JP5993300B2 - 建物用制振装置 - Google Patents

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本発明は、建物用制振装置に関する。
建物用制振装置として、例えば、特許4814857号公報には、建物の壁部分の骨組として木製の角材を用いて形成された上下一対の横架材と左右一対の垂直材とからなる矩形架構の内側に面状部材を取り付けてなる制振耐力壁構造が開示されている。ここで開示される制振耐力壁構造は、矩形架構の内側を縦に2分割した形状に近似する略縦長矩形形状の左右一対の分割面状部材を矩形架構に設置した構造である。ここで、各分割面状部材は、縦方向分割線に沿った一方の側端面側の上端及び下端の角部分が切り欠かれている。分割面状部材の一方の側端面及び両側の側面には接合部補強金物が密着している。分割面状部材は、対向配置される一方の側端面同士が接合部補強金物の前面板の間に3〜50mmの厚さの制振ゴムを挟み込んで互いに接合された状態で、矩形架構の内側に取り付けられている。
また、特開2010−70908号公報には、多層建物に適用される制振構造が提案されている。ここでは、多層建物を構成する構造体の任意の層間に回転慣性質量ダンパーと付加バネとを直列配置したTMD機構を設置し、その固有振動数を構造体の1次固有振動数に同調させている。また、構造体の他の任意の層間に振動遮断機構としての回転慣性質量ダンパーを設置して、その慣性質量と層剛性とにより定まる固有振動数を任意の遮断振動数に同調させている。さらに、TMD機構および振動遮断機構を設置した層にオイルダンパー等の粘性ダンパーが設置されている。
上記のように建物の制振装置としては、制振ゴムを利用したもの、回転慣性質量ダンパーと付加バネとを直列配置したTMD機構を設置したもの、オイルダンパーなどの粘性ダンパーを利用したもの、さらにこれらを組み合わせたものなど、種々の提案がある。このうち回転慣性質量ダンパーは、特に、加速度が大きい変位に対して大きい抗力を発揮し得る。回転慣性質量ダンパーは、例えば、ねじの直動運動をボールナットの回転運動に変換するボールねじ機構のボールナットにフライホイールを固定した構造が提案されている。かかる構造では、フライホイールの回転慣性モーメントにより、実際の質量の数百倍以上の慣性質量効果を発揮しうるとされている。
特許4814857号公報 特開2010−70908号公報
ところで、回転慣性質量ダンパーはボールねじ機構にフライホイールが連結されており、相当の収容スペースが必要である。これに対して、例えば、木造住宅の土台と上梁と柱で囲まれた骨組みを有する壁は、例えば、厚さが100mm〜120mm程度であり、上記のようにボールねじ機構にフライホイールを連結した回転慣性質量ダンパーは収まらない。ここでは、回転慣性質量ダンパーの慣性質量効果に着目し、建物の矩形の枠組みに取り付けて回転慣性質量ダンパーとしての機能を具現化しうる新規な建物用制振装置を提案する。
ここで提案される建物用制振装置は、建物の下梁と、下梁に立てられた一対の柱と、一対の柱に架け渡された上梁とで囲まれた矩形の枠組み内に配置されている。この建物用制振装置であって、上側伝達部材と、下側伝達部材と、制振ユニットとを備えている。ここで、上側伝達部材は、建物の上梁に固定される上梁側固定部と、制振ユニットに固定される第1ユニット側固定部とを備えている。下側伝達部材は、建物の前記下梁に固定される下梁側固定部と、制振ユニットに固定される第2ユニット側固定部とを備えている。制振ユニットは、第1ラックギアと、第1ピニオンギアと、錘とを備えている。ここで、第1ラックギアは、第1ユニット側固定部と第2ユニット側固定部とのうち一方の固定部に横向きに取り付けられている。第1ピニオンギアは、第1ユニット側固定部と第2ユニット側固定部とのうち他方の固定部に取り付けられ、第1ラックギアに噛み合っている。錘は、第1ピニオンギアの回転に応じて回転するように、第1ピニオンギアに係合している。
この建物用制振装置によれば、建物の下梁と、下梁に立てられた一対の柱と、一対の柱に架け渡された上梁とで囲まれた矩形の枠組みに生じたせん断変位が、上側伝達部材と下側伝達部材とを介して、制振ユニットに伝達される。制振ユニットは、矩形の枠組みの上下の梁に生じたせん断変位に応じて第1ラックギアに第1ピニオンギアが噛み合い、第1ピニオンギアが回転する。そして、第1ピニオンギアの回転に応じて、第1ピニオンギアに係合した錘が回転する。このように、建物用制振装置は、建物の矩形の枠組みに取り付けて回転慣性質量ダンパーとしての機能を具現化する。つまり、建物の矩形の枠組みの上下の梁に生じるせん断変形に応じて錘が回転し、これによって質量効果を発揮して建物の揺れを小さく抑えることができる。
ここで、第1ラックギアは、上梁と平行になるように取り付けられていてもよい。
また、第1ラックギアは、第1ユニット側固定部と第2ユニット側固定部とのうち一方にピンリンクによって取り付けられていてもよい。この場合、第1ピニオンギアを第1ラックギアに押し当てる押し当て機構を備えているとよい。
ここで、押し当て機構は、例えば、第1ラックギアの背面側に設けられた第2ラックギアと、第2ラックギアに噛み合う第2ピニオンギアと、第2ピニオンギアと第2ラックギアとが噛み合い、かつ、第1ピニオンギアと第2ピニオンギアとが第1ラックギアと第2ラックギアとを挟むように、第1ピニオンギアに対して第2ピニオンギアを支持する支持部材とを備えていてもよい。
また、押し当て機構は、第1ラックギアの背面に押し当たるローラと、支持部材とを備えていてもよい。ここで、支持部材は、ローラと第1ピニオンギアとが、第1ラックギアを挟むように、第1ピニオンギアに対してローラを支持する部材であるとよい。
また、押し当て機構は、第1ラックギアに対する第1ピニオンギアの歯車軸の距離を一定にするように、ラックギアに対して第1ピニオンギアの歯車軸を案内するガイドを備えていてもよい。
また、錘は第1ピニオンギアの歯車軸に取り付けられていてもよい。また、第1ピニオンギアに対して錘の回転を増速させる増速機構を備えていてもよい。
ここで、増速機構は、例えば、第1ピニオンギアの回転に応じて回転する大径歯車と、大径歯車よりもピッチ円直径が小さく、錘に連結された小径歯車とを備えていてもよい。
また、この場合、大径歯車と小径歯車は、それぞれスプロケットであり、大径歯車と小径歯車とを連結するチェーンを備えていてもよい。さらに、この場合、大径歯車の歯車軸に揺動自在に取り付けたアームに取り付けられた2つのアイドルスプロケットと、2つのアイドルスプロケットのうち一方を大径歯車に連結する第1チェーンと、2つのアイドルスプロケットのうち他方を小径歯車に連結する第2チェーンとを備えていてもよい。
また、錘は、矩形の枠組みの表裏に対向するように2つ設けられていてもよい。さらに、錘の質量は、錘の回転軸から離れた位置に偏っていてもよい。
