JP2009283482A - 固体撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】遮光を兼ねる配線部を銅配線で形成する場合に、縦構造のシュリンクによって十分な遮光性をもたせることが困難になる。
【解決手段】黒基準画素部11が設けられる遮光画素領域5と、受光画素部12が設けられる撮像画素領域6と、黒基準画素部11の遮光を兼ねて遮光画素領域5に形成される第1の配線部37と、第1の配線部37と同層で撮像画素領域6に形成される第2の配線部38とを備える固体撮像装置1の構成として、第1の配線部37は、第1の配線材料層と、第1の配線材料層の拡散を防止する第1の拡散防止層と、第1の拡散防止層と積層構造をなす遮光材料層39とを有するものとし、第2の配線部38は、第2の配線材料層と、第2の配線材料層の拡散を防止する第2の拡散防止層とを有するものとした。
【選択図】図1
【解決手段】黒基準画素部11が設けられる遮光画素領域5と、受光画素部12が設けられる撮像画素領域6と、黒基準画素部11の遮光を兼ねて遮光画素領域5に形成される第1の配線部37と、第1の配線部37と同層で撮像画素領域6に形成される第2の配線部38とを備える固体撮像装置1の構成として、第1の配線部37は、第1の配線材料層と、第1の配線材料層の拡散を防止する第1の拡散防止層と、第1の拡散防止層と積層構造をなす遮光材料層39とを有するものとし、第2の配線部38は、第2の配線材料層と、第2の配線材料層の拡散を防止する第2の拡散防止層とを有するものとした。
【選択図】図1
Description
本発明は、CMOSイメージセンサ等の固体撮像装置に関する。
光電変換部とMOS(Metal Oxide Semiconductor)型トランジスタを備える固体撮像装置の一つとして、CMOSイメージセンサが知られている。CMOSイメージセンサは、光電変換部と複数のMOS型トランジスタからなる画素を二次元的にアレイ状に配列したものである。CMOSイメージは、各々の光電変換部により生成された電荷を画素信号に変換して読み出す固体撮像装置である。近年、CMOSイメージセンサは、携帯電話用カメラ、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどの撮像素子として注目されている。
CMOSイメージでは、画素部よりも上層に形成される配線部を、画素部の遮光に用いる技術が提案されている(例えば、特許文献1)。また、遮光を兼ねる配線部(以下、「遮光配線部」とも記す)をアルミニウムで形成する技術も提案されている(例えば、特許文献2)。遮光配線部をアルミニウム配線で形成する場合は、エッチングによって配線パターンを形成することになる。このため、配線部よりも上層にカラーフィルタ層を形成する場合、カラーフィルタ層の下地となる面に、アルミニウムの配線パターンによる凹凸(段差)が生じる。したがって、カラーフィルタ層を塗布法で形成するときに、塗布ムラが生じやすくなる。また、凹凸による塗布ムラを防止するには、アルミニウムの配線パターンを形成した後で、平坦化膜を形成する必要がある。これに対して、遮光配線部を銅配線で形成する場合は、周知のダマシン法によって銅配線の上面と当該銅配線が埋め込まれる絶縁膜の上面を面一(平坦)に仕上げる。このため、カラーフィルタ層の下地面が平らな面となる。したがって、上記の塗布ムラ等の発生を防止することができる。
しかしながら、銅配線を用いて画素部を遮光するにあたっては、配線材料となる銅がアルミニウムよりも光の透過率が高い材料であるため、遮光配線部に十分な遮光性をもたせることが難しくなる。特に今後は、固体撮像装置の低コスト化、多画素化、高感度化のニーズの高まりに伴い、銅配線のシュリンク(サイズの縮小化)が益々進むと予想される。このため、配線の微細化及び縦構造のシュリンクにより、光を遮光するのに十分な膜厚を確保できなくなってくる。現在、CMOSイメージセンサを含むCMOSデバイスは、銅配線を用いた90nm世代以上のデザインルールによって製造されるようになってきている。
光の透過率は、90nm世代の銅配線の場合は−126dBとなるのに対して、65nm世代の銅配線の場合は−89dB、45nm世代の銅配線の場合は−74dBとなる。これは、主に配線の縦構造のシュリンクに伴い、銅の膜厚と銅の拡散を防止するバリアメタルの膜厚が共に薄くなることに起因して、遮光配線部の遮光性が劣化するためである。
遮光配線部で十分に遮光できなくなると、例えば、黒レベルの基準となる画素信号(以下、「黒基準信号」とも記す)を得るために設けられる黒基準画素部の直上に、遮光配線部を形成した場合に、当該遮光配線部を透過した光(不要な光)が黒基準画素部に入射することになる。このため、黒基準画素部で生成される黒基準信号の値が適正値から変動し、画像ムラが発生する恐れがある。また、遮光配線部を透過した光が、多層配線層の内部で反射し、その反射光が他の画素部に入射する、いわゆる混色によって、イメージセンサの性能が劣化する恐れがある。
請求項1に記載の発明は、
第1の画素部が設けられる遮光画素領域と、
第2の画素部が設けられる撮像画素領域と、
前記第1の画素部の遮光を兼ねて前記遮光画素領域に形成される第1の配線部と、
前記第1の配線部と同層で前記撮像画素領域に形成される第2の配線部とを備え、
前記第1の配線部は、第1の配線材料層と、当該第1の配線材料層の拡散を防止する第1の拡散防止層と、当該第1の拡散防止層と積層構造をなす遮光材料層とを有し、
前記第2の配線部は、第2の配線材料層と、当該第2の配線材料層の拡散を防止する第2の拡散防止層とを有する
固体撮像装置に係るものである。
第1の画素部が設けられる遮光画素領域と、
第2の画素部が設けられる撮像画素領域と、
前記第1の画素部の遮光を兼ねて前記遮光画素領域に形成される第1の配線部と、
前記第1の配線部と同層で前記撮像画素領域に形成される第2の配線部とを備え、
前記第1の配線部は、第1の配線材料層と、当該第1の配線材料層の拡散を防止する第1の拡散防止層と、当該第1の拡散防止層と積層構造をなす遮光材料層とを有し、
前記第2の配線部は、第2の配線材料層と、当該第2の配線材料層の拡散を防止する第2の拡散防止層とを有する
