JP5990160B2 - 抗酸化炎症モジュレーターを使用して肥満を処置する方法 - Google Patents

抗酸化炎症モジュレーターを使用して肥満を処置する方法 Download PDF

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Description

本出願は、2010年10月1日出願の米国仮出願第61/389,090号および2010年4月12日出願の米国仮出願第61/323,276号の優先権の恩典を主張し、これらの全内容はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
I. 発明の分野
本発明は一般に、生物学および医学の分野に関する。より詳しくは、抗酸化炎症モジュレーター(AIM)による肥満などの疾患の予防および/または処置のための方法に関する。
II. 関連技術の説明
肥満は、米国および他の先進国における主要な健康問題となっている。米国では、成人人口の65%が過体重または肥満であると考えられ、成人の30%超が肥満の基準を満たしている。世界保健機関は世界の10億人超の成人が過体重であると推定しており、これらのうち3億人が臨床的に肥満であると考えられる(Hotamisligil, 2006)。多くの国では、子どもにおける肥満の発生率も急速に増大している。肥満は、心血管疾患、脳卒中、インスリン抵抗性、2型糖尿病、肝疾患、神経変性疾患、呼吸器疾患および他の重病の主要な危険因子であり、乳がんおよび結腸がんを含む特定の種類のがんの危険因子として意味づけられている。肥満は、身体的健康に対するその影響を除けば、生活の質および心理的幸福に対する著しい悪影響を示す。多くの国におけるますます座りがちな生活様式の結果として、既に高い肥満の発生率は増大する可能性が高い。さらに、特定の広く使用される精神科薬、特に非定型抗精神病薬は、体重増加、および糖尿病の危険性増加に関連している。精神症状の十分な制御を実現するためにこれらの薬物を慢性的に使用しなければならないこと、および精神障害を有する患者における処置服薬率がしばしば低いことから、これらの副作用は、服薬遵守に対する障壁と患者に対する著しいさらなる健康リスクとの両方を示すものである。
カロリー摂取の減少および身体活動の増加を通じて体重減少を実現可能であることは定着しているが、肥満は西側諸国、特に米国において対応困難な問題であり続けている。体重減少を誘導するために安全で有効な薬物の発見は、数十年間の主要な研究目標であった。しかし、これまでのところ、有効性を示した薬物は、著しい副作用が重荷になったか、または中程度の有効性しか示さなかった。例えば、アンフェタミンは食欲抑制薬として有効に使用されているが、依存症の強い危険性を他の副作用と共に示す。食欲抑制において主要な役割を果たすペプチドホルモンであるレプチンの発見は、肥満の処置における潜在的なブレイクスルーであると考えられたが、臨床試験においてレプチンは有効ではなかった。さらに近年、カンナビノイド受容体アンタゴニストが抗肥満薬として開発されていたが、許容されない精神医学的副作用を示した。同様に、消化管中の脂肪吸収を減少させるように設計された薬物は、著しい胃腸副作用に関連していた。
したがって、新規抗肥満処置薬が著しく求められている。特に、肥満患者において一般的に使用される他の薬物、例えば抗糖尿病薬、降圧薬、コレステロール低下薬およびインスリンと安全に併用可能な、限定された副作用を伴う抗肥満処置薬が求められている。これにより、肥満の処置に使用可能な薬剤は著しい進歩を示すであろう。
したがって、本発明によれば、対象の体重を減少させるために抗酸化転写因子Nrf2の選択的アクチベーター、例えば抗酸化炎症モジュレーター(AIM)で過体重または肥満対象を処置する方法が提供される。いくつかの局面では、それを必要とする対象において体重を減少させる方法であって、対象の体重を減少させるために十分な量で抗酸化炎症モジュレーター(AIM)を対象に投与する段階を含む方法が提供される。いくつかの局面では、それを必要とする対象において予防、処置する方法であって、対象の体重を減少させるために十分な量で抗酸化炎症モジュレーター(AIM)を対象に投与する段階を含む方法が提供される。
いくつかの態様では、対象は過剰な体脂肪を有する。いくつかの態様では、対象は過体重である。いくつかの態様では、対象の肥満度指数(BMI)は25kg/m2〜30kg/m2である。いくつかの態様では、対象は肥満であるかまたは肥満の1つもしくは複数の症状を示す。いくつかの態様では、肥満はクラスIである。いくつかの態様では、対象のBMIは30kg/m2〜35kg/m2である。いくつかの態様では、肥満はクラスIIである。いくつかの態様では、対象のBMIは35kg/m2〜40kg/m2である。いくつかの態様では、肥満はクラスIIIである。いくつかの態様では、対象のBMIは40kg/m2〜80kg/m2である。いくつかの態様では、対象はヒト対象である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、本方法は対象の体重を1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%または65%減少させる。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、本方法は対象においてNrf2を選択的に誘導しもする。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、本方法は対象においてNF-κBの活性化を阻害しもする。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、AIMは下記式の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体である:
Figure 0005990160
式中、
Wは電子吸引性基であり;
R1およびR2はそれぞれ独立して
水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、置換アルケニル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)または置換アルコキシ(C≦8)であり; あるいは、
R1およびR2は一緒になってアルカンジイル(C≦18)、アルケンジイル(C≦18)、アレーンジイル(C≦18)、アルコキシジイル(C≦18)、アルケニルオキシジイル(C≦18)、アルキルアミノジイル(C≦18)、アルケニルアミノジイル(C≦18)またはアルケニルアミノオキシジイル(C≦18)となり;
各R3は独立して
ヒドロキシ、ハロ、オキソ、アミノ、ヒドロキシアミノ、ニトロ、イミノ、シアノ、アジド、メルカプトまたはチオ;
アルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)、ヘテロアリール(C≦12)、ヘテロアラルキル(C≦12)、アシル(C≦12)、アルキリデン(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アリールオキシ(C≦12)、アラルコキシ(C≦12)、ヘテロアリールオキシ(C≦12)、ヘテロアラルコキシ(C≦12)、アシルオキシ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アルコキシアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、アリールアミノ(C≦12)、アラルキルアミノ(C≦12)、ヘテロアリールアミノ(C≦12)、ヘテロアラルキルアミノ(C≦12)、アルキルスルホニルアミノ(C≦12)、アミド(C≦12)、アルキルイミノ(C≦12)、アルケニルイミノ(C≦12)、アルキニルイミノ(C≦12)、アリールイミノ(C≦12)、アラルキルイミノ(C≦12)、ヘテロアリールイミノ(C≦12)、ヘテロアラルキルイミノ(C≦12)、アシルイミノ(C≦12)、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであるか; あるいは、
(R3)y中の任意の2個のR3は一緒になってアルカンジイル(C≦18)、アルケンジイル(C≦18)、アレーンジイル(C≦18)、アルコキシジイル(C≦18)、アルケニルオキシジイル(C≦18)、アルキルアミノジイル(C≦18)、アルケニルアミノジイル(C≦18)またはアルケニルアミノオキシジイル(C≦18)となり;
yは0〜8である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、AIMは下記式の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体である:
Figure 0005990160
式中、
Wは電子吸引性基であり;
R1およびR2はそれぞれ独立して
水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、置換アルケニル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)または置換アルコキシ(C≦8)であり; あるいは、
R1およびR2は一緒になってアルカンジイル(C≦18)、アルケンジイル(C≦18)、アレーンジイル(C≦18)、アルコキシジイル(C≦18)、アルケニルオキシジイル(C≦18)、アルキルアミノジイル(C≦18)、アルケニルアミノジイル(C≦18)またはアルケニルアミノオキシジイル(C≦18)となり;
各R3は独立して
ヒドロキシ、ハロ、オキソ、アミノ、ヒドロキシアミノ、ニトロ、イミノ、シアノ、アジド、メルカプトまたはチオ;
アルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)、ヘテロアリール(C≦12)、ヘテロアラルキル(C≦12)、アシル(C≦12)、アルキリデン(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アリールオキシ(C≦12)、アラルコキシ(C≦12)、ヘテロアリールオキシ(C≦12)、ヘテロアラルコキシ(C≦12)、アシルオキシ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アルコキシアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、アリールアミノ(C≦12)、アラルキルアミノ(C≦12)、ヘテロアリールアミノ(C≦12)、ヘテロアラルキルアミノ(C≦12)、アルキルスルホニルアミノ(C≦12)、アミド(C≦12)、アルキルイミノ(C≦12)、アルケニルイミノ(C≦12)、アルキニルイミノ(C≦12)、アリールイミノ(C≦12)、アラルキルイミノ(C≦12)、ヘテロアリールイミノ(C≦12)、ヘテロアラルキルイミノ(C≦12)、アシルイミノ(C≦12)、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであるか; あるいは、
(R3)y中の任意の2個のR3は一緒になってアルカンジイル(C≦18)、アルケンジイル(C≦18)、アレーンジイル(C≦18)、アルコキシジイル(C≦18)、アルケニルオキシジイル(C≦18)、アルキルアミノジイル(C≦18)、アルケニルアミノジイル(C≦18)またはアルケニルアミノオキシジイル(C≦18)となり;
yは0〜8である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、AIMは下記式の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体である:
Figure 0005990160
式中、
Wは電子吸引性基であり;
R1およびR2はそれぞれ独立して
水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、置換アルケニル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)または置換アルコキシ(C≦8)であり; あるいは、
R1およびR2は一緒になってアルカンジイル(C≦18)、アルケンジイル(C≦18)、アレーンジイル(C≦18)、アルコキシジイル(C≦18)、アルケニルオキシジイル(C≦18)、アルキルアミノジイル(C≦18)、アルケニルアミノジイル(C≦18)またはアルケニルアミノオキシジイル(C≦18)となり;
各R3は独立して
ヒドロキシ、ハロ、オキソ、アミノ、ヒドロキシアミノ、ニトロ、イミノ、シアノ、アジド、メルカプトまたはチオ;
アルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)、ヘテロアリール(C≦12)、ヘテロアラルキル(C≦12)、アシル(C≦12)、アルキリデン(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アリールオキシ(C≦12)、アラルコキシ(C≦12)、ヘテロアリールオキシ(C≦12)、ヘテロアラルコキシ(C≦12)、アシルオキシ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アルコキシアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、アリールアミノ(C≦12)、アラルキルアミノ(C≦12)、ヘテロアリールアミノ(C≦12)、ヘテロアラルキルアミノ(C≦12)、アルキルスルホニルアミノ(C≦12)、アミド(C≦12)、アルキルイミノ(C≦12)、アルケニルイミノ(C≦12)、アルキニルイミノ(C≦12)、アリールイミノ(C≦12)、アラルキルイミノ(C≦12)、ヘテロアリールイミノ(C≦12)、ヘテロアラルキルイミノ(C≦12)、アシルイミノ(C≦12)、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであるか; あるいは、
(R3)y中の任意の2個のR3は一緒になってアルカンジイル(C≦18)、アルケンジイル(C≦18)、アレーンジイル(C≦18)、アルコキシジイル(C≦18)、アルケニルオキシジイル(C≦18)、アルキルアミノジイル(C≦18)、アルケニルアミノジイル(C≦18)またはアルケニルアミノオキシジイル(C≦18)となり;
yは0〜7である。
いくつかの態様では、AIMは下記式の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体である:
Figure 0005990160
式中、
Wは電子吸引性基であり;
R1およびR2はそれぞれ独立して
水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、置換アルケニル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)または置換アルコキシ(C≦8)であり; あるいは、
R1およびR2は一緒になってアルカンジイル(C≦18)、アルケンジイル(C≦18)、アレーンジイル(C≦18)、アルコキシジイル(C≦18)、アルケニルオキシジイル(C≦18)、アルキルアミノジイル(C≦18)、アルケニルアミノジイル(C≦18)またはアルケニルアミノオキシジイル(C≦18)となり;
各R3は独立して
ヒドロキシ、ハロ、オキソ、アミノ、ヒドロキシアミノ、ニトロ、イミノ、シアノ、アジド、メルカプトまたはチオ;
アルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)、ヘテロアリール(C≦12)、ヘテロアラルキル(C≦12)、アシル(C≦12)、アルキリデン(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アリールオキシ(C≦12)、アラルコキシ(C≦12)、ヘテロアリールオキシ(C≦12)、ヘテロアラルコキシ(C≦12)、アシルオキシ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アルコキシアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、アリールアミノ(C≦12)、アラルキルアミノ(C≦12)、ヘテロアリールアミノ(C≦12)、ヘテロアラルキルアミノ(C≦12)、アルキルスルホニルアミノ(C≦12)、アミド(C≦12)、アルキルイミノ(C≦12)、アルケニルイミノ(C≦12)、アルキニルイミノ(C≦12)、アリールイミノ(C≦12)、アラルキルイミノ(C≦12)、ヘテロアリールイミノ(C≦12)、ヘテロアラルキルイミノ(C≦12)、アシルイミノ(C≦12)、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであるか; あるいは、
(R3)y中の任意の2個のR3は一緒になってアルカンジイル(C≦18)、アルケンジイル(C≦18)、アレーンジイル(C≦18)、アルコキシジイル(C≦18)、アルケニルオキシジイル(C≦18)、アルキルアミノジイル(C≦18)、アルケニルアミノジイル(C≦18)またはアルケニルアミノオキシジイル(C≦18)となり;
yは0〜6である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、AIMは下記式の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体である:
Figure 0005990160
式中、
Wは電子吸引性基であり;
R1およびR2はそれぞれ独立して
水素、ヒドロキシ、アルキル(C≦8)、置換アルキル(C≦8)、アルケニル(C≦8)、置換アルケニル(C≦8)、アルコキシ(C≦8)または置換アルコキシ(C≦8)であり; あるいは、
R1およびR2は一緒になってアルカンジイル(C≦18)、アルケンジイル(C≦18)、アレーンジイル(C≦18)、アルコキシジイル(C≦18)、アルケニルオキシジイル(C≦18)、アルキルアミノジイル(C≦18)、アルケニルアミノジイル(C≦18)またはアルケニルアミノオキシジイル(C≦18)となり;
各R3は独立して
ヒドロキシ、ハロ、オキソ、アミノ、ヒドロキシアミノ、ニトロ、イミノ、シアノ、アジド、メルカプトまたはチオ;
アルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)、ヘテロアリール(C≦12)、ヘテロアラルキル(C≦12)、アシル(C≦12)、アルキリデン(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アリールオキシ(C≦12)、アラルコキシ(C≦12)、ヘテロアリールオキシ(C≦12)、ヘテロアラルコキシ(C≦12)、アシルオキシ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アルコキシアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、アリールアミノ(C≦12)、アラルキルアミノ(C≦12)、ヘテロアリールアミノ(C≦12)、ヘテロアラルキルアミノ(C≦12)、アルキルスルホニルアミノ(C≦12)、アミド(C≦12)、アルキルイミノ(C≦12)、アルケニルイミノ(C≦12)、アルキニルイミノ(C≦12)、アリールイミノ(C≦12)、アラルキルイミノ(C≦12)、ヘテロアリールイミノ(C≦12)、ヘテロアラルキルイミノ(C≦12)、アシルイミノ(C≦12)、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであるか; あるいは、
(R3)y中の任意の2個のR3は一緒になってアルカンジイル(C≦18)、アルケンジイル(C≦18)、アレーンジイル(C≦18)、アルコキシジイル(C≦18)、アルケニルオキシジイル(C≦18)、アルキルアミノジイル(C≦18)、アルケニルアミノジイル(C≦18)またはアルケニルアミノオキシジイル(C≦18)となり;
yは0〜8である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、Wはシアノ、フルオロまたは-CF3である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、AIMは下記式の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体である:
Figure 0005990160
式中、
X1およびX2は独立して
水素、ヒドロキシ、ハロ、オキソ、アミノ、ヒドロキシアミノ、ニトロ、イミノ、シアノ、アジド、メルカプトまたはチオ; あるいは
アルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)、ヘテロアリール(C≦12)、ヘテロアラルキル(C≦12)、アシル(C≦12)、アルキリデン(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アリールオキシ(C≦12)、アラルコキシ(C≦12)、ヘテロアリールオキシ(C≦12)、ヘテロアラルコキシ(C≦12)、アシルオキシ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アルコキシアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、アリールアミノ(C≦12)、アラルキルアミノ(C≦12)、ヘテロアリールアミノ(C≦12)、ヘテロアラルキルアミノ(C≦12)、アルキルスルホニルアミノ(C≦12)、アミド(C≦12)、アルキルイミノ(C≦12)、アルケニルイミノ(C≦12)、アルキニルイミノ(C≦12)、アリールイミノ(C≦12)、アラルキルイミノ(C≦12)、ヘテロアリールイミノ(C≦12)、ヘテロアラルキルイミノ(C≦12)、アシルイミノ(C≦12)、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであり;
Yは水素、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、ヒドロキシアミノ、ニトロ、シアノ、アジド、メルカプト、アルキル(C≦12)、アルケニル(C≦12)、アルキニル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)、ヘテロアリール(C≦12)、ヘテロアラルキル(C≦12)、アシル(C≦12)、アルコキシ(C≦12)、アルケニルオキシ(C≦12)、アルキニルオキシ(C≦12)、アリールオキシ(C≦12)、アラルコキシ(C≦12)、ヘテロアリールオキシ(C≦12)、ヘテロアラルコキシ(C≦12)、アシルオキシ(C≦12)、アルキルアミノ(C≦12)、ジアルキルアミノ(C≦12)、アルコキシアミノ(C≦12)、アルケニルアミノ(C≦12)、アルキニルアミノ(C≦12)、アリールアミノ(C≦12)、アラルキルアミノ(C≦12)、ヘテロアリールアミノ(C≦12)、ヘテロアラルキルアミノ(C≦12)またはアルキルスルホニルアミノ(C≦12)である。
いくつかの態様では、AIMはバルドキソロンメチルである。いくつかの態様では、バルドキソロンメチルの少なくとも一部分は、約8.8、12.9、13.4、14.2および17.4°2θでの有意な回折ピークを含むX線回折パターン(CuKα)を有する結晶形として存在する。例えば、いくつかの態様では、X線回折パターン(CuKα)は実質的に図1Aまたは図1Bに示す通りである。いくつかの態様では、バルドキソロンメチルの少なくとも一部分は、約13.5°2θでのハローピークを有する実質的に図1Cに示す通りのX線回折パターン(CuKα)、およびTgを有する非晶形として存在する。いくつかの態様では、Tg値は約120℃〜約135℃の範囲である。いくつかの態様では、Tg値は約125℃〜約130℃の範囲である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象の体重を減少させるために十分な量は、AIMの一日量約0.1mg〜約30mgである。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、AIMは経口、動脈内または静脈内投与される。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、AIMは硬カプセル剤もしくは軟カプセル剤または錠剤として製剤化される。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、AIMは、(i)該化合物および(ii)賦形剤を含む固体分散体として製剤化され、例えば、賦形剤はメタクリル酸-アクリル酸エチル共重合体であり得る。いくつかの態様では、メタクリル酸-アクリル酸エチル共重合体の比は1:1である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象の体重が測定済みであるかまたは測定される予定である。例えば、いくつかの態様では、対象の体重が、AIMを投与する前に測定済みであり、AIMを投与した後に測定される予定である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象のBMIが測定済みであるかまたは測定される予定である。例えば、いくつかの態様では、対象のBMIが、AIMを投与する前に測定済みであり、AIMを投与した後に測定される予定である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は腎疾患、心血管疾患、糖尿病、自己免疫疾患、呼吸器疾患、神経変性疾患、肝疾患、感染症またはがんにも罹患しているか、あるいは臓器移植もしくは組織移植を経験済みであるかまたは経験する予定である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は腎疾患、心血管疾患、糖尿病、自己免疫疾患、呼吸器疾患、神経変性疾患、肝疾患、感染症またはがんに罹患していないか、あるいは移植を経験済みではないかまたは経験する予定ではない。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は糖尿病を有する。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は糖尿病を有さない。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は糖尿病の1つまたは複数の症状を示す。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は糖尿病の症状を示さない。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は糖尿病を有すると識別済みである。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は糖尿病を有さないと識別済みである。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象中の糖尿病のマーカーのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は、糖尿病、心血管疾患、腎疾患、脂肪肝疾患またはメタボリックシンドロームに関連する少なくとも1つのバイオマーカーのレベル上昇を有する。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は、糖尿病、心血管疾患、腎疾患、脂肪肝疾患またはメタボリックシンドロームに関連する少なくとも1つのバイオマーカーのレベル上昇を有さない。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は、糖尿病、心血管疾患、腎疾患、脂肪肝疾患またはメタボリックシンドロームに関連する任意のバイオマーカーのレベル上昇を有さない。いくつかの態様では、バイオマーカーはインスリン抵抗性、レプチン抵抗性、アディポネクチン抵抗性、心血管ストレスまたは腎機能障害のマーカーである。いくつかの態様では、バイオマーカーはインスリン抵抗性のマーカーである。いくつかの態様では、バイオマーカーは空腹時血糖またはヘモグロビンA1cである。いくつかの態様では、バイオマーカーはレプチン抵抗性のマーカーである。いくつかの態様では、バイオマーカーはアディポネクチン抵抗性のマーカーである。いくつかの態様では、バイオマーカーはアディポネクチンである。いくつかの態様では、バイオマーカーは心血管ストレスのマーカーである。いくつかの態様では、バイオマーカーは循環内皮細胞またはC反応性タンパク質である。いくつかの態様では、バイオマーカーは循環内皮細胞である。いくつかの態様では、バイオマーカーはiNOS陽性循環内皮細胞である。いくつかの態様では、バイオマーカーは腎疾患のマーカーである。いくつかの態様では、バイオマーカーは血清クレアチニンである。いくつかの態様では、バイオマーカーはシスタチンCである。いくつかの態様では、バイオマーカーは尿酸である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は慢性腎疾患(CKD)を有するかまたはCKDの1つもしくは複数の症状を示す。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は慢性腎疾患(CKD)を有さない。