JP5998921B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明はハイブリッド車両の制御装置に係り、特に、クラッチをスリップ係合させてエンジンをクランキングして始動することによりエンジン走行モードへ切り換える際の制御に関するものである。
(a) クラッチを介して動力伝達経路に接続されるエンジンと、少なくとも電動モータとして機能する回転機とを備えており、(b) 前記クラッチを係合して少なくとも前記エンジンを駆動力源として用いて走行するエンジン走行モード、およびそのクラッチを開放して前記回転機を駆動力源として用いて走行するモータ走行モードが可能なハイブリッド車両が知られている(特許文献1参照)。このようなハイブリッド車両において、前記クラッチが開放されたエンジンの停止時にエンジン走行モードへ切り換える際には、一般にクラッチをスリップ係合させてエンジンをクランキングして始動するようになっている。
特開平11−285107号公報
ところで、このようにクラッチをスリップ係合させてエンジンをクランキングする場合、摩擦による発熱でクラッチ温度が上昇するため、過熱により摩擦材等を損傷する恐れがある。これに対し、未だ公知ではないが、クラッチ温度が所定の温度(熱限界など)を超えたらクラッチを強制的に開放し、温度が降下したら再びクラッチを係合させてエンジン走行モードへ移行することが考えられる。その場合、温度が降下した後にクラッチを係合させてエンジン走行モードへ移行し、そのエンジン走行モードへの移行に伴って駆動力が増大させられるため、運転者のアクセル操作に基づいてエンジン走行モードへの切換判断が為された後、実際にエンジン走行モードへ移行して駆動力が増大するまでにタイムラグが発生する。そのため、アクセル操作量が殆ど変化していない状態で急に駆動力が増大し、運転者に違和感を生じさせる可能性がある。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、クラッチ温度の上昇でクラッチが強制的に開放され、エンジン走行モードへの移行が遅れた場合に、その後に駆動力が増大して運転者に違和感を生じさせることを抑制することにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) クラッチを介して動力伝達経路に接続されるエンジンと、少なくとも電動モータとして機能する回転機とを備えており、(b) 前記クラッチを係合して少なくとも前記エンジンを駆動力源として用いて走行するエンジン走行モード、およびそのクラッチを開放して前記回転機を駆動力源として用いて走行するモータ走行モードが可能であるとともに、(c) 前記クラッチが開放された前記エンジンの停止時に、そのクラッチをスリップ係合させてそのエンジンをクランキングして始動することにより前記エンジン走行モードへ切り換えるハイブリッド車両の制御装置において、(d) 前記エンジン走行モードへ切り換える際に、前記クラッチが予め定められた温度に達した場合には、そのクラッチを開放する一方、その開放中に温度降下に伴ってそのクラッチのスリップ係合が可能となった時に、運転者が駆動力を要求している場合には、その要求駆動力に応じた通常の駆動力制御に比較して駆動力を制限して走行することを特徴とする。
第2発明は、第1発明のハイブリッド車両の制御装置において、前記駆動力の制限は、運転者の要求駆動力が零になったら解除され、通常の駆動力制御に復帰することを特徴とする。
第3発明は、第1発明または第2発明のハイブリッド車両の制御装置において、(a) 前記駆動力の制限は、その駆動力を予め定められた制限値以下に規制するもので、(b) その制限値は路面の上り勾配に応じて定められ、上り勾配が大きい場合には小さい場合に比較してその制限値が高くされることを特徴とする。
このようなハイブリッド車両の制御装置においては、エンジン走行モードへ切り換える際にクラッチが予め定められた温度に達して開放された場合、温度降下に伴ってスリップ係合が可能となっても、運転者が駆動力を要求している時には、駆動力を制限して走行する。このため、アクセル操作量が殆ど変化していない状態で、駆動力が大きく増大して運転者に違和感を生じさせることが抑制される。
第2発明では、運転者の要求駆動力が零になったら通常の駆動力制御に復帰するため、駆動力の急な増大による違和感を抑制しつつ、複雑な制御を必要とすることなく簡便に通常の駆動力制御に復帰することができる。
第3発明は、駆動力を予め定められた制限値以下に規制するもので、その制限値は上り勾配が大きい場合には小さい場合に比較して高くされるため、駆動力の急な増大による違和感を抑制しつつ、上り勾配における車両のずり下がりを適切に防止して走行することができる。
