JP6726498B2 - 外用組成物 - Google Patents

外用組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6726498B2
JP6726498B2 JP2016064665A JP2016064665A JP6726498B2 JP 6726498 B2 JP6726498 B2 JP 6726498B2 JP 2016064665 A JP2016064665 A JP 2016064665A JP 2016064665 A JP2016064665 A JP 2016064665A JP 6726498 B2 JP6726498 B2 JP 6726498B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
oryzanol
skin
present
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016064665A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017178798A (ja
Inventor
寛和 金本
寛和 金本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2016064665A priority Critical patent/JP6726498B2/ja
Publication of JP2017178798A publication Critical patent/JP2017178798A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6726498B2 publication Critical patent/JP6726498B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Description

本発明は、皮膚水分量及び皮膚バリア機能を向上でき、しかも優れた使用感を備える外用組成物に関する。
健康的で潤いのある肌は、皮膚表面の角質層に水分が十分に保有されている。しかし、皮膚表面を覆っている皮脂の分泌量が低下したり、皮膚中の角質細胞間脂質が減少したりすると、角質層の水分含有量は低下していわゆる乾燥肌(ドライスキン)となる。乾燥肌は、年齢、体質、気候、環境、ライフスタイル等の様々な要因が関与しており、更に栄養障害、腎不全、粘液水腫等の全身性疾患から生じることもある。
従来、乾燥肌の処置には、保湿成分を含むスキンケア製品が利用されている。保湿成分の中でも、γ−オリザノールは、皮脂腺賦活化作用等により乾燥性皮膚疾患を改善する成分として有用であることが知られている。しかしながら、乾燥肌の処置にはγ−オリザノールのみでは必ずしも十分ではなく、その処置効果を高める製剤化技術の開発が望まれている。
また、γ−オリザノールを外用組成物に含有する際、可溶化又は乳化させることがあるが、一旦可溶化又は乳化させても低温条件下で保存すると、可溶化状態又は乳化状態を維持できなくなり、組成物としての安定性が低下する傾向がある。従来、γ−オリザノールを含有する外用組成物を安定化させる製剤化技術については種々検討されている。例えば、特許文献1には、γ−オリザノールと共に、レチノール誘導体及び/又はトコフェロール誘導体、並びに尿素を組み合わせて配合することによって安定性が向上することが開示されている。特許文献1が開示する製剤化技術は、γ−オリザノールを含有する組成物の安定性のみならず、皮膚のバリア機能の点でも優れているが、多様な処方設計に対応するために、特許文献1の製剤化技術とは異なる手法によって、組成物の安定化を図る技術の開発が望まれている。
一方、ヘパリン類似物質は、コンドロイチン多硫酸等の多硫酸化ムコ多糖であり、保湿作用、抗炎症作用、血行促進作用等が知られており、しかも副作用が少ないことから、外用組成物の有効成分として用いられている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、ヘパリン類似物質単独では、乾燥肌の処置に十分な効果が期待されず、更に、ヘパリン類似物質を含む外用組成物では、皮膚に塗布した際の展延性が悪く、使用感が劣るという欠点がある。また、従来、ヘパリン類似物質をγ−オリザノールと併用することについては、一切知られておらず、これらを併用することによって得られる効果については類推すらできないのが現状である。
特開2016−23170号公報 特公昭62−4362号公報
本発明の目的は、皮膚水分量及び皮膚バリア機能を向上でき、しかも優れた使用感を備える外用組成物を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、γ−オリザノールとヘパリン類似物質とを併用することにより、皮膚水分量及び皮膚バリア機能を飛躍的に向上できることを見出した。また、当該外用組成物は、皮膚に塗布した際の展延性が良好で、優れた使用感を備え得ることをも見出した。更に、当該組成物において、γ−オリザノールを可溶化又は乳化された状態で存在させる場合であっても、低温条件下でその状態を保持できるので、組成物の性状を安定に維持できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. γ−オリザノール及びヘパリン類似物質を含有することを特徴とする、外用組成物。
