JP5989394B2 - マスクブランク用基板の製造方法、マスクブランクの製造方法および転写用マスクの製造方法 - Google Patents

マスクブランク用基板の製造方法、マスクブランクの製造方法および転写用マスクの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、マスクブランク用基板の製造方法、マスクブランクの製造方法および転写用マスクの製造方法に関する。
従来、マスクブランク用基板の製造は、大まかに分けて、(1)合成石英インゴットからマスクブランク用基板の形状に切り出す工程、(2)切り出した基板の主表面、端面および面取り面に対して研削を行う研削工程、(3)研削工程後の基板の主表面、端面および面取り面に対して研磨を行う工程を経て製造される。
主表面の研磨は、両面研磨装置を用いて両面同時に行われる。また、主表面の研磨は多段階の研磨工程を経て、表裏2つの主表面が所定値以下の平坦度、表面粗さを有し、所定値以上の大きさの表面欠陥(凸状欠陥または凹状欠陥)のないマスクブランク用基板が製造される。主表面の研磨では、酸化セリウム等の研磨剤を用いる粗研磨および精密研磨が行われ、さらにコロイダルシリカ等の研磨剤を用いる超精密研磨が1〜2段階行われる。
両面研磨装置の上下研磨定盤の研磨面には研磨パッド(研磨布)が貼り付けられている。研磨される基板は、キャリアに保持され、上下定盤の両研磨パッド間に所定の圧力で挟まれる。そして、キャリアによって、基板は定盤上を自転かつ公転させられ、両主表面が研磨される。
超精密研磨工程後、すなわち所定の研磨がすべて行われた基板の主表面には、所定値以下の高い平坦度、所定値以下の高い表面粗さ、所定値以上の大きさの表面欠陥が存在しないことが求められる。また、この基板から製造されたフォトマスクが、露光装置で使用されるとき、すなわち露光装置のマスクステージにセット(チャック)されたときに基板が変形することは以前より知られている。近年では、その変形後の基板主表面にも高い平坦度が求められる。そして、マスクステージにセットされたときに基板主表面の平坦度が高くなるようにするには、セット前の基板主表面の表面形状が、基板中心付近から外周に向かって高さが下がっていく凸形状が望ましいとされている。ただし、マスクステージのセット後の基板主表面の平坦度がいかに良好でも、セット前の基板主表面の平坦度が悪ければ、セット前後の主表面の変形量が大きいことになる。このような基板から製造されたフォトマスクは、基板主表面上にある転写パターンのセット前後の移動量が大きい。このような基板は、非常に微細な転写パターンを有するフォトマスクを作製するには適さない。よって、セット前の基板主表面においても、所定値以下の高い平坦度であることも、凸形状であることと同時に求められる。
一般に、マスクブランク用基板の主表面は矩形や方形が主流である。主表面の研磨時、基板は、主表面の中心を軸に自転する。通常、研磨レートは、定盤研磨面に対する被研磨面の相対移動速度が速くなるほど大きくなる。基板の中心から最も遠い基板外周側、特に隅部近傍は、相対移動速度が大きくなる傾向があり、優先的に研磨されやすい傾向がある。前記の複数段階の研磨工程の全てで、基板外周側が研磨されやすい傾向の研磨の仕方を行ってしまうと、所望の高い平坦度に仕上げることが難しい。このため、特許文献1に記載のように、複数段の研磨工程のうちの中間の段階では、基板主表面の形状を主表面の外周側、特に4隅が高くなる形状である凹形状にしておき、超精密研磨の段階で、所望の高い平坦度を有する凸形状に仕上げることが行われている。
特開2005−43830号公報
基板主表面の形状を凹形状にするのは、精密研磨の段階で行うことが望ましい。精密研磨後の基板主表面の形状における対称性(基板の中心を通る端面に平行な仮想線に対する線対称性)が高いことが望ましい。コロイダルシリカ砥粒による超精密研磨では、研磨取り代が比較的少ない。精密研磨後の基板が主表面形状の対称性が低い場合(例えば、基板主表面が捩じれた形状)、超精密研磨で基板の対称性を修正することは難しい。
従来、マスクブランク用基板を製造する際、精密研磨工程で使用されている研磨パッドは、基材である不織布の上に、発泡させた樹脂の表面をバフ研磨して開孔を露出させてナップ層を形成させたものが用いられる場合が多い。しかし、前記の研磨パッドは、研磨時の加工圧力で基板主表面に押されたときの沈み込み量(圧縮変形量)が大きい。また、経時変化によるナップ層や不織布のへたれ(劣化により意図した規格から外れてしまうこと)が早い。これらの要因が、対称性の高い主表面形状の基板を安定して製造することを容易ではなくしていることを本発明者は突き止めた。
圧縮変形量が大きくなる要因には、ナップ層に起因する部分と不織布に起因する部分がある。ナップ層に使用する樹脂のモジュラスを高くする(硬さを上げる)と、ナップ層自体の沈み込み量が小さくなり、また耐久性も向上する。しかし、研磨剤が固化した異物や研磨によって生ずる加工片をナップ層内に取り込むことが難しくなる。異物や加工片が基板主表面に強く接触し、傷等の表面欠陥の発生率が増大してしまい、問題となることを本発明者は突き止めた。他方、基材を樹脂シートに代えた場合、基材のへたれは抑制できる。しかし、樹脂シートは弾性が低いため、前記の異物や加工片が基板主表面に接触したときに掛かる力を吸収する特性に欠け、傷等の表面欠陥の発生率が増大してしまい、問題となることも本発明者は突き止めた。
一方、マスクブランク用基板は、主表面に所定値以下の高い平坦度と所望の表面形状が求められているだけでなく、表面粗さについても高い水準(例えば、自乗平方根平均粗さRqで0.2nm以下。)が求められている。酸化セリウム等の研磨剤を用いる精密研磨工程が行われた後の基板では、表面粗さが十分な水準に達しない場合が多い。コロイダルシリカを用いる超精密研磨工程は、基板の主表面の表面粗さを高い水準にすることを主目的としている。しかし、精密研磨工程が行われた後における基板の主表面の表面粗さが悪いと、超精密研磨工程で基板の主表面の表面粗さを所定値以上とするまでに研磨するための時間が必然的に長くなる。超精密研磨工程での研磨時間が長くなると、基板の主表面の外周部の研磨量が多くなり、その結果、超精密研磨工程後における基板の主表面の形状が凸形状の傾向が強くなりすぎ、平坦度が所定値を満たさなくなるという問題が生じる。このため、精密研磨工程後における基板は、主表面の表面粗さについても、所定以上の水準が求められる。
近年、露光光にEUV(Extreme Ultraviolet)光を適用するリソグラフィの研究が活発に行われている。このリソグラフィで使用されるEUV光は、波長が非常に短い(0.0〜100nmの波長帯から選ばれる波長、特に13nm〜14nmの波長)ことから、露光光を反射させることを繰り返して転写対象物に露光転写する反射型リソグラフィが適用されている。このため、反射型リソグラフィで使用される転写用マスク(反射型マスク)は、基板上に露光光を高反射率で反射する多層反射膜と、転写パターンを有する吸収体膜とを少なくとも備えた構造を有している。反射型マスクは、基板の主表面上に非常に膜厚の薄い高屈折率層と低屈折率層が交互に積層した多層反射膜が形成されている。基板の主表面の表面粗さが悪いと、この多層反射膜の積層構造に乱れが生じやすくなる。多層反射膜の積層構造の乱れは露光光の反射率の低下に直結するものであるため、反射型マスクに用いられる基板に対して求められる表面粗さの水準は、露光光を透過させるタイプの転写用マスク、いわゆる透過型マスクに用いられる基板に対して求められる表面粗さの水準よりも大幅に高い(例えば、自乗平方根平均粗さRqで0.15nm以下。)。
