ダイカストの部分がないと、ダイカストをする(鋳込む)際に、短絡リング26を形作るための専用のジグ(金型)が必要になるが、非ダイカスト部分を金型として使えば、専用の金型が不要になる。
なお、本実施例では、回転子導体23と、エンドリング24と、短絡リングのダイカスト部分261をアルミダイカスト構造としているが、銅ダイカスト構造としてもよい。
また、本実施例では、非ダイカスト部分262を薄板の積層鉄心としているが、塊状のアルミ魂や銅魂としてもよい。図8には、基本的に図7の構造を採用しつつ、非ダイカスト部分262を塊状のアルミ魂や銅魂とした例を示す。
また、各ブロック間のスロット位置を0.5スロットピッチ異ならせて、回転子20に見かけ上のスキューを持つことに等価とさせているため、異常トルクや振動・騒音を抑制でき、また、スキューによる横流損の発生を防止でき、効率を向上できる。
また、固定子鉄心11は複数のブロック(11Aと11B)で構成していることで、固定子鉄心11の各ブロック間に空気層50を設けている。このため、回転子のスキューによる積厚方向の漏れ磁束を低減でき、効率を向上できる。なお、本実施例では、固定子鉄心11の各ブロック間を空気層としているが非磁性体であればよく、また各ブロック間はその一部であるならば磁性体としても、スキューによる積厚方向の漏れ磁束の低減による効率向上の効果は期待できる。
図9に、第1の具体策の特徴を維持しつつ実施可能な、第1の具体策の第2の変形例を示す。
この事例では、回転子鉄心21を左右2つのブロックで構成するときに、回転子鉄心21の、各ブロック(21Aと21B)の積厚Lr1とLr2の大きさを異ならせている。
故意にこのような構成とした理由は、誘導電動機のケーシング内に取り付けるファンにある。通常は、シャフト25の両端にファンを取り付けるが、誘導電動機の構造によっては両端にファンを設置できない、あるいは設置できても均等に冷却できない事情がある場合がある。このような冷却不均衡が想定される場合に、より強力な冷却が可能な側の発熱が大きくなるように各ブロック(21Aと21B)の積厚Lr1とLr2の大きさを調整することで対応が可能である。而して、ファンの取り付け位置などで、各ブロック間で冷却性能が異なる場合、各ブロックの積厚Lr1とLr2を異ならせることで、各ブロックの温度上昇を均一化できる。因みに図示の例では、積厚の大きいブロック21Aの側の発熱が大きいので、シャフトの左側にしか強力なファンを設置できない場合に適している。
図10に、第1の具体策の第2の変形例の考え方(ブロック分割して積厚不均衡)を利用した、更なる改良を第3の変形例として示す。
この事例では、回転子鉄心21を左右2つではなく、3つ以上のブロックで構成する。そのうえで、各ブロック(21A、21B、21C)のスロット22の位置を、互い違いに配置する。つまり、各ブロック間のスロット位置を0.5スロットピッチ異ならせている。
この結果、各ブロック間のスロット位置を0.5スロットピッチ異ならせて、回転子20に見かけ上のスキューを持つことに等価とさせたため、異常トルクや振動・騒音を抑制でき、また、スキューによる横流損の発生を防止でき、効率を向上できる。特に、短絡リング26を、本実施例では2個とし、3ブロック化していることで、回転子20に見かけ上のより大きなスキューを持たせたと等価である。
なお、本実施例では回転子鉄心21を3個のブロックに分けてあり、両端のブロックの幅Lr1とLr3を等しくして積厚方向に力が発生しないようにしている。ただし、Lr1とLr3は等しくなくてもよく、その場合でも異常トルクや振動・騒音の抑制効果はある。
また本実施例では中央のブロックの幅Lr2をLr1とLr3の和と等しくして異常トルクや振動・騒音の抑制効果を最大限発揮できるようにしている。ただし、Lr2はLr1とLr3の和と等しくなくてもよく、その場合でも異常トルクや振動・騒音の抑制効果はある。
図11に、第1の具体策の第4の変形例を示す。
ここでは、回転子鉄心21の積厚は、固定子鉄心11よりも、dおよびeだけ大きくするが、敢えてdとeを等しくしない。図9に明らかなようにeをdよりも大きくしている。
故意にこのような構成とした理由は、誘導電動機のシャフト25に軸方向の力がかかる場合に備えたものである。シャフト25に外部から外力Fが作用している場合に、eをdよりも大きくすることによる軸力Gが発生するので、外力Fに対向させることができる。
本実施例では、dとeの大きさを異ならせることで、積厚方向の力を発生させることができる。外部からシャフト25に積厚方向の力を加えられている場合、それとは反対向きに力を発生させるように、dとeの大きさを異ならせることで相殺できる。
なお、この構成は第1の具体策に特有のものではない。積厚の差を固定子側でどのように配分するかということなので、占積率を利用した第2の具体策でも採用し得る構成である。
以上、本発明の基本構成と、その応用事例について詳細に説明した。各事例では詳細に説明しなかったが、各応用事例が、基本構成の有する効果を保持していることはいうまでもない。
本発明によれば、簡便な構成で効率を高くすることができるので、広い分野のかご型誘導電動機に適用が可能である。
10:固定子
11:固定子鉄心
12:固定子スロット
13:固定子巻線
20:回転子
21:回転子鉄心
22:回転子スロット
23:回転子導体
24:エンドリング
25:シャフト
26:短絡リング
50:空気層

Claims (2)

  1. 固定子鉄心の内周近くに間隔を置いて設置された多数の固定子スロットに、固定子巻線
    を巻装した固定子と、回転子鉄心の外周近くに間隔を置いて設置された多数の回転子スロ
    ットに、回転子導体を埋め込み、前記回転子鉄心の両端にエンドリングを有する回転子を
    備えたかご形誘導電動機において、
    前記固定子鉄心と前記回転子鉄心が積層鉄心で構成され、積層鉄心の薄板の枚数が等しく
    、前記固定子鉄心よりも前記回転子鉄心の占積率を小さくし、前記固定子の積厚よりも前
    記回転子の積厚を大きくするとともに、回転子にスキューが施され
    前記固定子の積厚は、前記回転子の積厚の幅内にあるとともに、前記固定子の積厚の端部
    と、前記回転子の積厚の端部の間のシャフト方向の距離が、シャフトの左右で相違するよ
    うにされたことを特徴とするかご形誘導電動機。
  2. 固定子鉄心の内周近くに間隔を置いて設置された多数の固定子スロットに、固定子巻線
    を巻装した固定子と、回転子鉄心の外周近くに間隔を置いて設置された多数の回転子スロ
    ットに、回転子導体を埋め込み、前記回転子鉄心の両端にエンドリングを有する回転子を
    備えたかご形誘導電動機において、
    前記固定子鉄心と前記回転子鉄心が積層鉄心で構成され、積層鉄心の薄板の枚数が等しく
    、前記固定子鉄心よりも前記回転子鉄心の占積率を小さくし、前記固定子の積厚よりも前
    記回転子の積厚を大きくするとともに、回転子にスキューが施され
    前記固定子の積厚は、前記回転子の積厚の幅内にあるとともに、前記回転子スロットをシャフトに斜めに形成し、前記固定子の積厚の外部に位置する前記回転子の積厚の幅内の回転子スロットをシャフト方向に形成して回転子導体を埋め込んだことを特徴とするかご形誘導電動機。
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