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象はCKDの症状を示さない。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象はCKDを有すると識別済みである。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象はCKDを有さないと識別済みである。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象中のCKDのマーカーのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である。いくつかの態様では、CKDは、対象がヒト女性である場合の1.3〜3.0mg/DLの血清クレアチニンレベル、または対象がヒト男性である場合の1.5〜3.0mg/DLの血清クレアチニンレベルを特徴とする。いくつかの態様では、CKDはステージ4である。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象はステージ4慢性腎疾患(CKD)を有さない。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は糖尿病性腎症(DN)を有するかまたはDNの1つもしくは複数の症状を示す。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は糖尿病性腎症(DN)を有さない。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象はDNの症状を示さない。いくつかの態様では、対象はDNを有すると識別済みである。いくつかの態様では、対象はDNを有さないと識別済みである。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象中のDNのマーカーのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、AIMを投与する段階によって対象の推定糸球体濾過率(eGFR)の改善が生じる。いくつかの態様では、投与する段階によって対象中の血清クレアチニンのレベルが減少する。いくつかの態様では、対象の血中の血清クレアチニンのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象中の血中尿素窒素(BUN)のレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象の血中のアディポネクチンのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象中のアンジオテンシンIIのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象はインスリン抵抗性を有するかまたはインスリン抵抗性の1つもしくは複数の症状を示す。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象はインスリン抵抗性を有さない。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象はインスリン抵抗性の症状を示さない。いくつかの態様では、対象はインスリン抵抗性を有すると識別済みである。いくつかの態様では、対象はインスリン抵抗性を有さないと識別済みである。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象中のインスリン抵抗性のマーカーのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である。いくつかの態様では、対象中のヘモグロビンA1cのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である。いくつかの態様では、対象の血糖値が測定済みであるかまたは測定される予定である。いくつかの態様では、投与する段階によって対象中のヘモグロビンA1cまたは空腹時血糖のレベルが減少する。いくつかの態様では、対象の空腹時血糖値が測定済みであるかまたは測定される予定である。いくつかの態様では、対象のインスリン感受性が高インスリン正常血糖クランプ試験により測定済みであるかまたは測定される予定である。いくつかの態様では、対象中の血糖消失率(GDR)が測定済みであるかまたは測定される予定である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は耐糖能障害を有するかまたは耐糖能障害の1つもしくは複数の症状を示す。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は耐糖能障害を有さない。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は耐糖能障害の症状を示さない。いくつかの態様では、対象は耐糖能障害を有すると識別済みである。いくつかの態様では、対象は耐糖能障害を有さないと識別済みである。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象中の耐糖能障害のマーカーのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である。いくつかの態様では、対象中のヘモグロビンA1cのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である。いくつかの態様では、対象の血糖値が測定済みであるかまたは測定される予定である。いくつかの態様では、投与する段階によって対象中のヘモグロビンA1cまたは空腹時血糖のレベルが減少する。いくつかの態様では、対象の空腹時血糖値が測定済みであるかまたは測定される予定である。いくつかの態様では、対象のインスリン感受性が高インスリン正常血糖クランプ試験により測定済みであるかまたは測定される予定である。いくつかの態様では、対象中の血糖消失率(GDR)が測定済みであるかまたは測定される予定である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は心血管疾患(CVD)を有するかまたはCVDの1つもしくは複数の症状を示す。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は心血管疾患(CVD)を有さないかまたはCVDの症状を示さない。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象はCVDの症状を示さない。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象はCVDを有すると識別済みである。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象はCVDを有さないと識別済みである。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象中のCVDのマーカーのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象の血中の循環内皮細胞(CEC)の数が測定済みであるかまたは測定される予定である。いくつかの態様では、CECはiNOS陽性循環内皮細胞である。いくつかの態様では、投与する段階によって対象中の循環内皮細胞のレベルも減少する。いくつかの態様では、投与する段階によって対象中のヘモグロビンA1cまたは空腹時血糖のレベルも減少する。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は脂肪肝疾患(FLD)を有するかまたはFLDの1つもしくは複数の症状を示す。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象は脂肪肝病気(FLD)を有さないかまたはFLDの症状を示さない。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象はFLDの症状を示さない。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象はFLDを有すると識別済みである。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象はFLDを有さないと識別済みである。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象中のFLDのマーカーのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象はがんを有すると識別済みである。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象はがんを有さないと識別済みである。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象はがんおよび糖尿病を有すると識別済みである。1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、対象はがんを有さずかつ/または糖尿病を有さないと識別済みである。
1つまたは複数の上記態様のいくつかの変形では、十分な量が非肥満対象に投与される場合、非肥満対象の体重が有意に減少することがない。
いくつかの態様では、化合物は硬もしくは軟カプセル剤、錠剤、シロップ剤、懸濁液剤、固体分散体、オブラート剤またはエリキシル剤として製剤化される。いくつかの変形では、軟カプセル剤はゼラチンカプセル剤である。変形では、化合物は固体分散体として製剤化される。いくつかの変形では、硬カプセル剤、軟カプセル剤、錠剤またはオブラート剤は保護コーティングをさらに含む。いくつかの変形では、製剤化された化合物は、吸収を遅延させる薬剤を含む。いくつかの変形では、製剤化された化合物は、溶解性または分散性を強化する薬剤をさらに含む。いくつかの変形では、化合物がリポソーム、水中油型乳濁液または油中水型乳濁液中に分散している。
いくつかの態様では、薬学的有効量は化合物の一日量約0.1mg〜約500mgである。いくつかの変形では、一日量は化合物約1mg〜約300mgである。いくつかの変形では、一日量は化合物約10mg〜約200mgである。いくつかの変形では、一日量は化合物約25mgである。他の変形では、一日量は化合物約75mgである。さらに他の変形では、一日量は化合物約150mgである。さらなる変形では、一日量は化合物約0.1mg〜約30mgである。いくつかの変形では、一日量は化合物約0.5mg〜約20mgである。いくつかの変形では、一日量は化合物約1mg〜約15mgである。いくつかの変形では、一日量は化合物約1mg〜約10mgである。いくつかの変形では、一日量は化合物約1mg〜約5mgである。
いくつかの態様では、薬学的有効量は一日量で体重1kg当たり化合物0.01〜25mgである。いくつかの変形では、一日量は体重1kg当たり化合物0.05〜20mgである。いくつかの変形では、一日量は体重1kg当たり化合物0.1〜10mgである。いくつかの変形では、一日量は体重1kg当たり化合物0.1〜5mgである。いくつかの変形では、一日量は体重1kg当たり化合物0.1〜2.5mgである。
いくつかの態様では、薬学的有効量を1日当たり単一用量で投与する。いくつかの態様では、薬学的有効量を1日当たり2回以上の用量で投与する。
いくつかの態様では、対象は霊長類である。いくつかの変形では、霊長類はヒトである。他の変形では、対象は雌ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ブタ、マウス、ラットまたはモルモットである。
別の局面では、対象の体重を減少させる方法であって、対象の体重を減少させるために十分な量で下記式の化合物を対象に投与する段階を含み、
Figure 0005990160
対象が(i)過体重または肥満であり; (ii)糖尿病を有さないと識別済みである、方法が提供される。
別の局面では、対象の体重を減少させる方法であって、対象の体重を減少させるために十分な量で下記式の化合物を対象に投与する段階を含み、
Figure 0005990160
(a)該化合物の少なくとも一部分が、実質的に図1Cに示す通り約13.5°2θでのハローピークを有するX線回折パターン(CuKα)、および約120℃〜約135℃のTgを有する非晶形として存在し、
(b)対象が
(i)過体重または肥満であり;
(ii)糖尿病を有さないと識別済みである、方法が提供される。
いくつかの態様では、対象はヒトであり、量は一日量5mg〜50mgである。いくつかの態様では、一日量は約10mgである。いくつかの態様では、一日量は約20mgである。いくつかの態様では、一日量は約40mgである。
[本発明1001]
それを必要とする対象において体重を減少させる方法であって、対象の体重を減少させるために十分な量で抗酸化炎症モジュレーター(AIM)を対象に投与する段階を含む、方法。
[本発明1002]
対象が過剰な体脂肪を有する、本発明1001の方法。
[本発明1003]
対象が過体重である、本発明1001の方法。
[本発明1004]
対象の肥満度指数(BMI)が25kg/m 2 〜30kg/m 2 である、本発明1001の方法。
[本発明1005]
対象が肥満であるかまたは肥満の1つもしくは複数の症状を示す、本発明1001の方法。
[本発明1006]
肥満がクラスIである、本発明1005の方法。
[本発明1007]
対象のBMIが30kg/m 2 〜35kg/m 2 である、本発明1001の方法。
[本発明1008]
肥満がクラスIIである、本発明1005の方法。
[本発明1009]
対象のBMIが35kg/m 2 〜40kg/m 2 である、本発明1001の方法。
[本発明1010]
肥満がクラスIIIである、本発明1005の方法。
[本発明1011]
対象のBMIが40kg/m 2 〜80kg/m 2 である、本発明1001の方法。
[本発明1012]
対象がヒト対象である、本発明1001〜1011のいずれかの方法。
[本発明1013]
対象においてNrf2を選択的に誘導しもする、本発明1001〜1013のいずれかの方法。
[本発明1014]
対象においてNF-κBの活性化を阻害しもする、本発明1001〜1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
前記AIMが下記式の化合物、または下記式の薬学的に許容される塩もしくは互変異性体である、本発明1001〜1013のいずれかの方法:
Figure 0005990160
式中、
Wは電子吸引性基であり;
R 1 およびR 2 はそれぞれ独立して
水素、ヒドロキシ、アルキル (C≦8) 、置換アルキル (C≦8) 、アルケニル (C≦8) 、置換アルケニル (C≦8) 、アルコキシ (C≦8) または置換アルコキシ (C≦8) であるか; あるいは、
R 1 およびR 2 は一緒になってアルカンジイル (C≦18) 、アルケンジイル (C≦18) 、アレーンジイル (C≦18) 、アルコキシジイル (C≦18) 、アルケニルオキシジイル (C≦18) 、アルキルアミノジイル (C≦18) 、アルケニルアミノジイル (C≦18) またはアルケニルアミノオキシジイル (C≦18) となり;
各R 3 は独立して
ヒドロキシ、ハロ、オキソ、アミノ、ヒドロキシアミノ、ニトロ、イミノ、シアノ、アジド、メルカプトまたはチオ;
アルキル (C≦12) 、アルケニル (C≦12) 、アルキニル (C≦12) 、アリール (C≦12) 、アラルキル (C≦12) 、ヘテロアリール (C≦12) 、ヘテロアラルキル (C≦12) 、アシル (C≦12) 、アルキリデン (C≦12) 、アルコキシ (C≦12) 、アルケニルオキシ (C≦12) 、アルキニルオキシ (C≦12) 、アリールオキシ (C≦12) 、アラルコキシ (C≦12) 、ヘテロアリールオキシ (C≦12) 、ヘテロアラルコキシ (C≦12) 、アシルオキシ (C≦12) 、アルキルアミノ (C≦12) 、ジアルキルアミノ (C≦12) 、アルコキシアミノ (C≦12) 、アルケニルアミノ (C≦12) 、アルキニルアミノ (C≦12) 、アリールアミノ (C≦12) 、アラルキルアミノ (C≦12) 、ヘテロアリールアミノ (C≦12) 、ヘテロアラルキルアミノ (C≦12) 、アルキルスルホニルアミノ (C≦12) 、アミド (C≦12) 、アルキルイミノ (C≦12) 、アルケニルイミノ (C≦12) 、アルキニルイミノ (C≦12) 、アリールイミノ (C≦12) 、アラルキルイミノ (C≦12) 、ヘテロアリールイミノ (C≦12) 、ヘテロアラルキルイミノ (C≦12) 、アシルイミノ (C≦12) 、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであるか; あるいは、
(R 3 ) y 中の任意の2個のR 3 は一緒になってアルカンジイル (C≦18) 、アルケンジイル (C≦18) 、アレーンジイル (C≦18) 、アルコキシジイル (C≦18) 、アルケニルオキシジイル (C≦18) 、アルキルアミノジイル (C≦18) 、アルケニルアミノジイル (C≦18) またはアルケニルアミノオキシジイル (C≦18) となり;かつ
yは0〜8である。
[本発明1016]
前記AIMが下記式の化合物、または下記式の薬学的に許容される塩もしくは互変異性体である、本発明1015の方法:
Figure 0005990160
式中、
Wは電子吸引性基であり;
R 1 およびR 2 はそれぞれ独立して
水素、ヒドロキシ、アルキル (C≦8) 、置換アルキル (C≦8) 、アルケニル (C≦8) 、置換アルケニル (C≦8) 、アルコキシ (C≦8) または置換アルコキシ (C≦8) であるか; あるいは、
R 1 およびR 2 は一緒になってアルカンジイル (C≦18) 、アルケンジイル (C≦18) 、アレーンジイル (C≦18) 、アルコキシジイル (C≦18) 、アルケニルオキシジイル (C≦18) 、アルキルアミノジイル (C≦18) 、アルケニルアミノジイル (C≦18) またはアルケニルアミノオキシジイル (C≦18) となり;
各R 3 は独立して
ヒドロキシ、ハロ、オキソ、アミノ、ヒドロキシアミノ、ニトロ、イミノ、シアノ、アジド、メルカプトまたはチオ;
アルキル (C≦12) 、アルケニル (C≦12) 、アルキニル (C≦12) 、アリール (C≦12) 、アラルキル (C≦12) 、ヘテロアリール (C≦12) 、ヘテロアラルキル (C≦12) 、アシル (C≦12) 、アルキリデン (C≦12) 、アルコキシ (C≦12) 、アルケニルオキシ (C≦12) 、アルキニルオキシ (C≦12) 、アリールオキシ (C≦12) 、アラルコキシ (C≦12) 、ヘテロアリールオキシ (C≦12) 、ヘテロアラルコキシ (C≦12) 、アシルオキシ (C≦12) 、アルキルアミノ (C≦12) 、ジアルキルアミノ (C≦12) 、アルコキシアミノ (C≦12) 、アルケニルアミノ (C≦12) 、アルキニルアミノ (C≦12) 、アリールアミノ (C≦12) 、アラルキルアミノ (C≦12) 、ヘテロアリールアミノ (C≦12) 、ヘテロアラルキルアミノ (C≦12) 、アルキルスルホニルアミノ (C≦12) 、アミド (C≦12) 、アルキルイミノ (C≦12) 、アルケニルイミノ (C≦12) 、アルキニルイミノ (C≦12) 、アリールイミノ (C≦12) 、アラルキルイミノ (C≦12) 、ヘテロアリールイミノ (C≦12) 、ヘテロアラルキルイミノ (C≦12) 、アシルイミノ (C≦12) 、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであるか; あるいは、
(R 3 ) y 中の任意の2個のR 3 は一緒になってアルカンジイル (C≦18) 、アルケンジイル (C≦18) 、アレーンジイル (C≦18) 、アルコキシジイル (C≦18) 、アルケニルオキシジイル (C≦18) 、アルキルアミノジイル (C≦18) 、アルケニルアミノジイル (C≦18) またはアルケニルアミノオキシジイル (C≦18) となり;かつ
yは0〜8である。
[本発明1017]
前記AIMが下記式の化合物、または下記式の薬学的に許容される塩もしくは互変異性体である、本発明1015の方法:
Figure 0005990160
式中、
Wは電子吸引性基であり;
R 1 およびR 2 はそれぞれ独立して
水素、ヒドロキシ、アルキル (C≦8) 、置換アルキル (C≦8) 、アルケニル (C≦8) 、置換アルケニル (C≦8) 、アルコキシ (C≦8) または置換アルコキシ (C≦8) であるか; あるいは、
R 1 およびR 2 は一緒になってアルカンジイル (C≦18) 、アルケンジイル (C≦18) 、アレーンジイル (C≦18) 、アルコキシジイル (C≦18) 、アルケニルオキシジイル (C≦18) 、アルキルアミノジイル (C≦18) 、アルケニルアミノジイル (C≦18) またはアルケニルアミノオキシジイル (C≦18) となり;
各R 3 は独立して
ヒドロキシ、ハロ、オキソ、アミノ、ヒドロキシアミノ、ニトロ、イミノ、シアノ、アジド、メルカプトまたはチオ;
アルキル (C≦12) 、アルケニル (C≦12) 、アルキニル (C≦12) 、アリール (C≦12) 、アラルキル (C≦12) 、ヘテロアリール (C≦12) 、ヘテロアラルキル (C≦12) 、アシル (C≦12) 、アルキリデン (C≦12) 、アルコキシ (C≦12) 、アルケニルオキシ (C≦12) 、アルキニルオキシ (C≦12) 、アリールオキシ (C≦12) 、アラルコキシ (C≦12) 、ヘテロアリールオキシ (C≦12) 、ヘテロアラルコキシ (C≦12) 、アシルオキシ (C≦12) 、アルキルアミノ (C≦12) 、ジアルキルアミノ (C≦12) 、アルコキシアミノ (C≦12) 、アルケニルアミノ (C≦12) 、アルキニルアミノ (C≦12) 、アリールアミノ (C≦12) 、アラルキルアミノ (C≦12) 、ヘテロアリールアミノ (C≦12) 、ヘテロアラルキルアミノ (C≦12) 、アルキルスルホニルアミノ (C≦12) 、アミド (C≦12) 、アルキルイミノ (C≦12) 、アルケニルイミノ (C≦12) 、アルキニルイミノ (C≦12) 、アリールイミノ (C≦12) 、アラルキルイミノ (C≦12) 、ヘテロアリールイミノ (C≦12) 、ヘテロアラルキルイミノ (C≦12) 、アシルイミノ (C≦12) 、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであるか; あるいは、
(R 3 ) y 中の任意の2個のR 3 は一緒になってアルカンジイル (C≦18) 、アルケンジイル (C≦18) 、アレーンジイル (C≦18) 、アルコキシジイル (C≦18) 、アルケニルオキシジイル (C≦18) 、アルキルアミノジイル (C≦18) 、アルケニルアミノジイル (C≦18) またはアルケニルアミノオキシジイル (C≦18) となり;かつ
yは0〜7である。
[本発明1018]
前記AIMが下記式の化合物、または下記式の薬学的に許容される塩もしくは互変異性体である、本発明1015の方法:
Figure 0005990160
式中、
Wは電子吸引性基であり;
R 1 およびR 2 はそれぞれ独立して
水素、ヒドロキシ、アルキル (C≦8) 、置換アルキル (C≦8) 、アルケニル (C≦8) 、置換アルケニル (C≦8) 、アルコキシ (C≦8) または置換アルコキシ (C≦8) であるか; あるいは、
R 1 およびR 2 は一緒になってアルカンジイル (C≦18) 、アルケンジイル (C≦18) 、アレーンジイル (C≦18) 、アルコキシジイル (C≦18) 、アルケニルオキシジイル (C≦18) 、アルキルアミノジイル (C≦18) 、アルケニルアミノジイル (C≦18) またはアルケニルアミノオキシジイル (C≦18) となり;
各R 3 は独立して
ヒドロキシ、ハロ、オキソ、アミノ、ヒドロキシアミノ、ニトロ、イミノ、シアノ、アジド、メルカプトまたはチオ;
アルキル (C≦12) 、アルケニル (C≦12) 、アルキニル (C≦12) 、アリール (C≦12) 、アラルキル (C≦12) 、ヘテロアリール (C≦12) 、ヘテロアラルキル (C≦12) 、アシル (C≦12) 、アルキリデン (C≦12) 、アルコキシ (C≦12) 、アルケニルオキシ (C≦12) 、アルキニルオキシ (C≦12) 、アリールオキシ (C≦12) 、アラルコキシ (C≦12) 、ヘテロアリールオキシ (C≦12) 、ヘテロアラルコキシ (C≦12) 、アシルオキシ (C≦12) 、アルキルアミノ (C≦12) 、ジアルキルアミノ (C≦12) 、アルコキシアミノ (C≦12) 、アルケニルアミノ (C≦12) 、アルキニルアミノ (C≦12) 、アリールアミノ (C≦12) 、アラルキルアミノ (C≦12) 、ヘテロアリールアミノ (C≦12) 、ヘテロアラルキルアミノ (C≦12) 、アルキルスルホニルアミノ (C≦12) 、アミド (C≦12) 、アルキルイミノ (C≦12) 、アルケニルイミノ (C≦12) 、アルキニルイミノ (C≦12) 、アリールイミノ (C≦12) 、アラルキルイミノ (C≦12) 、ヘテロアリールイミノ (C≦12) 、ヘテロアラルキルイミノ (C≦12) 、アシルイミノ (C≦12) 、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであるか; あるいは、
(R 3 ) y 中の任意の2個のR 3 は一緒になってアルカンジイル (C≦18) 、アルケンジイル (C≦18) 、アレーンジイル (C≦18) 、アルコキシジイル (C≦18) 、アルケニルオキシジイル (C≦18) 、アルキルアミノジイル (C≦18) 、アルケニルアミノジイル (C≦18) またはアルケニルアミノオキシジイル (C≦18) となり;かつ
yは0〜6である。
[本発明1019]
前記AIMが下記式の化合物、または下記式の薬学的に許容される塩もしくは互変異性体である、本発明1001〜1013のいずれかの方法:
Figure 0005990160
式中、
Wは電子吸引性基であり;
R 1 およびR 2 はそれぞれ独立して
水素、ヒドロキシ、アルキル (C≦8) 、置換アルキル (C≦8) 、アルケニル (C≦8) 、置換アルケニル (C≦8) 、アルコキシ (C≦8) または置換アルコキシ (C≦8) であるか; あるいは、
R 1 およびR 2 は一緒になってアルカンジイル (C≦18) 、アルケンジイル (C≦18) 、アレーンジイル (C≦18) 、アルコキシジイル (C≦18) 、アルケニルオキシジイル (C≦18) 、アルキルアミノジイル (C≦18) 、アルケニルアミノジイル (C≦18) またはアルケニルアミノオキシジイル (C≦18) となり;
各R 3 は独立して
ヒドロキシ、ハロ、オキソ、アミノ、ヒドロキシアミノ、ニトロ、イミノ、シアノ、アジド、メルカプトまたはチオ;
アルキル (C≦12) 、アルケニル (C≦12) 、アルキニル (C≦12) 、アリール (C≦12) 、アラルキル (C≦12) 、ヘテロアリール (C≦12) 、ヘテロアラルキル (C≦12) 、アシル (C≦12) 、アルキリデン (C≦12) 、アルコキシ (C≦12) 、アルケニルオキシ (C≦12) 、アルキニルオキシ (C≦12) 、アリールオキシ (C≦12) 、アラルコキシ (C≦12) 、ヘテロアリールオキシ (C≦12) 、ヘテロアラルコキシ (C≦12) 、アシルオキシ (C≦12) 、アルキルアミノ (C≦12) 、ジアルキルアミノ (C≦12) 、アルコキシアミノ (C≦12) 、アルケニルアミノ (C≦12) 、アルキニルアミノ (C≦12) 、アリールアミノ (C≦12) 、アラルキルアミノ (C≦12) 、ヘテロアリールアミノ (C≦12) 、ヘテロアラルキルアミノ (C≦12) 、アルキルスルホニルアミノ (C≦12) 、アミド (C≦12) 、アルキルイミノ (C≦12) 、アルケニルイミノ (C≦12) 、アルキニルイミノ (C≦12) 、アリールイミノ (C≦12) 、アラルキルイミノ (C≦12) 、ヘテロアリールイミノ (C≦12) 、ヘテロアラルキルイミノ (C≦12) 、アシルイミノ (C≦12) 、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであるか; あるいは、
(R 3 ) y 中の任意の2個のR 3 は一緒になってアルカンジイル (C≦18) 、アルケンジイル (C≦18) 、アレーンジイル (C≦18) 、アルコキシジイル (C≦18) 、アルケニルオキシジイル (C≦18) 、アルキルアミノジイル (C≦18) 、アルケニルアミノジイル (C≦18) またはアルケニルアミノオキシジイル (C≦18) となり;かつ
yは0〜8である。
[本発明1020]
Wがシアノ、フルオロまたは-CF 3 である、本発明1015〜1019のいずれかの方法。
[本発明1021]
前記AIMが下記式の化合物、または下記式の薬学的に許容される塩もしくは互変異性体である、本発明1015の方法:
Figure 0005990160
式中、
X 1 およびX 2 は独立して
水素、ヒドロキシ、ハロ、オキソ、アミノ、ヒドロキシアミノ、ニトロ、イミノ、シアノ、アジド、メルカプトまたはチオ; あるいは
