JP5992035B2 - マルチカー式エレベータ - Google Patents

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Description

この発明は、共通の昇降路内に複数のかごが設けられているマルチカー式エレベータに関するものである。
従来のマルチカー式エレベータでは、第1のかごの速度と、第1のかごから第2のかごまでの距離と、第1のかごの速度に依存した危険距離及び最小距離とが算定される。そして、第2のかごまでの距離が危険距離以下になると、安全装置により第1のかごが非常停止される。また、第2のかごまでの距離が最小距離以下になると、第1のかごの非常止め装置が作動される。さらに、危険距離は、非常停止作動曲線に基づいて設定され、最小距離は、非常止め装置の作動曲線に基づいて設定される(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の他のマルチカー式エレベータでは、第1のかごに対する第2のかごの相対位置に基づいて、第1のかごに関する第1及び第2の過速度基準が決定される。また、第2のかごに対する第1のかごの相対速度が検出され、相対速度と第1及び第2の過速度基準とが比較される。そして、相対速度が第1の過速度基準を超えると巻上機ブレーキが作動され、相対速度が第2の過速度基準を超えると非常止め装置が作動される(例えば、特許文献2参照)。
特表2008−531436号公報 特開2009−256109号公報
特許文献1に示されたエレベータでは、運転減速曲線に従って停止を選んだ場合、大きなかご間距離で異常を検知し、かごを減速させる必要があり、サービス低下を招く。
また、特許文献2に示されたエレベータでは、第1及び第2のかご間の相対位置と相対速度とを用いて、アルゴリズムを構築している。このため、第1及び第2のかごが近づく際には本手法を用いることができるが、同一方向に進む際は片側のかごを停止させる必要があり、サービスを行う上で課題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成により、サービス性の低下を防止しつつ、かご同士の衝突をより確実に防止することができるマルチカー式エレベータを得ることを目的とする。
この発明に係るマルチカー式エレベータは、共通の昇降路内に設けられている複数のかご、対応するかごの運行を制御する複数の制御部、及び制御部に接続されており、かご同士の異常接近の有無を監視するかご間衝突防止安全装置を備え、かごのうち上下に隣接する2台のかごを第1及び第2のかごとしたとき、異常に対し、第2のかごの絶対速度に対応して第2のかごを停止させることができる距離であり、第1のかごの進入を許さない領域が第2のかごの排他領域として設定され、第1のかごがその位置までに停止する必要がある位置が第1のかごの停止限界位置として設定され、第1のかごの停止限界位置までに第1のかごが減速し停止できるように、異常接近を段階的に検出する複数の閾値が設定され、第2のかごが第1のかごから離れる方向の絶対速度を持つ場合、第1のかごへ近づく方向の速さを0として第2のかごの排他領域が設定され、第1のかごの停止限界位置が設定される
この発明の第1の発明に係るマルチカー式エレベータによれば、かごの走行方向に関わらず、同じ手法で、かご同士の衝突をより確実に防止することができる。
また、第2の発明に係るマルチカー式エレベータによれば、簡単な構成により、サービス性の低下を防止しつつ、かご同士の衝突をより確実に防止することができる。
この発明の実施の形態1によるマルチカー式エレベータを示す構成図である。 図1のエレベータの制御系を示すブロック図である。 図1の第1のかごの停止限界位置及び第2のかごの排他領域を示す説明図である。 図3の排他領域の定め方の一例を示すグラフである。 図3の第1のかごを停止限界位置までに停止させるために第1の制御部、第2の制御部及びかご間衝突防止安全装置に設定されている速度パターンを示すグラフである。 昇降路内の2台のかごが近づく際に、正常な状態から異常な状態になった場合の、第1のかごの停止限界位置及び第2のかごの停止限界位置の時系列変化と、減速のための連続的閾値を持つ第1の速さパターン及び第2の速さパターンの時系列変化とを示すグラフである。 第1及び第2のかごが異常接近した場合に第1及び第2の制御部によりかごを停止させる動作を示すグラフである。 図7の状態から第1及び第2のかごがさらに異常接近した場合の動作を示すグラフである。 図8の状態から第1及び第2のかごがさらに異常接近した場合の動作を示すグラフである。 図2の第1及び第2の管理・駆動制御回路部のかご接近監視動作を示すフローチャートである。 図2のかご間衝突防止安全装置のかご接近監視動作を示すフローチャートである。 第1のかごが停止している場合、又は第2のかごから離れる方向へ走行している場合の第2のかごの停止限界位置の定め方を示すグラフである。 排他領域の定め方の他の例を示すグラフである。 排他領域の定め方のさらに他の例を示すグラフである。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるマルチカー式エレベータを示す構成図である。図において、共通の昇降路1内には、第1のかご(上かご)2と、第1のかご2に対応する第1の釣合おもり3と、第2のかご(下かご)4と、第2のかご4に対応する第2の釣合おもり5とが設けられている。第1のかご2は、第2のかご4の上方(真上)に設けられている。