本発明が好適に適用されるハイブリッド車両の骨子図に、制御系統の要部を併せて示した概略構成図である。 図1のハイブリッド制御手段によって実行されるエンジン走行モードおよびモータ走行モードを説明する図である。 図1のエンジン走行切換手段によって実行されるエンジ走行モードへの切換制御を具体的に説明するフローチャートである。 図3のステップS8で駆動力制限値DFsを設定する際に用いられるデータマップの一例を説明する図である。 図3のフローチャートに従ってエンジン走行モードへ切り換える際に、K0熱フェール後にエンジン走行モードへ切り換えられた後も駆動力が制限される場合の各部の変化を示すタイムチャートの一例である。 図3のフローチャートに従ってエンジン走行モードへ切り換える際に、K0熱フェール後もK0クラッチの係合が禁止されることにより駆動力が制限される場合の各部の変化を示すタイムチャートの一例である。
クラッチは、乾式または湿式の単板式、多板式の摩擦クラッチが好適に用いられるが、磁粉式電磁クラッチ等のスリップ係合(相対回転を許容しつつトルクを伝達する係合)が可能な他のクラッチを採用することもできる。エンジンは燃料の燃焼で動力を発生する内燃機関などで、例えばクラッチを介して回転機に直結されるが、回転機の配設位置は、クラッチ開放状態でも駆動力を発生させることができる範囲で適宜定められる。回転機としては、電動モータを用いることもできるが、発電機としての機能も有するモータジェネレータを採用することも可能である。
エンジン走行モードは、少なくともエンジンを駆動力源として用いて走行するもので、エンジンのみを駆動力源として用いて走行するものでも良いが、エンジンおよび回転機の両方を駆動力源として用いて走行することもできる。エンジン走行モードへの切換は、例えば運転者の要求駆動力の増大に伴ってモータ走行モードからエンジン走行モードへ切り換える場合であるが、少なくともクラッチが開放されたエンジン停止状態から、クラッチのスリップ係合で回転機のトルクまたは車両の運動エネルギーによりエンジンをクランキングして始動し、エンジン走行モードへ切り換えるものであれば良い。
クラッチは、例えば熱限界よる所定の係合禁止温度を超えたらスリップ係合が禁止されて強制的に開放される一方、係合禁止解除温度以下になったらスリップ係合が許容されるように制御される。クラッチ温度は、温度センサによって検出しても良いが、クラッチの係合トルクやスリップ係合時間などから発熱量や放熱量を求めるなどして計算によって算出することもできる。
駆動力の制限は、例えば(a) 熱限界によるスリップ係合禁止が解除されることにより、クラッチが係合させられてエンジン走行モードへ切り換えられるとともに、運転者の要求駆動力に応じた通常の駆動力制御に比較して駆動力を制限して走行するように構成される。また、(b) エンジン走行モードへの切換を中止し、クラッチを開放したままモータ走行モードで走行することにより、運転者の要求駆動力に応じた通常の駆動力制御に比較して駆動力が制限されるようにしても良い。上記(a) および(b) の何れか一方を実行するだけでも良いが、両方を場合分けして実行することも可能で、例えば路面の上り勾配Φが予め定められた場合分け判定値Φ1よりも大きい場合には、(a) のエンジン走行モードを実行し、場合分け判定値Φ1以下の場合には(b) のモータ走行モードを実行するように構成される。その場合には、上り勾配では比較的大きな駆動力が得られる(a) の実行で車両のずり下がりを防止しつつ、平坦路では(b) の実行で燃費を向上させることができる。
第2発明では、運転者の要求駆動力が零になったら駆動力の制限が解除されて通常の駆動力制御に復帰するが、他の発明の実施に際しては、運転者の駆動力要求中に駆動力の制限を段階的或いは連続的に徐々に解除して通常の駆動力制御に速やかに復帰することもできる。第3発明の駆動力制限値は、上り勾配Φに応じて可変設定されるが、他の発明の実施に際しては予め一定値が定められても良いし、要求駆動力等の上り勾配Φ以外のパラメータに基づいて可変設定することも可能である。第3発明の駆動力制限値は、上り勾配Φに応じて連続的に変化するものでも良いが、2段階以上で段階的に変化させても良い。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用されるハイブリッド車両10の駆動系統の骨子図を含む概略構成図である。このハイブリッド車両10は、燃料の燃焼で動力を発生するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であるエンジン12と、電動モータおよび発電機として機能するモータジェネレータMGとを駆動力源として備えている。