JP6036499B2 - ハイブリッド車両のエンジン始動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明はハイブリッド車両のエンジン始動制御装置に係り、特に、ダンパによる共振を抑制しつつ回転機によりエンジンをクランキングして始動する技術に関するものである。
(a) 少なくとも電動モータとして機能し、駆動輪を回転駆動することができる回転機と、(b) その回転機に摩擦係合式の断接装置を介して連結されたエンジンと、(c) そのエンジンと前記回転機との間に前記断接装置と直列に配設されたダンパと、を備えており、(d) 前記回転機により前記断接装置を介して前記エンジンをクランキングして始動するハイブリッド車両のエンジン始動制御装置が知られている。特許文献1に記載の装置はその一例で、低温時やバッテリー出力の制限時には、回転機によってエンジンをクランキングする際に回転機のトルク不足でダンパに起因して駆動力伝達系で共振が生じる可能性があるため、これを防止するためにクランキングによるエンジンの始動回転速度を共振回転速度よりも低い回転速度とし、その回転速度で燃料噴射および点火等の始動制御を行ってエンジンを自力回転させるとともに、その自力回転および回転機によるアシストで共振回転速度領域を通過させるようになっている。
特開2009−190525号公報
しかしながら、このようなエンジン始動制御装置においても、共振回転速度領域が低いと、クランキングによるエンジンの始動回転速度が低くなるため、エンジンの始動に要する時間が長くなるなど始動性が悪くなる。また、エンジンを始動できても十分なトルクが得られず、共振回転速度領域を通過させる際に必要な回転機のアシストトルクが大きくなって、回転機やバッテリーの負担が大きくなったり、アシストトルクが不足して共振が発生したりする可能性があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、ダンパに起因する共振を抑制しつつ、エンジンを始動する際の始動性を向上させるとともに、エンジンが自力回転で速やかに回転上昇できるようにすることにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) 少なくとも電動モータとして機能し、駆動輪を回転駆動することができる回転機と、(b) その回転機に摩擦係合式の断接装置を介して連結されたエンジンと、(c) そのエンジンと前記回転機との間に前記断接装置と直列に配設されたダンパと、を備えており、(d) 前記回転機により前記断接装置を介して前記エンジンをクランキングして始動するハイブリッド車両のエンジン始動制御装置において、(e) 前記駆動輪に対して相対回転可能とされた前記回転機を回転駆動するとともに前記断接装置をスリップ係合させることにより、そのスリップ係合時における前記ダンパに起因する共振回転速度よりも低く、且つその断接装置を完全係合させた時のそのダンパに起因する共振回転速度よりも高い回転速度範囲で設定された始動回転速度まで前記エンジンの回転速度を上昇させるクランキング手段と、(f) 前記始動回転速度で前記断接装置を完全係合させるとともに前記エンジンを自力回転させる始動手段と、を有することを特徴とする。
第2発明は、第1発明のハイブリッド車両のエンジン始動制御装置において、前記クランキング手段は、前記回転機の回転速度を上昇させるとともに、前記断接装置のスリップ量が予め定められた目標スリップ量となるようにその断接装置の係合トルクを制御し、その回転機の回転速度の上昇に追従させて前記エンジンの回転速度を上昇させることを特徴とする。
第3発明は、第1発明または第2発明のハイブリッド車両のエンジン始動制御装置において、前記クランキング手段は、前記断接装置の温度が高い場合には低い場合に比較してその断接装置のスリップ量が小さくなるようにその断接装置の係合トルクを制御することを特徴とする。