精密研磨工程で使用される研磨パッドは、基板の主表面に接する層であるナップ層に使用する樹脂のモジュラスを高くすることで、精密研磨工程後における基板の主表面の平坦度を高くすることができる。しかし、ナップ層の樹脂のモジュラスを高くすると、精密研磨工程後における基板の主表面の表面粗さが悪化することが、本発明者の鋭意研究の結果として判明した。よって、精密研磨工程後における基板の主表面の平坦度、表面形状、表面粗さの全てについて所定の条件を満たすためには、ナップ層の樹脂のモジュラスを所定の範囲内とすることが必要である。
本発明は、主表面が高い平坦度と表面粗さを有し、主表面の対称性が高く、しかも、主表面の表面欠陥が抑制された基板を安定して製造することができるマスクブランク用基板の製造方法を提供することを目的とする。また、その製造方法で製造された基板を用いたマスクブランクの製造方法および転写用マスクの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ナップ層と基材からなる研磨パッド(研磨布)の各種物性と、ナップ層の各種物性と、その研磨パッドを用いて両面研磨された基板の主表面の平坦度(TIR)との関係を調べた。また、ナップ層と基材からなる研磨パッド(研磨布)の各種物性と、ナップ層の各種物性と、その研磨パッドを用いて両面研磨された基板の主表面の表面粗さ(Rq)との関係についても調べた。それらの結果、ナップ層を形成する樹脂のモジュラスと、研磨パッドの圧縮変形量との組み合わせを適正に選定することによって、平坦度(TIR)を極めて高く正負に制御できるとともに表面粗さを所定値以下に制御できることを見出した。
また、ナップ層のモジュラスと、研磨パッドの圧縮変形量との組み合わせを選定することにより、研磨後の基板における主表面の対称性が高く、しかも、主表面の表面欠陥が抑制された基板を安定して製造することができる研磨パッド、並びにこの研磨パッドを用いたマスクブランク用基板の製造方法等が得られることを見出した。
本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
回転面に研磨パッドを備える上下両定盤の両研磨パッド間に、キャリアで保持された基板を挟持し、研磨液を供給しつつ、前記研磨パッドの研磨面に対して基板を相対移動させ、前記基板の両主表面を研磨する研磨工程を備えるマスクブランク用基板の製造方法であって、
前記研磨パッドは、少なくとも、基材と、前記基材上に形成され、表面に開孔を有する発泡した樹脂からなるナップ層とからなり、
前記ナップ層を形成する樹脂の100%モジュラスが11MPa以上20MPa以下であることを特徴とするマスクブランク用基板の製造方法。
(構成2)
回転面に研磨パッドを備える上下両定盤の両研磨パッド間に、キャリアで保持された基板を挟持し、研磨液を供給しつつ、前記研磨パッドの研磨面に対して基板を相対移動させ、前記基板の両主表面を研磨する研磨工程を備えるマスクブランク用基板の製造方法であって、
前記研磨パッドは、基材と、前記基材上に形成される緩衝層と、前記緩衝層上に形成され、表面に開孔を有する発泡した樹脂からなるナップ層とからなり、
前記ナップ層を形成する樹脂の100%モジュラスが11MPa以上20MPa以下であることを特徴とするマスクブランク用基板の製造方法。
(構成3)
前記研磨パッドは、圧縮変形量が40μm以上であることを特徴とする構成1または2に記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成4)
前記研磨液は、酸化セリウム砥粒を含有していることを特徴とする構成1から3のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成5)
前記基板は、主表面の形状が矩形であることを特徴とする構成1から4のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成6)
前記基板は、合成石英ガラスまたは低熱膨張ガラスであることを特徴とする構成1から5のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成7)
前記研磨パッドを用いた研磨工程を行った後の基板は、主表面の自乗平方根表面粗さRqが0.35nm以下であることを特徴とする構成1から6のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成8)
前記緩衝層の厚さは、100μm以上700μm以下であることを特徴とする構成2から7のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成9)
前記ナップ層の厚さは、300μm以上1000μm以下であることを特徴とする構成1から8のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成10)
前記ナップ層の開孔の径は、40μm以上100μm以下であることを特徴とする構成1から9のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成11)
前記緩衝層およびナップ層のいずれか一方又は双方の層は、ポリカーボネート系樹脂を含有する材料からなることを特徴とする構成1から10のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成12)
前記基材は、樹脂フィルム、又は、不織布であることを特徴とする構成1から11のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成13)
前記基材は、ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルムであることを特徴とする構成1から12のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成14)
前記研磨工程で研磨された基板の両主表面に対し、コロイダルシリカ砥粒を含む研磨液による研磨を行う超精密研磨工程を有することを特徴とする構成1から13のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成15)
構成14に記載のマスクブランク用基板の製造方法で製造されたマスクブランク用基板の主表面上に、転写パターン形成用の薄膜を形成することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
(構成16)
構成14に記載のマスクブランク用基板の製造方法で製造されたマスクブランク用基板の一方の主表面上に導電性膜を形成し、他方の主表面上に多層反射膜と転写パターン形成用の薄膜をそれぞれ形成することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
