JP5995123B1 - ファン取付部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、冷却衣服の生地の厚みに関係なく、冷却衣服にファンを安定に装着できるファン取付部材を提供することを目的とする。【解決手段】冷却衣服1に形成された取付孔3を介してファン2が取り付けられるファン取付部材10において、取付孔3の縁部を表側から挟み込む第一固定部21と取付部22を有し、冷却衣服1の表側から固定される表側ファン取付部材21と、取付孔3の縁部を裏側から挟み込む第二固定部31を有し、冷却衣服1の裏側から固定される裏側ファン取付部材30とを備えたものである。【選択図】図4

Description

本発明は、冷却衣服のファン取付部材に関するものである。
鉄工所や夏の屋外の工事現場のような、高温環境下で作業する時に着用する衣服として、従来から、ファンを備えた冷却衣服が使用されている。
ファンは、ファン本体とファン本体を冷却衣服に装着するための固定リングを備えている。ファン本体の側部には、係止爪が形成され、底部にフランジが形成され、固定リングの内側面には、突起が形成されている。
ファン本体は、冷却衣服の裏側から取付孔に押し込まれ、表側から固定リングが取り付けられる。このとき、ファン本体のフランジと固定リングの端部が取付孔の縁部を挟み込み、係止爪が突起に係止されることによって、ファンは冷却衣服に装着される。
冷却衣服の取付孔の縁部は、フランジと固定リングの端部の間に形成される隙間に配置される。冷却衣服の生地には、伸縮性をもつ素材が使用されるのが通常であるため、冷却衣服が引っ張られた場合やファンに強い力が働いた場合、フランジと固定リングの端部に挟まれていた縁部が伸長し、フランジと固定リングの端部の隙間から抜けてしまい、ファンが冷却衣服から外れてしまうおそれがあった。
このような問題を解決するために、特許文献1では、取付孔の縁部に非伸縮性の補強板を設けたファン取付部を提案している。このファン取付部は、リング状の補強板を取付孔の内縁を取り囲むように配置し、裏地全体を補強板が配置された側に引き出し、補強板を包み囲むように折り返した後、縫合することで、補強板を取付孔に縁部に固定する。そして、生地及び補強板をファン本体のフランジと固定リングの端部によって挟み込み、ファンを冷却衣服に装着させる。このように、非伸縮性の補強板を設けることで、冷却衣服の素材が引っ張られてもファン外れることを防止できる。
特許第5672642号
ファンを冷却衣服に装着する際、フランジと固定リングの端部の間に形成される隙間の幅が問題となる。この隙間の幅が取付孔の取付部である縁部の厚みより大きいと、取付孔の縁部と固定リングの間に隙間が生じるため、装着したファンがぐらつき、雑音が生じるおそれがある。一方、隙間の幅が縁部の厚みより小さいと、強い力で固定リングを押し込む必要が生じ、かつ装着後も係止爪や突起に大きな応力が働くため、係止爪や突起が破損するおそれがある。
そのため、挟み込む取付孔の縁部の厚みによって、ファン本体と固定リングの隙間の幅を決定しなければならない。この隙間の幅は、係止爪、突起を形成する位置や固定リングのサイズによって決定される。
冷却衣服の生地の厚みは、冷却衣服の種類やファンを装着する位置によって異なる。そのため、冷却衣服の種類ごとに係止爪や突起を形成する位置を調整しなければならない。そうすると、ファン本体や固定リングの設計変更をする手間がかかるに加え、製造コストもかかる。
そこで、本発明は、冷却衣服の生地の厚みに関係なく、冷却衣服にファンを安定して装着できるファン取付部材を提供することを目的とする。
本発明に係るファン取付部材は、冷却衣服に形成された取付孔を介して、フランジを有するファンが取り付けられるファン取付部材において、取付孔の縁部を表側から挟み込む第一固定部、および第一固定部と一体として第一固定部よりも内側に形成され、取付孔の内側に配置される取付部を有し、冷却衣服の表側から固定される、リング状の表側ファン取付部材と、取付孔の縁部を裏側から挟み込む第二固定部を有する、リング状の裏側ファン取付部材とを備え、フランジの外径が、冷却衣服に形成された取付孔の直径より小さく、取付部が表側から固定リングによって挟まれ、取付部が裏側からフランジによって挟まれることを特徴とする。
