JP5995136B2 - 枚葉基材包装体、基材供給システムおよび基材供給方法 - Google Patents

枚葉基材包装体、基材供給システムおよび基材供給方法 Download PDF

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Description

本発明は、印刷が施される複数の枚葉基材と、この枚葉基材を覆う包装袋とを有する枚葉基材包装体、基材供給システムおよび基材供給方法に関する。
従来より印刷が施される複数の枚葉基材と、この枚葉基材を覆う包装袋とを有する枚葉基材包装体が知られている。
枚葉基材に対して印刷を施す場合、まず包装袋の一部が破断され、破断された開口を通して包装袋内の枚葉基材が一枚ずつ外方へ取出される。この場合、開口を大きくとり、開口を介して包装袋内の枚葉基材に排出ローラを押し当てて枚葉基材を外方へ取出している。そして、包装袋から取出された枚葉基材がプリンタの印刷部に供給されて枚葉基材に対して例えばサーマルヘッドの発熱により昇華転写による印刷が施される。
特開2000−289787号公報
ところで包装袋を破断して大きな開口を形成しておき、この開口を介して包装袋内の枚葉基材に排出ローラを押し当てる構造をとった場合、包装袋の開口からゴミが進入したり、作業者の指紋が枚葉基材に付くことがある。
とりわけ枚葉基材に対して両面印刷を施す場合、枚葉基材の両面が印刷面となるため、ゴミが進入したり指紋が枚葉基材に付着すると、印刷作業に支障が生じてしまう。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、包装袋内にゴミが進入したり枚葉基材に作業者の指紋が付着することがない、枚葉基材包装体、基材供給システムおよび基材供給方法を提供することを目的とする。
本発明は、積層された複数の枚葉基材と、この複数の枚葉基材を覆うとともに前方部に排出口が設けられ上面に開口が形成された包装袋とを有する枚葉基材包装体と、枚葉基材包装体を収納する基材供給部と、枚葉基材包装体の上方に位置し、包装袋内の最上層の枚葉基材に上面開口を介して当接し、当該最上層の枚葉基材を包装袋の前方部の排出口から積層された枚葉基材と平行する方向に排出させるピックアップローラとを備え、包装袋の上面開口を覆ってフィルム材が設けられ、当該フィルム材は包装袋の上面のうち、開口より排出方向下流側に固着され、ピックアップローラの回転によりめくり上げられて上面開口を開放し、ピックアップローラが離れると元の状態に復帰して上面開口を覆うことを特徴とする基材供給システムである。
本発明は、基材供給部内に枚葉基材包装体を上方へ持上げるピックアップレバーが設けられていることを特徴とする基材供給システムである。
本発明は、ピックアップローラの排出方向下流側に、最上層の枚葉基材以外の枚葉基材の排出を防止する分離ローラと、包装袋から排出された枚葉基材を外方へ送る給紙ローラとが設けられていることを特徴とする基材供給システムである。
本発明は、包装袋の上面開口は排出方向上流側に向って先細状となる先細形状をもち、フィルム材は排出方向上流側に排出方向に直交する後端縁をもつことを特徴とする基材供給システムである。
本発明は、包装袋に、排出方向に延びる複数のスリットが形成されていることを特徴とする基材供給システムである。
本発明は、積層された複数の枚葉基材と、この複数の枚葉基材を覆うとともに前方部に排出口が設けられ上面に開口が形成された包装袋とを有する枚葉基材包装体と、枚葉基材包装体を収納する基材供給部と、枚葉基材包装体の上方に位置し、包装袋内の最上層の枚葉基材に上面開口を介して当接し、当該最上層の枚葉基材を排出口から排出させるピックアップローラとを備え、包装袋の上面開口を覆ってフィルム材が設けられ、当該フィルム材は包装袋の上面のうち、開口より排出方向下流側に固着された基材供給システムを用いた基材供給方法において、ピックアップローラにより包装袋の上面開口に設けられたフィルム材をめくり上げる工程と、フィルム材をめくり上げた後、ピックアップローラが上面開口を介して最上層の枚葉基材に当接して当該最上層の枚葉基材を包装袋の前方部の排出口から積層された枚葉基材と平行する方向に排出する工程と、ピックアップローラがフィルム材から離れて、フィルム材が元の状態に復帰して上面開口を覆う工程と、を備えたことを特徴とする基材供給方法である。
本発明は、ピックアップローラによりフィルム材をめくり上げる前に、枚葉基材包装体をピックアップレバーにより上方へ持上げることを特徴とする基材供給方法である。