昇降路1の上部には、機械室6が設けられている。機械室6には、第1のかご2及び第1の釣合おもり3を昇降させる第1の巻上機7と、第2のかご4及び第2の釣合おもり5を昇降させる第2の巻上機8とが設置されている。第1及び第2のかご2,4は、巻上機7,8により、昇降路1内をそれぞれ独立して昇降される。
昇降路1内には、第1及び第2のかご2,4の昇降を案内する一対のかごガイドレール(図示せず)と、第1の釣合おもり3の昇降を案内する一対の第1の釣合おもりガイドレール(図示せず)と、第2の釣合おもり5の昇降を案内する一対の第2の釣合おもりガイドレール(図示せず)とが設置されている。
第1の巻上機7は、第1の駆動シーブ9と、第1の駆動シーブ9を回転させる第1のモータ(図示せず)と、第1の駆動シーブ9の回転を制動する制動装置である第1の巻上機ブレーキ10とを有している。
第2の巻上機8は、第2の駆動シーブ11と、第2の駆動シーブ11を回転させる第2のモータ(図示せず)と、第2の駆動シーブ11の回転を制動する制動装置である第2の巻上機ブレーキ12とを有している。
第1の駆動シーブ9及び第1のそらせ車13には、第1の懸架手段14が巻き掛けられている。第1のかご2及び第1の釣合おもり3は、第1の懸架手段14により昇降路1内に吊り下げられている。第2の駆動シーブ11及び第2のそらせ車15には、第2の懸架手段16が巻き掛けられている。第2のかご4及び第2の釣合おもり5は、第2の懸架手段16により昇降路1内に吊り下げられている。
第1の懸架手段14としては、例えば複数本のロープ又は複数本のベルトが用いられている。また、この例では、第1のかご2及び第1の釣合おもり3は、1:1ローピング方式で吊り下げられている。
第2の懸架手段16としては、例えば複数本のロープ又は複数本のベルトが用いられている。また、この例では、第2のかご4及び第2の釣合おもり5は、2:1ローピング方式で吊り下げられている。
第1のかご2には、かごガイドレールに機械的に係合して第1のかご2を非常停止させる第1のかご非常止め装置17が搭載されている。第2のかご4には、かごガイドレールに機械的に係合して第2のかご4を非常停止させる第2のかご非常止め装置18が搭載されている。
機械室6には、第1のかご2の過速度を検出する第1のかご調速機19と、第2のかご4の過速度を検出する第2のかご調速機20とが設置されている。
第1のかご調速機19は、第1の調速機綱車21を有している。第1の調速機綱車21には、無端状の第1の調速機ロープ22が巻き掛けられている。昇降路1の下部には、第1の調速機ロープ22に張力を与える第1の張り車23が設けられている。
第1の調速機ロープ22の一部は、第1のかご2に接続されている。これにより、第1の調速機ロープ22は第1のかご2の昇降に伴って循環移動され、第1の調速機綱車21は第1のかご2の速度に応じた速度で回転される。
第2のかご調速機20は、第2の調速機綱車24を有している。第2の調速機綱車24には、無端状の第2の調速機ロープ25が巻き掛けられている。昇降路1の下部には、第2の調速機ロープ25に張力を与える第2の張り車26が設けられている。
第2の調速機ロープ25の一部は、第2のかご4に接続されている。これにより、第2の調速機ロープ25は第2のかご4の昇降に伴って循環移動され、第2の調速機綱車24は第2のかご4の速度に応じた速度で回転される。
第1のかご調速機19には、第1の調速機綱車21の回転に応じた信号を発生する第1の速度検出器としての第1のエンコーダ27が設けられている。第2のかご調速機20には、第2の調速機綱車24の回転に応じた信号を発生する第2の速度検出器としての第2のエンコーダ28が設けられている。第1及び第2のエンコーダ27,28としては、インクリメンタルロータリエンコーダが用いられている。
第1のかご調速機19は、第1の調速機綱車21の回転速度が予め設定された速度を超えると、第1の調速機ロープ22を機械的に把持する。また、第1のかご調速機19には、外部からの電気的な指令信号によって第1の調速機ロープ22を把持するかご調速機ロープ把持装置29が設けられている。
第1の調速機ロープ22が把持された状態で第1のかご2が下降すると、第1のかご非常止め装置17が作動され、第1のかご2が非常停止される。これにより、第1のかご2の下降時における過大速走行が阻止される。また、かご調速機ロープ把持装置29に電気的な指令信号を与えることによって、第1のかご2の下降走行を任意に停止させることができる。
第2のかご調速機20は、第2の調速機綱車24の回転速度が予め設定された速度を超えると、第2の調速機ロープ25を機械的に把持する。
第2の調速機ロープ25が把持された状態で第2のかご4が下降すると、第2のかご非常止め装置18が作動され、第2のかご4が非常停止される。これにより、第2のかご4の下降時における過大速走行が阻止される。
