JP5994887B2 - 固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法、および電子機器 - Google Patents
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Description
1.実施形態の固体撮像装置の概略構成例
2.第1実施形態(キャビティ構造を有し貫通ビア上に直接パッド配線を設けた例)
3.第2実施形態(キャビティ構造を有し埋込配線部分と貫通ビア部分とを一体に形成した貫通ビア上に、直接パッド配線を設けた例)
4.第3実施形態(埋込配線部分と貫通ビア部分とを一体に形成した貫通ビア上に、直接パッド配線を設けた例)
5.電子機器(固体撮像装置を用いた電子機器の例)
尚、各実施形態において共通の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に、本技術が適用される裏面照射型の固体撮像装置の一例として、三次元構造の固体撮像装置の概略構成を示す。この図に示す固体撮像装置1は、光電変換部が配列形成されたセンサ基板2と、このセンサ基板2に対して積層させた状態で貼り合わされた回路基板9とを備えている。
<固体撮像装置の構成>
(キャビティ構造を有し貫通ビア上に直接パッド配線を設けた例)
図2は、第1実施形態の固体撮像装置1-1の構成を示す要部断面図であり、図1における画素領域4と周辺領域7との境界付近の断面図である。以下、この要部断面図に基づいて第1実施形態の固体撮像装置1-1の構成を説明する。
センサ基板2は、例えば単結晶シリコンからなる半導体基板を薄膜化したものである。このセンサ基板2における画素領域4には、受光面Aに沿って複数の光電変換部20が配列形成されている。各光電変換部20は、例えばn型拡散層とp型拡散層との積層構造で構成されている。尚、光電変換部20は画素毎に設けられており、図面においては1画素分の断面を図示している。
センサ基板2の表面上に設けられた配線層2aは、センサ基板2との界面側に、ここでの図示を省略したゲート絶縁膜を介して転送ゲートTGおよびトランジスタTrのゲート電極25、さらにはここでの図示を省略した他の電極を有している。またこれらの転送ゲートTGおよびゲート電極25は、層間絶縁膜26で覆われており、この層間絶縁膜26に設けられた溝パターン内には、例えば銅(Cu)を用いた埋込配線27が多層配線として設けられている。これらの埋込配線27は、ビアによって相互に接続され、また一部がソース/ドレイン21、転送ゲートTG、さらにはゲート電極25に接続された構成となっている。また、埋込配線27には、センサ基板2に設けられた貫通ビア23も接続され、トランジスタTrおよび埋込配線27等によって画素回路が構成されている。
回路基板9は、例えば単結晶シリコンからなる半導体基板を薄膜化したものである。この回路基板9において、センサ基板2側に向かう表面層には、トランジスタTrのソース/ドレイン31、さらにはここでの図示を省略した不純物層、および素子分離32などが設けられている。
回路基板9の表面上に設けられた配線層9aは、回路基板9との界面側に、ここでの図示を省略したゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極35、さらにはここでの図示を省略した他の電極を有している。これらのゲート電極35および他の電極は、層間絶縁膜36で覆われており、この層間絶縁膜36に設けられた溝パターン内にはたとえば銅(Cu)を用いた埋込配線37が多層配線として設けられている。これらの埋込配線37は、ビアによって相互に接続され、また一部がソース/ドレイン31やゲート電極35に接続された構成となっている。また、埋込配線37には、回路基板9に設けられた貫通ビア33も接続され、トランジスタTrおよび埋込配線37等によって駆動回路が構成されている。
絶縁層14は、センサ基板2の受光面A上に設けられている。この絶縁層14は、画素領域4の膜厚が周辺領域7の膜厚よりも薄い段差構造を有しているところが特徴的である。このような絶縁層14は、例えば異なる絶縁材料を用いた積層膜として構成され、ここでは一例として受光面A側から順に反射防止膜14-1、界面準位抑制膜14-2、エッチングストップ膜14-3、上層絶縁膜14-4の4層構造である。