そして、それ等のエンジン12およびモータジェネレータMGの出力は、流体式伝動装置であるトルクコンバータ14からタービン軸16、C1クラッチ18を経て自動変速機20に伝達され、更に出力軸22、差動歯車装置24を介して左右の駆動輪26に伝達される。トルクコンバータ14は、ポンプ翼車とタービン翼車とを直結するロックアップクラッチ(L/Uクラッチ)30を備えているとともに、ポンプ翼車にはオイルポンプ32が一体的に接続されており、エンジン12やモータジェネレータMGによって機械的に回転駆動されることにより油圧を発生して油圧制御装置28に供給する。ロックアップクラッチ30は、油圧制御装置28に設けられた電磁式の油圧制御弁や切換弁等によって係合開放される。上記モータジェネレータMGは回転機に相当する。
上記エンジン12とモータジェネレータMGとの間には、それ等を直結するK0クラッチ34が設けられている。このK0クラッチ34は、油圧シリンダによって摩擦係合させられる乾式または湿式の摩擦クラッチである。K0クラッチ34は油圧式摩擦係合装置で、エンジン12を動力伝達経路に接続したり遮断したりする断接装置として機能する。このK0クラッチ34も、油圧制御装置28に設けられた油圧制御弁や切換弁等によって係合開放されるとともに、油圧制御によって所定のスリップ状態で係合させることができる。モータジェネレータMGは、インバータ42を介してバッテリー44に接続されている。また、前記自動変速機20は、複数の油圧式摩擦係合装置(クラッチやブレーキ)の係合開放状態によって変速比が異なる複数のギヤ段が成立させられる遊星歯車式等の有段の自動変速機で、油圧制御装置28に設けられた電磁式の油圧制御弁や切換弁等によって変速制御が行われる。C1クラッチ18は自動変速機20の入力クラッチとして機能するもので、同じく油圧制御装置28によって係合開放制御される。
このハイブリッド車両10は電子制御装置70を備えている。電子制御装置70は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェースなどを有する所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う。この電子制御装置70には、エンジン回転速度センサ50、MG回転速度センサ52、アクセル操作量センサ54、車速センサ56、クラッチ温度センサ58、路面勾配センサ60から、それぞれエンジン12の回転速度(エンジン回転速度)NE、モータジェネレータMGの回転速度(MG回転速度)NMG、アクセルペダルの操作量(アクセル操作量)Acc、出力軸22の回転速度(出力軸回転速度で車速Vに対応)NOUT、K0クラッチ34の温度(クラッチ温度)TK0、路面の上り勾配Φを表す信号が供給される。この他、各種の制御に必要な種々の情報が供給されるようになっている。上記クラッチ温度センサ58は、例えばK0クラッチ34そのものの温度を検出するが、係合トルク(油圧)や係合時間などから計算によって求めることもできるし、K0クラッチ34が湿式の場合は冷却媒体の温度を検出しても良い。路面勾配センサ60はG(加速度)センサなどで構成されるが、車両の駆動力(実駆動力)DFrおよび車両加速度などから計算によって上り勾配Φを求めることもできる。アクセル操作量Accは、運転者の要求駆動力DFdに対応する。
上記電子制御装置70は、機能的にハイブリッド制御手段72、変速制御手段74、エンジン走行切換手段80を備えている。ハイブリッド制御手段72は、エンジン12およびモータジェネレータMGの作動を制御することにより、例えばエンジン12を駆動力源として用いて走行するエンジン走行モードや、モータジェネレータMGを駆動力源として用いて走行するモータ走行モード等の予め定められた複数の走行モードを、アクセル操作量Accや車速V等の運転状態に応じて切り換えて走行する。図2は、エンジン走行モードおよびモータ走行モードを説明する図で、エンジン走行モードでは、K0クラッチ34が係合(○)させられてエンジン12が動力伝達経路に接続され、エンジン12が運転(○)させられる。モータジェネレータMGは、加速時等に必要に応じてアシスト的に力行制御される。モータ走行モードでは、K0クラッチ34が開放(×)されてエンジン12が動力伝達経路から切り離されるとともに、エンジン12の運転が停止(×)させられ、モータジェネレータMGがアクセル操作量Accに応じて力行制御(○)されて走行する。モータ走行モードではまた、アクセル操作量Accが零(アクセルOFF)の惰性走行時に、一定の条件下でモータジェネレータMGが回生制御されてバッテリー44を充電する。
