JP3596320B2 - 筒内噴射式火花点火機関のピストン - Google Patents

筒内噴射式火花点火機関のピストン Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は筒内噴射式火花点火機関のピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の筒内噴射式火花点火機関のピストンにおいては、例えば特開平8−312354号公報に示されるように、その冠面に凹状でかつ周縁部が隆起して稜線をなすキャビティ(凹状燃焼室)を形成し、圧縮行程にてこのキャビティに向けて燃料を噴射することにより、点火栓周りに集中的に層状の混合気を形成して成層燃焼を行うようにしている。
【0003】
また、機関運転条件により、吸気行程にて燃料を噴射することにより、燃焼室全体に燃料を拡散させ均質の混合気を形成して均質燃焼を行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の筒内噴射式火花点火機関のピストンにおいては、キャビティを囲む稜線の外周側、特にピストン冠面の中心より吸気バルブ側にオフセットして設けられているキャビティの左右(シリンダ列方向)の稜線の外周側に平坦部を設け、この平坦部の外側に傾斜面を設けていたため(前記公報の図7,図11等参照)、この平坦部の部分が燃焼室全体から見ると、キャビティ内と外との間に位置する凸壁となり、吸気行程噴射による均質燃焼を行う場合に燃焼性能を悪化させてしまう。
【0005】
即ち、均質燃焼を行う場合に前記平坦な凸壁が燃焼火炎の伝播を阻害して凸壁と燃焼室周側との間への火炎伝播が良好に行われなくなって燃焼性能の悪化をもたらしてしまう。
【0006】
特に、燃費向上のため凸壁の外側の傾斜面の傾斜角を立てて(傾斜勾配を大きくして)、ピストン側の容積を大きくして高圧縮比化を図る場合、該傾斜面の傾斜角が立ち上がることにより前記凸部の幅が拡大されることと、該凸部と燃焼室周側との間の空間が狭められてしまうために益々火炎伝播が阻害されてしまう。また、この他、前記凸壁により、▲1▼キャビティ内に燃料噴霧が留まってしまうため混合気が偏在して均質混合気を形成できない。▲2▼筒内ガス流動が阻害されるため燃料噴霧が気化せず、混合気の均質化が不十分となる。▲3▼燃焼中、キャビティ内と外との空間不連続により、キャビティ外側が良好に燃焼しない。等の不具合を生じてしまう。
【0007】
そこで、本発明はピストンの冠面構造を最適にすることによって、キャビティによる成層燃焼を悪化させることなく均質燃焼性能を改善することができる筒内噴射式火花点火機関のピストンを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にあっては、ピストン冠面に凹状でかつ周縁部が隆起して稜線をなすキャビティを有し、該稜線の外周側にピストン冠面の外周縁に向かって低くなる円錐面からなる傾斜面を形成した構造であって、かつ、該傾斜面を前記キャビティの外縁部からピストン冠面の外周縁に向かう第1の傾斜面と、ピストン冠面の外周縁近傍で該第1の傾斜面とピストン冠面の最外周縁部の平坦な基準平面とをつなげる第2の傾斜面とで、2段の角度で形成したことを特徴としている。
【0009】
請求項2の発明にあっては、請求項1に記載の第1の傾斜面の水平面に対する角度θを、10〜60°の範囲に設定したことを特徴としている。
【0010】
請求項3の発明にあっては、請求項1,2に記載のピストン冠面の最外周縁部の平坦な基準平面からの、前記第2の傾斜面の高さhを、2mm以下に設定したことを特徴としている。
【0011】
請求項4の発明にあっては、請求項1〜3に記載のピストン冠面の最外周縁部の平坦な基準平面の幅Wを、3mm以上に設定したことを特徴としている。
【0012】
請求項5の発明にあっては、請求項1〜4に記載のピストン冠面の最外周縁部の平坦な基準平面からの、前記キャビティの底面平坦部の深さAを、3〜9mmの範囲に設定したことを特徴としている。
【0013】
請求項6の発明にあっては、請求項1〜5に記載のピストン冠面の最外周縁部の平坦な基準平面からの、前記キャビティの底面平坦部の深さをA、前記基準平面からの、前記稜線の最上部の高さをHとしたとき、これらの合計値B=A+Hを、10〜20mmの範囲に設定したことを特徴としている。
【0014】
請求項7の発明にあっては、請求項6に記載のH/Aを、1.0〜2.0の範囲に設定したことを特徴としている。
