JP3208183U - モータに用いる珪素鋼板 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属線の全長を大幅に減らして生産コスト及びモータのコギングトルクを下げ、振動及び騒音を減らし、市場競争力を高めることができる、モータに用いる珪素鋼板を提供することにある。【解決手段】モータに用いる珪素鋼板10は、複数のメイン歯部30と、複数のサブ歯部40と、複数のポールシュー32,42とを有するリング部20を備える。メイン歯部30及びサブ歯部40は、リング部20とそれぞれ一体成形されるとともに、互いに一定の距離を隔てて形成される。各ポールシュー32,42は、メイン歯部30及びサブ歯部40に接続され、円周に沿って延び、互いに隣り合う2つのポールシュー32,42と、メイン歯部30、サブ歯部40及びリング部20との組み合わせにより、周りを取り囲んで巻線空間50が形成される。開口52から少なくとも1つの導電の巻線群が巻線空間50へ進入される。【選択図】図1
Description
本考案は、モータに関するものであり、さらに詳しくは、モータを構成する径方向の巻線固定子及び巻線固定子を構成する珪素鋼板に関するものである。
近年、永久磁石式同期モータの効率が向上し、先進的な電力電子駆動技術と結合して形成したブラシレスDCモータ(Brushless DC Motor)が従来の直流モータ、交流モータの代わりにプリンター、運動器具、クーラー、ファン、デジタルデバイスなどの工業製品へ応用されている。
永久磁石ブラシレスモータは、ロータ及び固定子を有する。固定子には、巻線群が巻き付けられ、通電すると巻線群に電磁作用が発生し、固定子に対してロータが回転する。固定子は、複数の珪素鋼板が重ねられて成形された構造体であり、これら珪素鋼板の形状は略同じであり、径方向の巻線の固定子構造を構成する。
各珪素鋼板は、好適な厚みを有して導磁特性が好ましく、工業品の製造に好適な基本的な構造からなる。リング部には、径方向に沿って複数の歯部が延び、2つの歯部にリング部が組み合わされて取り囲み、巻線空間が形成される。各歯部の自由端は、円周方向に沿ってポールシューが形成され、2つのポールシューが互いに一定の距離を隔てて開口が形成され、巻線群の導電金属線が開口から対応した巻線空間に進入される。
各歯部の角度が同じであるため、歯部に巻き付けられる導電金属線の巻数が非常に多く、金属線の全長を短くすることができず、モータの製造コストが高くなり易かった。
また、モータがトルクを出力すると、開口に対向したロータの相対位置が回転に伴って変化し、エアーギャップの磁気抵抗効果、磁気回路の磁束及び磁界エネルギーが変化し、振動及び騒音が発生することがあった。かかる問題点の解決策が求められてきた。
従って、本考案の主な課題は、金属線の全長を大幅に減らして生産コスト及びモータのコギングトルクを下げ、振動及び騒音を減らし、市場競争力を高めると共に、導体の使用量を減らすことができる、モータに用いる珪素鋼板を提供することにある。
そこで、本考案者は、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、リング部を備えたモータに用いる珪素鋼板のメイン歯部及びサブ歯部の角度が相違するように構成することにより、前記課題を解決できる点に着目し、かかる知見に基いて本考案を想到するに至った。
本考案の主な目的は、メイン歯部とサブ歯部との間の角度が相違するようにし、金属線の全長を大幅に減らして生産コスト及びモータのコギングトルクを下げ、振動及び騒音を減らし、市場競争力を高めることができる上、単相モータを従来の分布巻方式から直巻方式へ変え、導体の使用量を30〜50%減らすことができる、モータに用いる珪素鋼板を提供することにある。
かくして、本考案の要旨は次に示す通りである。
(1)複数のメイン歯部と、複数のサブ歯部と、複数のポールシューとを有するリング部を備えた、モータに用いる珪素鋼板であって、