アルキル (C≦12) 、アルケニル (C≦12) 、アルキニル (C≦12) 、アリール (C≦12) 、アラルキル (C≦12) 、ヘテロアリール (C≦12) 、ヘテロアラルキル (C≦12) 、アシル (C≦12) 、アルキリデン (C≦12) 、アルコキシ (C≦12) 、アルケニルオキシ (C≦12) 、アルキニルオキシ (C≦12) 、アリールオキシ (C≦12) 、アラルコキシ (C≦12) 、ヘテロアリールオキシ (C≦12) 、ヘテロアラルコキシ (C≦12) 、アシルオキシ (C≦12) 、アルキルアミノ (C≦12) 、ジアルキルアミノ (C≦12) 、アルコキシアミノ (C≦12) 、アルケニルアミノ (C≦12) 、アルキニルアミノ (C≦12) 、アリールアミノ (C≦12) 、アラルキルアミノ (C≦12) 、ヘテロアリールアミノ (C≦12) 、ヘテロアラルキルアミノ (C≦12) 、アルキルスルホニルアミノ (C≦12) 、アミド (C≦12) 、アルキルイミノ (C≦12) 、アルケニルイミノ (C≦12) 、アルキニルイミノ (C≦12) 、アリールイミノ (C≦12) 、アラルキルイミノ (C≦12) 、ヘテロアリールイミノ (C≦12) 、ヘテロアラルキルイミノ (C≦12) 、アシルイミノ (C≦12) 、またはこれらの基のいずれかの置換バージョンであり;
Yは水素、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、ヒドロキシアミノ、ニトロ、シアノ、アジド、メルカプト、アルキル (C≦12) 、アルケニル (C≦12) 、アルキニル (C≦12) 、アリール (C≦12) 、アラルキル (C≦12) 、ヘテロアリール (C≦12) 、ヘテロアラルキル (C≦12) 、アシル (C≦12) 、アルコキシ (C≦12) 、アルケニルオキシ (C≦12) 、アルキニルオキシ (C≦12) 、アリールオキシ (C≦12) 、アラルコキシ (C≦12) 、ヘテロアリールオキシ (C≦12) 、ヘテロアラルコキシ (C≦12) 、アシルオキシ (C≦12) 、アルキルアミノ (C≦12) 、ジアルキルアミノ (C≦12) 、アルコキシアミノ (C≦12) 、アルケニルアミノ (C≦12) 、アルキニルアミノ (C≦12) 、アリールアミノ (C≦12) 、アラルキルアミノ (C≦12) 、ヘテロアリールアミノ (C≦12) 、ヘテロアラルキルアミノ (C≦12) またはアルキルスルホニルアミノ (C≦12) である。
[本発明1022]
前記AIMがバルドキソロンメチルである、本発明1021の方法。
[本発明1023]
バルドキソロンメチルの少なくとも一部分が、約8.8、12.9、13.4、14.2および17.4°2θでの有意な回折ピークを含むX線回折パターン(CuKα)を有する結晶形として存在する、本発明1022の方法。
[本発明1024]
X線回折パターン(CuKα)が実質的に図1Aまたは図1Bに示す通りである、本発明1023の方法。
[本発明1025]
バルドキソロンメチルの少なくとも一部分が、約13.5°2θでのハローピークを有する実質的に図1Cに示す通りのX線回折パターン(CuKα)、およびT g を有する非晶形として存在する、本発明1022の方法。
[本発明1026]
T g 値が約120℃〜約135℃の範囲である、本発明1025の方法。
[本発明1027]
T g 値が約125℃〜約130℃の範囲である、本発明1026の方法。
[本発明1028]
対象の体重を減少させるために十分な量が、AIMの一日量約0.1mg〜約30mgである、本発明1001〜1027のいずれかの方法。
[本発明1029]
AIMが経口、動脈内または静脈内投与される、本発明1001〜1027のいずれかの方法。
[本発明1030]
AIMが硬カプセル剤もしくは軟カプセル剤または錠剤として製剤化される、本発明1001〜1027のいずれかの方法。
[本発明1031]
AIMが、(i)該化合物および(ii)賦形剤を含む固体分散体として製剤化される、本発明1001〜1027のいずれかの方法。
[本発明1032]
賦形剤がメタクリル酸-アクリル酸エチル共重合体(1:1)である、本発明1031の方法。
[本発明1033]
対象の体重が測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1001〜1032のいずれかの方法。
[本発明1034]
対象の体重が、AIMを投与する前に測定済みであり、かつAIMを投与した後に測定される予定である、本発明1033の方法。
[本発明1035]
対象のBMIが測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1001〜1032のいずれかの方法。
[本発明1036]
対象のBMIが、AIMを投与する前に測定済みであり、かつAIMを投与した後に測定される予定である、本発明1035の方法。
[本発明1037]
対象が腎疾患、心血管疾患、糖尿病、自己免疫疾患、呼吸器疾患、神経変性疾患、肝疾患、感染症、がんにも罹患しているか、あるいは移植を経験済みであるかまたは経験する予定である、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1038]
対象が腎疾患、心血管疾患、糖尿病、自己免疫疾患、呼吸器疾患、神経変性疾患、肝疾患、感染症またはがんに罹患していない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1039]
対象が糖尿病を有する、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1040]
対象が糖尿病を有さない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1041]
対象が糖尿病の1つまたは複数の症状を示す、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1042]
対象が糖尿病の症状を示さない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1043]
対象が糖尿病を有すると識別済みである、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1044]
対象が糖尿病を有さないと識別済みである、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1045]
対象中の糖尿病のマーカーのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1046]
対象が、糖尿病、心血管疾患、腎疾患、脂肪肝疾患またはメタボリックシンドロームに関連する少なくとも1つのバイオマーカーのレベル上昇を有する、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1047]
対象が、糖尿病、心血管疾患、腎疾患、脂肪肝疾患またはメタボリックシンドロームに関連する少なくとも1つのバイオマーカーのレベル上昇を有さない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1048]
対象が、糖尿病、心血管疾患、腎疾患、脂肪肝疾患またはメタボリックシンドロームに関連する任意のバイオマーカーのレベル上昇を有さない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1049]
バイオマーカーがインスリン抵抗性、レプチン抵抗性、アディポネクチン抵抗性、心血管ストレスまたは腎機能障害のマーカーである、本発明1046または1047の方法。
[本発明1050]
バイオマーカーがインスリン抵抗性のマーカーである、本発明1049の方法。
[本発明1051]
バイオマーカーが空腹時血糖またはヘモグロビンA1cである、本発明1050の方法。
[本発明1052]
バイオマーカーがレプチン抵抗性のマーカーである、本発明1049の方法。
[本発明1053]
バイオマーカーがアディポネクチン抵抗性のマーカーである、本発明1049の方法。
[本発明1054]
バイオマーカーがアディポネクチンである、本発明1053の方法。
[本発明1055]
バイオマーカーが心血管ストレスのマーカーである、本発明1049の方法。
[本発明1056]
バイオマーカーが循環内皮細胞またはC反応性タンパク質である、本発明1055の方法。
[本発明1057]
バイオマーカーが循環内皮細胞である、本発明1055の方法。
[本発明1058]
バイオマーカーがiNOS陽性循環内皮細胞である、本発明1057の方法。
[本発明1059]
バイオマーカーが腎疾患のマーカーである、本発明1049の方法。
[本発明1060]
バイオマーカーが血清クレアチニンである、本発明1059の方法。
[本発明1061]
バイオマーカーがシスタチンCである、本発明1059の方法。
[本発明1062]
バイオマーカーが尿酸である、本発明1059の方法。
[本発明1063]
対象が慢性腎疾患(CKD)を有するかまたはCKDの1つもしくは複数の症状を示す、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1064]
対象が慢性腎疾患(CKD)を有さない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1065]
対象がCKDの症状を示さない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1066]
対象がCKDを有すると識別済みである、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1067]
対象がCKDを有さないと識別済みである、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1068]
対象中のCKDのマーカーのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1069]
CKDが、対象がヒト女性である場合の1.3〜3.0mg/DLの血清クレアチニンレベル、または対象がヒト男性である場合の1.5〜3.0mg/DLの血清クレアチニンレベルを特徴とする、本発明1063〜1067のいずれかの方法。
[本発明1070]
CKDがステージ4である、本発明1063の方法。
[本発明1071]
対象がステージ4慢性腎疾患(CKD)を有さない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1072]
対象が糖尿病性腎症(DN)を有するかまたはDNの1つもしくは複数の症状を示す、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1073]
対象が糖尿病性腎症(DN)を有さない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1074]
対象がDNの症状を示さない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1075]
対象がDNを有すると識別済みである、本発明1072の方法。
[本発明1076]
対象がDNを有さないと識別済みである、本発明1072の方法。
[本発明1077]
対象中のDNのマーカーのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1078]
投与する段階によって対象の推定糸球体濾過率(eGFR)の改善が生じる、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1079]
投与する段階によって対象中の血清クレアチニンのレベルが減少する、本発明1078の方法。
[本発明1080]
対象の血中の血清クレアチニンのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1079の方法。
[本発明1081]
対象中の血中尿素窒素(BUN)のレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1082]
対象の血中のアディポネクチンのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1083]
対象中のアンジオテンシンIIのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1084]
対象がインスリン抵抗性を有するかまたはインスリン抵抗性の1つもしくは複数の症状を示す、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1085]
対象がインスリン抵抗性を有さない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1086]
対象がインスリン抵抗性の症状を示さない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1087]
対象がインスリン抵抗性を有すると識別済みである、本発明1084の方法。
[本発明1088]
対象がインスリン抵抗性を有さないと識別済みである、本発明1085の方法。
[本発明1089]
対象中のインスリン抵抗性のマーカーのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1090]
対象中のヘモグロビンA1cのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1084の方法。
[本発明1091]
対象の血糖値が測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1084の方法。
[本発明1092]
投与する段階によって対象中のヘモグロビンA1cまたは空腹時血糖のレベルが減少する、本発明1084の方法。
[本発明1093]
対象の空腹時血糖値が測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1091の方法。
[本発明1094]
対象のインスリン感受性が高インスリン正常血糖クランプ試験により測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1084の方法。
[本発明1095]
対象中の血糖消失率(GDR)が測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1084の方法。
[本発明1096]
対象が耐糖能障害を有するかまたは耐糖能障害の1つもしくは複数の症状を示す、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1097]
対象が耐糖能障害を有さない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1098]
対象が耐糖能障害の症状を示さない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1099]
対象が耐糖能障害を有すると識別済みである、本発明1096の方法。
[本発明1100]
対象が耐糖能障害を有さないと識別済みである、本発明1097の方法。
[本発明1101]
対象中の耐糖能障害のマーカーのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1102]
対象中のヘモグロビンA1cのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1096の方法。
[本発明1103]
対象の血糖値が測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1096の方法。
[本発明1104]
投与する段階によって対象中のヘモグロビンA1cまたは空腹時血糖のレベルが減少する、本発明1096の方法。
[本発明1105]
対象の空腹時血糖値が測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1103の方法。
[本発明1106]
対象のインスリン感受性が高インスリン正常血糖クランプ試験により測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1096の方法。
[本発明1107]
対象中の血糖消失率(GDR)が測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1096の方法。
[本発明1108]
対象が心血管疾患(CVD)を有するかまたはCVDの1つもしくは複数の症状を示す、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1109]
対象が心血管疾患(CVD)を有さないかまたはCVDの症状を示さない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1110]
対象がCVDの症状を示さない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1111]
対象がCVDを有すると識別済みである、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1112]
対象がCVDを有さないと識別済みである、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1113]
対象中のCVDのマーカーのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1114]
対象の血中の循環内皮細胞(CEC)の数が測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1115]
CECがiNOS陽性循環内皮細胞である、本発明1114の方法。
[本発明1116]
投与する段階によって対象中の循環内皮細胞のレベルも減少する、本発明1108の方法。
[本発明1117]
投与する段階によって対象中のヘモグロビンA1cまたは空腹時血糖のレベルも減少する、本発明1116の方法。
[本発明1118]
対象が脂肪肝疾患(FLD)を有するかまたはFLDの1つもしくは複数の症状を示す、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1119]
対象が脂肪肝疾患(FLD)を有さないかまたはFLDの症状を示さない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1120]
対象がFLDの症状を示さない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1121]
対象がFLDを有すると識別済みである、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1122]
対象がFLDを有さないと識別済みである、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1123]
対象中のFLDのマーカーのレベルが測定済みであるかまたは測定される予定である、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1124]
対象ががんを有すると識別済みである、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1125]
対象ががんを有さないと識別済みである、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1126]
対象ががんおよび糖尿病を有すると識別済みである、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1127]
対象ががんおよび糖尿病を有さないと識別済みである、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1128]
十分な量が非肥満対象に投与される場合、非肥満対象の体重が有意に減少することがない、本発明1001〜1036のいずれかの方法。
[本発明1129]
対象の体重を減少させる方法であって、対象の体重を減少させるために十分な量で下記式の化合物を対象に投与する段階を含み、
Figure 0005990160
対象が(i)過体重または肥満であり;かつ(ii)糖尿病を有さないと識別済みである、方法。
[本発明1130]
対象の体重を減少させる方法であって、対象の体重を減少させるために十分な量で下記式の化合物を対象に投与する段階を含み、
Figure 0005990160
(a)該化合物の少なくとも一部分が、実質的に図1Cに示す通り約13.5°2θでのハローピークを有するX線回折パターン(CuKα)、および約120℃〜約135℃のT g を有する非晶形として存在し、
(b)対象が
(i)過体重または肥満であり;かつ
(ii)糖尿病を有さない
と識別済みである、方法。
[本発明1131]
対象がヒトであり、かつ量が一日量5mg〜50mgである、本発明1130の方法。
[本発明1132]
一日量が約10mgである、本発明1131の方法。
[本発明1133]
一日量が約20mgである、本発明1131の方法。
[本発明1134]
一日量が約40mgである、本発明1131の方法。
本開示の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかし、本発明の真意および範囲内の各種の変更および修正がこの詳細な説明から当業者に明らかになることから、本発明の具体的な態様を示す詳細な説明および具体例が例示のみを目的として示されると理解すべきである。単に特定の化合物が1つの特定の一般式に帰することをもって、それが別の一般式にも属することができないことを意味するわけではないことに留意されたい。
以下の図面は、本明細書の一部を形成するものであり、本開示の特定の局面をさらに示すために含まれる。本明細書において提示される具体的な態様の詳細な説明との組み合わせでこれらの図面のうち1つを参照することで、本発明をより良く理解することができる。
RTA 402の形態AおよびBのX線粉末回折(XRPD)スペクトル。図1Aは非微粉化形態Aを示し、図1Bは微粉化形態Aを示し、図1Cは形態Bを示す。 バルドキソロンメチルで24週間処置した糖尿病CKD患者における経時的推定GFR変化および変化の規模。ITT集団を使用する縦断的モデルの結果に基づく第24週での用量群別の患者の推定GFR変化。データは平均値±標準誤差として示す。n=57(プラセボ、25mgおよび75mg); n=56(150mg)。 受け取った最後の用量別の経時的体重。この図は、実施例3および4の患者集団について52週間にわたって体重変化を比較する。BL=ベースライン。W=週。D=日。
例示的態様の説明
本発明は、既存の糖尿病およびその合併症を有する患者において体重減少を誘導するために例えば使用可能であり、限定された副作用を示す、抗酸化炎症モジュレーター化合物を使用する方法を提供する。例えば、バルドキソロンメチルは、臨床的に肥満の患者において体重減少を誘導しながら同時に腎機能の尺度である血糖コントロールおよびインスリン抵抗性、ならびに心血管疾患を改善する。効果のこの組み合わせは現状技術における著しい進歩を示す。本発明のこれらのおよび他の局面を以下でさらに詳細に説明する。
III. 定義
化学基の文脈で使用する場合、「水素」は-Hを意味し、「ヒドロキシ」は-OHを意味し、「オキソ」は=Oを意味し、「ハロ」は独立して-F、-Cl、-Brまたは-Iを意味し、「アミノ」は-NH2を意味し(アミノという用語を含む基、例えばアルキルアミノの定義については以下を参照)、「ヒドロキシアミノ」は-NHOHを意味し、「ニトロ」は-NO2を意味し、イミノは=NHを意味し(イミノという用語を含む基、例えばアルキルイミノの定義については以下を参照)、「シアノ」は-CNを意味し、「アジド」は-N3を意味し、一価の文脈で「ホスフェート」は-OP(O)(OH)2またはその脱プロトン化体を意味し、二価の文脈で「ホスフェート」は-OP(O)(OH)O-またはその脱プロトン化体を意味し、「メルカプト」は-SHを意味し、「チオ」は=Sを意味し、「チオエーテル」は-S-を意味し、「スルホンアミド」は-NHS(O)2-を意味し(スルホンアミドという用語を含む基、例えばアルキルスルホンアミドの定義については以下を参照)、「スルホニル」は-S(O)2-を意味し(スルホニルという用語を含む基、例えばアルキルスルホニルの定義については以下を参照)、「スルフィニル」は-S(O)-を意味し(スルフィニルという用語を含む基、例えばアルキルスルフィニルの定義については以下を参照)、「シリル」は-SiH3を意味する(シリルという用語を含む基、例えばアルキルシリルの定義については以下を参照)。
「-」という記号は単結合を意味し、「=」は二重結合を意味し、「≡」は三重結合を意味する。「
Figure 0005990160
」という記号は単結合または二重結合を意味する。結合を垂直に横切って描かれる際の「
Figure 0005990160
」という記号は、基の結合点を示す。読者が結合点を迅速かつ明確に識別することを支援するために、比較的大きな基について結合点が通常このようにのみ識別されることに留意されたい。「
Figure 0005990160
」という記号は、楔形の太い端部に結合した基が「頁の外側に向かう」単結合を意味する。「
Figure 0005990160
」という記号は、楔形の太い端部に結合した基が「頁の内側に向かう」単結合を意味する。「
Figure 0005990160
」という記号は、立体配座が不明であり(例えばRまたはSのいずれか)、幾何学的配置が不明であり(例えばEまたはZのいずれか)、あるいは化合物が立体配座または幾何学的配置の混合物(例えば50%/50%混合物)として存在する、単結合を意味する。
「R」基が例えば下記式中の環系上の「浮遊している基」として図示される場合、
Figure 0005990160
Rは、安定な構造が形成される限り、図示され、暗示され、または明示的に規定される水素を含む、任意の環原子に結合した任意の水素原子を置き換えることができる。
「R」基が例えば下記式中の縮合環系上の「浮遊している基」として図示される場合、
Figure 0005990160
Rは、別途指定されない限り、いずれかの縮合環の任意の環原子に結合した任意の水素を置き換えることができる。安定な構造が形成される限り置き換え可能な水素としては、図示される水素(例えば、上記式中の窒素に結合した水素)、暗示される水素(例えば、図示されていないが存在していると理解される上記式の水素)、明示的に規定される水素、および、その存在が環原子の独自性に依存する任意的な水素(例えば、Xが-CH-と等しい場合の、X基に結合した水素)が挙げられる。図示される例では、Rは、縮合環系の5員環または6員環のいずれかに存在し得る。上記式中の括弧に囲まれる「R」基に直ちに続く「y」という添字は変数を表す。別途指定されない限り、この変数は0、1、2、または2を超える任意の整数であり得るものであり、環または環系の置き換え可能な水素原子の最大数によってのみ限定される。
yが2であり、「(R)y」が、例えば下記式中の、2個の置き換え可能な水素を有する1つまたは複数の環原子、例えば飽和環炭素を有する環系上の浮遊している基として図示される場合、
Figure 0005990160
2個のR基はそれぞれ同一のまたは異なる環原子上に存在し得る。例えば、Rがメチルであり、R基がいずれも同一の環原子に結合している場合、ジェミナルなジメチル基が生じる。特別に定められている場合、2個のR基は一緒になって、以下でさらに定義される1つの二価の基などの二価の基を形成し得る。そのような二価の基が同一の環原子に結合している場合、スピロ環構造が生じる。
二重結合R基(例えばオキソ、イミノ、チオ、アルキリデンなど)の場合、1個の環原子に結合した暗示的または明示的な水素原子の任意の対をR基で置き換えることができる。この概念を以下に例示する。
Figure 0005990160