【0015】
請求項8の発明にあっては、請求項1〜7に記載のピストン冠面の最外周縁部の平坦な基準平面からの、前記キャビティの底面平坦部の深さをA、前記基準平面からの、前記稜線の最上部の高さをHとして、これらの合計値B=A+Hとし、また、ピストンストロークをSとしたとき、B/Sを0.25以下に設定したことを特徴としている。
【0016】
請求項9の発明にあっては、請求項1〜8に記載のキャビティ内の隅部のアールRを、5〜20mmの範囲に設定たことを特徴としている。
【0017】
請求項10の発明にあっては、請求項1〜9に記載のキャビティは、その中心をピストン冠面の中心に対して吸気バルブ側にオフセットして形成され、吸気バルブ側からキャビティ内を指向するように燃料噴射弁が配置されると共に、キャビティ内のピストン中心側の周縁部の上方に点火栓が配置されることを特徴としている。
【0018】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、キャビティ周縁部の稜線の外周側に設けられた円錐面からなる傾斜面を、キャビティの外縁部からピストン冠面の外周縁に向かう第1の傾斜面と、ピストン冠面の外周縁近傍で該第1の傾斜面とピストン冠面の最外周縁部の平坦な基準平面とをつなげる第2の傾斜面とで2段の角度で形成してあるため、燃費向上のためピストン側の容積を大きくして高圧縮比化を図る場合、第2の傾斜面の立ち上がりによって第1の傾斜面を緩傾斜とさせて前記稜線につなげることができ、従って、該稜線の外側に平坦部分が生じるのを回避することができて、均質燃焼時の火炎伝播の阻害要因を生じることがないことと併せて、キャビティ内と外との間でのガス流動を確保できて燃費の向上と良好な燃焼性の保持との両立を図ることができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、第1の傾斜面の傾斜角度を、均質燃焼時の軸トルクと成層燃焼時の燃費とを勘案した最適値に設定してあるため、均質燃焼時の出力の向上と成層燃焼時の燃費の向上とを図ることができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1,2の発明の効果に加えて、第2の傾斜面の高さhを、該第2の傾斜面と燃焼室周面との間にクウエンチ領域が生じない最適値に設定してあるため、均質燃焼性をより一層向上することができる。請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の発明の効果に加えて、ピストン冠面の最外周縁部の平坦な基準平面の幅Wを最適値に設定してあるため、第2の傾斜面と燃焼室周面との間にクウエンチ領域が生じることがなく、均質燃焼性能を向上できると共に、ピストンの加工性およびシリンダブロックへの組付け性を向上することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の発明の効果に加えて、キャビティの底面平坦部の深さAを最適値に設定してあるので、成層燃焼性能を確保しつつ、均質燃焼性能を良好にすることができる。即ち、キャビティにより成層燃焼性能を確保する一方、ピストンの凹凸を必要最小限として、均質燃焼時に、▲1▼キャビティ内の燃料の留まり防止、▲2▼筒内ガス流動の減衰防止、▲3▼キャビティ内外の空間不連続によるキャビティ外燃焼の悪化防止、の効果を得ることができる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5の発明の効果に加えて、キャビティの底面平坦部の深さAと稜線の最上部の高さHとの合計値B=A+Hを最適値に設定してあるため、成層燃焼性能を確保しつつ、均質燃焼性能を良好にすることができる。即ち、キャビティにより成層燃焼性能を確保する一方、ピストンの凹凸を必要最小限として、均質燃焼時に前記▲1▼〜▲3▼の効果を得ることができ、更に、ピストンコンプレッションハイト(ピストンピン中心からピストン最上部までの高さ)を短縮できて、ピストンの軽量化と、ピストンの首振り防止による音振性能の向上とを図ることができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、請求項6の発明の効果に加えて、H/Aを最適値に設定してあるので、前記効果をより向上させることができる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、請求項1〜