本発明は、ピックアップローラにより最上層の枚葉基材を排出口から排出する際、最上層の枚葉基材以外の枚葉基材が排出することを分離ロールにより防止し、最上層の枚葉基材を給紙ローラにより外方へ送ることを特徴とする基材供給方法である。
本発明は、包装袋の上面開口は排出方向上流側に向って先細状となる先細形状をもち、フィルム材は排出方向上流側に排出方向に直交する後端縁をもつことを特徴とする基材供給方法である。
本発明は、包装袋に、排出方向に延びる複数のスリットが形成されていることを特徴とする基材供給方法である。
以上のように本発明によれば、包装袋の上面開口を覆ってフィルム材が設けられ、このフィルム材は包装袋の上面のうち上面開口より排出方向下流側に固着されているので、枚葉基材を包装袋から取出すとき以外は、上面開口をフィルム材により覆うことができる。このため包装袋内にゴミが進入することを防止することができ、かつ包装袋内の枚葉基材に指紋が付着することを防止することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による枚葉基材包装体および基材供給システムが組込まれた枚葉型プリンタを示す概略側面図。 図2は、枚葉型プリンタの反転機構を示す詳細図。 図3は、枚葉型プリンタの作用を示す動作説明図。 図4は、枚葉型プリンタの作用を示す動作説明図。 図5は、枚葉型プリンタの作用を示す動作説明図。 図6は、枚葉型プリンタの作用を示す動作説明図。 図7は、枚葉型プリンタの作用を示す動作説明図。 図8は、枚葉型プリンタの作用を示す動作説明図。 図9は、枚葉型プリンタの作用を示す動作説明図。 図10は、枚葉型プリンタの作用を示す動作説明図。 図11は、枚葉型プリンタの作用を示す動作説明図。 図12は、枚葉型プリンタの作用を示す動作説明図。 図13は、枚葉型プリンタの作用を示す動作説明図。 図14は、枚葉型プリンタの作用を示す動作説明図。 図15は、枚葉型プリンタの作用を示す動作説明図。 図16は、枚葉型プリンタの作用を示す動作説明図。 図17は、枚葉型プリンタの作用を示す動作説明図。 図18(a)−(d)は、本発明による基材供給システムの作用を示す動作説明図。 図19は、本発明による枚葉基材包装体を示す図。 図20(a)は本発明の第2の実施の形態による枚葉基材包装体を示す平面図、図20(b)は枚葉基材包装体を一方向からみた側面図、図20(c)は枚葉基材包装体を他方向からみた側面図、図20(d)は枚葉基材包装体を示す底面図。 図21(a)は基材供給システムを示す平面図、図21(b)は基材供給システムを示す側面図、図21(c)は基材供給システムの拡大図。 図22(a)は基材供給システムの作用を示す側面図、図22(b)は基材供給システムの作用を示す底面図。 図23(a)は基材供給システムの作用を示す側面図、図23(b)は基材供給システムの作用を示す底面図。
第1の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図17は本発明による枚葉基材包装体および基材供給システムが組込まれた枚葉型プリンタを示す図である。
このうち図1は枚葉型プリンタを示す概略側面図、図2は枚葉型プリンタの反転機構を示す図、図3乃至図17は枚葉型プリンタの動作図である。また図18(a)−(d)は本発明による基材供給システムの作用を示す動作説明図であり、図19は本発明による枚葉基材包装体を示す図である。
まず、図1および図2により、本発明による枚葉基材包装体および基材供給システムが組込まれた枚葉型プリンタについて説明する。図1および図2に示すように、枚葉型プリンタ10は両面に受容層を有する枚葉基材1を搬送させて、サーマルヘッド12からなる印刷部によって枚葉基材(以下、基材ともいう)1に対して両面印刷を施すものであり、昇華型プリンタからなっている。
このような枚葉型プリンタ10は、枚葉基材(基材)1の両面に対して印刷を施すサーマルヘッド12からなる印刷部と、基材1を貯えておき、この基材1を供給する基材供給部(給紙トレー)25を含む本発明による基材供給システム50と、基材供給システム50の基材供給部25から供給された基材1をサーマルヘッド12側へ搬送する基材搬送路15とを備えている。
このうち基材搬送路15はサーマルヘッド12の一側に位置する一側基材搬送路15aと、サーマルヘッド12の他側に位置する他側基材搬送路15bとからなっている。また基材1を挟んでサーマルヘッド12に対向する位置に基材1を保持するプラテンローラ13が設けられている。