以下の基について、以下の括孤付きの添字は以下のように基をさらに定義する。「(Cn)」は基の炭素原子の正確な数(n)を定義する。「(C≦n)」は基に存在し得る炭素原子の最大数(n)を定義し、そのような基の炭素原子の最小数は少なくとも1であるか、そうでなければ対象となる基について可能なだけ小さい数である。例えば、「アルケニル(C≦8)」基の炭素原子の最小数は2であると理解される。例えば、「アルコキシ(C≦10)」は、1〜10個の炭素原子(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個、またはそこから導かれる任意の範囲(例えば3〜10個の炭素原子))を有するアルコキシ基を意味する。(Cn〜n')は、基の炭素原子の最小数(n)と最大数(n')との両方を定義する。同様に、「アルキル(C2〜10)」は、2〜10個の炭素原子(例えば2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個、またはそこから導かれる任意の範囲(例えば3〜10個の炭素原子))を有するアルキル基を意味する。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルキル」という用語は、結合点としての飽和炭素原子を有し、直鎖もしくは分岐、シクロ、環式または非環式構造を有し、炭素-炭素二重結合または三重結合を有さず、炭素および水素以外の原子を有さない、一価の非芳香族基を意味する。-CH3 (Me)、-CH2CH3 (Et)、-CH2CH2CH3 (n-Pr)、-CH(CH3)2 (iso-Pr)、-CH(CH2)2 (シクロプロピル)、-CH2CH2CH2CH3 (n-Bu)、-CH(CH3)CH2CH3 (sec-ブチル)、-CH2CH(CH3)2 (イソブチル)、-C(CH3)3 (tert-ブチル)、-CH2C(CH3)3 (ネオペンチル)、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘキシルメチルといった基がアルキル基の非限定的な例である。「置換アルキル」という用語は、結合点としての飽和炭素原子を有し、直鎖もしくは分岐、シクロ、環式または非環式構造を有し、炭素-炭素二重結合または三重結合を有さず、N、O、F、Cl、Br、I、Si、PおよびSからなる群より独立して選択される少なくとも1個の原子を有する、一価の非芳香族基を意味する。以下の基が置換アルキル基の非限定的な例である: -CH2OH、-CH2Cl、-CH2Br、-CH2SH、-CF3、-CH2CN、-CH2C(O)H、-CH2C(O)OH、-CH2C(O)OCH3、-CH2C(O)NH2、-CH2C(O)NHCH3、-CH2C(O)CH3、-CH2OCH3、-CH2OCH2CF3、-CH2OC(O)CH3、-CH2NH2、-CH2NHCH3、-CH2N(CH3)2、-CH2CH2Cl、-CH2CH2OH、-CH2CF3、-CH2CH2OC(O)CH3、-CH2CH2NHCO2C(CH3)3および-CH2Si(CH3)3
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルカンジイル」という用語は、結合点としての1個または2個の飽和炭素原子を有し、直鎖もしくは分岐、シクロ、環式または非環式構造を有し、炭素-炭素二重結合または三重結合を有さず、炭素および水素以外の原子を有さない、二価の非芳香族基であって、アルカンジイル基が2個のσ結合により結合している二価の非芳香族基を意味する。-CH2- (メチレン)、-CH2CH2-、-CH2C(CH3)2CH2-、-CH2CH2CH2-および
Figure 0005990160
といった基がアルカンジイル基の非限定的な例である。「置換アルカンジイル」という用語は、結合点としての1個または2個の飽和炭素原子を有し、直鎖もしくは分岐、シクロ、環式または非環式構造を有し、炭素-炭素二重結合または三重結合を有さず、N、O、F、Cl、Br、I、Si、PおよびSからなる群より独立して選択される少なくとも1個の原子を有する、一価の非芳香族基であって、アルキンジイル基が2個のσ結合により結合している一価の非芳香族基を意味する。以下の基が置換アルカンジイル基の非限定的な例である: -CH(F)-、-CF2-、-CH(Cl)-、-CH(OH)-、-CH(OCH3)-および-CH2CH(Cl)-。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルケニル」という用語は、結合点としての非芳香族炭素原子を有し、直鎖もしくは分岐、シクロ、環式または非環式構造を有し、少なくとも1個の非芳香族炭素-炭素二重結合を有し、炭素-炭素三重結合を有さず、炭素および水素以外の原子を有さない、一価の基を意味する。アルケニル基の非限定的な例としては-CH=CH2 (ビニル)、-CH=CHCH3、-CH=CHCH2CH3、-CH2CH=CH2 (アリル)、-CH2CH=CHCH3および-CH=CH-C6H5が挙げられる。「置換アルケニル」という用語は、結合点としての非芳香族炭素原子を有し、少なくとも1個の非芳香族炭素-炭素二重結合を有し、炭素-炭素三重結合を有さず、直鎖もしくは分岐、シクロ、環式または非環式構造を有し、N、O、F、Cl、Br、I、Si、PおよびSからなる群より独立して選択される少なくとも1個の原子を有する、一価の基を意味する。-CH=CHF、-CH=CHClおよび-CH=CHBrといった基が置換アルケニル基の非限定的な例である。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルケンジイル」という用語は、結合点としての2個の炭素原子を有し、直鎖もしくは分岐、シクロ、環式または非環式構造を有し、少なくとも1個の非芳香族炭素-炭素二重結合を有し、炭素-炭素三重結合を有さず、炭素および水素以外の原子を有さない、二価の非芳香族基であって、アルケンジイル基が2個のσ結合により結合している二価の非芳香族基を意味する。-CH=CH-、-CH=C(CH3)CH2-、-CH=CHCH2-および
Figure 0005990160
といった基がアルケンジイル基の非限定的な例である。「置換アルケンジイル」という用語は、結合点としての2個の炭素原子を有し、直鎖もしくは分岐、シクロ、環式または非環式構造を有し、少なくとも1個の非芳香族炭素-炭素二重結合を有し、炭素-炭素三重結合を有さず、N、O、F、Cl、Br、I、Si、PおよびSからなる群より独立して選択される少なくとも1個の原子を有する、二価の非芳香族基であって、アルケンジイル基が2個のσ結合により結合している二価の非芳香族基を意味する。以下の基が置換アルケンジイル基の非限定的な例である: -CF=CH-、-C(OH)=CH-および-CH2CH=C(Cl)-。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルキニル」という用語は、結合点としての非芳香族炭素原子を有し、直鎖もしくは分岐、シクロ、環式または非環式構造を有し、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を有し、炭素および水素以外の原子を有さない、一価の基を意味する。-C≡CH、-C≡CCH3、-C≡CC6H5および-CH2C≡CCH3といった基がアルキニル基の非限定的な例である。「置換アルキニル」という用語は、結合点としての非芳香族炭素原子および少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を有し、直鎖もしくは分岐、シクロ、環式または非環式構造を有し、N、O、F、Cl、Br、I、Si、PおよびSからなる群より独立して選択される少なくとも1個の原子を有する、一価の基を意味する。-C≡CSi(CH3)3といった基が置換アルキニル基の非限定的な例である。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルキンジイル」という用語は、結合点としての2個の炭素原子を有し、直鎖もしくは分岐、シクロ、環式または非環式構造を有し、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を有し、炭素および水素以外の原子を有さない、二価の非芳香族基であって、アルキンジイル基が2個のσ結合により結合している二価の非芳香族基を意味する。-C≡C-、-C≡CCH2-および-C≡CCH(CH3)-といった基がアルキンジイル基の非限定的な例である。「置換アルキンジイル」という用語は、結合点としての2個の炭素原子を有し、直鎖もしくは分岐、シクロ、環式または非環式構造を有し、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を有し、N、O、F、Cl、Br、I、Si、PおよびSからなる群より独立して選択される少なくとも1個の原子を有する、二価の非芳香族基であって、アルキンジイル基が2個のσ結合により結合している二価の非芳香族基を意味する。-C≡CCFH-および-C≡CHCH(Cl)-といった基が置換アルキンジイル基の非限定的な例である。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アリール」という用語は、環原子がすべて炭素である1つまたは複数の6員の芳香環構造の一部を形成する結合点としての芳香族炭素原子を有し、一価の基が炭素および水素以外の原子からなるわけではない、一価の基を意味する。アリール基の非限定的な例としてはフェニル(Ph)、メチルフェニル、(ジメチル)フェニル、-C6H4CH2CH3(エチルフェニル)、-C6H4CH2CH2CH3(プロピルフェニル)、-C6H4CH(CH3)2、-C6H4CH(CH2)2、-C6H3(CH3)CH2CH3(メチルエチルフェニル)、-C6H4CH=CH2(ビニルフェニル)、-C6H4CH=CHCH3、-C6H4C≡CH、-C6H4C≡CCH3、ナフチル、およびビフェニルから誘導される一価の基が挙げられる。「置換アリール」という用語は、環原子がすべて炭素である1つまたは複数の6員の芳香環構造の一部を形成する結合点としての芳香族炭素原子を有し、一価の基がN、O、F、Cl、Br、I、Si、PおよびSからなる群より独立して選択される少なくとも1個の原子をさらに有する、一価の基を意味する。置換アリール基の非限定的な例としては-C6H4F、-C6H4Cl、-C6H4Br、-C6H4I、-C6H4OH、-C6H4OCH3、-C6H4OCH2CH3、-C6H4OC(O)CH3、-C6H4NH2、-C6H4NHCH3、-C6H4N(CH3)2、-C6H4CH2OH、-C6H4CH2OC(O)CH3、-C6H4CH2NH2、-C6H4CF3、-C6H4CN、-C6H4CHO、-C6H4CHO、-C6H4C(O)CH3、-C6H4C(O)C6H5、-C6H4CO2H、-C6H4CO2CH3、-C6H4CONH2、-C6H4CONHCH3および-C6H4CON(CH3)2といった基が挙げられる。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アレーンジイル」という用語は、環原子がすべて炭素である1つまたは複数の6員の芳香環構造の一部を形成する結合点としての2つの芳香族炭素原子を有し、一価の基が炭素および水素以外の原子からなるわけではない、二価の基であって、アレーンジイル基が2個のσ結合により結合している二価の基を意味する。アレーンジイル基の非限定的な例としては以下が挙げられる。
Figure 0005990160
「置換アレーンジイル」という用語は、環原子が炭素である1つまたは複数の6員の芳香環構造の一部を形成する結合点としての2個の芳香族炭素原子を有し、二価の基がN、O、F、Cl、Br、I、Si、PおよびSからなる群より独立して選択される少なくとも1個の原子をさらに有する、二価の基であって、アレーンジイル基が2個のσ結合により結合している二価の基を意味する。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アラルキル」という用語は一価の基-アルカンジイル-アリールを意味し、ここでアルカンジイルおよびアリールという用語は、上記で示した定義と一致した様式でそれぞれ使用される。アラルキルの非限定的な例としてはフェニルメチル(ベンジル、Bn)、1-フェニル-エチル、2-フェニル-エチル、インデニルおよび2,3-ジヒドロ-インデニルがあり、但し、各場合の結合点が飽和炭素原子の1つである限り、インデニルおよび2,3-ジヒドロ-インデニルはアラルキルの例でしかない。「アラルキル」という用語を「修飾」という修飾語と共に使用する場合、アルカンジイルおよびアリールのいずれか一方または両方が修飾される。置換アラルキルの非限定的な例としては(3-クロロフェニル)-メチル、2-オキソ-2-フェニル-エチル (フェニルカルボニルメチル)、2-クロロ-2-フェニル-エチル、結合点が飽和炭素原子のうち1つであるクロマニル、および結合点が飽和原子のうち1つであるテトラヒドロキノリニルがある。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「ヘテロアリール」という用語は、環原子のうち少なくとも1個が窒素、酸素または硫黄である芳香環構造の一部を形成する結合点としての芳香族炭素原子または窒素原子を有し、一価の基が炭素、水素、芳香族窒素、芳香族酸素および芳香族硫黄以外の原子からなるわけではない、一価の基を意味する。アリール基の非限定的な例としてはアクリジニル、フラニル、イミダゾイミダゾリル、イミダゾピラゾリル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリミジニル、インドリル、インダゾリニル、メチルピリジル、オキサゾリル、フェニルイミダゾリル、ピリジル、ピロリル、ピリミジル、ピラジニル、キノリル、キナゾリル、キノキサリニル、テトラヒドロキノリニル、チエニル、トリアジニル、ピロロピリジニル、ピロロピリミジニル、ピロロピラジニル、ピロロトリアジニル、ピロロイミダゾリル、クロメニル(結合点が芳香族原子のうち1つである)およびクロマニル(結合点が芳香族原子のうち1つである)が挙げられる。「置換ヘテロアリール」という用語は、環原子のうち少なくとも1個が窒素、酸素または硫黄である芳香環構造の一部を形成する結合点としての芳香族炭素原子または窒素原子を有し、一価の基が非芳香族窒素、非芳香族酸素、非芳香族硫黄、F、Cl、Br、I、SiおよびPからなる群より独立して選択される少なくとも1個の原子をさらに有する、一価の基を意味する。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「ヘテロアレーンジイル」という用語は、ヘテロアレーンジイル基が2個のσ結合により結合している二価の基であって、芳香族炭素原子および/または芳香族窒素という2個の原子を結合点とし、該炭素原子または窒素原子が、少なくとも1個の環原子が窒素、酸素または硫黄である1つまたは複数の芳香環構造の一部を形成し、二価の基が炭素、水素、芳香族窒素、芳香族酸素および芳香族硫黄以外の原子からなるわけではない、二価の基を意味する。ヘテロアレーンジイル基の非限定的な例としては以下が挙げられる。
Figure 0005990160
「置換ヘテロアレーンジイル」という用語は、ヘテロアレーンジイル基が2個のσ結合により結合している二価の基であって、芳香族炭素原子または窒素原子を結合点とし、該炭素原子または窒素原子が、少なくとも1個の環原子が窒素、酸素または硫黄である1つまたは複数の6員芳香環構造の一部を形成し、二価の基が、非芳香族窒素、非芳香族酸素、非芳香族硫黄、F、Cl、Br、I、SiおよびPからなる群より独立して選択される少なくとも1個の原子をさらに有する、二価の基を意味する。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「ヘテロアラルキル」という用語は一価の基-アルカンジイル-ヘテロアリールを意味し、ここでアルカンジイルおよびヘテロアリールという用語は、上記で示した定義と一致した様式でそれぞれ使用される。アラルキルの非限定的な例としてはピリジルメチルおよびチエニルメチルがある。「ヘテロアラルキル」という用語を「修飾」という修飾語と共に使用する場合、アルカンジイルおよびヘテロアリールのいずれか一方または両方が修飾される。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アシル」という用語は、結合点としてのカルボニル基の炭素原子を有し、直鎖もしくは分岐、シクロ、環式または非環式構造をさらに有し、カルボニル基の酸素原子以外の炭素または水素ではないさらなる原子をさらに有さない、一価の基を意味する。-CHO、-C(O)CH3(アセチル、Ac)、-C(O)CH2CH3、-C(O)CH2CH2CH3、-C(O)CH(CH3)2、-C(O)CH(CH2)2、-C(O)C6H5、-C(O)C6H4CH3、-C(O)C6H4CH2CH3、-COC6H3(CH3)2および-C(O)CH2C6H5といった基がアシル基の非限定的な例である。したがって、「アシル」という用語は、「アルキルカルボニル」基および「アリールカルボニル」基と時々呼ばれる基を包含するがそれに限定されない。「置換アシル」という用語は、結合点としてのカルボニル基の炭素原子を有し、直鎖もしくは分岐、シクロ、環式または非環式構造をさらに有し、カルボニル基の酸素に加えてN、O、F、Cl、Br、I、Si、PおよびSからなる群より独立して選択される少なくとも1個の原子をさらに有する、一価の基を意味する。-C(O)CH2CF3、-CO2H(カルボキシル)、-CO2CH3(メチルカルボキシル)、-CO2CH2CH3、-CO2CH2CH2CH3、-CO2C6H5、-CO2CH(CH3)2、-CO2CH(CH2)2、-C(O)NH2(カルバモイル)、-C(O)NHCH3、-C(O)NHCH2CH3、-CONHCH(CH3)2、-CONHCH(CH2)2、-CON(CH3)2、-CONHCH2CF3、-CO-ピリジル、-CO-イミダゾイルおよび-C(O)N3といった基が置換アシル基の非限定的な例である。「置換アシル」という用語は「ヘテロアリールカルボニル」基を包含するがそれに限定されない。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルキリデン」という用語は、アルキリデン基が1個のσ結合および1個のπ結合により結合している二価の基=CRR'を意味し、ここでRおよびR'は独立して水素、アルキルであるか、またはRおよびR'は一緒になってアルカンジイルを表す。アルキリデン基の非限定的な例としては=CH2、=CH(CH2CH3)および=C(CH3)2が挙げられる。「置換アルキリデン」という用語は、アルキリデン基が1個のσ結合および1個のπ結合により結合している=CRR'基を意味し、ここでRおよびR'は独立して水素、アルキル、置換アルキルであるか、またはRおよびR'は一緒になって置換アルカンジイルを表し、但し、RおよびR'のいずれか一方は置換アルキルであるか、またはRおよびR'は一緒になって置換アルカンジイルを表す。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルコキシ」という用語は-OR基を意味し、ここでRはアルキルであり、その用語は上記定義の通りである。アルコキシ基の非限定的な例としては-OCH3、-OCH2CH3、-OCH2CH2CH3、-OCH(CH3)2、-OCH(CH2)2、-O-シクロペンチルおよび-O-シクロヘキシルが挙げられる。「置換アルコキシ」という用語は-OR基を意味し、ここでRは置換アルキルであり、その用語は上記定義の通りである。例えば、-OCH2CF3が置換アルコキシ基である。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルコキシジイル」という用語は、アルコキシジイル基が2個のσ結合により結合している二価の非芳香族基であって、(a)2個の飽和炭素原子を結合点とするか、(b)1個の飽和炭素原子および1個の酸素原子を結合点とするか、または(c)2個の酸素原子を結合点とし、直鎖状もしくは分岐状、環状、環式、または非環式構造をさらに有し、基の骨格中に炭素-炭素二重結合または三重結合を有さず、炭素または酸素以外の骨格原子をさらに有さず、基の骨格中にこれらの原子をそれぞれ少なくとも1個有し、水素またはアルキル以外の基を含む側鎖を有さない、二価の基を意味する。-O-CH2CH2-、-CH2-O-CH2CH2-、-O-CH2CH2-O-および-O-CH2-O-といった基がアルコキシジイル基の非限定的な例である。「置換アルカニルオキシジイル」という用語は、2個のσ結合により結合した二価の基であって、(a)2個の飽和炭素原子を結合点とするか、(b)1個の飽和炭素原子および1個の酸素原子を結合点とするか、または(c)2個の酸素原子を結合点とし、直鎖状もしくは分岐状、環状、環式、または非環式構造をさらに有し、炭素-炭素二重結合または三重結合を有さず、基の骨格中にN、F、Cl、Br、I、Si、PおよびSからなる群より独立して選択される少なくとも1個の原子を有するかまたはこれら以外のさらなる酸素原子を有する、二価の基を意味する。以下の基が置換アルコキシジイル基の非限定的な例である: -O-CH2C(OH)H-O-および-O-CH2C(Cl)H-O-。
同様に、「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルケニルオキシ」、「アルキニルオキシ」、「アリールオキシ」、「アラルコキシ」、「ヘテロアリールオキシ」、「ヘテロアラルコキシ」および「アシルオキシ」という用語は、-ORとして定義される基を意味し、ここでRはそれぞれアルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよびアシルであり、それらの用語は上記定義の通りである。アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシおよびアシルオキシという用語のいずれかが「置換」という修飾語を有する場合、-OR基を意味し、ここでRはそれぞれ置換アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよびアシルである。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルケニルオキシジイル」という用語は、結合前に非芳香族であり、アルケニルオキシジイル基が2個のσ結合により結合しており、結合時に芳香族になり得る、二価の基であって、(a)2個の炭素原子を結合点とするか、(b)1個の炭素原子および1個の酸素原子を結合点とするか、または(c)2個の酸素原子を結合点とし、直鎖状もしくは分岐状、環状、環式、または非環式構造をさらに有し、少なくとも結合前に非芳香族である少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有し、炭素または酸素以外の骨格原子をさらに有さず、基の骨格中にこれらの原子をそれぞれ少なくとも1個有し、水素またはアルキル以外の基を含む側鎖を有さない、二価の基を意味する。-O-CH=CH-、-O-CH=CHO-および-O-CH=CHCH2-といった基がアルケニルオキシジイル基の非限定的な例である。「置換アルケニルオキシジイル」という用語は、結合前に非芳香族であり、置換アルケニルオキシジイル基が2個のσ結合により結合しており、結合時に芳香族になり得る、二価の基であって、(a)2個の炭素原子を結合点とするか、(b)1個の炭素原子および1個の酸素原子を結合点とするか、または(c)2個の酸素原子を結合点とし、直鎖状もしくは分岐状、環状、環式、または非環式構造をさらに有し、少なくとも結合前に非芳香族である少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有し、基の骨格中にN、F、Cl、Br、I、Si、PおよびSからなる群より独立して選択される少なくとも1個の原子を有するかまたはこれら以外のさらなる酸素原子を有する、二価の基を意味する。以下の基が置換アルケニルオキシジイル基の非限定的な例である: -O-CH=C(OH)-O-および-O-CH=C(Cl)-O-。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルキルアミノ」という用語は-NHR基を意味し、ここでRはアルキルであり、その用語は上記定義の通りである。アルキルアミノ基の非限定的な例としては-NHCH3、-NHCH2CH3、-NHCH2CH2CH3、-NHCH(CH3)2、-NHCH(CH2)2、-NHCH2CH2CH2CH3、-NHCH(CH3)CH2CH3、-NHCH2CH(CH3)2、-NHC(CH3)3、-NH-シクロペンチルおよび-NH-シクロヘキシルが挙げられる。「置換アルキルアミノ」という用語は-NHR基を意味し、ここでRは置換アルキルであり、その用語は上記定義の通りである。例えば、-NHCH2CF3が置換アルキルアミノ基である。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「ジアルキルアミノ」という用語は-NRR'基を意味し、ここでRおよびR'は同一のまたは異なるアルキル基であり得るか、またはRおよびR'は一緒になって2個以上の飽和炭素原子を有するアルカンジイルを表すことができ、飽和炭素原子のうち少なくとも2個は窒素原子に結合している。ジアルキルアミノ基の非限定的な例としては-NHC(CH3)3、-N(CH3)CH2CH3、-N(CH2CH3)2、N-ピロリジニルおよびN-ピペリジニルが挙げられる。「置換ジアルキルアミノ」という用語は-NRR'基を意味し、ここでRおよびR'は同一のまたは異なる置換アルキル基であり得るか、RまたはR'のうち一方はアルキルでありかつ他方は置換アルキルであるか、あるいはRおよびR'は一緒になって2個以上の飽和炭素原子を有する置換アルカンジイルを表すことができ、飽和炭素原子のうち少なくとも2個は窒素原子に結合している。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルコキシアミノ」、「アルケニルアミノ」、「アルキニルアミノ」、「アリールアミノ」、「アラルキルアミノ」、「ヘテロアリールアミノ」、「ヘテロアラルキルアミノ」および「アルキルスルホニルアミノ」という用語は、-NHRで定義される基を意味し、ここでRはそれぞれアルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよびアルキルスルホニルであり、それらの用語は上記定義の通りである。アリールアミノ基の非限定的な例は-NHC6H5である。アルコキシアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキルアミノおよびアルキルスルホニルアミノという用語のいずれかが「置換」という修飾語を有する場合、-NHR基を意味し、ここでRはそれぞれ置換アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよびアルキルスルホニルである。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アミド」(アシルアミノ)という用語は-NHR基を意味し、ここでRはアシルであり、その用語は上記定義の通りである。アシルアミノ基の非限定的な例は-NHC(O)CH3である。アミドという用語を「置換」という修飾語と共に使用する場合、-NHRとして定義される基を意味し、ここでRは置換アシルであり、その用語は上記定義の通りである。-NHC(O)OCH3および-NHC(O)NHCH3という基が置換アミド基の非限定的な例である。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルキルアミノジイル」という用語は、アルキルアミノジイル基が2個のσ結合により結合している二価の非芳香族基であって、(a)2個の飽和炭素原子を結合点とするか、(b)1個の飽和炭素原子および1個の窒素原子を結合点とするか、または(c)2個の窒素原子を結合点とし、直鎖状もしくは分岐状、環状、環式、または非環式構造をさらに有し、基の骨格中に二重結合または三重結合を有さず、炭素または窒素以外の骨格原子をさらに有さず、基の骨格中にこれらの原子をそれぞれ少なくとも1個有し、水素またはアルキル以外の基を含む側鎖を有さない、二価の基を意味する。-NH-CH2CH2-、-CH2-NH-CH2CH2-、-NH-CH2CH2-NH-および-NH-CH2-NH-といった基がアルキルアミノジイル基の非限定的な例である。「置換アルキルアミノジイル」という用語は、置換アルキルアミノジイル基が2個のσ結合により結合している二価の基であって、(a)2個の飽和炭素原子を結合点とするか、(b)1個の飽和炭素原子および1個の窒素原子を結合点とするか、または(c)2個の窒素原子を結合点とし、直鎖状もしくは分岐状、環状、環式、または非環式構造をさらに有し、基の骨格中に炭素-炭素二重結合または三重結合を有さず、基の骨格中にO、F、Cl、Br、I、Si、PおよびSからなる群より独立して選択される少なくとも1個の原子を有するかまたはこれら以外のさらなる窒素原子を有する、二価の基を意味する。以下の基が置換アルキルアミノジイル基の非限定的な例である: -NH-CH2C(OH)H-NH-および-NH-CH2C(Cl)H-CH2-。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルケニルアミノジイル」という用語は、結合前に非芳香族であり、アルケニルアミノジイル基が2個のσ結合により結合しており、結合時に芳香族になり得る、二価の基であって、(a)2個の炭素原子を結合点とするか、(b)1個の炭素原子および1個の窒素原子を結合点とするか、または(c)2個の窒素原子を結合点とし、直鎖状もしくは分岐状、環状、環式、または非環式構造をさらに有し、少なくとも結合前に非芳香族である少なくとも1個の炭素-炭素二重結合または炭素-窒素二重結合を有し、炭素または窒素以外の骨格原子をさらに有さず、水素またはアルキル以外の基を含む側鎖を有さない、二価の基を意味する。-NH-CH=CH-、-NH-CH=N-および-NH-CH=CH-NHといった基がアルケニルアミノジイル基の非限定的な例である。「置換アルケニルアミノジイル」という用語は、結合前に非芳香族であり、置換アルケニルアミノジイル基が2個のσ結合により結合しており、結合時に芳香族になり得る、二価の基であって、(a)2個の炭素原子を結合点とするか、(b)1個の炭素原子および1個の窒素原子を結合点とするか、または(c)2個の窒素原子を結合点とし、直鎖状もしくは分岐状、環状、環式、または非環式構造をさらに有し、少なくとも結合前に非芳香族である少なくとも1個の炭素-炭素二重結合または炭素-窒素二重結合を有し、基の骨格中にO、F、Cl、Br、I、Si、PおよびSからなる群より独立して選択される少なくとも1個の原子を有するかまたはこれら以外のさらなる窒素原子を有する、二価の基を意味する。以下の基が置換アルケニルアミノジイル基の非限定的な例である: -NH-CH=C(OH)-CH2-および-N=CHC(Cl)H-。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルケニルアミノオキシジイル」という用語は、アルケニルアミノオキシジイル基が2個のσ結合により結合しており、結合時に芳香族になり得る、二価の基であって、炭素、酸素および窒素からなる群より選択される2個の原子を結合点とし、直鎖状もしくは分岐状、環状、環式、または非環式構造をさらに有し、少なくとも結合前に非芳香族である少なくとも1個の炭素-炭素二重結合、炭素-窒素二重結合または窒素-窒素二重結合を有し、炭素、窒素または酸素以外の骨格原子をさらに有さず、骨格中にこれら3つの原子をそれぞれ少なくとも1個有し、水素またはアルキル以外の基を含む側鎖を有さない、二価の基を意味する。-O-CH=N-基がアルケニルアミノオキシジイル基の非限定的な例である。「置換アルケニルアミノオキシジイル」という用語は、2個のσ結合により結合しており、結合時に芳香族になり得る、二価の基であって、炭素、酸素および窒素からなる群より選択される2個の基を結合点とし、直鎖状もしくは分岐状、環状、環式、または非環式構造をさらに有し、少なくとも結合前に非芳香族である少なくとも1個の炭素-炭素二重結合または炭素-窒素二重結合を有し、基の骨格中にF、Cl、Br、I、Si、PおよびSからなる群より独立して選択される少なくとも1個の原子を有するかまたはこれら以外の1個もしくは複数のさらなる窒素および/もしくは酸素原子を有する、二価の基を意味する。以下の基が置換アルケニルアミノオキシジイル基の非限定的な例である: -NH-CH=C(OH)-O-および-N=CHC(Cl)H-O-。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルキルイミノ」という用語は、アルキルイミノ基が1個のσ結合および1個のπ結合により結合している=NR基を意味し、ここでRはアルキルであり、その用語は上記定義の通りである。アルキルイミノ基の非限定的な例としては=NCH3、=NCH2CH3および=N-シクロヘキシルが挙げられる。「置換アルキルイミノ」という用語は、アルキルイミノ基が1個のσ結合および1個のπ結合により結合している=NR基を意味し、ここでRは置換アルキルであり、その用語は上記定義の通りである。例えば、=NCH2CF3が置換アルキルイミノ基である。