変速制御手段74は、油圧制御装置28に設けられた電磁式の油圧制御弁や切換弁等を制御して複数の油圧式摩擦係合装置の係合開放状態を切り換えることにより、自動変速機20の複数のギヤ段を、アクセル操作量Accや車速V等の運転状態をパラメータとして予め定められた変速マップに従って切り換える。
エンジン走行切換手段80は、上記モータ走行モードでの走行時に運転者のアクセル操作量Accや車速Vが増加するなどして、ハイブリッド制御手段72によりエンジン走行モードへ切り換える判定が為された場合に、K0クラッチ34をスリップ係合させてエンジン12をクランキングして始動することによりエンジン走行モードへ切り換えるものである。また、K0クラッチ34が熱限界に達した場合には、K0クラッチ34を強制的に開放して摩擦材等の損傷を防止するとともに、温度降下後にK0クラッチ34を係合してエンジン走行モードへ移行する際に大きな駆動力変化が生じることを抑制する機能も有する。すなわち、このエンジン走行切換手段80は、機能的にクラッチ係合制御手段82、エンジン始動制御手段84、および駆動力制限手段86を備えており、図3のフローチャートに従ってエンジン走行切換制御を実行する。図3のステップS2〜S4、S6、S15は、クラッチ係合制御手段82に相当し、ステップS7、S16はエンジン始動制御手段84に相当し、ステップS8〜S10、S12〜S14は駆動力制限手段86に相当する。
図3のステップS1では、ハイブリッド制御手段72によりエンジン走行モードへの切換判定が為されたか否かを判断し、切換判定が為されたらステップS2以下を実行する。ステップS2では、クラッチ温度TK0が予め定められた係合禁止温度TK01以下か否かを判断し、TK0≦TK01であればステップS15以下を実行してエンジン走行モードへの切換制御を行う。ステップS15では、K0クラッチ34をスリップ係合させてエンジン12をクランキングし、ステップS16では燃料供給制御や点火時期制御を行ってエンジン12を始動する。そして、エンジン12が始動した後、K0クラッチ34を完全係合させることにより、エンジン走行モードへの移行が終了する。ステップS17では、K0クラッチ34が完全係合させられてエンジン走行モードへの移行が終了したか否かを判断し、移行が終了するまではステップS2、S15、S16の実行を繰り返す。移行が終了してステップS17の判断がYES(肯定)になったらステップS11を実行し、運転者の要求駆動力DFdすなわちアクセル操作量Accに応じた駆動力を発生させる通常の駆動力制御を行う。
一方、このようにK0クラッチ34をスリップ係合させてエンジン12をクランキングすると、摩擦による発熱でクラッチ温度TK0が上昇し、過熱により摩擦材等を損傷する恐れがある。前記ステップS2の係合禁止温度TK01は、K0クラッチ34の摩擦材が過熱により損傷することを回避する熱限界に相当し、クラッチ温度TK0がその係合禁止温度TK01を超えた場合(K0熱フェール)には、ステップS2の判断がNO(否定)になってステップS3を実行する。ステップS3では、K0クラッチ34のスリップ係合を禁止し、K0クラッチ34を強制的に開放する。これにより、K0クラッチ34のそれ以上の温度上昇が防止されるとともに、放熱によりクラッチ温度TK0が徐々に降下する。次のステップS4では、クラッチ温度TK0が予め定められた係合禁止解除温度TK02以下まで降下したか否かを判断し、TK0≦TK02になったらステップS5以下を実行する。係合禁止解除温度TK02は、K0クラッチ34をスリップ係合させてエンジン走行モードへの移行を再開した場合に、クラッチ温度TK0が係合禁止温度TK01に達する前に移行を終了できる程度の温度で、その係合禁止温度TK01よりも十分に低い温度が設定される。
ステップS5では、路面の上り勾配Φが予め定められた場合分け判定値Φ1よりも大きいか否かを判断し、Φ>Φ1の場合はステップS6以下の駆動力が制限されたエンジン走行モードを実行し、Φ≦Φ1の場合はステップS12以下のモータ走行モードを実行する。何れも、運転者の要求駆動力DFdに応じた駆動力制御に比較して、実駆動力(実際の駆動力)DFrが制限される。場合分け判定値Φ1は、モータジェネレータMGのみを駆動力源として用いて走行するモータ走行モードでも走行が可能か否かを基準にして設定され、モータ走行モードで実用的に走行可能な上り勾配Φの上限値が定められる。