固体撮像装置に係るものである。
請求項1に記載の発明においては、第1の配線部に遮光材料層を形成し、第2の配線部に遮光材料層を形成しない配線構造を採用することにより、第2の配線部よりも高い遮光性を第1の配線部に付与することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、
第1の画素部が設けられる遮光画素領域と、
第2の画素部が設けられる撮像画素領域と、
前記第1の画素部の遮光を兼ねて前記遮光画素領域に形成される第1の配線部と、
前記第1の配線部と同層で前記撮像画素領域に形成される第2の配線部とを備え、
前記第1の配線部は、第1の配線材料層と、当該第1の配線材料層の拡散を防止する第1の拡散防止層とを有し、
前記第2の配線部は、第2の配線材料層と、当該第2の配線材料層の拡散を防止する第2の拡散防止層とを有し、
前記第1の拡散防止層は、前記第2の拡散防止層よりも厚い
固体撮像装置に係るものである。
第1の画素部が設けられる遮光画素領域と、
第2の画素部が設けられる撮像画素領域と、
前記第1の画素部の遮光を兼ねて前記遮光画素領域に形成される第1の配線部と、
前記第1の配線部と同層で前記撮像画素領域に形成される第2の配線部とを備え、
前記第1の配線部は、第1の配線材料層と、当該第1の配線材料層の拡散を防止する第1の拡散防止層とを有し、
前記第2の配線部は、第2の配線材料層と、当該第2の配線材料層の拡散を防止する第2の拡散防止層とを有し、
前記第1の拡散防止層は、前記第2の拡散防止層よりも厚い
固体撮像装置に係るものである。
請求項3に記載の発明においては、第1の拡散防止層を第2の拡散防止層よりも厚い配線構造を採用することにより、第2の配線部よりも高い遮光性を第1の配線部に付与することが可能となる。
請求項4に記載の発明は、
第1の画素部が設けられる遮光画素領域と、
第2の画素部が設けられる撮像画素領域と、
前記第1の画素部の遮光を兼ねて前記遮光画素領域に形成される第1の配線部と、
前記第1の配線部と同層で前記撮像画素領域に形成される第2の配線部とを備え、
前記第1の配線部は、第1の配線材料層と、当該第1の配線材料層の拡散を防止する第1の拡散防止層とを有し、
前記第2の配線部は、第2の配線材料層と、当該第2の配線材料層の拡散を防止する第2の拡散防止層とを有し、
前記第1の配線材料層は、前記第2の配線材料層よりも厚い
固体撮像装置に係るものである。
第1の画素部が設けられる遮光画素領域と、
第2の画素部が設けられる撮像画素領域と、
前記第1の画素部の遮光を兼ねて前記遮光画素領域に形成される第1の配線部と、
前記第1の配線部と同層で前記撮像画素領域に形成される第2の配線部とを備え、
前記第1の配線部は、第1の配線材料層と、当該第1の配線材料層の拡散を防止する第1の拡散防止層とを有し、
前記第2の配線部は、第2の配線材料層と、当該第2の配線材料層の拡散を防止する第2の拡散防止層とを有し、
前記第1の配線材料層は、前記第2の配線材料層よりも厚い
固体撮像装置に係るものである。
請求項4に記載の発明においては、第1の配線材料層を第2の配線材料層よりも厚い配線構造を採用することにより、第2の配線部よりも高い遮光性を第1の配線部に付与することが可能となる。
請求項5に記載の発明は、
第1の画素部が設けられる遮光画素領域と、
第2の画素部が設けられる撮像画素領域と、
前記第1の画素部の遮光を兼ねて前記遮光画素領域に形成される第1の配線部と、
前記第1の配線部と同層で前記撮像画素領域に形成される第2の配線部とを備え、
前記第1の配線部は、第1の配線材料層と、当該第1の配線材料層の拡散を防止する第1の拡散防止層とを有し、
前記第2の配線部は、第2の配線材料層と、当該第2の配線材料層の拡散を防止する第2の拡散防止層とを有し、
前記第1の配線部における前記第1の拡散防止層の厚みの割合は、前記第2の配線部における前記第2の拡散防止層の厚みの割合よりも高い
固体撮像装置に係るものである。
第1の画素部が設けられる遮光画素領域と、
第2の画素部が設けられる撮像画素領域と、
前記第1の画素部の遮光を兼ねて前記遮光画素領域に形成される第1の配線部と、
前記第1の配線部と同層で前記撮像画素領域に形成される第2の配線部とを備え、
前記第1の配線部は、第1の配線材料層と、当該第1の配線材料層の拡散を防止する第1の拡散防止層とを有し、
前記第2の配線部は、第2の配線材料層と、当該第2の配線材料層の拡散を防止する第2の拡散防止層とを有し、
前記第1の配線部における前記第1の拡散防止層の厚みの割合は、前記第2の配線部における前記第2の拡散防止層の厚みの割合よりも高い
固体撮像装置に係るものである。
請求項5に記載の発明においては、第1の配線部における第1の拡散防止層の厚みの割合を、第2の配線部における第2の拡散防止層の厚みの割合よりも高い配線構造を採用することにより、第2の配線部よりも高い遮光性を第1の配線部に付与することが可能となる。
請求項6に記載の発明は、
第1の画素部が設けられる遮光画素領域と、
第2の画素部が設けられる撮像画素領域と、
前記第1の画素部の遮光を兼ねて前記遮光画素領域に形成される第1の配線部と、
前記第1の配線部と同層で前記撮像画素領域に形成される第2の配線部とを備え、
前記第1の配線部は、前記第2の配線部よりも光の透過率が低い配線構造を有する
固体撮像装置に係るものである。
第1の画素部が設けられる遮光画素領域と、
第2の画素部が設けられる撮像画素領域と、
前記第1の画素部の遮光を兼ねて前記遮光画素領域に形成される第1の配線部と、
前記第1の配線部と同層で前記撮像画素領域に形成される第2の配線部とを備え、
前記第1の配線部は、前記第2の配線部よりも光の透過率が低い配線構造を有する
固体撮像装置に係るものである。
請求項6に記載の発明においては、第1の配線部を第2の配線部よりも光の透過率が低い配線構造とすることにより、第2の配線部よりも高い遮光性を第1の配線部に付与することが可能となる。
本発明によれば、第1の画素部の遮光を兼ねて遮光画素領域に形成される第1の配線部に対し、撮像画素領域に形成される第2の配線部よりも高い遮光性をもたせることができる。これにより、第1の配線部を利用して、第1の画素部への不要な光入射をより確実に防止することが可能となる。