図1は、建物用制振装置が取り付けられた建物の壁の構造を示している。 図2は、建物用制振装置の変形例100Aを示している。 図3は、建物用制振装置の変形例100Bを示している。 図4は、建物用制振装置の変形例100Cを示している。 図5は、建物用制振装置の変形例100Dを示している。 図6は、建物用制振装置の変形例100Eを示している。 図7は、建物用制振装置の変形例100Fを示している。 図8は、建物用制振装置の変形例100Gを示している。 図9は、建物用制振装置の変形例100Hを示している。 図10は、建物用制振装置の変形例100Iを示している。 図11は、建物用制振装置の変形例100Jを示している。 図12は、建物用制振装置の変形例100Kを示している。 図13は、建物用制振装置の変形例100Lを示している。 図14は、建物用制振装置の制振ユニットの錘の取り付け構造を示している。 図15は、制振ユニットの錘の変形例を示す図である。 図16は、制振ユニットの錘の変形例を示す図である。 図17は、制振ユニットの錘の変形例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る建物用制振装置を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。また、同じ作用を奏する部材または部位には、適宜に同じ符号を付している。また、各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。また、各図面は、一例を示すのみであり、特に言及されない限りにおいて本発明を限定しない。
《建物10》
図1は、建物用制振装置100が取り付けられた建物10の壁の構造を示している。ここで、建物10は木造住宅である。建物用制振装置100は、建物10の下梁11と柱12、13と上梁14とで囲まれた矩形の枠組み20内に取り付けられている。なお、ここで、建物用制振装置100が取り付けられる上梁14と下梁11は、互いに上下に対向する梁(ここで、梁には土台が含まれる。)である。この実施形態では、建物用制振装置100は、建物10の1階に取り付けられている。ここでは、下梁11は、具体的には、アンカーボルトによってコンクリート基礎30に取り付けられた土台であり、以下、適宜に土台11と称する。また、上梁14は、具体的には、下梁としての土台11に立てられた一対の柱12、13に架け渡された2階床梁あるいは胴差しであり、以下、ここでは、適宜に2階床梁14と称する。
また、この実施形態では、柱12、13は、凡そ100mm×100mmの角材であり、土台11と、一対の柱12、13と、2階床梁14(上梁)とで囲まれた矩形の枠組み20の厚さは凡そ100mmである。
また、この実施形態では、柱12、13には、ホールダウン金物15、16が取り付けられている。柱12、13は、ホールダウン金物15、16をコンクリート基礎30に埋め込まれたホールダウンボルト31、32に取り付けて固定されている。また、コンクリート基礎30と土台11との間には、厚さ2cm程度の基礎パッキン34が取り付けられており、コンクリート基礎30内の通気が確保されている。
《建物用制振装置100》
建物用制振装置100は、図1に示すように、建物10の土台11(下梁)と、土台11に立てられた一対の柱12、13と、一対の柱12、13に架け渡された2階床梁14(上梁)とで囲まれた矩形の枠組み20内に配置されている。ここで、建物用制振装置100は、上側伝達部材40と、下側伝達部材50と、制振ユニット60とを備えている。
《上側伝達部材40》
上側伝達部材40は、建物10の2階床梁14(上梁)に固定される上梁側固定部41と、制振ユニット60に固定される第1ユニット側固定部42とを備えている。図1に図示された例では、上側伝達部材40は、建物10の土台11と柱12、13と2階床梁14とで囲まれた矩形の枠組み20内において、左側の柱12と2階床梁14とが交わった角部に沿って取り付けられる直角三角形状のトラスで構成されている。
ここでは、上側伝達部材40を構成するトラスは、例えば、40mm×40mmで、肉厚が3.2mm程度の角パイプで構築するとよい。なお、トラスを構成する角パイプのサイズは、これに限定されない。また、トラスを構成する材料として、ここでは角パイプを例示したが、トラスを構成する材料は角パイプに限定されない。
ここで、上側伝達部材40を構成する直角三角形状のトラスは、横材40aと、縦材40bと、斜め材40cと、横架材40dとを備えている。このうち、横材40aは、矩形の枠組み20の2階床梁14に沿って配置されている。図1では、縦材40bは横材40aの左側端部に接続され、当該左側端部から矩形の枠組み20の左側の柱12に沿って矩形の枠組み20の中間部まで延びている。斜め材40cは、横材40aの他方の端部(図1では、右側の端部)と縦材40bの先端(図1では、下端)との間に架け渡されている。横架材40dは、縦材40bと斜め材40cの中間部に架け渡されている。横材40aと、縦材40bと、斜め材40cと、横架材40dとは、それぞれ接合ピンによって接合されている。
上側伝達部材40は、上述したように左側の柱12と2階床梁14とが交わった角部に沿って取り付けられる直角三角形状のトラスで構成されている。ここで、建物10の上梁14に固定される上梁側固定部41は、上梁14に取り付けられる横材40aに設けられている。また、制振ユニット60に固定される第1ユニット側固定部42は、直角三角形状のトラスの縦材40bと斜め材40cとが交わる頂部に設けられている。
《下側伝達部材50》
下側伝達部材50は、建物10の土台11(下梁)に固定される下梁側固定部51と、制振ユニット60に固定される第2ユニット側固定部52とを備えている。ここで、図1に図示された例では、下側伝達部材50は、矩形の枠組み20内において、右側の柱13と土台11とが交わった角部に沿って取り付けられる直角三角形状のトラスで構成されている。ここでは、下側伝達部材50を構成するトラスは、上側伝達部材40を構成するトラストと同様に構成することができる。
ここで、下側伝達部材50を構成する直角三角形状のトラスは、横材50aと、縦材50bと、斜め材50cと、横架材50dとを備えている。このうち、横材50aは、矩形の枠組み20の土台11に沿って配置されている。図1では、縦材50bは横材50aの右側端部に接続され、当該右側端部から矩形の枠組み20の右側の柱13に沿って矩形の枠組み20の中間部まで延びている。斜め材50cは、横材50aの他方の端部(図1では、左側の端部)と縦材50bの先端(図1では、上端)との間に架け渡されている。横架材50dは、縦材50bと斜め材50cの中間部に架け渡されている。横材50aと、縦材50bと、斜め材50cと、横架材50dとは、それぞれ接合ピンによって接合されている。