貫通ビア23は、画素領域4の外側の周辺領域7において、絶縁層14からセンサ基板2を貫通し、配線層2aの埋込配線27や、配線層9aの埋込配線37に達する状態でそれぞれ設けられている。これらの貫通ビア23は、絶縁層14およびセンサ基板2を貫通して形成された接続孔内に、分離絶縁膜24を介して銅(Cu)のような導電性材料を埋め込んで構成されている。
パッド配線8は、受光面A側の周辺領域7において、絶縁層14の段差上部に形成され、絶縁層14に埋め込まれた貫通ビア23上に、直接積層されているところが特徴的である。このようなパッド配線8は、例えば複数の貫通ビア23間を接続するための配線部分や、この配線部分に接続された電極パッド部分と備えている。このようなパッド配線8は、センサ基板2に設けられたトランジスタTrや他の素子、さらには埋込配線27と重ねて配置され、いわゆるカップ構造を構成している。これにより、センサ基板2および回路基板9、配線層2aおよび配線層9aにおける素子のレイアウトの自由度が確保されている。
遮光膜16は、受光面A側における画素領域4において、絶縁層14の段差下部、つまり、絶縁層14において積層構造の下層部分を構成する界面準位抑制膜14-2の上部に設けられている。このような遮光膜16は、各光電変換部20に対応する複数の受光開口16aを備えている。
透明保護膜17は、パッド配線8および遮光膜16を覆う状態で設けられている。この透明保護膜17は、例えばアクリル樹脂などを用いて構成されている。
カラーフィルタ18は、各光電変換部20に対応して設けられ、各光電変換部20に対応する各色で構成されている。各色のカラーフィルタ18の配列が限定されることはない。
オンチップレンズ19は、各光電変換部20に対応して設けられ、各光電変換部20に入射光が集光されるように構成されている。
次に、上述した構成の固体撮像装置1-1の製造方法を図3〜図6の断面工程図に基づいて説明する。
先ず図3Aに示すように、センサ基板2における画素領域4に、複数の光電変換部20を配列形成すると共に、センサ基板2にフローティングディフュージョンFD、ソース/ドレイン21、他の不純物層、および素子分離22を形成する。次に、センサ基板2の表面上に転送ゲートTGおよびゲート電極25を形成し、さらに層間絶縁膜26と共に埋込配線27を形成して配線層2aを設け、この配線層2aの上部を保護膜2bで覆う。一方、回路基板9に、ソース/ドレイン31他の不純物層や素子分離32を形成する。次に、回路基板9の表面上にゲート電極35を形成し、さらに層間絶縁膜36と共に埋込配線37を形成して配線層9aを設け、また配線層9aから回路基板9にかけてビア33を形成し、配線層9aの上部を保護膜9bで覆う。
次に図3Bに示すように、センサ基板2の受光面A上に、反射防止膜14-1、界面準位抑制膜14-2、エッチングストップ膜14-3、および上層絶縁膜14-4をこの順に積層成膜し、4層構造の絶縁層14を形成する。反射防止膜14-1は、例えば酸化ハフニウム(HfO2)からなり、原子層蒸着法によって膜厚10nm〜300nm(例えば60nm)で成膜される。界面準位抑制膜14-2は、例えば酸化シリコン(SiO2)からなり、P−CVD(plasma-chemical vapor deposition)法によって膜厚200nmで成膜される。エッチングストップ膜14-3は、例えば窒化シリコン(SiN)からなり、P−CVD法によって膜厚360nmで成膜される。上層絶縁膜14-4は、例えば酸化シリコン(SiO2)からなり、P−CVD法によって膜厚200nmで成膜される。
その後、図4Aに示すように、センサ基板2の周辺領域7において、絶縁層14およびセンサ基板2を貫通する各接続孔23aを形成する。これらの各接続孔23aは、センサ基板2の表面側に設けられた配線層2aの埋込配線27または配線層9aの埋込配線37の上部に達する各深さで形成されれば良く、底部に埋込配線27および埋込配線37を露出させなくても良い。この際、接続孔23aの深さ毎に、ここでの図示を省略した複数のレジストパターンを形成し、これらのレジストパターンをマスクにしてセンサ基板2および層間絶縁膜26に対して複数回のエッチングを行う。各エッチングの終了後には各レジストパターンを除去する。
次いで図4Bに示すように、接続孔23aの内壁を覆う状態で、絶縁層14上に分離絶縁膜24を成膜する。ここでは例えば2層構造の分離絶縁膜24を形成することとし、先ずp−CVD法によって膜厚70nmの窒化シリコン膜24-1を成膜し、次いでp−CVD法によって膜厚900nmの酸化シリコン膜24-2を成膜する。尚、分離絶縁膜24は、積層構造に限定されることはなく、例えば酸化シリコン膜または窒化シリコン膜の単層構造であっても良い。
