JP5988406B2 - 起泡性組成物 - Google Patents

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本発明は、皮膚に使用するための起泡性組成物に関する。より具体的には、容器から噴出される原液が泡状となる起泡性組成物に関する。
局所皮膚を治療するための外用薬として、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤等が使用されている。ローション剤は、前記三剤型の中でも、べたつきが少なく、さっぱりとした使用感の剤型であるが、垂れやすく、広範囲への塗布には向いていない。他方、軟膏・クリームは垂れにくく、四肢・体幹部など体表面積の広い部分で使われるが、べたつきが多く、使用感が悪い。
使用感が良好で、且つ、広範囲の塗布に適した剤型の候補として、原液が容器から霧状または泡状に噴出されるスプレー剤が検討されている。
例えば、特許文献1には、霧状に噴霧される組成物として、水性成分および油性成分を含有する均一な原液と、炭素数3〜5の炭化水素を主成分とする噴射剤とからなる均一なエアゾール組成物が開示されている。特許文献1の発明は、「油性成分と水性成分の分離が非常に速く、噴射途中で分離するものがあり、均一な組成で噴射できない場合がある」という従来の問題点を解決するために、前記原液中の油性成分の含有量を多量(原液中50〜90重量%)にすることによって、原液およびエアゾール組成物の均一性を確保している。
しかしながら、特許文献1のエアゾール組成物は、油性成分(油性溶媒等)を多量に含むため、べとつきが強く、使用感に劣るという問題がある。
べとつきを抑え、使用感を向上させるためには、油性溶媒の含有率が低く、水性溶媒(水等)の含有率が高い水系の起泡性組成物が好ましい。
また、特許文献1のエアゾール組成物は、噴射剤を多量に含み、霧状に噴霧される組成物であるため、目的とする皮膚以外にも飛散することが多いという問題や、患者が飛散した成分を吸い込むという問題がある。
これに対し、起泡性の組成物(いわゆるフォーム剤)を使用することが考えられるが、起泡性の組成物は、低温で保管した際に起泡性が悪化する(泡が安定に形成されない・泡が出ない)という問題がある。
これに関して、特許文献2は、噴出される原液が泡状となり、その泡の質、及び持続性に優れ、更に低温下においても泡の形成性が良好で、使用時にべたつきのないエアゾール組成物を開示している。しかしながら、特許文献2の組成物は、泡の持続が求められる用途(頭髪用化粧料、シェービングフォーム等)のために開発された組成物であるため、皮膚治療用の起泡性組成物としては適していない。
すなわち、皮膚疾患に使用する起泡性組成物は、皮膚に噴射後、形成された泡が速やかに消える(崩壊する)ほうが好ましい。これは、皮膚上で泡が持続すると、泡をこすって破泡させる必要があるため塗布に時間がかかり、且つ、均一に塗布しにくいという問題があるためである。
下記特許文献3〜5には、破泡させなくても自ら消泡する起泡性組成物が開示されている。しかしながら、特許文献3〜5および、上述した特許文献2に具体的に開示されている組成物は、エタノール等の低級アルコール(炭素数1〜3の脂肪族アルコール)を含む。低級アルコールは、消泡を促進する効果があるが、皮膚に刺激を与える恐れがあるため、皮膚治療用の起泡性組成物は、低級アルコールを含まないほうが好ましい。
特開2005-47882号公報 特開平8−319212号公報 特開平8-119831号公報 特開平8-175982号公報 特表平11-501045号公報
したがって本発明は、皮膚疾患の治療に適した起泡性組成物であって、容器から原液が泡状に噴出され、使用時にべたつきが少なく、更に低温下においても泡の形成性が良好な起泡性組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、起泡性組成物について検討を繰り返した結果、水性溶媒(水および多価アルコール等)を70重量%以上含み、低級アルコールを含まない液状組成物に、起泡剤として二種類の界面活性剤を添加して調製した原液(発泡可能な液体組成物)によって、前記課題を解決できることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、原液、あるいは、原液と噴射剤とからなる起泡性組成物であって、前記原液が、
HLB(hydrophile-lipophile balance) 5以上11未満のノニオン界面活性剤と、HLB 11以上30以下のノニオン界面活性剤とを含むこと、
水性溶媒を70重量%以上含むこと、
低級アルコールを含まないこと
を特徴とする。
本発明に係る起泡性組成物は、原液中の水性溶媒の含有率が70重量%以上であるため、べたつきが少なく、使用感に優れている。また、本発明に係る組成物は低級アルコールを含有しないため、皮膚患部への刺激が少ない。また、本発明に係る起泡性組成物は、2種類の界面活性剤、すなわちHLB 5以上11未満のノニオン界面活性剤(親油性界面活性剤)と、HLB 11以上30以下のノニオン界面活性剤(親水性界面活性剤)を含むことにより、低温で保管した場合にも優れた泡形成性を示し、且つ、泡の持続時間が短い。