さらに基材搬送路15の一側基材搬送路15aに基材1を一方向に走行させながら、一方の面1aがサーマルヘッド12に向う基材1を他方の面1bがサーマルヘッド12に向うよう反転させる反転機構20が接続されている。この反転機構20はループ状反転搬送路20aからなり、このループ状反転搬送路20aは、一側基材搬送路15aに端部21を介して接続されている。
この場合、ループ状反転搬送路20aの端部21は、ループ状反転搬送路20aの入口および出口としての機能をもつ。
またループ状反転搬送路20a内には、基材1を搬送させる搬送ローラ23が設けられている。
さらにまた、基材供給部25と、ループ状反転搬送路20aとの間には、基材供給部25から供給された基材1をループ状反転搬送路20a側へ導く案内搬送路24が設置されている。
次に枚葉型プリンタ10内に組込まれた本発明による枚葉基材包装体30Aおよび基材供給システム50について、図1乃至図17および図18乃至図19により説明する。
基材供給システム50は給紙トレーからなる基材供給部と25と、基材供給部25内に収納されて保持されるとともに、積層された複数の基材1と、この複数の基材1を覆う包装袋30とを有する枚葉基材包装体30Aと、枚葉基材包装体30Aの上方に位置し包装袋30内の最上層の基材1に上面32の開口35を介して当接するピックアップローラ26とを備えている。
このうち枚葉基材包装体30Aは、上述のように、積層された複数の基材1と、この基材1を覆う包装袋30とを有している(図18および図19参照)。また包装袋30は底面31と、開口35が形成された上面32と、一対の側面33a、33bと、後面34とを有し、基材1の排出方向Lの前方部に排出口36が形成されている。
さらに包装袋30の上面32に設けられた開口35は、フィルム材40により覆われており、このフィルム材40によって開口35から包装袋30の内部へゴミが進入することを防止している。
また、フィルム材40は包装袋30の上面32のうち、開口35よりも排出方向Lの下流側(排出口36側)に固着領域41を介して固着されている。
なお、包装袋30内において基材1は幅方向に所定の間隙をもって収納されており、上面32の開口35の幅方向長さは、包装袋30の幅方向の長さ1/3〜1/4の範囲となっている。また、包装袋30は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)製となっており、さらにフィルム材40は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)製となっている。
また、図1乃至図17に示すように、基材供給部25内には、基材供給部25内に収められた枚葉基材包装体30Aを上方へ持上げるピックアップレバー25aが設けられ、このピックアップレバー25aによって枚葉基材包装体30Aを持上げて、包装袋30の上面32の開口35に設けられたフィルム材40をピックアップローラ26に当接させることができる。
そしてピックアップローラ26の回転により、フィルム材40がめくり上げられ、これにより上面32の開口35が開放する。次にピックアップローラ26が開口35を介して包装袋30内の最上層の基材1に当接して、この基材1を排出口36から外方へ排出するようになっている。
また図1乃至図17に示すように、案内搬送路24の入口側には、分離ローラ27と給紙ローラ28が設けられている。枚葉基材包装体30A内の基材1のうち最上層の基材1がピックアップローラ26によって分離ローラ27と給紙ローラ28側へ送られた場合、最上層の基材1より下方の基材1も最上層の基材1とともに分離ローラ27と給紙ローラ28側へ送られることも考えられるが、この場合、最上層の基材1の下方の基材1は分離ローラ27に当接するため、案内搬送路24側へ送られることはない。
また基材搬送路15のうち一側基材搬送路15aには、ループ状反転搬送路20a側から順に搬送ローラ16、17が設けられている。
さらに他側基材搬送路15bの出口側には、排出ローラ18が設けられ、排出ローラ18の更に出口側(下流側)にはカッタ19が設置されている。この場合、排出ローラは上方および下方に位置する一対の排出ローラ18、18からなっている。
カッタ19は印刷済の基材1のうち前端部の余白と後端部の余白を除去するものであり、固定刃19bと、固定刃19bとの間で基材1を切断する可動刃19aとからなっている。
さらにまた印刷部となるサーマルヘッド12には、昇華転写を行なう昇華転写用リボン5がリボン巻出部6から供給される。リボン巻出部6から供給されたリボン5はサーマルヘッド12において、昇華転写印刷を施す際使用され、その後使用済リボン5はリボン巻取部7に巻取られる。