項2. γ−オリザノールが可溶化されている、項1に記載の外用組成物。
項3. γ−オリザノールが乳化されている、項1に記載の外用組成物。
項4. γ−オリザノールの含有量が0.05重量%以上である、項1〜3のいずれかに記載の外用組成物。
項5. ヘパリン類似物質の含有量が0.1重量%以上である、項1〜4のいずれかに記載の外用組成物。
項6. 乾燥肌の予防又は改善に使用される、項1〜5のいずれかに記載の外用組成物。
項7. 外用組成物中でγ−オリザノールとヘパリン類似物質を共存させることを特徴とする、γ−オリザノールの可溶化状態又は乳化状態を安定化する方法。
本発明の外用組成物によれば、皮膚水分量及び皮膚バリア機能を向上させることができるので、乾燥肌予防又は改善等に有効であり、優れたスキンケア効果を奏することができる。また、本発明の外用組成物は、展延性に優れ、使用感も良好である。更に、本発明の外用組成物は、低温安定性に優れており、低温条件下で保存しても、γ−オリザノールの可溶化状態又は乳化状態を保持できるので、冬場や寒冷地であっても、組成物の性状を安定に維持することができる。
1.外用組成物
本発明の外用組成物は、γ−オリザノール及びヘパリン類似物質を含有することを特徴とする。これらの両成分を併用することにより、皮膚水分量及び皮膚バリア機能が飛躍的に向上し、優れた展延性があり良好な使用感を備えることができ、更にはγ−オリザノールを可溶化状態又は乳化状態で組成物中に存在させる場合であっても、低温安定性を備えることが可能になる。以下、本発明の外用組成物について、詳述する。
γ−オリザノール
本発明の外用組成物は、γ−オリザノールを含有する。γ−オリザノールとは、フェルラ酸とトリテルペンアルコールとのエステル、又はフェルラ酸とステロールとのエステルである。
本発明の外用組成物において、γ−オリザノールとして、フェルラ酸とトリテルペンアルコールとのエステル又はフェルラ酸とステロールとのエステルのいずれか一方を単独で使用してもよく、またこれらを組み合わせて使用してもよい。本発明で使用されるγ−オリザノールの好適な例として、フェルラ酸シクロアルテニル(C40584)を含むもの、更に好ましくはフェルラ酸シクロアルテニルを95重量%以上含むもの、特に好ましくはフェルラ酸シクロアルテニル98重量%以上含むものが挙げられる。
γ−オリザノールのCAS登録番号は、「11042−64−1」で表される。本発明で使用されるγ−オリザノールには、オリザノールA(CAS登録番号[21238−33−5])及びオリザノールC(CAS登録番号[469−36−3])等が含まれ得る。
本発明で使用されるγ−オリザノールについては、その原料、製造方法、精製方法等は特に限定されず、例えば、米糠等から自ら単離及び精製したもの等が挙げられる。
また、γ−オリザノールは、例えば、オリザ油化株式会社、築野食品工業株式会社、和光純薬工業株式会社、理研ビタミン株式会社、岡安商店株式会社等により製造販売されており、本発明の外用組成物では、γ−オリザノールとして、これらの市販品を使用することもできる。
本発明の外用組成物におけるγ−オリザノールの含有量については、特に制限されず、製剤形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.05重量%以上、好ましくは0.05〜2重量%、更に好ましくは0.1〜1重量%、特に好ましくは0.5〜1重量%が挙げられる。
本発明の外用組成物において、γ−オリザノールの状態は特に制限されないが、例えば、γ−オリザノールを外用組成物中に可溶化又は乳化された状態で存在させる場合であっても、低温条件下でその状態を保持できるので、組成物の性状を安定に維持することができる。従って、本発明の外用組成物において、γ−オリザノールの状態の好適な例として、可溶化又は乳化された状態が挙げられる。ここで、γ−オリザノールの可溶化とは、γ−オリザノールがミセル中に取り込まれることにより、透明かつ均一に溶解することを指す。また、γ−オリザノールの乳化とは、γ−オリザノールを含む油層を界面活性剤により小滴として分散させ、エマルションを生成することを指す。
ヘパリン類似物質
本発明の外用組成物は、ヘパリン類似物質を含む。ヘパリン類似物質とは、コンドロイチン多硫酸等の多硫酸化ムコ多糖であり、保湿作用、抗炎症作用、血行促進作用等を有することが知られている公知の薬剤である。
本発明で使用されるヘパリン類似物質の由来については、特に制限されないが、例えば、ムコ多糖類を多硫酸化することにより得られたもの、食用獣の組織(例えば、ウシやブタ等の気管軟骨を含む肺臓)から抽出したもの等が挙げられる。本発明の乳化組成物では、ヘパリン類似物質として、日本薬局方外医薬品規格に収戴されているヘパリン類似物質が好適に使用される。
本発明の外用組成物におけるヘパリン類似物質の含有量については、製剤形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.1重量%以上、好ましくは0.1〜1重量%、更に好ましくは0.3〜1重量%が挙げられる。