その後、図4Cに示すように、異方性の高いエッチング条件により分離絶縁膜24をエッチング除去することにより、接続孔23aの底部の分離絶縁膜24を除去する。引き続き、異方性の高いエッチング条件により接続孔23aの底部の層間絶縁膜26、保護膜2b、および保護膜9bをエッチング除去し、接続孔23aを掘り進める。これにより、各接続孔23aの底部に埋込配線27または埋込配線37を露出させる。
次に、図5Aに示すように、接続孔23aを導電性材料で埋め込むことにより、センサ基板2を貫通する接続孔23a内に貫通ビア23を形成する。ここでは先ず、接続孔23a内を埋め込む状態で、絶縁層14上に導電性材料膜[例えば銅(Cu)膜]を成膜し、次に化学的機械研磨(CMP)法によって絶縁層14上の導電性材料膜を研磨除去する。これにより、接続孔23a内のみに導電性材料膜を残し、センサ基板2の受光面A側における周辺領域7に、貫通ビア23を形成する。
次いで図5Bに示すように、センサ基板2における周辺領域7に、パッド配線8を形成する。この際、先ずタンタル(Ta)や窒化タンタル(TaN)等からなるバリアメタル膜8-1を成膜し、次にAlCu合金膜8-2を積層成膜する。次に、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにしてAlCu合金膜8-2およびバリアメタル膜8-1をパターンエッチングする。これにより、周辺領域7において、貫通ビア23上に直接積層されたパッド配線8を形成する。このパッド配線8は、貫通ビア23間を接続するための配線部分およびこの配線部分に接続された電極パッド部分とで構成される。このようなパッド配線8は、センサ基板2に設けられたトランジスタTrや他の素子、さらには埋込配線27と重ねて形成され、いわゆるカップ構造を構成する。
その後、図5Cに示すように、絶縁層14において画素領域4に対応する部分を、周辺領域7に対して選択的に薄膜化し、これにより絶縁層14に段差構造を形成する。この際、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにして、窒化シリコン(SiN)からなる保護絶縁膜15をエッチングし、次いでエッチング条件を変更して酸化シリコン(SiO2)からなる上層絶縁膜14-4をエッチングする。この際、下層の窒化シリコン(SiN)からなるエッチングストップ膜14-3でエッチングをストップさせる。その後、さらに条件を変えてエッチングストップ膜14-3をエッチングする。
次に、図6Aに示すように、絶縁層14の段差下部に、センサ基板2を露出させる開口14aを形成する。この際、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにして、界面準位抑制膜14-2と反射防止膜14-1をエッチングする。尚、この開口14aは、光電変換部20の上方を避けた位置に形成される。
次いで図6Bに示すように、パッド配線8および遮光膜16を覆う状態で光透過性を有する材料からなる透明保護膜17を成膜する。透明保護膜17の成膜は、スピンコート法のような塗布法によって行う。次に、透明保護膜17上に、光電変換部20に対応する各色のカラーフィルタ18を形成し、さらにこの上部に光電変換部20に対応するオンチップレンズ19を備えたオンチップレンズ膜19aを形成する。
以上の後には先の図2に示したように、周辺領域7にパッド配線8を露出するパッド開口8aを形成する。この際、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにしてオンチップレンズ膜19aを、透明保護膜17、および保護絶縁膜15をパターンエッチングすることにより、パッド配線8を露出させたパッド開口8aを形成する。
以上説明した構成の固体撮像装置1-1は、駆動回路が形成された表面側と反対側の面を受光面Aとした裏面照射型であり、受光面Aの上方において、センサ基板2を貫通して設けた貫通ビア23にパッド配線8を直接積層させた構成である。これにより、貫通ビア23上に拡散防止絶縁膜を介してパッド配線8を設け、接続孔を介してこれらを接続させた構成と比較して、拡散防止絶縁膜が省略された構成となり、製造工程数を削減することが可能になると共に、周辺領域7を含む受光面A上に積層される絶縁膜を削減することが可能になる。この際、拡散防止絶縁膜を設けることなく、パッド配線8の最下層にバリアメタル膜8-1を設けたことにより、貫通ビア23を構成する銅(Cu)の拡散を防止することができる。
