JP7092494B2 - 油中水型乳化組成物 - Google Patents

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本発明は、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムとノニオン性界面活性剤を含みながらも、水相の取り込み量の低下を抑制できる油中水型乳化組成物に関する。
乳化組成物は、水性成分と油性成分を配合でき、様々な製剤処方に対応できると共に、皮膚に適用した際の使用感も優れているため、外用医薬品や化粧料の分野において汎用されている。一方、乳化組成物は、長期間保存すると、油相と水相の分離が生じ易いため、乳化安定性を高める製剤化技術が必要とされている。
一方、高粘度の乳化組成物からなるクリーム剤は、良好な使用感や使用時の垂れ難さ等の点から、消費者に広く受け入れられている。従来、高粘度の乳化組成物を製造するには、特定量以上の高級アルコールを配合するか、多量の増粘剤を配合する必要があった。しかしながら、このように高級アルコールや増粘剤を配合して粘度を高めた乳化組成物では、粘度が向上していることによって乳化安定性の向上は認められるものの、単なる粘度の向上による乳化安定化には限界があり、乳化安定性の点で十分満足できるものではない。更に、多量の増粘剤の配合は、乳化組成物にべたつきを生じさせ、使用感の低下を招くことになる。
また、従来、非イオン性界面活性剤、炭素数16以上の直鎖状高級アルコール、及び油分を含む油相と、水を含む水相とを70℃以上の温度で乳化してO/W乳化物を調製し、当該O/W乳化物を攪拌しながら冷却し、水相中で油相がαゲルを形成する温度領域のピーク温度以上70℃未満で撹拌を停止することによって、優れた乳化安定性を有する高粘度O/Wクリームが得られることが知られている(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1の技術では、乳化工程以降の操作が煩雑であり、製造簡便性の点で欠点がある。
特開2011-72310号公報
本発明者は、易な手法で優れた乳化安定性を備えさせる製剤化技術について検討したところ、乳化組成物にポリエチレンスルホン酸ナトリウムを配合することによって、乳化安定性が向上することを見出している(特願2016-135352号)。特に、油中水型乳化組成物にポリエチレンスルホン酸ナトリウムを配合すると、乳化安定性の向上と共に粘度も高まり、適度な硬さを有する高粘度タイプの外用剤として有用性が高いことをも見出している(特願2016-135352号)。
そこで、本発明者は、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを含む油中水型乳化組成物の実用化に向けて更なる検討を進めたところ、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムとノニオン性界面活性剤を含む油中水型乳化組成物を製造しようとすると、乳化工程後に、水相の一部が油中水型乳化組成物の中に取り込まれずに残留するという新たな課題に直面した。このような課題は、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを配合せずに油中水型乳化組成物を製造した場合には認められず、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムとのノニオン性界面活性剤を含む油中水型乳化組成物に特有の課題である。
ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを配合していれば、乳化工程後に、取り込まれずに水相の一部が残留しても、残留する水相を除去することによって優れた乳化安定性を有する油中水型乳化組成物が得られる。但し、このような水相の一部が取り込まれずに残留すると、乳化工程後に残留する水相の除去が必要になったり、油中水型乳化組成物中の水相構成成分の含有量が低下することが懸念される。
そこで、本発明の目的は、本発明者が検討を進めることにより直面した新たな課題を解決することであり、具体的には、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムとノニオン性界面活性剤を含む油中水型乳化組成物において、水相の取り込み量の低下を抑制できる製剤化技術を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、HLB値が3~8のノニオン性界面活性剤、及びニコチン酸ベンジルを配合して油中水型乳化組成物を製造することによって、水相の取り込み量の低下を抑制でき、乳化工程後に水相の一部が取り込まれずに残留するのを防止できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、HLB値が3~8のノニオン性界面活性剤、及びニコチン酸ベンジルを含有する、油中水型乳化組成物。
項2. ノニオン性界面活性剤のHLB値が3~6である、項1に記載の油中水型乳化組成物。
項3. ポリエチレンスルホン酸ナトリウムの含有量が0.01~10重量%である、項1又は2に記載の油中水型乳化組成物。
項4. ニコチン酸ベンジルの含有量が0.01~10重量%である、項1~3のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
項5. 液状油を含む、項1~4のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
項6. クリーム剤である、項1~5のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