(構成17)
構成15に記載のマスクブランクの製造方法で製造されたマスクブランクにおける前記薄膜をパターニングして、転写パターンを形成することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
(構成18)
構成16に記載のマスクブランクの製造方法で製造されたマスクブランクにおける前記薄膜をパターニングして、転写パターンを形成することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
本発明によれば、主表面が所定値以下の高い平坦度と表面粗さを有し、主表面の対称性が高く、しかも、主表面の表面欠陥が抑制された基板を安定して製造することができる。
ナップ層を形成する樹脂の100%モジュラスおよび圧縮変形量と基板主表面の平坦度(TIR)との関係を示す図である。 ナップ層を形成する樹脂の100%モジュラスおよび圧縮変形量と基板主表面の表面粗さ(Rq)との関係を示す図である。 研磨パッドの圧縮変形量の測定方法を説明するための模式図である。 両面研磨装置の一態様を説明するための模式的断面図である。 実施例で使用した研磨パッドの模式的断面図である。
以下、本発明を実施の形態により詳細に説明する。
本発明のマスクブランク用基板の製造方法は、研磨パッドを備える上下両定盤の両研磨パッド間に、キャリアで保持された基板を挟持し、研磨液を供給しつつ、前記研磨パッドの研磨面に対して基板を相対移動させ、前記基板の両主表面を研磨する研磨工程を備えるマスクブランク用基板の製造方法であって、前記研磨パッドは、少なくとも、基材と、前記基材上に形成され、表面に開孔を有する発泡した樹脂からなるナップ層とからなり、前記ナップ層を形成する樹脂の100%モジュラスが11MPa以上20MPa以下であることを特徴とする(構成1)。
上記構成により、主表面が所定値以下の高い平坦度と表面粗さを有し、研磨後の基板の主表面の対称性が高く、しかも、主表面の表面欠陥が抑制された基板を安定して製造することが可能となる。
また、本発明のマスクブランク用基板の製造方法は、回転面に研磨パッドを備える上下両定盤の両研磨パッド間に、キャリアで保持された基板を挟持し、研磨液を供給しつつ、前記研磨パッドの研磨面に対して基板を相対移動させ、前記基板の両主表面を研磨する研磨工程を備えるマスクブランク用基板の製造方法であって、前記研磨パッドは、基材と、前記基材上に形成される緩衝層と、前記緩衝層上に形成され、表面に開孔を有する発泡した樹脂からなるナップ層とからなり、前記ナップ層を形成する樹脂の100%モジュラスが11MPa以上20MPa以下であることを特徴とする(構成2)。
上記構成により、主表面が所定値以下の高い平坦度と表面粗さを有し、研磨後の基板の主表面の対称性が高く、しかも、主表面の表面欠陥が抑制された基板を、平坦度の正負を制御しつつ安定して製造することが可能となる。
本発明者らは、上記の両面研磨装置で研磨された後における基板の主表面の形状および平坦度を制御するには、研磨面に装着されている研磨パッドの特性を調整することが重要と考えた。特に、ナップ層を有する研磨パッドを用いる場合においては、ナップ層の100%モジュラスと圧縮変形量の調整が必要と考えた。そこで、ナップ層を有する研磨パッドについて、ナップ層の100%モジュラスと、研磨パッド全体での圧縮変形量のパラメータを様々な数値に変えたものを準備した。そして、準備した各研磨パッドを両面研磨装置の上定盤および下定盤の回転面に装着し、複数の基板について主表面の両面研磨を行った。さらに、研磨された各基板の主表面の平坦度(TIR)をそれぞれ測定して平均の平坦度(TIR)を算出した。その上で、ナップ層の100%モジュラスと、研磨パッドの圧縮変形量と、研磨後における基板の主表面の平坦度(TIR)について、それぞれ相関性の有無を検証した(図1)。この図1において、基板の平坦度(TIR)は、円の大きさで示した。
また、前記の研磨された各基板の主表面の自乗平方根表面粗さRqをそれぞれ測定して平均の表面粗さRqを算出した。その上で、ナップ層の100%モジュラスと、研磨パッドの圧縮変形量と、研磨後における基板の主表面の表面粗さRqについて、それぞれ相関性の有無を検証した(図2)。この図2において、基板の表面粗さRqは、円の大きさで示した。なお、後述の通り、この検証で使用された研磨パッドには、基材とナップ層との間に緩衝層を備えるタイプのものと緩衝層を備えないタイプのものが混在している。しかし、緩衝層は、研磨パッド全体での圧縮変形量を調整するために設けられているものである。このため、ナップ層の100%モジュラスが同じであり、かつ研磨パッド全体での圧縮変形量が同じである場合、緩衝層を備えないタイプの研磨パッドと、緩衝層を備えるタイプの研磨パッドとでは、研磨された基板の表面の形状および平坦度はともに同様の傾向を示す。
ここでは、基板の平坦度をTIR(Total Indicated Reading)で示した。TIRは、基板表面の反り(変形量)を表す値で、基板表面を基準として最小自乗法で定められる平面を焦平面とし、この焦平面より上にある基板表面の最も高い位置と、焦平面より下にある基板表面の最も低い位置との高低差の絶対値である。また、この明細書では、特に断りがない限り、平坦度は、研磨後に測定した主表面形状から研磨前に予め測定した基板の主表面形状を差し引いた主表面形状から算出したものである。この検証では、研磨対象の基板には、半導体デバイス用のマスクブランク基板で広く用いられている一辺が6インチ(約152mm形)の四角形のガラス基板(合成石英ガラス基板)を使用した。そして、基板の平坦度(TIR)は、基板の外周縁5mmを除く一辺が142mmの四角形内の領域で算出されたものである。また、平坦度(TIR)が正(+)の場合は、主表面の形状が外周側の高さよりも中央側の高さの方が高い凸形状であることを示す。逆に、平坦度(TIR)が負(−)の場合は、主表面の形状が外周側の高さよりも中央側の高さの方が低い凹形状であることを示す(以下、本発明において同様)。
また、研磨パッドの圧縮変形量とは、図3の下側の図に示すように、研磨パッドの厚み方向に、F=100g/cmの荷重をかけたときの研磨パッドの厚みをtとし、次いで、F=1120g/cmの荷重をかけたときの研磨パッドの厚みをtとしたときに、圧縮変形量(μm)=t−tで表されるものである。また、圧縮率(%)=[(t−t)/t]×100で表される。このとき、図3の上側の図に示すように、定盤上に研磨パッドを載置し、研磨パッド上部から圧子(φ10mm)をストロークスピード0.1mm/minで押圧する、圧縮試験器を用いて測定を行う。なお、この検証の上記以外の条件については後述する。