ところで、枚葉型プリンタ10のうちループ状反転搬送路20aは全体として円形の外形をもち、サーマルヘッド12、一側基材搬送路15aと他側基材搬送路15bとを有する基材搬送路15、基材供給部25、排出ローラ18、およびカッタ19は、各々ループ状反転搬送路20aの外周に沿って配置されている。
さらにまた、上記構成部材、例えばサーマルヘッド12、リボン巻出部6、リボン巻取部7、搬送ローラ16、17、排出ローラ18、カッタ19、ピックアップレバー25a、ピックアップローラ26、分離ローラ27、給紙ローラ28はすべて、制御装置11により同期されて駆動制御され、これら構成部材および制御装置11は、すべて筐体10A内に収められている。
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について、図3乃至図17を参照して説明する。
まず、図1乃至図5および図18乃至図19により、基板供給システム50の作用について説明する。
まず図1に示すように、基材供給部25内に多数の基材と、基材1を覆う包装袋30とを有する枚葉基材包装体30Aが収納される。次に基材供給部25内の枚葉基材包装体30Aがピックアップレバー25aによって上方へ持上げられる(図3参照)。
このとき、図18(a)に示すように、包装袋30の上面32の開口35を覆うフィルム材40がピックアップローラ26に当接する。そして、図18(b)に示すように、ピックアップローラ26の回転に伴なってフィルム材40がめくり上げられて開口35が開放される。このとき分離ローラ27および給紙ローラ28は、ピックアップローラ26と同期して回転する。
次に図18(c)に示すように、開口35を介してピックアップローラ26が包装袋30内の最上層の基材1に当接し、この最上層の基材1を包装袋30の排出口36から排出する。
次に、包装袋30の排出口36から排出された基材1は分離ローラ27および給紙ローラ28側へ送られ、その後分離ローラ27および給紙ローラ28により基材1は案内通路24を通ってループ状反転搬送路20a側へ送られる(図4参照)。
上述のように、ピックアップローラ26により分離ローラ27および給紙ローラ28側へ送られた基材1は、その後、案内搬送路24を通ってループ状反転搬送路20a側へ送られる。このとき、基材供給部25内の基材1のうち最上層の基材1以外の下方の基材1も分離ローラ27および給紙ローラ28側へ送られることも考えられるが、最上層の基材1以外の下方の基材1は分離ローラ27に当接するため最上層の基材1のみが案内搬送路24側からループ状反転搬送路20a側へ送られる。
この間、分離ローラ27および給紙ローラ28の下流側に設けられた検出センサー43により基材1が検出される。図18(d)に示すように、検出センサー43により基材1が検出されると、ピックアップレバー25aが降下し、これに伴なって基材供給部25内の枚葉基材包装体30Aも降下する(図5参照)。このとき、ピックアップローラ26が枚葉基材包装体30Aの包装袋30から離れ、このことによりフィルム材40は元の状態に復帰し、上面32の開口35を再び覆う。このため開口35からゴミが包装袋30内に進入したり、開口35を介して基材1上に作業者の指紋が付着することはない。
ところで、図19に示すように、包装袋30の開口35は、排出方向上流側に向って先細状となる先細形状35aをもつ5角形状をなしている。他方、フィルム材40も排出方向上流側に、排出方向に直交する後端縁40aをもつ矩形状をなしている。
このため、フィルム材40が元の状態に復帰し、包装袋30の開口35を覆う場合、フィルム材40の後端縁40aはスムーズに開口35の先細形状35aに沿って排出方向上流側へ摺動する。このためフィルム材40の後端縁40aが開口35の先細形状35aに引掛ることはなく、フィルム材40はスムーズに元の状態に復帰することができる。
このようにして基材供給システム50の作用は終了する。
その後、基材供給システム50からループ状反転搬送路20a内へ供給された基材1は搬送ローラ16、17によって基材搬送路15側へ送られる。
その後、図6に示すように、基材1は基材搬送路15から排出ローラ18、18側へ送られる。
また、ピックアップローラ26、分離ローラ27、給紙ローラ28はいずれも停止する。
次に図7に示すように、基材1の一方の面に対してサーマルヘッド12により昇華転写による印刷が施される。