<固体撮像装置の構成>
(キャビティ構造を有し埋込配線部分と貫通ビア部分とを一体に形成した貫通ビア上に、直接パッド配線を設けた例)
図7は、第2実施形態の固体撮像装置1-2の構成を示す要部断面図であり、図1における画素領域4と周辺領域7との境界付近の断面図である。以下、この要部断面図に基づいて第2実施形態の固体撮像装置1-2の構成を説明する。
次に、上述した構成の固体撮像装置1-2の製造方法を図8〜図10の断面工程図に基づいて説明する。
先ず図8Aに示すように、センサ基板2と回路基板とを貼り合わせ、必要に応じてセンサ基板2の受光面A側を薄膜化するまでを、第1実施形態で図3Aを用いて説明したと同様に行う。その後、センサ基板2の受光面A上に、反射防止膜14-1、界面準位抑制膜14-2、エッチングストップ膜14-3、上層絶縁膜14-4の4層構造で絶縁層14を成膜する。
次に図8Bに示すように、配線溝43aの底部に、必要に応じた深さの各接続孔45aを形成する。これらの各接続孔45aは、第1実施形態と同様であり、センサ基板2の表面側に設けられた埋込配線27または埋込配線37の上部に達する各深さで形成される。その後は、第1実施形態において図4B,図4C,図5Aを用いて説明した手順と同様の手順を行う。
これにより図9Aに示すように、配線溝43aおよび接続孔45aの内壁に、積層構造の分離絶縁膜24を形成し、これらの内部を銅(Cu)で一体に埋め込むと共に埋込配線27または埋込配線37に接続された貫通ビア41を形成する。この貫通ビア41は、配線溝43aに埋め込まれた埋込配線部分43と、接続孔45aに埋め込まれた貫通ビア部分45とで構成されたものとなる。
すなわち先ず、図9Bに示すように、センサ基板2における周辺領域7に、パッド配線8を形成する。この際、先ずタンタル(Ta)や窒化タンタル(TaN)等からなるバリアメタル膜8-1を成膜し、次にAlCu合金膜8-2を積層成膜する。次に、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにしてAlCu合金膜8-2およびバリアメタル膜8-1をパターンエッチングする。これにより、周辺領域7において、貫通ビア41上に直接積層されたパッド配線8を形成する。このようなパッド配線8は、センサ基板2に設けられたトランジスタTrや他の素子、さらには埋込配線27と重ねて形成され、いわゆるカップ構造を構成する。これにより、センサ基板2および回路基板9、配線層2aおよび配線層9aにおける素子のレイアウトの自由度を確保する。
その後、図9Cに示すように、絶縁層14において画素領域4に対応する部分を、周辺領域7に対して選択的に薄膜化し、これにより絶縁層14に段差構造を形成する。この際、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにして、窒化シリコン(SiN)からなる保護絶縁膜15をエッチングし、次いでエッチング条件を変更して酸化シリコン(SiO2)からなる上層絶縁膜14-4をエッチングする。この際、下層の窒化シリコン(SiN)からなるエッチングストップ膜14-3でエッチングをストップさせる。その後、さらに条件を変えてエッチングストップ膜14-3をエッチングする。
次に、図10Aに示すように、絶縁層14の段差下部に、センサ基板2を露出させる開口14aを形成する。この際、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにして、界面準位抑制膜14-2と反射防止膜14-1をエッチングする。尚、この開口14aは、光電変換部20の上方を避けた位置に形成される。
次いで図10Bに示すように、パッド配線8および遮光膜16を覆う状態で光透過性を有する材料からなる透明保護膜17を成膜する。透明保護膜17の成膜は、スピンコート法のような塗布法によって行う。次に、透明保護膜17上に、光電変換部20に対応する各色のカラーフィルタ18を形成し、さらにこの上部に光電変換部20に対応するオンチップレンズ19を備えたオンチップレンズ膜19aを形成する。
以上の後には先の図7に示したように、周辺領域7にパッド配線8を露出するパッド開口8aを形成する。この際、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにしてオンチップレンズ膜19a、透明保護膜17、および保護絶縁膜15をパターンエッチングすることにより、パッド配線8を露出させたパッド開口8aを形成する。