これらの検証の結果、以下のことが判明した。主表面の平坦度の傾向(図1)で検証した場合、ナップ層の100%モジュラスが11.0MPa以上であると、基板の主表面の平坦度(TIR)が−1.0μm以上となり、主表面の平坦度が悪い凹形状にはならないという相関性があることが判明した。また、ナップ層の100%モジュラスが13.5MPa以上であると、基板の主表面の平坦度(TIR)が−0.6μm以上となり、主表面の平坦度が悪い凹形状にはならないという相関性があることも判明した。さらに、ナップ層が同じ100%モジュラス(24MPa)であっても、研磨パッドの圧縮変形量によって、基板の主表面の平坦度が変化することも同時に判明した。通常、この研磨パッドによる基板の主表面の平坦度を制御することを主目的とする研磨工程(精密研磨工程)後に、基板の主表面の表面粗さを向上することを主目的とする研磨工程(超精密研磨工程)が行われる。この超精密研磨工程では、研磨速度は遅いが、基板の中央側よりも外周側の方が研磨されやすい傾向がある。この点を考慮すると、この研磨パッドによる研磨工程(精密研磨工程)で研磨された基板の主表面は、凸形状であれば、その平坦度(TIR)が少なくとも+0.3μm以下となるように制御することが望まれる。
次に、主表面の表面粗さRqの傾向(図2)で検証した場合、ナップ層の100%モジュラスが20.0MPa以下であると、基板の表面粗さRqが0.35nm以下となるという相関性があることが判明した。通常、この研磨パッドによる基板の主表面の平坦度を制御することを主目的とする研磨工程(精密研磨工程)後に、基板の主表面の表面粗さを向上することを主目的とする研磨工程(超精密研磨工程)が行われる。この超精密研磨工程では、研磨速度は遅いが、基板の中央側よりも外周側の方が研磨されやすい傾向がある。そして、この超精密研磨工程では、研磨時間が長くなるほど、外周側の方が多く研磨される傾向が強くなる。超精密研磨工程は、基板の表面粗さを所定値以下にするために行われる。一般に、透過型マスクに使用されるマスクブランク用基板で、主表面の表面粗さRqが0.2nm以下のものが求められ、反射型マスクに使用されるマスクブランク用基板で、主表面の表面粗さRqが0.15nm以下のものが求められる。精密研磨工程後における基板の主表面が、所定の平坦度と表面形状を有していたとしても、表面粗さが悪いと超精密研磨工程の研磨時間が長くなり、研磨後の主表面の形状が所定の平坦度と表面形状を満たさなくなってしまう。これらのことを総合的に考慮すると、精密研磨工程後における基板の主表面の表面粗さRqは少なくとも0.35nm以下とする必要がある。
図1および図2の結果から、精密研磨後における基板の主表面の平坦度(TIR)が−1.0μm以上であり、かつ基板の表面粗さRqが0.35nm以下であるという2つの条件を同時に満たし、かつ表面欠陥の発生率を低減するには、上定盤および下定盤に取り付けられる研磨パッドは、ナップ層の100%モジュラスが11.0MPa以上20.0MPa以下であることが必要であることを見出し、前記の本発明を完成させるに至った。
本発明において、発泡した樹脂としては、例えば、合成樹脂中にガスを細かく分散させ、内部に細かな泡を無数に含む、発泡状または多孔質形状に成形されたものを指し、固体である合成樹脂と気体との不均一分散系とも定義できる。
本発明において、発泡樹脂(ナップ層)としては、ウレタンが広く利用されている。発泡樹脂(ナップ層)がポリウレタン樹脂である場合は、ポリウレタン樹脂を構成する原料樹脂として、ポリカーボネート系、ポリエステル系、ポリエーテル系などの樹脂や、これらの樹脂をブレンドした樹脂を用いることができる。
樹脂モジュラスとは、樹脂自体の硬さを表す。無発泡の樹脂フィルムを2倍に伸ばした際にかかる力(引張り応力)で表し、硬い樹脂ほど、伸ばすのに力が必要なので数値が大きくなる。柔らかい樹脂ほど、数値が小さくなる。モジュラスの測定方法を以下に示す。
(1)樹指溶液を薄く引き延ばし熱風乾燥し、50μm程度の厚みの乾式フィルムを作製する。
(2)フィルム作製後しばらく養生する。
(3)測定部の長さ20mm、幅5mm、厚さ0.05mmの短冊状試料を、引っ張り速度300mm/分で引っ張る。
(4)100%伸長特(2倍延伸時)の張力を試料の初期断面積で割り、100%モジュラス(MPa表示)を求める。
(5)試料数n=7の平均値を求める。
樹脂モジュラスは、樹脂の系統(ポリカーボネート系、ポリエステル系、ポリエーテル系などの樹脂の種類)ではなく、基本的にハードセグメントの含有量で決まる。詳しくは、ポリウレタンは、ソフトセグメントとハードセグメントとを有しミクロ相分離構造をとっているため、そのハードセグメントの割合(量)で樹脂の硬さは決まる。ハードセグメントは、イソシアネートおよび低分子ジオールであり、樹脂(高分子)が強く凝集している箇所で、高分子=ソフトセグメントの動きが固定されている箇所である。ソフトセグメントは、高分子ポリオールであり、樹脂(高分子)が弱く凝集している箇所である。ソフトセグメントは、樹脂の系統(ポリカーボネート系、ポリエステル系、ポリエーテル系などの樹脂の種類)と樹脂のブレンド比で調整できる。
本発明のマスクブランク用基板の製造方法では、上記の研磨パッドを用い、両面研磨装置によって、基板の両主表面を研磨することを特徴としており、この構成によって初めて本願発明の効果が発揮される。
上記構成1のマスクブランク用基板の製造方法では、本願発明の研磨パッドを用いて、基板の両主表面を両面研磨すると、研磨後の基板は、2つの主表面がともに対称性の高く、主表面の中心から外周縁に向かって高くなる(厚さが厚くなる)凹形状であり、かつ所定値以下の高い平坦度と所定値以下の表面粗さRqを有し、さらに、主表面の表面欠陥が抑制された基板を製造することができる。これによって、次工程の超精密研磨工程を行って製造されたマスクブランク用基板は、主表面が対称性の高く、基板の中心から外周縁に向かって低くなる(厚さが薄くなる)凸形状であり、かつ所定値以下の高い平坦度と所定値以下の表面粗さRqを有し、さらに、主表面の表面欠陥が抑制されたものにできる。
本発明において、緩衝層は、選定するナップ層の物性の違いによって変化する研磨パッド全体の圧縮変形量を調整するために基層とナップ層の間に設けられている。緩衝層は、研磨パッド全体の圧縮変形量が所定値以上という条件を満たすのであれば、どのような材料で形成してもよい。緩衝層は、好ましくは発泡した樹脂で形成される。発泡した樹脂としては、例えば、合成樹脂中にガスを細かく分散させ、内部に細かな泡を無数に含む、発泡状または多孔質形状に成形されたものを指し、固体である合成樹脂と気体との不均一分散系とも定義できる。発泡した樹脂で形成される緩衝層によって、研磨パッドの圧縮変形量を上げる方向に調整するには、緩衝層に用いる樹脂の100%モジュラスがナップ層に用いる樹脂の100%モジュラスよりも低くする、あるいは緩衝層の発泡度を上げる(緩衝層の密度を下げる)ようにすることが望ましい。
本発明において、前記研磨パッドは、圧縮変形量が40μm以上であることが好ましい(構成3)。研磨パッドの圧縮変形量が小さくなり過ぎると、研磨パッドと基板との間に入り込んだ研磨砥粒由来の異物や加工片等が基板の主表面に接触したときの当たりが強くなり、表面欠陥の発生率が上昇してしまうという問題もある。この観点から考えた場合、研磨パッドの圧縮変形量は、少なくとも40μm以上であることが望まれる。
なお、このマスクブランク用基板の製造方法において、精密研磨後の基板主表面の平坦度(TIR)が、−0.6μm以上の凹形状となるようにすることが望まれる場合には、ナップ層を有する研磨パッドに求められる条件としては、ナップ層の100%モジュラスが13.5MPa以上20.0MPa以下であることが必要である。この場合において、研磨パッドの圧縮変形量については、40μm以上であることが好ましく、85μm以上であるとより好ましい。
