JP5996956B2 - 車両用ドアフレーム - Google Patents
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Description
サイドサッシュの具体的な構造としては、例えば以下のものがある。
ウェザストリップ支持部材は、弾性材料からなるウェザストリップを保持するウェザストリップ保持部をフレーム外周側に有している。またウェザストリップ支持部材は、車内側から車外側に延びる延長部と、外側延長部の車外側端部の下端部を構成する車外側下端部より上方の部位から前方又は後方に延びる取付部と、を有している。
ガラスラン支持部材は、弾性材料からなるガラスランを保持するガラスラン保持部をフレーム内周側に有しており、ガラスランはドアガラスの縁部を摺動可能に支持する。またガラスラン支持部材は、車内側から車外側に延びる延長部と、外側延長部の車外側端部から上記取付部と反対側に延びる取付部と、を有している。
ウェザストリップ支持部材の下端部はドアパネルと対向しており、当該下端部にはブラケットが接合してある。このブラケットは、車内側から車外側に延びる延長部と、該延長部の車外側端部からウェザストリップ支持部材の取付部と同方向に延び、かつ、ウェザストリップ支持部材の取付部の直下に位置するパネル接合部と、を有しており、パネル接合部はドアパネルに接合している。
そしてウェザストリップ支持部材の取付部、及び、ガラスラン支持部材の取付部の車外側面には、上下方向に延びかつその下端がドアパネルの上縁より上方に位置する外装部材が固定してある。
従って、ガラスラン支持部材の取付部の下端部とブラケットのパネル接合部を接合するための上記溶接は、ガラスラン支持部材の湾曲部とブラケットの湾曲部の間に形成された比較的大きな空間に施されることになる。
そのため溶接材の必要量が多くなるので、溶接作業が難しくなってしまう。
さらにガラスラン支持部材とブラケットを固定するための溶接がウェザストリップ支持部材に及ばないので、ウェザストリップ支持部材、ガラスラン支持部材、及び、ブラケットの間の固定強度に関して改善の余地があった。
又は、上記第一延長部と上記パネル接合部の一方が他方より車外側に位置し、該一方の部材の車外側面が位置する平面上に上記車外側下端部が位置してもよい。
しかも溶接材が、ガラスラン支持部材、ブラケット、及び、ウェザストリップ支持部材の三部材に跨って及ぶので、ウェザストリップ支持部材、ガラスラン支持部材、及び、ブラケットの間の固定強度が向上する。
ガラスランチャンネル42はアルミ材の押出成形又はロール成形により形成される長尺部材であり、車外側に位置する車外側壁45と、車外側壁45の外周側端部から車内側に延びるガラスラン保持底壁46と、ガラスラン保持底壁46から内周側に延びる車内側壁47と、車内側壁47の内周側端部を車外側に曲げて形成した被挟持部48とを有する。車内側壁47は、車外側壁45に対向する(車外側壁45と平行な)外周側壁部47aと車外側壁45に対向しない内周側壁部47bを有し、内周側壁部47bが外周側壁部47aよりも車内側に位置している。被挟持部48の先端は、概ね外周側壁部47aを内周側に延長した位置にある。
ガラスランチャンネル42は長尺部材として成形された後に、この長尺部材を切断することにより図示形状としたものである。ガラスランチャンネル42の下端は切断加工によって平坦面となっている。一方、ガラスランチャンネル42の上端は切断加工によって凹凸形状に加工されている。即ち、車外側壁45及びガラスラン保持底壁46の上端部は、車内側壁47及び被挟持部48の上端より上方まで延びる上方延長部45a、上方延長部46aとなっている(上方延長部46aは、ガラスラン保持底壁46のその他の部位に比べて左右幅が狭い)。車外側壁45の後縁部(外周側縁部)とガラスラン保持底壁46の右側縁部(車外側縁部)を接続する上下方向に延びる接続縁部は、断面略円弧状の湾曲部42aを構成している。ガラスランチャンネル42の上端の切断加工は、切断工具(図9の仮想線参照)を2回直線移動(図9中の矢印参照)させることにより行う。