この間、排出ローラ18の外方へ排出されていた基材1が排出ローラ18、18により逆方向へ基材搬送路15側へ搬送され、基材1は搬送ローラ16、17によって基材搬送路15の他側基材搬送路15bから一側基材搬送路15a側へ向う。またリボン巻出部6から昇華転写用のリボン5がサーマルヘッド12側へ供給され、サーマルヘッド12からの熱により、リボン5側の染料又は顔料を基材1の一方の面1aに転写させることができる。
昇華転写用リボン5は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、OP(オーバーコート)の各領域をもち、最初にリボン5のY領域によってY印刷が施される。
このようにしてサーマルヘッド12において、昇華転写用リボン5によって基材1の一方の面1aにY印刷が施される。Y印刷が施された印刷済の基材1は、基材搬送路15の一側基材搬送路15aに送られ、その後基材1は入口および出口の機能をもつ端部21からループ状反転搬送路20a内に入る(図8参照)。
次に、ループ状反転搬送路20a内の基材1は、再び基材搬送路15の一側基材搬送路15aから他側基材搬送路15b側へ送られる。その後上記と同様にしてサーマルヘッド12において、昇華転写用リボン5を用いて基材1の一方の面1aに、M印刷、C印刷が順次施され、その後に基材1の一方の面1aにオーバーコート層が形成される(図9参照)。
このようにしてサーマルヘッド12により、基材1の一方の面1aに対する昇華転写による印刷が施され、基材1の一方の面1aに対する印刷は終了する。
その後図10に示すように、ループ状反転搬送路20a内における基材1の反転動作が行なわれる。
すなわち、一方の面に印刷が施された基材1は、ループ状反転搬送路20a内に送られ、このループ状反転搬送路20a内で搬送ローラ23によって一方向に走行する(図10参照)。
このとき、分離ローラ27、給紙ローラ28および排出ローラ18も、搬送ローラ23と同期して回転する。
ループ状反転搬送路20a内において、一方向に走行する基材1はループ状反転搬送路20a内を走行する間に、その向きが反転し、一方の面1aがサーマルヘッド12側を向いていた状態から、基材1の他方の面1bがサーマルヘッド12側を向く状態に変わる。
図11に示すように、ループ状反転搬送路20a内で一方向に走行しながらその向きが反転した基材1は、その後端部21を経て基材搬送路15の一側基材搬送路15a内に入る。
その後、図12に示すように、基材1は基材搬送路15の他側基材搬送路15bから排出ローラ18側へ送られる。このようにして基材1の反転動作が終了する。
その後、図13に示すように、上述と同様にして、サーマルヘッド12により基材1の他方の面1bに対して、昇華転写用リボン5を用いてはじめにY印刷が施される。
その後、図14に示すように、昇華転写用リボン5を用いて基材1の他方の面1bに対して、M印刷、C印刷が順次施され、その後に基材1の他方の面1bにオーバーコート層が形成され、このようにして基材1の他方の面1bに対する印刷が終了する。
次に図15に示すように、両面1a、1bに印刷が施された基材1は、基材搬送路15の他側基材搬送路15bから排出ローラ18側へ送られる。次に基材1のうち、印刷されていない先端部の余白がカッタ19により除去される。
さらに基材1は排出ローラ18によって外方へ排出され(図16参照)、次に基材1の後端部の余白がカッタ19により除去される(図17参照)。
このようにして、一方の面1aおよび他方の面1bの両面に印刷が施され、先端部の余白と後端部の余白が除去され全面が印刷された基材1は、排出ローラ18により外方へ排出されて製品として取出される。
以上のように本実施の形態によれば、枚葉基材包装体30Aには包装袋30の上面32の開口35を覆ってフィルム材40が設けられ、このフィルム材40は上面32のうち上面32の開口35より排出方向下流側に固着されているので、基材1を包装袋30から取出すとき以外は上面32の開口35をフィルム材40により覆うことができる。このため包装袋30内にゴミが進入したり、基材1に指紋が付着することを未然に防ぐことができる。このことにより基材1の両面1a、1bを清浄に維持することができ、基材1に対する両面印刷に支障が生じることはない。
また、枚葉基材1を反転機構20のループ状反転搬送路20a内を一方向に走行させるだけで、容易かつ確実に基材1の向きを反転させることができ、このようにして反転させた基材1の両面1a、1bに対してサーマルヘッド12により容易に昇華転写印刷を施すことができる。