以上説明した第2実施形態の固体撮像装置1-2は、第1実施形態の固体撮像装置と同様に、駆動回路が形成された表面側と反対側の面を受光面Aとした裏面照射型であり、受光面Aの上方において、センサ基板2を貫通して設けた貫通ビア41にパッド配線8を直接積層させた構成である。また、受光面A上には、周辺領域7に対して画素領域4で膜厚が薄い段差構造の絶縁層14を設け、この上部にオンチップレンズ19を設けている。
<固体撮像装置の構成>
(埋込配線部分と貫通ビア部分とを一体に形成した貫通ビア上に、直接パッド配線を設けた例)
図11は、第3実施形態の固体撮像装置1-3の構成を示す要部断面図であり、図1における画素領域4と周辺領域7との境界付近の断面図である。以下、この要部断面図に基づいて第3実施形態の固体撮像装置1-3の構成を説明する。
絶縁層14’は、画素領域4および周辺領域7を含む受光面A上の全面に設けられており、受光面A側から順に反射防止膜14-1、界面準位抑制膜14-2を積層させた2層構造である。このうち反射防止膜14-1は、例えば酸化ハフニウム(HfO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、または窒化シリコンなど、酸化シリコンよりも高屈折率の絶縁性材料を用いて構成される。界面準位抑制膜14-2は、例えば酸化シリコン(SiO2)を用いて構成される。
遮光膜16は、受光面A側における画素領域4において、絶縁層14’の上部、つまり界面準位抑制膜14-2の上部に設けられている。このような遮光膜16は、各光電変換部20に対応する複数の受光開口16aを備えている。また、アルミニウム(Al)やタングステン(W)のような遮光性に優れた導電性材料を用いて構成され、絶縁層14’に設けた開口14a’においてセンサ基板2に対して接地された状態で設けられている。
上層絶縁膜51は、遮光膜16を覆う状態で、画素領域4および周辺領域7を含む受光面A上の全面に設けられている。このような上層絶縁膜51は、例えば酸化シリコン(SiO2)を用いて構成される。
貫通ビア41は、第2実施形態と同様のものであり、埋込配線部分43と、この埋込配線部分43と一体に形成された貫通ビア部分45とで構成されており、各貫通ビア部分45が埋込配線部分43によって相互に接続された状態となっている。尚、埋込配線部分43は、図示したように上層絶縁膜51からセンサ基板2にまで達する深さで埋め込まれていることに限定されず、上層絶縁膜51まで、または絶縁層14’までの厚さの範囲内のみに埋め込まれていても良い。
パッド配線8は、受光面A側における周辺領域7において、上層絶縁膜51上部に形成され、この上層絶縁膜51に埋め込まれた貫通ビア41上に、直接積層されているところが特徴的である。このようなパッド配線8は、例えば複数の貫通ビア41間を接続するための配線部分や、この配線部分に接続された電極パッド部分と備えている。またパッド配線8は、センサ基板2に設けられたトランジスタTrや他の素子、さらには埋込配線27と重ねて配置され、いわゆるカップ構造を構成している。これにより、センサ基板2および回路基板9、配線層2aおよび配線層9aにおける素子のレイアウトの自由度を確保した構成となっている。
次に、上述した構成の固体撮像装置1-3の製造方法を図12〜図13の断面工程図に基づいて説明する。
先ず図12Aに示すように、センサ基板2と回路基板とを貼り合わせ、必要に応じてセンサ基板2の受光面A側を薄膜化するまでを、第1実施形態で図3Aを用いて説明したと同様に行う。その後、センサ基板2の受光面A上に、反射防止膜14-1、界面準位抑制膜14-2の2層構造で絶縁層14’を成膜する。
次に、図12B示すように、おける画素領域4における絶縁層14’部分に、センサ基板2を露出させる開口14a’を形成する。この際、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにして、界面準位抑制膜14-2と反射防止膜14-1をエッチングする。尚、この開口14a’は、光電変換部20の上方を避けた位置に形成される。
次いで図12Cに示すように、遮光膜16を覆う状態で、絶縁層14’の上部に上層絶縁膜51を成膜する。その後、センサ基板2の周辺領域7において、上層絶縁膜51からセンサ基板2の受光面A側の表面層にかけて、配線溝43aを形成する。この際、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにして、上層絶縁膜51からセンサ基板2の表面層をエッチングする。エッチングの終了後にはレジストパターンを除去する。