さらに、機械室6には、釣合おもり調速機30が設置されている。釣合おもり調速機30は、釣合おもり調速機綱車31を有している。釣合おもり調速機綱車31には、無端状の釣合おもり調速機ロープ32が巻き掛けられている。昇降路1の下部には、釣合おもり調速機ロープ32に張力を与える釣合おもり調速機ロープ張り車33が設けられている。
釣合おもり調速機ロープ32の一部は、第2の釣合おもり5に接続されている。これにより、釣合おもり調速機ロープ32は第2の釣合おもり5の昇降に伴って循環移動され、釣合おもり調速機綱車31は第2の釣合おもり5の速度に応じた速度で回転される。
釣合おもり調速機30は、釣合おもり調速機綱車31の回転速度が予め設定された速度を超えると、釣合おもり調速機ロープ32を機械的に把持する。また、釣合おもり調速機30には、外部からの電気的な指令信号によって釣合おもり調速機ロープ32を把持する釣合おもり調速機ロープ把持装置34が設けられている。
第2の釣合おもり5には、第2の釣合おもりガイドレールに機械的に係合して第2の釣合おもり5を非常停止させる釣合おもり非常止め装置35が搭載されている。
釣合おもり調速機ロープ32が把持された状態で第2の釣合おもり5が下降すると、釣合おもり非常止め装置35が作動され、第2の釣合おもり5が非常停止される。これにより、第2の釣合おもり5の下降時における過大速走行が阻止される。また、釣合おもり調速機ロープ把持装置34に電気的な指令信号を与えることによって、第2の釣合おもり5の下降走行を任意に停止することができる。
即ち、第2の釣合おもり5に対応する第2のかご4の上昇時における過大速走行が阻止される。また、第2のかご4の上昇走行を任意に停止することができる。
なお、釣合おもり調速機30及び釣合おもり非常止め装置35の代わりに、かごの上昇時の過大速走行を阻止することが可能な構造のかご調速機と、上昇時にも有効な構造の非常止め装置とを組み合わせて用いてもよい。
昇降路1の下部(ピット床)には、かご緩衝器36、第1の釣合おもり緩衝器37、及び第2の釣合おもり緩衝器38が設置されている。かご緩衝器36は、第2のかご4が何等かの異常によって最下階を行き過ぎた場合に、第2のかご4がピット床に衝突して高い衝撃が発生することを防ぐ。
第1の釣合おもり緩衝器37は、第1のかご2が最上階を行き過ぎた場合に、第1のかご2が昇降路1の頂部に衝突することを防ぐ。昇降路1の頂部の高さは、第1の釣合おもり3が第1の釣合おもり緩衝器37に衝突したときの第1のかご2の飛び上り代を考慮して設計される。
第2の釣合おもり緩衝器38は、第2のかご4がサービスする階床のうちの最も高い階を第2のかご4が行き過ぎた場合に、第2のかご4が昇降路機器又は第1のかご2に関連する機器に衝突することを防ぐ。
昇降路1内の上部終端階付近には、第1及び第2の上部昇降路スイッチ39,40が設けられている。第1のかご2がサービスする階床のうちの最も低い階付近の昇降路1内には、下部サービス階スイッチ41が設けられている。
第1のかご2には、第1及び第2の上部昇降路スイッチ39,40と下部サービス階スイッチ41とを操作する第1の操作部材(スイッチ駆動レール)42が設けられている。上部昇降路スイッチ39,40及び下部サービス階スイッチ41は、第1の操作部材42により操作されて回路を開く常時閉のスイッチである。
上部昇降路スイッチ39,40は、第1のかご2が最上階に停止しているときに第1の操作部材42により操作されて開状態となる。下部サービス階スイッチ41は、第1のかご2がサービスする階床のうちの最も低い階に第1のかご2が停止しているときに第1の操作部材42により操作されて開状態となる。
昇降路1内の下部終端階付近には、第1及び第2の下部昇降路スイッチ43,44が設けられている。第2のかご4がサービスする階床のうちの最も高い階付近の昇降路1内には、上部サービス階スイッチ45が設けられている。
第2のかご4には、第1及び第2の下部昇降路スイッチ43,44と上部サービス階スイッチ45とを操作する第2の操作部材(スイッチ駆動レール)46が設けられている。下部昇降路スイッチ43,44及び上部サービス階スイッチ45は、第2の操作部材46により操作されて回路を開く常時閉のスイッチである。
下部昇降路スイッチ43,44は、第2のかご4が最下階に停止しているときに第2の操作部材46により操作されて開状態となる。上部サービス階スイッチ45は、第2のかご4がサービスする階床のうちの最も高い階に第2のかご4が停止しているときに第2の操作部材46により操作されて開状態となる。
さらに、昇降路1内の複数の停止階に対応した位置には、それぞれ着床プレート47が設けられている。第1のかご2には、着床プレート47を検出する第1の着床センサ48が搭載されている。第1の着床センサ48は、安全な戸開閉が可能なドアゾーン内に第1のかご2が位置することを検出する。
第2のかご4には、着床プレート47を検出する第2の着床センサ49が搭載されている。第2の着床センサ49は、安全な戸開閉が可能なドアゾーン内に第2のかご4が位置することを検出する。