またループ状反転搬送路20aは全体として円形の外形をもち、サーマルヘッド12、基材搬送路15、基材供給部25、排出ローラ18およびカッタ19を各々ループ状反転搬送路20aの外周に沿って配置したので、枚葉型プリンタ10全体としての形状をコンパクトな構成とすることができる。このように枚葉型プリンタ10は、全体としてコンパクトな構成をもつため、基材1が詰まってしまったとしても、筐体10Aを開くことにより、筐体10A内部において基材1の場所を容易に確認して抜き出すことができる。
第2の実施の形態
次に図20乃至図23により本発明の第2の実施の形態について説明する。
図20乃至図23に示す第2の実施の形態は、給紙トレー25を含む基材供給システム50の構成が異なるのみであり、他の構成は図1乃至図19に示す第1の実施の形態と略同一である。
図20乃至図23において、図1乃至図19に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図20乃至図23に示すように、基材供給システム50は給紙トレーからなる基材供給部25と、基材供給部25内に収納されて保持されるとともに、積層された複数の基材1と、この複数の基材1を覆う包装袋30とを有する枚葉基材包装体30Aと、枚葉基材包装体30Aの上方に位置し包装袋30内の最上層の基材1に上面32の開口35を介して当接するピックアップローラ26とを備えている。
このうち枚葉基材包装体30Aは、上述のように、積層された複数の基材1と、この基材1を覆う包装袋30とを有している(図20(a)〜(d)参照)。また包装袋30は底面31と、開口35が形成された上面32と、一対の側面33a、33bと、後面34とを有し、基材1の排出方向Lの前方部に排出口36が形成されている。
さらに包装袋30の上面32に設けられた開口35は、フィルム材40により覆われており、このフィルム材40によって開口35から包装袋30の内部へゴミが進入することを防止している。
また、フィルム材40は包装袋30の上面32のうち、開口35よりも排出方向Lの下流側(排出口36側)に固着領域41を介して固着されている。
なお、包装袋30内において基材1は幅方向に所定の間隙をもって収納されており、上面32の開口35の幅方向長さは、包装袋30の幅方向の長さ1/3〜1/4の範囲となっている。また、包装袋30は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)製となっており、さらにフィルム材40は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)製となっている。
ところで枚葉基材包装体30Aの包装袋30には、その底面31および上面32に、基材1の排出方向Lに平行して複数のスリット30Sが形成されている。底面31には、一方の側面33a側に2本のスリット30Sが形成され、2本のスリット30Sのうち一のスリット30Sは排出口36側から底面31の中央まで延び、他のスリット30Sは基材1の排出方向Lの後方側に形成されている。
また底面31の他方の側面33b側に1本のスリット30Sが形成され、このスリット30Sは排出口36側から底面31の中央まで延びている。
さらにまた上面32には、一方の側面33a側に、所定間隔をおいて2本のスリット30Sが形成されている。
また給紙トレー25は枚葉基材包装体30Aを保持する底壁25Aを有し、底壁25Aには後述する可動底板25Bと略同一形状の開口25Cが形成されている。すなわち、開口25Cを有する底壁25Aには、開口25Cに対応する位置に、底壁25Aに対して揺動可能に可動底板25Bが設けられている。
また給紙トレー25の底壁25A下方にピックアップレバー25aが設けられている。そしてピックアップレバー25aにより可動底板25Bが底壁25Aに対して揺動しながら開口25Cを貫通して上昇し、可動底板25Bによって、給紙トレー25の底壁25Aに保持された枚葉基材包装体30Aが持上げられる。このことにより、包装袋30の上面32の開口35に設けられたフィルム材40がピックアップローラ26に当接する。
さらにまた、図21に示すように、給紙トレー25内の側壁には、枚葉基材包装体30Aの包装袋30の一方の側面33aを側方へ押圧する押圧部材25Dが設けられている。包装袋30の底面31および上面32の側面33a側には、各々スリット30Sが形成されているため、押圧部材25Dによって包装体30内の基材1を包装袋30の他方の側面33b側へ押付けることができる。