項7. ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、及び非イオン性界面活性剤を含む油中水型乳化組成物において、油中水型乳化組成物中への水相の取り込み量の低下を抑制する方法であって、
油中水型乳化組成物に、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、HLB値が3~8の非イオン性界面活性剤、及びニコチン酸ベンジルを配合する、
水相の取り込み量の低下抑制方法。
本発明の乳化組成物は、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム及びノニオン性界面活性剤を含む油中水型乳化組成物でありながら、乳化組成物中への水相の取り込み量の低下を抑制できる。そのため、本発明の乳化組成物は、製造時の乳化工程後に残留する水相を除去する必要がなく、効率的な製造が可能になり、更に、油中水型乳化組成物中の水相構成成分の含有量の低下を防止することもできる。
1.油中水型乳化組成物
本発明の乳化組成物は、油中水型乳化組成物であって、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、HLB値が3~8のノニオン性界面活性剤、及びニコチン酸ベンジルを含有することを特徴とする。以下、本発明の乳化組成物について詳述する。
ポリエチレンスルホン酸ナトリウム
本発明の乳化組成物は、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを含有する。ポリエチレンスルホン酸ナトリウムは、本発明の乳化組成物の乳化安定性を向上させる役割を果たす。更に、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムは、本発明の乳化組成物に適度な粘度を付与する役割も果たす。
ポリエチレンスルホン酸ナトリウムは、アポラートナトリウムとも称されることがあり、下記式に示すモノマーがラジカル重合した高分子化合物である。また、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムは、CAS登録番号「25053-27-4」としても知られている化合物である。
Figure 0007092494000001
本発明で使用されるポリエチレンスルホン酸ナトリウムの粘度特性については、特に制限されないが、好適な一例として、25℃における極限粘度が0.06~0.08ml/gが挙げられる。ここで、25℃における極限粘度は、日本薬局方外医薬品規格の「ポリエチレンスルホン酸ナトリウム」の項の「粘度」の欄に記載されている方法に従って測定される値である。
本発明で使用されるポリエチレンスルホン酸ナトリウムについては、化粧料や外用医薬品等に通常用いられるものであればよく、その規格等については、特に制限されないが、日本薬局方外医薬品規格に掲載のものが好ましい。
本発明の乳化組成物において、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムの含有量については、形態、用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.01~10重量%、好ましくは0.1~5重量%が挙げられる。乳化安定性及び粘度をより一層向上させるという観点から、本発明の乳化組成物におけるポリエチレンスルホン酸ナトリウムの含有量として、更に好ましくは0.1~3重量%、特に好ましくは0.1~2重量%、最も好ましくは0.5~1.5重量%が挙げられる。
HLB値が3~8のノニオン性界面活性剤
本発明の乳化組成物では、界面活性剤として、HLB値が3~8のノニオン性界面活性剤を含む。本発明の乳化組成物において、HLB値が3~8のノニオン性界面活性は、油中水型の乳化形態の形成に寄与すると共に、ニコチン酸ベンジルとの相互作用によって、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを含むことによって生じる水相の取り込み量の低下を抑制する役割を果たす。
本発明で使用されるノニオン性界面活性剤のHLB値は、3~8であればよい。HLB値が3~6(更には3~5.5、特には3~5)のノニオン性界面活性剤は、ニコチン酸ベンジル非存在下で、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムと共存すると、水相の取り込み量を著しく低下させる傾向がある。これに対して、本発明では、ニコチン酸ベンジルを含むことによって、HLB値が3~6(更には3~5.5、特には3~5)のノニオン性界面活性剤を使用しても、水相の取り込み量の低下を十分に抑制することができる。このような本発明の効果を鑑みれば、本発明で使用されるノニオン性界面活性剤のHLB値として、好ましくは3~6、より好ましくは3~5.5、更に好ましくは3~5が挙げられる。なお、本発明において、ノニオン性界面活性剤のHLB値は、川上法(HLB値=7+11.7log(親水部の式量の総和/親油部の式量の総和))に従って算出される値である。