前記メイン歯部及び前記サブ歯部は、前記リング部とそれぞれ一体成形されるとともに、互いに一定の距離を隔てて形成され、各前記メイン歯部は、2つの前記サブ歯部間に位置し、各前記ポールシューは、対応した前記メイン歯部及び前記サブ歯部に接続され、円周に沿って延び、互いに隣り合う2つの前記ポールシューと、前記メイン歯部、前記サブ歯部及び前記リング部との組み合わせにより、周りを取り囲んで巻線空間が形成され、互いに隣り合う2つの前記ポールシュー間に形成された開口から少なくとも1つの導電の巻線群が前記巻線空間へ進入され、前記メイン歯部及び前記サブ歯部に前記巻線群が異なる巻数で巻き付けられ、
前記リング部は、互いに接続した正の角辺及び偏角辺を有し、前記リング部が多角形板に成形され、各前記正の角辺と前記メイン歯部とを一体化し、前記正の角辺の両端から前記リング部の中心点にかけて正の角度が形成され、各前記偏角辺は、前記サブ歯部と一体化され、前記偏角辺の両端から前記リング部の前記中心点にかけて偏角度が形成され、前記正の角度と前記偏角度との比が8:7又は7:8に維持され、
前記正の角度は48度であり、前記偏角度は42度であり、
前記ポールシューは、少なくとも1つの切欠き部を有し、
前記切欠き部は、前記開口に応じて形成され、前記モータのコギングトルクを低下させることを特徴とする、モータに用いる珪素鋼板。
(1)複数のメイン歯部と、複数のサブ歯部と、複数のポールシューとを有するリング部を備えた、モータに用いる珪素鋼板であって、
前記メイン歯部及び前記サブ歯部は、前記リング部とそれぞれ一体成形されるとともに、互いに一定の距離を隔てて形成され、各前記メイン歯部は、2つの前記サブ歯部間に位置し、各前記ポールシューは、対応した前記メイン歯部及び前記サブ歯部に接続され、円周に沿って延び、互いに隣り合う2つの前記ポールシューと、前記メイン歯部、前記サブ歯部及び前記リング部との組み合わせにより、周りを取り囲んで巻線空間が形成され、互いに隣り合う2つの前記ポールシュー間に形成された開口から少なくとも1つの導電の巻線群が前記巻線空間へ進入され、前記メイン歯部及び前記サブ歯部に前記巻線群が異なる巻数で巻き付けられ、
前記リング部は、互いに接続した正の角辺及び偏角辺を有し、前記リング部が多角形板に成形され、各前記正の角辺と前記メイン歯部とを一体化し、前記正の角辺の両端から前記リング部の中心点にかけて正の角度が形成され、各前記偏角辺は、前記サブ歯部と一体化され、前記偏角辺の両端から前記リング部の前記中心点にかけて偏角度が形成され、前記正の角度と前記偏角度との比が8:7又は7:8に維持され、
前記正の角度は48度であり、前記偏角度は42度であり、
前記ポールシューは、少なくとも1つの切欠き部を有し、
前記切欠き部は、前記開口に応じて形成され、前記モータのコギングトルクを低下させることを特徴とする、モータに用いる珪素鋼板。
本考案は、前記の通りの構成からなり、金属線の全長を短縮することができ、生産コストの低下、モータのコギングトルクを低下させ、振動及び騒音を減少させることができる。また、分布巻き方式から直巻き方式への変更により、導体の使用量を30〜50%減少させることができる。
図1を参照する。図1に示すように、本考案の一実施形態に係るモータに用いる珪素鋼板10は、厚さ約13mmの多角形板であり、リング部20を含む。リング部20は、複数のメイン歯部30と、複数のサブ歯部40と、複数のポールシュー32,42と、を含む。
本考案の一実施形態に係るモータに用いる珪素鋼板10は、リング部20の外郭線が略四角形に成形され、略八角形の内郭線と、1組の正の角辺22及び1組の偏角辺24とを有する。他の実施形態では、リング部20の内郭線及び外郭線は、他の幾何学的形状でもよい。
各正の角辺22は、リング部20の外郭線に対応した辺に対して平行である上、メイン歯部30と一体化され、正の角辺22の両端からリング部20の中心点21にかけて正の角度26が形成される。