このようなハイブリッド車両のエンジン始動制御装置においては、回転機を回転駆動するとともに断接装置をスリップ係合させてエンジンの回転速度を始動回転速度まで上昇させ、その始動回転速度で断接装置を完全係合させるとともに燃料噴射および点火等の始動制御でエンジンを始動して自力回転させ、アイドル回転速度等の所定の回転速度まで上昇させる。その場合に、回転機でエンジンの回転速度を上昇させるクランキング時には断接装置がスリップ係合させられるため、その状態におけるダンパによる共振回転速度は、断接装置を完全係合させた場合に比較して高くなる。このため、それだけ始動回転速度を高くすることが可能で、エンジンを始動する際の始動性が向上し、エンジンを速やかに始動することができる。また、比較的高回転でエンジンを始動できるため、始動当初から比較的大きなトルクが得られるようになり、必ずしも回転機によるアシストを必要とすることなく、回転速度を速やかに上昇させることができる。特に、エンジン始動時には断接装置が完全係合させられるため、共振回転速度が低くなり、始動回転速度がその共振回転速度よりも高くなることから、エンジンの回転速度を一層円滑に上昇させることができる。
第2発明では、断接装置のスリップ量が予め定められた目標スリップ量となるように制御され、回転機の回転速度の上昇に追従してエンジンの回転速度が上昇させられるため、目標スリップ量を適当に設定することにより、共振回転速度を高くして始動性を確保しつつスリップ損失に起因する燃費の悪化を抑制できる。
第3発明では、断接装置の温度が高い場合には低い場合に比較してスリップ量が小さくされるため、スリップによる過熱を防止して断接装置の耐久性を確保できる。
本発明が適用されたハイブリッド車両の駆動系統の骨子図に制御系統の要部を併せて示した概略構成図である。 図1の電子制御装置が機能的に備えているエンジン始動制御手段の作動を具体的に説明するフローチャートである。 図2のフローチャートに従ってエンジン始動制御が行われた場合の各部の作動状態の変化を示すタイムチャートの一例である。 図1のハイブリッド車両において、K0クラッチの作動状態に応じて変化する共振周波数を説明する図である。 図2のステップS4でK0クラッチをスリップ制御する際に設定される目標スリップ量Nslptを説明する図である。
回転機は、エンジンと共に走行用の駆動力源として用いられるもので、電動モータおよび発電機として択一的に用いられるモータジェネレータが好適に用いられるが、電動モータであっても良い。この回転機とは別に、走行用の駆動力源として用いることができるモータジェネレータ等を備えていても良い。エンジンは、燃料の燃焼によって動力を発生する内燃機関などである。断接装置としては、湿式或いは乾式の摩擦係合式クラッチが好適に用いられるが、動力伝達を接続したり遮断したりすることができる他の摩擦係合装置を用いることもできる。
エンジン始動制御装置は、断接装置が遮断されてエンジンが回転停止している停車時や惰性走行時、或いはモータ走行時等に、駆動輪に対して相対回転可能とされた回転機を用いてエンジンをクランキングして始動するもので、回転機と駆動輪との間には例えば動力伝達を遮断できるクラッチ等の断接装置や自動変速機等が配設される。流体継手によって両者を相対回転可能とすることもできる。エンジンの始動回転速度は、断接装置のスリップ係合時における共振回転速度reslpよりも低い回転速度で、例えば予め自立回転可能な一定の回転速度が定められる。共振はダンパに起因して発生するもので、共振回転速度reslpはダンパのばね定数やエンジン等の回転イナーシャ、断接装置の係合トルクなどによって定まり、実験やシミュレーション等によって求められる。始動回転速度は、スリップ係合時における共振回転速度reslpよりも低い回転速度であるが、スリップ係合から完全係合へ移行すると共振回転速度は低くなり、その移行時に共振回転速度が始動回転速度を通過する場合があるが、短時間で通過すれば共振の可能性は低い。すなわち、スリップ係合時における共振回転速度reslpとは、スリップ係合でエンジンの回転速度を始動回転速度の近傍まで引き上げる際の共振回転速度で、スリップ係合から完全係合へ移行する際の共振回転速度を含まない。スリップ係合時における共振回転速度reslpは、例えば±5%程度(±合わせて10%程度)等の所定の回転速度領域で設定することが望ましく、始動回転速度はそれよりも低い回転速度で、できるだけ高回転が望ましい。