HLB値が3~8のノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、具体的には、ステアリン酸ポリグリセリル-2、オレイン酸ポリグリセリル-2、イソステアリン酸ポリグリセリル-2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ステアリン酸ポリグリセリル-4、オレイン酸ポリグリセリル-4、トリステアリン酸ポリグリセリル-6、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-10等が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、具体的には、ミリスチン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル等が挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、具体的には、ステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン等が挙げられる。
プロピレングリコール脂肪酸エステルとしては、具体的には、ステアリン酸プロピレングリコール、イソステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸プロピレングリコール等が挙げられる。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、具体的には、PEG-5水添ヒマシ油等が挙げられる。
これらのHLB値が3~8のノニオン性界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのHLB値が3~8のノニオン性界面活性剤の中でも、好ましくは、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;更に好ましくはオレイン酸ポリグリセリル-2、イソステアリン酸ポリグリセリル-2、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6、セスキオレイン酸ソルビタン、PEG-5水添ヒマシ油;特に好ましくはポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6、セスキオレイン酸ソルビタンが挙げられる。
本発明の乳化組成物において、HLB値が3~8のノニオン性界面活性剤の含有量については、当該ノニオン性界面活性剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.1~20重量%、好ましくは1~10重量%、更に好ましくは1~5重量%が挙げられる。
ニコチン酸ベンジル
本発明の乳化組成物は、ニコチン酸ベンジルを含有する。油中水型乳化組成物において、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムと非イオン性界面活性剤を共存させると、油中水型乳化組成物中への水相の取り込み量が低下するが、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムとHLB値が3~8のノニオン性界面活性剤と共に、ニコチン酸ベンジルを含有させることにより水相の取り込み量の低下を抑制することが可能になる。
ニコチン酸ベンジルとは、血行促進作用、細胞賦活作用等が知られている公知の化合物である。
本発明の乳化組成物において、ニコチン酸ベンジルの含有量としては、例えば、0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、更に好ましくは0.1~5重量%が挙げられる。
また、本発明の乳化組成物において、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムとニコチン酸ベンジルの比率については、特に制限されず、前述する各成分の含有量を満たす範囲内で適宜設定すればよいが、例えば、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム100重量部当たり、ニコチン酸ベンジルが0.1~100重量部、好ましく0.1~30重量部、更に好ましくは0.5~15重量部が挙げられる。
油相の基剤成分
本発明の乳化組成物には、油相の基剤成分として、液状油、固形油、高級アルコール等の油性基剤が含まれる。
従来の乳化組成物では、液状油が含まれている場合、乳化安定性が低下したり、粘度が低くなったりする傾向があるが、本発明の乳化組成物では、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを含むことにより、液状油が含まれていても、優れた乳化安定性を備えることができ、更に、油高い粘度(適度な硬さ)を備えさせることができる。このような本発明の効果を鑑みれば、本発明の乳化組成物で使用される油相の基剤成分の好適な例として、液状油が挙げられる。
また、従来の乳化組成物では、固形油は、乳化安定性を向上させたり、粘度を向上させたりすることが知られているが、乳化組成物に含まれる固形油は、使用感の低下の一因にもなっている。これに対して、本発明では、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを含むことにより、固形油を含有しなくても、優れた乳化安定性を備えることができ、更に粘度を向上させることもできることから、固形油を含有させないことによる使用感の向上を図ることが可能になっている。このような本願発明の効果を鑑みれば、本発明の乳化組成物の好適な一態様として固形油を実質的に含んでいないものが挙げられる。
以下、本発明で使用される油相の基剤成分(液状油、固形油、高級アルコール)について、その種類毎に説明する。
(液状油)