下側伝達部材50は、上述したように右側の柱13と土台11とが交わった角部に沿って取り付けられる直角三角形状のトラスで構成されている。ここで、建物10の土台11に固定される下梁側固定部51は、土台11に取り付けられる横材50aに設けられている。また、制振ユニット60に固定される第2ユニット側固定部52は、下側伝達部材50の直角三角形状のトラスの縦材50bと斜め材50cとが交わる頂部に設けられている。
なお、図1に示す例では、上側伝達部材40は矩形の枠組み20の左上の角部に設けられ、下側伝達部材50は矩形の枠組み20の右下の角部に設けられている。上側伝達部材40と下側伝達部材50の配置は、これに限らない。上側伝達部材40と下側伝達部材50は、矩形の枠組み20の2階床梁14と土台11とに固定されているとよい。上側伝達部材40と下側伝達部材50は、例えば、ラグスクリューなどの締結部材で、2階床梁14と土台11とに固定するとよい。
《制振ユニット60》
次に制振ユニット60を説明する。制振ユニット60は、図1に示すように、第1ラックギア61と、第1ピニオンギア62と、錘63とを備えており、回転慣性質量ダンパーを構成している。第1ラックギア61は、第1ユニット側固定部42と第2ユニット側固定部52とのうち一方の固定部に横向きに取り付けられている。第1ピニオンギア62は、第1ユニット側固定部42と第2ユニット側固定部52とのうち他方の固定部に取り付けられ、第1ラックギア61に噛み合っている。
この実施形態では、第1ラックギア61は、図1に示すように、下側伝達部材50の第2ユニット側固定部52に取り付けられている。この実施形態では、第1ラックギア61と第1ピニオンギア62とは、矩形の枠組み20の中央部に配置されている。このため、下側伝達部材50の第2ユニット側固定部52の先端に、矩形の枠組み20の中央部に延びたアーム53を取り付け、当該アーム53に第1ラックギア61を取り付けている。ここで、アーム53は、下側伝達部材50の第2ユニット側固定部52に接合ピンで取り付けられている。第1ラックギア61は、歯面を上方に向けて、矩形の枠組み20の中央部で凡そ横向きに取り付けられている。
他方、第1ピニオンギア62の歯車軸62aは、上側伝達部材40の第1ユニット側固定部42に取り付けられている。この実施形態では、上側伝達部材40の第1ユニット側固定部42の先端に、矩形の枠組み20の中央部に延びたアーム43を取り付け、当該アーム43の先端に第1ピニオンギア62を取り付けている。なお、この実施形態では、歯車軸62aは、矩形の枠組み20の法線方向に沿って取り付けられている。また、第1ユニット側固定部42に取り付けたアーム43と、第2ユニット側固定部52に取り付けたアーム53との間に適当な間隔を維持するため、バネ45を伸張させた状態で取り付けている。かかるバネ45の弾性反力によってアーム43とアーム53との間隔を維持し、第1ピニオンギア62を第1ラックギア61に確実に噛み合わせている。
なお、図示は省略するが、バネ45に代えて、第1ユニット側固定部42が取り付けられたアーム43の揺動軸43aと、第2ユニット側固定部52が取り付けられたアーム53の揺動軸53aにバネを取り付けてもよい。そして、アーム43とアーム53が常に近づくように、アーム43とアーム53が回動する方向にバネの弾性反力を作用させてもよい。この場合、第1ピニオンギア62と第1ラックギア61とを確実に噛み合わせることができる。さらに、図示は省略するが、第1ユニット側固定部42が取り付けられたアーム43と、第2ユニット側固定部52が取り付けられたアーム53とのうち、一方のアームをユニット側固定部に固定し、他方のアームの揺動軸にバネを取り付け、当該バネの弾性反力によって、当該他方のバネを固定された一方のアームに向けて回動するようにユニット側固定部に取り付けてもよい。この場合でも、第1ピニオンギア62と第1ラックギア61とを確実に噛み合わせることができる。
次に、錘63は、第1ピニオンギア62の回転に応じて回転するように、第1ピニオンギア62に係合させている。この実施形態では、錘63は第1ピニオンギア62の歯車軸に取り付けられた円盤状の錘で構成されている。これによって、第1ピニオンギア62の回転に伴って錘63を回転させることができる。
《建物用制振装置100の動作》
大きな地震時に土台11が揺れに伴い、慣性力を受けて、建物10全体が揺れる。この際、土台11に対して2階床梁14が凡そ水平に触れ動く。このため、建物10の土台11と柱12、13と2階床梁14とで囲まれた矩形の枠組み20は、凡そ水平にせん断変形する。この建物用制振装置100は、土台11に下側伝達部材50が取り付けられており、2階床梁14に上側伝達部材40が取り付けられている。このため、矩形の枠組み20が、水平にせん断変形する。この際、建物用制振装置100の制振ユニット60には、建物用制振装置100の土台11と2階床梁14との相対変位に応じて、上側伝達部材40と下側伝達部材50に相対的な変位が生じる。詳しくは、上側伝達部材40の第1ユニット側固定部42と、下側伝達部材50の第2ユニット側固定部52との距離が近づいたり離れたりする。
この実施形態では、上側伝達部材40の第1ユニット側固定部42に取り付けられたアーム43には、第1ピニオンギア62が取り付けられている。下側伝達部材50の第2ユニット側固定部52に取り付けられたアーム53には、第1ラックギア61が取り付けられている。第1ラックギア61と第1ピニオンギア62は噛み合っている。上側伝達部材40の第1ユニット側固定部42と、下側伝達部材50の第2ユニット側固定部52との距離が近づいたり離れたりすると、それに応じて第1ラックギア61と第1ピニオンギア62が相対的に動く。
この際、第1ピニオンギア62は、第1ラックギア61に噛み合っているので、第1ラックギア61の上を転動する。そして、第1ピニオンギア62が転動するのに応じて錘63が回転する。この際、錘63は円盤状であり、相当の慣性力を受ける。特に、建物10が揺れる場合には、土台11は凡そ水平に揺れる。第1ユニット側固定部42と第2ユニット側固定部52とは、近づいたり離れたりする。このため、第1ユニット側固定部42に取り付けられた第1ピニオンギア62は、第2ユニット側固定部52に取り付けられた第1ラックギア61の上を転がりながら左右に行ったり来たりする。
この際、錘63は、回転を始める際に所要の抗力を生じさせる。このため、建物10が揺れ出す際に抗力を生じさせる。つまり、小さな地震では、建物10の揺れを小さく抑えることができる。また、錘63は回転する方向に相当の慣性力を有している。このため、回転する方向が変わる際に所要の抗力が生じる。錘63が回転する方向が変わるのは、土台11に対する2階床梁14の振幅(変位)が最大になる位置である。大きな振幅を生じる場合にも、相当の抗力を建物10に生じさせる。この際、錘63の回転慣性モーメントによって、錘63の実際の質量よりも数倍〜数百倍以上の慣性質量効果が発揮される。錘63の重量のわりに大きな効果が得られる。このため、建物10に生じる揺れを小さく抑えることができる。
《質量効果(慣性質量Z)》