前記原液は、ヘパリン類似物質を含むことが特に好ましい。
ヘパリン類似物質を含む起泡性組成物は、ヘパリン類似物質を含まない起泡性組成物と比べ、泡だれや液だれが生じにくいため、有毛部へも塗布しやすい。
前記原液は、油性溶媒を含まないことが好ましい。油性溶媒を含まない起泡性組成物は、べたつきが非常に少なく、使用感に優れている。
また、本発明に係る起泡性組成物は、前記原液と噴射剤とからなることが好ましい。
また、前記HLB 5以上11未満のノニオン界面活性剤は、モノステアリン酸POE(6)ソルビタン[ポリソルベート61]、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン[ポリソルベート65]、POE・POPグリコール(重量平均分子量3650、POP分子量2750、EO含有率20%)、ステアリン酸グリセリル、POE(5)硬化ヒマシ油、トリオレイン酸デカグリセリル、POE(2)セチルエーテル[セテス-2]、POE(42)POP(67)グリコール、テトラオレイン酸POE(6)ソルビット[テトラオレイン酸ソルベス-6]、ショ糖ステアリン酸エステル(モノエステル50%)、POE(1)POP(8)セチルエーテル、POE(20)ソルビットミツロウ、モノステアリン酸POE(5)グリセリル、POE(2)ラウリルエーテル[ラウレス-2]、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、および、モノオレイン酸POE(6)ソルビタンからなる群より選択されることが好ましく、
前記HLB 11以上30以下のノニオン界面活性剤は、モノオレイン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、POE(20)POP(8)セチルエーテル[PPG-8 セテス-20]、POE(50)硬化ヒマシ油、テトラオレイン酸POE(60)ソルビット、オレイン酸POE(20)ソルビタン[ポリソルベート80]、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25E.O.)、POE(15)セチルエーテル[セテス15]、 POE(20)ベへニルエーテル[ベヘネス-20]、ラウリン酸POE(20)ソルビタン[ポリソルベート20]、モノステアリン酸POE(15)グリセリル、POE(54)POP(39)グリコール、ショ糖ラウリン酸エステル(モノエステル80%)、POE(20)ステアリルエーテル、POE(197)POP(67)グリコール、POE(200)POP(67)グリコール、POE(300)POP(55)グリコール、POE(200)POP(40)グリコール、および、POE(160)POP(30)グリコールからなる群より選択されることが好ましい。
なお、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレン、E.O.はエチレンオキサイドの略である。また、丸括弧内の数字およびハイフン後の数値は付加モル数を示す。
また、前記原液は、ヘパリン類似物質を0.1〜1重量%含み、油性溶媒を含まないことが特に好ましい。
また、HLB 5以上11未満のノニオン界面活性剤が、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタンであり、前記HLB 11以上30以下のノニオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルであることがより好ましく、また、
前記HLB 5以上11未満のノニオン界面活性剤が、トリステアリン酸POE(20)ソルビタンであり、前記HLB 11以上30以下のノニオン界面活性剤が、POE(20)ベへニルエーテルであることが特に好ましい。
本発明に係る起泡性組成物は、噴射される原液が泡状となり、泡の持続時間が短いため、広範囲への塗布に適している。また、使用時にべたつきが少なく、さらに低温下においても泡の形成性が良好である。また、原液中に低級アルコールを含まないため、皮膚刺激性が少ない。
本発明に係る起泡性組成物は、原液を泡状にして皮膚に噴霧するためのスプレー剤として使用する。なお、前記原液とは、発泡可能な液体組成物を意味する。本発明に係る起泡性組成物は、容器に充填した噴射剤と共に原液を噴霧する外用エアゾール剤として使用することも、噴射剤を使用せずポンプにより容器内の原液を噴霧するポンプスプレー剤として使用することも可能である。
本発明に係る起泡性組成物は、低級アルコール(エタノール等の炭素数1〜3の脂肪族一価アルコール)を含まないため、皮膚への刺激性が低い。したがって、本発明に係る起泡性組成物は、過敏な状態の皮膚(例えば乾燥やアトピー等によりバリア機能が低下した皮膚)を治療するための局所用医薬組成物として適している。本発明に係る組成物は特に、乾燥性皮膚疾患、アトピー性皮膚炎、乾癬等の皮膚疾患を治療するのに適している。