図2〜図6等に示すように車外側壁50は、上方から下方に進むにつれて徐々に幅を広くする形状である。さらに車外側壁50の下端は、底壁51、ウェザストリップ当接壁52、車内側壁53、傾斜壁54、内周壁55、及び、折返部56の下端より上方で終端している。車外側壁50の前縁部(内周側縁部)と底壁51の右側縁部(車外側縁部)を接続する上下方向に延びる接続縁部は、湾曲部42aと反対側に向かって湾曲する断面略円弧状の湾曲部50aを構成している。さらに底壁51の右側縁部の下端部は、湾曲部50aの車内側の始点(底壁51の車外側端部に接続する部位)より車外側に突出する車外側下端部50bを構成している。また底壁51の右側縁部には、湾曲部50aと車外側下端部50bの間に位置し、かつ、その車内側縁部が湾曲部50aの車内側の始点及び車外側下端部50bよりも車内側に位置する凹部50cが凹設してある。このように車外側下端部50bが湾曲部50aの車内側の始点より車外側に突出しているものの、湾曲部50aの下端と車外側下端部50bの上端との間に位置する凹部50cを底壁51に形成してあるので、湾曲部50aと車外側下端部50bを設計形状通りに加工することが可能である。
また内周壁55及び折返部56の上端位置は、車外側壁50を含むアウタ部材43のその他の部位の上端より下方に位置している。
さらにガラスランチャンネル42の湾曲部50aと、アウタ部材43の湾曲部42a(車外側壁50と隣接する部位。即ち、下部を除く部分)とには、上下方向に延びる態様で溶接が施されている。
ガラスランチャンネル42の車外側壁45とアウタ部材43の車外側壁50の車外側面に対しては、上下方向に延びる外装部材(ガーニッシュ)65が両面テープ66を介して取り付けられる。
ウェザストリップチャンネル44は、底壁51の外周側に溶接等で固定されるウェザストリップ保持底壁57と、ウェザストリップ保持底壁57の車外側と車内側の端部から外周側に突出する一対の保持爪58、59とを備えており、アルミ材のプレス成形によって形成される。なおウェザストリップチャンネル44を、アルミ材をロール成形したり、又は、押出成形することにより製造してもよい。
アウタ部材43とウェザストリップチャンネル44がウェザストリップ支持部材の構成要素である。
図11に示すように、ガラスランチャンネル42及びアウタ部材43は、その下部を膨出部24a内に位置させた状態でロックブラケット24に対して溶接してある。具体的には、ロックブラケット24の上端が凹部50cの上下方向の中央部と対応する上下方向位置に位置する態様で、膨出部24aとメインフレーム部62を溶接している。
図10に示すように車外側壁45の下端近傍(凹部50cと同じ高さに位置する部分)と後側接続部24cの上部(凹部50cと同じ高さに位置する部分)の車外側面は同一平面上(略同一平面上も含む概念)に位置しており、車外側壁凹部50cは湾曲部42aの車内側の始点(ガラスラン保持底壁46の車外側端部に接続する部位)及び湾曲部24eの車内側の始点(延長部24dの車外側端部に接続する部位。湾曲部42aの始点より車内側に位置する)より車内側に位置している。
さらに図11に示すように車外側壁45の下端部(車外側下端部50bと同じ高さに位置する部分)と後側接続部24cの下部(車外側下端部50bと同じ高さに位置する部分)の車外側面は同一平面上(略同一平面上も含む概念)に位置しており、車外側下端部50bは車外側壁45及び後側接続部24cの車外側面と略同一平面上(略同一平面上も含む概念)に位置している。即ち、車外側壁45の下端部の湾曲部42aとロックブラケット24の下部の湾曲部24eの間に形成される空間の一部を車外側下端部50bが埋めている。そして図11に示すように、車外側壁45の下端部の湾曲部42aとロックブラケット24の下部の湾曲部24eには、上下方向に延びる態様で溶接70が車外側から施されている。
上記態様で立柱サッシュ20(ガラスランチャンネル42及びアウタ部材43)に対して溶接(固定)したロックブラケット24は、その前側接続部24bと後側接続部24cをインナパネル12の車内側面に対して溶接してある。その結果、立柱サッシュ20の下端部がインナパネル12の車内側面に対して固定される。
しかも溶接材が、ロックブラケット24、ガラスランチャンネル42、及び、アウタ部材43の三部材に跨って及ぶので、ロックブラケット24、ガラスランチャンネル42、及び、アウタ部材43の間の固定強度が向上する。
例えば、図12〜図14に示す第一の変形例の態様で実施してもよい。