本発明に係るファン取付部材は、第一固定部と取付部との境界に取付溝が形成され、第二固定部の内周縁に突部が形成され、突部が取付溝に嵌められることで、表側ファン取付部材と裏側ファン取付部材とが固定されることを特徴とする。
本発明に係るファン取付部材は、表側ファン取付部材および裏側ファン取付部材がシリコン素材で構成されていることを特徴とする。
本発明のファン取付部材は、取付孔の縁部を固定部により挟み込み、取付部にファンが取り付けられるため、冷却衣服の生地の厚みに関係なく、ファンを取付孔に取り付けたファン取付部材に装着することができる。そのため、冷却衣服の生地の厚みによって、ファン及び固定リングの設計を変更する手間が生じることはないのに加え、ファンを装着する冷却衣服ごとにファンや固定リングを作製する必要がないため、コストも削減できる。
さらに、取付孔にファン取付部材を取り付けることで、取付孔の縁部の強度を向上させることができるため、ファンの自重により縁部が伸長することを防止でき、冷却衣服にファンを安定して装着できる。
本発明のファン取付部材は、表側ファン取付部材と裏側ファン取付部材から構成され、2つの部材を重なり合わせるだけで、容易に縁部を挟み込むことができる。
本発明のファン取付部材において、第二固定部の内周縁に形成された突部が、第一固定部と取付部との境界に形成された取付溝に嵌められることで、表側ファン取付部材と裏側ファン取付部材は固定される。そのため、表側ファン取付部材と裏側ファン取付部材の位置決めを容易にすることができ、かつ、両者がずれないように固定することができる。
本発明の実施形態に係るファン取付部材が取り付けられた冷却衣服の正面図である。 本発明の実施形態に係るファン取付部材を構成する表側ファン取付部材の平面図である。(a)おもて面、(b)うら面 本発明の実施形態に係るファン取付部材を構成する裏側ファン取付部材の平面図である。(a)おもて面、(b)うら面 本発明の実施形態に係るファン取付部材に装着されたファンを示す図である。(a)平面図、(b)部分断面図、(c)部分拡大図 本発明の実施形態に係るファン取付部材の分解斜視図である。
本実施形態に係るファン取付部材10を、図1〜図3を参照し説明する。
ファン取付部材10は、図1に示すように、冷却衣服1に形成された取付孔3を介してファン2が取り付けられるものである。このファン取付部材10は、冷却衣服1の表側から固定される表側ファン取付部材20と、冷却衣服1の裏側から固定される裏側ファン取付部材30を備えている。
[表側ファン取付部材20]
表側ファン取付部材20は、図2に示すように、第一孔部25を有するリング状の部材であり、縫合可能な素材で構成されている。表側ファン取付部材20には、例えば、シリコン素材を使用することができる。
表側ファン取付部材20は、冷却衣服1の表側から、取付孔3の縁部に取り付けられる。この表側ファン取付部材20は、取付孔3の縁部を表側から挟み込む第一固定部21と、第一固定部21よりも内側に形成され、ファン2が取り付けられる取付部22を有している。
第一固定部21は、円環状であり、取付部22の肉厚よりも薄く形成されている。
また、表側ファン取付部材20のおもて面の第一固定部21と取付部22の境界には、図2(a)に示すように、縁23が形成されている。さらに、第一固定部21のおもて面には、縫合案内溝24が円環状に形成されている。
一方、表側ファン取付部材20のうら面には、図2(b)に示すように、固定部21と取付部22の境界に取付溝26が形成されている。この取付溝26は、円環状に連通している。
また、取付部22の直径D22は、取付孔3の直径D3よりも小さくなるように形成されている。
[裏側ファン取付部材30]
裏側ファン取付部材30は、図3に示すように、第二孔部35を有するリング状の部材であり、縫合可能な素材で構成されている。裏側ファン取付部材30には、例えば、シリコン素材を使用することができる。
裏側ファン取付部材30は、冷却衣服1の裏側から、取付孔3の縁部に取り付けられる。裏側ファン取付部材30は、図3(a)に示すように、取付孔3の縁部を裏側から挟み込む第二固定部31を有し、第二固定部31のおもて面の内周縁には、突部32が形成されている。