本発明に係る起泡性組成物は、原液のみからなってもよく、原液と噴射剤とからなってもよい。原液のみからなる起泡性組成物は、ポンプにより容器内の原液を噴霧する、いわゆるポンプスプレー剤として使用することができ、原液と噴射剤とからなる起泡性組成物は、容器に充填した噴射剤と共に原液を噴霧する、いわゆる外用エアゾール剤として使用することができる。より好ましい組成物は、原液と噴射剤とからなる起泡性組成物である。噴射剤を含む起泡性組成物中における原液と噴射剤の重量比は、原液:噴射剤=90〜97:10〜3 (原液と噴射剤の合計は100となる)が好ましい。組成物中の噴射剤が3重量%未満であると、組成物の噴出が不十分になる。他方、組成物中の噴射剤が多すぎると、皮膚の乾燥を誘発するため、噴射剤の量はできるだけ少ない方が好ましい。
従って、原液と噴射剤のより好ましい重量比は、90〜96.5:10〜3.5(特に、92〜96.5:8〜3.5)であり、特に好ましい重量比は92〜96:8〜4であり、さらに好ましい重量比は94〜96:6〜4である。
本発明で用いられる二種類の界面活性剤のうち一種は、HLB 5以上11未満のノニオン界面活性剤(親油性界面活性剤)であり、もう一種は、HLB 11以上30以下のノニオン界面活性剤(親水性界面活性剤)である。本発明に係る各界面活性剤の好ましい例を表1aおよび表1bに示す。
Figure 0005988406
Figure 0005988406
前記親油性界面活性剤の好ましい例として、ポリソルベート類(脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン)や、POE・POPグリコール(重量平均分子量3650、POP分子量2750、EO含有率20%)(HLB 5.5)、ステアリン酸グリセリル(HLB 6.0)、POE(5)硬化ヒマシ油(HLB 6.0)、トリオレイン酸デカグリセリル(HLB 7.0)、POE(2)セチルエーテル(セテス-2:HLB 8.0)、POE(42)POP(67)グリコール(HLB 8.0)、テトラオレイン酸POE(6)ソルビット(テトラオレイン酸ソルベス-6:HLB 8.5)、ショ糖ステアリン酸エステル(モノエステル50%)(HLB 9.0)、POE(1)POP(8)セチルエーテル(HLB 9.5)、POE(20)ソルビットミツロウ(HLB 9.5)、モノステアリン酸POE(5)グリセリル(HLB 9.5)、POE(2)ラウリルエーテル(ラウレス-2:HLB 9.5)、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン(HLB 10.0)、およびモノオレイン酸POE(6)ソルビタン(HLB 10.0)が挙げられる。
前記親油性界面活性剤は、HLBが6以上11未満であることがより好ましく、HLBが8以上11未満であることが特に好ましく、HLBが9以上11未満であることがさらに好ましい。好ましい実施形態では、前記親油性界面活性剤は、モノステアリン酸POE(6)ソルビタン(ポリソルベート61:HLB 9.5)およびトリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65:HLB 10.5)からなる群より選択されるポリソルベートであり、特に好ましくは、トリステアリン酸POE(20)ソルビタンである。
前記原液中の、前記親油性界面活性剤の含有率は、0.1〜1.0重量%が好ましい。前記含有率が0.1重量%未満では、泡の形成性が良くないという問題があり、前記含有率が高すぎると、べとつきが増すという問題がある。より好ましい含有率は0.2〜0.8重量%であり、特に好ましい含有率は0.3〜0.7重量%である。前記親油性界面活性剤は、一種のみを用いてもよく、複数を併用してもよい。
前記親水性界面活性剤の好ましい例として、モノオレイン酸デカグリセリル(HLB 12.0)、モノステアリン酸デカグリセリル(HLB 12.0)、POE(20)POP(8)セチルエーテル(PPG-8 セテス-20:HLB 12.5)、POE(50)硬化ヒマシ油(HLB 13.5)、テトラオレイン酸POE(60)ソルビット(HLB 14.0)、オレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80:HLB 15.0)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25E.O.)(HLB 15.0)、POE(15)セチルエーテル(セテス15:HLB 15.5)、POE(20)ベへニルエーテル(ベヘネス-20:HLB 16.5)、ラウリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20:HLB 16.9)、モノステアリン酸POE(15)グリセリル(HLB 13.5)、POE(54)POP(39)グリコール(HLB 16.0)、ショ糖ラウリン酸エステル(モノエステル80% HLB 16.0)、POE(20)ステアリルエーテル(HLB 18.0)、POE(197)POP(67)グリコール(HLB 22.0)、POE(200)POP(67)グリコール(HLB 22.0)、POE(300)POP(55)グリコール(HLB 27.0)、POE(200)POP(40)グリコール(HLB 28.0)およびPOE(160)POP(30)グリコール(HLB 29.0)からなる群より選択される界面活性剤が挙げられる。