7の発明の効果に加えて、ピストンストロークSに対する、キャビティの底面平坦部の深さAと稜線の最上部の高さHとの合計値B=A+Hを、均質燃焼時の軸トルクと成層燃焼時の燃費とを勘案した最適値に設定してあるため、均質燃焼時の出力の向上と成層燃焼時の燃費の向上とをより効果的に行うことができる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、請求項1〜8の発明の効果に加えて、キャビティ内の隅部のアールRを最適値に設定してあるので、成層燃焼時にキャビティ内の燃料を点火栓側へ指向させて確実に輸送させることができて、成層燃焼性能を更に向上することができる。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、請求項1〜9の発明の効果に加えて、キャビティの位置をオフセットして、燃料噴射弁および点火栓との位置関係を最適化することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0028】
図1〜4において、ピストン1の冠面は最外周縁部に環状の平坦な基準平面2を残して、傾斜面3により円錘状に隆起させ、その隆起させた部分に、ピストン1の冠面の中心PCに対して図外の吸気バルブ側にオフセットした位置CCを中心にして、凹状(皿状)のキャビティ4を形成してある。4aはキャビティ4の底面平坦部である。
【0029】
換言すれば、キャビティ4を囲む稜線5の外周側に、ピストン1の冠面の外周縁に向かって低くなる円錘面からなる傾斜面3を形成してある。
【0030】
この傾斜面3は前記キャビティ4の外縁部(本実施形態では前記稜線5)からピストン1の冠面の外周縁に向かう第1の傾斜面3Aと、ピストン1の冠面の外周縁近傍で該第1の傾斜面3Aと前記基準平面2とをつなげる第2の傾斜面3Bとで、2段の角度で形成してある。
【0031】
本実施形態ではキャビティ4のピストン中心側の周縁部の稜線5の外周側には、前記第1の傾斜面3Aよりも緩傾斜の緩傾斜面6を設けて、ピストン1の最高部の高さを抑えてある。
【0032】
キャビティ4と燃料噴射弁および点火栓との位置関係は、図5に示すようにシリンダヘッド10に吸気バルブ11側の燃焼室周側からキャビティ4内を指向するように燃料噴射弁12を配置すると共に、キャビティ4内のピストン中心側の周縁部の上方に点火栓13を配置してある。
【0033】
この例では図示は省略したが、稜線5の一部を切り欠いて、吸気バルブ11又は排気バルブ14を逃げるバルブリセスを設けて、バルブリフト,バルブタイミングの要求に応えるようにしてもよい。
【0034】
以上のようにキャビティ4の周縁部の稜線5の外周側に設けられた円錐面からなる傾斜面3を、キャビティ4の外縁部からピストン1の冠面の外周縁に向かう第1の傾斜面3Aと、ピストン1の冠面の外周縁近傍で該第1の傾斜面3Aとピストン1の冠面の最外周縁部の平坦な基準平面2とをつなげる第2の傾斜面3Bとで2段の角度で形成してあるため、燃費向上のためピストン側の容積を大きくして高圧縮比化を図る場合、第2の傾斜面3Bの立ち上がりによって第1の傾斜面3Aを緩傾斜とさせて稜線5につなげることができ、該稜線5の外側に平坦部分が生じるのを回避できて、均質燃焼時の火炎伝播の阻害要因をなくすことができることと併せて、キャビティ4内と外との間でのガス流動を確保できて燃費の向上と良好な燃焼性の保持との両立を図ることができる。
【0035】
これは、例えば図4の仮想線で示すように傾斜面3を1つの円錐面で形成した場合、前記高圧縮比化のため同じピストン冠面高さの下で傾斜面3を基準平面2から立ち上がらせて傾斜勾配を大きくし、ピストン側の容積を大きくしようとすると稜線5の外側に平坦部分F・Sが不可避的に生じ、均質燃焼時に燃焼火炎がこの平坦部分で消勢されてピストン冠面周縁部分にクウエンチ領域が生じ、燃焼の不安定化および排気性状の悪化をもたらしてしまい、特に前記従来のようにもともと稜線5の外側に平坦部分F・Sを設けたものでは傾斜面3の勾配拡大により該平坦部分F・Sの幅が大きくなって均質燃焼の不安定化が助長されてしまうことになる。
【0036】
ここで、前記第1の傾斜面3Aの水平面(基準平面2と平行)に対する角度θは、10〜60°の範囲、望ましくは15〜45°の範囲に設定する。
【0037】
図6は横軸を傾斜面角度θとして、縦軸に均質燃焼時の軸トルク(実線示)および成層燃焼時の燃費(点線示)をとったグラフであり、θ=10〜60°の範囲で、均質燃焼時の軸トルクと成層燃焼時の燃費とを両立できることを示している。
