JP5998746B2 - エンジンの燃焼室構造 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮自己着火を行うようにしたエンジンの燃焼室構造に関するものである。
ガソリンあるいはガソリンを主成分とする燃料を用いるエンジンにあっては、点火プラグにより着火を行う火花点火式とするのが一般的である。一方、最近では、燃費の大幅な向上等の観点から、エンジンの幾何学的圧縮比を15以上の高圧縮比として、ガソリンあるいはガソリンを主成分とする燃料を用いつつ、圧縮自己着火(予混合圧縮自己着火)を行うことが考えられている。
特許文献1には、圧縮自己着火エンジンではないが、幾何学的圧縮比を13以上の高圧縮比とした火花点火式のエンジンが開示されている。この特許文献1では、ペントルーフ型の燃焼室形状とし、吸気弁の往復直線運動方向と平行であり、かつ吸気弁のヘッド部(カサ部)を通過する互いに平行な複数の仮想切断面における燃焼室の各断面積Si1とし、上記ヘッド部とバルブシートとの間の有効開口面積(カーテンエリア面積)をSi2としたとき、吸気弁と排気弁とが開弁されるバルブオーバラップ期間の中央時点において、いずれの仮想切断面でもSi1≧Si2として、ヘッド部回りからの吸気がヘッド部下面をスムーズに通過できるようにして、掃気性および充填効率を向上させるものが開示されている。
特許文献2には、ピストン冠面にバルブリセスを形成すると共に、このバルブリセスのの段差によって吸気弁側から排気弁側へ向けての吸気ガスの流れを阻害しないように、バルブリセスの排気弁側の内壁面を100度以上の鈍角に形成することが開示されている。
特開2009ー162154号公報 特開2000−18041号公報
ところで、圧縮自己着火を行うためには筒内で均一に混合気を拡散させるために、燃料噴射弁を筒内の中央に配置して、筒内全体に均一に燃料噴射させる方が好ましい。また、筒内に噴射された燃料噴霧を均一に拡散させるためには、ピストン冠面を基本的にシリンダ軸線と直交する方向に伸びる平坦面とする一方、これに対応したシリンダヘッド下面も平坦面となるフラット型燃焼室とすることも考えられている(フラット型燃焼室を構成)。
上述のように、幾何学的圧縮比を極めて大きくした場合、ピストン上死点位置およびその付近において、シリンダヘッド下面とピストン頂面との間の隙間が極めて小さくなって、吸気弁と排気弁とが共に開弁するオーバラップ期間中での掃気性が極めて悪くなる。とりわけ、吸気は、吸気弁側から排気弁側へ向けて流れやすい一方、その分キャビティ内へ十分な吸気を供給することができず、キャビティ内の掃気が不十分となりやすいことになる。キャビティ内の掃気が十分に行われないと、充填効率の低下となって、出力低下の大きな原因となってしまう。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、幾何学的圧縮比が15以上の高圧縮エンジンにおいて、ピストン頂面の中央部に形成されたキャビティ内を十分に掃気できるようにしたエンジンの燃焼室構造を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては、基本的に、ピストン冠面に形成された吸気弁用のバルブリセスの燃焼室への開口端位置を、吸気ポートの燃焼室への開口端位置との関係で所定関係に設定することにより、吸気が排気弁側へ向けて流れにくくなるようにしてある。具体的には、本発明にあっては、次のようなの解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
幾何学的圧縮比が15以上とされ、少なくとも低負荷域において圧縮自己着火が行われるエンジンの燃焼室構造であって、
ピストン冠面の中央部にキャビティが形成され、
シリンダ軸線方向から見たとき、吸気弁のカサ部の一部が前記キャビティとオーバラップされており、
ピストン冠面に、前記カサ部とピストンとの干渉を防止するバルブリセスが前記キャビティに連なるように形成され、