同様に、「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルケニルイミノ」、「アルキニルイミノ」、「アリールイミノ」、「アラルキルイミノ」、「ヘテロアリールイミノ」、「ヘテロアラルキルイミノ」および「アシルイミノ」という用語は、アルキルイミノ基が1個のσ結合および1個のπ結合により結合している、=NRとして定義される基を意味し、ここでRはそれぞれアルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよびアシルであり、それらの用語は上記定義の通りである。アルケニルイミノ、アルキニルイミノ、アリールイミノ、アラルキルイミノおよびアシルイミノという用語のいずれかが「置換」という修飾語を有する場合、アルキルイミノ基が1個のσ結合および1個のπ結合により結合している=NR基を意味し、ここでRはそれぞれ置換アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよびアシルである。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「フルオロアルキル」という用語は、水素が1個または複数のフッ素で置換されているアルキルを意味し、その用語は上記定義の通りである。-CH2F、-CF2H、-CF3および-CH2CF3といった基がフルオロアルキル基の非限定的な例である。「置換フルオロアルキル」という用語は、結合点としての飽和炭素原子を有し、直鎖もしくは分岐、シクロ、環式または非環式構造を有し、少なくとも1個のフッ素原子を有し、炭素-炭素二重結合または三重結合を有さず、N、O、Cl、Br、I、Si、PおよびSからなる群より独立して選択される少なくとも1個の原子を有する、一価の非芳香族基を意味する。以下の基が置換フルオロアルキルの非限定的な例である: -CFHOH。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルキルホスフェート」という用語は-OP(O)(OH)(OR)基を意味し、ここでRはアルキルであり、その用語は上記定義の通りである。アルキルホスフェート基の非限定的な例としては-OP(O)(OH)(OMe)および-OP(O)(OH)(OEt)が挙げられる。「置換アルキルホスフェート」という用語は-OP(O)(OH)(OR)基を意味し、ここでRは置換アルキルであり、その用語は上記定義の通りである。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「ジアルキルホスフェート」という用語は-OP(O)(OR)(OR')基を意味し、ここでRおよびR'は同一のまたは異なるアルキル基であり得るか、またはRおよびR'は一緒になって2個以上の飽和炭素原子を有するアルカンジイルを表すことができ、飽和炭素原子のうち少なくとも2個は酸素原子を経由してリン原子に結合している。ジアルキルホスフェート基の非限定的な例としては-OP(O)(OMe)2、-OP(O)(OEt)(OMe)および-OP(O)(OEt)2が挙げられる。「置換ジアルキルホスフェート」という用語は-OP(O)(OR)(OR')基を意味し、ここでRおよびR'は同一のまたは異なる置換アルキル基であり得るか、RまたはR'のうち一方はアルキルでありかつ他方は置換アルキルであるか、あるいはRおよびR'は一緒になって2個以上の飽和炭素原子を有する置換アルカンジイルを表すことができ、飽和炭素原子のうち少なくとも2個は酸素原子を経由してリンに結合している。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルキルチオ」という用語は-SR基を意味し、ここでRはアルキルであり、その用語は上記定義の通りである。アルキルチオ基の非限定的な例としては-SCH3、-SCH2CH3、-SCH2CH2CH3、-SCH(CH3)2、-SCH(CH2)2、-S-シクロペンチルおよび-S-シクロヘキシルが挙げられる。「置換アルキルチオ」という用語は-SR基を意味し、ここでRは置換アルキルであり、その用語は上記定義の通りである。例えば、-SCH2CF3が置換アルキルチオ基である。
同様に、「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルケニルチオ」、「アルキニルチオ」、「アリールチオ」、「アラルキルチオ」、「ヘテロアリールチオ」、「ヘテロアラルキルチオ」および「アシルチオ」という用語は、-SRとして定義される基を意味し、ここでRはそれぞれアルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよびアシルであり、それらの用語は上記定義の通りである。アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアラルキルチオおよびアシルチオという用語のいずれかが「置換」という修飾語を有する場合、-SR基を意味し、ここでRはそれぞれ置換アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルおよびアシルである。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「チオアシル」という用語は、結合点としてのチオカルボニル基の炭素原子を有し、直鎖もしくは分岐、シクロ、環式または非環式構造をさらに有し、カルボニル基の硫黄原子以外の炭素または水素ではないさらなる原子をさらに有さない、一価の基を意味する。-CHS、-C(S)CH3、-C(S)CH2CH3、-C(S)CH2CH2CH3、-C(S)CH(CH3)2、-C(S)CH(CH2)2、-C(S)C6H5、-C(S)C6H4CH3、-C(S)C6H4CH2CH3、-C(S)C6H3(CH3)2および-C(S)CH2C6H5といった基がチオアシル基の非限定的な例である。したがって、「チオアシル」という用語は、「アルキルチオカルボニル」基および「アリールチオカルボニル」基と時々呼ばれる基を包含するがそれに限定されない。「置換チオアシル」という用語は、チオカルボニル基の一部である結合点としての炭素原子を有し、直鎖もしくは分岐、シクロ、環式または非環式構造をさらに有し、カルボニル基の硫黄原子に加えてN、O、F、Cl、Br、I、Si、PおよびSからなる群より独立して選択される少なくとも1個の原子をさらに有する、基を意味する。-C(S)CH2CF3、-C(S)O2H、-C(S)OCH3、-C(S)OCH2CH3、-C(S)OCH2CH2CH3、-C(S)OC6H5、-C(S)OCH(CH3)2、-C(S)OCH(CH2)2、-C(S)NH2および-C(S)NHCH3といった基が置換チオアシル基の非限定的な例である。「置換チオアシル」という用語は「ヘテロアリールチオカルボニル」基を包含するがそれに限定されない。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルキルスルホニル」という用語は-S(O)2R基を意味し、ここでRはアルキルであり、その用語は上記定義の通りである。アルキルスルホニル基の非限定的な例としては-S(O)2CH3、-S(O)2CH2CH3、-S(O)2CH2CH2CH3、-S(O)2CH(CH3)2、-S(O)2CH(CH2)2、-S(O)2-シクロペンチルおよび-S(O)2-シクロヘキシルが挙げられる。「置換アルキルスルホニル」という用語は-S(O)2R基を意味し、ここでRは置換アルキルであり、その用語は上記定義の通りである。例えば、-S(O)2CH2CF3が置換アルキルスルホニル基である。
同様に、「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルケニルスルホニル」、「アルキニルスルホニル」、「アリールスルホニル」、「アラルキルスルホニル」、「ヘテロアリールスルホニル」および「ヘテロアラルキルスルホニル」という用語は、-S(O)2Rとして定義される基を意味し、ここでRはそれぞれアルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルであり、それらの用語は上記定義の通りである。アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、ヘテロアリールスルホニルおよびヘテロアラルキルスルホニルという用語のいずれかが「置換」という修飾語を有する場合、-S(O)2R基を意味し、ここでRはそれぞれ置換アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルである。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルキルスルフィニル」という用語は-S(O)R基を意味し、ここでRはアルキルであり、その用語は上記定義の通りである。アルキルスルフィニル基の非限定的な例としては-S(O)CH3、-S(O)CH2CH3、-S(O)CH2CH2CH3、-S(O)CH(CH3)2、-S(O)CH(CH2)2、-S(O)-シクロペンチルおよび-S(O)-シクロヘキシルが挙げられる。「置換アルキルスルフィニル」という用語は-S(O)R基を意味し、ここでRは置換アルキルであり、その用語は上記定義の通りである。例えば、-S(O)CH2CF3が置換アルキルスルフィニル基である。
同様に、「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルケニルスルフィニル」、「アルキニルスルフィニル」、「アリールスルフィニル」、「アラルキルスルフィニル」、「ヘテロアリールスルフィニル」および「ヘテロアラルキルスルフィニル」という用語は、-S(O)Rとして定義される基を意味し、ここでRはそれぞれアルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルであり、それらの用語は上記定義の通りである。アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、アリールスルフィニル、アラルキルスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニルおよびヘテロアラルキルスルフィニルという用語のいずれかが「置換」という修飾語を有する場合、-S(O)R基を意味し、ここでRはそれぞれ置換アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルである。
「置換」という修飾語なしで使用する場合の「アルキルシリル」という用語は、-SiH2R、-SiHRR'または-SiRR'R''として定義される一価の基を意味し、ここでR、R'およびR''は同一のまたは異なるアルキル基であり得るか、あるいはR、R'およびR''のうち2つの任意の組み合わせが一緒になってアルカンジイルを表すことができる。-SiH2CH3、-SiH(CH3)2、-Si(CH3)3および-Si(CH3)2C(CH3)3といった基が非置換アルキルシリル基の非限定的な例である。「置換アルキルシリル」という用語は、-SiH2R、-SiHRR'または-SiRR'R''を意味し、ここでR、R'およびR''のうち少なくとも1つは置換アルキル基であるか、またはR、R'およびR''のうち2つは一緒になって置換アルカンジイルを表すことができる。R、R'およびR''のうち2つ以上が置換アルキルである場合、同一でも異なっていてもよい。置換アルキルまたは置換アルカンジイルのいずれでもないR、R'およびR''のいずれかは、同一であるかまたは異なるアルキルであり得るか、または一緒になって2個以上の飽和炭素原子を有するアルカンジイルを表すことができ、この飽和炭素原子のうち少なくとも2個はケイ素原子に結合している。
さらに、本発明の化合物を構成する原子は、そのような原子のすべての同位体形態を含むよう意図されている。本明細書で使用する同位体は、同一の原子番号を有するが異なる質量数を有する原子を含む。一般例でありかつ非限定的なものとして、水素の同位体としてはトリチウムおよび重水素が挙げられ、炭素の同位体としては13Cおよび14Cが挙げられる。同様に、本発明の化合物の1個または複数の炭素原子をケイ素原子で置き換えることができるということが企図される。さらに、本発明の化合物の1個または複数の酸素原子を硫黄またはセレン原子で置き換えることができるということが企図される。
2個の原子間の単一の破線は、任意的な結合を示す。結合は全く存在しないことがあり、単結合として存在することがあり、あるいは二重結合として存在することがある。ある原子が破線にのみ接続される場合、その原子はそれ自体任意的である。それは存在してもよく、存在しなくてもよい。
実線と破線との組み合わせとして示される結合は、その結合が単結合または二重結合のいずれかであることを示す。したがって、例えば
Figure 0005990160
という構造は
Figure 0005990160
という構造を含む。当業者が理解するように、そのような環原子のどの1個も、2個以上の二重結合の一部を形成しない。
本出願において示す構造の原子上の任意の未定義の原子価は、その原子に結合している水素原子を暗に表す。
本明細書で使用する「キラル補助基」とは、反応の立体選択性に影響を与えることが可能である除去可能なキラル基を意味する。当業者はそのような化合物に精通しており、多くは市販されている。
特許請求の範囲および/または明細書において「含む(comprising)」という用語と共に使用する場合の「a」または「an」という単語の使用は、「1つ」を意味し得るが、「1つまたは複数」、「少なくとも1つ」および「1つまたは2つ以上」の意味とも一致している。
本明細書を通じて、「約」という用語は、ある値が、その値を決定するために使用されるデバイス、方法に固有の誤差の変動、または試験対象の間で存在する変動を含むことを示すために使用される。
「含む(comprise)」、「有する(have)」および「含む(include)」という用語はオープンエンドの連結動詞である。「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(includes)」および「含む(including)」などのこれらの動詞のうち1つまたは複数の任意の形態または時制もオープンエンドである。例えば、1つまたは複数の段階を「含む(comprises)」か、「有する(has)」かまたは「含む(includes)」任意の方法は、それらの1つまたは複数の段階のみを有することに限定されず、他の列挙されていない段階も網羅する。
「有効な」という用語は、その用語が明細書および/または特許請求の範囲において使用される通り、所望の、予期されるまたは意図される結果を実現するために十分であることを意味する。
化合物に対する修飾語として使用する場合の「水和物」という用語は、化合物が、化合物の固体形態などでの各化合物分子に会合する1個未満(例えば半水和物)、1個(例えば一水和物)または2個以上(例えば二水和物)の水分子を有することを意味する。
本明細書で使用する「IC50」という用語は、得られる最大応答の50%である阻害用量を意味する。
第1の化合物の「異性体」は、各分子が第1の化合物と同一の構成分子を含有しているが三次元でのそれらの原子の配置が異なる、別個の化合物である。
本明細書で使用する「患者」または「対象」という用語は、ヒト、サル、雌ウシ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、モルモット、またはそのトランスジェニック種などの生きている哺乳類生物を意味する。いくつかの態様では、患者または対象は霊長類である。ヒト対象の非限定的な例としては成人、若年、乳幼児および胎児がある。
「薬学的に許容される」とは、一般に安全で、無毒であり、かつ生物学的にもその他の点でも望ましくないということがない薬学的組成物を調製する上で有用であることを意味し、獣医学的使用およびヒトでの薬学的使用に許容されることを含む。
「薬学的に許容される塩」とは、先に定義の通り薬学的に許容されかつ所望の薬理活性を有する、本発明の化合物の塩を意味する。そのような塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸; または1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、3-フェニルプロピオン酸、4,4'-メチレンビス(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、4-メチルビシクロ[2.2.2]オクタ-2-エン-1-カルボン酸、酢酸、脂肪族モノカルボン酸およびジカルボン酸、脂肪族硫酸、芳香族硫酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクロペンタンプロピオン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ヒドロキシナフトエ酸、乳酸、ラウリル硫酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、o-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、シュウ酸、p-クロロベンゼンスルホン酸、フェニル置換アルカン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、tert-ブチル酢酸、トリメチル酢酸などの有機酸と共に形成される酸付加塩が挙げられる。薬学的に許容される塩としては、存在する酸性プロトンが無機塩基または有機塩基と反応可能な場合に形成可能な塩基付加塩も挙げられる。許容される無機塩基としては水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウムおよび水酸化カルシウムが挙げられる。許容される有機塩基としてはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミンなどが挙げられる。本発明の任意の塩の一部を形成する特定のアニオンまたはカチオンは、その塩が全体として薬理学的に許容される限り重要ではないということを認識すべきである。薬学的に許容される塩ならびにその調製方法および使用方法のさらなる例はHandbook of Pharmaceutical Salts: Properties, and Use (2002)に提示されている。
本明細書で使用する「主として1種類の鏡像異性体」とは、化合物が少なくとも約85%の1種類の鏡像異性体、またはより好ましくは少なくとも約90%の1種類の鏡像異性体、またはさらに好ましくは少なくとも約95%の1種類の鏡像異性体、または最も好ましくは少なくとも約99%の1種類の鏡像異性体を含有していることを意味する。同様に、「他の光学異性体を実質的に含まない」という語句は、組成物が多くとも約15%の別の鏡像異性体またはジアステレオマー、より好ましくは多くとも約10%の別の鏡像異性体またはジアステレオマー、さらに好ましくは多くとも約5%の別の鏡像異性体またはジアステレオマー、最も好ましくは多くとも約1%の別の鏡像異性体またはジアステレオマーを含有することを意味する。
「予防」または「予防する」は、(1) 疾患の危険性がありかつ/または疾患に罹患しやすいが、疾患の病理または総体症状のいずれかまたは全部を未だ経験していないかまたは示していない対象または患者において、疾患の発症を阻害すること、および/あるいは(2) 疾患の危険性がありかつ/または疾患に罹患しやすいが、疾患の病理または総体症状のいずれかまたは全部を未だ経験していないかまたは示していない対象または患者において、疾患の病理または総体症状の発症を遅くすることを含む。
「プロドラッグ」とは、本発明に係る阻害剤にインビボで代謝的に変換可能な化合物を意味する。プロドラッグそれ自体は、所与の標的タンパク質に対する活性を有することも有さないこともある。例えば、ヒドロキシ基を含む化合物は、インビボでの加水分解によりヒドロキシ化合物に変換されるエステルとして投与することができる。インビボでヒドロキシ化合物に変換可能である好適なエステルとしては酢酸エステル、クエン酸エステル、乳酸エステル、リン酸エステル、酒石酸エステル、マロン酸エステル、シュウ酸エステル、サリチル酸エステル、プロピオン酸エステル、コハク酸エステル、フマル酸エステル、マレイン酸エステル、メチレン-ビス-β-ヒドロキシナフトエ酸エステル、ゲンチジン酸エステル、イセチオン酸エステル、ジ-p-トルオイル酒石酸エステル、メタンスルホン酸エステル、エタンスルホン酸エステル、ベンゼンスルホン酸エステル、p-トルエンスルホン酸エステル、シクロヘキシルスルファミン酸エステル、キナ酸エステル、アミノ酸エステルなどが挙げられる。同様に、アミン基を含む化合物は、インビボでの加水分解によりアミン化合物に変換されるアミドとして投与することができる。
「繰り返し単位」は、有機であれ、無機であれ、金属有機であれ、特定の材料、例えば構造体および/またはポリマーの最も単純な構造実体である。ポリマー鎖の場合、繰り返し単位がネックレスのビーズのように鎖に沿って連続的に一緒に連結される。例えば、ポリエチレン-[-CH2CH2-]n-において、繰り返し単位は-CH2CH2-である。「n」という添字は重合度、すなわち、一緒に連結される繰り返し単位の数を示す。「n」の値が未定義のままである場合、それは単に角括弧内の式の繰り返し、および材料のポリマー的性質を示す。繰り返し単位の概念は、金属有機構造体、架橋ポリマー、熱硬化性ポリマーなどの、繰り返し単位間の接続性が三次元に及ぶ場合にも同等に当てはまる。
ある原子に言及する場合の「飽和した」という用語は、その原子が単一の結合のみによって他の原子に接続していることを意味する。
「立体異性体」または「光学異性体」は、同一の原子が同一の他の原子に結合しているが三次元でのそれらの原子の配置が異なる、所与の化合物の異性体である。「鏡像異性体」は、左手および右手のように互いの鏡像である所与の化合物の立体異性体である。「ジアステレオマー」は、鏡像異性体ではない所与の化合物の立体異性体である。
本発明は、立体化学が定義されていない任意の立体中心またはキラリティーの軸について、立体中心またはキラリティーがそのR型、S型、または、ラセミ混合物および非ラセミ混合物を含むR型とS型との混合物として存在し得ることを企図する。
「インビボで水素に変換可能な置換基」とは、加水分解および水素化分解を含むがそれに限定されない酵素学的または化学的手段により水素原子に変換可能な任意の基を意味する。例としては、加水分解性基、例えば、アシル基、オキシカルボニル基を有する基、アミノ酸残基、ペプチド残基、o-ニトロフェニルスルフェニル、トリメチルシリル、テトラヒドロピラニル、ジフェニルホスフィニルなどが挙げられる。アシル基の例としてはホルミル、アセチル、トリフルオロアセチルなどが挙げられる。オキシカルボニル基を有する基の例としてはエトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル(-C(O)OC(CH3)3)、ベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、β-(p-トルエンスルホニル)エトキシカルボニルなどが挙げられる。好適なアミノ酸残基としてはGly(グリシン)、Ala(アラニン)、Arg(アルギニン)、Asn(アスパラギン)、Asp(アスパラギン酸)、Cys(システイン)、Glu(グルタミン酸)、His(ヒスチジン)、Ile(イソロイシン)、Leu(ロイシン)、Lys(リジン)、Met(メチオニン)、Phe(フェニルアラニン)、Pro(プロリン)、Ser(セリン)、Thr(スレオニン)、Trp(トリプトファン)、Tyr(チロシン)、Val(バリン)、Nva(ノルバリン)、Hse(ホモセリン)、4-Hyp (4-ヒドロキシプロリン)、5-Hyl (5-ヒドロキシリジン)、Orn(オルニチン)およびβ-Alaの残基が挙げられるがそれに限定されない。好適なアミノ酸残基の例としては、保護基で保護されるアミノ酸残基も挙げられる。好適な保護基の例としては、アシル基(ホルミルおよびアセチルなどの)、アリールメチルオキシカルボニル基(ベンジルオキシカルボニルおよびp-ニトロベンジルオキシカルボニルなどの)、tert-ブトキシカルボニル基(-C(O)OC(CH3)3)などを含む、ペプチド合成に典型的に使用されるものが挙げられる。好適なペプチド残基としては2〜5個および任意的にアミノ酸残基を含むペプチド残基が挙げられる。これらのアミノ酸またはペプチドの残基はD型、L型またはその混合物の立体化学的配置で存在し得る。さらに、アミノ酸残基またはペプチド残基は不斉炭素原子を有し得る。不斉炭素原子を有する好適なアミノ酸残基の例としてはAla、Leu、Phe、Trp、Nva、Val、Met、Ser、Lys、ThrおよびTyrの残基が挙げられる。不斉炭素原子を有するペプチド残基としては、不斉炭素原子を有する1個または複数の構成アミノ酸残基を有するペプチド残基が挙げられる。好適なアミノ酸保護基の例としては、アシル基(ホルミルおよびアセチルなどの)、アリールメチルオキシカルボニル基(ベンジルオキシカルボニルおよびp-ニトロベンジルオキシカルボニルなどの)、tert-ブトキシカルボニル基(-C(O)OC(CH3)3)などを含む、ペプチド合成に典型的に使用されるものが挙げられる。「インビボで水素に変換可能な」置換基の他の例としては、還元的に排除可能である水素化分解可能な基が挙げられる。好適な還元的に排除可能である水素化分解可能な基の例としては、アリールスルホニル基(o-トルエンスルホニルなどの); フェニルまたはベンジルオキシで置換されているメチル基(ベンジル、トリチルおよびベンジルオキシメチルなどの); アリールメトキシカルボニル基(ベンジルオキシカルボニルおよびo-メトキシ-ベンジルオキシカルボニル); ならびにハロエトキシカルボニル基(β,β,β-トリクロロエトキシカルボニルおよびβ-ヨードエトキシカルボニルなどの)が挙げられるがそれに限定されない。
「治療有効量」または「薬学的有効量」とは、疾患を処置するために対象または患者に投与する際に疾患についてそのような処置を実行するために十分な量を意味する。
「処置」または「処置する」は、(1) 疾患の病理または総体症状を経験しているかまたは示す対象または患者において疾患を阻害すること(例えば、病理および/または総体症状のさらなる発生を停止させること)、(2) 疾患の病理または総体症状を経験していかまたは示す対象または患者において疾患を寛解させること(例えば、病理および/または総体症状を逆転させること)、ならびに/あるいは(3) 疾患の病理または総体症状を経験しているかまたは示す対象または患者において疾患の任意の測定可能な減少を実行することを含む。
本明細書で使用する「水溶性」という用語は、化合物が少なくとも0.010モル/リットルの程度まで水に溶解するか、または先行文献に従って溶解性であると分類されることを意味する。