このように、包装袋30内の基材1を包装袋30の他方の側面33b側へ押付けて、包装袋30内の基材1を給紙トレー25内の側壁に沿って揃えることができ、給紙トレー25内において基材1を幅方向において精度良く位置決めすることができる。
そしてピックアップローラ26の回転により、フィルム材40がめくり上げられ、これにより上面32の開口35が開放する。次にピックアップローラ26が開口35を介して包装袋30内の最上層の基材1に当接して、この基材1を排出口36から外方へ排出するようになっている。
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について、基板供給システム50の作用について説明する。
まず図22(a)(b)に示すように、基材供給部25内に多数の基材と、基材1を覆う包装袋30とを有する枚葉基材包装体30Aが収納される。
次に図23(a)(b)に示すように、基材供給部25内の枚葉基材包装体30Aがピックアップレバー25aによって上方へ持上げられる。
すなわち、ピックアップレバー25aにより給紙トレー25の底壁25Aに設けられた可動底板25Bが揺動しながら上昇して、枚葉基材包装体30Aが上方へ持上げられる。
この場合、枚葉基材包装体30Aの包装袋30の底面31および上面32には、一対の側面33a、33b側に複数のスリット30Sが形成されているため、とりわけ底面31に形成されたスリット30Sによって可動底板25Bにより包装袋30内の基材1をスムースに持上げることができる。
すなわち底面31にスリットが形成されていない場合、可動底板25Bが上昇しても包装袋30の側面33a、33bが抵抗部材として機能することも考えられるが、底面31にスリット30Sを形成することにより、可動底面25Bにより包装袋30内の基材1をスムースに持上げることができる。
このとき、包装袋30の上面32の開口35を覆うフィルム材40がピックアップローラ26に当接する。ピックアップローラ26の回転に伴なってフィルム材40がめくり上げられて開口35が開放される。このとき分離ローラ27および給紙ローラ28は、ピックアップローラ26と同期して回転する。
次に開口35を介してピックアップローラ26が包装袋30内の最上層の基材1に当接し、この最上層の基材1を包装袋30の排出口36から排出する。
次に、包装袋30の排出口36から排出された基材1は分離ローラ27および給紙ローラ28側へ送られ、その後分離ローラ27および給紙ローラ28により基材1は案内通路24を通ってループ状反転搬送路20a側へ送られる。
上述のように、ピックアップローラ26により分離ローラ27および給紙ローラ28側へ送られた基材1は、その後、案内搬送路24を通ってループ状反転搬送路20a側へ送られる。このとき、基材供給部25内の基材1のうち最上層の基材1以外の下方の基材1も分離ローラ27および給紙ローラ28側へ送られることも考えられるが、最上層の基材1以外の下方の基材1は分離ローラ27に当接するため最上層の基材1のみが案内搬送路24側からループ状反転搬送路20a側へ送られる。
この間、分離ローラ27および給紙ローラ28の下流側に設けられた検出センサー43により基材1が検出される。検出センサー43により基材1が検出されると、ピックアップレバー25aが降下し、これに伴なって基材供給部25内の枚葉基材包装体30Aも降下する(図22(a)(b)参照)。このとき、ピックアップローラ26が枚葉基材包装体30Aの包装袋30から離れ、このことによりフィルム材40は元の状態に復帰し、上面32の開口35を再び覆う。このため開口35からゴミが包装袋30内に進入したり、開口35を介して基材1上に作業者の指紋が付着することはない。
ところで、図19に示すように、包装袋30の開口35は、排出方向上流側に向って先細状となる先細形状35aをもつ5角形状をなしている。他方、フィルム材40も排出方向上流側に、排出方向に直交する後端縁40aをもつ矩形状をなしている。
このため、フィルム材40が元の状態に復帰し、包装袋30の開口35を覆う場合、フィルム材40の後端縁40aはスムーズに開口35の先細形状35aに沿って排出方向上流側へ摺動する。このためフィルム材40の後端縁40aが開口35の先細形状35aに引掛ることなく、フィルム材40はスムーズに元の状態に復帰することができる。
このようにして基材供給システム50の作用は終了する。
1 枚葉基材
1a 一方の面
1b 他方の面
5 昇華転写用リボン
6 リボン巻出部
7 リボン巻取部
10 枚葉型プリンタ
10A 筐体
11 制御装置
12 サーマルヘッド
13 プラテンローラ
15 基材搬送路