第2発明では、回転機の回転速度を上昇させるとともに、断接装置のスリップ量が目標スリップ量となるように断接装置の係合トルクを制御して、回転機の回転速度の上昇に追従させてエンジンの回転速度を上昇させるが、第1発明では、例えば回転機を前記始動回転速度で回転駆動しつつ断接装置の係合トルク制御でエンジンの回転速度をその始動回転速度まで上昇させるようにしても良いなど、種々の態様が可能である。第2発明では、例えば回転機の回転速度を一定の変化率でリニアに上昇させるが、非線形で上昇させたり折れ線状に上昇させたりしても良い。第2発明の目標スリップ量は予め一定値が定められても良いが、例えば第3発明のように断接装置の温度をパラメータとして設定されるようにしても良い。第3発明の実施に際しては、断接装置の温度に応じてスリップ量を連続的に変化させても良いが、2段階以上で段階的に変化させても良い。断接装置の温度以外の物理量を考慮して目標スリップ量を定めることもできる。
始動回転速度は、断接装置のスリップ係合時の共振回転速度reslpよりも低く、且つ断接装置を完全係合させた時の共振回転速度reonよりも高い回転速度範囲で設定されるが、共振回転速度reslp、reonは例えば±5%程度等の所定の回転速度領域で設定することが望ましく、それ等の間の回転速度を始動回転速度とすることが望ましい。
始動手段による始動制御でエンジンが自力回転できるようになったら、その後は回転機のトルクを0とし、エンジンの自力回転でアイドル回転速度等の所定の目標回転速度まで上昇させることが望ましいが、必要に応じて回転機のトルクでアシストしつつエンジン回転速度を所定の目標回転速度まで上昇させることも可能である。この目標回転速度は、アクセル操作量等の運転者の出力要求量などに応じて適宜定められる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用されるハイブリッド車両10の駆動系統の骨子図を含む概略構成図である。このハイブリッド車両10は、燃料の燃焼で動力を発生するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であるエンジン12と、電動モータおよび発電機として機能するモータジェネレータMGとを、走行用の駆動力源として備えている。そして、それ等のエンジン12およびモータジェネレータMGの出力は、流体式動力伝達装置であるトルクコンバータ14からタービン軸16を経て自動変速機20に伝達され、更に出力軸22、差動歯車装置24等を介して左右の駆動輪26に伝達される。トルクコンバータ14は、ポンプ翼車とタービン翼車とを直結するロックアップクラッチ(L/Uクラッチ)30を備えているとともに、入力側回転部材であるポンプ翼車には機械式オイルポンプ32が一体的に接続されており、エンジン12やモータジェネレータMGによって機械的に回転駆動されることにより油圧を発生して油圧制御装置28に供給する。ロックアップクラッチ30は、油圧制御装置28に設けられた電磁式の油圧制御弁や切換弁等によって係合解放される。上記モータジェネレータMGは回転機に相当する。
上記エンジン12とモータジェネレータMGとの間には、ダンパ38を介してそれ等を連結するK0クラッチ34が設けられている。ダンパ38は、エンジン12のトルク変動を吸収したりねじり振動を吸収したりするもので、トーショナルダンパとも言われるものであり、圧縮コイルスプリング等の弾性体を備えて構成されており、K0クラッチ34と直列にそのK0クラッチ34とエンジン12との間に配設されている。K0クラッチ34は、油圧によって摩擦係合させられる湿式の単板式或いは多板式の油圧式摩擦係合装置で、エンジン12をモータジェネレータMGに対して接続したり遮断したりする断接装置として機能する。モータジェネレータMGは、インバータ42を介してバッテリー44に接続されている。また、前記自動変速機20は、複数の油圧式摩擦係合装置(クラッチやブレーキ)の係合解放状態によって変速比が異なる複数のギヤ段が成立させられる遊星歯車式等の有段の自動変速機で、油圧制御装置28に設けられた電磁式の油圧制御弁や切換弁等によって変速制御が行われる。この自動変速機20は、例えば入力クラッチが解放されることにより動力伝達を遮断するニュートラルを成立させることができる。