Φ>Φ1でステップS5の判断がYESの場合は、エンジン走行モードへ移行するために、ステップS6でK0クラッチ34の係合制御を再開するとともに、ステップS7でエンジン12の始動制御を実行する。これ等のステップは、エンジン12の状態に応じて行われ、前記ステップS2の判断がNOになった時に既にエンジン12が自力回転できるようになっている場合は、エンジン12はアイドル状態等の所定の作動状態に保持されており、改めて始動制御を行うことなくK0クラッチ34を完全係合させるだけで良い。このようにエンジン走行モードへの移行が終了したら、ステップS8で駆動力制限状態でのエンジン走行モードを実行する。すなわち、上り勾配Φに応じて図4のマップに従って駆動力制限値DFsを設定し、その駆動力制限値DFs以下に駆動力を制限してエンジン走行モードで走行する。駆動力制限値DFsは、上り勾配Φの登坂路を実用的に走行可能な必要最小限の駆動力で、上り勾配Φが大きくなるに従って連続的に大きな値が設定される。
次のステップ9では、アクセル操作量Accが零のアクセルOFFか否かを判断し、アクセルOFFになるまではステップS8を繰り返し、上り勾配Φに応じて駆動力制限値DFsを逐次更新しながら、その駆動力制限値DFsによる駆動力制限状態でエンジン走行モードを実行する。また、アクセルOFFになってステップS9の判断がYESになったら、ステップS10で駆動力制限を解除し、ステップS11の通常の駆動力制御に復帰する。
図5は、このようにエンジン走行モードへの切換時に熱フェールでK0クラッチ34が開放され、その後、駆動力制限状態でエンジン走行モードへ移行させられた場合のタイムチャートの一例である。時間t1は、クラッチ温度TK0が係合禁止解除温度TK02以下まで降下してステップS4の判断がYESになるとともに、路面の上り勾配Φが場合分け判定値Φ1よりも大きく、ステップS6以下の駆動力制限状態でのエンジン走行モードへの移行制御が開始された時間である。この状態での実駆動力DFrは、モータジェネレータMGのみによる駆動力で、要求駆動力DFdに比較して大きく下回っている。図5の下から2段目の「K0油圧指令値」は、K0クラッチ34を係合させる油圧の指令値で、伝達トルクに対応する実際の油圧はピストン詰めの後から上昇し、その伝達トルク(スリップ係合)に基づいてエンジン12のクランキングが開始される。K0油圧指令値=0はK0クラッチ34が開放状態であることを意味している。
時間t2は、K0クラッチ34のスリップ係合によるクランキングでエンジン12が始動させられるとともに、K0クラッチ34が完全係合させられてエンジン走行モードが成立した時間である。その後、本実施例では駆動力制限値DFsによって実駆動力DFrが制限された状態で走行するが、駆動力制限無しの場合には二点鎖線で示すように要求駆動力DFdに応じた駆動力まで実駆動力DFrが上昇させられる。すなわち、アクセル操作量Accが一定状態で変化していないにも拘らず、エンジン走行モードへの移行に伴って実駆動力DFrが大きく増大させられるのであり、運転者に違和感を生じさせる可能性がある。
時間t3は、アクセル操作量Accが零、すなわち要求駆動力DFdが零になった時間で、これによりステップS9の判断がYESになり、駆動力制限が解除されて通常の駆動力制御に復帰する。時間t4は、アクセルペダルが踏込み操作されて再びエンジン走行モードへの切換判定が行われた時間で、時間t5は、その切換判定に従って熱フェールを生じることなくエンジン走行モードが成立させられた時間である。ここでは、エンジン走行モードの成立に伴って運転者の要求駆動力DFdに応じた駆動力まで実駆動力DFrが速やかに増大させられる。
図3に戻って、前記ステップS5の判断がNOの場合、すなわち路面の上り勾配Φが場合分け判定値Φ1以下の平坦路走行の場合には、ステップS12以下を実行してモータ走行モードを継続する。すなわち、ステップS12ではK0クラッチ34の係合を禁止して開放状態に保持し、ステップ13ではアクセルOFFか否かを判断して、アクセルOFFになるまでステップS12を繰り返してモータ走行モードを維持する。前記ステップS2の判断がNOになった時に既にエンジン12が自力回転できるようになっており、エンジン12がアイドル状態等の所定の作動状態に保持されている場合には、エンジン12を停止させる。その後、アクセルOFFになったらステップS14でK0クラッチ34の係合を許可し、ステップS11の通常の駆動力制御に復帰する。
図6は、エンジン走行モードへの切換時に熱フェールでK0クラッチ34が開放され、クラッチ温度TK0が係合禁止解除温度TK02以下まで降下した後も、ステップS12以下が実行されてモータ走行モードが継続された場合のタイムチャートの一例である。時間t1は、クラッチ温度TK0が係合禁止解除温度TK02以下まで降下してステップS4の判断がYESになった時間で、路面の上り勾配Φが場合分け判定値Φ1以下で、ステップS12以下が実行されてモータ走行モードが継続される。この状態での実駆動力DFrは、モータジェネレータMGのみによる駆動力で、要求駆動力DFdに比較して大きく下回っている。
