JP5999333B2 - 透析装置 - Google Patents
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Description
この特許文献1の装置においては、液体回路内を洗浄液で満たしてから両方のバルブ21、24を閉鎖する一方、入口管1と戻り回路末端部2とをバイパスさせる短絡回路25のバルブ26を開放させた状態で、加熱装置9によって加熱した熱水を液体回路内に循環させるようになっている。
ところで、液体回路内に洗浄液としての熱水を循環させる際には、加熱された熱水から気泡が生じ、やがて大量の気泡がポンプ内に噛み込まれると送液不能となる。こうした不具合が生じるポンプとしてはギヤポンプやベーンポンプが公知であり、さらに、ギヤポンプを液体回路に配置した透析装置としては例えば特許文献2が知られている。
そこで、透析装置の透析液回路に熱水を循環させて洗浄する場合には、ポンプが送液不能となることを防止するために、透析液回路内の熱水から生じる気泡を除去する必要がある。従来一般的な透析装置においては、透析液から脱気するための脱気装置を備えているので、透析液回路内を熱水で洗浄する際には熱水から生じた気泡も既存の脱気装置を用いて除去するようにしている。このような脱気装置は特許文献1に記載されており(脱気装置10)、さらに特許文献2、3にも開示されている。
他方、透析装置の透析液回路を洗浄する為に特許文献3に開示された脱気槽を採用すると、気泡とともに熱水も外部に排出されることになるので、透析液回路内が次第に減圧されることになる。このように透析液回路内が減圧されると該回路内の熱水の沸点が下がるので、熱水から気泡が生じる量も増えることになり、ひいてはポンプが気泡を噛んで送液不能になるという問題が生じる。
そこで、本発明の目的は、洗浄液から生じた気泡によってポンプが送液不能となることを確実に防止することである。
上記透析液回路内に洗浄液を導入してから上記給液通路開閉弁及び排液通路開閉弁を閉鎖させ、その状態において透析液回路内の洗浄液を加熱するとともに上記ポンプにより循環させて透析液回路を洗浄するようにした透析装置において、
上記排液通路における上記環流通路との接続部と上記排液通路開閉弁との間に気体貯溜部を設け、上記脱気通路の他端から排出される気体を上記気体貯溜部に貯溜させるようにしたものである。
また、請求項2に記載した本発明は、上記請求項1の構成を前提として、上記気体貯溜部は上記排液通路に設けられた気体貯溜タンクからなり、該気体貯溜タンクの上部に設けられた接続口は上記排液通路の下流側に接続されるとともに、気体貯溜タンクの下部に設けられた接続口は上記排液通路の上流側に接続されており、上記脱気通路の他端から排出される気体は上記気体貯溜タンクの上部に設けられた接続口から内部に導入されるようにしたものである。
また、請求項2の発明によれば、排液通路から気体貯溜タンクに下部の接続口を介して洗浄液を送液し、気体貯溜タンクの上部の接続口から洗浄液とエアとを排液通路末端へと排出することができる。これにより、気体貯溜タンク内も洗浄液で洗浄することができる。
上記血液回路3は、患者の動脈に接続されるとともに透析器2の一端に接続された動脈側通路5と、患者の静脈に接続されるとともに透析器2の他端に接続された静脈側通路6とを備えている。
動脈側通路5には、患者に穿刺される穿刺針11と、血液を送液するチューブポンプからなる血液ポンプ12及び図示しないクランプ手段と圧力計が設けられている。他方、上記静脈側通路6には、血液からエアを排除するドリップチャンバ13と、患者に穿刺される穿刺針14とが設けられとともに、上記ドリップチャンバ13には図示しない圧力計が設けられている。
そして、本実施例において、以下に記載する透析液回路4に設けられた複数のポンプや開閉弁は全て図示しない制御手段によって制御されるようになっている。