前記親水性界面活性剤としては、HLB 11以上18以下の界面活性剤がより好ましく、HLB 12以上17以下の界面活性剤が特に好ましく、HLB 15以上17以下の界面活性剤がさらに好ましい。特に好ましい親水性界面活性剤の例として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(特にPOE(20)ベへニルエーテル)、および、POE(20)POP(8)セチルエーテル、オレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)が挙げられる。
特に、POE(20)ベへニルエーテルを用いると、起泡性組成物を低温で保管した場合にも、非常に優れた泡形成性が得られる。
前記原液中の、前記親水性界面活性剤の含有率は、0.1〜1.0重量%が好ましい。前記含有率が0.1重量%未満では、泡の形成性が良くないという問題があり、前記含有率が高すぎると、べとつきが増すという問題がある。より好ましい含有率は0.2〜0.8重量%であり、特に好ましい含有率は0.3〜0.7重量%である。前記親水性界面活性剤は、一種のみを用いてもよく、複数を併用してもよい。
本発明に係る原液は、上述した親油性および親水性界面活性剤以外の界面活性剤を含まないことが好ましい。なお、皮膚刺激性を考慮すると、界面活性剤の量はできるだけ少ない方が好ましいため、前記原液中の界面活性剤の総量は2重量%(より好ましくは1.5重量%)以下であることが特に好ましい。
本発明に係る原液は、水性溶媒を70重量%以上含む。前記水性溶媒は、水(好ましくは精製水)のみ、あるいは、水と水溶性溶媒とからなる。水溶性溶媒の例として、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびプロピレングリコール等の多価アルコールや、D-ソルビトールや、数平均分子量100〜500のポリエチレングリコール(「日本薬局方」または「医薬品添加物規格」に規定される規格のマクロゴール200、400等)が挙げられる。また、水に少しだけ溶解する溶媒(例えば、トリアセチン、2-エチルヘキサンジオール等の高極性油)も、水に溶解可能な量であれば、本発明に係る水溶性溶媒として使用することができる。本発明で使用できる特に好ましい水溶性溶媒は、グリセリンおよびマクロゴール200である。また、グリセリンおよびポリエチレングリコール(マクロゴール)を併用することにより、使用感の良い組成物を得ることができる。
原液中の水性溶媒(水および水溶性溶媒)の含有率は、80重量%以上(80〜99重量%)がより好ましく、90重量%以上が特に好ましく、95重量%以上がさらに好ましい。また、原液中の水の含有率は、65〜92重量%が好ましく、70〜92重量%がより好ましく、75〜92重量%が特に好ましい。また、原液中の水溶性溶媒の含有率は、1〜30重量%が好ましく、5〜25重量%がより好ましく、5〜22重量%が特に好ましい。前記水溶性溶媒は、一種のみを用いてもよく、複数を併用してもよい。
本発明に係る原液は、油性溶媒の含有率が低い方が、べたつきを低減できるため好ましい。したがって、油性溶媒の含有率は20重量%以下が好ましい。ここで、油性溶媒とは、水に溶けにくいため(典型的には、20℃での水への溶解率が1重量%以下)、本発明に係る組成物に含まれている水性溶媒に溶けきらない物質を意味する。本発明で使用できる油性溶媒の例として、イソステアリルアルコール、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸イソプロピル、オクチルドデカノール、ミリスチン酸オクチルドデシル、ヘキシルデカノール、イソステアリン酸、トリイソオクタン酸グリセリン、ヒマシ油、オリーブ油、中鎖脂肪酸トリグリセリド、オレイルアルコール、オレイン酸、2-エチルヘキサン酸セチル、イソステアリルパルミテート、2-エチルヘキサン酸セチル、スクワラン、軽質流動パラフィン、流動パラフィン、スクワレン、白色ワセリン、ゲル化炭化水素等が挙げられる。前記油性溶媒は、一種のみを用いてもよく、複数を併用してもよい。
原液中の油性溶媒の含有率は、15重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、5重量%以下が特に好ましく、2重量%以下がさらに好ましい。特に好ましい原液は、油性溶媒を含まない。
本発明に係る原液は、ヘパリン類似物質(ヘパリノイド:多硫酸化コンドロイチン硫酸)を含むことが特に好ましい。