以上のように構成されたハイブリッド車両10は、電子制御装置70を備えている。電子制御装置70は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェースなどを有する所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う。電子制御装置70には、アクセル操作量センサ46からアクセルペダルの操作量(アクセル操作量)Accを表す信号が供給される。また、エンジン回転速度センサ50、MG回転速度センサ52、タービン回転速度センサ54、車速センサ56、SOCセンサ58、K0温度センサ60から、それぞれエンジン12の回転速度(エンジン回転速度)NE、モータジェネレータMGの回転速度(MG回転速度)NMG、タービン軸16の回転速度(タービン回転速度)NT、出力軸22の回転速度(出力軸回転速度で車速Vに対応)NOUT、バッテリー44の蓄電残量SOC、K0クラッチ34の温度(K0温度)K0Tを表す信号が供給される。K0温度K0Tは、K0クラッチ34の摩擦材の温度であっても良いが、その近傍の潤滑油等の温度であっても良い。この他、各種の制御に必要な種々の情報が供給されるようになっている。
上記電子制御装置70は、機能的にハイブリッド制御手段72、変速制御手段74、およびエンジン始動制御手段80を備えている。ハイブリッド制御手段72は、エンジン12およびモータジェネレータMGの作動を制御することにより、例えばエンジン12のみを駆動力源として用いて走行するエンジン走行モードや、モータジェネレータMGのみを駆動力源として用いて走行するモータ走行モード、それ等の両方を用いて走行するエンジン+モータ走行モード等の予め定められた複数の走行モードを、アクセル操作量(運転者の出力要求量)Accや車速V、バッテリー44の蓄電残量SOC等の車両状態に応じて切り換えて走行する。また、変速制御手段74は、油圧制御装置28に設けられた電磁式の油圧制御弁や切換弁等を制御して複数の油圧式摩擦係合装置の係合解放状態を切り換えることにより、自動変速機20の複数のギヤ段を、アクセル操作量Accや車速V等の運転状態をパラメータとして予め定められた変速マップに従って切り換える。
エンジン始動制御手段80は、K0クラッチ34が解放されてエンジン12が回転停止している停車時や惰性走行時等に、モータジェネレータMGを用いてエンジン12をクランキング(回転駆動)してエンジン回転速度NEを引き上げるとともに、エンジン回転速度NEが所定の始動回転速度NE1に達したら燃料噴射や点火等の始動制御を行ってエンジン12を始動し、所定の目標回転速度NE2まで自力回転で上昇させるエンジン始動制御を実行する。その場合に、ダンパ38に起因して共振が発生することを抑制するようになっており、機能的にニュートラル制御手段82、MG回転速度上昇手段84、K0クラッチスリップ制御手段86、K0クラッチ完全係合手段88、および燃料噴射・点火手段90を備えている。図2は、このようなエンジン始動制御手段80の作動(信号処理)を具体的に説明するフローチャートで、ステップS2はニュートラル制御手段82に相当し、ステップS3はMG回転速度上昇手段84に相当し、ステップS4およびS5はK0クラッチスリップ制御手段86に相当し、ステップS6はK0クラッチ完全係合手段88に相当し、ステップS7は燃料噴射・点火手段90に相当する。MG回転速度上昇手段84およびK0クラッチスリップ制御手段86はクランキング手段として機能し、K0クラッチ完全係合手段88および燃料噴射・点火手段90は始動手段として機能する。