給液通路23の上流端23Aは図示しない給水源と接続されており、給液通路23における下流部分は2方向に分岐させてから上記第1、第2透析液チャンバ21、22の上記供給室21a、22aに接続されている。2つの分岐部分にはそれぞれ給液弁V1、V2が設けられている。
給液通路23における上流端23Aに近い箇所には、給液通路23を開閉する開閉弁V101が設けられており、給液通路23における開閉弁V101よりも順次下流側となる位置にヒーターH1、温度計27、脱気ポンプP1、脱気槽31が配置されている。開閉弁V101は所要時に開閉されて、給液通路23を開閉させるようになっており、ヒーターH1は給液通路23内を流通する液体を所要温度に加熱できるようになっている。給液通路23内の液体の温度は温度計27によって計測され、計測された液体の温度は制御手段に伝達されるようになっている。脱気ポンプP1は、図3に示すように従来公知のギヤポンプからなり、制御手段により所要時に回転駆動されると一対のギヤによって液体が上流側から下流側へ送液されるようになっている。
ケーシング31Aの側面には接続口31Dが形成されており、この接続口31Dは脱気ポンプP1側の給液通路23の上流側が接続されている。ケーシング31Aの底面には接続口31Eが形成されており、その接続口31Eは両チャンバー21,22へと続く給液通路23の下流側が接続されている。さらに、ケーシング31Aの天面にも接続口31Fが形成されており、その接続口31Fには、脱気通路32の一端32Aが接続されている。
他方、上記透析液回収通路25の上流端には透析器2に着脱可能に接続されるカプラ25Aが設けられ、透析液回収通路25の下流部分は2方向に分岐してそれぞれ上記第1、第2透析液チャンバ21、22の回収室21b、22bに接続されている。
また、透析液回収通路25における上記分岐部分よりも上流側には透析液を下流側へ送液する透析液ポンプP4が設けられるとともに、上記分岐部分にはそれぞれ回収弁V5、V6が設けられている。透析液ポンプP4は、上記給液通路23の脱気ポンプP1と同様に図3に示したギヤポンプからなる。
上記排液通路26の上流部分は2方向に分岐してそれぞれ上記第1、第2透析液チャンバ21、22の回収室21b、22bに接続され、下流端26Aは図示しないタンクに接続されている。また、上記分岐部分にはそれぞれ排液弁V7、V8が設けられている。排液通路26の下流端26Aの隣接位置には、排液通路26を開閉する開閉弁V102が設けられており、所要時に制御手段により開閉弁V102を開閉させるようになっている。
さらに、上記第1バイパス通路37よりも透析器2に近接する位置に第2バイパス通路38が配置されている。この第2バイパス通路38は、透析治療の際には、透析液給液通路24及び透析液回収通路25と接続されないが、透析液回路4を洗浄する際には、透析液給液通路24及び透析液回収通路25と接続されるようになっている。つまり、カプラ24Aが透析器2から取り外されて第2バイパス通路38の一端に接続され、カプラ25Aが透析器2から取り外されて第2バイパス通路38の他端に接続されることにより、このバイパス通路38を介して透析液給液通路24と透析液回収通路25が接続されるようになっている。
より詳細には、前述したように、上記脱気通路32の一端32Aは脱気槽31の接続口31Fに接続されており、他方、脱気通路32の他端32Bは、排液通路26における開閉弁V102の隣接上流の箇所に接続されている。また、脱気通路32の他端32Bの接続箇所と第5バイパス通路46の接続箇所との間に位置する排液通路26に気体貯溜タンク48が設けられている。
気体貯溜タンク48は、上記接続口48Aが上方となり、接続口48Bが下方となるように鉛直方向に支持されている。そのため、透析治療時においては、処理済の透析液は下方の接続口48Bから気体貯溜タンク48内に導入されて、その内部が満杯となると天面の接続口48Aを介して下流側の排液通路26へ排出されるようになっている。