前記バルブリセスの燃焼室への開口端のうち排気弁に近い側をリセス側開口端とし、吸気ポートの燃焼室への開口端のうち排気弁に近い側をポート側開口端としたとき、前記リセス側開口端位置が、吸気ポートのスロート部を前記ポート側開口端位置を通って圧縮上死点にあるピストン冠面まで延長させたときの延長位置と同じ位置か該延長位置よりも排気弁に近い側の位置となるように設定され、
前記リセス側開口端は、排気弁に隣接した部分のみが、前記延長位置と同じ位置か該延長位置よりも排気弁に近い側の位置となるように設定されている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、吸気弁の周縁部を通って燃焼室内に供給される吸気のうち排気弁に近い側から導入される吸気は、バルブリセスのうち排気弁に近い側の段差面に衝突して、吸気弁の下方空間(に形成されている燃焼室)へと向かう流れが積極的に発生されて、その後キャビティへと導入されることなり、キャビティの掃気性を向上させることができる。
また、前記リセス側開口端位置が、吸気ポートのスロート部を前記ポート側開口端位置を通って圧縮上死点にあるピストン冠面まで延長させたときの延長位置と同じ位置か該延長位置よりも排気弁に近い側の位置となるように設定されていることから、吸気弁の周縁部から導入される吸気が、バルブリセスの上記段差面に衝突される割合をより高めて、請求項1に対応した効果をより十分に発揮させる上で好ましいものとなる。
さらに、前記リセス側開口端は、排気弁に隣接した部分のみが、前記延長位置と同じ位置か該延長位置よりも排気弁に近い側の位置となるように設定されていることから、、バルブリセスを不必要に大きくすることを抑制して、高圧縮比確保等の上で好ましいものとなる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記バルブリセスのうち前記リセス側開口端側における段差面が、該バルブリセスの底面に向かうほど吸気弁に近づくような形状とされている、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、排気弁の近く側から燃焼室へ導入される吸気は、段差面で吸気弁の下方に向けてより導入されやすいものとなる。
ピストン冠面は、前記キャビティおよびバルブリセスを除いた殆どの部分がシリンダ軸線と直交する方向に伸びる平坦面とされ、
シリンダヘッド下面のうち前記ピストン冠面の前記平坦面に対向する部分が、シリンダ軸線と直交する方向に伸びる平坦面とされている、
ようにしてある(請求項対応)。この場合、大きな面積範囲での平坦面を確保して、均一なスキッシュ流を確保して均一な燃焼を確保する上で好ましいものとなる。
1つの気筒に対して、クランク軸を挟んで一方側の領域においてクランク軸方向に間隔をあけて2つの吸気弁が設けられる一方、
クランク軸を挟んで他方側の領域においてクランク軸方向に間隔をあけて2つの排気弁が設けられ、
前記2つの吸気弁の間および前記2つの排気弁の間にそれぞれ、点火プラグが配設されている、
ようにしてある(請求項対応)。この場合、吸排気効率向上と、点火プラグを利用した着火を行うときの急速燃焼確保等の上で好ましいものとなる。
前記2つの吸気弁の間および前記2つの排気弁の間にそれぞれ、前記点火プラグが配設されると共に前記キャビティに連なる凹部が形成されている、ようにしてある(請求項対応)。この場合、凹部形成によって点火プラグの配設スペースを確保しつつ、吸気が凹部を通してキャビティに導入されやすくして、キャビティのさらなる掃気性向上の上でも好ましいものとなる。
本発明によれば、圧縮自己着火を行う高圧縮比エンジンにおいて、キャビティ内の掃気を十分に行って、充填効率向上等の上で好ましいものとなる。
本発明の第1の実施形態を示すもので、1つの気筒をシリンダ軸線方向の上方からみた簡略平面図。 第1の実施形態で用いられるピストンの一例を示す平面図。 図2のピストンの斜視図。 図1のX4−X4線相当断面図。 図1のX5−X5線相当断面図。 吸・排気弁のオーバラップ期間の設定例を示す特性図。 図1のX7−X7線相当断面図。 図7の要部拡大断面図。 第2の実施形態を示すもので、図8に対応した断面図。 第3の実施形態を示すもので、図8に対応した断面図。 第4の実施形態を示すもので、図7に対応した断面図。 第5の実施形態を示すもので、図1のX12−X12線相当断面図。