ここで、質量効果(慣性質量Z)は、慣性力Maの質量成分Mである。回転慣性質量ダンパーでは、錘63の実際の質量よりも重い質量に相当する慣性力が発揮されうる。この実施形態では、錘63は円盤状の錘であり、質量効果(慣性質量Z)の計算式は、以下の式による。
Z=0.5×(πβ/αδ)×γ

ここで、
Z:慣性質量
α:第1ピニオンギア62の歯数
β:錘63の直径
δ:第1ラックギア61のギアピッチ
γ:錘63の質量
である。

このように、第1ピニオンギア62の歯数αと、錘63の直径βと、第1ラックギア61のギアピッチδとを適切に調整することによって、錘63の質量γよりも大きな質量効果(慣性質量Z)を得ることができる。このように、この制振ユニット60によれば、錘63の重量のわりに大きな効果が得られる。
この際、建物の重量(例えば、建物の1階に建物用制振装置100を取り付ける場合には、建物の2階の重量)をMとすると、パルス振動が入力された時に、建物に生じる加速度(入力)をM/(M+Z)に減じることができる。また、建物に、質量効果がZの建物用制振装置100がn個取り付けられている場合には、パルス振動が入力された時に、建物に生じる加速度をM/(M+n×Z)に減じることができる。このように、この建物用制振装置100によれば、建物10に生じる揺れを小さく抑えることができる。さらに、建物10自体に揺れを減衰させる効果があるので、この建物用制振装置100によって建物10に生じる揺れが小さく抑えられることと合わせて、建物10に生じる揺れを早期に減衰させることができる。
なお、質量効果(慣性質量Z)の計算式は、錘の形状やその質量分布などによって変わる。本計算式は、装置構造を基に物理学により求まる式であり、この分野における技術者であれば装置構造に合った式を創出できる。
以上、図1に示した建物用制振装置100を説明したが、ここで提案される建物用制振装置100は上述した実施形態に限定されない。
例えば、第1ラックギア61は、より好ましくは、図1に示すように、2階床梁14と平行になるように取り付けられているとよい。これにより、土台11と2階床梁14の相対変位に応じた方向に第1ピニオンギア62を転動させることができる。このため、建物10に生じる揺れを小さく抑えることができる。
また、第1ラックギア61は、第1ユニット側固定部42と第2ユニット側固定部52とのうち一方にピンリンクによって取り付けられていてもよい。この場合、第1ピニオンギア62を第1ラックギア61に押し当てる押し当て機構を備えているとよい。
また、上側伝達部材40と下側伝達部材50は、建物の下梁(ここでは、土台11)と上梁(ここでは、2階床梁14)の水平方向のせん断変位を制振ユニット60のラックギアとピニオンギアに伝達しうる部材であるとよい。このため、上側伝達部材40と下側伝達部材50はそれぞれ上述した実施形態に限定されない。例えば、上側伝達部材40と下側伝達部材50の各部材は、それぞれピン接合で接合された例を例示したが、上側伝達部材40と下側伝達部材50の各部材は、溶接のように剛接合で接合してもよい。また、上側伝達部材40と下側伝達部材50は、面材などで補強し、さらに剛性を高くしてもよい。上側伝達部材40と下側伝達部材50の形状や構造も適宜変更できる。
《変形例100A,100B》
ここで、図2と図3は、建物用制振装置の変形例100A,100Bを示している。建物用制振装置100Aでは、例えば、図2に示すように、上側伝達部材40Aと下側伝達部材50Aは、それぞれ二等辺三角形のトラスで構成されている。つまり、上側伝達部材40Aと下側伝達部材50Aを構成する二等辺三角形状のトラスは、横材40aA、50aAと、2本の斜め材40bA、40cA、50bA、50cAとを備えている。
このうち、上側伝達部材40Aについて、横材40aAは、矩形の枠組み20の2階床梁14に沿って配置されている。2本の斜め材40bA、40cAは、2階床梁14に取り付けられた横材40aAの両側端部から矩形の枠組み20の中央部までそれぞれ斜めに延びている。横材40aAと、2本の斜め材40bA、40cAとは、それぞれ接合ピンによって接合されている。
また、下側伝達部材50Aについて、横材50aAは、矩形の枠組み20の土台11に沿って配置されている。2本の斜め材50bA、50cAは、土台11に取り付けられた横材50aAの両側端部から矩形の枠組み20の中央部までそれぞれ斜めに延びている。横材50aAと、2本の斜め材50bA、50cAとは、それぞれ接合ピンによって接合されている。
この場合、上側伝達部材40Aと下側伝達部材50Aとはそれぞれ二等辺三角形をなし、上側伝達部材40Aと下側伝達部材50Aの頂部は、矩形の枠組み20の中央部で上下に対向している。第1ユニット側固定部42と第2ユニット側固定部52は、上下に対向した上側伝達部材40Aと下側伝達部材50Aの頂部に設けられている。
この場合、図2に示すように、上側伝達部材40Aに設けられる第1ユニット側固定部42に第1ピニオンギア62を取り付け、下側伝達部材50Aに設けられる第2ユニット側固定部52に第1ラックギア61を取り付けてもよい。また、図3に示すように、上側伝達部材40Aに設けられる第1ユニット側固定部42に第1ラックギア61を取り付け、下側伝達部材50Aに設けられる第2ユニット側固定部52に第1ピニオンギア62を取り付けてもよい。この場合、第1ラックギア61に第1ピニオンギア62が噛み合うことによって、第1ピニオンギア62の歯車軸に取り付けられた錘63が回転する。この際、錘63の実際の質量よりも数倍〜数百倍以上の慣性質量効果が発揮され、建物10に生じる揺れを小さく抑えることができる。
《変形例100C〜100E》
ここで、図4〜図6は、それぞれ建物用制振装置の変形例100C〜100Eを示している。
大きな地震時に、土台11と柱12、13と2階床梁14とで囲まれた矩形の枠組み20に大きなせん断変形が生じると、厳密には、土台11に対する2階床梁14の高さが変動する。このため、図4〜図6に示すように、建物用制振装置は、矩形の枠組み20に大きなせん断変形が生じても、第1ラックギア61に第1ピニオンギア62が押し当たることを保証しうる押し当て機構70を備えているとよい。
《押し当て機構》
かかる押し当て機構70としては、例えば、図1に示す形態において上述したバネ45のようなものでもよい。ただし、押し当て機構70は、これに限定されない。図4は、押し当て機構70を備えた形態を例示している。押し当て機構70は、例えば、図4に示すように、第2ラックギア71と、第2ピニオンギア72と、支持部材73とを備えている。
《変形例100C》