前記ヘパリン類似物質は、コンドロイチン硫酸(コンドロイチン4硫酸、コンドロイチン6硫酸等)に、化学的に硫酸基を導入することによって合成することができる。本発明に係るヘパリン類似物質としては、日本薬局方外医薬品規格に記載のヘパリン類似物質が好ましい。
また、本発明のヘパリン類似物質は、必要に応じ、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物若しくは炭酸塩、又はアミン類等を用いる造塩反応により得られる生理学的に許容される塩形態として使用することもできる。
また、本発明のヘパリン類似物質が有する硫酸基の数は特に限定されないが、本発明のヘパリン類似物質は、単糖当たり、通常平均0.55〜5個、好ましくは平均0.6〜2.9個、より好ましくは平均0.7〜2個の硫酸基を有する。
本発明で用いられるヘパリン類似物質又はその塩の分子量は、特に限定されないが、数平均分子量で10,000〜100,000程度、より好ましくは10,000〜75,000、特に好ましくは10,000〜50,000であることが望ましい。
コンドロイチン硫酸に硫酸基を導入する方法としては、既知の方法、例えば、コンドロイチン硫酸と硫酸化剤を適当な溶媒中で加温し、反応させる方法が挙げられる。硫酸化剤としては、多硫酸化の目的を達成することができるものであれば特に限定されないが、無水硫酸とピリジン若しくはトリエチルアミン等の錯体を使用することが好ましい。コンドロイチン硫酸と硫酸化剤の使用割合は、所望のヘパリン類似物質の硫酸化率(又は硫黄含有率)及び反応条件に従って任意に選択することができるが、一般に、コンドロイチン硫酸1重量部に対して硫酸化剤2〜10重量部となるような割合で使用する。溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド等の親プロトン性溶媒を挙げることができる。反応温度、反応時間としては、所望の硫酸化率が達成できる限り特に限定されないが、例えば、40〜90℃で30分〜20日間程度反応させる。
上述のようにして生成したヘパリン類似物質は、各種の修飾多糖類で常用されている精製操作により精製することができる。例えば、中和、透析による脱塩、有機溶媒添加による沈殿を回収する操作、凍結乾燥による回収操作などが挙げられる。
前記原液に、前記ヘパリン類似物質を添加することにより、起泡性組成物を皮膚に噴射した後に生じる泡だれ(または液だれ)を抑制することができる。前記泡だれ抑制効果は、原液中のヘパリン類似物質の含有率がごく少量(0.5重量%以下)でも得られる。例えば有毛部である頭部は、泡だれや液だれが生じやすいため、頭部に噴射した起泡性組成物が目に流れ落ちる危険性があるが、ヘパリン類似物質を含む本発明に係る起泡性組成物は、液だれや泡だれが生じにくいため、頭皮のような有毛部への適用にも適している。
原液中に含まれるヘパリン類似物質の含有率は、0.1〜1重量%が好ましく、0.1〜0.5重量%がより好ましく、0.2〜0.4重量%が特に好ましい。
また、ヘパリン類似物質を含む起泡性組成物は、ヘパリン類似物質が、血液凝固抑制作用、血流量増加作用、血腫消退促進作用、角質水分保持増強作用および線維芽細胞増殖抑制作用を有するため、乾燥性皮膚疾患、皮脂欠乏症、進行性指掌角皮症、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイド、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、血栓性静脈炎(痔核を含む)、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頸等の皮膚疾患の治療用組成物としても適している。
本発明に係る起泡性組成物の有効成分は、上述したヘパリン類似物質(水溶性)であってもよく、その他の水溶性薬物であってもよく、脂溶性の薬物であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。前記有効成分は、一種であっても、二種以上であってもよい。本発明に係る起泡性組成物は、水性溶媒の含有率が高いため、水溶性薬物を有効成分とすることがより好ましい。
本発明に係る好ましい原液の例として、ヘパリン類似物質を含み、HLB 6以上11未満の脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、および、HLB 11以上18以下のポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む原液が挙げられる。特に好ましい原液は、ヘパリン類似物質を含み、且つ、トリステアリン酸POE(20)ソルビタンおよびPOE(20)ベへニルエーテルを含む。
本発明に係る起泡性組成物は、噴射剤を含まないポンプスプレー剤として使用することも、噴射剤を含む外用エアゾール剤として使用することもできる。ポンプスプレー剤は、基本的に、気密容器、ポンプ本体、アクチュエーター、キャップ、原液から構成され、外用エアゾール剤は、基本的に、内圧に耐える耐圧性容器、バルブ、アクチュエーター、原液および噴射剤から構成される。