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明の技術的範囲は以下に記述する実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
図1は本発明の実施の形態に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。固体撮像装置1は、例えばシリコン基板からなる半導体基板2をベースに構成されている。半導体基板2の面内は、大きくは、画素アレイ領域3と周辺回路領域4に区分されている。さらに、画素アレイ領域3は、遮光画素領域5と撮像画素領域6に区分されている。
半導体基板2の上面には、第1導電型として、例えばp型の半導体ウェル領域7が形成されている。半導体ウェル領域7には、画素アレイ領域3で各々の画素部を分離する素子分離領域8が形成されている。素子分離領域8は、例えば選択酸化(いわゆるLOCOS)による絶縁分離領域、あるいはトレンチ分離領域等で形成することができる。本例では素子分離領域8をトレンチ分離領域で形成している。
画素アレイ領域3には、複数(多数)の画素部11,12が二次元的にアレイ状に並べて設けられている。また、遮光画素領域5には、第1の画素部として黒基準画素部11が設けられ、撮像画素領域6には、第2の画素部として受光画素部12が設けられている。黒基準画素部11は、黒レベルの基準となる画素信号(黒基準信号)を生成するものである。黒基準画素部11は、光学的黒画素(オプティカルブラック)とも呼ばれる。受光画素部12は、外部から入射する光を受光して、当該受光量に応じた画素信号(撮像信号)を生成するものである。
黒基準画素部11は、光電変換部となるフォトダイオード15と、複数のMOSトランジスタTrとを用いて構成されている。フォトダイオード15は、p型の半導体ウェル領域7に形成されたn型半導体領域による電荷蓄積領域16とその表面のp型アキュミュレーション領域17からなるHAD(Hole Accumulation Diode)構造で形成されている。p型アキュミュレーション領域17は、暗電流抑制のために形成されるものである。
複数のMOSトランジスタTrは、一般的には、3つのトランジスタ又は4つのトランジスタで構成されるものである。3トランジスタ構造では、転送トランジスタ、リセットトランジスタ及び増幅トランジスタで構成される。4トランジスタ構造では、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ及び選択トランジスタで構成される。図1では、転送トランジスタTr1だけを示している。転送トランジスタTr1は、フローティング・ディフージョン(FD)となるn型半導体領域18(ドレイン)と、フォトダイオード15のn型電荷蓄積領域16(ソース)と、図示しないゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極19とによって構成されている。
受光画素部12は、前述した黒基準画素部11と同様の画素構造を有している。すなわち、受光画素部12は、光電変換部となるフォトダイオード21と、複数のMOSトランジスタTrとを用いて構成されている。フォトダイオード21は、p型の半導体ウェル領域7に形成されたn型半導体領域による電荷蓄積領域22とその表面のp型アキュミュレーション領域23からなるHAD構造で形成されている。また、複数のMOSトランジスタTrの一つとなる転送トランジスタTr1は、n型半導体領域24(ドレイン)と、フォトダイオード21のn型電荷蓄積領域22(ソース)と、ゲート電極25とによって構成されている。
周辺回路領域4は、平面視矩形状をなす画素アレイ領域3を取り囲む形態で、画素アレイ領域3の周辺に形成されるものである。周辺回路領域4には、例えば駆動用の回路、論理回路、信号処理用の回路等が形成される。
半導体基板2の半導体ウェル領域7上には、複数の配線層26,27,28が積層状態で形成されている。図1では一例として3層構造を示している。配線層26は、半導体基板2側から数えて、第1層目の配線層として形成され、配線層27は、第2層目の配線層として形成され、配線層28は、第3層目の配線層として形成されている。このため、配線層26は最下層、配線層28は最上層となっている。多層構造をなす配線層の層数は、層間絶縁膜の積層層によって決まる。
最上層となる配線層28の上には、カラーフィルタ層29が形成されている。カラーフィルタ層29は、画素単位で赤、緑、青の各色成分の光を選択的に透過するものである。カラーフィルタ層29の上には、光透過性を有する平坦化膜30を介してオンチップレンズ31が形成されている。オンチップレンズ31は、外部から入射する光を効率良く受光画素部12のフォトダイオード21に照射するために設けられるものである。
上記複数の配線層26,27,28のうち、第1層目の配線層26は、層間絶縁膜31と、複数の配線部32を用いて構成されている。層間絶縁膜31は、上記ゲート絶縁膜及びゲート電極19,25を覆う状態で、半導体ウェル領域7上に積層して形成されている。層間絶縁膜31は、光透過性を有する絶縁膜であり、例えば酸化シリコン膜で形成される。
複数の配線部32は、所定の配線パターンで層間絶縁膜31中に形成されている。層間絶縁膜中とは、層間絶縁膜の膜厚の寸法範囲内という意味である。各々の配線部32は、遮光画素領域5、撮像画素領域6及び周辺回路領域7で、それぞれ共通の配線構造をもって形成されている。具体的には、各々の配線部32は、配線材料に銅を用いて形成されている。ただし、銅は絶縁膜中に拡散しやすい性質をもっている。このため、各々の配線部32は、銅の配線材料層と、銅の拡散を防止する拡散防止層とによって形成されている。
2層目の配線層27は、上記1層目の配線層26と同様に、層間絶縁膜33と、複数の配線部34を用いて構成されている。層間絶縁膜33は、複数の配線部32を覆う状態で、層間絶縁膜31上に積層して形成されている。層間絶縁膜32は、上記層間絶縁膜31と同様に、光透過性を有する絶縁膜であり、例えば酸化シリコン膜で形成される。