図2は図1のエレベータの制御系を示すブロック図である。第1の制御部51は、第1の管理・駆動制御回路部52と第1のブレーキ駆動回路部53とを有している。第1の管理・駆動制御回路部52は、第1のかご2に関する運行管理、速度制御、ドアの開閉制御等を行う。第1のブレーキ駆動回路部53は、第1の巻上機ブレーキ10を駆動する。
第2の制御部54は、第2の管理・駆動制御回路部55と第2のブレーキ駆動回路部56とを有している。第2の管理・駆動制御回路部55は、第2のかご4に関する運行管理、速度制御、ドアの開閉制御等を行う。第2のブレーキ駆動回路部56は、第2の巻上機ブレーキ12を駆動する。
第1及び第2の制御部51,54には、かご間衝突防止安全装置57が接続されている。かご間衝突防止安全装置57は、安全監視回路部58、ブレーキ駆動指令出力回路部59、及び非常止め駆動回路部60を有している。安全監視回路部58は、第1及び第2のかご2,4同士の衝突に繋がるような第1及び第2のかご2,4の異常接近の有無を監視する。
ブレーキ駆動指令出力回路部59は、第1及び第2のかご2,4の異常接近検出時に、第1及び第2の制御部51,54に対してブレーキを作動させるための指令を出力する。非常止め駆動回路部60は、かご調速機ロープ把持装置29及び釣合おもり調速機ロープ把持装置34に調速機ロープ22,32を把持する指令を出力する。
第1及び第2の管理・駆動制御回路部52,55には、第1及び第2のエンコーダ27,28からの検出信号、昇降路スイッチ39,40,41,43,44,45の状態を示す信号、及び着床センサ48,49の検出信号が入力される。
管理・駆動制御回路部52,55は、これらの入力信号を用いて、昇降路1内における第1及び第2のかご2,4の絶対位置を検出する。また、図1には示していないが、管理・駆動制御回路部52,55には、乗客からの呼び信号、及び保守作業者からの保守運転への切替要求信号等も入力される。
第1の管理・駆動制御回路部52からは、第1の巻上機7への速度指令信号、及びドアの開放指令信号等が出力される。同様に、第2の管理・駆動制御回路部55からは、第2の巻上機8への速度指令信号、及びドアの開放指令信号等が出力される。
第1及び第2のブレーキ駆動回路部53,56には、かご間衝突防止安全装置57及びその他の安全装置(図示せず)からの異常検出信号が入力される。第1のブレーキ駆動回路部53は、異常検出信号を受けると、第1の巻上機ブレーキ10を作動させる指令信号を第1の巻上機7に対して出力する。同様に、第2のブレーキ駆動回路部56は、異常検出信号を受けると、第2の巻上機ブレーキ12を作動させる指令信号を第2の巻上機8に対して出力する。
安全監視回路部58には、第1及び第2のエンコーダ27,28からの検出信号、昇降路スイッチ39,40,41,43,44,45の状態を示す信号、及び着床センサ48,49の検出信号が入力される。昇降路スイッチ39,40,41,43,44,45及び着床センサ48,49によりかごの離散的な絶対位置を検出し、離散的なかご位置情報を第1及び第2のエンコーダ27,28により補間することで、連続的なかごの絶対位置を検出する。
安全監視回路部58は、これらの入力信号を用いて、第1及び第2のかご2,4の速度、及び昇降路1内における第1及び第2のかご2,4の絶対位置を検出する。
なお、第1及び第2の制御部51,54及びかご間衝突防止安全装置57は、それぞれ独立したコンピュータにより構成することができる。
また、この例では、管理・駆動制御回路部52,55及び安全監視回路部58で第1及び第2のかご2,4の絶対位置を検出するために、インクリメンタルロータリエンコーダ、昇降路スイッチ、及び着床センサの組み合わせを用いているが、アブソリュートタイプのエンコーダを用いてもよい。
以下、かご間衝突防止安全装置57の処理を示す。図3は図1の第1のかご2の停止限界位置及び第2のかご4の排他領域を示す説明図である。停止限界位置は、かご2,4がその位置までに停止する必要がある位置として定義される。また、排他領域は、かご2,4にそれぞれ異常が生じたとしても、何等かの対応をすることで停止できる距離として定め、他のかごの進入を許さない領域として定義される。
図3では、第1のかご2の停止限界位置が301Aとして定められている。また、第2のかご4の絶対位置及び絶対速度から、第2のかご4の排他領域302B及びオフセット量306Bが計算され、第1のかご2の停止限界位置301Aが定められる。この停止限界位置301Aは、第2のかご4が移動することにより、時間経過に伴って連続的に変動する量となり、排他領域302B及びオフセット量306Bの和も連続的に変動する量となる。
但し、オフセット量306Bは固定値でもよい。
また、第2のかご4の停止限界位置301Bは、第1のかご2の絶対位置及び絶対速度から求めた第1のかご2の排他領域302A及びオフセット量306Aから定められる。
次に、排他領域の定め方の詳細について説明する。図4は図3の排他領域の定め方の一例を示すグラフである。第2のかご4の排他領域は、図4の303Bに示す「ある位置及び速さ」のときに出力された非常止めトリガ信号に対して、対応して停止できるまでの距離を計算したものを用いる。