また、本発明の外用組成物において、γ−オリザノールに対するヘパリン類似物質の比率については、特に制限されないが、皮膚水分量、皮膚バリア機能、使用感、及び低温条件下でのγ−オリザノールの可溶化状態又は乳化状態の安定性をより一層向上させるという観点から、γ−オリザノール1重量部当たり、ヘパリン類似物質が0.1〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.1〜8重量部、特に好ましくは0.1〜5重量部が挙げられる。

本発明の外用組成物において、γ−オリザノールを可溶化又は乳化させる場合には、溶媒として、水が含まれていることが好ましい。
本発明の外用組成物において水を含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、例えば30重量%以上が挙げられる。通常、水の含有量が多い程、低温条件下での保存によるγ−オリザノールの可溶化状態又は乳化状態が保持され難くなる傾向があるが、本発明の外用組成物では、水の含有量が多くても、その状態を安定に保持することができる。かかる本発明の効果を鑑みれば、本発明の外用組成物における水含有量として、好ましくは40〜99.5重量%、更に好ましくは50〜99重量%、特に好ましくは60〜95重量%が挙げられる。
界面活性剤
また、本発明の外用組成物は、γ−オリザノールを可溶化又は乳化させて所望の製剤形態にするために、界面活性剤が含まれていることが好ましい。界面活性剤としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されず、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれを使用してもよいが、好ましくはノニオン性界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤としては、具体的には、POE(10〜50モル)フィトステロールエーテル、POE(10〜50モル)ジヒドロコレステロールエーテル、POE(10〜50モル)2−オクチルドデシルエーテル、POE(10〜50モル)デシルテトラデシルエーテル、POE(10〜50モル)オレイルエーテル、POE(2〜50モル)セチルエーテル、POE(5〜50モル)ベヘニルエーテル、POE(5〜30モル)ポリオキシプロピレン(5〜30モル)2−デシルテトラデシルエーテル、POE(10〜50モル)ポリオキシプロピレン(2〜30モル)セチルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、これらのリン酸・リン酸塩(POEセチルエーテルリン酸ナトリウムなど)、POE(20〜60モル)ソルビタンモノオレート、POE(10〜60モル)ソルビタンモノイソステアレート、POE(10〜80モル)グリセリルモノイソステアレート、POE(10〜30モル)グリセリルモノステアレート、POE(20〜100モル)・ポリオキシプロピレン変性シリコーン、POE・アルキル変性シリコーン、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノパルミチン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジパルミチン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、ジリシノレイン酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(5〜100)、ポリソルベート(20〜85)、グリセリン脂肪酸エステル(モノステアリン酸グリセリン等)、水素添加大豆リン脂質、水素添加ラノリンアルコール等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の外用組成物に、界面活性剤を含有させる場合、その含有量については、製剤形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.1〜30重量%が挙げられる。より具体的には、本発明の外用組成物がクリーム剤の場合であれば、界面活性剤の含有量として、0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%が挙げられる。また、本発明の外用組成物が液剤の場合であれば、界面活性剤の含有量として、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜15重量%が挙げられる。
油性基剤
本発明の外用組成物は、所望の製剤形態への調製等のために、必要に応じて、油性基剤が含まれていてもよい。油性基剤としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、植物油、動物油、鉱物油、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸、高級アルコール、シリコーンオイル等が挙げられる。