複数の配線部34は、所定の配線パターンで層間絶縁膜33中に形成されている。また、各々の配線部34は、遮光画素領域5、撮像画素領域6及び周辺回路領域7で、それぞれ共通の配線構造をもって形成されている。具体的には、各々の配線部34は、上記配線部32と同様に、銅の配線材料層と、銅の拡散を防止する拡散防止層とによって形成されている。さらに、配線層26と配線層27との間では、コンタクト部(ビア等)35により、配線部32と配線部34の電気的な接続がなされている。
3層目の配線層28は、例えば、遮光を兼ねた電源配線層となるもので、層間絶縁膜36と、複数の配線部37,38を用いて構成されている。層間絶縁膜36は、複数の配線部34を覆う状態で、層間絶縁膜33上に積層して形成されている。層間絶縁膜36は、上記層間絶縁膜31と同様に、光透過性を有する絶縁膜であり、例えば酸化シリコン膜で形成される。
複数の配線部37,38は、互いに同層となるように、所定の配線パターンで層間絶縁膜36中に形成されている。「同層」とは、多層構造をなす配線層の中で、同じ配線層に形成されることを意味する。配線部37,38は、同じ配線層28に形成されていることから、「同層」に形成されたものとなる。複数の配線部37,38のうち、配線部37は、遮光画素領域5に形成され、残りの複数の配線部38は、撮像画素領域6と周辺回路領域4に形成されている。また、配線部37は、遮光画素領域5において、フォトダイオード15を含む黒基準画素部11の直上、つまり黒基準画素部11への光入射を遮る領域に形成されている。配線部37は、遮光画素領域5の全域にわたってベタ状に広く形成してもよいし、遮光画素領域5に形成された黒基準画素部11と1:1の対応関係で島状に形成してもよい。配線部38は、撮像画素領域6と周辺回路領域4の双方に形成され、特に、撮像画素領域6においては、受光画素部12のフォトダイオード21の直上を避けた位置に形成されている。さらに、撮像画素領域6においては、受光画素部12のフォトダイオード21の直上を開口するように、各配線層26,27,28の配線部32,34,38が形成されている。
また、同じ配線層28に含まれる配線部37と配線部38は、互いに異なる配線構造を有している。すなわち、配線部37は、前述した配線材料層と拡散防止層に加えて、遮光材料層39を有する配線構造となっているのに対して、配線部38は、遮光材料層39をもたない配線構造となっている。このため、配線部37は、銅の配線材料層、拡散防止層及び遮光材料層の3層構造となっているのに対して、配線部38は、それよりも層数の少ない、銅の配線材料層及び拡散防止層の2層構造となっている。つまり、配線部37は、配線部38よりも多層の構造になっている。ちなみに、配線部37及び配線部38の双方で、それぞれ拡散防止層を2層構造で形成した場合は、配線部37が全体で4層構造となり、配線部38が全体で3層構造となる。
遮光材料層39は、配線部37で配線材料層を覆っている拡散防止層の下、つまり配線部37の底部に形成されている。遮光材料層39は、配線部37の配線材料となる銅よりも光の透過率が低い金属材料を用いて形成されている。遮光材料層39は、固体撮像装置1の製造工程上、銅の配線材料層を覆う拡散防止層と同じ金属材料を用いて形成することが好ましい。すなわち、遮光材料層39を拡散防止層と同じ材料で形成すれば、製造が容易になる。拡散防止層は、銅のバリアメタルとなる、例えばチタン(Ti)、タンタル(Ta)又はそれらの窒化物(TiN、TaN)を用いて形成される。遮光材料層39を拡散防止層と異なる材料で形成する場合は、例えば、遮光材料層39の形成材料としてチタンあるいはチタン窒化物を用い、拡散防止層の形成材料として、タンタルあるいは、タンタル窒化物とタンタルの積層を用いることが出来る。または、遮光材料層39の形成材料としてタンタルあるいはタンタル窒化物を用い、拡散防止層の形成材料として、チタンあるいは、チタン窒化物とチタンの積層を用いることが出来る。その他、遮光材料層39の形成材料としてタングステン(W)、ルテニウム(Ru)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)のいずれかを用い、拡散防止層の形成材料としてタンタルあるいはタンタル窒化物とタンタルの積層、または、チタンあるいは、チタン窒化物とチタンの積層を用いることができる。
なお、一つの配線部を構成している膜の積層数(層数)は、当該配線部を構成している材料の違いだけでなく、工程の違いによっても規定されるものである。このため、配線部37において、拡散防止層と遮光材料層39を同じ材料で形成したとしても、各々の層を別工程で形成した場合は、配線部37が配線部38よりも多層の構造となる。
続いて、本発明の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法について説明する。なお、本発明に係る固体撮像装置は、遮光画素領域5に設けられる配線部37と撮像画素領域6に設けられる配線部38の配線構造の違いに特徴を有する。このため、本実施の形態においては、最上層の配線層28に配線部37,38を形成する場合の製造方法について説明する。
<第1の製造方法>
まず、半導体基板2上に、複数の画素部11,12を二次元のアレイ状に配置してなる画素アレイ領域3と、各種の回路を含む周辺回路領域4を形成した後、半導体基板2上に周知の埋め込み配線方法によって配線層26と配線層27を順に形成する。埋め込み配線方法としては、周知のダマシン法を適用することができる。
まず、半導体基板2上に、複数の画素部11,12を二次元のアレイ状に配置してなる画素アレイ領域3と、各種の回路を含む周辺回路領域4を形成した後、半導体基板2上に周知の埋め込み配線方法によって配線層26と配線層27を順に形成する。埋め込み配線方法としては、周知のダマシン法を適用することができる。
具体的には、例えば、層間絶縁膜の配線溝の部分にタンタル系の拡散防止層と銅のシード層を順に形成した後、電解銅めっきによって配線溝の部分を銅で埋め込み、さらに不要な金属材料をCMP(化学的機械研磨)法により研磨して除去した後、銅配線の表面をキャップ層で覆う。これらを繰り返すことで、半導体基板2上に配線層26,27を形成する。ちなみに、キャップ層は、前述したチタン系、タンタル系のバリアメタルと同様に、銅の拡散を防止する目的で形成されるものである。キャップ層は、例えばシリコン炭窒化膜(SiCN層)で形成される。