本明細書で使用される他の略語は以下の通りである: DMSO、ジメチルスルホキシド; NO、一酸化窒素; iNOS、誘導型一酸化窒素合成酵素; COX-2、シクロオキシゲナーゼ2; NGF、神経成長因子; IBMX、イソブチルメチルキサンチン; FBS、ウシ胎仔血清; GPDH、グリセロール-3-リン酸脱水素酵素; RXR、レチノイドX受容体; TGF-β、トランスフォーミング成長因子β; IFNγまたはIFN-γ、インターフェロンγ; LPS、細菌内毒素リポ多糖; TNFαまたはTNF-α、腫瘍壊死因子α; IL-1β、インターロイキン1β; GAPDH、グリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素; MTT、3-[4,5-ジメチルチアゾール-2-イル]-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド; TCA、トリクロロ酢酸; HO-1、誘導型ヘムオキシゲナーゼ。
上記定義は、参照により本明細書に組み入れられる参考文献のいずれかにおける任意の矛盾する定義に取って代わる。しかし、特定の用語が定義されているという事実を、未定義の任意の用語が不確定であることを示すものと考えるべきではない。むしろ、すべての使用される用語は、当業者が本発明の範囲を認識しかつ本発明を実践することができるように、用語により本発明を説明するものと考えられる。
IV. 肥満の処置用の化合物
本開示の一局面では、それを必要とする患者において体重を減少させる方法であって、患者の体重を減少させるために十分な量で抗酸化炎症モジュレーター(AIM)を対象に投与する段階を含む方法が提供される。これらの化合物、ならびに同様の構造的特徴および薬理作用を含む分子は抗酸化炎症モジュレーターまたはAIMとして知られる。AIMが共有する構造的特徴は、α,β-不飽和カルボニル基とα炭素に結合したニトリル基、CF3基または他の電子吸引性基とを共に含む、少なくとも1つの部分構造の存在である。これらの化合物は、1つまたは複数のNrf2標的遺伝子(例えばNQO1またはHO-1; Dinkova-Kostova et al., 2005)の発現上昇により測定される、Nrf2を活性化させる能力を示した。さらに、これらの化合物は、NF-κBおよびSTAT3を含む炎症促進性転写因子の間接的および直接的阻害が可能である(Ahmad et al., 2006; Ahmad et al., 2008)。いくつかの局面では、それを必要とする対象において体重遺伝子を阻害する方法であって、対象において体重遺伝子を阻害するために十分な量で本明細書に開示される任意の特定の化合物を含む抗酸化炎症モジュレーター(AIM)を対象に投与する段階を含む方法が提供される。いくつかの局面では、それを必要とする対象において肥満を予防する方法であって、対象において肥満を予防するために十分な量で本明細書に開示される任意の特定の化合物を含む抗酸化炎症モジュレーター(AIM)を対象に投与する段階を含む方法が提供される。いくつかの局面では、それを必要とする対象において肥満の進行を予防する方法であって、対象において肥満の進行を予防するために十分な量で本明細書に開示される任意の特定の化合物を含む抗酸化炎症モジュレーター(AIM)を対象に投与する段階を含む方法が提供される。
いくつかの態様では、AIMは抗酸化転写因子Nrf2の選択的アクチベーターである。本発明で使用されるAIMは下記部分で表すことができる:
Figure 0005990160
式中、Wはニトリル、CF3または他の電子吸引性基であり、R1およびR2は上記および以下の特許請求の範囲に定義の通りである。このファーマコアは、例えばHonda et al. (2000a); Honda et al., (2000b); Honda et al. (2002); ならびに米国特許出願公開第2009/0326063号、第2010/0056777号、第2010/0048892号、第2010/0048911号および第2010/0041904号に記載のものなどの種々の合成トリテルペノイドに見られ、これらはそれぞれ参照により本明細書に組み入れられる。このファーマコアは種々の他の非トリテルペノイド化合物、例えば米国特許出願公開第2003/0232786号および第2008/0261985号に具現化される三環式ビス-エノン(例えばTBE-31)にも見られ、これらはいずれも参照により本明細書に組み入れられる。また、このファーマコアは米国特許出願公開第2010/0048887号にも開示されており、これも参照により本明細書に組み入れられる。トリテルペノイドおよび非トリテルペノイドの両方のこれらの化合物の多くは、抗酸化転写因子Nrf2の非常に強力で選択的なアクチベーターである。さらに、これらの化合物の多くは、インビトロおよびインビボでのヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)の誘導、CD11b発現の誘導、iNOS誘導の阻害、COX-2誘導の阻害、NO産生の阻害、がん細胞中のアポトーシスの誘導、NF-κBの阻害、JNK経路の活性化、ならびに第2相誘導(NAD(P)H-キノンオキシドレダクターゼおよびHO-1の上昇)などの抗増殖活性および/または抗酸化活性を例えば含む種々の抗炎症関連活性に関係している。第2相応答の誘導は、多くの抗酸化、抗炎症および細胞保護遺伝子のプロモーター領域内の抗酸化応答エレメント(ARE)を活性化することがわかった転写因子Nrf2の活性化に関連しており、第2相活性化は、活性化マクロファージ中でのNO産生の強力な阻害に非常に相関している(例えばDinkova-Kostova et al., 2005)。
1つのAIMであるバルドキソロンメチル(BARD)は慢性腎疾患の処置について高度臨床試験中である。これらおよび他の臨床試験からのデータは、BARDが治療量で血液細胞中のNrf2活性を誘導することを示した。これらの試験の過程で本発明者らは、バルドキソロンメチルでの処置後に過体重または肥満患者が体重減少を示すという臨床シナリオを同定した(表1)。
特定の態様では、上記ファーマコアでの修飾が可能な化合物としては、トリテルペノイド(非限定的な例としてはアルゲンタチン、ベツリン酸、ラノスタン、オレアン酸、ウルソル酸、グリチルレチン酸、ボスウェル酸、ファラジオール、カレンズラジオールおよびモロン酸が挙げられる)、サポニン(例えばジンセノサイド)、アビシン、リスベラトロール、クルクミン、ゴシポール、エピガロカテキン、エピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)、ゴシポール、ラパコール、他のフラボノイド(非限定的な例としてはケルセチン、ダイゼイン、ルテオリン、クマリン、ウォゴニンおよびバイカリンが挙げられる)、デヒドロアンドロステロン(DHEA)、コール酸、デオキシコール酸、ジンセノサイド(例えば20(S)-ジンセノサイド)、シリマリン、アントシアニン、アベナントラミド、ククルビタシン、アロエシン、アロエエモジン、ならびに/またはツベイモシドが挙げられるがそれに限定されない。
本発明の方法に従って使用可能なトリテルペノイドの非限定的な例をここに示す。
Figure 0005990160
本発明の方法に従って使用可能な非トリテルペノイド化合物の非限定的な例をここに示す。
Figure 0005990160
Figure 0005990160
Figure 0005990160
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Nrf2のいくつかの最も強力で選択的な公知のアクチベーターはAIMであるが、他の分子骨格に基づく化合物もNrf2を活性化させると報告されている。これらとしてはスルホラファン、オルチプラズ、フマル酸ジメチル、スタチン、シクロペンテノンプロスタグランジン、およびNO供与性分子が挙げられる(例えばYates et al., 2006; 2009; Habeos et al., 2008; Nguyen et al., 2009; Kansanen et al., 2009; Kobayashi et al., 2009; Gao et al., 2006を参照)。
使用される化合物はHonda et al. (2000a); Honda et al., (2000b); Honda et al. (2002); ならびに米国特許出願公開第2009/0326063号、第2010/0056777号、第2010/0048892号、第2010/0048911号、第2010/0041904号、第2003/0232786号、第2008/0261985号および第2010/0048887号に記載の方法を使用して作製することができ、これらはいずれも参照により本明細書に組み入れられる。これらの方法は、当業者が適用する有機化学の原理および技術を使用してさらに修正および最適化することができる。そのような原理および技術は例えばMarch's Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure (2007)に教示されており、これも参照により本明細書に組み入れられる。
本発明の方法において使用される化合物は、1個または複数の不斉置換炭素または窒素原子を含み得るものであり、光学活性体またはラセミ体として単離され得る。したがって、特定の立体化学配置または異性体が特に示されない限り、ある構造のすべてのキラル体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、エピマー体、およびすべての幾何異性体が意図される。化合物はラセミ体およびラセミ混合物、単一の鏡像異性体、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして生じ得る。いくつかの態様では、単一のジアステレオマーが得られる。本発明の化合物のキラル中心はS配置またはR配置を有し得る。
本発明の化合物の多形、例えばCDDO-Meの形態AおよびBを、本発明の方法に従って使用することができる。形態Bは、形態Aのそれよりも驚くほど良好なバイオアベイラビリティを示す。具体的には、サルが等しい投与量のこの2つの形態をゼラチンカプセル剤で経口的に受け取った際に、サルにおいて形態BのバイオアベイラビリティはCDDO-Meの形態Aのそれよりも高かった。その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2009/0048204号を参照。
CDDO-Me(RTA 402)の「形態A」は非溶媒和(非含水)であり、空間群P43 212(no. 96)、単位格子寸法a=14.2Å、b=14.2Åおよびc=81.6Åを伴う特有の結晶構造と、3つの分子が結晶b軸に沿って螺旋状に充填される充填構造とを特徴とし得る。いくつかの態様では、形態Aはまた、約8.8、12.9、13.4、14.2および17.4°2θでの有意な回折ピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターン(CuKα)を特徴とし得る。いくつかの変形では、形態AのX線粉末回折は実質的に図1Aまたは図1Bに示す通りである。
形態Aとは異なり、CDDO-Meの「形態B」は単一相であるが、そのような確定した結晶構造を欠く。形態Bの試料は長距離の、すなわち約20Åを超える分子相関を示さない。さらに、形態B試料の熱分析によって、約120℃〜約130℃の範囲のガラス転移温度(Tg)が明らかになる。対照的に、無秩序ナノ結晶材料はTgを示さないが、代わりに、それを超えると結晶構造が液体になる融解温度(Tm)のみを示す。形態Bは、形態Aのそれ(図1Aまたは図1B)とは異なるXRPDスペクトル(図1C)で典型的に表される。形態Bは、確定した結晶構造を有さないことから、形態Aを典型的に表すものなどの特有のXRPDピークを同様に欠き、代わりに一般的な「ハロー」XRPDパターンを特徴とする。特に、非晶質の形態Bは、そのXRPDパターンが3つ以下の一次回折ハローを示すことから、「X線非晶質」固体の分類に属する。この分類内で、形態Bは「ガラス状」材料である。
CDDO-Meの形態Aおよび形態Bは、該化合物の種々の溶液から容易に調製される。例えば、形態BはMTBE、THF、トルエンまたは酢酸エチル中での速い蒸発または遅い蒸発により調製することができる。形態Aは、CDDO-Meのエタノールまたはメタノール溶液の速い蒸発、遅い蒸発または遅い冷却を含むいくつかのやり方で調製することができる。アセトン中のCDDO-Meの調製物は、速い蒸発を使用して形態Aを生成するか、または遅い蒸発を使用して形態Bを生成することができる。
各種の特性決定手段を一緒に使用することで、CDDO-Meの形態Aおよび形態Bを互いにかつCDDO-Meの他の形態と区別することができる。この目的に好適な技術の例としては、固体核磁気共鳴(NMR)、X線粉末回折(図1AおよびBと図1Cとを比較されたい)、X線結晶解析、示差走査熱量測定(DSC)、動的蒸気収着/脱着(DVS)、カールフィッシャー分析(KF)、ホットステージ顕微鏡観察、変調示差走査熱量測定、FT-IR、およびラマン分光法がある。特に、XRPDおよびDSCデータの分析によってCDDO-Meの形態A、形態Bおよびヘミベンゼネート形態を区別することができる。その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2009/0048204号を参照。
CDDO-Meの多形に関するさらなる詳細は米国特許出願公開第2009/0048204号、PCT公開WO 2009/023232号およびPCT公開WO 2010/093944号に記載されており、これらはいずれもその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書に開示される化合物の具体的な非限定的製剤としてはCDDO-Meポリマー分散液が挙げられる。例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられるPCT公開WO 2010/093944号を参照。そのPCT明細書に報告されているいくつかの製剤は、微粉化形態Aまたはナノ結晶形態Aのいずれかの製剤よりも高いバイオアベイラビリティを示した。さらに、ポリマー分散液に基づく製剤は、微粉化形態B製剤に対するさらなる驚くべき経口バイオアベイラビリティの改善を示した。例えば、メタクリル酸共重合体C型およびHPMC-P製剤は、対象サルにおける最大のバイオアベイラビリティを示した。例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられるPCT公開WO 2010/093944号を参照。
本発明の方法において使用される化合物はプロドラッグ形態でも存在し得る。プロドラッグが医薬品の数多くの望ましい性質、例えば溶解性、バイオアベイラビリティ、製造性などを強化することが知られていることから、所望であれば、本発明のいくつかの方法において使用される化合物をプロドラッグ形態で実現してもよい。したがって、本発明は、本発明の化合物のプロドラッグ、およびプロドラッグを実現する方法を想定する。本発明において使用される化合物のプロドラッグは、修飾が日常的操作またはインビボのいずれかで開裂されて親化合物になるように、化合物に存在する官能基を修飾することで調製することができる。したがって、プロドラッグとしては例えば、プロドラッグが対象に投与される際に開裂してヒドロキシ、アミノまたはカルボン酸をそれぞれ形成する任意の基にヒドロキシ基、アミノ基またはカルボキシ基が結合した本明細書に記載の化合物が挙げられる。
本発明の任意の塩の一部を形成する特定のアニオンまたはカチオンは、その塩が全体として薬理学的に許容される限り重要ではないということを認識すべきである。薬学的に許容される塩ならびにその調製方法および使用方法のさらなる例はHandbook of Pharmaceutical Salts: Properties, and Use (2002)に提示されており、これは参照により本明細書に組み入れられる。
また、本発明の方法において使用される化合物は、本明細書に記述される適応症において使用される先行技術で公知の化合物に比べて有効であり、毒性が低く、長時間作用し、強力であり、生じる副作用が少なく、容易に吸収され、かつ/または良好な薬物動態プロファイル(例えば高い経口バイオアベイラビリティおよび/もしくは低いクリアランス)を示し、かつ/または他の有用な薬理学的、物理的もしくは化学的性質を示すことができるという利点を有し得る。
V.炎症および/または酸化ストレスに関係する疾患
炎症は、感染性生物または寄生性生物に対する抵抗性、および損傷組織の修復を与える、生物学的プロセスである。炎症は、限局性の血管拡張、発赤、腫脹および疼痛、感染部位または傷害部位に対する白血球の動員、TNF-αおよびIL-1などの炎症性サイトカインの産生、ならびに過酸化水素、スーパーオキシドおよびペルオキシナイトライトなどの活性酸素種または活性窒素種の産生を一般的に特徴とする。炎症の後期では、組織リモデリング、血管新生および瘢痕形成(線維症)が、創傷治癒プロセスの一部として生じ得る。正常な状況下では、炎症反応は制御されかつ一時的であり、感染症または傷害が適切に扱われれば組織的に消散する。しかし、急性炎症は、制御機構が機能停止した場合は過度でかつ生命を脅かすものになることがある。あるいは、炎症は慢性になりかつ累積的組織損傷または全身合併症を引き起こすこともある。
多くの重篤でかつ難治性のヒトの疾患は、炎症状態とは伝統的に見られていなかった、がん、アテローム性動脈硬化症および糖尿病などの疾患を含む炎症プロセスの調節不全を包含する。がんの場合、炎症プロセスは腫瘍の形成、進行、転移および治療抵抗性に関連している。脂質代謝障害と長きにわたり見られていたアテローム性動脈硬化症は、本質的に炎症状態であり、活性化マクロファージが動脈硬化巣の形成および最終的な破裂において重要な役割を果たすと現在は理解されている。炎症性シグナル伝達経路の活性化は、インスリン抵抗性の発生、および糖尿病性高血糖に関連する末梢組織損傷において役割を果たすこともわかった。スーパーオキシド、過酸化水素、一酸化窒素およびペルオキシナイトライトなどの活性酸素種および活性窒素種の過剰産生は炎症状態の特徴である。ペルオキシナイトライト産生の調節不全のエビデンスが多種多様な疾患において報告された(Szabo et al., 2007; Schulz et al., 2008; Forstermann, 2006; Pall, 2007)。
関節リウマチ、ループス、乾癬および多発性硬化症などの自己免疫疾患は、免疫系における自己対非自己の認識機構および応答機構の機能障害により生じる、患部組織における炎症プロセスの不適切かつ慢性的な活性化を包含する。アルツハイマー病およびパーキンソン病などの神経変性疾患では、神経損傷は、ミクログリアの活性化、および高レベルの誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)などの炎症促進性タンパク質に相関している。腎不全、心不全および慢性閉塞性肺疾患などの慢性臓器不全は、線維症の発生および臓器機能の最終的な損失につながる慢性の酸化ストレスおよび炎症の存在に緊密に関連している。
多くの他の障害は、炎症性腸疾患を含む、患部組織における酸化ストレスおよび炎症; 炎症性皮膚疾患; 放射線療法および化学療法に関係する粘膜炎; ぶどう膜炎、緑内障、黄斑変性症、および各種形態の網膜症などの眼疾患; 移植不全および移植拒絶反応; 虚血再灌流障害; 慢性疼痛; 変形性関節症および骨粗鬆症を含む、骨および関節の変性状態; 喘息および嚢胞性線維症; 発作性障害; ならびに統合失調症、うつ病、双極性障害、外傷後ストレス障害、注意欠陥障害、自閉スペクトル障害、および神経性食欲不振症などの摂食障害を含む神経精神医学的状態を包含する。炎症性シグナル伝達経路の調節不全は、筋ジストロフィーおよび各種形態の悪液質を含む筋消耗疾患の病理の主な要因であると考えられる。
生命を脅かす種々の急性障害は、膵臓、腎臓、肝臓または肺を包含する急性臓器不全、心筋梗塞または急性冠血管症候群、脳卒中、敗血症性ショック、外傷、重度の火傷、およびアナフィラキシーを含む、炎症性シグナル伝達の調節不全も包含する。
感染性疾患の多くの合併症は、炎症反応の調節不全も包含する。炎症反応は侵入する病原体を死滅させることができるが、過度な炎症反応は相当に破壊的であることもあり、いくつかの場合では、患部組織における一次損傷源であることがある。さらに、過度の炎症反応は、TNF-αおよびIL-1などの炎症性サイトカインの過剰産生による全身合併症につながることもある。これは、重度のインフルエンザ、重度の急性呼吸器症候群、および敗血症により生じる死亡の要因であると考えられる。
iNOSまたはシクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)のいずれかの異常なまたは過度の発現は、多くの疾患プロセスの発症に関係づけられた。例えば、NOが強力な変異原であること(Tamir and Tannebaum, 1996)、および一酸化窒素がCOX-2を活性化することもあること(Salvemini et al., 1994)は明らかである。さらに、発がん物質アゾキシメタンが誘導するラット結腸腫瘍においてiNOSが著しく増加している(Takahashi et al., 1997)。オレアノール酸の一連の合成トリテルペノイド類似体は、マウスマクロファージにおける誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)およびCOX-2のIFN-γによる誘導などの細胞炎症プロセスの強力な阻害剤であることがわかった。いずれも参照により本明細書に組み入れられるHonda et al. (2000a); Honda et al. (2000b)およびHonda et al. (2002)を参照。
一局面では、本明細書に開示される化合物は、γ-インターフェロンに対する曝露により誘導されるマクロファージ由来RAW 264.7細胞において一酸化窒素の産生を阻害するそれらの能力を特徴とする。それらは、NQO1などの抗酸化タンパク質の発現を誘導しかつCOX-2および誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)などの炎症促進性タンパク質の発現を減少させるそれらの能力をさらに特徴とする。これらの特性は、がん、放射線療法または化学療法により生じる粘膜炎、自己免疫疾患、アテローム性動脈硬化症を含む心血管疾患、虚血再灌流障害、腎不全および心不全を含む急性および慢性臓器不全、呼吸器疾患、糖尿病および糖尿病合併症、重度のアレルギー、移植拒絶反応、移植片対宿主病、神経変性疾患、眼および網膜の疾患、急性疼痛および慢性疼痛、変形性関節症および骨粗鬆症を含む変性骨疾患、炎症性腸疾患、皮膚炎および他の皮膚疾患、敗血症、火傷、発作性障害、ならびに精神神経障害を含む、酸化ストレスおよび炎症プロセスの調節不全を包含する多種多様な疾患の処置に関係がある。
理論に拘束されるものではないが、抗酸化/抗炎症Keap1/Nrf2/ARE経路の活性化は、本明細書に開示される化合物の抗炎症特性と抗腫瘍形成特性との両方に関係していると考えられる。
別の局面では、高レベルの酸化ストレスが引き起こす状態を1つまたは複数の組織において有する患者を処置するために、本明細書に開示される化合物を使用することができる。酸化ストレスは、異常に高いかまたは持続性のレベルのスーパーオキシド、過酸化水素、一酸化窒素およびペルオキシナイトライト(一酸化窒素とスーパーオキシドとの反応により形成される)などの活性酸素種により生じる。酸化ストレスは急性炎症または慢性炎症のいずれかを伴うことがある。酸化ストレスは、ミトコンドリア機能障害、マクロファージおよび好中球などの免疫細胞の活性化、電離放射線などの外部作用物質、または細胞毒性化学療法薬(例えばドキソルビシン)に対する急性の曝露、外傷または他の急性組織傷害、虚血再灌流、循環不良または貧血、限局性または全身性の低酸素症または高酸素症、高レベルの炎症性サイトカインおよび他の炎症関連タンパク質、ならびに/あるいは高血糖または低血糖などの他の異常な生理状態により引き起こされることがある。
心筋梗塞、腎不全、移植不全および移植拒絶反応、脳卒中、心血管疾患および自己免疫疾患のモデルを含む、多くのそのような状態の動物モデルにおいて、Nrf2経路の標的遺伝子である誘導型ヘムオキシゲナーゼ(HO-1)の発現の刺激が、著しい治療効果を有することがわかった(例えばSacerdoti et al., 2005; Abraham & Kappas, 2005; Bach, 2006; Araujo et al., 2003; Liu et al., 2006; Ishikawa et al., 2001; Kruger et al., 2006; Satoh et al., 2006; Zhou et al., 2005; Morse and Choi, 2005; Morse and Choi, 2002)。この酵素は遊離ヘムを鉄、一酸化炭素(CO)およびビリベルジン(続いて強力な抗酸化分子であるビリルビンに変換される)に分解する。
別の局面では、炎症により増悪した酸化ストレスにより生じる急性および慢性の組織損傷または臓器不全の予防または処置に本発明の化合物を使用することができる。この分類に属する疾患の例としては、心不全、肝不全、移植不全および移植拒絶反応、腎不全、膵炎、線維性肺疾患(特に嚢胞性線維症およびCOPD)、糖尿病(合併症を含む)、アテローム性動脈硬化症、虚血再灌流障害、緑内障、脳卒中、自己免疫疾患、自閉症、黄斑変性症、ならびに筋ジストロフィーが挙げられる。例えば、自閉症の場合、中枢神経系における酸化ストレスの増加が疾患の発生に寄与し得ることを、研究は示唆している(Chauhan and Chauhan, 2006)。
エビデンスはまた、酸化ストレスおよび炎症を、精神病、大うつ病および双極性障害などの精神障害; てんかんなどの発作性障害; 偏頭痛、神経因性疼痛または耳鳴などの疼痛および感覚症候群; ならびに注意欠陥障害などの挙動症候群を含む、中枢神経系の多くの他の障害の発生および病理に結びつける。例えば、いずれも参照により本明細書に組み入れられるDickerson et al., 2007; Hanson et al., 2005; Kendall-Tackett, 2007; Lencz et al., 2007; Dudhgaonkar et al., 2006; Lee et al., 2007; Morris et al., 2002; Ruster et al., 2005; McIver et al., 2005; Sarchielli et al., 2006; Kawakami et al., 2006; Ross et al., 2003を参照。例えば、高レベルのTNF、インターフェロンγおよびIL-6を含む炎症性サイトカインは主な精神疾患に関連している(Dickerson et al., 2007)。ミクログリア活性化も主な精神疾患に結びついている。したがって、炎症性サイトカインの下方制御およびミクログリアの過度の活性化の阻害が、統合失調症、大うつ病、双極性障害、自閉スペクトル障害および他の精神神経障害の患者において有益である可能性がある。
したがって、単独の酸化ストレスまたは炎症により増悪する酸化ストレスを包含する病理では、処置は、上述のまたは本明細書全体にわたって記載の化合物などの本発明の化合物の治療有効量を対照に投与する段階を含み得る。処置は、予測可能な酸化ストレス状態(例えば臓器移植、もしくはがん患者に対する放射線療法の施行)の前に予防的に施行可能であるか、または確立した酸化ストレスおよび炎症を包含する設定において治療的に施行可能である。
敗血症、皮膚炎、自己免疫疾患および変形性関節症などの炎症状態の処置に、本明細書に開示される化合物を一般に適用することができる。一局面では、本発明の化合物を使用することで、例えばNrf2の誘導および/またはNF-κBの阻害により炎症性疼痛および/または神経因性疼痛を処置することができる。
また、本発明の化合物は、上述の適応症において使用される場合であれ、他の場合であれ、先行技術で公知の化合物に比べて有効であり、毒性が低く、長時間作用し、強力であり、生じる副作用が少なく、容易に吸収され、かつ/または良好な薬物動態プロファイル(例えば高い経口バイオアベイラビリティおよび/もしくは低いクリアランス)を示し、かつ/または他の有用な薬理学的、物理的もしくは化学的性質を示すことができるという利点を有し得る。
一局面では、シクロペンテノンプロスタグランジン(cyPG)の生物活性を模倣する強力な抗炎症特性を有する抗酸化炎症モジュレーター(AIM)として機能するように、本明細書に開示される化合物を使用することができる。一態様では、本明細書に開示される化合物を使用することで、レドックス感受性転写因子の転写活性を制御するタンパク質上の制御システイン残基(RCR)を選択的に標的化することにより炎症促進性サイトカインの産生を調節することができる。cyPGまたはAIMによるRCRの活性化は、抗酸化および細胞保護転写因子Nrf2の活性を強力に誘導し、かつ酸化促進性および炎症促進性転写因子NF-κBおよびSTATの活性を抑制するという、消散促進プログラムを開始させることがわかった。これは、抗酸化および還元分子(例えばNQO1、HO-1、SOD1および/またはγ-GCS)の産生を増加させ、かつ/あるいは酸化ストレスならびに酸化促進性および炎症促進性分子(例えばiNOS、COX-2および/またはTNF-α)の産生を減少させる。