次いで図13Aに示すように、配線溝43aの底部に、必要に応じた深さの各接続孔45aを形成する。これらの各接続孔45aは、第1実施形態と同様であり、センサ基板2の表面側に設けられた埋込配線27または埋込配線37の上部に達する各深さで形成される。その後は、第1実施形態において図4B,図4C,図5Aを用いて説明した手順と同様の手順を行う。
これにより図13Bに示すように、配線溝43aおよび接続孔45aの内壁に、積層構造の分離絶縁膜24を形成し、これらの内部を銅(Cu)で一体に埋め込むと共に埋込配線27または埋込配線37に接続された貫通ビア41を形成する。この貫通ビア41は、配線溝43aに埋め込まれた埋込配線部分43と、接続孔45aに埋め込まれた貫通ビア部分45とで構成されたものとなる。
次いで、図13Cに示すように、センサ基板2における周辺領域7に、パッド配線8を形成する。この際、先ずタンタル(Ta)や窒化タンタル(TaN)等からなるバリアメタル膜8-1を成膜し、次にAlCu合金膜8-2を積層成膜する。次に、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにしてAlCu合金膜8-2およびバリアメタル膜8-1をパターンエッチングする。これにより、周辺領域7において、貫通ビア41上に直接積層されたパッド配線8を形成する。このようなパッド配線8は、センサ基板2に設けられたトランジスタTrや他の素子、さらには埋込配線27と重ねて形成され、いわゆるカップ構造を構成する。
以上の後には先の図11に示したように、周辺領域7にパッド配線8を露出するパッド開口8aを形成する。この際、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにしてオンチップレンズ膜19aおよび透明保護膜17をパターンエッチングすることにより、パッド配線8を露出させたパッド開口8aを形成する。
以上説明した第3実施形態の固体撮像装置1-3は、第1実施形態の固体撮像装置と同様に、駆動回路が形成された表面側と反対側の面を受光面Aとした裏面照射型であり、受光面Aの上方において、センサ基板2を貫通して設けた貫通ビア41にパッド配線8を直接積層させた構成である。これにより、貫通ビア41上に拡散防止絶縁膜を介してパッド配線8を設け、接続孔を介してこれらを接続させた構成と比較して、拡散防止絶縁膜が省略された構成となり、周辺領域7を含む受光面A上に積層される絶縁膜を削減することが可能になる。また製造工程数を削減することが可能になる。この際、拡散防止絶縁膜を設けることなく、パッド配線8の最下層にバリアメタル膜8-1を設けたことにより、貫通ビア41を構成する銅(Cu)の拡散を防止することができる。
上述の実施形態で説明した本技術に係る固体撮像装置は、例えばデジタルカメラやビデオカメラ等のカメラシステム、さらには撮像機能を有する携帯電話、あるいは撮像機能を備えた他の機器などの電子機器に適用することができる。
光電変換部が配列形成された画素領域を有するセンサ基板と、
前記センサ基板において前記光電変換部に対する受光面とは逆の表面側に設けられた駆動回路と、
前記画素領域の外側の周辺領域において、前記センサ基板における前記受光面側から前記駆動回路に達して設けられた貫通ビアと、
前記周辺領域の前記受光面側において、前記貫通ビア上に直接積層されたパッド配線とを備えた
固体撮像装置。
前記パッド配線を覆って前記受光面上に設けられた保護膜と、
前記保護膜上に設けられたオンチップレンズと、
前記パッド配線を露出する状態で前記保護膜に設けられたパッド開口とを備えた
(1)に記載の固体撮像装置。
前記センサ基板の表面側において前記パッド配線と重なる位置には、素子が配置されている
(1)または(2)に記載の固体撮像装置。
前記貫通ビアは、前記センサ基板の受光面側に設けられた埋込配線部分と当該埋込配線部分と一体に形成された貫通ビア部分とを備え、
前記パッド配線は、前記埋込配線部分上に直接積層されている
(1)〜(3)の何れかに記載の固体撮像装置。
前記埋込配線部分は、前記センサ基板の受光面側に埋め込まれている
(4)記載の固体撮像装置。
前記画素領域における前記受光面上には、絶縁層を介して前記光電変換部に対応した受光開口を有する遮光膜が設けられて、