次に、図2(A)に示すように、配線層27の層間絶縁膜33を覆う状態で層間絶縁膜36を形成するとともに、当該層間絶縁膜36を覆う状態で感光性のレジスト膜41を形成する。さらに、レジスト膜41を露光及び現像して開口部42を形成し、この開口部42を通して層間絶縁膜36をエッチングすることにより、上記黒基準画素部11の直上に所定の深さで配線溝43を形成する。配線溝43の深さについては後段で記述する。
次に、図2(B)に示すように、層間絶縁膜36の上にレジスト膜41を残したままの状態で、例えばタンタル又はチタンからなる金属膜44をスパッタ法により成膜する。このとき、金属膜44は、主としてレジスト膜41の上面と配線溝43の底面に成膜される。この成膜工程では、金属膜44を40nmの膜厚で形成するものとする。その理由は、65nm世代の銅配線の場合は、約−30dBよりも高い遮光性をもつ必要があり、そのために必要となる金属膜44の膜厚は40nmとなるためである。
次に、図2(C)に示すように、レジスト膜41と当該レジスト膜41上の金属膜44をテープ剥離法によって除去する。このとき、配線溝43の底部には、金属膜44の一部が遮光材料層39として残る。
次に、図2(D)に示すように、上記配線溝43の部分を含めて、層間絶縁膜36の上にレジスト膜45を形成し、さらに当該レジスト膜45の上に酸化膜(例えば、酸化シリコン膜)46及びレジスト膜47を順に形成する。次に、レジスト膜47を露光及び現像して開口部48を形成し、この開口部48を通して、酸化膜46、レジスト膜45及び層間絶縁膜36にエッチングによって接続孔49を形成する。接続孔49のエッチングは、層間絶縁膜36を貫通しないように途中で止める。このとき、酸化膜46は、レジスト膜45のエッチングマスク(ハードマスク)として機能する。
次に、図3(A)に示すように、層間絶縁膜36の上から酸化膜46とレジスト膜47を除去する。これにより、層間絶縁膜36の上面に配線溝43と接続孔49が形成された状態となる。
次に、図3(B)に示すように、上記配線溝43と接続孔49の部分を埋め込む状態で、層間絶縁膜36の上に再びレジスト膜50を形成し、さらに当該レジスト膜50の上に酸化膜(例えば、酸化シリコン膜)51及びレジスト膜52を順に形成する。次に、レジスト膜52を露光及び現像して開口部53を形成し、この開口部53を通して、酸化膜51にエッチングによって溝部54を形成する。
次に、図3(C)に示すように、上述のように溝部54を形成した酸化膜51をハードマスクに用いて、レジスト膜50をエッチングすることにより、酸化膜51からレジスト膜50を貫通して接続孔49に通じる溝部55を形成する。このとき、最上層のレジスト膜52は、エッチングによって除去される。
次に、図4(A)に示すように、上述した溝部55を有するレジスト膜50をマスクに用いて、層間絶縁膜36をエッチングすることにより、接続孔49がさらに深く掘り進められ、それと並行して接続孔49に通じる配線溝56が層間絶縁膜36に形成される。このとき、接続孔49のエッチングは、下層の配線層27で配線部34の銅配線を覆っているキャップ層の部分で停止する。次に、下層配線との電気的な接続をとるために、配線部34の銅配線を覆っているキャップ層をエッチングにより除去する。
次に、図4(B)に示すように、上記レジスト膜50をアッシングによって除去する。これにより、層間絶縁膜36には、遮光材料層39を形成済みの配線溝43と、接続孔49に通じる配線溝56が形成された状態となる。このとき、遮光材料層39表面までの配線溝43の深さd1と、接続孔49上端までの配線溝56の深さd2が、同じ深さ(d1=d2)となるように、上記図2(A)の工程で配線溝43を所定の深さに形成しておく。
次に、図4(C)に示すように、配線溝43,56及び接続孔49の部分を含めて、層間絶縁膜36上にバリアメタルとなる金属膜57をスパッタ法によって成膜する。さらに、その金属膜57を覆う状態で銅のシード層を形成した後、電解銅めっきにより、上記配線溝43,56及び接続孔49の部分を銅のめっき層58で埋め込む。
次に、図4(D)に示すように、層間絶縁膜36の上面が露出するまでCMP法によって銅のめっき層58と金属膜57を研磨することにより、上記配線溝43,56以外の部分の余分な金属(銅、バリアメタル)を除去する。これにより、層間絶縁膜36の中に、配線部37,38と接続部49とが形成された状態となる。配線部37は、銅の配線材料層37aと、バリアメタルの拡散防止層37bと、遮光材料層39とを有するものとなる。また、配線部38は、銅の配線材料層38aと、バリアメタルの拡散防止層38bとを有するものとなる。
なお、上記の製造フローにおいては、レジスト膜41の開口部42を通して層間絶縁膜36に配線溝43を形成した後、レジスト膜41を残したままの状態で金属膜44を成膜し、レジスト剥離によって配線溝43の底部に遮光材料層39を形成している。ただし、これ以外にも、例えば、図5(A)〜(C)に示すように、レジスト膜41を除去した状態で金属膜44を成膜した後、CMP法によって配線溝43以外の金属膜44を研磨・除去することにより、配線溝43の底部に遮光材料層39を形成してもよい。
<第2の製造方法>
まず、図6(A)に示すように、配線層27の層間絶縁膜33を覆う状態で層間絶縁膜36を形成するとともに、当該層間絶縁膜36を覆う状態で感光性のレジスト膜61を形成する。さらに、レジスト膜61を露光及び現像して開口部62を形成し、この開口部62を通して層間絶縁膜36をエッチングすることにより、上記黒基準画素部11の直上に所定の深さで配線溝63を形成する。これ以前の工程については、前述した通りである。
まず、図6(A)に示すように、配線層27の層間絶縁膜33を覆う状態で層間絶縁膜36を形成するとともに、当該層間絶縁膜36を覆う状態で感光性のレジスト膜61を形成する。さらに、レジスト膜61を露光及び現像して開口部62を形成し、この開口部62を通して層間絶縁膜36をエッチングすることにより、上記黒基準画素部11の直上に所定の深さで配線溝63を形成する。これ以前の工程については、前述した通りである。