「ある位置及び速さ」303Bのうち、「ある位置」としては、第1のかご2側の第2のかご4の先端の絶対位置が用いられる。また、「ある速さ」は、第1のかご2に近づく方向の第2のかご4の絶対速度とする。
同様に、第1のかご2の排他領域を定める際の「ある位置及び速さ」303Aのうち、「ある位置」としては、第2のかご4側の第1のかご2の先端の絶対位置が用いられる。また、「ある速さ」は、第2のかご4に近づく方向の第1のかご2の絶対速度とする。
図4の曲線304Bは、「ある位置及び速さ」303Bにおいて非常止めトリガ信号が出力された場合の釣合おもり非常止め装置35による第2のかご4の速さ変化を示す。また、曲線305Bは、「ある位置及び速さ」303Bから曲線304Bに至るまでの状態の変化の一例を表す。そして、「ある位置及び速さ」303Bの状態の第2のかご4が、曲線304Bに示すような速さ変化によって停止するまでの距離を排他領域302Bとする。
なお、排他領域は、釣合おもり非常止め装置35の時間的動作遅れや、減速度の違いを含んだ値とする。そして、第2のかご4の進行方向の先端位置から排他領域302Bとオフセット量306Bを足しあわせた分を進めた位置を、第1のかご2の停止限界位置301Aとする。オフセット量306Bは、2台のかご2,4が互いに接するように停止するジャストタッチの状態となるのを避けるために設定する値で、0よりも大きい数値である。また、第1のかご非常止め装置17を作動させるトリガ信号は、第1のかご調速機19から出力される。
上記のように定めた第1のかご2の停止限界位置301Aまでに第1のかご2が減速し停止できるよう、第1の制御部51、第2の制御部54及びかご間衝突防止安全装置57での対応を図5のように決定する。
ここで、管理・駆動制御回路部52,55には、曲線307Aで示す通常減速中の速さ変化と、曲線308Aで示す強制減速・異常接近検出閾値とが設定される。また、第1のかご2と第2のかご4とが異常接近した場合、かご間衝突防止安全装置57は、曲線309Aで示す異常接近検出閾値で異常を検出しブレーキを作動させた場合、曲線310Aで示すブレーキ作動時の速さ変化となり、曲線311Aで示す非常止め作動閾値で異常を検出し非常止めを作動させた場合、曲線312Aで示す非常止め作動時の速さ変化となる。
これらの曲線は、まず、第1のかご2の停止限界位置301Aに非常止め装置17で減速し停止できるよう、最悪条件での速さ変化である非常止め作動時の速さ変化312Aが定められる。次いで、その速さ変化となるように、動作遅れ時間や調速機ロープ把持装置29の滑りの大きさや非常止め装置17の減速度を考慮して、非常止め装置17を作動させるトリガ信号を出力する閾値として非常止め作動閾値311Aが定められる。
さらに、非常止め作動閾値311Aと交差しないようにブレーキ作動時の速さ変化310Aが定められる。さらにまた、そのような速さ変化となるように動作遅れ時間、距離及び巻上機ブレーキ10の減速度を考慮して、異常接近検出閾値309Aが定められる。
また、異常接近検出閾値309Aと交差しないように管理・駆動制御回路部52での強制減速・異常接近検出閾値308Aが定められる。最後に、そのような強制減速・異常接近検出閾値308Aとなるように、通常減速中の速さ変化307Aが定められる。
このような第1のかご2に関する307Aから312Aをまとめて第1の速さパターン313Aと名付ける。また、同様に、第2のかご4に関する307Bから312Bをまとめて第2の速さパターン313Bと名付ける。そして、かご間衝突防止安全装置57、第1の制御部51及び第2の制御部54は、速さパターン313Aと速さパターン313Bとをそれぞれ計算する。
昇降路1内の2台のかご2,4が近づく際に、正常な状態から異常な状態になった場合の、第1のかご2の停止限界位置301A及び第2のかご4の停止限界位置301Bの時系列変化と、減速のための連続的閾値を持つ第1の速さパターン313A及び第2の速さパターン313Bの時系列変化とを図6に示す。また、図6は、かご2,4の位置を縦軸に示し、横軸に第1のかご2と第2のかご4とが近づく方向の速さを示している。
両かご2,4が時間経過と共に異常に近づいてきた場合、かご2,4の絶対位置と絶対速度とに応じて、第1のかご2の停止限界位置301Aが第1のかご2に、第2のかご4の停止限界位置301Bが第2のかご4に近づく。そして、その停止限界位置の移動に伴い、第1の速さパターン313Aが第1のかご2に近づき、第2の速さパターン313Bが第2のかご4に近づく。
第1のかご2の「ある位置及び速さ」303Aが、第1の速さパターン313Aに含まれる強制減速・異常接近検出閾値308A、異常接近検出閾値309A、又は非常止め作動閾値311Aを超えると、第1のかご2が減速及び停止される。また、第2のかご4の「ある位置及び速さ」303Bが、第2の速さパターン313Bに含まれる強制減速・異常接近検出閾値308B、異常接近検出閾値309B、又は非常止め作動閾値311Bを超えると、第2のかご4が減速及び停止される。