前記パッド配線は、前記遮光膜と同一層で構成されている
(1)〜(5)の何れかに記載の固体撮像装置。
前記受光面上には、前記画素領域の膜厚が当該画素領域の外側に設けられた周辺領域の膜厚よりも薄い段差構造を有する絶縁層が設けられ、
前記絶縁層における段差上部には、前記パッド配線が設けられ、
前記絶縁層における段差下部には、前記光電変換部に対応した受光開口を有する遮光膜が設けられた
(1)〜(5)の何れかに記載の固体撮像装置。
前記絶縁層は、異なる材料を用いて構成された積層構造であり、
前記画素領域においては、前記絶縁層において積層構造の上層部分を構成する膜が除去されている
(7)記載の固体撮像装置。
前記センサ基板の表面側には、前記駆動回路を有する回路基板が貼り合わせられた
(1)〜(8)の何れかに記載の固体撮像装置。
センサ基板に設定された画素領域に光電変換部を配列形成することと、
前記センサ基板において前記光電変換部に対する受光面とは逆の表面側に駆動回路を形成することと、
前記画素領域の外側の周辺領域に、前記センサ基板における前記受光面側から前記駆動回路に達する貫通ビアを形成することと、
前記周辺領域における前記受光面側に、前記貫通ビア上に直接積層されたパッド配線を形成することとを行う
固体撮像装置の製造方法。
前記貫通ビアを形成する際には、
前記センサ基板の受光面側に、配線溝と、当該配線溝の底部から当該センサ基板を貫通して前記駆動回路にまで延設された接続孔とを形成した後、当該配線溝と接続孔とを同時に埋め込むことにより、埋込配線部分と貫通ビア部分とで構成された貫通ビアを形成する
(10)記載の固体撮像装置の製造方法。
前記パッド配線を形成する際には、
前記光電変換部に対応した受光開口を有する遮光膜を、前記パッド配線と同一層で前記画素領域に形成する
(10)または(11)に記載の固体撮像装置の製造方法。
前記貫通ビアを形成する前に、前記受光面上に絶縁層を成膜し、
次いで前記絶縁層および前記センサ基板を貫通する貫通ビアを形成した後、
前記絶縁層において前記画素領域に対応する部分を前記周辺領域に対して選択的に薄膜化することにより当該絶縁層に段差構造を形成することと、
前記絶縁層における段差上部に、前記貫通ビア上に直接積層されたパッド配線を形成することと、
前記絶縁層における段差下部に、前記光電変換部に対応した受光開口を有する遮光膜を形成することとを行う
(10)〜(12)の何れかに記載の固体撮像装置の製造方法。
前記絶縁層を成膜する際には、異なる材料を用いて構成された積層構造として当該絶縁層を成膜し、
前記絶縁層に段差構造を形成する際には、当該絶縁層において積層構造の上層部分を構成する膜を、下層部分を構成する膜に対して選択的に除去する
(13)記載の固体撮像装置の製造方法。
光電変換部が配列形成された画素領域を有するセンサ基板と、
前記センサ基板において前記光電変換部に対する受光面とは逆の表面側に設けられた駆動回路と、
前記画素領域の外側の周辺領域において、前記センサ基板における前記受光面側から前記駆動回路に達して設けられた貫通ビアと、
前記周辺領域の前記受光面側において、前記貫通ビア上に直接積層されたパッド配線と、
前記光電変換部に入射光を導く光学系を備えた
電子機器。
Claims (13)
- 光電変換部が配列形成された画素領域を有するセンサ基板と、
前記センサ基板において前記光電変換部に対する受光面とは逆の表面側に設けられた駆動回路と、
前記受光面上において前記画素領域の外側の周辺領域に対応する第1領域と前記画素領域に対応する第2領域とに配置された絶縁層と、
前記画素領域の外側の周辺領域において、前記センサ基板における前記受光面側から前記駆動回路に達して設けられた貫通ビアと、
前記第1領域における前記絶縁層の上方において、前記貫通ビア上に直接積層されたパッド配線と、
前記パッド配線を覆って前記受光面上に設けられた保護膜と、
前記保護膜上に設けられたオンチップレンズと、
前記パッド配線を露出する状態で前記保護膜に設けられたパッド開口とを備え、
前記第2領域に配置された前記絶縁層の厚さは、前記第1領域に配置された前記絶縁層の厚さよりも薄く、
前記第2領域における前記絶縁層の上方には、受光開口が設けられている
固体撮像装置。 - 前記センサ基板の表面側において前記パッド配線と重なる位置には、素子が配置されている
請求項1記載の固体撮像装置。 - 前記貫通ビアは、前記センサ基板の受光面側に設けられた埋込配線部分と当該埋込配線部分と一体に形成された貫通ビア部分とを備え、