次に、図6(B)に示すように、上記レジスト膜61を除去した後、層間絶縁膜36の上に、例えばタンタル又はチタンからなる金属膜64をスパッタ法により成膜する。このとき、金属膜64は、主として層間絶縁膜36の上面と配線溝63の底面に成膜される。この成膜工程では、金属膜64を40nmの膜厚で形成するものとする。その理由は、前述した通りである。
次に、図6(C)に示すように、層間絶縁膜36の上に金属膜64を覆う状態でレジスト膜65を形成した後、当該レジスト膜65に露光及び現像によって開口部66を形成する。次に、レジスト膜65の開口部66を通して金属膜64及び層間絶縁膜36をエッチングすることにより、層間絶縁膜36中に接続孔67を形成する。
次に、図7(A)に示すように、上記レジスト膜65をアッシングによって除去した後、再び層間絶縁膜36上に金属膜64を覆う状態でレジスト膜68を形成した後、当該レジスト膜68に露光及び現像によって開口部69を形成する。開口部69の開口幅は、上記開口部66の開口幅よりも大とする。次に、レジスト膜68の開口部69を通して金属膜64をエッチングすることにより、金属膜64に開口部70を形成する。これにより、金属膜64を用いて、金属のハードマスクが作製される。
次に、図7(B)に示すように、上記レジスト膜68をアッシングによって除去する。これにより、層間絶縁膜36の上面に、配線溝63と接続孔67とが形成された状態となる。
次に、図7(C)に示すように、ハードマスクなる金属膜64の開口部70を通して層間絶縁膜36をエッチングすることにより、接続孔67がさらに深く掘り進められ、それと並行して接続孔67に通じる配線溝71が層間絶縁膜36に形成される。このとき、接続孔67のエッチングは、下層の配線層27で配線部34の銅配線を覆っているキャップ層の部分で停止する。次に、下層配線との電気的な接続をとるために、配線部34の銅配線を覆っているキャップ層をエッチングにより除去する。
次に、図8(A)に示すように、配線溝63,71及び接続孔67の部分を含めて、層間絶縁膜36上にバリアメタルとなる金属膜72をスパッタ法によって成膜する。さらに、その金属膜72を覆う状態で銅のシード層を形成した後、電解銅めっきにより、上記配線溝63,71及び接続孔67の部分を銅のめっき層73で埋め込む。
次に、図8(B)に示すように、層間絶縁膜36の上面が露出するまでCMP法によって銅のめっき層73と金属膜72を研磨することにより、上記配線溝63,71以外の部分の余分な金属(銅、バリアメタル)を除去する。これにより、層間絶縁膜36の中に、配線部37,38と接続部74とが形成された状態となる。配線部37は、銅の配線材料層37aと、バリアメタルの拡散防止層37bと、遮光材料層39とを有するものとなる。また、配線部38は、銅の配線材料層38aと、バリアメタルの拡散防止層38bとを有するものとなる。
なお、上記図6(C)の状態を得るにあたっては、図6(A)の状態から、図9(A),(B)に示す工程を経るようにしてもよい。すなわち、図9(A)に示すように、層間絶縁膜36の上に金属膜64を覆う状態でレジスト膜75を形成し、さらにそのレジスト膜75の上に酸化膜76とレジスト膜77を成膜した後、露光及び現像によってレジスト膜77と酸化膜76に開口部78を形成する。次に、図9(B)に示すように、開口部78を通して下層の埋め込みレジスト膜75及び金属膜64をエッチングして開口部79を形成した後、当該開口部79を通して層間絶縁膜36をエッチングし、レジスト膜77を除去することにより、図6(C)の状態を得る。
また、上記の製造フローでは、層間絶縁膜36に接続孔67を形成してから配線溝71を形成するものとしたが、これと形成順序を逆にすることも可能である。具体的には、以下の製造方法によって実現すればよい。
まず、上記図6(B)の状態から、図10(A)に示すように、層間絶縁膜36の上に金属膜64を覆う状態でレジスト膜85を形成した後、当該レジスト膜85に露光及び現像によって開口部86を形成する。次に、レジスト膜85の開口部86を通して金属膜64をエッチングすることにより、当該金属膜64に開口部87を形成する。この開口部87は上記開口部70に相当する。
次に、図10(B)に示すように、上記レジスト膜85をアッシングによって除去する。これにより、層間絶縁膜36に配線溝63が形成されるとともに、金属膜64に開口部87が形成された状態となる。
次に、図10(C)に示すように、層間絶縁膜36上に再び金属膜64を覆う状態でレジスト膜88を形成した後、当該レジスト膜88に露光及び現像によって開口部89を形成する。開口部89の開口幅は、上記開口部87の開口幅よりも小とする。次に、レジスト膜88の開口部89を通して層間絶縁膜36をエッチングすることにより、当該層間絶縁膜36に接続孔90を形成する。
次に、図11(A)に示すように、上記レジスト膜88をアッシングによって除去する。これにより、層間絶縁膜36の上面に、配線溝63と接続孔90が形成された状態となる。
次に、図11(B)に示すように、ハードマスクとなる金属膜64の開口部87を通して層間絶縁膜36をエッチングすることにより、接続孔90がさらに深く掘り進められ、それと並行して接続孔90に通じる配線溝91が層間絶縁膜36に形成される。このとき、接続孔90のエッチングは、下層の配線層27で配線部34の銅配線を覆っているキャップ層の部分で停止する。次に、下層配線との電気的な接続をとるために、配線部34の銅配線を覆っているキャップ層をエッチングにより除去する。以降は、上記図8(A),(B)と同様の工程となる。
図12は本発明の第1の実施の形態に係る配線部の構造を説明する図である。図示した配線構造は、上記の製造方法によって得られるものである。図示のように、遮光画素領域5に形成される配線部37は、前述した配線材料層37aと、拡散防止層37bと、遮光材料層39とを有している。これに対して、撮像画素領域6に形成される配線部38は、前述した配線材料層38aと、拡散防止層38bとを有している。双方の配線部37,38において、配線材料層37a,38a同士は、同じ成膜工程で形成されることから同じ膜厚(T1=T2)で形成されており、拡散防止層37b,38b同士も、同じ成膜工程で形成されることから同じ膜厚(T3=T4)で形成されている。遮光材料層39の膜厚T5は、図例のように拡散防止層37aの膜厚T3よりも厚くてもよいし、同じでもよいし、薄くてもよい。配線部37の遮光性を高めるうえでは、遮光材料層39の膜厚T5を厚くする方が好ましい。