第一の変形例の立柱サッシュ20’のガラスランチャンネル42’は、その上端部の形状がガラスランチャンネル42とは異なる。即ち、ガラスラン保持底壁46はその幅方向全体が上端位置まで延びており、ガラスラン保持底壁46の上端部は車内側壁47及び被挟持部48の上端より上方まで延びる上方延長部46a’となっている。さらに外周側壁部47aの上端部には、上方延長部45a及び上方延長部46a’の上端と同じ位置まで延びる上方延長部47a1が形成してある。
このように上方延長部45a、上方延長部46a、及び、上方延長部47a1の上端部の全体の断面形状は略コ字形をなしているので、上方延長部45a(及び、上方延長部46a’、上方延長部47a1)の剛性がガラスランチャンネル42の上方延長部45a(及び、ガラスラン保持底壁46)に比べて高くなる。
さらに上方延長部45a、上方延長部46a、及び、上方延長部47a1の上端部の断面形状を略コ字形にしているので、切断工具(図14の仮想線参照)を1回だけ直線移動(図14中の矢印参照)させるだけで、ガラスランチャンネル42’の上端の切断加工を行うことができるというメリットがある。
このように湾曲部50aの車内側の始点が車外側下端部50bより車外側に位置しているので、底壁51に凹部50cを形成しなくても、湾曲部50aと車外側下端部50bを設計形状通りに加工することが可能である。
そして本変形例においても車外側下端部50bが、車外側壁45及び後側接続部24cと同一平面上(略同一平面上も含む概念)に位置しているので(車外側壁45の下端部の湾曲部42aとロックブラケット24の下部の湾曲部24eの間に形成される空間の一部を車外側下端部50bが埋めているので)、上記実施形態と同様に、少量の溶接材によりロックブラケット24、ガラスランチャンネル42、及び、アウタ部材43を簡単かつ強固に溶接できる。
このドア75は、二点鎖線で概略形状を示すドアパネル76と、ドアパネル76の上部に枠状に形成されたドアフレーム77とを有し、ドアパネル76の上縁部とドアフレーム77の内縁部とで囲まれる窓開口78内にドアガラス(図20では図示略)が昇降する。窓開口78に臨むドアフレーム77の内周側には弾性材からなるガラスラン(図20では図示略)が配設されており、ドアガラスの縁部がガラスランにより保持される。ドアフレーム77は、ドア上縁部を形成するアッパサッシュ79と、ドアパネル76の前部から上方へ延設された立柱サッシュ81を備えており、アッパサッシュ79の前端部と立柱サッシュ81の上端部がドアコーナー部で接合される。ドアパネル76は車外側のアウタパネルと車内側のインナパネル76(図20の符号76はインナパネルを図示している)を組み合わせて構成され、アッパサッシュ79の後方下部はブラケット80を介してインナパネル76に固定され、立柱サッシュ81の下部はブラケット82を介してインナパネル76に固定される。ブラケット80とブラケット82に対して、車両前後方向に延びるベルトラインリンフォース83が固定される。ドア75を閉じたとき、アッパサッシュ79は、図示しない車両ボディのルーフパネルのドア開口部に沿って位置し、立柱サッシュ81は、車両ボディのセンターピラーCPに沿って位置する。アッパサッシュ79と立柱サッシュ81の外周側には弾性材からなるウェザストリップ(図20では図示略)が配設されており、ドア75を閉じるとウェザストリップが弾性変形して、ドア75と車両ボディの間を液密に塞ぐ。
この立柱サッシュ81もガラスランチャンネル42(ガラスランチャンネル42’)、アウタ部材43(アウタ部材43’)、及び、ウェザストリップチャンネル44に対応する部材(左側のドア10のガラスランチャンネル42(ガラスランチャンネル42’)、アウタ部材43(アウタ部材43’)、及び、ウェザストリップチャンネル44と、それぞれ略前後対称をなす形状)を具備しており、さらに車外側面には外装部材65に対応する外装部材が取り付けてある。さらに立柱サッシュ81の下端部にブラケット82(ロックブラケット24に対応する構造)が溶接してある。
さらに本発明を図21に示す右側のドア75の立柱サッシュ81に適用してもよい。このドア75は右側のドア75と左右対称をなす構造であるため、本発明を右側のドア75の立柱サッシュ81に適用する場合は、立柱サッシュ81の形状は図20の場合とは左右対称となる。
12 ドアパネル(インナパネル)
14 ドアフレーム
16 窓開口
18 アッパサッシュ
20 20’ 20’’ 立柱サッシュ
22 ミラーブラケット
24 ロックブラケット(ブラケット)
24a 膨出部