図1は、本発明が適用されたエンジンの燃焼室構造について、シリンダ軸線方向から見たときの吸・排気弁等の配置関係を示す簡略平面図である。この図1において、符合Xは紙面直角方向に伸びるシリンダ軸線を示し、符合Kは、紙面上下方向に伸びるクランク軸線を示す。
1つの気筒(シリンダ)には、クランク軸線Kを挟んで一方側(図中左方側)の領域において、2つの吸気弁1A、1Bが配設されている。2つの吸気弁1Aと1Bとは、クランク軸線K方向に並んで配設されている。なお、以下の説明で2つの吸気弁1Aと1Bとを区別する必要のないときは、吸気弁1として示すこともある。
1つの気筒(シリンダ)には、クランク軸線Kを挟んで他方側の領域において、2つの排気弁2A、2Bが配設されている。2つの排気弁2Aと2Bとは、クランク軸線K方向に並んで配設されている。なお、以下の説明で2つの排気弁2Aと2Bとを区別する必要のないときは、排気弁2として示すこともある。図1において、吸気弁1により開閉される吸気ポートが符合5で示され(図9をも参照)、排気弁2により開閉される排気ポートが符合6で示される。
シリンダ軸線X上において、1つの燃料噴射弁3が配設されている。また、2つの吸気弁1Aと1Bとの間には、第1点火プラグが4Aが配設され、2つの排気弁2Aと2Bとの間には第2点火プラグ4Bが配設されている。なお、以下の説明で2つの点火プラグ4Aと4Bとを区別する必要のないときは、点火プラグ4として示すこともある。
図2、図3は、ピストン10を示すものである。ピストン10の冠面の中央部には、キャビティ11が形成されている。キャビティ11は、シリンダ軸線X方向から見たとき円形とされており、その中央部には、山形の突起部11aが形成されている。
ピストン1の冠面には、点火プラグ4A、4Bに対応する位置において、キャビティ11に連なる凹部12A、12Bが形成されている。図5に示すように、キャビティ11の突起部11aの真上に燃料噴射弁3が位置され、凹部12A内に第1点火プラグ4A(の着火部)が位置され、凹部12B内に第2点火プラグ4B(の着火部)が位置される。図4から明かなように、凹部12A、12Bの底面は、キャビティ11の底面と滑らかに連なるように形成されている。
ピストン10の冠面(つまり頂面)は、キャビティ11、凹部12A、12Bおよび後述するバルブリセス部分を除いた部分が、シリンダ軸線Xと直交する方向に伸びる平坦面とされており、同一高さとなる平坦面部分を符合10aで示してある。
吸気弁1,排気弁2は、その一部が、シリンダ軸線方向Xから見たときに、前記キャビティ11とオーバラップするように位置設定されている。なお、実施形態では、エンジンは自動車用エンジンとされているが、これに限定されるものではない。また、実施形態では、図1に示すような気筒がクランク軸線K方向に複数設けられた多気筒エンジンとされているが、気筒数は適宜選択できるものであり、さらに直列多気筒エンジンに限らずV型多気筒エンジン等、適宜の形式のエンジンに適用できるものである。
幾何学的圧縮比は、15以上、より具体的には実施形態では18というように、極めて高圧縮比に設定されている。燃料は、通常の火花点火式エンジンと同じようにガソリンあるいはガソリンを主成分とする燃料が用いられるようになっている。図4、図5に示すように、シリンダヘッド30の下面のうち、ピストン10の平坦面10aに対向する面は、シリンダ軸線Xと直交する方向に伸びる平坦面とされており、これにより、幾何学的な高圧縮比が確保されると共に、スキッシュ流が十分に得られるような設定とされている。そして、ピストン10が上死点位置にあるときの燃焼室容積は、キャビティ11によって確保されるようになっている。