図2のフローチャートは、K0クラッチ34が解放されてエンジン12が回転停止している停車時や惰性走行時等に実行され、ステップS1では、バッテリー44の蓄電残量SOCの低下や運転者のアクセル操作などでハイブリッド制御手段72からエンジン始動要求が供給されたか否かを判断する。エンジン始動要求が供給されない場合はそのまま終了するが、エンジン始動要求が供給されたらステップS2を実行し、自動変速機20を強制的にニュートラルにする指令を前記変速制御手段74に出力し、自動変速機20をニュートラルにする。また、ステップS3では、MG回転速度NMGが予め定められた一定の変化率でリニアに上昇するようにモータジェネレータMGのトルクTMGを制御し、ステップS4では、K0クラッチ34のスリップ量Nslp(=NMG−NE)が予め定められた目標スリップ量Nslptになるように、そのK0クラッチ34の係合トルクTK0、具体的には係合油圧を制御する。これにより、エンジン回転速度NEがMG回転速度NMGに追従して略ニリアに上昇させられる。目標スリップ量Nslptは一定値でも良いが、本実施例では図5に示すようにK0温度K0Tが高い程小さくなるように予め定められたマップや演算式等に従って定められる。MG回転速度NMGの変化率(上昇勾配)についても、エンジン冷却水温等をパラメータとして定められるようにしても良い。
図3は、図2のフローチャートに従ってエンジン始動制御が行われた場合のK0クラッチ34や各部のトルク、回転速度、燃料噴射量の変化を示すタイムチャートの一例で、時間t1は、エンジン始動要求によりステップS1の判断がYES(肯定)となり、ステップS2以下のエンジン始動制御が開始された時間である。また、時間t2は、ステップS4のK0スリップ制御でエンジン回転速度NEがMG回転速度NMGに追従してリニアに上昇開始させられた時間である。このクランキング時におけるモータジェネレータMGのトルクTMGの制御やK0クラッチ34の係合トルクTK0の制御は、フィードフォワード制御でもフィードバック制御でも良く、それ等を組み合わせたものでも良い。
次のステップS5では、エンジン回転速度NEが予め定められた始動回転速度NE1の近傍に達したか否かを判断し、NE≒NE1になったらステップS6を実行してK0クラッチ34を完全係合させる。図3の時間t3は、K0クラッチ34を完全係合させるためにK0クラッチ34の係合トルクTK0、すなわち係合油圧が最大値まで上昇開始させられた時間で、時間t4は、その係合トルクTK0の増大制御でK0クラッチ34が完全係合させられ、エンジン回転速度NEがMG回転速度NMGと一致させられた時間である。モータジェネレータMGは、そのMG回転速度NMGが始動回転速度NE1に達したら、その始動回転速度NE1を維持するようにトルク制御が行われる。
ここで、上記始動回転速度NE1は、K0クラッチ34がスリップ係合させられるK0スリップ係合時におけるダンパ38の共振回転速度reslpよりも低いとともに、K0クラッチ34が完全係合させられるK0完全係合時におけるダンパ38の共振回転速度reonよりも高い回転速度で、且つエンジン12が自立回転可能で所定の始動性を確保できる一定の回転速度が定められる。共振はダンパ38に起因して発生するもので、共振回転速度reslp、reonは、それぞれダンパ38のばね定数kやエンジン12等の回転イナーシャ、K0クラッチ34の係合トルクTK0などによって定まり、実験やシミュレーション等によって求められる。図4は、K0完全係合時およびK0スリップ係合時における振動モデルの一例で、その共振周波数(固有振動数)ωon、ωslp は、それぞれ回転イナーシャIe、Im、Icおよびばね定数kに基づいて、図4に示す(1) 式および(2) 式に従って算出される。K0完全係合時の回転イナーシャImはモータジェネレータMGを含むが、K0スリップ係合時の回転イナーシャIcはK0クラッチ34の係合トルクTK0に応じて定まり、Im>Icであり、K0スリップ係合時の共振周波数ωslp はK0完全係合時の共振周波数ωonよりも高くなる。共振回転速度reslp、reonは、それぞれその共振周波数ωslp 、ωonに対応するが、本実施例では図3に示すように例えば±5%程度(±合わせて10%程度)の幅を有する回転速度領域として定められ、それ等の共振回転速度reslp、reonの中間の回転速度が始動回転速度NE1として設定されている。