【0038】
但し、傾斜面角度θが大きくなるとピストン高さが高くなるので、同じ燃焼性能であればS/V比、即ち冠面表面積の観点からも前記範囲内でできるだけθを小さく設定するのが好ましく、また、後述するキャビティ4の深さ等の最適化をも考慮して前記範囲内で設定する。
【0039】
前記第2の傾斜面3Bの基準平面2からの高さhは、均質燃焼時に該第2の傾斜面3B付近にクウエンチ領域を生じさせないためには該高さhを2mm以下に設定する。
【0040】
また、基準平面2の幅Wは、同様に第2の傾斜面3B付近にクウエンチ領域を生じさせないためには該幅Wを3mm以上に設定する。
【0041】
図7は横軸を基準平面2の幅Wとして、縦軸に均質燃焼時の未燃HC発生量をとったグラフであり、基準平面2の幅Wを3mm以上とすることで未燃HCの発生量を低減できることを示している。
【0042】
従って、この基準平面2の幅Wは、前記第1の傾斜面3Aの傾斜角度θと、第2の傾斜面3Bの高さhの設定の下で3mm以上にできるだけ大きな幅に設定することが望ましい。
【0043】
また、このように基準平面2の幅Wを3mm以上に大きく設定することにより、ピストン1の加工性を向上できると共に、該基準平面2に図外の治具を係合してピストン1をシリンダブロックに組付ける際にも治具による保持性が良好となって自動組付けが容易となり、組付作業性の改善にもつながる。
【0044】
一方、ピストン冠面の最外周縁部の平坦な基準平面2からの、キャビティ4の底面平坦部4aの深さAは、3〜9mmに設定する。
【0045】
図8は横軸を深さAとして、縦軸に均質燃焼時の軸トルクおよび成層燃焼時の燃費をとったグラフであり、A=3〜9mmの範囲で均質燃焼時の軸トルクと成層燃焼時の燃費とを両立できることを示している。
【0046】
即ち、深さAを大きくすれば成層燃焼時にキャビティ4内の燃料保持性を向上させて成層混合気を形成し易くなり成層燃焼性能が向上するが、均質燃焼時にキャビティ4内外の空間不連続により燃焼室全体に均質混合気を形成し難くなるので、これらを両立させる範囲とするのである。
【0047】
また、ピストン冠面の最外周縁部の平坦な基準平面2からの、キャビティ4の底面平坦部4aの深さをA、前記基準平面2からの、稜線5の最上部の高さをHとしたとき、これらの合計値(合計深さ)B=A+Hは、10〜20mmの範囲とする。
【0048】
図9は横軸を合計深さB=A+Hとして、縦軸に均質燃焼時の軸トルクおよび成層燃焼時の燃費をとったグラフであり、B=10〜20mmの範囲で均質燃焼時の軸トルクと成層燃焼時の燃費とを両立できることを示している。
【0049】
即ち、深さAと同様に合計深さBを大きくすれば成層燃焼時にキャビティ4内に成層混合気を形成し易くなり、成層燃焼性能が向上するが、均質燃焼時にキャビティ4内外の空間不連続により、均質混合気を形成し難くなるので、これらを両立させる範囲とするのである。
【0050】
また、H/A(合計深さBにおけるHとAとの比)は、1.0〜2.0の範囲とする。
【0051】
これは、図8,9より、均質燃焼時の軸トルクと成層燃焼時の燃費とを両立させることができる範囲である。
【0052】
また、ピストンストロークSに対する合計深さBの比B/Sは、0.25以下とする。
【0053】
図10は横軸をB/Sとして、縦軸に均質燃焼時の軸トルクおよび成層燃焼時の燃費をとったグラフであり、B/S≦0.25の範囲で均質燃焼時の軸トルクと成層燃焼時の燃費とを両立できることを示している。
【0054】
ピストンストロークSが小さい場合に、合計深さBが大きいと燃焼性能が悪化するので、ピストンストロークSに対応させて合計深さBを小さくして燃焼性能を確保する必要があるからである。
【0055】
また、キャビティ4内の隅部のアールRは、5〜20mmの範囲とする。
【0056】
図11は横軸をRとして、縦軸に均質燃焼時の軸トルクおよび成層燃焼時の燃費をとったグラフであり、R=5〜20mmの範囲で均質燃焼時の軸トルクと成層燃焼時の燃費とを両立できることを示している。
【0057】
アールRにより、成層燃焼時に成層混合気をスムーズに点火栓13近傍に輸送する一方、均質燃焼時にキャビティ4内外をスムーズに混合気が流れるようにするのであり、アールRが小さ過ぎるとその役目を果たせず、アールRが大き過ぎても成層混合気の点火栓13への輸送が良好にされないからである。
【0058】