このとき、第1及び第2の制御部51,54は、それぞれ第1の速さパターン313A及び第2の速さパターン313Bの計算結果を用いて対応する。図7のように、それぞれ異常接近検出閾値308Aと異常接近検出閾値308Bとにより、それぞれ第2のかご4側、第1のかご2側に近づいた場合に異常と判断し、管理・駆動制御回路部52,55で強制的に減速させ、かご2,4を衝突前に停止させる。
なお、第1の制御部51及び第2の制御部54で速さパターン313A,313Bを計算する代わりに、かご間衝突防止安全装置57が閾値を超えたことの検出、及び制御部51,54へ減速の指令を行ってもよい。
また、第1の制御部51及び第2の制御部54で速さパターン313A,313Bを計算する代わりに以下の対応をとってもよい。まず、第1の制御部51では、通常減速中の速さ変化307Aと、強制減速・異常接近検出閾値308Aを計算し、異常接近すると第1のかご2を減速させる。また、第2の制御部54では、通常減速中の速さ変化307Bと、強制減速・異常接近検出閾値308Bを計算し、異常接近を検出すると第2のかご4を減速させる。さらに異常接近した場合、かご間衝突防止安全装置57では、異常接近検出閾値309A,309Bを計算し、それらの閾値を越えた場合にブレーキを作動させる。さらに異常接近した場合、かご間衝突防止安全装置57では、非常止め作動閾値311A,311Bを計算し、それらの閾値を越えた場合に非常止めを作動させる。
かご2,4同士がさらに近づいた場合は、かご間衝突防止安全装置57が、速さパターン313A,313Bの計算結果を用いて対応する。図8のように、異常接近検出閾値309A,309Bを超えた場合、異常と判断し、ブレーキ作動時の速さ変化310A,310Bに従って減速させる。
それでも異常が残り、かご2,4同士がさらに近づき、図9のように、非常止め作動閾値311A,311Bを超えると、さらに異常だと判断し、非常止め作動時の速さ変化312A,312Bに従ってかご2,4を減速させる。
異常があった場合の対応をまとめると、図10が管理・駆動制御回路部52,55での対応フロー、図11がそれでも異常に接近した場合の対応フローとなる。
図10は図2の第1及び第2の管理・駆動制御回路部52,55のかご接近監視動作を示すフローチャートである。管理・駆動制御回路部52,55は、図10の処理を所定の周期で繰り返し実行する。管理・駆動制御回路部52,55のかご接近監視動作では、まず両かご2,4の停止限界位置を計算する(ステップS1)。次に、相手かごに近づく速度であるかどうかを判断する(ステップS2)。相手かごに近づく速度でなければ、その回の処理を終了する。
相手かごに近づく速度である場合、通常制御系による強制減速・異常接近検出閾値を決定する(ステップS3)。そして、現在位置が強制減速・異常接近検出閾値よりも相手かごに近いかどうかを判定する(ステップS4)。強制減速・異常接近検出閾値よりも相手かごに近くなければ、その回の処理を終了する。
強制減速・異常接近検出閾値よりも相手かごに近い場合、強制減速指令を出力し(ステップS5)、かご2,4が停止したかどうかを判定する(ステップS6)。この後、通過した最寄階への低速自動での走行指令を出力する(ステップS7)。即ち、かご2,4同士が離れる側の最寄り階へかご2,4を移動させることにより、かご2,4への乗客の閉じ込めを防止する。そして、かご2,4が停止した後(ステップS8)、処理を終了する。
図11は図2のかご間衝突防止安全装置57のかご接近監視動作を示すフローチャートである。かご間衝突防止安全装置57は、図11の処理を所定の周期で繰り返し実行する。かご間衝突防止安全装置57のかご接近監視動作では、まず両かご2,4の停止限界位置を計算する(ステップS11)。次に、異常接近検出閾値を決定する(ステップS12)。
この後、異常接近検出閾値よりも相手かごに近いかどうかを判定する(ステップS13)。異常接近検出閾値よりも相手かごに近くなければ、その回の処理を終了する。異常接近検出閾値よりも相手かごに近い場合、ブレーキ作動指令を出力する(ステップS14)。この後、非常止めトリガ閾値よりも相手かごに近いかどうかを判定する(ステップS15)。そして、非常止めトリガ閾値よりも相手かごに近ければ、非常止め作動指令を出力する(ステップS16)。
なお、図10の対応と図11の対応とは互いに独立しており、かご間衝突防止安全装置57の動作は、管理・駆動制御回路部52,55から影響を受けない。
上記のような手法により、何等かの異常が起こって第1のかご2と第2のかご4とが近づいた場合に、第1のかご2及び第2のかご4の絶対位置と絶対速度とからその異常を検出し、管理・駆動制御回路部52,55及びかご間衝突防止安全装置57で減速及び停止させることができる。
次に、第1のかご2が停止している場合、又は第2のかご4から離れる方向へ走行している場合に、もし、異常が発生し、第1のかご2と第2のかご4が異常接近するようになったとした場合、第1のかご2は進行方向から一度停止し、逆方向に移動するようになる。そのため、図12に示すように、第1のかご2の進行方向と逆方向の速さを0と仮定して、「ある位置及び速さ」303Aを決定する。ここで、「ある位置及び速さ」303Aにおいて、非常止めトリガ信号が出力された場合の非常止め装置17による速さ変化を曲線314Aで示す。また、曲線315Bは、「ある位置及び速さ」303Bから曲線314Bに至るまでの状態の変化の1例を表す。