吸気弁1と排気弁2は、掃気のために、共に開弁状態とされるオーバラップ期間を有する。図6は、このオーバラップ期間の設定例を示してあり、図中Tがオーバラップ期間であり、Tcがオーバラップ期間の中間位置であり、ピストン上死点位置は、中間位置Tcよりも進角側に設定されている。
以上のようなエンジンは、少なくとも低負荷域では圧縮自己着火が行われる(より具体的にはHCCIと呼ばれる予混合圧縮自己着火で、HCCI=Homogenneous−Charge Compression−Ignition)。圧縮自己着火が行われる低負荷域(エンジン回転数が増大するのに伴って相対的に圧縮自己着火が実行される負荷域がより低負荷側とされる)では、圧縮上死点よりも十分前に燃料噴射弁3から燃料噴射が実行され、ピストンが圧縮上死点付近になった時点で、自己着火される(急速燃焼となる)。圧縮自己着火を実行するときの空燃比は、Gを新規空気とEGRガスの合計ガス量とし、Fを燃料量としたとき、G/F(重量比)が20以上のリーンとされる。
中負荷域から高負荷域にかけては、圧縮上死点直前に燃料噴射弁3から燃料噴射されて、2つの点火プラグ2による火花点火による着火が行われる。この火花点火を行うときの空燃比は、圧縮自己着火を行うときの空燃比よりも十分にリッチとされる(ただし理論空燃比またはそれ以下のリーン空燃比)。
図2、図3に示すように、ピストン10の冠面には、合計4つのバルブリセス15A、15B、16A、16Bが形成されている。バルブリセス15Aは吸気弁1Aに対応しており、バルブリセス15Bは吸気弁1Bに対応している。また、バルブリセス16Aは排気弁2Aに対応しており、バルブリセス16Bは排気弁2Bに対応している。なお、各バルブリセス15A、15B、16A、16Bの深さは均一で、例えば1mm程度と浅くされている。
次に、吸気弁1Aと排気弁2Aとの間の構成について、図7を参照しつつ説明する。まず、吸気弁1Aのカサ部(ヘッド部)が符合1aで示され、弁軸が符合1bで示される。また、排気弁2Aのカサ部が符合2aで示され、弁軸が符合2bで示される。各弁軸1b、2bはそれぞれ、シリンダ軸線Xと平行に伸びている。吸気弁1Aのカサ部1aによって吸気ポート5が開閉され、排気弁2Aのカサ部2bによって排気ポート6が開閉される。
ピストン10が圧縮上死点にあるとき、上記カサ部1aと2aとの間に位置するピストン冠面の平坦面10aに対してシリンダヘッド30の下面が接近している(実施形態ではその隙間が例えば約0.7mm程度と極めて小さくされている)。
図8は、図7のうち、吸気弁1Aのカサ部1aと平坦面10aとの部分を拡大して示すものである。この図8において、吸気弁1A用のバルブリセス15Aのうち、排気弁2Aにもっとも近い側の燃焼室への開口端位置(上端位置)が、リセス側開口端位置40として示される。また、吸気ポート5の燃焼室への開口端のうち、排気弁2Aにもっとも近い側の開口端位置がポート側開口端位置41として示される。さらに、吸気ポート5のスロート部について、上記ポート側開口端位置41を通る延長線が符合Wで示される。
図8から明かなように、リセス側開口端位置40は、ポート側開口端位置41よりも排気弁2Aに近い側に位置設定されている。また、実施形態では、リセス側開口端位置40は、延長線Wよりも排気弁2Aに近い側に位置設定されている。これにより、吸気弁1Aの周縁部のうち排気弁2Aに近い側から燃焼室へ導入される吸気の多くが、バルブリセス15Aと平坦面10aとの間となる段差面42に衝突されることになる。そして、段差面42に衝突された吸気の多くは、白抜き矢印で示すように、吸気弁1Aの下方へと向きを変更されて、吸気弁1Aの下方を通ってキャビティ11内へ導入されることになる(キャビティ11の掃気性向上)。
段差面42に向けて導入された吸気のうち、平坦面10aの上方空間を通って排気弁2A側へと流れるのはわずかである。仮に、リセス側開口端位置40が、ポート側開口端位置41よりも吸気弁1A側に位置されていると、排気弁2A側に近い部分から燃焼室へ導入される吸気の多くが、平坦面10aに衝突されるようになり、この平坦面10a上を伝わって排気弁2A側へとながれやすくなってしまうことになる。