本発明で用いられる噴射剤(プロペラント)としては、液化ガス、圧縮ガスが挙げられ、前記液化ガスとしては、炭素数3〜5の炭化水素(プロパン、n-ブタン、i-ブタン等)を主成分とする液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル、フッ化炭化水素が挙げられ、圧縮ガスとしては、炭酸ガス、窒素、亜酸化窒素が挙げられる。特に好ましい噴射剤は、液化石油ガスである。
本発明に係る原液は、ポリビニルピロリドンを含まないことが好ましい。ポリビニルピロリドンは、泡を安定化する作用を持ち、泡の持続性を高めるため、起泡性組成物を皮膚に噴射した後、生じた泡が消えるまで時間がかかる恐れがある。
また、本発明に係る原液は、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の常温で固体の高級アルコール(脂肪アルコール)を含まないことが好ましい。固形高級アルコールは、泡の持続性を高める可能性があるためである。
本発明に係る原液は、3〜12の範囲のpH値を有することが好ましい。より好ましいpH値は4〜10である。
原液を上記範囲のpH値に調節するためのpH調節剤としては、低pH領域に調節するために使用されるものとして、リン酸二水素カリウム、クエン酸などが挙げられ、高pH領域に調節するため使用されるものとして、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、L-アルギニン、ジイソプロパノールアミンなどが挙げられる。特に好ましいpH調節剤として、リン酸二水素カリウム、水酸化カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、ジイソプロパノールアミン、エデト酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明に係る原液は、上記成分の他に、保存剤(防腐剤)、酸化防止剤、安定化剤、紫外線吸収剤等、皮膚用外用剤に一般的に使用される添加剤を含むことができる。
上記保存剤の例としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等のパラオキシ安息香酸エステル(パラベン類)、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノールなどが挙げられる。上記保存剤は、一種のみを用いてもよく、複数を併用してもよい。組成物における保存剤の含有率は、0.01〜1重量%の範囲とすることが好ましく、0.1〜0.5重量%の範囲とすることがより好ましい。2重量%を越えた場合は、製剤としての安全性が危惧されるおそれがある。
本発明に係る組成物の皮膚への塗布量・塗布頻度は、皮膚疾患の種類、症状の程度、患部の範囲、患者の年齢・体重、有効成分の種類および濃度等に応じて、適宜調節すればよい。有効成分が0.1〜1重量%のヘパリン類似物質の場合は、1日1〜4回、適量の組成物を患部に噴射すればよい。
なお、先行する段落において、本発明の組成物で使用できる必須成分および任意成分の好ましい化合物名を記載してきたが、本発明の組成物には、これらを任意に組み合わせて得られる組成物が含まれ、且つ、必須成分および任意成分について記載した重量%を任意に組み合わせて得られる組成物も含まれる。また、数値範囲が複数記載されている場合、各数値範囲の上限値または下限値も任意に組み合わせ可能である。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
[実施例1]起泡性組成物の調製
下記の表2および表3に示す組成を有する原液95.5gに、LPG(液化石油ガス)4.5gを加えて混和し、起泡性組成物を調製した。
試験で使用したヘパリン類似物質は、日本薬局方外医薬品成分規格に記載されているヘパリン類似物質に該当する市販品である。
このようにして調製されたNo.1〜26の組成物のpH値は6.28〜6.66であった。なお、pH調節剤を添加したNo.23およびNo.25のpH値は6.43であった。
[低温保管時の泡形成性]
上述のようにして調製した表2および表3の起泡性組成物について、5℃で保管した際の泡形成性を評価した。
具体的には、内圧に耐える耐圧性の缶に、起泡性組成物を充填し、バルブとアクチュエーターを取り付けた後、5℃で1〜27週間保管し、その後、前記容器を上下に10回撹拌し、撹拌の直後(0分後)、2分後、5分後に起泡性組成物を缶から適量噴射し、目視により泡質の観察を行った。
0分、2分および5分後に噴射し、すべての時点でボリュームのある泡が形成された場合を「○(泡形成能良好)」とし、0分、2分、5分後のいずれかの時点において、ボリュームのある泡が形成されなかった場合、あるいは、泡そのものが噴霧されない場合を「×(泡形成能不良)」と評価した。
結果を以下に示す。なお、表中の数値は重量%を示す。
Figure 0005988406
Figure 0005988406