時間t2は、アクセル操作量Accが零、すなわち要求駆動力DFdが零になった時間で、これによりステップS13の判断がYESになり、K0クラッチ34の係合が許可されて通常の駆動力制御に復帰する。時間t3は、アクセルペダルが踏込み操作されて再びエンジン走行モードへの切換判定が行われた時間で、時間t4は、その切換判定に従って熱フェールを生じることなくエンジン走行モードが成立させられた時間であり、運転者の要求駆動力DFdに応じた駆動力まで実駆動力DFrが速やかに増大させられる。
このように、本実施例のハイブリッド車両10においては、エンジン走行モードへ切り換える際にK0クラッチ34のクラッチ温度TK0が熱限界である係合禁止温度TK01を超えてK0クラッチ34が強制的に開放された場合(ステップS3)、温度降下に伴って係合禁止解除温度TK02以下になっても、アクセルONで運転者が駆動力を要求している時には、実駆動力DFrを制限して走行する(ステップS8、S12)。これにより、アクセル操作量Accが殆ど変化していない状態で、実駆動力DFrが大きく増大して運転者に違和感を生じさせることが抑制される。
また、運転者の要求駆動力DFdすなわちアクセル操作量Accが零になったら通常の駆動力制御(ステップS11)に復帰するため、実駆動力DFrの急な増大による違和感を抑制しつつ、複雑な制御を必要とすることなく簡便に通常の駆動力制御に復帰することができる。
また、ステップS6以下の駆動力制限状態でのエンジン走行モードでは、実駆動力DFrを予め定められた駆動力制限値DFs以下に規制するとともに、その駆動力制限値DFsは上り勾配Φが大きい場合には小さい場合に比較して高くされるため、実駆動力DFrの急な増大による違和感を抑制しつつ、上り勾配での車両のずり下がりを適切に防止して走行することができる。
また、本実施例では、上り勾配Φが予め定められた場合分け判定値Φ1よりも大きい場合にはステップS6以下を実行し、比較的大きな実駆動力DFrが得られる駆動力制限状態でのエンジン走行モードで走行するため、上り勾配での車両のずり下がりが適切に防止される一方、場合分け判定値Φ1以下の平坦路ではステップS12以下を実行し、モータ走行モードで走行するため、燃費を向上させることができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:ハイブリッド車両 12:エンジン 34:K0クラッチ(クラッチ) 58:クラッチ温度センサ 60:路面勾配センサ 70:電子制御装置 80:エンジン走行切換手段 82:クラッチ係合制御手段 86:駆動力制限手段 MG:モータジェネレータ(回転機) TK0:クラッチ温度 TK01:係合禁止温度(予め定められた温度) Φ:上り勾配 DFr:実駆動力(駆動力) DFd:要求駆動力 DFs:駆動力制限値

Claims (3)

  1. クラッチを介して動力伝達経路に接続されるエンジンと、少なくとも電動モータとして機能する回転機とを備えており、
    前記クラッチを係合して少なくとも前記エンジンを駆動力源として用いて走行するエンジン走行モード、および該クラッチを開放して前記回転機を駆動力源として用いて走行するモータ走行モードが可能であるとともに、
    前記クラッチが開放された前記エンジンの停止時に、該クラッチをスリップ係合させて該エンジンをクランキングして始動することにより前記エンジン走行モードへ切り換えるハイブリッド車両の制御装置において、
    前記エンジン走行モードへ切り換える際に、前記クラッチが予め定められた温度に達した場合には、該クラッチを開放する一方、該開放中に温度降下に伴って該クラッチのスリップ係合が可能となった時に、運転者が駆動力を要求している場合には、該要求駆動力に応じた通常の駆動力制御に比較して駆動力を制限して走行する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記駆動力の制限は、運転者の要求駆動力が零になったら解除され、通常の駆動力制御に復帰する
    ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記駆動力の制限は、該駆動力を予め定められた制限値以下に規制するもので、
    該制限値は路面の上り勾配に応じて定められ、上り勾配が大きい場合には小さい場合に比較して該制限値が高くされる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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