ここで、図4に示す建物用制振装置100Cでは、上側伝達部材40Cは、直角三角形の構造を備えており、建物10の土台11と柱12、13と2階床梁14とで囲まれた矩形の枠組み20の右上に配置され、2階床梁14に固定されている。下側伝達部材50Cは、直角三角形の構造を備えており、矩形の枠組み20の左下に配置されており、土台11に固定されている。そして、上側伝達部材40Cの頂部に設けられた第1ユニット側固定部42は、右側の柱13の中間部近傍に位置しており、下側伝達部材50Cの頂部に設けられた第2ユニット側固定部52は、左側の柱12の中間部近傍に位置している。ここでは、上側伝達部材40Cおよび下側伝達部材50Cの構造は、上述した建物用制振装置100の上側伝達部材40および下側伝達部材50(図1参照)と同様の構造を採用できる。ここでは上側伝達部材40Cおよび下側伝達部材50Cについての詳しい説明は省略する。
この実施形態では、下側伝達部材50Cの頂部に設けられた第2ユニット側固定部52には、アーム53がピン接合によって揺動自在に取り付けられている。第1ラックギア61は、当該アーム53に歯面を上に向けて取り付けられている。また、アーム53の下側には、押し当て機構70の第2ラックギア71が歯面を下に向けて取り付けられている。また、上側伝達部材40Cの頂部に設けられた第1ユニット側固定部42には、押し当て機構70の支持部材73が取り付けられている。なお、アーム53は第2ユニット側固定部52に固定されていてもよい。
ここで、支持部材73は、縦横に格子状に組まれた矩形のトラスであり、第2ユニット側固定部52に取り付けられたアーム53を上下に挟むように、上下の横材73a、73bが延びている。このうち、上側の横材73aには、アーム53の上側に配置された第1ラックギア61に噛み合う第1ピニオンギア62が取り付けられている。当該第1ピニオンギア62の歯車軸には、円盤状の錘63が取り付けられている。また、下側の横材73bには、アーム53の下側に配置された第2ラックギア71に噛み合う第2ピニオンギア72が取り付けられている。ここで、第1ピニオンギア62と第2ピニオンギア72とが、第1ラックギア61と第2ラックギア71に常に噛み合うように、支持部材73の上下の横材73a、73bの間隔が設定されている。
この実施形態では、押し当て機構70を構成する第2ラックギア71と、第2ピニオンギア72と、支持部材73とによって、回転慣性質量ダンパーの第1ピニオンギア62が第1ラックギア61に適切に噛み合うことが保障されている。つまり、大きな地震時に、土台11と柱12、13と2階床梁14とで囲まれた矩形の枠組み20に大きなせん断変形が生じ、土台11に対する2階床梁14の高さが変動しても、回転慣性質量ダンパーの第1ラックギア61に第1ピニオンギア62が押し当たる。このため、大きな地震時に置いて、回転慣性質量ダンパーが適切に機能し、建物10に生じる揺れを小さく抑えることができる。
《変形例100D》
また、例えば、図5に示す建物用制振装置100Dのように、支持部材73は、第1ピニオンギア62と第2ピニオンギア72の歯車軸が取り付けられる、支持部材73の上下の横材73a、73bの先端部に、縦材73cを架け渡してもよい。これにより、上下の横材73a、73bの間隔(換言すれば、第1ピニオンギア62と第2ピニオンギア72の歯車軸の間隔)をより精度よく保持することができる。これにより回転慣性質量ダンパーをより適切に機能させることができる。
《変形例100E》
また、例えば、図6に示す建物用制振装置100Eでは、上側伝達部材40Eは、二等辺三角形のトラス構造を備えており、下側伝達部材50Eは、直角三角形のトラス構造を備えている。ここで、上側伝達部材40Eの頂部に設けられた第1ユニット側固定部42は、矩形の枠組み20の中央部に位置しており、下側伝達部材50Eの頂部に設けられた第2ユニット側固定部52は、左側の柱12の中間部近傍に位置している。ここでは上側伝達部材40Eおよび下側伝達部材50Eについての詳しい説明は省略する。
この実施形態では、下側伝達部材50Eの頂部に設けられた第2ユニット側固定部52には、アーム53がピン接合によって揺動自在に取り付けられている。第1ラックギア61は、当該アーム53に歯面を上に向けて取り付けられている。アーム53の下側には、押し当て機構70の第2ラックギア71が歯面を下に向けて取り付けられている。上側伝達部材40Eの頂部に設けられた第1ユニット側固定部42には、第1ラックギア61に噛み合う第1ピニオンギア62が取り付けられている。第1ピニオンギア62の歯車軸に錘63が取り付けられている。さらに、第1ピニオンギア62の歯車軸に、押し当て機構70の支持部材73となる縦材が取り付けられている。支持部材としての縦材73は、第1ラックギア61の下側(アーム53の下側)に延びており、第1ラックギア61の背面(アーム53の下側)に配設された第2ラックギア71に噛み合う第2ピニオンギア72を支持している。
このように、押し当て機構70は、例えば、第2ラックギア71と、第2ピニオンギア72と、支持部材73とを備えているとよい。この場合、第2ラックギア71は、第1ラックギア61の背面側に設けられているとよい。また、第2ピニオンギア72は、第2ラックギア71に噛み合うように設けられているとよい。支持部材73は、第2ピニオンギア72と第2ラックギア71とが噛み合い、かつ、第1ピニオンギア62と第2ピニオンギア72とが第1ラックギア61と第2ラックギア71とを挟むように、第1ピニオンギア62に対して第2ピニオンギア72を支持しているとよい。図4〜図6に示すように、建物用制振装置100C〜100Eは、かかる押し当て機構70によって、第1ラックギア61に第1ピニオンギア62が押し当たることが保証される。これにより、矩形の枠組み20に大きなせん断変形が生じても、回転慣性質量ダンパーを適切に機能させることができる。
《変形例100F》
なお、押し当て機構70の構造は、かかる形態に限定されない。図7は、建物用制振装置の変形例を示している。図7に示す建物用制振装置100Fでは、図6に示された建物用制振装置100Eと、押し当て機構70の構造が相違する。この実施形態では、押し当て機構70は、ローラ74と、支持部材73とで構成されている。ローラ74は、実質的に第1ラックギア61の背面に押し当たっている。つまり、ここでは、第1ピニオンギア62の歯車軸に取り付けられた、押し当て機構70の支持部材となる縦材73は、第1ラックギア61の背面(アーム53の下側)に配設されたローラ74を支持している。そして、支持部材73は、実質的にローラ74と第1ピニオンギア62とが第1ラックギア61を挟むように、第1ピニオンギア62に対してローラ74を支持している。かかる建物用制振装置100Fでは、ローラ74と支持部材73とで構成された押し当て機構70によって、第1ラックギア61に第1ピニオンギア62が押し当たることが保証されている。これにより、矩形の枠組み20に大きなせん断変形が生じても、回転慣性質量ダンパーを適切に機能させることができる。
《変形例100G》