ここで、図1を参照しつつ、前記段差面42を利用したキャビティ11への吸気導入の点についてより詳細に説明する。 まず、吸気弁1Aにおけるカサ部1aの中心を通って、クランク軸線Kと直交する方向をX軸、クランク軸線Xと平行に伸びる方向をY軸とする。このX軸とY軸とで分割される4つの領域のうち、シリンダ軸線Xからもっとも離れた位置にある領域Aを第3象限とする。そして、第3象限となる領域Aから時計回りに順次、第2象限となる領域C、第1象限となる領域D、第4象限となる領域Bを想定する。
カサ部1aのうち排気弁2Aに近い領域となる領域Bの周縁部から燃焼室内に導入される吸気が、従来においては矢印βで示すように排気弁2A側に向けて流れやすいものとなっていた。本発明では、排気弁2A側に向かっていた吸気の多くを、段差面42を利用して吸気弁1Aの下方空間に導入させて、矢印αで示すようにキャビティ11内に向けて流すことになり、キャビティ11の掃気性が向上されることになる。なお、以上のことは、他方の吸気弁1Bについても同様である。
図9は、本発明の第2の実施形態を示すものであり、前記実施形態と同一構成要素には同一符合を付してその重複した説明は省略する(このことは、以下の第3の実施形態以下についても同じ)。本実施形態では、段差面42B(図8の42に対応)を、バルブリセス15Aの底面に向かうほど吸気弁1A側に近づくように直線的に傾斜させてある(実施形態では略45度の傾斜設定)。これにより、排気弁2Aの近く側から燃焼室へ導入される吸気は、段差面42Bで吸気弁1Aの下方に向けてより導入されやすいものとなる。
図10は、本発明の第3の実施形態を示すものである。本実施形態は、図9の実施形態における直線状の段差面42Bに代えて、吸気弁1A側に向けて凹となるように円弧状に湾曲された凹状の段差面42Cとしてある。これにより、排気弁2Aの近く側から燃焼室へ導入される吸気は、段差面42Cで吸気弁1Aの下方に向けてさらにより一層導入されやすいものとなる。
図11は、本発明の第4の実施形態を示すものである。本実施形態では、吸気弁1A(1Bについても同様である)の軸線つまり弁軸1bを、シリンダ軸線Xに対してわずかに傾斜させるようにしてある。傾斜方向は、カサ部1aから離れるほぼ(図11上方に向かうほど)シリンダ軸線Xから離間する方向となる。このような設定によって、吸気弁1Aのカサ部1aは、バルブリセス15Aの底面に対する隙間が、キャビティ11に向かうほど大きくなるようにされる。これにより、特に、図1の領域Aや領域Bにおいてカサ部1a下方に導入された吸気がキャビティ11へ向けて流れやすくなり、キャビティ11の掃気性向上の上でさらに一層好ましいものとなる。
図12は、本発明の第5の実施形態を示すものである。本実施形態では、その断面が、図1のX12−X12線相当断面図となっており、図12で示される平坦面10aは、他方の吸気弁1Bとの境界に存在するものとなっている。そして、バルブリセス15Aと平坦面10aとの境界に位置する部分において、リセス側開口端位置が符合50で示され、ポート側開口端位置が符合51で示され、バルブリセス15Aの段差面が符合52で示され、ポート側開口端位置51を通るスロート部の延長線が符合W2で示される。
本実施形態では、リセス側開口端位置50が、ポート側開口端位置51や延長線W2よりも吸気弁1Aに近い側となるように設定されている。これにより、ポート側開口端位置51側より燃焼室内に導入された吸気は、段差面52ではなくて平坦面10aに衝突する割合が多くなり、そのまま平坦面10a上を伝わって、他方の吸気弁1B側への流れが助長されることになる。つまり、図1において、領域Cや領域Dの周縁部から燃焼室へ導入される吸気が、他方の吸気弁1Bとの間にある凹部12Aに向けて流れやすくなり、この凹部12Aを介してキャビティ11へ吸気が導入されやすくなる(キャビティ11の掃気性さらなる向上)。