液状油とは、25℃において液状の形態を保つ油である。本発明で使用される液状油としては、化粧料や外用医薬品等に通常用いられるものであればよく、例えば、アボガド油、ツバキ油、マカデミアナツツ油、オリーブ油、ホホバ油等の植物油;オレイン酸、インステアリン酸等の脂肪酸;エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ2-エチルへキサン酸グリセリル、オレイン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジバラメトキシケイヒ酸-モノエチルへキサン酸グリセリル等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のシリコン油;流動パラフィン、スクワレン、スクワラン等の液状炭化水素油等が挙げられる。
これらの液状油の中でも、好ましくは、エステル油、液状炭化水素油;更に好ましくはミリスチン酸オクチルドデシル、トリ2-エチルへキサン酸グリセリル、オレイン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセリル、流動パラフィン;特に好ましくはミリスチン酸オクチルドデシル、流動パラフィンが挙げられる。
これらの液状油は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の乳化組成物に液状油を含有させる場合、その含有量については、特に制限されず、形態、用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.01~30重量%、好ましくは0.1~20重量%、更に好ましくは1~20重量%が挙げられる。
(固形油)
固形油とは、25℃において固形の形態を保つ油である。本発明で使用される固形油としては、通常化粧料や外用医薬品等に用いられるものであればよく、例えば、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、ミツロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ラノリン、セラックロウ、オゾケライト、セレシン、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン、ワセリン、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸イヌリン、水素添加ホホバ油、セレシンワックス、固形パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、シリコーンワックス等の固形油が挙げられる。
これらの固形油の中でも、好ましくは、ワセリン、パラフィン、ステアリン酸コレステリル、パルミチン酸デキストリン、マイクロクリスタリンワックス;更に好ましくはワセリン、パルミチン酸デキストリン、マイクロクリスタリンワックスが挙げられる。
これらの固形油は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の乳化組成物に固形油を含有させる場合、その含有量については、特に制限されず、乳化組成物の乳化タイプ、形態、用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.1~50重量%、好ましくは1~30重量%、更に好ましくは5~15重量%が挙げられる。
(高級アルコール)
高級アルコールとは、1分子中の炭素原子数が6個以上の1価アルコールである。本発明で使用される高級アルコールにおける1分子中の炭素原子数について、6以上であればよいが、好ましくは6~34、更に好ましくは14~22が挙げられる。
本発明で使用される高級アルコールとしては、通常化粧料や外用医薬品等に用いられるものであればよく、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール、セタノール、オレイルアルコール等の直鎖状高級アルコール;ノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、等の分枝鎖状高級アルコールが挙げられる。
これらの高級アルコールの中でも、好ましくは、直鎖状高級アルコール;更に好ましくはセタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール;特に好ましくはセタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが挙げられる。
これらの高級アルコールは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の乳化組成物に高級アルコールを含有させる場合、その含有量については、特に制限されず、形態、用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.1~50重量%、好ましくは1~30重量%、更に好ましくは3~15重量%が挙げられる。
水相の基剤成分
本発明の乳化組成物には、水相の基剤成分として水が含まれる。本発明の乳化組成物における水の含有量については、形態、用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、30~90重量%、好ましくは40~80重量%、更に好ましくは50~70重量%が挙げられる。
多価アルコール
本発明の乳化組成物には、保湿性の付与等のために、必要に応じて多価アルコールが含まれていてもよい。
多価アルコールとしては、化粧料や外用医薬品等に通常用いられるものであればよく、例えば、エチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールの中でも、好ましくは1,3-ブチレングリコール、グリセリンが挙げられる。
これらの多価アルコールは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の乳化組成物に、多価アルコールを含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、例えば、1~40重量%、好ましくは3~30重量%、更に好ましくは5~20重量%が挙げられる。