さらに、押し当て機構70の変形例を示す。図8は、建物用制振装置の変形例を示している。図8に示す建物用制振装置100Gでは、図6および図7に示された建物用制振装置100E、100Fと、押し当て機構70の構造が相違する。この実施形態では、押し当て機構70は、第1ラックギア61に対する第1ピニオンギア62の歯車軸62aの距離を一定にするように、第1ラックギア61に対して第1ピニオンギア62の歯車軸62aを案内するガイド75を備えている。ここで、ガイド75は、一端が第1ラックギア61の側面に固定されており、第1ラックギア61に噛み合う第1ピニオンギア62の歯車軸62aの軌道に延びた板状の部材である。当該ガイド75には、第1ピニオンギア62の歯車軸62aの軌道に沿って、第1ピニオンギア62の歯車軸62aを案内するガイド穴75a(図示例では長穴)が形成されている。
かかるガイド75によって、第1ラックギア61に対する第1ピニオンギア62の歯車軸62aの距離が一定に維持され、第1ラックギア61に第1ピニオンギア62が押し当たることが保証されている。これにより、矩形の枠組み20に大きなせん断変形が生じても、回転慣性質量ダンパーを適切に機能させることができる。また、押し当て機構70をかかるガイド75で構成することによって、押し当て機構70に要する部品点数を減らすことができる。
《変形例100H》
なお、図9は、さらに建物用制振装置の変形例を示している。図9に示す建物用制振装置100Hでは、図8に示された建物用制振装置100Gに対して、下側伝達部材50Hの構造が異なる。ここでは、下側伝達部材50Hは、二等辺三角形のトラス構造を有している。下側伝達部材50Hの頂部に設けられる第2ユニット側固定部52は、矩形の枠組み20の中央部、第1ユニット側固定部42が設けられる上側伝達部材40Eの頂部の下側に対向している。そして、当該第2ユニット側固定部52に第1ラックギア61が揺動自在に取り付けられている。このように、下側伝達部材50は、二等辺三角形のトラス構造を採用してもよい。ここでは下側伝達部材50Hについての詳しい説明は省略する。
《錘63の取り付け構造》
上述した実施形態では、回転慣性質量ダンパーを構成する錘63は、第1ピニオンギア62の歯車軸62aに取り付けられているとよい。この場合、回転慣性質量ダンパーの構造は簡単である。これに対して、第1ピニオンギア62に対して錘63の回転を増速させる増速機構を備えていてもよい。
《変形例100I》
図10は、増速機構を備えた建物用制振装置の一例を示している。図10に示す建物用制振装置100Iは、増速機構80が設けられている点で、図9に示された建物用制振装置100Hと異なる。ここでは、上側伝達部材40Iと下側伝達部材50Iは、それぞれ二等辺三角形のトラス構造を有している。上側伝達部材40Iの頂部と、下側伝達部材50Iの頂部は、それぞれ矩形の枠組み20の中央部で対向している。このうち、下側伝達部材50Iの頂部に第1ラックギア61が揺動自在に設けられており、上側伝達部材40Iの頂部に第1ピニオンギア62が取り付けられている。また、押し当て機構70として、ガイド75が第1ラックギア61に取り付けられており、ガイド75に設けられたガイド穴75aに第1ピニオンギア62の歯車軸62aが挿通されている。
ここで、錘63は、増速機構80を介して第1ピニオンギア62に取り付けられている。つまり、錘63と第1ピニオンギア62との間に増速機構80が介在している。ここで増速機構80は、大径歯車81と、小径歯車82とを備えている。ここで、大径歯車81は、小径歯車82よりもピッチ円直径が大きい。ここでは、大径歯車81のピッチ円直径は、小径歯車82よりも3倍程度大きい。大径歯車81の歯車軸は、第1ピニオンギア62の歯車軸62aに設けられている。小径歯車82の歯車軸82aは、小径歯車82が大径歯車81に噛み合うように、上側伝達部材40Iの中間位置(上下方向の中間位置)に回動自在に取り付けられている。ここで、大径歯車81の歯車軸(62a)と小径歯車82の歯車軸82aは、それぞれ矩形の枠組み20の法線方向に沿って取り付けられている。そして、回転慣性質量ダンパーの錘63は、かかる小径歯車82の歯車軸82aに取り付けられている。
この場合、大径歯車81と小径歯車82のピッチ円直径の比によって、増速機構80の増速比が定まる。つまり、この場合、回転慣性質量ダンパーの錘63を、第1ピニオンギア62よりも早い回転速度で回転させることができる。ここで、回転慣性質量ダンパーによって得られる質量効果(慣性質量Z)は、第1ピニオンギア62の歯数と、第1ラックギア61のギアピッチに依存するが、さらに増速機構80の増速比εによって、質量効果(慣性質量Z)をさらに大きくすることができる。

この実施形態では、質量効果(慣性質量Z)の計算式は、以下の式による。
Z=0.5×(πεβ/αδ)×γ

ここで、
Z:慣性質量
α:第1ピニオンギア62の歯数
β:錘63の直径
δ:第1ラックギア61のギアピッチ
γ:錘63の質量
ε:増速機構80の増速比
である。
《変形例100J》
このように、建物用制振装置100は回転慣性質量ダンパーの錘63の回転数を増速させる増速機構80を備えていてもよい。かかる増速機構80として、大径歯車81と小径歯車82を備えた構造を例示した。図11は、増速機構80の他の形態を例示するものであり、大径歯車81と小径歯車82をそれぞれスプロケットとし、離れた位置に配置し、これをチェーン83で連結したものである。このように、増速機構80の構造は、種々の構造を例示できる。
また、大きな地震時に、土台11と柱12、13と2階床梁14とで囲まれた矩形の枠組み20に大きなせん断変形が生じた場合には、土台11に対する2階床梁14の高さが変動する。このため、上側伝達部材40と下側伝達部材50との相対的な距離も変動する。この際、図11に示すように、単純に、増速機構80の大径歯車81と小径歯車82とをそれぞれスプロケットとし、離れた位置に配置し、これをチェーン83で連結した構造では、大径歯車81と小径歯車82との距離が変動することによって、チェーン83が緩みうる。
《変形例100K》
図12は、増速機構80の他の変形例を例示する。例えば、図12に示すように、さらに大径歯車81の歯車軸(ここでは、第1ピニオンギア62の歯車軸62a)に、揺動可能なアーム85を取り付け、当該アーム85の先端にアイドルスプロケット86を取り付ける。ここで、アイドルスプロケット86は、2つのスプロケットを重ねている。そして、かかるアイドルスプロケット86の一方のスプロケットと大径歯車81との間に第1チェーン87を掛け回す。さらに、アイドルスプロケット86の他方のスプロケットと小径歯車82との間に第2チェーン88を掛け回す。
これにより、下側伝達部材50Iに取り付けられた大径歯車81は、第1チェーン87と、アイドルスプロケット86と、第2チェーン88を介して、上側伝達部材40Iに取り付けられた小径歯車82に連結されている。つまり、大径歯車81の歯車軸62aに揺動自在に取り付けられたアーム85にアイドルスプロケット86が取り付けられている。この場合、大径歯車81とアイドルスプロケット86の距離は普遍である。また、大径歯車81と小径歯車82との距離が変動しても、アーム85が揺動することによって、小径歯車82とアイドルスプロケット86との距離を一定に保つことができる。