一方、透析液回路4の洗浄時において給液通路23内の洗浄液に生じた気泡は、図2(b)に示すように脱気槽31内に溜まるようになっており、脱気槽31内に溜まったエアは脱気通路32を介して排液通路26に排出されるようになっている。後述するが、透析液回路4の洗浄時においては開閉弁V102は閉鎖されているので、脱気通路32から排液通路26に排出されたエアは、排液通路26を流通して気体貯溜タンク48の上方の接続口48Aから気体貯溜タンク48内に貯溜されるようになっている(図4参照)。
先ず、透析治療時の作動を説明すると、開閉弁V12が閉鎖され、両カプラ24A,25Aにより透析器2に透析液回路4が接続された状態において、上記給液通路23の脱気ポンプP1と透析液回収通路25の透析液ポンプP4を作動させるとともに、両供給通路33、34のポンプP2,P3を作動させる。これにより、上流端23Aから給液通路23内に純水が導入されて脱気ポンプP1により下流側へ送液されるとともに、給液通路23内の純水にA液、B液が混合されて新鮮透析液が調製されるようになっている。
この状態で第1透析液チャンバ21では、給液弁V1と排液弁V7とを開放し、供給弁V3と回収弁V5とを閉鎖する。すると、第1透析液チャンバ21の供給室21aには上記給液通路23から新鮮な透析液が流入し、これによりダイアフラムが変形して回収室21bの容積が減少するので、当該回収室21bに収容された使用済みの透析液が排液通路26を介して外部へと排出される。なお、この時、排液通路26に設けられた気体貯溜タンク48は実質的に排液通路26の一部を構成することになり、前述したように下方の接続口48Bから導入された透析液は内部を満杯にした後に上方の接続口48Aから排出される(図4参照)。
その後、上記給液弁V1,V2、供給弁V3,V4、回収弁V5,V6、排液弁V7,V8を交互に開閉することで、第1、第2透析液チャンバ21、22から新鮮な透析液が透析液給液通路24を介して透析器2へと供給され、透析器2を通過した使用済みの透析液は透析液回収通路25を介して第1、第2透析液チャンバ21、22に回収され、その後、排液通路26とその下流端26Aを介して外部へ排出されるようになっている。
なお、上述のようにして透析液回路4によって透析器2に透析液を供給するとともに透析器2から使用済みの透析液を回収することで患者に透析治療を施すが、この透析治療の際には、図2(a)に示すように上記脱気槽31内の上部まで透析液が満たされている。そのため、脱気槽31の接続口31Fはフロート31Bの上端部によって閉鎖されている(図2(a)参照)。なお、透析治療中においてもヒーターH1を作動させるので、脱気槽31に気泡が溜まることになるが、所定量以上の気泡が脱気槽31に溜まった場合には、図2(b)に示したようにして気泡が脱気槽31から排出されるようになっている。
その後、脱気ポンプP1、透析液ポンプP4を作動させることで給液通路23の上流端23Aから透析液回路4内に純水の導入を開始するとともに、ヒーターH1を洗浄温度(90℃程度)まで上昇させる。また、それとともに各弁V1〜V8、10〜12を適宜開閉させることにより、透析液回路4内に残留する透析液を純水で置換する。
そして、所定時間だけ純水を透析液回路4内に供給したら開閉弁V101、V102を閉鎖して透析液回路4を密閉するとともに、開閉弁V12を開放させる。これにより、環流通路としての第5バイパス通路46と、上記第2バイパス通路38を経由して、透析液回路4が洗浄用閉回路として形成される。
その後、設定時間だけ脱気ポンプP1、透析液ポンプP4を駆動して、加熱した純水を上記洗浄用閉回路内で循環させる。この際にも、各弁V1〜8、10〜12を適宜開閉させることにより、第1バイパス通路37、第3バイパス通路43、及び第4バイパス通路44内にも熱水を流通させるので、それらの内部が洗浄される。