なお、本発明において、上記構成1および構成2で説明した事項は、後述する構成3〜18に記載の発明においても同様に適用される。また、後述する構成3〜18で説明した事項は、上記構成1および構成2に記載の発明においても同様に適用される。
本発明において、発泡樹脂層としては、ウレタンが広く利用されている。基層(基材)と発泡樹脂層を備える研磨パッドとしては、スウェードタイプや、発泡ウレタンタイプが挙げられる。スウェードタイプ研磨パッドは、例えば、図5(1)、(2)に示すように、基層(ベース層)にポリウレタンをコート(積層)し、ポリウレタン内に発泡層を成長させ、表面部位を除去し発泡層に開口部を設けたものである。発泡の跡である空孔をポアと呼び、ポリウレタン層におけるポアの存在する部分をナップ層、基層付近のポアの存在する部分をマイクロレイヤと呼ぶ。発泡ウレタンタイプの研磨パッドは、発泡したウレタンのブロックをスライスしたもので、これを基層と接合することによって、基層と発泡樹脂層を備える研磨パッドとする。発泡樹脂層が複数層である場合は、各発泡樹脂層どうしを接合する。発泡樹脂層がポリウレタン樹脂である場合は、ポリウレタン樹脂を構成する原料樹脂として、ポリカーボネート系、ポリエステル系、ポリエーテル系などの樹脂や、これらの樹脂をブレンドした樹脂を用いることができる。
本発明において、前記研磨液は、酸化セリウム砥粒を含有していることが好ましい(構成4)。
酸化セリウム砥粒を含有する研磨液は、超精密研磨工程の前の精密研磨工程で用いられる。
両面研磨の代表的なものとしては、図4の両面研磨装置を用い、粗研磨工程、精密研磨工程、超精密研磨工程を行う。この両面研磨装置を用いる基板主表面の研磨では、基板100はキャリア50の保持孔50a内で保持される。そして、キャリア50の外周歯を両面研磨装置の太陽歯車30と内歯歯車40にかみ合わせ、キャリア50を自転及び公転させる。さらに、研磨液供給桶61に貯留されている研磨液を供給管62を経由して上定盤20の供給穴20aから供給し、回転面に研磨パッド11,21がそれぞれ貼りつけられた下定盤10および上定盤20を回転させ、相対摺動運動によって基板100の両主表面の研磨を行う。また、図4の両面研磨装置では、下定盤10の回転による遠心力やキャリア50の回転による押し出す力によって下定盤10の外周側から外に押し出される研磨液を回収する回収部材70が下定盤10の外周に設けられている。回収部材70で回収された研磨液は、タンク81に一時貯留される。そして、タンク81内の研磨液は、ポンプ83から途中でろ過フィルタ84によって不純物をろ過し、返送管82を経由して、研磨液供給桶61に返送される。
使用する研磨剤の種類や粒径は、基板材料や得ようとする平坦度に応じて適宜選定することができる。研磨剤としては、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカなどが挙げられる。研磨剤の粒径は、数十nmから数μmである。本発明のマスクブランク用基板の製造方法は、酸化セリウムを含有する研磨液で基板を研磨する場合に最適な構成である。
粗研磨工程は、研削工程で形成された基板主表面の傷を除去し、研削工程で得られた平坦度を維持する目的として行われるもので、研磨砥粒の平均粒径が約1〜3μmの比較的大きな研磨砥粒を用いて研磨する工程である。研磨砥粒の材質は、基板の材料に応じて適宜選択される。粗研磨工程で使用する研磨パッドは、平坦度の維持の点から、硬質ポリシャを使用することが好ましい。
精密研磨工程は、傷等の表面欠陥がなく、基板の鏡面化を目的として行われるもので、研磨砥粒の平均粒径が約1μm以下(例えば、10nm〜1μm)の比較的小さな研磨砥粒を用いて研磨する工程である。研磨砥粒の材質は、上述と同様に基板の材料に応じて適宜選択される。平均粒径が小さく平滑な基板表面が得られる点から酸化セリウムが好ましい。精密研磨工程で使用する研磨パッドは、鏡面化の点から、軟質または超軟質ポリシャを使用することが好ましい。
超精密研磨工程は、基板の更なる鏡面化(表面粗さの向上)を目的として行われるもので、研磨砥粒の平均粒径が約500nm以下(例えば、10nm〜500nm)の非常に小さな研磨砥粒を用いて研磨する工程である。研磨砥粒の材質は、上述と同様に基板の材料に応じて適宜選択される。平均粒径が小さく平滑な基板表面が得られる点からコロイダルシリカが好ましい。超精密研磨工程で使用する研磨パッドは、更なる鏡面化の点から、軟質または超軟質ポリシャを使用することが好ましい。
本発明において、最終的な完成段階のマスクブランク用基板として求められる主表面における平坦度の所望の値は、露光光を透過させる光透過型マスクに用いられるマスクブランク用基板と、露光光を反射させる反射型マスクに用いられるマスクブランク用基板とでは異なる。光透過型マスクに用いられるマスクブランク用基板の場合では、主表面形状自体の平坦度(TIR)(主表面形状から算出される平坦度)が0μmを超え+0.4μm以下(0.0<平坦度≦+0.4μm)の範囲とすることが求められる。さらに、基板における主表面形状自体の平坦度(TIR)が0μmを超え+0.3μm以下(0.0<平坦度≦+0.3μm)であると好ましく、基板における主表面形状自体の平坦度(TIR)が0μmを超え+0.2μm以下(0.0<平坦度≦+0.2μm)であるとより望ましい。また、露光光を反射させる反射型マスクに用いられるマスクブランク用基板の場合では、主表面形状自体の平坦度(TIR)が0μmを超え+0.1μm以下(0.0<平坦度≦+0.1μm)の範囲とすることが求められる。さらに、基板における主表面形状自体の平坦度(TIR)が0μmを超え+0.05μm以下(0.0<平坦度≦+0.05μm)であると好ましい。
基板における主表面形状自体の平坦度の絶対値が小さくなるに従って、フォトマスクにしたときのパターン位置精度が向上し、フォトマスクを使ってパターン転写したときのパターン転写精度が向上する。所望の値は、これらの要求されるパターン位置精度、パターン転写精度に応じて決めることができる。
本発明において、前記基板は、主表面の形状が矩形であることが好ましい(構成5)。
前記基板の主表面の形状が矩形である場合に上述した本発明の課題が特に問題となるからであり、また、本発明は、主表面の形状が矩形である基板の研磨に適しているからである。
本発明において、前記基板は、合成石英ガラスまたは低熱膨張ガラスであることが好ましい(構成6)。
本発明は、合成石英ガラスや低熱膨張ガラスからなる基板の研磨に特に適しているからである。なお、本発明は、石英ガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ソーダライムガラス等の基板の研磨に適用できる。また、本発明は、例えばアモルファスガラスであれば、SiO−TiO系ガラス、結晶化ガラスであれば、β石英固溶体を析出した結晶化ガラス等の基板の研磨に適用できる。
本発明において、前記研磨パッドを用いた研磨工程(精密研磨工程)を行った後の基板は、主表面の自乗平方根表面粗さRqが0.35nm以下であることが好ましい(構成7)。