このため、大きな地震が生じ、大径歯車81と小径歯車82との距離が変動しても、増速機構80を適切に機能させ、回転慣性質量ダンパーの錘63の回転速度を第1ピニオンギア62に対して増速させることができる。また、アーム85およびアイドルスプロケット86は、第1チェーン87および第2チェーン88が緩むのを防止する。このため、例えば、アーム85の揺動軸にバネ(図示省略)を取り付け、アーム85が適当な揺動角に調整される構造としてもよい。
《変形例100L》
なお、この場合、さらに、アイドルスプロケット86に設けられる2つのスプロケットのギヤ比を変えることによって、回転慣性質量ダンパーの錘63の回転速度を第1ピニオンギア62に対してさらに増速させることができる。また、図13は、他の変形例を例示する。図13に示すように、増速機構80の大径歯車81と、アイドルスプロケット86と、小径歯車82とは、1つのチェーン89を掛け回してもよい。
《錘63の変形例》
錘63は、図14(図2のXIII−XIII矢視図)に示すように、矩形の枠組み20の表裏に対向するように2つ設けられていてもよい。
また、錘63は、円盤形状を例示した。円盤形状の錘は、例えば、100mm〜120mm程度の建物10の壁に納めるのに好適である。この場合、外周縁に近い領域に質量を偏らせてもよい。図15から図17は、制振ユニット60の錘63の変形例を示す図である。この場合、例えば、図15に示すように、リング状の錘101と、回転軸102と、リング状の錘101と回転軸102とを結ぶ、放射状に取り付けられた棒103(輻)とで構成してもよい。また、錘63は、円盤形状に限定されず、任意の形状を取ることができる。例えば、図16に示すように、錘63は、棒状でもよい。さらに、図17に示すように、錘63は、両端に質量体111、112を取り付け、質量を両端に偏らせた棒113としてもよい。このように、錘63の質量部分(例えば、質量体111、112)を、錘63の回転軸102から離すことによって、より大きな質量効果(慣性質量Z)が得られる。つまり、錘63の質量は、錘63の回転軸から離れた位置に偏っているとよい。
また、図17に示すように、矩形の枠組み20のうち、上側伝達部材40と下側伝達部材50を除く、隙間20Aに錘63の質量体111、112を配置してもよい。これにより、建物用制振装置100の省スペース化を図ることができる。上側伝達部材40と下側伝達部材50を除く、隙間20Aに錘63の質量体111、112を配置できるので、矩形の枠組み20の法線方向において、厚い質量体111、112を配置することができる。
以上、種々説明したが、建物用制振装置100は、建物10の下梁11と、下梁11に立てられた一対の柱12、13と、一対の柱12、13に架け渡された上梁14とで囲まれた矩形の枠組み20内に配置されている。
ここで、建物用制振装置100は、図1に示すように、上側伝達部材40と、下側伝達部材50と、制振ユニット60とを備えている。ここで、上側伝達部材40は、建物10の上梁14に固定される上梁側固定部41と、制振ユニット60に固定される第1ユニット側固定部42とを備えている。下側伝達部材50は、建物10の下梁11に固定される下梁側固定部51と、制振ユニット60に固定される第2ユニット側固定部52とを備えている。制振ユニット60は、第1ラックギア61と、第1ピニオンギア62と、錘63とを備えている。ここで、第1ラックギア61は、第1ユニット側固定部42と第2ユニット側固定部52とのうち一方の固定部に横向きに取り付けられている。第1ピニオンギア62は、第1ユニット側固定部42と第2ユニット側固定部52とのうち他方の固定部に取り付けられ、第1ラックギア61に噛み合っている。錘63は、第1ピニオンギア62の回転に応じて回転するように、第1ピニオンギア62に係合している。
この建物用制振装置100によれば、建物10の下梁11と、一対の柱12、13と、上梁14とで囲まれた矩形の枠組み20の上下の梁14、11に生じたせん断変位が、上側伝達部材40と下側伝達部材50とを介して、制振ユニット60に伝達される。制振ユニット60は、矩形の枠組み20の上下の梁14、11に生じたせん断変位に応じて第1ラックギア61に第1ピニオンギア62が噛み合い、第1ピニオンギア62が回転する。そして、第1ピニオンギア62の回転に応じて、第1ピニオンギア62に係合した錘63が回転する。このように、建物用制振装置100は、建物10の矩形の枠組み20に取り付けて回転慣性質量ダンパーとしての機能を具現化する。つまり、建物10の矩形の枠組み20の上下の梁14、11に生じるせん断変形に応じて錘63が回転し、これによって質量効果を発揮して建物10の揺れを小さく抑えることができる。
以上のように、建物用制振装置100は、建物10の矩形の枠組み20に取り付けることができ、建物10に生じた振動を小さく抑える制振装置として好適である。本発明に係る建物用制振装置は、特に言及されない限りにおいて、上述された何れの実施形態およびその変形例にも限定されない。
例えば、上述した実施形態では、建物用制振装置100は、建物10の1階に取り付けた例を例示したが、建物用制振装置100は、建物10の2階以上の階に取り付けてもよい。また、建物用制振装置100は、木造の建物だけでなく種々の建物に適用できる。例えば、鉄筋コンクリート製の建物や鉄骨構造の建物にも効果的に取り付けることができる。
上述したように、この建物用制振装置100は、錘63の重量のわりに大きな質量効果が得られ、建物10に生じる揺れを小さく抑えることができる。建物10の重量(例えば、建物の1階に建物用制振装置100を取り付ける場合には、建物の2階の重量)をMとすると、パルス振動が入力された時に、建物10に生じる加速度(入力)をM/(M+Z)に減じることができる。また、建物に、質量効果がZの建物用制振装置100がn個取り付けられている場合には、パルス振動が入力された時に、建物に生じる加速度をM/(M+n×Z)に減じることができる。
この場合、M/(M+n×Z)が0.9程度であれば、建物10に生じる揺れ(加速度)を90%程度に低減させることができる。また、M/(M+n×Z)が0.5程度であれば、建物10に生じる揺れを50%程度低減させることができる。また、M/(M+n×Z)が0.3程度であれば、建物10に生じる揺れを30%程度に低減させることができる。また、M/(M+n×Z)が0.1程度であれば、建物10に生じる揺れを10%程度に低減させることができる。
例えば、100平方メートル(100mm)の木造住宅の場合、2階部分の重量は、凡そ30ton〜50ton(ton=Mg=1000kg)とされる。ここで、建物用制振装置100を木造住宅の1階に取り付ける場合、2階部分の重量Mとすると、M/(M+n×Z)が0.9よりも小さくなるように、建物用制振装置100を設けるとよい。この場合、1つの建物用制振装置100の質量効果Zが小さいと、建物用制振装置100を建物10に多く取り付ける必要がある。また、建物用制振装置100の質量効果Zを大きくするには、建物用制振装置100に用いる錘63を重たくしたり、錘63の直径を大きくしたりする必要が生じる。また、建物用制振装置100から反力を受ける建物10の矩形の枠組み20を構造的に所要の強度を確保する必要が生じる。