15a 一側基材搬送路
15b 他側基材搬送路
16 搬送ローラ
17 搬送ローラ
18 排出ローラ
19 カッタ
20 反転機構
20a ループ状反転搬送路
21 端部
23 搬送ローラ
24 案内搬送路
25A 底壁
25B 可動底板
25D 押圧部材
25 基材供給部
25a ピックアップレバー
26 ピックアップローラ
27 分離ローラ
28 給紙ローラ
30 包装袋
30A 枚葉基材包装体
30S スリット
31 底面
32 上面
33a、33b 側面
34 後面
35 開口
35a 先細形状
36 排出口
40 フィルム材
40a 後端縁
41 固着領域
43 検出センサー

Claims (10)

  1. 積層された複数の枚葉基材と、この複数の枚葉基材を覆うとともに前方部に排出口が設けられ上面に開口が形成された包装袋とを有する枚葉基材包装体と、
    枚葉基材包装体を収納する基材供給部と、
    枚葉基材包装体の上方に位置し、包装袋内の最上層の枚葉基材に上面開口を介して当接し、当該最上層の枚葉基材を包装袋の前方部の排出口から積層された枚葉基材と平行する方向に排出させるピックアップローラとを備え、
    包装袋の上面開口を覆ってフィルム材が設けられ、当該フィルム材は包装袋の上面のうち、開口より排出方向下流側に固着され、ピックアップローラの回転によりめくり上げられて上面開口を開放し、ピックアップローラが離れると元の状態に復帰して上面開口を覆うことを特徴とする基材供給システム。
  2. 基材供給部に枚葉基材包装体を上方へ持上げるピックアップレバーが設けられていることを特徴とする請求項1記載の基材供給システム。
  3. ピックアップローラの排出方向下流側に、最上層の枚葉基材以外の枚葉基材の排出を防止する分離ローラと、包装袋から排出された枚葉基材を外方へ送る給紙ローラとが設けられていることを特徴とする請求項1または2のいずれか記載の基材供給システム。
  4. 包装袋の上面開口は排出方向上流側に向って先細状となる先細形状をもち、
    フィルム材は排出方向上流側に排出方向に直交する後端縁をもつことを特徴とする請求項1記載の基材供給システム。
  5. 包装袋に、排出方向に延びる複数のスリットが形成されていることを特徴とする請求項1記載の基材供給システム。
  6. 積層された複数の枚葉基材と、この複数の枚葉基材を覆うとともに前方部に排出口が設けられ上面に開口が形成された包装袋とを有する枚葉基材包装体と、
    枚葉基材包装体を収納する基材供給部と、
    枚葉基材包装体の上方に位置し、包装袋内の最上層の枚葉基材に上面開口を介して当接し、当該最上層の枚葉基材を排出口から排出させるピックアップローラとを備え、
    包装袋の上面開口を覆ってフィルム材が設けられ、当該フィルム材は包装袋の上面のうち、開口より排出方向下流側に固着された基材供給システムを用いた基材供給方法において、
    ピックアップローラにより包装袋の上面開口に設けられたフィルム材をめくり上げる工程と、
    フィルム材をめくり上げた後、ピックアップローラが上面開口を介して最上層の枚葉基材に当接して当該最上層の枚葉基材を包装袋の前方部の排出口から積層された枚葉基材と平行する方向に排出する工程と、
    ピックアップローラがフィルム材から離れて、フィルム材が元の状態に復帰して上面開口を覆う工程と、を備えたことを特徴とする基材供給方法。
  7. ピックアップローラによりフィルム材をめくり上げる前に、枚葉基材包装体をピックアップレバーにより上方へ持上げることを特徴とする請求項6記載の基材供給方法。
  8. ピックアップローラにより最上層の枚葉基材を排出口から排出する際、最上層の枚葉基材以外の枚葉基材が排出することを分離ロールにより防止し、最上層の枚葉基材を給紙ローラにより外方へ送ることを特徴とする請求項6または7のいずれか記載の基材供給方法。
  9. 包装袋の上面開口は排出方向上流側に向って先細状となる先細形状をもち、
    フィルム材は排出方向上流側に排出方向に直交する後端縁をもつことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか記載の基材供給方法。
  10. 包装袋に、排出方向に延びる複数のスリットが形成されていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか記載の基材供給方法。
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