このように遮光画素領域5の配線部37と撮像画素領域6の配線部38で、異なる配線構造を採用することにより、遮光画素領域5の配線部37に対して、撮像画素領域6の配線部38よりも高い遮光性をもたせることができる。具体的には、遮光画素領域5の配線部37に遮光材料層39を形成し、撮像画素領域6の配線部38に遮光材料層39を形成しない配線構造とすることにより、遮光材料層39の有無によって、配線部37の光の透過率が配線部38のそれよりも低くなる。このため、遮光材料層39の付加によって遮光画素領域5の配線部37に高い遮光性をもたせることができる。したがって、配線層28に形成された配線部37を利用して、遮光画素部11への不要な光の入射をより確実に防止することができる。その結果、遮光画素部11を用いて適正な黒基準信号を得ることが可能となる。また、最上層となる配線層28の配線部37,39を銅配線で形成しているため、配線層28の上層に形成されるカラーフィルタ層29の下地面をCMP等で平坦に仕上げることができる。
なお、配線層37,38の配線溝の幅によっては、バリアメタルのスパッタ成膜時のカバレッジの違いにより、相対的に幅広の配線溝の方が、相対的に幅狭の配線溝よりも拡散防止層の膜厚が厚くなる。ただし、本実施の形態においては、カバレッジの違いによって生じる膜厚の違いは考慮せず、同じ成膜工程で形成される膜の厚さは、配線溝幅の大小によらず、原則的に同じ厚さになるものとする。
また、配線部37の配線構造において、拡散防止層37bと遮光材料層39を同じ材料で形成した場合は、積層方向の境界面でそれらを区別するものとする。例えば、拡散防止層37bと遮光材料層39を、共にタンタルで形成した場合は、配線部37の最下層のタンタル層を遮光材料層39とし、その上のタンタル層を拡散防止層37bとする。
図13は本発明の第2の実施の形態に係る配線部の構造を説明する図である。図示のように、遮光画素領域5の配線部37は、配線材料層37aと、拡散防止層37bとを有し、撮像画素領域6の配線部38も、配線材料層38aと、拡散防止層38bとを有している。双方の配線部37,38において、配線材料層37a,38a同士は、同じ成膜工程で形成されることから同じ膜厚(T11=T12)で形成されている。
これに対して、拡散防止層37b,38b同士は、異なる成膜工程で形成されることから異なる膜厚(T13>T14)で形成されている。具体的な製造方法としては、例えば、配線部37,38のうち、一方の配線溝をマスクで遮蔽した状態で、他方の配線溝に拡散防止層を形成し、次いで、他方の配線溝をマスクで遮蔽した状態で、一方の配線溝に拡散防止層を形成する。その後、銅のシード層を形成してから、電解銅めっきにより各々の配線溝を銅で埋め込んだ後、CMPにより不要な金属材料を研磨・除去する。これにより、配線部37の拡散防止層37bの膜厚と配線部38の拡散防止層38bの膜厚を、個別に制御することができる。このため、配線部37,38の膜厚構造の違いとして、拡散防止層37bを拡散防止層38bよりも厚くし、これによって配線部37の光の透過率を配線部38のそれよりも低くした層構造を実現することができる。したがって、配線部38に比較して配線部37に高い遮光性をもたせることができる。このため、配線層28に形成された配線部37を利用して、遮光画素部11への不要な光の入射をより確実に防止することができる。その結果、遮光画素部11を用いて適正な黒基準信号を得ることが可能となる。また、最上層となる配線層28の配線部37,39を銅配線で形成しているため、配線層28の上層に形成されるカラーフィルタ層29の下地面をCMP等で平坦に仕上げることができる。
図14は本発明の第1の実施の形態に係る配線部の構造を説明する図である。図示のように、遮光画素領域5の配線部37は、配線材料層37aと、拡散防止層37bとを有し、撮像画素領域6の配線部38も、配線材料層38aと、拡散防止層38bとを有している。双方の配線部37,38において、拡散防止層37b,38b同士は、同じ成膜工程で形成されることから同じ膜厚(T23=T24)で形成されている。
これに対して、配線材料層37a,38a同士は、異なる成膜工程で形成されることから異なる膜厚(T21>T22)で形成されている。具体的な製造方法としては、例えば、配線部37,38のうち、配線部37に対応する配線溝を、配線部38に対応する配線溝よりも深く形成した後、周知のダマシン法により、配線部37,38を形成する。これにより、配線溝を深く形成した分だけ、配線部37の配線材料層37aを配線部38の配線材料層38aよりも厚く形成することができる。したがって、配線部38に比較して配線部37に高い遮光性をもたせることができる。このため、配線層28に形成された配線部37を利用して、遮光画素部11への不要な光の入射をより確実に防止することができる。その結果、遮光画素部11を用いて適正な黒基準信号を得ることが可能となる。また、最上層となる配線層28の配線部37,39を銅配線で形成しているため、配線層28の上層に形成されるカラーフィルタ層29の下地面をCMP等で平坦に仕上げることができる。
図15は本発明の第1の実施の形態に係る配線部の構造を説明する図である。図示のように、遮光画素領域5の配線部37は、配線材料層37aと、拡散防止層37bとを有し、撮像画素領域6の配線部38も、配線材料層38aと、拡散防止層38bとを有している。配線部37においては、配線材料層37aが厚さT31で形成され、拡散防止層37bが厚さT33で形成されている。一方、配線部38においては、配線材料層38aが厚さT32で形成され、拡散防止層38bが厚さT34で形成されている。また、配線部37の厚さ(T31+T33)と、配線部38の厚さ(T32+T34)は、同じ厚さになっている。