いくつかの態様では、がん、炎症、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、自閉症、筋萎縮性側索硬化症、関節リウマチ、ループスおよびMSなどの自己免疫疾患、炎症性腸疾患、その発症が一酸化窒素またはプロスタグランジンのいずれかの過剰産生を包含すると考えられるすべての他の疾患、ならびに単独の酸化ストレスまたは炎症により増悪する酸化ストレスを包含する病理などの疾患の処置および予防に、本明細書に開示される化合物を使用することができる。
炎症の別の局面はプロスタグランジンEなどの炎症性プロスタグランジンの産生である。これらの分子は血管拡張、血漿の血管外漏出、限局性疼痛、高温、および炎症の他の症状を促進する。酵素COX-2の誘導型がそれらの産生に関連しており、高レベルのCOX-2が炎症組織に見られる。したがって、COX-2の阻害は炎症の多くの症状を緩和することができ、いくつかの重要な抗炎症薬(例えばイブプロフェンおよびセレコキシブ)はCOX-2活性を阻害することで作用する。しかし、最近の研究は、シクロペンテノンプロスタグランジン(cyPG)のあるクラス(例えば15-デオキシプロスタグランジンJ2、別名PGJ2)が、炎症の組織的消散を刺激する上で役割を果たすことを示した(例えばRajakariar et al., 2007)。COX-2はシクロペンテノンプロスタグランジンの産生にも関連している。したがって、COX-2の阻害は、炎症の完全消散に干渉することで、潜在的に組織中の活性化免疫細胞の残留を促進しかつ慢性的な「くすぶり型の」炎症を導くことがある。この効果は、選択的COX-2阻害剤を長期間使用する患者における心血管疾患の発生率の増加の原因であることがある。
一局面では、本明細書に開示される化合物を使用することで、レドックス感受性転写因子の活性を制御するタンパク質上の制御システイン残基(RCR)を選択的に活性化することにより細胞内の炎症促進性サイトカインの産生を調節することができる。cyPGによるRCRの活性化は、抗酸化および細胞保護転写因子Nrf2の活性を強力に誘導し、かつ酸化促進性および炎症促進性転写因子NF-κBおよびSTATの活性を抑制するという、消散促進プログラムを開始させることがわかった。いくつかの態様では、これは、抗酸化および還元分子(NQO1、HO-1、SOD1、γ-GCS)の産生を増加させ、酸化ストレスならびに酸化促進性および炎症促進性分子(iNOS、COX-2、TNF-α)の産生を減少させる。いくつかの態様では、本発明の化合物は、炎症の消散を促進しかつ宿主に対する過度の組織損傷を制限することで、炎症事象を宿す細胞を非炎症状態に復帰させることができる。
A. 肥満
本開示の別の局面は、肥満の処置および予防用の新規の方法および化合物に関する。肥満は、過剰な体脂肪が健康に対して悪影響を示し得る程度まで蓄積された、医学的状態である。それは肥満度指数(BMI)により典型的に規定されるものであり、ウエスト-ヒップ比を介した脂肪分布、および心血管危険因子全体に関してさらに評価することができる。BMIは体脂肪割合と体脂肪量との両方に関連する。
BMIは、対象の質量を彼または彼女の体重の二乗で割ることで計算される(メートル系単位: キログラム/メートル2)。世界保健機関(WHO)が1997年に確立し、2000年に公表した定義を以下に列挙する。
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肥満は多くの身体的および精神的状態の危険性を増加させる。これらの併存症は、2型糖尿病、高血圧、高血中コレステロールおよび高トリグリセリドレベルを含む医学的障害の組み合わせであるメタボリックシンドロームにおいて最も一般的に示される。
研究のかなりの部分が、肥満と慢性「くすぶり型」炎症状態との間の関連を支持している。肥満は、炎症性サイトカインの過剰産生、およびNF-kB経路を含む炎症性シグナル伝達経路の慢性活性化に関連している(Hotamisligil, 2006)。脂肪組織中の慢性炎症は、骨格筋中のインスリン抵抗性の発生に関連している(Guilherme et al., 2008)。NF-κB経路の慢性活性化がインスリン抵抗性を誘導することがわかり、NF-κB阻害が2型糖尿病の処置用の治療戦略として提案された(Arkan et al., 2005; Shoelson et al., 2006)。
肥満は、インスリン抵抗性の発生と類似した様式で、レプチンの作用に対する抵抗性の発生に関連している。ペプチドホルモンであるレプチンは複雑な生物学的効果を示すが、1つの重要な作用部位は内側基底視床下部である。脳のこの構造は、摂食行動およびエネルギー恒常性に対する制御を行使することが知られている。最近、視床下部における酸化ストレスおよびNF-κB経路の活性化が視床下部のインスリンおよびレプチン抵抗性に関連していることがわかった(Zhang et al., 2008)。抗酸化転写因子Nrf2の活性化がNF-κB活性を阻害することが知られており、半合成トリテルペノイドによるNrf2活性化が、高脂肪食を摂取したマウスにおいて肥満の発生を阻害すると報告された(Shin et al., 2009)。
しかし、既存の肥満を有する成人ヒトにおける体重に対するNrf2活性化の効果は報告されていない。バルドキソロンメチル(BARD)の臨床試験の過程で、慢性腎疾患および2型糖尿病を有する患者において、本発明者らは、バルドキソロンメチルで処置した本質的にすべての患者が2ヶ月間にかけて有意な量の体重を減少させたことに注目した。試験の一次的目的は、腎機能に関連するパラメータに対するBARDの効果を調査することにあり、二次的エンドポイントは血糖コントロールおよび心血管疾患に関連していた。体重測定値をこの試験の安全性データセットの日常的構成要素とした。BARDによる処置は、腎機能の尺度(血清クレアチニン、推定糸球体濾過率、血清リン、血中尿素窒素および尿酸血)、血糖コントロールの尺度(空腹時血糖およびヘモグロビンA1cの割合)、ならびに心血管疾患の尺度(循環内皮細胞)の統計上有意な改善を生成した。肥満関連疾患に関連する種々の尺度を同時に改善しながら体重減少を促進するBARDの能力は偶然でかつ前例のないものである。
腎機能、血糖コントロール、インスリン抵抗性および心血管疾患の尺度に対する薬物の効果を測定するように設計された、2型糖尿病および慢性腎疾患を有する患者におけるバルドキソロンメチルの臨床試験において、すべてのこれらのパラメータの明らかな改善が注目された。以下の実施例1を参照。患者はバルドキソロンメチル25mgを1日1回、28日間受け取った後、75mgを1日1回、28日間受け取った。この試験において、プロトコールは、患者の体重をベースライン(D-1=投薬開始1日前)、第28日および第56日に測定すると規定した。体重データは、試験を開始した1名の患者以外の全員が入手可能とした(この患者についてベースライン体重は記録しなかった)。残りの患者において、17名中14名が第28日に体重を減少させ(平均体重減少はベースライン体重の1.6%)、17名中17名が第56日に体重を減少させた(平均体重減少はベースラインの3.7%、中央値は3.1%)。ベースライン体重が入手可能でなかった患者を含むすべての患者が第28日〜第56日に体重を減少させた。これらの患者の大多数は過体重または臨床的に肥満であった(平均ベースライン体重は101kg)。表1に示すように、3名を除くすべての患者が第-1日〜第56日にベースライン体重の2%超を減少させた。一般に、薬物はこれらの患者において非常によく耐容された。
効果(体重減少、ならびに血糖コントロール、心血管疾患および腎機能に関連する尺度の改善)のこの組み合わせは非常に有用である。上記のように、体重減少を誘導する能力を示した多くの薬物は、許容されない副作用も示した。バルドキソロンメチルは、その優れた耐容性プロファイル全体に加えて、いくつかの重大な肥満関連疾患に関連する尺度における有益な効果を示した。
バルドキソロンメチルの12ヶ月毒性試験もカニクイザルに対して行い、体重をモニタリングした。すべての動物は健康で、試験開始時点での年齢について正常体重内であった。興味深いことに、バルドキソロンメチルで処置した動物のすべての群は第26週と第50週との両方において有意な量の体重を増加させた。これは、BARDが無差別に体重減少を誘導するわけではないという観察と一致している。代わりに、いくつかの態様では、その効果は、過体重および/または肥満である患者に選択的であるようである。
B. 腎不全
血液からの代謝老廃物の不十分なクリアランスおよび血中の電解質の異常な濃度を生じさせる、腎不全は、世界の至る所、特に先進国において重大な医学的問題である。その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2009/0326063A1号を参照。糖尿病および高血圧は、慢性腎疾患(CKD)としても知られる慢性腎不全の最も重要な原因のひとつであるが、それはループスなどの他の状態にも関連している。急性腎不全は、特定の薬物(例えばアセトアミノフェン)もしくは有毒化学物質に対する曝露、またはショックもしくは移植などの外科的手順に関連する虚血再灌流障害により生じることがあり、慢性腎不全を生じさせることがある。多くの患者では、腎不全は、患者が生存を続けるために定期的な透析または腎移植を必要とする段階に進む。これらの手順のいずれも非常に侵襲的であり、著しい副作用および生活の質の問題に関連している。副甲状腺機能亢進症および高リン血症などの腎不全のいくつかの合併症には有効な処置薬が存在するが、腎不全の根本的な進行を停止または逆転させる利用可能な処置薬はわかっていない。したがって、損なわれた腎機能を改善可能な薬剤は、腎不全の処置における著しい進歩を意味するであろう。
炎症はCKDの病理に著しく寄与する。酸化ストレスと腎機能障害との間にも強力な機構的結びつきが存在する。最終的に腎臓に傷害を与える炎症反応を生じさせる単球/マクロファージの動員を担うケモカインであるMCP-1の転写をNF-κBが制御する際に、NF-κBシグナル伝達経路はCKDの進行において重要な役割を果たす(Wardle, 2001)。Keap1/Nrf2/ARE経路は、ヘムオキシゲナーゼ1 (HO-1)を含む抗酸化酵素をコードするいくつかの遺伝子の転写を調節する。雌マウスにおけるNrf2遺伝子の切除はループス様糸球体腎炎を発生させる(Yoh et al., 2001)。さらに、いくつかの研究は、HO-1の発現が腎損傷および炎症に応答して誘導され、この酵素ならびにその産物のビリルビンおよび一酸化炭素が腎臓において保護的役割を果たすことを示した(Nath et al., 2006)。
糸球体および周囲のボーマン嚢は腎臓の基本的機能単位を構成する。糸球体濾過率(GFR)は腎機能の標準的尺度である。GFRの測定にはクレアチニンクリアランスが一般的に使用される。しかし、クレアチニンクリアランスの代替尺度としては血清クレアチニンレベルが一般的に使用される。例えば、不十分な腎機能を示すために血清クレアチニンレベルの過剰が一般に許容され、腎機能の改善の指標として経時的な血清クレアチニンの減少が許容される。正常な血中クレアチニンレベルは、成人男性では1デシリットル(dl)当たり約0.6〜1.2ミリグラム(mg)、成人女性では1デシリットル当たり0.5〜1.1ミリグラムである。
急性腎傷害(AKI)は、虚血再灌流、シスプラチンおよびラパマイシンなどの特定の薬理学的薬剤での処置、ならびに医学イメージングで使用する造影剤の静脈内注射の後に生じることがある。CKDの場合と同様に、炎症および酸化ストレスはAKIの病理に寄与する。造影剤誘導性腎症(RCN)の根本的な分子機構は十分に理解されていないが、血管収縮の持続、腎臓自己調節の障害、および造影剤の直接の毒性を含む事象の組み合わせは、いずれも腎不全に寄与する可能性が高い(Tumlin et al., 2006)。血管収縮は、腎血流量を減少させ、虚血再灌流および活性酸素種の産生を引き起こす。HO-1は、これらの条件下で強力に誘導されるものであり、腎臓を含むいくつかの異なる臓器において虚血再灌流障害を予防することが示された(Nath et al., 2006)。具体的には、HO-1の誘導はRCNのラットモデルにおいて保護的であることがわかった(Goodman et al., 2007)。再灌流も、部分的にはNF-κBシグナル伝達を通じて炎症反応を誘導する(Nichols, 2004)。臓器損傷を予防する治療戦略としてNF-κBの標的化が提案された(Zingarelli et al., 2003)。
C. 心血管疾患
心血管(CV)疾患は、世界中で最も重要な死亡原因の1つであり、多くの先進国では最大の死因である。その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2009/0326063A1号を参照。CV疾患の病因は複雑であるが、原因の大部分は、決定的な臓器または組織に対する不十分なまたは完全に中断した血液供給に関係している。多くの場合、そのような状態は1つまたは複数の動脈硬化巣の破裂により生じ、これは決定的な血管において血流を遮断する血栓の形成につながる。そのような血栓症は心発作の主な原因であり、心発作では冠動脈のうち1つまたは複数が遮断され、心臓それ自体に対する血流が中断される。生じる虚血は、虚血事象中の酸素の欠乏と、血流が修復された後のフリーラジカルの過度の形成(虚血再灌流障害として知られる現象)との両方により、心臓組織に対する損傷が大きい。脳血栓中、大脳動脈または他の主な血管が血栓症により遮断される際に、同様の損傷が脳内で生じる。対照的に、出血性脳卒中は、血管の破裂および周囲の脳組織に対する出血を包含する。これは、大量の遊離ヘムおよび他の活性種の存在による出血の直近区域における酸化ストレス、ならびに損なわれた血流による脳の他の部分における虚血を作り出す。脳血管攣縮を多くの場合伴うくも膜下出血も、脳内で虚血再灌流障害を引き起こす。
あるいは、アテローム性動脈硬化症が決定的な血管において非常に広範であるため、狭窄(動脈の狭小化)が発生し、決定的な臓器(心臓を含む)に対する血流が慢性的に不十分であるということがある。そのような慢性虚血は、うっ血性心不全に関連する心肥大を含む多くの種類の終末器官損傷につながることがある。
心血管疾患の多くの形態につながる根本的な欠陥であるアテローム性動脈硬化症は、血管平滑筋細胞の増殖および患部に対する白血球の浸潤を包含する炎症反応を動脈の裏層(内皮)の身体的欠陥または傷害が誘発する場合に生じる。最終的に、上記細胞とコレステロール保持リポタンパク質および他の材料の沈着物との組み合わせで構成される、動脈硬化巣として知られる合併病変が形成されることがある(例えばHansson and Anton, 2006)。
心血管疾患の薬学的処置としては血圧、またはコレステロールおよびリポタンパク質の循環レベルを低下させるよう意図される薬物の使用などの予防的処置、ならびに血小板および他の血液細胞の付着細胞を減少させ(それによりプラーク進行の速度および血栓形成の危険性を減少させる)ように設計される処置が挙げられる。最近になって、ストレプトキナーゼおよび組織プラスミノーゲンアクチベーターなどの薬物が、血栓を溶解させかつ血流を修復するために導入され、使用されている。外科的処置としては、代替的血液供給を作り出す冠動脈バイパス術、プラーク組織を圧縮しかつ動脈内腔の直径を増加させるバルーン血管形成術、および頸動脈におけるプラーク組織を除去する頸動脈内膜剥離術が挙げられる。そのような処置、特にバルーン血管形成術は、患部において動脈壁を支持しかつ血管を開放状に維持するよう設計されている拡張可能なメッシュ管であるステントの使用を伴うことがある。最近、患部において術後再狭窄(動脈の再狭小化)を予防するために、薬物溶出性ステントの使用が一般的になってきている。これらのデバイスは、細胞増殖を阻害する薬物(例えばパクリタキセルまたはラパマイシン)を含有する生体適合性ポリマーマトリックスでコーティングされたワイヤステントである。このポリマーは、患部における薬物の緩徐な限局性の放出と、非標的組織の最小限の曝露とを可能にする。そのような処置が与える著しい利点にもかかわらず、心血管疾患による死亡率は依然として高く、心血管疾患の処置における満たされていない著しい要求が残存している。
先に記したように、HO-1の誘導は心血管疾患の種々のモデルにおいて有益であることがわかっており、低レベルのHO-1発現はCV疾患の高リスクに臨床的に相関している。したがって、アテローム性動脈硬化症、高血圧、心筋梗塞、慢性心不全、脳卒中、くも膜下出血および再狭窄を含むがそれに限定されない種々の心血管障害の処置または予防に、本明細書に開示される化合物を使用することができる。
D. 糖尿病
糖尿病は、グルコースの循環レベルを身体が制御することの失敗を特徴とする複合疾患である。その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2009/0326063A1号を参照。この失敗は、各種組織におけるグルコースの産生と吸収との両方を制御するペプチドホルモンであるインスリンの欠乏により生じることがある。インスリンの欠乏は、筋肉、脂肪および他の組織がグルコースを適切に吸収する能力を損ない、高血糖(異常に高レベルの血中グルコース)につながる。最も一般的には、そのようなインスリン欠乏は、膵臓の島細胞での不十分な産生により生じる。大部分の場合では、これは、1型糖尿病または若年発症糖尿病として知られる状態である、これらの細胞の自己免疫破壊により生じるが、身体外傷または何らかの他の原因によることもある。
筋肉細胞および脂肪細胞がインスリンに対して応答性が低くなり、グルコースを適切に吸収せず、高血糖を生じさせる場合に、糖尿病が生じることもある。この現象はインスリン抵抗性として知られて、生じる状態は2型糖尿病として知られている。最も一般的な種類である2型糖尿病は、肥満および高血圧に非常に関連している。肥満は、インスリン抵抗性の発生に大きな役割を果たすと考えられる脂肪組織の炎症状態に関連している(例えば、Hotamisligil, 2006; Guilherme et al., 2008)。
糖尿病は多くの組織の損傷に関連しており、これは主として、高血糖(および過剰なまたは不適切な回数の用量のインスリンにより生じることがある低血糖)が著しい酸化ストレス源であるためである。慢性腎不全、網膜症、末梢神経障害、末梢血管炎、および緩徐に治癒するかまたは全く治癒しない皮膚潰瘍の発生が、糖尿病の一般的な合併症の1つである。本明細書に開示される化合物は、特にHO-1発現の誘導により酸化ストレスに対して保護するそれらの能力により、多くの糖尿病合併症の処置に使用することができる。先に記したように(Cai et al., 2005)、肝臓における慢性炎症および酸化ストレスが2型糖尿病の発生の主要な寄与要因であると疑われる。さらに、チアゾリジンジオンなどのPPARγアゴニストは、インスリン抵抗性を減少可能であり、また2型糖尿病の有効な処置薬であることが知られている。
本出願に提示されるものを含む得られた実験結果に基づき、本発明の化合物および方法は神経炎症を有する患者の処置用に用いられ得る。
糖尿病の処置の効果を以下のように評価することができる。可能であれば、処置様式の生物学的有効性と臨床的有効性との両方を評価する。例えば、この疾患は血糖増加によりそれ自体顕在化するため、処置の生物学的有効性を、例えば高血糖から正常血糖への回帰の観察により評価することができる。例えば6ヶ月の期間後にb細胞の再生の指標を与え得る臨床エンドポイントの測定は、処置レジメンの臨床的有効性の指標を与えることができる。
E. 肝疾患
肝疾患(肝疾患(hepatic disease)とも呼ばれる)は、肝臓を冒す任意の単一数の疾患を記述する広義の用語である。多くは、系内のビリルビンのレベル増加が引き起こす黄疸を伴う。ビリルビンは死赤血球のヘモグロビンの分解により生じ、通常は、肝臓は血液からビリルビンを除去し、胆汁を通じてそれを排出する。
各種の肝疾患としては以下が挙げられる:
各種ウイルスにより主に引き起こされるがいくつかの毒(例えばアルコール)、自己免疫(自己免疫性肝炎)または遺伝的条件によっても引き起こされる肝臓の炎症である、肝炎;
肥満に関連しかつ肝臓中の脂肪の豊富さを特徴とする疾患の範囲である非アルコール性脂肪肝疾患。肝炎、すなわち脂肪性肝炎および/または肝硬変を導くことがある;
ウイルス性肝炎、アルコール依存症、または他の肝毒性化学物質との接触により引き起こされる肝硬変(死肝細胞を置き換える肝臓中の線維組織の形成);
体内で鉄の蓄積を引き起こし、最終的に肝損傷を導く遺伝性疾患であるヘモクロマトーシス;
肝がん(原発性肝細胞がんまたは胆管細胞がん、および通常は胃腸管の他の部分からの転移性がん);
身体に銅を保持させる遺伝性疾患であるウィルソン病;
胆管の炎症性疾患であり、おそらくは本質的に自己免疫性である原発性硬化性胆管炎;
小さな胆管の自己免疫疾患である原発性胆汁性肝硬変;
肝静脈の閉塞であるバッド・キアリ症候群;
人口の約5%に見られるビリルビン代謝の遺伝的障害であるジルベール症候群; ならびに
全身の進行性筋力低下(ミオパチー)を引き起こしかつ特に心臓、骨格筋、肝臓および神経系中の各種身体組織を冒す、グリコーゲンの蓄積である、糖原病II型。
いくつか挙げれば胆道閉鎖、α1-アンチトリプシン欠損症、アラジール症候群および進行性家族性肝内胆汁うっ滞症を含む多くの小児科肝疾患も存在する。
肝疾患の外的徴候としては舌苔、口臭、皮膚のかゆみ、過剰発汗、不快な体臭、眼の下のくま、眼の発赤、腫脹およびかゆみ、酒さ性ざ瘡、皮膚上の褐色斑および褐色斑点、顔面紅潮、または顔面血管過剰が挙げられる。他の症状としては黄疸、暗色尿、白色便、骨量減少、容易な出血、皮膚に見られるかゆい小さな蜘蛛状の血管、脾腫、腹水、悪寒、胆道痛または膵臓痛、および胆嚢腫大が挙げられる。
肝機能障害に関連する症状としては、身体的徴候と、消化の問題、血糖の問題、免疫障害、脂肪の異常吸収、および代謝の問題に関連する種々の症状との両方が挙げられる。脂肪の吸収障害は、消化障害、逆流、脂溶性ビタミンの欠乏、痔、胆石、脂肪食不耐性、アルコール不耐性、悪心および嘔吐発作、腹部膨満、ならびに便秘を含む症状を導き得る。
神経系障害としてはうつ病、気分変動、特に怒りおよび易怒性、集中力低下および「朦朧とした頭」、身体、特に顔面および胴体の過熱、ならびに、悪心に関連する再発性頭痛(偏頭痛を含む)が挙げられる。血糖の問題としては、糖への欲求、低血糖および不安定な血糖値、ならびに2型糖尿病の発症が挙げられる。
血流中の脂肪のレベルの異常としては高レベルまたは低レベルの脂質が挙げられる。高コレステロール血症は、LDLコレステロール上昇、HDLコレステロール減少、トリグリセリド上昇、高血圧、心臓発作および脳卒中を導く動脈閉塞、他の身体臓器中の脂肪の蓄積(臓器の脂肪変性)、皮膚中の脂肪の塊(脂肪腫および他の脂肪性腫瘍)、過剰な体重増加(肥満を導き得る)、ダイエット中であっても体重を減少させる能力がないこと、緩慢な代謝、尖腹(太鼓腹)、セルライト、ならびに/または脂肪肝を含む。低コレステロール血症は、低総コレステロール、低LDLおよびVLDLコレステロール、ならびに/または低トリグリセリドである。
いくつかの肝機能試験が、肝臓の適切な機能を試験するために利用可能である。これらは、肝臓の組織、代謝産物または生成物中に通常は最も豊富にある血中酵素の存在について試験する。アルコール誘発性肝疾患が疑われる場合、血液試験および画像診断試験(MRI、CTスキャンまたは超音波)が診断において、また肝疾患の他の原因を除外するために役立ち得るが、証拠は肝生検によって最もよく確立される。
肝臓に血液を供給する静脈および動脈を調査するために、肝血管造影として知られる特定のX線が使用される。通常、X線は、CTスキャンまたはMRIが決定的情報を示さない場合にのみ要求される。肝血管造影の間、薄い可撓性の管が鼠径部への切り込みを通じて血管に挿入される。次に色素が挿入されて、より良い可視化のために血管を照らし出す。この手順は局所麻酔下で一般に行われ、痛くはないが不快ではあり得る。
医学的画像診断試験によって、医師は、患者の内臓および組織の静止画および動画を見ることで患者を検査することが可能になる。患者が受ける必要があり得る最初の試験の1つが超音波である。これは、放射線を利用しないことから、決して患者に有害ではない日常的手順である。通常、それを完了するのに最大15分かかる。手順を行う前にゲルを皮膚に塗布する。その主目的は、容易な移動を促進すること、および、音波が皮膚を確実に通過するようにすることにある。固体の塊を、放射線科医がモニタ上で見る画像に変換する。写真を記録し、放射線科医は報告を行い、この報告について特定のアポイントメントの間に患者の医師と話し合いが行われる。
CTスキャンまたはコンピュータ断層撮影は、身体の臓器および組織の写真を得るために使用される無痛の手順である。超音波とは異なり、CTスキャンは放射線を使用するが危険性は最小限である。CTスキャナにより撮影される断層像は、肺、骨、軟部組織および血管に異常があるか否かを示し得る。それは大部分が腹部および胸部を調査するために使用され、最大30分かかることがある。CTスキャナは大きな機械であり、その中で患者を前方および後方に移動させる。試験を行う前に、患者の静脈にヨウ素色素を注入し、これは、血管および腎臓を可視化するのに役立ち、かつ、肝臓および他の臓器中の正常組織と異常組織との間の差を観察することをより容易にする。
磁気共鳴画像診断(MRI)は、CTスキャンよりも詳細な画像を得ることが可能である。それは新たな技術であり、一種のチューブ型スキャナが、高周波エネルギーを放出することで磁界を作り出すために使用される。MRIは大部分が、処置の前および後に腫瘍を観察および調査するために使用される。それは痛い手順ではなく、定型的なスキャンセッションは通常30分を超えることはない。しかし、一部の患者はスキャンの間に閉所恐怖を感じることがある。特定の移植片を有する患者の一部は、体内の金属の存在が理由でMRIを受けることができない。
肝疾患の処置は、状態の種類に応じて異なる。肝疾患は、肝臓の適切な機能に影響する。通常、肝疾患の処置は症状および合併症の軽減に向けられる。大部分の時間は危険因子を回避することに重点が置かれる。
すべての種類の肝炎は、嘔吐および下痢が引き起こす脱水症状が理由で、静脈内治療液により対処される。通常、その症状が重度ではない患者は在宅で疾患を処置することができ、その他の場合では入院が必要であり得る。悪心および嘔吐の薬物療法も利用可能である。B型およびC型肝炎は慢性になり得るものであり、残念ながらこれが起こるのを予防できる薬物療法は存在しない。B型肝炎が慢性になると、抗ウイルス薬で処置することができるが、この種類の薬物療法はすべての患者に有効であるわけではない。慢性C型肝炎は、リバビリンと呼ばれる抗ウイルス薬と併用可能ないわゆるペグ化インターフェロンα薬(ペガシスまたはペグイントロン)で処置される。慢性B型およびC型肝炎の処置は、肝臓の機能に関するいくつかの試験の結果に基づいて与えられ、実行される薬物療法の種類は、胃腸科医および肝臓専門医に相談した後に決定される。しかし、C型肝炎を処置するためのインターフェロンの使用は、活性アルコール乱用または薬物乱用の場合や、うつ病、自己免疫疾患または低ヘモグロビンレベルの場合に制限されることがある。
肝硬変の処置は主に合併症の軽減に向けられる。薬物療法を使用して根底にある原因を処置することができる。これらの一部としてはステロイド、ペニシラミン、およびコルヒチンなどの抗炎症薬が挙げられる。それらの効果はまだ調査中であり、現時点では患者の状態を改善するようには思われない。門脈圧亢進症が引き起こす肝硬変は、血圧を低下させるβ遮断薬で処置することができる。
VI.薬学的製剤および投与経路
本開示の化合物を種々の方法で、例えば経口的にまたは注射(例えば皮下、静脈内、腹腔内など)で投与することができる。投与経路に応じて、活性化合物を材料中にコーティングすることで、化合物を不活性化し得る酸の作用および他の自然条件から化合物を保護することができる。疾患または創傷部位の持続灌流/点滴によりそれらを投与することもできる。
本開示の化合物は、固体分散体としてを含む、様々な方法で、製剤化および/または調製されてもよい。その全体が参照により本明細書に組み入れられるPCT公開WO2010/093944を参照。
非経口投与以外で治療用化合物を投与するには、化合物をその不活性化を防ぐ材料でコーティングするかまたは化合物をそれと同時投与することが必要なことがある。例えば、治療用化合物を適切な担体、例えばリポソーム、または希釈剤中で患者に投与することがある。薬学的に許容される希釈剤としては食塩水および緩衝水溶液が挙げられる。リポソームとしては水中油中水型CGF乳濁液および慣行的リポソームが挙げられる(Strejan et al., 1984)。
治療用化合物を非経口投与、腹腔内投与、脊髄内投与または脳内投与することもできる。分散液または半流動分散液をグリセリン、液体ポリエチレングリコールおよびその混合物中、ならびに油中で調製することができる。普通の保管および使用条件下で、これらの製剤は、微生物の増殖を防ぐための防腐剤を含有し得る。
注射での使用に好適な薬学的組成物としては、滅菌水溶液(水溶性の場合)または懸濁液、および滅菌注射用溶液または懸濁液の即時調製用の滅菌粉末が挙げられる。いずれの場合でも、組成物は滅菌されていなければならず、容易なシリンジ注入可能性が存在する程度に流動的でなければならない。それは製造条件および保管条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。担体は、水、エタノール、ポリオール(グリセリン、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなどの)、その好適な混合物、ならびに植物油を例えば含有する溶媒または分散媒体であり得る。例えば、レシチンなどのコーティングの使用、分散液の場合の必要な粒径の維持、および界面活性剤の使用により、適当な流動性を維持することができる。微生物の作用の阻止を各種抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどで実現することができる。多くの場合、等張化剤、例えば糖、塩化ナトリウム、またはマンニトールおよびソルビトールなどの多価アルコールを組成物中に含むことが好ましい。注射用組成物の長期吸収を、組成物中に吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムまたはゼラチンを含んでもたらすことができる。