油性基剤として、具体的には、オリーブ油、小麦胚芽油、こめ油、サフラワー油、大豆油、つばき油、とうもろこし油、なたね油、ごま油、ひまし油、ひまわり油、綿実油、落花生油、ホホバ油、硬化油、アボガド油、ウイキョウ油、チョウジ油、ハッカ油、ユーカリ油、レモン油、オレンジ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、木ロウ等の植物油;ラード、魚油、スクワラン、蜜蝋等の動物油;パラフィン、水添ポリイソブテン、流動パラフィン、ゲル化炭化水素(プラスチベース等)、ワセリン等の鉱物油;アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、セバシン酸ジエチル、オレイン酸エチル等の炭素数4〜30の脂肪酸と炭素数1〜34のアルコールのエステル;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、セバシン酸、オレイン酸、リノール酸等の炭素数4〜30の脂肪酸;ミリスチルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ラノリンアルコール等の炭素数6〜34の1価高級アルコール;チルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アクリルシリコーン、フェニル変性シリコーン等のシリコーンオイル等が挙げられる。これらの油性基剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の外用組成物に、油性基剤を含有させる場合、その含有量については、製剤形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.05〜60重量%が挙げられる。より具体的には、本発明の外用組成物がクリーム剤の場合であれば、油性基剤の含有量として、0.1〜60重量%、好ましくは1〜40重量%が挙げられる。また、本発明の外用組成物が液剤の場合であれば、油性基剤の含有量として、0.05〜30重量%、好ましくは0.1〜15重量%が挙げられる。
多価アルコール
更に、本発明の外用組成物には、保湿性の向上等のために、必要に応じて多価アルコールが含まれていてもよい。
多価アルコールとしては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の外用組成物に、多価アルコールを含有させる場合、その含有量については、製剤形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.05〜30重量%が挙げられる。より具体的には、本発明の外用組成物がクリーム剤の場合であれば、多価アルコールの含有量として、0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%が挙げられる。また、本発明の外用組成物が液剤の場合であれば、多価アルコールの含有量として、0.05〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%が挙げられる。
その他の成分
更に、本発明の外用組成物は、所望の製剤形態にするために、必要に応じて、前述する成分以外の基材や添加剤が含まれていてもよい。このような基剤や添加剤については、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、清涼化剤(メントール、カンフル、ボルネオール、ハッカ水、ハッカ油等)、防腐剤(メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸等)、着香剤(シトラール、1,8−シオネール、シトロネラール、ファルネソール等)、着色剤(タール色素(褐色201号、青色201号、黄色4号、黄色403号等)、カカオ色素、クロロフィル、酸化アルミニウム等)、粘稠剤(ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、カラギーナン等)、pH調整剤(リン酸、塩酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、酒石酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)、湿潤剤(dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム液、D−ソルビトール液、マクロゴール等)、安定化剤(ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エデト酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、L−アルギニン、L−アスパラギン酸、DL−アラニン、グリシン、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、クロロゲン酸、カテキン、ローズマリー抽出物等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、粘着剤、緩衝剤、溶解補助剤、可溶化剤、保存剤等の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの添加剤の含有量は、製剤形態等に応じて適宜設定することができる。