第二孔部35の直径D35は、取付孔3の直径D3よりも小さく、第一孔部25の直径D25よりも大きく形成されている。また、第二孔部35の直径D35と取付部22の直径D22は等しくなるように形成されている。
[ファン2]
ファン2は、外部の空気を取り込み、取り込んだ外気を身体に向けて排出する。ファン2は、取付孔3に形成したファン取付部材10に装着されることで冷却衣服1の胴体の腰部に2つ設けられている。ファン2は、ファン本体8と固定リング7を備えている。ファン本体8には、図4(a)に示すように、空気取込口4及び空気排出口(図示しない)が形成されている。また、ファン本体8は、冷却衣服1の外部の空気を取込み、冷却衣服1の内部に空気を排出する軸流ファン5と、軸流ファン5を駆動させるモータ(図示しない)を備えている。ファン本体8の側部には、図4(b)に示すように、互いに対向する2つの係止爪8Aが形成されている。また、ファン本体8の底部の外周には、外側に向けてフランジ6が形成されている。
ファン本体8は、環状の固定リング7を使用して、取付孔3に装着される。この固定リング7の内周面には、互いに対向する係止突起7Aが2つ形成されている。
次に、冷却衣服1の取付孔3に、表側ファン取付部材20及び裏側ファン取付部材30を固定する方法について、図5を参照して説明する。
取付孔3の縁部を、図5に示したように、表側から表側ファン取付部材20により、裏側から裏側ファン取付部材30によって挟み込む。この際、表側ファン取付部材20及び裏側ファン取付部材30は、表側ファン取付部材20のうら面及び裏側ファン取付部材30のおもて面が縁部と接するように、かつ第一孔部25、取付孔3及び第二孔部35が重ね合わさるように取り付ける。
取付部22の直径D22及び第二孔部35の直径D35は、取付孔3の直径D3よりも小さいため、取付孔3の縁部は、第一固定部21と第二固定部31の隙間に挟まれる。また、取付部22の直径D22と第二孔部35の直径D35は等しいため、突部32は取付溝26に嵌まる(図4(c))。突部32が取付溝26に嵌められることで、表側ファン取付部材20と裏側ファン取付部材30は固定される。
その後、縫合案内溝24に沿って縫合糸9で、第一固定部21、取付孔3の縁部及び第二固定部31を縫合する。これによって、ファン取付部材10を構成する表側ファン取付部材20と裏側ファン取付部材30は、冷却衣服1の取付孔3に固定される。この縫合は、業務用ミシンで行われる。
次に、ファン取付部材10にファン2を取り付ける方法について説明する。
冷却衣服1の裏側からファン本体8を第二孔部35に押し込み、フランジ6を取付部22のうら面に当接させる。そして、冷却衣服1の表側から、固定リング7をファン2の係止爪8Aと係止突起7Aが係止するまで押し込み、装着する。
このファン2の装着状態において、取付部22は、フランジ6と固定リング7の端部にのみ挟まれる(図4(c))。一方、冷却衣服1の取付孔3の縁部は、第一固定部21と第二固定部31によって挟み込まれる。
本実施形態に係るファン取付部材10によれば、取付部22がファン2のフランジ6及び固定リング7の端部にのみ挟まれることで、ファン2はファン取付部材10に装着される。そのため、フランジ6と固定リング7の間に形成される隙間の幅を冷却衣服1の生地の厚みに関係なく決定することができる。
したがって、係止爪8A、係止突起7Aを形成する位置や固定リング7のサイズを変更することなく、どのような種類の生地の冷却衣服1にもファン2を装着することができる。よって、ファン2を装着する冷却衣服1の生地の厚みによって、ファン2及び固定リング7の設計を変更する手間が生じることはない。さらに、冷却衣服1の生地の厚みに応じて、ファン2や固定リング7を作製する必要がないため、コストも削減できる。
本実施形態に係るファン取付部材10によれば、表側ファン取付部材20及び裏側ファン取付部材30の2つの部材によって、取付孔3の縁部を収容するスペースを形成することができ、かつ2つの部材を重なり合わせるだけで、容易に縁部を挟み込むことができる。