このように、始動回転速度NE1がK0スリップ係合時の共振回転速度reslpよりも低回転であるため、K0クラッチ34のスリップ制御でエンジン回転速度NEを始動回転速度NE1の近傍まで引き上げる時間t2〜t3では、エンジン回転速度NEが共振回転速度reslpを通過することはなく、共振を生じる恐れがない。共振回転速度reslpは、厳密にはK0クラッチ34の係合トルクTK0の変動に伴って変動する可能性があるが、±5%程度の幅を持って定められているため、共振を生じることなくエンジン回転速度NEを始動回転速度NE1の近傍まで引き上げることができる。一方、K0クラッチ34が完全係合させられることにより共振回転速度はreslpからreonまで低下するため、その過程で一時的にエンジン回転速度NEが相対的に共振回転速度領域を通過させられるが、K0クラッチ34がスリップ係合から完全係合へ移行する時間は極めて短いため、その過程で共振を生じる可能性は低い。
図2に戻って、ステップS7では、燃料噴射および点火等のエンジン始動制御を実行し、エンジン12を自力回転させる。前記始動回転速度NE1は、K0クラッチ34のスリップ制御で共振回転速度reslpが高くなるのに伴って高くできるため、エンジン12の始動性が向上して速やかに自力回転させることができるとともに、始動当初から大きなトルクが得られるため、エンジン回転速度NEを速やかに上昇させることができる。K0スリップ係合時の共振回転速度reslpは、K0クラッチ34の係合トルクTK0に応じて変化し、その係合トルクTK0はスリップ量Nslpが大きい程小さくなるが、スリップ量Nslpが大きくなると燃費が悪化する。このため、前記目標スリップ量Nslptは、共振回転速度reslpを高くし、それよりも低回転の始動回転速度NE1をできるだけ高くして始動性を向上させつつ、燃費悪化を抑制するためにできるだけ小さなスリップ量に設定される。
次のステップS8ではMGトルクTMGを0とし、エンジン12の自力回転でエンジン回転速度NEを上昇させるとともに、ステップS9ではエンジン回転速度NEが目標回転速度NE2に達したか否かを判断し、NE≒NE2になったらステップS10を実行して一連のエンジン始動制御を終了する。この時の目標回転速度NE2はアクセル操作量Accに応じて定められ、アクセルOFFであればアイドル回転速度NEidlが目標回転速度NE2とされ、アクセル操作時にはアクセル操作量Accに応じて適宜定められる。図3の時間t5は、エンジン回転速度NEが目標回転速度NE2に略到達して一連のエンジン始動制御が終了させられた時間である。図3のトルクの欄の「TE」はエンジントルクで、吸入空気量や燃料噴射量等に応じて定まるが、エンジン回転速度NEを目標回転速度NE2まで速やかに上昇させるため、アクセル操作量Accとは別個に吸入空気量や燃料噴射量が制御される。
このように、本実施例のハイブリッド車両10においては、モータジェネレータMGを回転駆動するとともにK0クラッチ34をスリップ係合させてエンジン回転速度NEを始動回転速度NE1まで上昇させ、その始動回転速度NE1でK0クラッチ34を完全係合させるとともに燃料噴射および点火等の始動制御でエンジン12を始動して自力回転させ、所定の目標回転速度NE2まで上昇させる。その場合に、モータジェネレータMGでエンジン回転速度NEを上昇させるクランキング時にはK0クラッチ34がスリップ係合させられるため、その状態におけるダンパ38による共振回転速度reslpは、K0完全係合時に比較して高くなる。このため、それだけ始動回転速度NE1を高くすることが可能で、エンジン12を始動する際の始動性が向上し、エンジン12を速やかに始動することができる。