ところで、このように透析液回路4の洗浄中において、加熱によって生じた熱水内で気泡が生じるが、その熱水内の気泡は給液通路23の脱気槽31によって除去されるようになっている(図2(b)参照)。そして、脱気槽31に溜まったエアは、脱気通路32と排液通路26を通って気体貯溜タンク48内に上方の接続口48Aから導入される。このようにして、熱水内で生じた気泡は脱気槽31によって捕捉されてから脱気通路32を経由して気体貯溜タンク48内に排出されて、そこに貯溜されるようになっている。したがって、熱水内で生じた気泡が脱気ポンプP1内に噛み込むことを確実に防止できる。
また、この洗浄作業中に開閉弁12を一時的に閉鎖するとともに開閉弁V11と開閉弁V102を一時的に開放するようになっており、それによって気体貯溜タンク48内に下方の接続口48Bから熱水を導入し、上方の接続口48Aから排出させる。それによって、該気体貯溜タンク48内からエアが排出されるとともに気体貯溜タンク48内が熱水によって洗浄されるようになっている。
この後、予め設定した洗浄時間が終了したら、ヒーターH1及び脱気ポンプP1、透析液ポンプP4の作動を停止させて、洗浄作業を終了する。
また、上記洗浄時においては、気体貯溜タンク48に溜まったエアを、洗浄液とともに気体貯溜タンク48の外部へ排出することにより、気体貯溜タンク48内も洗浄することができる。
また、上記実施例においては、脱気ポンプP1、透析液ポンプP4としてギヤポンプを採用しているが、ギヤポンプの代わりとして例えばベーンポンプ等のエアの噛み込みで送液不能になる方式のポンプを採用しても良い。
4‥透析液回路 23‥給液通路
26‥排液通路 31‥脱気槽
32‥脱気通路 46‥第5バイパス通路(環流通路)
48‥気体貯溜タンク(気体貯溜部) H1‥ヒーター
V101‥開閉弁(給液通路開閉弁)
V102‥開閉弁(排液通路開閉弁)
Claims (2)
- 透析液を透析器に供給するとともに処理済の透析液を回収する透析液回路を備え、上記透析液回路は、透析液又は所要の液体を透析液回路内へ導入する給液通路と、処理済の透析液を透析回路の外部に排出する排液通路と、上記給液通路と排液通路とを接続する環流通路と、上記給液通路に設けられて、該給液通路中の液体を下流側へ送液するポンプと、上記給液通路における上記環流通路との接続部の上流側に設けられて、給液通路を開閉する給液通路開閉弁と、上記排液通路における上記環流通路との接続部の下流側に設けられて、排液通路を開閉する排液通路開閉弁と、上記給液通路に設けられるとともに該給液通路内の液体から気体を除去する脱気槽と、一端が上記脱気槽に接続されて、該脱気槽で脱気された気体を排出する脱気通路と、透析液回路内に介在する液体を加熱する加熱手段とを備え、
上記透析液回路内に洗浄液を導入してから上記給液通路開閉弁及び排液通路開閉弁を閉鎖させ、その状態において透析液回路内の洗浄液を加熱するとともに上記ポンプにより循環させて透析液回路を洗浄するようにした透析装置において、
上記排液通路における上記環流通路との接続部と上記排液通路開閉弁との間に気体貯溜部を設け、上記脱気通路の他端から排出される気体を上記気体貯溜部に貯溜させることを特徴とする透析装置。 - 上記気体貯溜部は上記排液通路に設けられた気体貯溜タンクからなり、該気体貯溜タンクの上部に設けられた接続口は上記排液通路の下流側に接続されるとともに、気体貯溜タンクの下部に設けられた接続口は上記排液通路の上流側に接続されており、上記脱気通路の他端から排出される気体は上記気体貯溜タンクの上部に設けられた接続口から内部に導入されることを特徴とする請求項1に記載の透析装置。
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