さらに、本実施形態に係るファン取付部材10によれば、表側ファン取付部材20と裏側ファン取付部材30によって、取付孔3の縁部を両側から挟み込み、固定することができる。そうすると、取付孔3の縁部の強度を向上させることができるため、ファン2の自重により縁部が伸長することを防止でき、ファン2を安定して、冷却衣服1に装着できる。
また、ファン取付部材10は、第一固定部21、取付孔3の縁部及び第二固定部31を縫合して、冷却衣服1に取り付けられるため、冷却衣服1の生地が引っ張られた場合やファン2に強い力が働いた場合でも、取付孔3の縁部が表側ファン取付部材20と裏側ファン取付部材30の隙間から抜けることはない。したがって、ファン2を安定して、冷却衣服1に装着できる。
また、本実施形態のファン取付部材10を構成する表側ファン取付部材20と裏側ファン取付部材30は、表側ファン取付部20の取付溝26に、裏側ファン取付部材30の突部32を嵌めることによって、固定される。そのため、表側ファン取付部材20と裏側ファン取付部材30の位置決めを容易にすることができ、かつ、両者がずれないように固定することができる。
さらに、本実施形態にかかるファン取付部材10の表側ファン取付部材20のおもて面には、縫合案内溝24が形成されているため、作業者は、縫合案内溝24に沿って、縫合糸9で第一固定部21、取付孔3の縁部及び第二固定部31を縫合することができる。そのため、作業者に熟練した縫合技術を必要とせず、容易に表側ファン取付部材20と裏側ファン取付部材30を固定できる。
以上、本実施形態について説明したが、これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
例えば、本実施形態では、ファン取付部材10は、表側ファン取付部材20と裏側ファン取付部材30の2つの部材で構成されているが、1つの部材として固定部を形成することもできる。
また、取付部22は、ファン本体8のフランジ6と固定リング7の端部にのみ挟み込まれる構造であればよいため、取付部22を裏側ファン取付部材30に形成させてもよい。
1 冷却衣服
2 ファン
3 取付孔
4 空気取込口
5 軸流ファン
6 フランジ
7 固定リング
7A 係止突起
8 ファン本体
8A 係止爪
9 縫合糸
10 ファン取付部材
20 表側ファン取付部材
21 第一固定部
22 取付部
23 縁
24 縫合案内溝
25 第一孔部
26 取付溝
30 裏側ファン取付部材
31 第二固定部
32 突部
35 第二孔部
D3 取付孔の直径
D22 取付部の直径
D25 第一孔部の直径
D35 第二孔部の直径

Claims (3)

  1. 冷却衣服に形成された取付孔を介して、フランジを有するファンが取り付けられるファン取付部材において、
    前記取付孔の縁部を表側から挟み込む第一固定部、および前記第一固定部と一体として前記第一固定部よりも内側に形成され、前記取付孔の内側に配置される取付部を有し、前記冷却衣服の表側から固定される、リング状の表側ファン取付部材と、
    前記取付孔の縁部を裏側から挟み込む第二固定部を有する、リング状の裏側ファン取付部材と、を備え、
    前記フランジの外径が、前記冷却衣服に形成された前記取付孔の直径より小さく、
    前記取付部が、表側から固定リングによって挟まれ、
    前記取付部が、裏側から前記フランジによって挟まれる、
    ことを特徴とするファン取付部材。
  2. 前記第一固定部と前記取付部との境界に、取付溝が形成され、
    前記第二固定部の内周縁に、突部が形成され、
    前記突部が、前記取付溝に嵌められることで、前記表側ファン取付部材と前記裏側ファン取付部材とが固定される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のファン取付部材。
  3. 前記表側ファン取付部材および前記裏側ファン取付部材が、シリコン素材で構成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のファン取付部材。
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