精密研磨工程後の基板がこのような表面粗さRqを備えていることで、最終的な完成段階のマスクブランク用基板が、前記の求められる表面粗さRqを満たすことができる。
さらに、本発明において、前記研磨パッドを用いた研磨工程(精密研磨工程)を行った後の基板は、主表面の中心を基準とする一辺が142mmの四角形内の領域における平坦度(TIR)が1μm以下の凹形状であるとより好ましい。また、記研磨パッドを用いた研磨工程(精密研磨工程)を行った後の基板は、主表面の中心を基準とする一辺が142mmの四角形内の領域における主表面形状自体の平坦度が1μm以下の凹形状であると特に好ましい。
本発明において、前記緩衝層の厚さは、100μm以上700μm以下であることが好ましい(構成8)。
所定値以下の高い平坦度(TIR)(−1.0μm以上かつ0μm以下)であり、対称性が高く、表面粗さRqが0.35nm以下であり、しかも、主表面の表面欠陥が抑制された基板を、安定して製造するためである。
本発明において、前記ナップ層の厚さは、300μm以上1000μm以下であることが好ましい(構成9)。
所定値以下の高い平坦度(TIR)(−1.0μm以上かつ0μm以下)であり、研磨後の基板の主表面の対称性が高く、表面粗さRqが0.35nm以下であり、しかも、主表面の表面欠陥が抑制された基板を、安定して製造するためである。
本発明において、前記ナップ層の開孔の径は、40μm以上100μm以下であることが好ましい(構成10)。
所定値以下の高い平坦度(TIR)(−1.0μm以上かつ0μm以下)であり、研磨後の基板の主表面の対称性が高く、表面粗さRqが0.35nm以下であり、しかも、主表面の表面欠陥が抑制された基板を、安定して製造するためである。
本発明においては、例えば、前記緩衝層の厚さは前記ナップ層の厚さの約1/2〜1/10程度にできる。前記緩衝層の空孔の平均孔径は、前記ナップ層の空孔の平均孔径より小さく(例えば1/2〜1/30程度に)できる。
本発明において、前記緩衝層およびナップ層のいずれか一方又は双方の層は、ポリカーボネート系樹脂を含有する材料からなることが好ましい(構成11)。
前記ナップ層の100%モジュラス、並びに、前記研磨パッドの圧縮変形量を、所定範囲に制御しやすいためである。
本発明において、前記基材は、樹脂フィルム、又は、不織布であることが好ましい(構成12)。
前記基材が樹脂フィルムであると、前記研磨パッドの圧縮変形量を、所定範囲に制御しやすいためである。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。前記基材が不織布であっても、不織布にボンド剤等の樹脂を含浸させることによって、前記研磨パッドの圧縮変形量を、所定範囲に制御することは可能である。
本発明において、前記基材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる樹脂フィルムであることが好ましい(構成13)。
前記研磨パッドの圧縮変形量を、所定範囲に制御しやすいためである。
本発明において、前記研磨工程で研磨された基板の両主表面に対し、コロイダルシリカ砥粒を含む研磨液による研磨を行う超精密研磨工程を有することが好ましい(構成14)。
前記のとおり、精密研磨工程で研磨された基板の主表面を鏡面化するには、超精密研磨工程を行うことが望ましいためである。
本発明のマスクブランクの製造方法は、上記構成14に記載のマスクブランク用基板の製造方法で製造されたマスクブランク用基板の主表面上に、転写パターン形成用の薄膜を形成することを特徴とする(構成15)。
上記構成により、所定値(例えば、主表面形状自体の平坦度が+0.4μm)以下の高い平坦度であり、対称性の高く、所定値(例えば、Rqが0.2nm)以下の表面粗さRqであり、しかも、主表面の表面欠陥が抑制された基板を有するマスクブランクを製造することが可能となる。
本発明のマスクブランクの製造方法は、上記構成14に記載のマスクブランク用基板の製造方法で製造されたマスクブランク用基板の一方の主表面上に導電性膜を形成し、他方の主表面上に多層反射膜と転写パターン形成用の薄膜をそれぞれ形成することを特徴とする(構成16)。
上記構成により、所定値(例えば、主表面形状自体の平坦度が+0.1μm)以下の高い平坦度であり、対称性の高く、所定値(例えば、Rqが0.15nm)以下の表面粗さRqであり、しかも、主表面の表面欠陥が抑制された基板を有するマスクブランクを製造することが可能となる。
本発明の転写用マスクの製造方法は、上記構成15に記載のマスクブランクの製造方法で製造されたマスクブランクにおける前記薄膜をパターニングして、転写パターンを形成することを特徴とする(構成17)。
上記構成により、所定値(例えば、主表面形状自体の平坦度が+0.4μm)以下の高い平坦度であり、対称性の高く、所定値(例えば、Rqが0.2nm)以下の表面粗さRqであり、しかも、主表面の表面欠陥が抑制された基板を有する転写用マスクを製造することが可能となる。
本発明の転写用マスクの製造方法は、構成16に記載のマスクブランクの製造方法で製造されたマスクブランクにおける前記薄膜をパターニングして、転写パターンを形成することを特徴とする(構成18)。
上記構成により、所定値(例えば、主表面形状自体の平坦度が+0.1μm)以下の高い平坦度であり、対称性の高く、所定値(例えば、Rqが0.15nm)以下の表面粗さRqであり、しかも、主表面の表面欠陥が抑制された基板を有する転写用マスクを製造することが可能となる。
以下、実施例および比較例に基づき、本発明をさらに具体的に説明する。
(1)粗研磨工程
端面を面取加工し、両面ラッピング装置によって研削加工を終えた合成石英ガラス基板(約152mm×約152mm×約6.3mm)を、上述の両面研磨装置に12枚セットし、以下の研磨条件で粗研磨工程を行った。尚、加工荷重、研磨時間は適宜調整して行った。
研磨液 :酸化セリウム(平均粒径2〜3μm)+水
研磨パッド:硬質ポリシャ(ウレタンパッド)
上記粗研磨工程後、ガラス基板に付着した研磨砥粒を除去するため、ガラス基板を洗浄槽に浸漬(超音波印加)し、洗浄を行った。実施例1〜7、比較例1〜5でそれぞれ12枚ずつ使用するため、このガラス基板12枚を13セット研磨した。この研磨したガラス基板の全てに対し、主表面の表面形状を平坦度測定器(Corning Tropel社製 UltraFlat200M)で測定した。
(2)精密研磨工程
両面研磨装置に12枚セットし、以下の研磨条件で精密研磨工程を行った。尚、加工荷重、研磨時間は適宜調整して行った。
研磨液 :酸化セリウム(平均粒径1μm)+水
研磨パッド:研磨パッドとしては、表1〜表2に記載の実施例1〜7、比較例1〜6の研磨パッドを各々使用した。
ナップ層はポリウレタン樹脂からなり、ポリウレタン樹脂を構成する原料樹脂として、表1〜表2に示す、ポリエステル系、ポリカーボネート系の樹脂を使用した。
実施例1〜7、および比較例3〜6は、PET(基材)上に緩衝層とナップ層をこの順で積層した研磨パッドである(図5(3)参照)。なお、各緩衝層の材質や厚さは、研磨パッド全体の圧縮変形量が求められる数値になるように適宜調整した。比較例1は、不織布(基材)上にナップ層(単層)を積層した研磨パッドである(図5(1)参照)。比較例2は、PET(基材)上にナップ層(単層)を積層した研磨パッドである(図5(2)参照)。