表2および表3に示すように、HLB値5以上11未満のノニオン界面活性剤(以下、親油性面活性剤と称する)を単独で使用した場合(No.1〜No.3)、低温保管時の泡形成性が悪かった。これは、親油性界面活性剤は水に不溶性の成分であり、低温下で凝集しやすいため、5℃で保管中に凝集が進行し、LPGを原液中に十分に分散させることができなかったためと考えられる。
これに対し、親油性界面活性剤と、HLB値11以上30以下のノニオン界面活性剤(以下、親水性界面活性剤と称する)を併用した場合(No.5〜No.26)は、低温で保管した際にも優れた泡形成性を示した。これは、親水性界面活性剤が親油性界面活性剤の凝集を防ぎ、さらには親水性界面活性剤も起泡剤として機能することから、低温での起泡性が改善されたためと考えられる。特に、親水性界面活性剤として、POE(20)ベへニルエーテルを使用した場合、5℃で27週間(約6か月)保管しても、優れた泡形成性を有することが確認された(No.23〜25)。市販のフォーム剤の中には、「低温保管を避ける」「低温保管時に泡が出ない場合は、温めた後に使用する」と使用上の注意が喚起されているものもあるが、本発明に係る組成物はこのような注意は必要ないため、患者にとって利便性が高い。
また、親水性界面活性剤を単独で使用した場合(No.4)、泡が速やかに崩壊しない(泡切れが悪い)という問題が見られた。泡が速やかに崩壊しないと、皮膚に使用した時に、泡残りが多く、泡が消えるまで塗擦を繰り返す必要あるため、皮膚治療用の起泡性組成物として不向きである。なお、No.4は泡切れが悪かったため、泡形成性は試験しなかった。
これに対し、二種類の界面活性剤を併用した組成物(No.5〜No.26)から形成された泡は速やかに崩壊し、皮膚上に塗り広げやすく、皮膚患部の治療に適した物性を有することが確認された。
さらに、上記各起泡性組成物は、油性溶媒を含まないため、べたつきが少なく、使用感が良かった。
また、LPG(液化石油ガス)の量が多いと、皮膚の乾燥を誘発するおそれがあるが、前記起泡性組成物は、LPGの量が4.5重量%と低量である。また、エタノール等の低級アルコールも、揮発性が高いため、皮膚の乾燥を誘発するおそれがあるが、前記起泡性組成物は低級アルコールを含まない。
さらに、界面活性剤も皮膚刺激の原因となり得るが、本発明にかかる起泡性組成物(No.5〜No.26)は、界面活性剤の量が低量(合計0.78〜1.04重量%)でも、安定に泡を形成することができる。
したがって、本発明に係る起泡性組成物は、皮膚への刺激性が少なく、安全性が高いことが示唆される。
[実施例2]親水性界面活性剤を単独で使用した時の泡崩壊性の検討
上述したように、親水性界面活性剤を単独使用した場合(No.4)、泡の崩壊速度が遅いことが確認されたので、他の親水性界面活性剤を単独使用した場合についても試験を行った。具体的には、下記の親水性界面活性剤を使用した以外は、No.4と同じ組成を有する起泡性組成物を調製し、当該起泡性組成物を4名のパネラーの皮膚に噴射した際の泡の崩壊速度を観察した。4名のパネラー全員が、泡が速やかに崩壊すると評価した場合を「○(泡崩壊性良好)」、泡が速やかに崩壊しないと評価したパネラーが1名でもいた場合を「×(泡崩壊性不良)」とした。
結果を表4にまとめる。
Figure 0005988406
表4に示すように、親水性界面活性剤を単独で使用した場合は、泡が速やかに崩壊しない傾向があることが分かった。これに対し、親水性界面活性剤と親油性界面活性剤を併用した場合(No.5〜No.26)は、泡の持続性は観察されなかったので、親水性界面活性剤を単独で使用するより、親油性界面活性剤と併用することが好ましいことが分かった。
[実施例3]ヘパリン類似物質の有無が泡だれに与える影響
上記表2および表3に示す起泡性組成物から、ヘパリン類似物質を除くと、組成物を皮膚に噴射した後、泡だれ(液だれ)が生じやすい傾向が観察されたため、ヘパリン類似物質の有無が泡だれに与える影響を検討した。
具体的には、泡だれの簡易試験として繁用されている流動性試験を行った。試験は、仰角45度で2種の板を用い、これに起泡性組成物(液体)の適量を塗布または滴下した後、板上の20cm距離を、組成物(液体)が移動する際に要する時間(秒)を計測することによって行った。結果を表5に示す。表5中の各成分の数値は、重量%を示す。
Figure 0005988406
表5に示されるように、ヘパリン類似物質を含まない組成物の移動時間と比べて、ヘパリン類似物質を含む組成物の移動時間は、約3〜9秒(約18〜35%)長かった(すなわち、液だれの速度が約18〜35%遅くなった)。液だれの速度が遅くなると、起泡性組成物を噴射して泡を形成した後の泡だれの速度(あるいは泡が消泡して生じた液の液だれ速度)も遅くなる。したがって、本発明に係る組成物に、ヘパリン類似物質をごく微量(0.3重量%)添加することによって、泡だれおよび液だれが生じにくくなることが確認された。
この傾向は、外用エアゾールタイプ(噴射剤有り)、ポンプスプレータイプ(噴射剤無し)どちらの場合でも同様であった。なお、ヘパリン類似物質の有無によって、組成物の粘度、稠度等の物理的性質に差異は見られなかった。