なお、キャビティ4の位置については燃料噴射弁寄りに偏在する例を基に本発明の効果を述べたが、キャビティ中心が平面視においてほぼシリンダ中心付近にある場合でも、同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピストンの一実施形態を示す斜視図。
【図2】本発明の実施形態の平面図。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図。
【図4】図2のB−B線に沿う断面図。
【図5】本発明の実施形態のピストンと燃料噴射弁および点火栓の位置関係を示す説明図。
【図6】第1の傾斜面角度θの適正範囲を示す図。
【図7】基準平面幅Wの適正値を示す図。
【図8】深さAの適正範囲を示す図。
【図9】合計深さBの適正範囲を示す図。
【図10】B/Sの適正範囲を示す図。
【図11】Rの適正範囲を示す図。
【符号の説明】
1 ピストン
2 基準平面
3 傾斜面
3A 第1の傾斜面
3B 第2の傾斜面
4 キャビティ
4a 底面平坦部
5 稜線
11 吸気バルブ
12 燃料噴射弁
13 点火栓

Claims (10)

  1. ピストン冠面に凹状でかつ周縁部が隆起して稜線をなすキャビティを有し、該稜線の外周側にピストン冠面の外周縁に向かって低くなる円錐面からなる傾斜面を形成した構造であって、かつ、該傾斜面を前記キャビティの外縁部からピストン冠面の外周縁に向かう第1の傾斜面と、ピストン冠面の外周縁近傍で該第1の傾斜面とピストン冠面の最外周縁部の平坦な基準平面とをつなげる第2の傾斜面とで、2段の角度で形成したことを特徴とする筒内噴射式火花点火機関のピストン。
  2. 第1の傾斜面の水平面に対する角度θを、10〜60°の範囲に設定したことを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射式火花点火機関のピストン。
  3. ピストン冠面の最外周縁部の平坦な基準平面からの、前記第2の傾斜面の高さhを、2mm以下に設定したことを特徴とする請求項1,2に記載の筒内噴射式火花点火機関のピストン。
  4. ピストン冠面の最外周縁部の平坦な基準平面の幅Wを、3mm以上に設定したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の筒内噴射式火花点火機関のピストン。
  5. ピストン冠面の最外周縁部の平坦な基準平面からの、前記キャビティの底面平坦部の深さAを、3〜9mmの範囲に設定したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の筒内噴射式火花点火機関のピストン。
  6. ピストン冠面の最外周縁部の平坦な基準平面からの、前記キャビティの底面平坦部の深さをA、前記基準平面からの、前記稜線の最上部の高さをHとしたとき、これらの合計値B=A+Hを、10〜20mmの範囲に設定したことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の筒内噴射式火花点火機関のピストン。
  7. H/Aを、1.0〜2.0の範囲に設定したことを特徴とす
    請求項6に記載の筒内噴射式火花点火機関のピストン。
  8. ピストン冠面の最外周縁部の平坦な基準平面からの、前記キャビティの底面平坦部の深さをA、前記基準平面からの、前記稜線の最上部の高さをHとして、これらの合計値B=A+Hとし、また、ピストンストロークをSとしたとき、B/Sを0.25以下に設定したことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の筒内噴射式火花点火機関のピストン。
  9. キャビティ内の隅部のアールRを、5〜20mmの範囲に設定たことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の筒内噴射式火花点火機関のピストン。
  10. キャビティは、その中心をピストン冠面の中心に対して吸気バルブ側にオフセットして形成され、吸気バルブ側からキャビティ内を指向するように燃料噴射弁が配置されると共に、キャビティ内のピストン中心側の周縁部の上方に点火栓が配置されることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の筒内噴射式火花点火機関のピストン
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