なお、下方向へ走行する第2のかご4に対して第1のかご2の停止限界位置301Aを定める場合も同等の手法で行う。
第2のかご4の停止限界位置301Bを定めた後に、異常接近の検出を行い減速及び停止させる手法は実施の形態1と同様である。また、第1のかご2の停止限界位置を定めた後に、異常接近の検出を行い減速及び停止させる手法も実施の形態1と同様である。
第1のかご2の移動方向は、上方向、停止、下方向の3通りである。また、第2のかご4の移動方向も、上方向、停止、下方向の3通りである。従って、両かご2,4の移動方向の組み合わせは、3・3で9通りとなる。これら9通りの全てが、上記のいずれかの手法で対応可能であり、管理・駆動制御回路部52,55での対応又はかご間衝突防止安全装置57での対応を同じアルゴリズムで実現できる。
ここで、かご2,4の絶対速度や絶対位置を計測するために、インクリメンタルロータリエンコーダを用いる場合は、据付時や電源投入時に初期位置を決定する必要がある。そのため、初期位置を決定するための学習運転が必要となる。
昇降路1内を2台のかご2,4が昇降する場合、昇降路1内の上部に設置された第1のかご2用の上部昇降路スイッチ39,40と、昇降路1内の下部に設置された第2のかご4用の下部昇降路スイッチ43,44とを使って、初期位置の学習を行う。このような学習運転時に、かご間衝突防止安全装置57は、第1のかごが第2のかごの方向に進むことを検出した場合は異常と判断し、同様に第2のかごが第1のかごの方向に進むことを検出した場合は異常と判断し、かご2,4を停止させる。
また、最初に第2のかご4を下降させ、下部昇降路スイッチ43,44を使って初期位置の学習を行った後、第1のかご2を上昇させ、上部昇降路スイッチ39,40を使って初期位置の学習を行ってもよい。このとき、かご間衝突防止安全装置57は、第2のかご4の学習運転中に、第1のかごが第2のかごの方向に進むことを検出した場合は異常と判断し、第1のかご2の学習運転中に、同様に第2のかごが第1のかごの方向に進むことを検出した場合は異常と判断し、かご2,4を停止させる。
さらに、最初に第2のかご4を下降させ、下部昇降路スイッチ43,44を使って初期位置の学習を行った後、第1のかご2を下降させ、下部サービス階スイッチ41を使って初期位置の学習を行ってもよい。さらにまた、最初に第1のかご2を上昇させ、上部昇降路スイッチ39,40を使って初期位置の学習を行った後、第2のかご4を上昇させ、上部サービス階スイッチ45を使って初期位置の学習を行ってもよい。このように、学習運転の方法は、昇降路スイッチの配置に応じて種々の方法が選択可能である。
なお、昇降路1内を3台以上のかごが昇降する場合、事前にそれぞれのかごが下方から何番目か決めておき、最下方のかごから順に下降させ、最下方のかごの学習が終わった後に、順次下方のかごから学習することで全てのかごの学習を行うことができる。
また、最下方から学習する代わりに、最上方のかごから上昇させ順次学習することもできる。
さらに、学習時間短縮のために、かごの総数の半分から上は最上方から学習し、かごの総数の半分から下は最下方から学習してもよい。
このようなマルチカー式エレベータによれば、第1及び第2のかご2,4が同一方向に走行しているときに、前方を進むかごが急停止したとしても、衝突を回避できるような減速及び停止を実現できる。
また、比較的短いかご間距離で異常が起こった際に衝突を防ぐ対応を自動的に決めることができるため、サービス性が悪化するかご減速の発生を最大限防止しつつ、かご2,4同士の衝突を防止することができる。
さらに、高価な絶対位置センサの代わりに、インクリメンタルロータリエンコーダと電源投入時の学習運転とを組み合わせることで、比較的廉価なシステム構成となる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。実施の形態1では、かご間衝突防止安全装置57、第1の制御部51及び第2の制御部54がそれぞれ速さパターン313A,313Bを計算していた。これに対して、実施の形態2では、一方の制御部、ここでは第2の制御部54が速さパターンを計算しない。そして、他方の制御部、ここでは第1の制御部51で異常接近を検出した場合に、第1の制御部51での対応と同時に、第2の制御部54でも同じ対応をとる。また、かご間衝突防止安全装置57での対応も、2台のかごに対して同時に行う。これにより、第1及び第2のかご2,4同士の衝突を防止することができる。
また、かご間衝突防止安全装置57のみしか速さパターン313A,313Bを持たず、異常接近した場合の管理・駆動制御回路部52,55及びかご間衝突防止安全装置57の対応の指令を行うことでも衝突の防止ができる。
このように、かご間衝突防止安全装置57、第1の制御部51及び第2の制御部54のうちの一部のみで速さパターン313A,313Bを演算すること、即ち速さパターン313A,313Bの計算を行う装置を減らすことで、ソフトウェアの書き換えやハードウェアの負荷を減らすことができる。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3では、昇降路1の終端部を、停止している相手かごとして見ることにより、実施の形態1、2のかご間衝突防止の手法を終端階強制減速装置としても利用する。即ち、かご間衝突防止の手法でのセンサ構成及びプログラムを、昇降路終端部への衝突防止安全システムにも拡張する。