この結果から、微量のヘパリン類似物質を添加することによって、泡だれ/液だれのし難いフォーム剤を提供できることが分かった。従って、ヘパリン類似物質を含む本発明の組成物は、頭髪に適用した場合でも、目に流れ落ちにくい等の利点があり、医療現場におけるアドヒアランスの向上が期待できる。
[実施例4]起泡性組成物中のヘパリン類似物質の安定性
本発明に係る起泡性組成物中における、ヘパリン類似物質の安定性(保管後の残存率)を確認した(n=3)。試験した起泡性組成物の組成を表6に、安定性試験の結果を表7に示す。なお、表6中の数値は、重量%を示す。
Figure 0005988406
Figure 0005988406
表7に示すように、本発明に係る起泡性組成物は、加速条件(40℃/75%RH)で保管した場合にも、ヘパリン類似物質の有意な含量低下を認めなかった。特に、親水性界面活性剤として、POE(20)ベへニルエーテルを用いた場合(No.35)は、加速条件で27週間(約6か月)保管した場合も、ヘパリン類似物質の有意な含量低下を認めなかった。このことから、本発明に係る起泡性組成物は、ヘパリン類似物質を安定に保つことができることが分かった。したがって、本発明に係る組成物は、ヘパリン類似物質を主薬(有効成分)とした場合、高い主薬安定性を示すことが実証された。
また、No.34の組成物について、低温(5℃)保管時の泡形成性を確認したところ、5℃で27週間保管した後でも、ボリュームのある泡が形成され、良好な泡形成能を有することが確認された。
[実施例5]起泡性組成物の調製
親油性界面活性剤として様々な界面活性剤を使用して、表8および表9に示す組成を有する組成物を調製し、さらに、親水性界面活性剤として、様々な界面活性剤を使用して、表10に示す組成を有する組成物を調製し、低温(5℃)で1週間保管した場合の泡形成性を確認した。なお、表中の数値は重量%を示す。また、各組成物のpH値は6.4〜6.6の範囲となった。
Figure 0005988406

Figure 0005988406
Figure 0005988406
表8〜表10に示す様々な親油性界面活性剤と親水性界面活性剤を組み合わせて、起泡性組成物を製造したが、いずれの組成物も、低温で一週間保管した場合でも、良好な泡形成性を示した。また、形成された泡は速やかに崩壊することが確認された。
[実施例6]起泡性組成物の調製
水溶性溶媒の量や種類、および、原液と噴射剤の割合を変更した場合の、低温保管時の泡形成性を確認するために、表11に示す組成を有する組成物を調製し、低温(5℃)で保管した場合の泡形成性を確認した。なお、表中の数値は重量%を示す。また、各組成物のpH値は6.4〜6.6の範囲となった。
Figure 0005988406
表11に示すように、親油性界面活性剤としてトリステアリン酸POE(20)ソルビタンを、親水性界面活性剤としてPOE(20)ベヘニルエーテルを使用した原液は、水溶性溶媒の種類や量を変更した場合や、原液と噴射剤の割合を変更した場合にも、低温保管時に優れた泡形成性を示した。また、形成された泡は速やかに崩壊することが確認された。

Claims (4)

  1. 原液、あるいは、原液と噴射剤とからなる起泡性組成物であって、
    前記原液が、
    脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタンから選択されるHLB 5以上11未満のノニオン界面活性剤と、ポリオキシエチレンアルキルエーテルから選択されるHLB 11以上30以下のノニオン界面活性剤を含むこと、
    水性溶媒を70重量%以上含むこと、
    ヘパリン類似物質を0.1〜1重量%含むこと、
    低級アルコールおよび油性溶媒を含まないこと
    を特徴とする、起泡性組成物。
  2. 前記原液と前記噴射剤とからなる、請求項1に記載の起泡性組成物。
  3. 前記HLB 5以上11未満のノニオン界面活性剤が、モノステアリン酸POE(6)ソルビタン、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン、および、モノオレイン酸POE(6)ソルビタンからなる群より選択され、
    前記HLB 11以上30以下のノニオン界面活性剤が、POE(15)セチルエーテル、POE(20)ベへニルエーテル、および、POE(20)ステアリルエーテルからなる群より選択される、請求項1または2に記載の起泡性組成物。
  4. 前記HLB 5以上11未満のノニオン界面活性剤が、トリステアリン酸POE(20)ソルビタンであり、前記HLB 11以上30以下のノニオン界面活性剤が、POE(20)ベへニルエーテルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の起泡性組成物。




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