24b 前側接続部
24c 後側接続部(パネル接合部)
24d 延長部(第三延長部)
24e 湾曲部(第三湾曲部)
26 ベルトラインリンフォース
42 42’ ガラスランチャンネル(ガラスラン支持部材)
42a 湾曲部(第一湾曲部)
43 43’ アウタ部材(ウェザストリップ支持部材)
44 ウェザストリップチャンネル(ウェザストリップ支持部材)
45 車外側壁(外装部材取付部)(第一取付部)
45a 上方延長部(第一上方延長部)
46 ガラスラン保持底壁(第一延長部)
46a 46a’ 上方延長部(第二上方延長部)
47 車内側壁
47a 外周側壁部
47a1 上方延長部(第三上方延長部)
47b 内周側壁部
48 被挟持部(内周側端部)(第一内周側接合部)
50 車外側壁(外装部材取付部)(第二取付部)
50a 湾曲部(第二湾曲部)
50b 車外側下端部
50c 凹部
51 底壁(第二延長部)
52 ウェザストリップ当接壁
53 車内側壁
54 傾斜壁
55 内周壁
56 折返部(第二内周側接合部)
58 59 保持爪
60 ガラスラン保持部
61 ウェザストリップ保持部
62 メインフレーム部
65 外装部材(ガーニッシュ)
66 両面テープ
70 溶接
75 ドア(リアドア)
76 ドアパネル(インナパネル)
77 ドアフレーム
78 窓開口
79 アッパサッシュ
80 ブラケット
81 立柱サッシュ
82 ブラケット
83 ベルトラインリンフォース
CP センターピラー
G ドアガラス
GR ガラスラン
WS1 WS2 ウェザストリップ
Claims (4)
- ガラスラン保持部をフレーム内周側に有し、かつ、上下方向に延びるガラスラン支持部材と、
ウェザストリップ保持部をフレーム外周側に有し、かつ、上記ガラスラン支持部材と接合する上下方向に延びるウェザストリップ支持部材と、
該ウェザストリップ支持部材の下端部を支持し、かつドアパネルに接合したブラケットと、
を備える車両用ドアフレームであって、
上記ガラスラン支持部材が、車内側から車外側に延びる第一延長部と、該第一延長部の車外側端部から前方又は後方に延び、かつ、上下方向に延びる外装部材を固定可能な第一取付部と、を有し、
上記ウェザストリップ支持部材が、車内側から車外側に延びかつ上記第一延長部に隣接する第二延長部と、該第二延長部の車外側端部の下端部を構成する車外側下端部より上方の部位から上記第一取付部と反対側に延び、かつ、上記外装部材を固定可能な第二取付部と、を有し、
上記ブラケットが、上記第二取付部の下方において車内側から車外側に延び、上記第二延長部を挟んで上記第一延長部と反対側に位置する第三延長部と、該第三延長部の車外側端部から上記第一取付部と反対側に延びかつ上記ドアパネルに接合するパネル接合部と、を有し、
上記第一延長部と上記第一取付部が第一湾曲部を介して接続されており、
上記第三延長部と上記パネル接合部が、上記第一湾曲部と反対側に向かって湾曲する第三湾曲部を介して接続されており、
上記ウェザストリップ支持部材の上記車外側下端部が、上記第一湾曲部と上記第三湾曲部の車内側の始点のうち車内側に位置するものより車外側に位置し、
上記第一湾曲部の下端部、上記車外側下端部、及び、上記第三湾曲部が、車外側に位置する溶接部で接合されていることを特徴とする車両用ドアフレーム。 - 請求項1記載の車両用ドアフレームにおいて、
上記ウェザストリップ支持部材の上記第二延長部と上記第二取付部が、上記第一湾曲部と反対側に向かって湾曲する第二湾曲部を介して接続されており、
上記第二湾曲部の車内側の始点が、上記第一取付部の車外側面より車内側に位置し、
上記第二湾曲部と上記車外側下端部の間に位置する、上記ウェザストリップ支持部材の上記第二延長部の車外側端部に、上記第二湾曲部の車内側の上記始点と同じ位置又は上記始点より車内側の位置まで後退した凹部が形成されている車両用ドアフレーム。 - 請求項2記載の車両用ドアフレームにおいて、
上記第一延長部と上記パネル接合部の車外側面、及び、上記車外側下端部が同一平面上に位置する車両用ドアフレーム。 - 請求項2記載の車両用ドアフレームにおいて、
上記第一延長部と上記パネル接合部の一方が他方より車外側に位置し、
該一方の部材の車外側面が位置する平面上に上記車外側下端部が位置する車両用ドアフレーム。
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