そして、配線部37における拡散防止層37bの厚みの割合は、配線部38における拡散防止層38bの厚みの割合よりも高くなっている。具体的には、配線部37の配線材料層37aを配線部38の配線材料層38aよりも薄く(T31<T32の関係で)形成するとともに、配線部37の拡散防止層37bを配線部38の拡散防止層38bよりも厚く(T33>T34の関係で)形成することにより、上記のような厚みの割合を実現している。
具体的な製造方法としては、例えば、配線部37,38の各配線溝を同じ深さで形成した後、一方の配線溝をマスクで遮蔽した状態で、他方の配線溝に拡散防止層を形成し、次いで、他方の配線溝をマスクで遮蔽した状態で、一方の配線溝に拡散防止層を形成する。その後、銅のシード層を形成してから、電解銅めっきにより各々の配線溝を銅で埋め込んだ後、CMPにより不要な金属材料を研磨・除去する。これにより、配線部37の拡散防止層37bの膜厚T33と配線部38の拡散防止層38bの膜厚T34を、個別に制御することができる。このため、配線部37,38の膜厚構造の違いとして、配線部37における拡散防止層37bの厚みの割合を、配線部38における拡散防止層38bの厚みの割合よりも高くし、これによって配線部37の光の透過率を配線部38のそれよりも低くした層構造を実現することができる。したがって、配線部38に比較して配線部37に高い遮光性をもたせることができる。このため、配線層28に形成された配線部37を利用して、遮光画素部11への不要な光の入射をより確実に防止することができる。その結果、遮光画素部11を用いて適正な黒基準信号を得ることが可能となる。また、最上層となる配線層28の配線部37,39を銅配線で形成しているため、配線層28の上層に形成されるカラーフィルタ層29の下地面をCMP等で平坦に仕上げることができる。
なお、上記実施の形態においては、最上層の配線層28に、遮光を兼ねた配線部37を形成するものとしたが、これに限らず、最上層の配線層に代えて、例えば、最下層の配線層、又は最上層と最下層の間(中間)の配線層に、遮光を兼ねた配線部を形成してもよい。
また、上記実施の形態においては、遮光の対象となる第1の画素部として、黒基準画素部11を例示したが、黒基準画素部11の他にも、遮光画素領域5で遮光する必要のある画素部が存在する場合は、当該画素部の遮光を兼ねた配線部に、上記配線部37と同様の配線構造(層構造)を採用することが可能である。
1…固体撮像装置、5…遮光画素領域、6…撮像画素領域、11…黒基準画素部、12…受光画素部、26,27,28…配線層、31,33,36…層間絶縁膜、32,34,37,38…配線部、37a,38a…配線材料層、37b,38b…拡散防止層、39…遮光材料層
Claims (8)
- 第1の画素部が設けられる遮光画素領域と、
第2の画素部が設けられる撮像画素領域と、
前記第1の画素部の遮光を兼ねて前記遮光画素領域に形成される第1の配線部と、
前記第1の配線部と同層で前記撮像画素領域に形成される第2の配線部とを備え、
前記第1の配線部は、第1の配線材料層と、当該第1の配線材料層の拡散を防止する第1の拡散防止層と、当該第1の拡散防止層と積層構造をなす遮光材料層とを有し、
前記第2の配線部は、第2の配線材料層と、当該第2の配線材料層の拡散を防止する第2の拡散防止層とを有する
固体撮像装置。 - 前記遮光材料層は、前記第1の拡散防止層と同じ材料で形成されている
請求項1記載の固体撮像装置。 - 第1の画素部が設けられる遮光画素領域と、
第2の画素部が設けられる撮像画素領域と、
前記第1の画素部の遮光を兼ねて前記遮光画素領域に形成される第1の配線部と、
前記第1の配線部と同層で前記撮像画素領域に形成される第2の配線部とを備え、
前記第1の配線部は、第1の配線材料層と、当該第1の配線材料層の拡散を防止する第1の拡散防止層とを有し、
前記第2の配線部は、第2の配線材料層と、当該第2の配線材料層の拡散を防止する第2の拡散防止層とを有し、
前記第1の拡散防止層は、前記第2の拡散防止層よりも厚い
固体撮像装置。 - 第1の画素部が設けられる遮光画素領域と、
第2の画素部が設けられる撮像画素領域と、
前記第1の画素部の遮光を兼ねて前記遮光画素領域に形成される第1の配線部と、
前記第1の配線部と同層で前記撮像画素領域に形成される第2の配線部とを備え、
前記第1の配線部は、第1の配線材料層と、当該第1の配線材料層の拡散を防止する第1の拡散防止層とを有し、
前記第2の配線部は、第2の配線材料層と、当該第2の配線材料層の拡散を防止する第2の拡散防止層とを有し、
前記第1の配線材料層は、前記第2の配線材料層よりも厚い
固体撮像装置。 - 第1の画素部が設けられる遮光画素領域と、
第2の画素部が設けられる撮像画素領域と、
前記第1の画素部の遮光を兼ねて前記遮光画素領域に形成される第1の配線部と、
前記第1の配線部と同層で前記撮像画素領域に形成される第2の配線部とを備え、
前記第1の配線部は、第1の配線材料層と、当該第1の配線材料層の拡散を防止する第1の拡散防止層とを有し、
前記第2の配線部は、第2の配線材料層と、当該第2の配線材料層の拡散を防止する第2の拡散防止層とを有し、
前記第1の配線部における前記第1の拡散防止層の厚みの割合は、前記第2の配線部における前記第2の拡散防止層の厚みの割合よりも高い
固体撮像装置。 - 第1の画素部が設けられる遮光画素領域と、
第2の画素部が設けられる撮像画素領域と、
前記第1の画素部の遮光を兼ねて前記遮光画素領域に形成される第1の配線部と、
前記第1の配線部と同層で前記撮像画素領域に形成される第2の配線部とを備え、
前記第1の配線部は、前記第2の配線部よりも光の透過率が低い配線構造を有する
固体撮像装置。 - 前記第1の画素部は、黒レベルの基準となる画素信号を生成する黒基準画素部である
請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体撮像装置。 - 前記第1の配線材料層と前記第2の配線材料層は、それぞれ銅で形成されている
請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
Priority Applications (1)
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