なお、ポート側開口端位置50の位置は、図12において、少なくとも延長線W2よりも吸気弁1Aに近い側、より好ましくは図12に示すようにポート側開口端位置51よりも吸気弁1Aに近い側とするのが好ましいものである。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。1つの気筒について吸気弁1を1つのみ設けるようにしてもよく、同様に排気弁2を1つのみ設けるようにしてもよい(吸・排気弁の数は適宜選択できる)。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものでありる。
本発明は、例えば自動車用エンジンとして好適である。
X:シリンダ軸線
X1:仮想線(シリンダ軸線と平行な線)
K:クランク軸線
α:吸気の流れ(領域Bから吸気弁下方を通ってキャビティに向かう流れ)
β:吸気の流れ(領域Bから排気弁に向かう流れ)
W:延長線(ポート側開口端位置を通るスロート部の延長線)
A:領域(第3象限)
B:領域(第4象限)
C:領域(第2象限)
D:領域(第1象限)
1(1A、1B):吸気弁
1a:カサ部
1b:弁軸
2(2A、2B):排気弁
2a:カサ部
2b:弁軸
3:燃料噴射弁
4A、4B:点火プラグ
5:吸気ポート
6:排気ポート
10:ピストン
10a:平坦面
11:キャビティ
11a:突起部
12A、12B:凹部(点火プラグ配設用)
15A、15B:バルブリセス(吸気弁用)
16A、16B:バルブリセス(排気弁用)
40:リセス側開口端位置
41:ポート側開口端位置
42、42B、42C:段差面

Claims (5)

  1. 幾何学的圧縮比が15以上とされ、少なくとも低負荷域において圧縮自己着火が行われるエンジンの燃焼室構造であって、
    ピストン冠面の中央部にキャビティが形成され、
    シリンダ軸線方向から見たとき、吸気弁のカサ部の一部が前記キャビティとオーバラップされており、
    ピストン冠面に、前記カサ部とピストンとの干渉を防止するバルブリセスが前記キャビティに連なるように形成され、
    前記バルブリセスの燃焼室への開口端のうち排気弁に近い側をリセス側開口端とし、吸気ポートの燃焼室への開口端のうち排気弁に近い側をポート側開口端としたとき、前記リセス側開口端位置が、吸気ポートのスロート部を前記ポート側開口端位置を通って圧縮上死点にあるピストン冠面まで延長させたときの延長位置と同じ位置か該延長位置よりも排気弁に近い側の位置となるように設定され、
    前記リセス側開口端は、排気弁に隣接した部分のみが、前記延長位置と同じ位置か該延長位置よりも排気弁に近い側の位置となるように設定されている、
    ことを特徴とするエンジンの燃焼室構造。
  2. 請求項1において、
    前記バルブリセスのうち前記リセス側開口端側における段差面が、該バルブリセスの底面に向かうほど吸気弁に近づくような形状とされている、ことを特徴とするエンジンの燃焼室構造。
  3. 請求項1または請求項2において、
    ピストン冠面は、前記キャビティおよびバルブリセスを除いた殆どの部分がシリンダ軸線と直交する方向に伸びる平坦面とされ、
    シリンダヘッド下面のうち前記ピストン冠面の前記平坦面に対向する部分が、シリンダ軸線と直交する方向に伸びる平坦面とされている、
    ことを特徴とするエンジンの燃焼室構造。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれか1項において、
    1つの気筒に対して、クランク軸を挟んで一方側の領域においてクランク軸方向に間隔をあけて2つの吸気弁が設けられる一方、
    クランク軸を挟んで他方側の領域においてクランク軸方向に間隔をあけて2つの排気弁が設けられ、
    前記2つの吸気弁の間および前記2つの排気弁の間にそれぞれ、点火プラグが配設されている、
    ことを特徴とするエンジンの燃焼室構造。
  5. 請求項において、
    前記2つの吸気弁の間および前記2つの排気弁の間にそれぞれ、前記点火プラグが配設されると共に前記キャビティに連なる凹部が形成されている、ことを特徴とするエンジンの燃焼室構造。




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