前記パッド配線は、前記埋込配線部分上に直接積層されている
請求項1または2記載の固体撮像装置。 - 前記埋込配線部分は、前記センサ基板の受光面側に埋め込まれている
請求項3記載の固体撮像装置。 - 前記画素領域における前記受光面上には、前記絶縁層を介して前記光電変換部に対応した前記受光開口を有する遮光膜が設けられて、
前記パッド配線は、前記遮光膜と同一層で構成されている
請求項1〜4の何れかに記載の固体撮像装置。 - 前記受光面上には、前記画素領域の膜厚が当該画素領域の外側に設けられた前記周辺領域の膜厚よりも薄い段差構造を有する前記絶縁層が設けられ、
前記絶縁層における段差上部には、前記パッド配線が設けられ、
前記絶縁層における段差下部には、前記光電変換部に対応した前記受光開口を有する遮光膜が設けられた
請求項1〜4の何れかに記載の固体撮像装置。 - 前記絶縁層は、異なる材料を用いて構成された積層構造であり、
前記画素領域においては、前記絶縁層において積層構造の上層部分を構成する膜が除去されている
請求項1〜6の何れかに記載の固体撮像装置。 - 前記センサ基板の表面側には、前記駆動回路を有する回路基板が貼り合わせられた
請求項1〜7の何れかに記載の固体撮像装置。 - センサ基板に設定された画素領域に光電変換部を配列形成することと、
前記センサ基板において前記光電変換部に対する受光面とは逆の表面側に駆動回路を形成することと、
前記画素領域の外側の周辺領域に、前記センサ基板における前記受光面側から前記駆動回路に達する貫通ビアを形成することと、
前記周辺領域における前記受光面側に、前記貫通ビア上に直接積層されたパッド配線を形成すること、
前記パッド配線を覆って前記受光面上に保護膜を形成することと、
前記保護膜上にオンチップレンズを形成することと、
前記パッド配線を露出する状態で前記保護膜にパッド開口を形成することと、
前記貫通ビアを形成する前に、前記受光面上に絶縁層を成膜し、次いで前記絶縁層および前記センサ基板を貫通する貫通ビアを形成した後、前記絶縁層において前記画素領域に対応する部分を前記周辺領域に対して選択的に薄膜化することにより当該絶縁層に段差構造を形成することと、
前記絶縁層における段差上部に、前記貫通ビア上に直接積層されたパッド配線を形成することと、
前記絶縁層における段差下部に、前記光電変換部に対応した受光開口を有する遮光膜を形成することとを行う
固体撮像装置の製造方法。 - 前記貫通ビアを形成する際には、
前記センサ基板の受光面側に、配線溝と、当該配線溝の底部から当該センサ基板を貫通して前記駆動回路にまで延設された接続孔とを形成した後、当該配線溝と接続孔とを同時に埋め込むことにより、埋込配線部分と貫通ビア部分とで構成された貫通ビアを形成する
請求項9記載の固体撮像装置の製造方法。 - 前記パッド配線を形成する際には、
前記光電変換部に対応した受光開口を有する遮光膜を、前記パッド配線と同一層で前記画素領域に形成する
請求項9または10記載の固体撮像装置の製造方法。 - 前記絶縁層を成膜する際には、異なる材料を用いて構成された積層構造として当該絶縁層を成膜し、
前記絶縁層に段差構造を形成する際には、当該絶縁層において積層構造の上層部分を構成する膜を、下層部分を構成する膜に対して選択的に除去する
請求項9〜11の何れかに記載の固体撮像装置の製造方法。 - 光電変換部が配列形成された画素領域を有するセンサ基板と、
前記センサ基板において前記光電変換部に対する受光面とは逆の表面側に設けられた駆動回路と、
前記受光面上において前記画素領域の外側の周辺領域に対応する第1領域と前記画素領域に対応する第2領域とに配置された絶縁層と、
前記画素領域の外側の周辺領域において、前記センサ基板における前記受光面側から前記 駆動回路に達して設けられた貫通ビアと、
前記第1領域における前記絶縁層の上方において、前記貫通ビア上に直接積層されたパッド配線と、
前記パッド配線を覆って前記受光面上に設けられた保護膜と、
前記保護膜上に設けられたオンチップレンズと、
前記パッド配線を露出する状態で前記保護膜に設けられたパッド開口と、
前記光電変換部に入射光を導く光学系とを備え、
前記第2領域に配置された前記絶縁層の厚さは、前記第1領域に配置された前記絶縁層の厚さよりも薄く、
前記第2領域における前記絶縁層の上方には、受光開口が設けられている
電子機器。
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