所要量の治療用化合物を適切な溶媒中に、先に列挙した成分のうち1つまたは組み合わせを必要に応じて組み入れた後、濾過滅菌を行うことで、滅菌注射用溶液を調製することができる。一般に、塩基性分散媒体および先に列挙したものからの必要な他の成分を含有する滅菌担体に治療用化合物を組み入れることで、分散液は調製される。滅菌注射用溶液の調製用の滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、有効成分(すなわち治療用化合物)と任意のさらなる所望の成分との粉末を、既に滅菌濾過したその溶液から得る、真空乾燥および凍結乾燥である。
治療用化合物を、例えば不活性希釈剤または同化可能な食用担体と共に経口投与することができる。治療用化合物および他の成分を硬もしくは軟シェルゼラチンカプセルに封入するか、錠剤に圧縮するか、または対象の食事に直接組み入れることもできる。いくつかの態様では、バルドキソロンメチルなどの化合物は、カプセルとして製剤化される。治療用経口投与では、治療用化合物を賦形剤と共に組み入れて、経口摂取用錠剤、バッカル錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁液剤、シロップ剤、オブラート剤などの形態で使用することができる。いくつかの態様では、バルドキソロンメチルなどの化合物は、摂取可能な錠剤として製剤化される。組成物および製剤中の治療用化合物の割合は当然異なり得る。そのような治療上有用な組成物中の治療用化合物の量は、好適な投与量が得られる量である。
いくつかの態様では、ヒト患者の治療用化合物の一日量は5mg〜500mgである。いくつかのこれらの態様では、用量は10mg〜300mgである。いくつかのこれらの態様では、用量は10mg〜250mgである。いくつかのこれらの態様では、用量は25mg〜150mgである。例えば、いくつかの態様では、バルドキソロンメチルの一日量は約25mg、約75mgまたは約150mgである。いくつかの態様では、バルドキソロンメチル約25mg、約75mgまたは約150mgを賦形剤および/または他の薬学的に好適な成分と共に、摂取可能なカプセル剤または錠剤に組み込むことができる。いくつかのこれらの態様では、バルドキソロンメチルの形態は形態Aである。
いくつかの態様では、ヒト患者の治療用化合物の一日量は5mg〜50mgである。いくつかのこれらの態様では、用量は10mg〜40mgである。例えば、いくつかの態様では、バルドキソロンメチルの一日量は約10mg、約20mgまたは約40mgである。いくつかの態様では、バルドキソロンメチル約10mg、約20mgまたは約40mgを賦形剤および/または他の薬学的に好適な成分と共に、摂取可能なカプセル剤または錠剤に組み込むことができる。いくつかのこれらの態様では、バルドキソロンメチルの形態は形態Bである。いくつかのこれらの態様では、バルドキソロンメチルの形態は形態Bの固体分散体である。例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられるPCT公開WO 2010/093944号を参照。
投与の容易さおよび投与量の均一性が理由で、単位剤形で非経口組成物を製剤化することが特に有利である。本明細書で使用する単位剤形とは、処置される対象用の単位投与量として適した物理的に別々の単位を意味し、各単位は、所要の薬学担体と共同して所望の治療効果を生成するように計算される所定量の治療用化合物を含む。本発明の単位剤形の規格は(a) 治療用化合物の独自の特徴、および実現すべき特定の治療効果、ならびに(b) 患者における選択される状態の処置用にそのような治療用化合物を調合する当技術分野に内在的な限界により決定づけられかつそれに直接依存する。
患者における状態に関連する状態を処置するために十分な治療有効投与量で、活性化合物を投与する。例えば、実施例および図面に示すモデル系などの、ヒトにおいて疾患を処置する上での有効性を予測可能な動物モデル系において、化合物の有効性を評価することができる。
対象に投与される本開示の化合物または本開示の化合物を含む組成物の実際の投与量は、年齢、性別、体重、状態の重症度、処置される疾患の種類、以前のまたは同時の治療介入、対象の特発性、および投与経路などの身体的および生理的要因により決定することができる。これらの要因は当業者が決定可能である。典型的には、投与を担う開業医は、組成物中の有効成分の濃度、および個々の対象に適切な用量を決定する。任意の合併症に際しては、個々の医師が投与量を調整することができる。
上に開示される投与量に加え、本化合物の有効量は、毎日、1日間または数日間の1回または複数回の用量投与において、約0.001mg/kg〜約1000mg/kg、約0.01mg/kg〜約750mg/kg、約100mg/kg〜約500mg/kg、約1.0mg/kg〜約250mg/kg、約10.0mg/kg〜約150mg/kgで変動してもよい(当然、投与様式および先に論じた要因に依存する)。他の好適な用量範囲としては1日当たり1mg〜10000mg、1日当たり100mg〜10000mg、1日当たり500mg〜10000mg、および1日当たり500mg〜1000mgが挙げられる。いくつかの特定の態様では、量は1日当たり10,000mg未満、1日当たり750mg〜9000mgの範囲である。
有効量は、500mg/kg/日未満、250mg/kg/日未満、100mg/kg/日未満、50mg/kg/日未満、25mg/kg/日未満、10mg/kg/日未満、または1mg/kg/日未満であり得る。あるいは、それは1mg/kg/日〜200mg/kg/日の範囲であり得る。例えば、糖尿病患者の処置に関して、単位投与量は、未処置対象に比べて血糖を少なくとも40%減少させる量であり得る。別の態様では、単位投与量は、非糖尿病対象の血糖値の±10%であるレベルまで血糖を減少させる量である。
他の非限定的な例では、用量は、投与1回当たり約1マイクログラム/kg/体重、約5マイクログラム/kg/体重、約10マイクログラム/kg/体重、約50マイクログラム/kg/体重、約100マイクログラム/kg/体重、約200マイクログラム/kg/体重、約350マイクログラム/kg/体重、約500マイクログラム/kg/体重、約1ミリグラム/kg/体重、約5ミリグラム/kg/体重、約10ミリグラム/kg/体重、約50ミリグラム/kg/体重、約100ミリグラム/kg/体重、約200ミリグラム/kg/体重、約350ミリグラム/kg/体重、約500ミリグラム/kg/体重〜約1000mg/kg/体重以上、およびその中の導出可能な任意の範囲も含み得る。ここで列挙した数字から導出可能な範囲の非限定的な例では、約5mg/kg/体重〜約100mg/kg/体重、約5マイクログラム/kg/体重〜約500ミリグラム/kg/体重などの範囲を、先に記載の数字に基づいて投与することができる。
いくつかの態様では、本開示の薬学的組成物は、例えば少なくとも約0.1%の本開示の化合物を含み得る。他の態様では、本開示の化合物は、例えば単位の重量の約2%〜約75%、または約25%〜約60%、およびその中の導出可能な任意の範囲を占めることができる。
単一用量または複数回用量の薬剤が企図される。複数回用量の送達用の所望の時間間隔は、日常的でしかない実験法を使用する当業者が決定することができる。一例として、約12時間の間隔で2用量を毎日対象に投与することができる。いくつかの態様では、薬剤を1日1回投与する。
薬剤を日常的スケジュールで投与することができる。本明細書で使用する日常的スケジュールとは、所定の指定された期間を意味する。日常的スケジュールは、そのスケジュールが所定のものである限り、長さが同一であるかまたは異なる期間を包含し得る。例えば、日常的スケジュールは、1日2回、毎日、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、毎週、毎月、またはその中で設定される任意の数の日もしくは週毎の投与を包含し得る。あるいは、所定の日常的スケジュールは、最初の1週間は毎日2回、続いて数ヶ月は毎日1回の投与などを包含し得る。他の態様では、本発明は、薬剤を経口摂取可能な日常的スケジュール、およびそのタイミングが食物摂取に依存するかまたは依存しない日常的スケジュールを提供する。したがって、例えば、対象が摂食したかまたはこれから摂食するかにかかわらず、薬剤を毎朝および/または毎晩摂取することができる。
VII.併用療法
単独療法としての使用に加えて、本発明の化合物は併用療法においても用途を見出す。有効な併用療法は、両薬剤を含む単一の組成物または薬理学的製剤により、または1つの組成物が本発明の化合物を含みかつもう1つが第2の薬剤を含む、同時に投与される2つの別個の組成物または製剤により実現することができる。あるいは、この療法は、数分〜数ヶ月の範囲の間隔で、他の薬剤処置に先行または後続する。
本発明の化合物を「A」とし、「B」が第2の薬剤を表し、その非限定的な例が以下のように記述される場合などの、各種の組み合わせを使用することができる。
Figure 0005990160
他の抗炎症薬が本発明の処置薬との組み合わせで使用可能であることが企図される。例えば、アリールカルボン酸(サリチル酸、アセチルサリチル酸、ジフルニサル、コリンマグネシウムトリサリチレート、サリチレート、ベノリレート、フルフェナム酸、メフェナム酸、メクロフェナム酸およびトリフルミック酸(triflumic acid))、アリールアルカン酸(ジクロフェナク、フェンクロフェナク、アルクロフェナク、フェンチアザク、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、フェンブフェン、スプロフェン、インドプロフェン、チアプロフェン酸、ベノキサプロフェン、ピルプロフェン、トルメチン、ゾメピラック、クロピナク(clopinac)、インドメタシンおよびスリンダク)ならびにエノール酸(フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、アザプロパゾン、フェプラゾン、ピロキシカムおよびイソキシカム)を含む他のCOX阻害剤が使用可能である。参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,025,395号も参照。
アセチル-L-カルニチン、オクタコサノール、月見草油、ビタミンB6、チロシン、フェニルアラニン、ビタミンC、L-ドーパ、またはいくつかの抗酸化剤の組み合わせなどの、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、関節リウマチ、炎症性腸疾患、およびその発症が一酸化窒素(NO)またはプロスタグランジンのいずれかの過剰産生を包含すると考えられるすべての他の疾患の処置または予防における利点が報告された食事および栄養サプリメントを、本発明の化合物との組み合わせで使用することができる。
他の特定の二次治療としては、免疫抑制薬(移植片および自己免疫関連RKD向け)、降圧薬(高血圧関連RKD向け、例えばアンジオテンシン変換酵素阻害剤およびアンジオテンシン受容体遮断薬)、インスリン(糖尿病RKD向け)、脂質/コレステロール低下薬(例えばアトルバスタチンまたはシンバスタチンなどのHMG-CoA還元酵素阻害剤)、CKDに関連する高リン血症または副甲状腺機能亢進症の処置薬(例えばセベラマー酢酸塩、シナカルセト)、透析、ならびに食事制限(例えばタンパク質、塩、液体、カリウム、リン)が挙げられる。
VIII.実施例
以下の実施例は、本発明の好ましい態様を示すために含まれる。以下の実施例で開示される技術が、本発明の実践において十分に機能することを本発明者が発見した技術を代表するものであり、したがってその実践の好ましい様式を構成すると考えることができることを、当業者は認識すべきである。しかし、当業者は、本開示に照らして、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、開示されている具体的な態様に多くの変更を行い、なお類似または同様の結果を得ることができることを認識するはずである。
実施例1
第2相試験の臨床的体重減少データ
腎機能、血糖コントロール、インスリン抵抗性および心血管疾患の尺度に対する薬物の効果を測定するように設計された、2型糖尿病および慢性腎疾患を有する患者におけるバルドキソロンメチルの臨床試験において、すべてのこれらのパラメータの明らかな改善が見られた。その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2009/0326063A1号を参照。
患者はバルドキソロンメチル25mgを1日1回、28日間受け取った(カプセル剤形態で経口投与)後、75mgを1日1回、28日間受け取った(カプセル剤形態で経口投与)。この試験において、プロトコールは、患者の体重をベースライン(D-1=投薬開始1日前)、第28日および第56日に測定すると規定した。体重データは、試験を開始した1名の患者以外の全員が入手可能であった(この患者についてベースライン体重は記録しなかった)。残りの患者において、17名中14名が第28日に体重を減少させ(平均体重減少はベースライン体重の1.6%)、17名中17名が第56日に体重を減少させた(平均体重減少はベースラインの3.7%、中央値は3.1%)。ベースライン体重が入手可能でなかった患者を含むすべての患者が第28日〜第56日に体重を減少させた。これらの患者の大多数は過体重または臨床的に肥満であった(平均ベースライン体重は101kg)。表1に示すように、3名を除くすべての患者が第-1日〜第56日にベースライン体重の2%超を減少させた。一般に、薬物はこれらの患者において非常に良好な耐容性を示した。さらなる患者データを表2および表3に示す。
処置の開始前に、基礎的臨床観察値(例えば体重、血圧、身長)を、血清クレアチニン、血中尿素窒素、血清リン、血清尿酸、アンジオテンシンII、空腹時血糖、ヘモグロビンA1c、循環内皮細胞(CEC)およびiNOS陽性CECのベースライン値と共に記録した。
腎機能に関連するパラメータは処置28日後に有意に改善され(eGFRが約10%増加)、処置56日後にさらに改善された(eGFRがベースラインとの比較で20%超増加)。BUN、血清クレアチニン、尿酸、および尿中アルブミン/クレアチニン比の10%超の減少も観察された。CECおよびiNOS陽性CECの有意な減少も注目された。結果を表4に要約する。
(表1)慢性腎疾患(CKD)患者におけるバルドキソロンメチルに応答した体重のレベルおよび変化パーセント
Figure 0005990160
(表2)さらなる患者データ
Figure 0005990160
(表3)
Figure 0005990160
(表4)体重に関連しない結果
Figure 0005990160
実施例2
サルにおける毒性試験
試験の間、バルドキソロンメチルおよび媒体を1日1回353日間、経口胃管栄養を介してカニクイザルの群に投与した。すべての動物は健康で、試験開始時点での年齢について正常体重内であった。用量レベルは0、30/5、100/30および300mg/kg/日とし、投薬当たり用量3mLで投与した。対照群は処置群と同様にして媒体を受け取った。投与直前に、媒体を含む各動物用のシリンジに各動物用の試験物を加え、第42日(第6週)まで所望の濃度30、100および300mg/mLが実現されるように完全に混ざり合うまでボルテックスした。投与の間、試験物調製物を含む各動物用のシリンジを胃管栄養管を通して押し出した。次に媒体リンス1mLを投薬シリンジに加え、投与した。両方のボリュームの投与の後、媒体の5mL洗浄液を使用することで、胃管栄養管をすすぎ、かつ試験物の全量を確実に動物に投与した。第1日および第28日の全血試料の分析は、3つの用量レベルにわたる曝露の有意な差を示さなかった。したがって、異なる血液曝露を検査することができるように用量レベルを調整した。第7週の間、すべての動物に対する投薬を4日間(第43日〜第46日)停止した。初期用量レベル30および100mg/kg/日をそれぞれ5および30mg/kg/日に減少させ、投薬を第47日〜第353日に再開した。個々の用量は直近の体重に基づいた。この試験の結果を表5に要約する。すべての処置群は試験の間に体重を増加させ、これは、正常体重を有する健康なサルにおいてバルドキソロンメチル処置が体重減少を誘導しないことを示した。
(表5)カニクイザルにおけるバルドキソロンメチルの12ヶ月毒性学試験の体重観察値
Figure 0005990160
実施例3
第2b/3相試験の臨床的体重減少データ
ステージ3bまたはステージ4 CKDおよび2型糖尿病を有する患者における第2b/3相試験において、バルドキソロンメチルの有効性および安全性を試験した。体重測定値は基礎的臨床パラメータとして試験に含まれた。
F. 患者集団
試験は、20〜45mL/分/1.73m2のスクリーニング推定GFR(MDRD式を使用)を有する、中程度〜重度のCKDおよび2型糖尿病を有する成人をランダム化した。スクリーニング推定GFRは、3週間以内に少なくとも5日を空けて収集した2つの推定GFR結果(25%を超えて異なることはない)の平均値として計算した。スクリーニングの少なくとも8週前にアンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断薬、またはその両方によって安定な用量で少なくとも3ヶ月間処置することが必要であり、患者の98%がこの基準を満たしていた。除外基準は1型糖尿病、非糖尿病性腎疾患、10%超のヘモグロビンA1c、450ミリ秒超のQTcフレデリシア(Fredericia)間隔、肝機能障害のエビデンス、および最近の心血管疾患を含んだ。
G. 試験設計
試験は、指定用量レベルに対する用量設定を含む52週間、プラセボ、バルドキソロンメチル25、75または150mgを受け取るように227名の患者を1:1:1:1にランダム化した。試験は4つの期間を有した。(1)21日間のスクリーニング/プラセボ導入; (2)ランダム化用量に到達するための8週間の用量設定期間。薬物を耐容する上で困難を示した患者、または8週間以内の用量設定完了を妨げる異常な検査室試験結果を示した患者においては最大20週間に延長; (3)用量設定の終了から第52週までの用量維持期間; および(4)試験薬物の最終投薬後の4週間の経過観察期間。試験薬物は朝に1日1回、食物摂取の1時間前に経口摂取された。用量設定は以下のように行われた。(1)プラセボ; (2)25mg; (3)25mgを4週間後に75mgに増加; および(4)25mgを4週間後に75mgに増加、さらに4週間後にさらに150mgに増加。ランダム化をCKDステージ(3b対4)、尿中アルブミン対クレアチニン比(ACR; ≦対>300mg/g)、および血糖コントロール(ヘモグロビンA1c<対≧7%)により層別化した。独立したData Safety Monitoring Boardが患者の安全性をモニタリングした。
H. 手順および転帰
推定GFRおよび定期安全性検査室試験を、中央検査室を使用してスクリーニング時およびその後4週ごとに行った。有害事象および臨床検査室パラメータを各訪問時に評価した。主要転帰、すなわち第24週でのベースライン推定GFRからの変化の分析が、すべてのランダム化患者が第24週を完了したかまたは既に試験を中断した後に行われた。調査結果は、第24週でのベースラインからの血清クレアチニン、血中尿素窒素、血清リン、尿酸、ACR、ヘモグロビンA1cおよびインタクト副甲状腺ホルモンの変化を含んだ。
I. 患者特性
処置群は一般にベースライン変数に関して十分にバランスが取れていた(表6)が、プラセボ群は男性の割合が活性群(59%)よりもわずかに低かった(49%)。平均年齢は67歳であった。糖尿病の診断とランダム化との間の平均時間は18年であり、糖尿病は十分に制御され、平均ベースラインヘモグロビンA1cは7.2%であった。試験開始時に、平均推定GFRは32.4mL/分/1.73m2であり、患者の62%はステージ3b CKDを示し、38%はステージ4 CKDを示した。ベースラインACR中央値は596mg/gであった。ACR 300mg/g超(マクロアルブミン尿)、30〜300mg/g(ミクロアルブミン尿)および30mg/g未満をそれぞれ患者の3分の1が構成した。患者の98パーセントはACE阻害剤、ARB治療薬またはその両方を受け取っており、残りの患者は、これらの薬物療法に不耐性であることから、組み入れ基準からの免除を受けた。
J. 主要転帰
第24週に、すべてのバルドキソロンメチル群はベースラインとプラセボ群における変化との両方に対する推定GFRの増加を示し、プラセボと比較した平均増加は25、75および150mg群でそれぞれ8.3±1.1、11.5±1.1および10.6±1.1mL/分/1.73m2であった(すべての群でp<0.001)。プラセボ群は本質的に変化を示さなかった(0.1±1.1mL/分/1.73m2)(表7)。25mg群と75mg群との間の差は統計上有意であった(名目p=0.039)が、75mg群と150mg群との間の差はそうではなかった(p=0.54)。バルドキソロンメチル群では、処置開始4週間以内に推定GFRの増加が観察され、第12週でピークに達し、第24週まで安定なままとどまった(図2)。第24週に、バルドキソロンメチル患者の74%が推定GFRの10%超の増加を経験し、バルドキソロンメチル患者の24%が1名のプラセボ患者と比較して50%超の推定GFRの増加を報告した(データは示さず)。
バルドキソロンメチルで処置した大部分の患者がステージ4からステージ3bへ、またはステージ3bからステージ3aへのCKDステージの改善を経験した。改善パーセントはプラセボ群で17%、25mg群で53%、75mg群で69%、150mg群で61%であった。さらに、CKDステージの悪化を経験した患者は、プラセボ群よりも各バルドキソロンメチル群の方が少なかった(プラセボ群の患者7名[13%]に比較して各バルドキソロンメチル群の患者2名[4%])。
活性処置コホートにおいて体重は経時的に減少した。第24週での平均体重変化は25、75および150mg群でそれぞれ-5.9、-4.7および-5.8kgであり、一方、プラセボ群では体重変化は観察されなかった。
実施例4
12ヶ月間の処置により生じる臨床的体重減少
実施例3に記載の試験の継続において、患者はその指定の処置群(プラセボ、バルドキソロンメチル25mg/日、バルドキソロンメチル75mg/日、バルドキソロンメチル150mg/日)にさらに28週間とどまり、総処置期間は52週間となった。試験の二重盲検構造を52週間にわたって維持した。第52週に、すべての処置群の患者は第24週に対してさらに体重を減少させた。表8に示すように、プラセボ処置患者の21%に比較して、バルドキソロンメチルで処置した患者の少なくとも3分の2が、第52週までに5kg超を減少させた。プラセボ処置患者の6%に比較して、バルドキソロンメチルで処置した患者の約3分の1が、第52週までに10kg超を減少させた。表9は、全52週の処置期間にわたる各群の4週間単位の体重データを示す。すべての群において第52週に処置を中断し(プラセボ群を含む)、最終臨床および検査室測定を第56週に行った。表9のデータは、バルドキソロンメチル処置群の患者が52週間の処置期間にわたって相対的に均一な比率で体重を減少させたことを示す。
(表6)実態的人口統計およびベースライン特性
Figure 0005990160
列ヘッダの数値は各群内のランダム化患者の数である。各行は、関連するデータを有する患者のみのデータを含む。
(表7)縦断的モデルを使用する第24週でのベースラインeGFRからの変化
Figure 0005990160
推定値は、(1)応答変数としてのベースライン後測定値; (2)処置群、時間、処置群-時間相互作用、ならびに連続共変量(ベースラインeGFR、ヘモグロビンA1cおよびACR); ならびに(3)テプリッツ共分散構造を有する縦断的モデルに由来する。
a. 各p値は、平均変化をゼロと比較する試験に由来する。
b. 各p値は、1つのバルドキソロンメチル群とプラセボとの間の平均値の差を比較する試験に由来する。
(表8)ベースラインから第52週までの体重の変化
Figure 0005990160
列ヘッダの数値N(および割合を計算するための分母)は、ベースラインと第52週との両方の体重結果を有する各ランダム化群内の処置患者の数である。
(表9)経時的体重
Figure 0005990160
Figure 0005990160
平均体重について、その時点での測定値を有する各ランダム化群内の処置患者の数を示す。ベースライン体重からの変化について、その時点でのベースラインとベースライン後測定値との両方を有する各ランダム化群内の処置患者の数を示す。
本明細書において開示および特許請求したすべての方法を、本開示に照らして、過度の実験なしに実施および実行することができる。本発明の方法を好ましい態様に関して説明してきたが、本発明の概念、精神および範囲より逸脱することなく、この方法、および本明細書に記載の方法の段階または段階の順序に変動を適用することができることは、当業者には明らかであろう。より具体的には、化学的にかつ生理学的に関連する特定の薬剤で、同一のまたは同様の結果を実現しながら、本明細書に記載の薬剤を代用することができることは明らかであろう。当業者には明らかなすべてのそのような同様の代用物および改変は、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の精神、範囲および概念内にあると見なされる。
参考文献
以下の参考文献は、それらが本明細書に開示の参考文献を補足する例示的な手順上のまたは他の詳細を与える限りにおいて、参照により本明細書に具体的に組み入れられる。
Figure 0005990160
Figure 0005990160
Figure 0005990160

Claims (19)

  1. 体重を減少させる必要があるヒト患者の体重を減少させるのに用いる薬学的組成物であって、下記式の化合物:
    Figure 0005990160
    を含む、薬学的組成物。
  2. (a)患者が慢性腎疾患(CKD)を有さないか;
    (b)患者が腎疾患に罹患していないか;または
    (c)患者が糖尿病性腎症(DN)を有さない、
    請求項1記載の薬学的組成物。
  3. (a)患者が糖尿病を有さないか;
    (b)患者がインスリン抵抗性を有さないか;または
    (c)患者が耐糖能障害を有さない、
    請求項1記載の薬学的組成物。
  4. 患者が心血管疾患を有さない、請求項1記載の薬学的組成物。
  5. 患者が脂肪肝疾患を有さない、請求項1記載の薬学的組成物。
  6. 患者が、メタボリックシンドロームに関連する少なくとも1つのバイオマーカーのレベル上昇を有さない、請求項1記載の薬学的組成物。
  7. 患者ががんを有さない、請求項1記載の薬学的組成物。
  8. (a)患者が自己免疫疾患に罹患していないか;
    (b)患者が呼吸器疾患に罹患していないか;
    (c)患者が神経変性疾患に罹患していないか;
    (d)患者が肝疾患に罹患していないか;または
    (e)患者が感染症に罹患していない;
    請求項1記載の薬学的組成物。
  9. 患者が肥満である、請求項1記載の薬学的組成物。
  10. 該化合物の少なくとも一部分が、13.5°2θでのハロピークを有するX線回折パターン(CuKα)、および120℃〜135℃のTを有する非晶形として存在する、請求項1記載の薬学的組成物。
  11. 化合物が一日量5mg〜50mgで投与されるように用いられる、請求項1〜10のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  12. 一日量が10mg、20mg、または40mgである、請求項11記載の薬学的組成物。
  13. 体重を減少させる必要があるヒト患者の体重を減少させるのに用いる固体分散体であって、下記式の化合物
    Figure 0005990160
    および賦形剤を含む固体分散
  14. 賦形剤が、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体である、請求項13記載の固体分散体
  15. メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体のモノマー比が1:1である、請求項14記載の固体分散体
  16. 患者が過剰な体脂肪を有するか、または過体重である、請求項1記載の薬学的組成物。
  17. 患者が、25kg/m〜30kg/m、30kg/m〜35kg/m、35kg/m〜40kg/m、または40kg/m〜80kg/mの肥満度指数(BMI)を有する、請求項1記載の薬学的組成物。
  18. 患者が、クラスI、クラスII、またはクラスIIIの肥満を示す、請求項1記載の薬学的組成物。
  19. 患者の体重が1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%または65%減少する、請求項1記載の薬学的組成物。
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