その他の成分
本発明の乳化組成物は、前述する成分の他に、必要に応じて、他の薬理成分を含有していてもよい。このような薬理成分としては、例えば、抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン等)、局所麻酔剤(プロカイン、テトラカイン、ブピパカイン、メピパカイン、クロロプロカイン、プロパラカイン、メプリルカイン又はこれらの塩、オルソカイン、オキセサゼイン、オキシポリエントキシデカン、ロートエキス、ペルカミンパーゼ、テシットデシチン等)、抗炎症剤(インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム等)、皮膚保護剤(コロジオン、ヒマシ油等)、血行促進成分(ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、カプサイシン、トウガラシエキス等)、ビタミン類(レチノール、レチノールパルミチン酸エステル、トコフェロール、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールニコチン酸エステル、トコフェロールコハク酸エステル、トコフェロールリノレン酸エステル等)、清涼化剤(メントール、カンフル、ボルネオール、ハッカ水、ハッカ油等)、ムコ多糖類(コンドロイチン硫酸ナトリウム、グルコサミン等)等が挙げられる。
また、本発明の乳化組成物は、必要に応じて、前述する成分の他に、製剤化等に必要とされる他の基剤や添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤については、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、低級アルコール(エタノール、イソプロパノール等)等の水性基剤;カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤等の界面活性剤;防腐剤(メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸等)、着香剤(シトラール、1,8-シオネール、シトロネラール、ファルネソール等)、着色剤(タール色素(褐色201号、青色201号、黄色4号、黄色403号等)、カカオ色素、クロロフィル、酸化アルミニウム等)、粘稠剤(カルボキシビニルポリマー、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、カラギーナン等)、pH調整剤(リン酸、塩酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、酒石酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)、湿潤剤(dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液、D-ソルビトール液、マクロゴール等)、安定化剤(ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エデト酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、L-アルギニン、L-アスパラギン酸、DL-アラニン、グリシン、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、クロロゲン酸、カテキン、ローズマリー抽出物等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、粘着剤、緩衝剤、溶解補助剤、可溶化剤、保存剤等の添加剤が挙げられる。
製品形態
本発明の乳化組成物は、化粧料や外用医薬品等の外用剤として使用される。本発明の乳化組成物の製品形態については、特に制限されないが、例えば、クリーム剤、軟膏剤、乳液剤、ゲル剤、油剤、ローション剤、リニメント剤、エアゾール剤等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、クリーム剤、軟膏剤、乳液剤、ローション剤が挙げられる。
製造方法
本発明の乳化組成物は、公知の油中水型乳化製剤の製剤化手法に従って製造することができる。例えば、本発明の乳化組成物の製造方法として、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、水相の基剤成分、及び必要に応じて他の親水性成分を混合して溶解させた水相原料と、HLB値が3~8の非イオン性界面活性剤、ニコチン酸ベンジル、油相の基剤成分、及び必要に応じて他の親油性成分を混合して溶解させた油相原料とを準備し、当該水相原料と油相原料を乳化させる方法が挙げられる。
2.水相の取り込み量の増加方法
本発明の水相の取り込み量の低下抑制方法は、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、及び非イオン性界面活性剤を含む油中水型乳化組成物において、油中水型乳化組成物中への水相の取り込み量の低下を抑制する方法であって、油中水型乳化組成物に、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、HLB値が3~8の非イオン性界面活性剤、及びニコチン酸ベンジルを配合することを特徴とする。