各偏角辺24は、リング部20の外郭線の隅に対向してサブ歯部40と一体化され、偏角辺24を互いに隣り合う2つの正の角辺22に接続し、偏角辺24の両端からリング部20の中心点21にかけて偏角度28が形成される。
そのため、正の角度26は約48度であり、偏角度28は約42度であり、角度の比を8:7に維持することができる。他の実施形態では、正の角度26は約42度であり、偏角度28は約48度であり、角度の比を7:8に維持することができる。
メイン歯部30及びサブ歯部40は、互いに一定の距離を隔てて形成される。各メイン歯部30は、2つのサブ歯部40間に位置し、各ポールシュー32,42は、対応したメイン歯部30及びサブ歯部40に接続され、円周に沿って延びる。互いに隣り合う2つのポールシュー32,42と、メイン歯部30、サブ歯部40及びリング部20とを組み合わせ、周りを取り囲んで巻線空間50を形成する。2つのポールシュー32,42間には、互いに一定の距離を隔てて形成された開口52が形成され、開口52から少なくとも1つの導電の巻線群(図示せず)が巻線空間50へ進入され、巻線作業を行う。
正の角度26及び偏角度28があるため、メイン歯部30に巻き付けられる巻線群の巻数がサブ歯部40の巻数より多くなって金属線の全長より短くなり、生産コストが下がる。
各ポールシュー32,42は、2つの切欠き部34,44を有する。切欠き部34,44は、開口52に応じて等角又は等間隔に形成され、モータのコギングトルクを低下させ、振動及び騒音を減らし、市場競争力を高めることができる。また、単相モータが従来の分布巻方式から直巻方式へ変えられているため、導体の使用量を30〜50%減らすことができる。
10 珪素鋼板
20 リング部
21 中心点
22 正の角辺
24 偏角辺
26 正の角度
28 偏角度
30 メイン歯部
32 ポールシュー
34 切欠き部
40 サブ歯部
42 ポールシュー
44 切欠き部
50 巻線空間
52 開口
20 リング部
21 中心点
22 正の角辺
24 偏角辺
26 正の角度
28 偏角度
30 メイン歯部
32 ポールシュー
34 切欠き部
40 サブ歯部
42 ポールシュー
44 切欠き部
50 巻線空間
52 開口
Claims (1)
- 複数のメイン歯部と、複数のサブ歯部と、複数のポールシューとを有するリング部を備えた、モータに用いる珪素鋼板であって、
前記メイン歯部及び前記サブ歯部は、前記リング部とそれぞれ一体成形されるとともに、互いに一定の距離を隔てて形成され、各前記メイン歯部は、2つの前記サブ歯部間に位置し、各前記ポールシューは、対応した前記メイン歯部及び前記サブ歯部に接続され、円周に沿って延び、互いに隣り合う2つの前記ポールシューと、前記メイン歯部、前記サブ歯部及び前記リング部との組み合わせにより、周りを取り囲んで巻線空間が形成され、互いに隣り合う2つの前記ポールシュー間に形成された開口から少なくとも1つの導電の巻線群が前記巻線空間へ進入され、前記メイン歯部及び前記サブ歯部に前記巻線群が異なる巻数で巻き付けられ、
前記リング部は、互いに接続した正の角辺及び偏角辺を有し、前記リング部が多角形板に成形され、各前記正の角辺と前記メイン歯部とを一体化し、前記正の角辺の両端から前記リング部の中心点にかけて正の角度が形成され、各前記偏角辺は、前記サブ歯部と一体化され、前記偏角辺の両端から前記リング部の前記中心点にかけて偏角度が形成され、前記正の角度と前記偏角度との比が8:7又は7:8に維持され、
前記正の角度は48度であり、前記偏角度は42度であり、
前記ポールシューは、少なくとも1つの切欠き部を有し、
前記切欠き部は、前記開口に応じて形成され、前記モータのコギングトルクを低下させることを特徴とする、モータに用いる珪素鋼板。
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