このような観点から、1つの建物用制振装置100の質量効果(慣性質量Z)は、例えば、凡そ0.1Mg以上、好ましくは凡そ0.2Mg以上、また、1つの建物用制振装置100の質量効果(慣性質量Z)は、凡そ5.0Mg以下、好ましくは凡そ3.0Mg以下とし、適当な数の建物用制振装置100を建物10の適当な位置に取り付けるとよい。ここで、1つの建物用制振装置100の質量効果(慣性質量Z)が、0.1Mg未満では、建物の揺れを小さくする効果が十分に発揮されない場合がある。また、1つの建物用制振装置100の質量効果(慣性質量Z)が、5.0Mgよりも大きいと、質量効果が大きすぎて、建物用制振装置100自体が大きなものとなる。例えば、日本における木造住宅では、例えば、質量効果(慣性質量Z)が0.1Mg≦Z≦5.0Mg程度になるように、1つの建物用制振装置100を構成するとよい。
建物用制振装置は、建物壁に収まるとよい。このため、建物用制振装置の厚さは、例えば、120mm以下、より好ましくは110mm以下、さらに好ましくは100mm以下であるとよい。
10 建物
11 土台(下梁)
12、13 柱
14 2階床梁(上梁)
15、16 ホールダウン金物
20 矩形の枠組み
20A 隙間
30 コンクリート基礎
31、32 ホールダウンボルト
34 基礎パッキン
40 上側伝達部材
41 上梁側固定部
42 第1ユニット側固定部
43 アーム
45 バネ
50 下側伝達部材
51 下梁側固定部
52 第2ユニット側固定部
53 アーム
60 制振ユニット
61 第1ラックギア
62 第1ピニオンギア
62a 歯車軸(第1ピニオンギアの歯車軸)
63 錘
70 押し当て機構
71 第2ラックギア
72 第2ピニオンギア
73 支持部材
74 ローラ
75 ガイド
75a ガイド穴
80 増速機構
81 大径歯車
82 小径歯車
82a 歯車軸
83 チェーン
85 アーム
86 アイドルスプロケット
87 第1チェーン
88 第2チェーン
89 チェーン
100 建物用制振装置
101 錘(リング状の錘)
102 回転軸
103 棒
111、112 質量体
113 棒

Claims (15)

  1. 建物の下梁と、前記下梁に立てられた一対の柱と、前記一対の柱に架け渡された上梁とで囲まれた矩形の枠組み内に配置される、建物用制振装置であって、
    上側伝達部材と、
    下側伝達部材と、
    制振ユニットと
    を備え、
    前記上側伝達部材は、
    前記建物の前記上梁に固定される上梁側固定部と、
    前記制振ユニットに固定される第1ユニット側固定部と
    を備え、
    前記下側伝達部材は、
    前記建物の前記下梁に固定される下梁側固定部と、
    前記制振ユニットに固定される第2ユニット側固定部と
    を備え、
    前記制振ユニットは、
    前記第1ユニット側固定部と前記第2ユニット側固定部とのうち一方の固定部に横向きに取り付けられた第1ラックギアと、
    前記第1ユニット側固定部と前記第2ユニット側固定部とのうち他方の固定部に取り付けられ、前記第1ラックギアに噛み合う第1ピニオンギアと、
    前記第1ピニオンギアの回転に応じて回転するように、前記第1ピニオンギアに係合させた錘と
    を備えた、
    建物用制振装置。
  2. 前記第1ラックギアは、上梁と平行になるように取り付けられている、請求項1に記載された建物用制振装置。
  3. 前記第1ラックギアは、前記第1ユニット側固定部と前記第2ユニット側固定部とのうち一方にピンリンクによって取り付けられており、
    前記第1ピニオンギアを前記第1ラックギアに押し当てる押し当て機構を備えた、請求項1または2に記載された建物用制振装置。
  4. 前記押し当て機構は、
    前記第1ラックギアの背面側に設けられた第2ラックギアと、
    前記第2ラックギアに噛み合う第2ピニオンギアと、
    前記第2ピニオンギアと第2ラックギアとが噛み合い、かつ、前記第1ピニオンギアと前記第2ピニオンギアとが前記第1ラックギアと第2ラックギアとを挟むように、前記第1ピニオンギアに対して前記第2ピニオンギアを支持する支持部材と
    を備えた、請求項3に記載された建物用制振装置。
  5. 前記押し当て機構は、
    前記第1ラックギアの背面に押し当たるローラと、
    前記ローラと前記第1ピニオンギアとが、前記第1ラックギアを挟むように、前記第1ピニオンギアに対して前記ローラを支持する支持部材と
    を備えた、請求項3に記載された建物用制振装置。
  6. 前記押し当て機構は、前記第1ラックギアに対する前記第1ピニオンギアの歯車軸の距離を一定にするように、前記ラックギアに対して前記第1ピニオンギアの歯車軸を案内するガイドを備えた、請求項3に記載された建物用制振装置。
  7. 前記錘は前記第1ピニオンギアの歯車軸に取り付けられている、請求項1から6までの何れか一項に記載された建物用制振装置。
  8. 前記第1ピニオンギアに対して前記錘の回転を増速させる増速機構を備えた、請求項1から7までの何れか一項に記載された建物用制振装置。
  9. 前記増速機構は、前記第1ピニオンギアの回転に応じて回転する大径歯車と、
    前記大径歯車よりもピッチ円直径が小さく、前記錘に連結された小径歯車と、
    を備えた、請求項8に記載された建物用制振装置。
  10. 前記大径歯車と小径歯車は、それぞれスプロケットであり、大径歯車と小径歯車とを連結するチェーンを備えた、請求項9に記載された建物用制振装置。
  11. 前記大径歯車の歯車軸に揺動自在に取り付けたアームに取り付けられた2つのアイドルスプロケットと、
    前記2つのアイドルスプロケットのうち一方を大径歯車に連結する第1チェーンと、
    前記2つのアイドルスプロケットのうち他方を小径歯車に連結する第2チェーンと
    を備えた、請求項10に記載された建物用制振装置。
  12. 前記錘は、前記矩形の枠組みの表裏に対向するように2つ設けられている、請求項1から11までの何れか一項に記載された建物用制振装置。
  13. 前記錘の質量は、錘の回転軸から離れた位置に偏っている、請求項1から12までの何れか一項に記載された建物用制振装置。
  14. 慣性質量Zが、0.1Mg≦Z≦5.0Mgである、請求項1から13までの何れか一項に記載された建物用制振装置。
  15. 前記建物用制振装置は、厚さが120mm以下である、請求項1から14までの何れか一項に記載された建物用制振装置。
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