上記精密研磨工程終了後、ガラス基板に付着した研磨砥粒を除去するため、ガラス基板を洗浄槽に浸漬(超音波印加)し、洗浄を行った。
精密研磨工程が行われた後の実施例1〜7、および比較例1〜6の基板(各12枚)に対し、粗研磨工程後の場合と同様、平坦度測定器(Corning Tropel社製 UltraFlat200M)で、主表面の表面形状をそれぞれ測定した。そして、粗研磨工程後に予め測定しておいた精密研磨工程前の基板の表面形状のデータから、精密研磨工程によって形状変化量の面内分布を表面形状として算出し、その表面形状を基に主表面の一辺が142mmの四角形の内側領域における平坦度(TIR)を算出した。基板12枚の平均値の主表面における平坦度(TIR)を、表1〜表2に示す。また、この各実施例・比較例の研磨パッドのナップ層における100%モジュラスを横軸に、研磨パッドの圧縮変形量を縦軸にとり、基板の平坦度(TIR)を円の大きさで示したバブル図を、作成(図1)し、相関性を調べた。
また、前記の精密研磨工程が行われた後の実施例1〜7、および比較例1〜6の基板(各12枚)に対し、原子間力顕微鏡(Veeco社製 NanoscopeIII)を用い、主表面の表面粗さ(自乗平均平方根粗さ Rq)をそれぞれ測定した。なお、表面粗さの測定範囲は、10μm×10μmとした。基板12枚の平均値の主表面における表面粗さ(Rq)を、表1〜表2に示す。また、この各実施例・比較例の研磨パッドのナップ層における100%モジュラスを横軸に、研磨パッドの圧縮変形量を縦軸にとり、基板の主表面における表面粗さ(Rq)を円の大きさで示したバブル図を、作成(図2)し、相関性を調べた。
これらの結果から、以下のことが判明した。図1の結果から、ナップ層を形成する樹脂の100%モジュラスが11.0MPa以上であると、主表面の平坦度(TIR)が−1.0μm以上となることがわかった(実施例1〜7)。また、図2の結果から、ナップ層を形成する樹脂の100%モジュラスが20.0MPa以下であると、主表面の表面粗さ(Rq)が0.35nm以下となることもわかった(実施例1〜7)。
一方、図1の結果から、ナップ層を形成する樹脂の100%モジュラスが11.0MPa未満であると、主表面の平坦度(TIR)が−1.0μmよりも小さくなる(平坦度が1.0μmよりも大きな凹形状)となってしまうことがわかった(比較例1〜2)。また、図2の結果から、ナップ層を形成する樹脂の100%モジュラスが20.0MPaよりも大きいと、主表面の表面粗さ(Rq)が0.35nmよりも大きくなってしまうこともわかった(比較例3〜6)。以上のことから、マスクブランク用ガラス基板を製造において、精密研磨工程で基板を研磨するために用いる研磨パッドは、ナップ層の100%モジュラスが11.0MPa以上20.0MPa以下であることが必要条件であることが確認された。
(3)超精密研磨工程
上述の両面研磨装置に12枚セットし、以下の研磨条件で超精密研磨工程を行った。尚、加工荷重、研磨時間は適宜調整して行った。
研磨液 :コロイダルシリカ(平均粒径100nm)+水
研磨パッド:超軟質ポリシャ(スウェードタイプ)
超精密研磨工程終了後、ガラス基板に付着した研磨砥粒を除去するため、ガラス基板を洗浄槽に浸漬(超音波印加)し、洗浄を行った。この超精密研磨工程は、実施例1〜7、比較例1〜6の各研磨パッドで研磨された各12枚の基板に対して行われた。
(4)平坦度測定工程
超精密研磨工程が行われた後の実施例1〜7、および比較例1〜6の基板(各12枚)について、主表面の一辺が142mmの四角形の内側領域における平坦度(TIR)を平坦度測定器(Corning Tropel社製 UltraFlat200M)で測定した。その結果、実施例1〜6、および比較例3〜6の基板については、主表面形状自体の平坦度(TIR)(平坦度測定器で測定した主表面形状自体から算出した平坦度)は、いずれも0μm以上かつ+0.2μm以内の範囲の凸形状となっていた。これに対し、比較例1〜2の基板については、2つの主表面の形状は、主表面形状自体の平坦度(TIR)が+0.2μmよりも大きい凸形状のものが大多数を占め(平均9枚)、歩留りが悪いという結果となった。
また、前記の超精密研磨工程が行われた後の実施例1〜7、および比較例1〜6の基板(各12枚)について、原子間力顕微鏡(Veeco社製 NanoscopeIII)を用い、主表面の表面粗さ(自乗平均平方根粗さ Rq)をそれぞれ測定した。なお、ここでも表面粗さの測定範囲は、10μm×10μmとした。その結果、実施例1〜6、および比較例1〜2の基板については、表面の表面粗さ(Rq)が0.15nm以下のものが大多数を占め(平均8枚)、透過型のマスクブランクの基板として適用可能なだけではなく、反射型マスクブランクの基板として適用可能な水準であった(ただし、比較例1〜2の基板は、主表面形状自体の平坦度(TIR)が透過型のマスクブランクの基板として適用可能な水準すら満たしていないものが大多数を占めている。)。
これに対し、比較例3〜6の基板は、いずれも、表面の表面粗さ(Rq)が0.20nmを超えてしまっていた。これらの基板は、反射型マスクブランクの基板としては適用が困難であり、ArFエキシマレーザー露光光が適用される転写用マスクを製造するためのマスクブランクの基板としても好ましくない水準であった。また、これらの表面粗さ(Rq)が0.20nmを超える基板に対して、超精密研磨工程を再度行い、同様に、主表面形状自体の平坦度(TIR)と表面粗さ(Rq)を再測定したところ、表面粗さ(Rq)は、0.15nm以下となったが、主表面形状自体の平坦度(TIR)が+0.2μmを超えており、透過型のマスクブランクの基板としても好ましくないものになってしまった。
(マスクブランクおよびフォトマスクを作製しての評価)
上記の実施例1〜6の基板について、主表面形状自体の平坦度が0μm以上かつ+0.2μm以下であり、表面欠陥が検出されなかったものからそれぞれ1枚ずつ選定した。選定した各ガラス基板の一方の主表面上に、モリブデン、ケイ素および窒素を含有する遮光層(MoSiN膜)と、モリブデン、ケイ素および窒素を含有する反射防止層(MoSiN膜)が2層積層した構造の遮光膜(合計膜厚60nm)をそれぞれスパッタリング法によって形成し、バイナリ型のマスクブランクを製造した。
次に、製造した各マスクブランクの遮光膜上にスピンコート法でレジスト膜を塗布形成した。続いて、レジスト膜に所望の微細パターンを露光・現像することで形成した。さらに、レジスト膜をマスクとして、遮光膜に対してドライエッチングを行うことで、遮光膜に転写パターンを形成し、バイナリ型の転写用マスクを作製した。
実施例1〜6の基板から作製された各転写用マスクを用い、露光装置のマスクステージにセットし、転写対象物(ウェハ上のレジスト膜等)にArFエキシマレーザー光を照射する露光転写を行った。その結果、転写対象物に所望のパターンが正常に転写されていることが確認された。
(反射型マスクブランクおよび反射型マスクを作製しての評価)