このように、かご間衝突防止の手法を終端階強制減速装置としても利用することにより、かご間衝突防止のためのセンサ構成及びプログラムと、昇降路終端部への衝突防止のためのセンサ構成及びプログラムとを共通化し、構成を簡単にすることができる。
また、このような終端階強制減速装置では、かご位置に応じて変化する過大速度検出レベル、即ち、昇降路終端部のかご減速区間内で、昇降路終端部へ向けて連続して小さくなるような過大速度検出レベルを設定することができる。さらに、従来終端階強制減速装置用に開発していたプログラムを用いて、かご間衝突防止のためのプログラムを容易に作成することができる。
なお、小さな排他領域は、衝突を回避しながらも異常接近によってかごを減速させる必要がなく、サービス低下を防ぐことができる。しかしながら、一方で異常接近した場合の、かご停止までに余裕をもった構成が必要な場合も考えられる。ここで、例えば、排他領域+オフセット量は、図13に示すように、相手かごの絶対位置と絶対速度の状態からブレーキで減速し、そこからまだ異常があるとして非常止めトリガ信号を出力し、釣合おもり非常止め装置により停止できる距離としてもよい。
また、排他領域+オフセット量は、図14に示すように、相手かごの絶対位置と絶対速度の状態から即座に減速し、そこからまだ異常があるとしてブレーキで減速させ、さらにそこからまだ異常があるとして非常止めトリガ信号を出力し、釣合おもり非常止め装置により停止できる距離としてもよい。
図13においては、曲線317Bは「ある位置及び速さ」303Bからブレーキ作動時の速さ変化316Bに至るまでの1例を示す。また、その状態でもまだ異常があり、非常止め装置のトリガ信号が出力され、釣合おもり非常止め装置35による第2のかご4の速さ変化として、曲線304Bに至るまでの1例を曲線318Bに示す。
図14においては、曲線320Bは「ある位置及び速さ」303Bから制御系の減速曲線319Bがあり、その制御系の減速曲線319Bでは対応できない異常があり、ブレーキ作動時の速さ変化316Bに至るまでの1例を示す。また、その状態でもまだ異常があり、非常止め装置のトリガ信号が出力され、釣合おもり非常止め装置35による第2のかご4の速さ変化として、曲線304Bに至るまでの1例を曲線321Bに示す。
さらに、排他領域は、図4、図13、図14などの手法のように、逐次計算によって定めてもよいが、事前に定めたテーブルメモリを参照して用いてもよい。また、取り得る最大の値を用いた一定値を排他領域としてもよい。
さらにまた、上記の例では、2台のかご2,4が共通の昇降路1内に設けられているが、3台以上のかごが設けられているエレベータであってもよい。
また、各かごに関するローピング方式や機器(巻上機、釣合おもり、センサ類等)のレイアウトは、図1の構成に限定されるものではない。
さらに、ブレーキ装置は巻上機ブレーキ10,12に限定されるものではなく、例えば、かご2,4に搭載されたかごブレーキや、懸架手段14,16を把持するロープブレーキ等であってもよい。

Claims (3)

  1. 共通の昇降路内に設けられている複数のかご、
    対応する前記かごの運行を制御する複数の制御部、及び
    前記制御部に接続されており、前記かご同士の異常接近の有無を監視するかご間衝突防止安全装置
    を備え、
    前記かごのうち上下に隣接する2台のかごを第1及び第2のかごとしたとき、
    異常に対し、前記第2のかごの絶対速度に対応して前記第2のかごを停止させることができる距離であり、前記第1のかごの進入を許さない領域が前記第2のかごの排他領域として設定され、
    前記第2のかごの前記第1のかご方向の先端の絶対位置から、排他領域以上の距離を前記第1のかご方向に進めた絶対位置が、前記第1のかごの停止限界位置として設定され、
    前記第1のかごの停止限界位置までに前記第1のかごが減速し停止できるように、異常接近を段階的に検出する複数の閾値が設定され、
    前記第2のかごが前記第1のかごから離れる方向の絶対速度を持つ場合、前記第1のかごへ近づく方向の速さを0として前記第2のかごの排他領域が設定され、前記第1のかごの停止限界位置が設定されるマルチカー式エレベータ。
  2. 前記閾値は、通常減速中の速さ変化、ブレーキ装置の作動時の速さ変化、及び非常止めの作動時の速さ変化にそれぞれ対応して設定されている請求項1記載のマルチカー式エレベータ。
  3. 前記かごのうち、前記昇降路終端部側に位置するかごについて、前記昇降路終端部を停止しているかごとして見ることにより、前記かご同士の衝突防止と同じ手法で前記昇降路終端部への衝突が防止される請求項1又は請求項2に記載のマルチカー式エレベータ。
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