本発明の水相の取り込み量の低下抑制方法において、使用されるポリエチレンスルホン酸ナトリウム、HLB値が3~8の非イオン性界面活性剤、及びニコチン酸ベンジルの種類や添加量、乳化組成物中に含まれる他の成分や含有量、乳化組成物の製品形態等については、前記「1.乳化組成物」の欄に記載の通りである。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1に示す組成の油中水型乳化組成物(クリーム剤)を調製した。具体的には、油性成分、非イオン性界面活性剤、及び油性基剤を混合し、80℃で加熱溶解することにより、油相原料を調製した。また、別途、水性成分、多価アルコール、及び水性基剤を混合し、80℃で加熱溶解することにより、水相原料を調製した。80℃に加熱した油相原料に対して、80℃に加熱した油相原料をディスパーをかけながら徐々に添加して乳化を行った。その後、撹拌しながら35℃まで冷却することにより、油中水型乳化組成物を得た。
油中水型乳化組成物の製造直後に性状を目視にて観察し、以下の判定基準に従って、水相の取り込みの程度を評価した。
<水相の取り込みの程度の判定基準>
○:水相原料の全てが乳化組成物中に取り込まれており、取り込まれずに残留している水相原料は認められない。
△:乳化組成物中に取り込まれずに残留している水相原料が、乳化組成物の上に水滴程度の大きさで、ところどころ存在している。
×:乳化組成物中に取り込まれずに残留している水相原料が、乳化組成物の上で層を形成する程度に多量に存在している。
結果を表1に示す。ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを含まず、非イオン性界面活性剤を含む油中水型乳化組成物は、ニコチン酸ベンジルが含まれていなくても、水相原料が全て乳化組成物中に取り込まれていた(参考例1及び2)。これに対して、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムと非イオン性界面活性剤を含む油中水型乳化組成物では、ニコチン酸ベンジルが含まれていない場合には、水相原料の一部が乳化組成物に取り込まれずに残留していた(比較例1~3)。また、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムと、HLB値が2の界面活性剤を含む油中水型乳化組成物では、ニコチン酸ベンジルが含まれていても、水相原料の一部が乳化組成物に取り込まれずに残留していた(比較例4)。これに対して、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム及びHLB値が3~8の界面活性剤と共に、ニコチン酸ベンジルを含む油中水型乳化組成物では、水相原料が全て乳化組成物中に取り込まれていた(実施例1~5)。
以上の結果から、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、HLB値が3~8のノニオン性界面活性剤、及びニコチン酸ベンジルを配合して油中水型乳化組成物を製造することによって、油中水型乳化組成物中への水相の取り込み量が増大し、乳化工程後に水相が取り込まれずに分離して残留するのを抑制できることが確認された。
Figure 0007092494000002

Claims (9)

  1. ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、HLB値が3~8のノニオン性界面活性剤、及びニコチン酸ベンジルを含有し、固形油を含有しない、油中水型乳化組成物。
  2. ノニオン性界面活性剤のHLB値が3~6である、請求項1に記載の油中水型乳化組成物。
  3. ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、ポリリシノイレイン酸ポリグリセリル-6、及びニコチン酸ベンジルを含有する、油中水型乳化組成物。
  4. 液状油を含む、請求項3に記載の油中水型乳化組成物。
  5. ポリエチレンスルホン酸ナトリウムの含有量が0.01~10重量%である、請求項1~4のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
  6. ニコチン酸ベンジルの含有量が0.01~10重量%である、請求項1~のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
  7. クリーム剤である、請求項1~のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
  8. ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、及び非イオン性界面活性剤を含み、固形油を含有しない油中水型乳化組成物において、油中水型乳化組成物中への水相の取り込み量の低下を抑制する方法であって、
    油中水型乳化組成物に、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、HLB値が3~8の非イオン性界面活性剤、及びニコチン酸ベンジルを配合する、
    水相の取り込み量の低下抑制方法。
  9. ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、及び非イオン性界面活性剤を含む油中水型乳化組成物において、油中水型乳化組成物中への水相の取り込み量の低下を抑制する方法であって、
    油中水型乳化組成物に、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、ポリリシノイレイン酸ポリグリセリル-6、及びニコチン酸ベンジルを配合する、
    水相の取り込み量の低下抑制方法。
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