上記の実施例1〜6の基板について、主表面形状自体の平坦度がいずれも0μm以上かつ+0.05μm以下であり、表面欠陥が検出されなかったものからそれぞれ1枚ずつ選定した。選定した各ガラス基板の一方の主表面上に、モリブデン(Mo層)とケイ素(Si層)を交互に積層した多層反射膜を形成した。具体的には、ガラス基板側からSi層を4.2nm、Mo層を2.8nmそれぞれ成膜し、これを40周期繰り返し、最後にSi層を4.0nm成膜して多層反射膜を形成した。次に、多層反射膜上に、ルテニウムを含有する材料からなる保護膜を2.5nm形成した。最後に、保護膜上に、タンタルを主成分とする吸収体膜を形成し、反射型マスクブランクを製造した。
次に、製造した各反射マスクブランクの遮光膜上にスピンコート法でレジスト膜を塗布形成した。続いて、レジスト膜に所望の微細パターンを露光・現像することで形成した。さらに、レジスト膜をマスクとして、吸収体膜に対してドライエッチングを行うことで、吸収体膜に転写パターンを形成し、反射型マスクを作製した。
実施例1〜6の基板から作製された各反射型マスクを用い、EUVリソグラフィ用の露光装置のマスクステージにセットし、転写対象物(ウェハ上のレジスト膜等)にEUV光を照射する露光転写を行った。その結果、転写対象物に所望のパターンが正常に転写されていることが確認された。
10 下定盤
20 上定盤
11,21 研磨パッド
50 キャリア
100 基板

Claims (18)

  1. 回転面に研磨パッドを備える上下両定盤の両研磨パッド間に、キャリアで保持された基板を挟持し、研磨液を供給しつつ、前記研磨パッドの研磨面に対して基板を相対移動させ、前記基板の両主表面を研磨する研磨工程を備えるマスクブランク用基板の製造方法であって、
    前記研磨パッドは、少なくとも、基材と、前記基材上に形成され、表面に開孔を有する発泡した樹脂からなるナップ層とからなり、
    前記研磨パッドは、圧縮変形量が40μm以上であり、
    前記圧縮変形量は、前記研磨パッドの厚さ方向に対して100g/cm の荷重を掛けたときの前記研磨パッドの厚さから、前記研磨パッドの厚さ方向に対して1120g/cm の荷重を掛けたときの前記研磨パッドの厚さを差し引くことで得られる数値であり、
    前記ナップ層を形成する樹脂の100%モジュラスが11MPa以上20MPa以下であることを特徴とするマスクブランク用基板の製造方法。
  2. 前記ナップ層は、ポリカーボネート系樹脂を含有する材料からなることを特徴とする請求項1記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  3. 回転面に研磨パッドを備える上下両定盤の両研磨パッド間に、キャリアで保持された基板を挟持し、研磨液を供給しつつ、前記研磨パッドの研磨面に対して基板を相対移動させ、前記基板の両主表面を研磨する研磨工程を備えるマスクブランク用基板の製造方法であって、
    前記研磨パッドは、基材と、前記基材上に形成される緩衝層と、前記緩衝層上に形成され、表面に開孔を有する発泡した樹脂からなるナップ層とからなり、
    前記研磨パッドは、圧縮変形量が40μm以上であり、
    前記圧縮変形量は、前記研磨パッドの厚さ方向に対して100g/cm の荷重を掛けたときの前記研磨パッドの厚さから、前記研磨パッドの厚さ方向に対して1120g/cm の荷重を掛けたときの前記研磨パッドの厚さを差し引くことで得られる数値であり、
    前記ナップ層を形成する樹脂の100%モジュラスが11MPa以上20MPa以下であることを特徴とするマスクブランク用基板の製造方法。
  4. 前記緩衝層の厚さは、100μm以上700μm以下であることを特徴とする請求項記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  5. 前記緩衝層およびナップ層のいずれか一方又は双方の層は、ポリカーボネート系樹脂を含有する材料からなることを特徴とする請求項3または4に記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  6. 前記研磨液は、酸化セリウム砥粒を含有していることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  7. 前記基板は、主表面の形状が矩形であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  8. 前記基板は、合成石英ガラスまたは低熱膨張ガラスであることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  9. 前記研磨パッドを用いた研磨工程を行った後の基板は、主表面の自乗平方根表面粗さRqが0.35nm以下であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  10. 前記ナップ層の厚さは、300μm以上1000μm以下であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  11. 前記ナップ層の開孔の径は、40μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  12. 前記基材は、樹脂フィルム、又は、不織布であることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  13. 前記基材は、ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  14. 前記研磨工程で研磨された基板の両主表面に対し、コロイダルシリカ砥粒を含む研磨液による研磨を行う超精密研磨工程を有することを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  15. 請求項14に記載のマスクブランク用基板の製造方法で製造されたマスクブランク用基板の主表面上に、転写パターン形成用の薄膜を形成することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
  16. 請求項14に記載のマスクブランク用基板の製造方法で製造されたマスクブランク用基板の一方の主表面上に導電性膜を形成し、他方の主表面上に多層反射膜と転写パターン形成用の薄膜をそれぞれ形成することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
  17. 請求項15に記載のマスクブランクの製造方法で製造されたマスクブランクにおける前記薄膜をパターニングして、転写パターンを形成することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
  18. 請求項16に記載のマスクブランクの製造方法で製造されたマスクブランクにおける前記薄膜をパターニングして、転写パターンを形成することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
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