また、比較的高回転でエンジン12を始動できるため、始動当初から比較的大きなトルクが得られるようになり、モータジェネレータMGによるアシストを必要とすることなく、エンジン回転速度NEを目標回転速度NE2まで速やかに上昇させることができる。特に、エンジン始動時にはK0クラッチ34が完全係合させられるため、共振回転速度reonが低くなり、本実施例では始動回転速度NE1がその共振回転速度reonよりも高くなることから、エンジン回転速度NEを一層円滑に上昇させることができる。
また、エンジン12をクランキングする際のK0クラッチ34のスリップ量Nslpが予め定められた目標スリップ量Nslptとなるように制御され、MG回転速度NMGの上昇に追従してエンジン回転速度NEが上昇させられるため、目標スリップ量Nslptを適当に設定することにより、K0スリップ係合時の共振回転速度reslpを高くして始動性を確保しつつスリップ損失に起因する燃費の悪化を抑制できる。すなわち、目標スリップ量Nslptは、共振回転速度reslpを高くして、それよりも低回転の始動回転速度NE1をできるだけ高くして始動性を向上させる一方、燃費悪化を抑制するためにできるだけ小さなスリップ量に設定される。
また、上記目標スリップ量Nslptは、K0温度K0Tが高い場合には低い場合に比較して小さくされるため、K0クラッチ34のスリップによる過熱を防止してK0クラッチ34の耐久性を確保することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:ハイブリッド車両 12:エンジン 34:K0クラッチ(断接装置) 38:ダンパ 60:K0温度センサ 70:電子制御装置 80:エンジン始動制御手段 82:ニュートラル制御手段 84:MG回転速度上昇手段(クランキング手段) 86:K0クラッチスリップ制御手段(クランキング手段 88:K0クラッチ完全係合手段(始動手段) 90:燃料噴射・点火手段(始動手段) MG:モータジェネレータ(回転機) NE:エンジン回転速度 NMG:MG回転速度 NE1:始動回転速度 reslp:K0スリップ係合時の共振回転速度 reon:K0完全係合時の共振回転速度 Nslp:スリップ量 Nslpt:目標スリップ量

Claims (3)

  1. 少なくとも電動モータとして機能し、駆動輪を回転駆動することができる回転機と、
    該回転機に摩擦係合式の断接装置を介して連結されたエンジンと、
    該エンジンと前記回転機との間に前記断接装置と直列に配設されたダンパと、
    を備えており、前記回転機により前記断接装置を介して前記エンジンをクランキングして始動するハイブリッド車両のエンジン始動制御装置において、
    前記駆動輪に対して相対回転可能とされた前記回転機を回転駆動するとともに前記断接装置をスリップ係合させることにより、該スリップ係合時における前記ダンパに起因する共振回転速度よりも低く、且つ該断接装置を完全係合させた時の該ダンパに起因する共振回転速度よりも高い回転速度範囲で設定された始動回転速度まで前記エンジンの回転速度を上昇させるクランキング手段と、
    前記始動回転速度で前記断接装置を完全係合させるとともに前記エンジンを自力回転させる始動手段と、
    を有することを特徴とするハイブリッド車両のエンジン始動制御装置。
  2. 前記クランキング手段は、前記回転機の回転速度を上昇させるとともに、前記断接装置のスリップ量が予め定められた目標スリップ量となるように該断接装置の係合トルクを制御し、該回転機の回転速度の上昇に追従させて前記エンジンの回転速度を上昇させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両のエンジン始動制御装置。
  3. 前記クランキング手段は、前記断接装置の温度が高い場合には低い場合に比較して該断接装置のスリップ量が小さくなるように該断接装置の係合トルクを制御する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車両のエンジン始動制御装置。
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