更に、本発明の外用組成物は、前述する成分の他に、必要に応じて、γ−オリザノール及びヘパリン類似物質以外の薬理成分を含有していてもよい。このような薬理成分としては、例えば、抗ヒスタミン剤(クロルフェニラミンマレイン酸塩等)、局所麻酔剤(プロカイン、テトラカイン、ブピパカイン、メピパカイン、クロロプロカイン、プロパラカイン、メプリルカイン又はこれらの塩、オルソカイン、オキセサゼイン、オキシポリエントキシデカン、ロートエキス、ペルカミンパーゼ、テシットデシチン等)、抗炎症剤(インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム等)、皮膚保護剤(コロジオン、ヒマシ油等)、血行促進成分(ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、カプサイシン、トウガラシエキス等)、清涼化剤(メントール、カンフル等)、ムコ多糖類(コンドロイチン硫酸ナトリウム、グルコサミン等)等が挙げられる。これらの薬理成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの薬理成分を含有させる場合、その含有量については、使用する薬理成分の種類、期待する効果等に応じて適宜設定すればよい。
製剤形態・使用態様
本発明の外用組成物は、経皮適用される製剤(外用医薬品、化粧料等)として使用され、とりわけ外用医薬品として好適に使用される。
本発明の外用組成物の製剤形態については、経皮適用可能であることを限度として特に制限されず、例えば、液剤(ローション剤、スプレー剤、エアゾール剤、及び乳液剤を含む)、水溶性軟膏剤、油脂性軟膏剤、クリーム剤、フォーム剤、ゲル剤、貼付剤等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは液剤、クリーム剤が挙げられる。
これらの製剤形態への調製は、第十六改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法に従って、製剤形態に応じた添加剤を用いてγ−オリザノールを可溶化又は乳化させて製剤化することにより行うことができる。例えば、クリーム剤の場合であれば、γ−オリザノール、油性基剤、界面活性剤、及び必要に応じて添加ざれる他の油性成分を含む油相と、ヘパリン類似物質、水、及び必要に応じて添加ざれる他の水溶性成分を含む水相とを調製し、これらを混合して乳化処理することにより製造される。
発明の外用組成物は、γ−オリザノール及びヘパリン類似物質の作用によって、皮膚水分量及び皮膚バリア機能を飛躍的に向上できるので、乾燥肌の予防又は改善に使用することができる。更に、発明の外用組成物は、乾燥肌が悪化した状態の疾患、又は乾燥肌によって引き起こされ得る皮膚疾患の予防又は治療に使用することもできる。このような皮膚疾患としては、例えば、乾燥性皮膚疾患(例えば、皮脂欠乏症、皮脂欠乏性湿疹、アトピー性皮膚炎、進行性指掌角皮症、足蹠角皮症、小児乾燥性湿疹等)、毛孔性苔癬、乾皮症、皮膚掻痒症、魚鱗癬、さめ肌、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、手指のあれ、手足のひび・あかぎれ、小児乾燥性皮膚等が挙げられる。
2.γ−オリザノールの可溶化状態又は乳化状態の安定化方法
本発明は、γ−オリザノールを含む外用組成物においてγ−オリザノールの可溶化状態又は乳化状態を安定化する方法であって、外用組成物中でγ−オリザノールとヘパリン類似物質を共存させることを特徴とする、γ−オリザノールの可溶化状態又は乳化状態の安定化方法を提供する。
当該安定化方法において、γ−オリザノール、ヘパリン類似物質、これらの含有量、これらの比率、配合される他の成分の種類や含有量、外用組成物の製剤形態等については、前記「1.外用組成物」の場合と同様である。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例1:皮膚水分量、皮膚バリア機能及び使用感(展延性)の評価
1.乳化組成物(クリーム剤)の調製
表1に示す組成の乳化組成物(クリーム剤)を調製した。具体的には、表1に示す水相の各成分を混合して80℃に加温し、均一に撹拌することにより、水相を調製した。また、別途、表1に示す油相の各成分を80℃に加温し、均一に撹拌することにより、油相を調製した。なお、油層の調製において、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル及びポリオキシエチレン(5)ベヘニルエーテルについては、予め80℃に加温して溶解させて、他の成分との混合を行った。次いで、得られた水相と油相を80℃に加温した状態で混合して乳化処理を行い、冷却することにより、乳化組成物(クリーム剤)を得た。
2.皮膚水分量及び皮膚バリア機能の評価
得られた各乳化組成物0.3gを、乾燥肌の被験者6名の手の甲に1日当たり3回(朝・昼・晩)塗布した。塗布前(初期)及び塗布を開始してから2週間後に皮膚水分量と皮膚バリア機能(経表皮水分蒸散量;TEWL)を測定した。
皮膚水分量の測定は、皮表角層水分量測定装置SKICON−200EX(アイ・ビイ・エス株式会社製)を用いて行い、乳化組成物の塗布部を10回測定した。皮表角層水分量の平均値を算出し、下記式に従って、皮膚水分量の増加率(%)を算出した得られた6名の「皮膚水分量の増加率(%)」を平均し、小数点第一位を四捨五入したものを評価結果とした。
また、経表皮水分蒸散量(TEWL)は、TEWL測定機器VAPO SCAN AS−VT100RS(株式会社アサヒテクノラボ製)を用いて、乳化組成物の塗布部を5回測定した。経表皮水分蒸散量の平均値を算出し、下記式に従って、皮膚バリア機能の回復率(%)を算出した。得られた6名の「皮膚バリア機能の回復率(%)」を平均し、小数点第一位を四捨五入したものを評価結果とした。なお、皮膚バリア機能が高く、皮膚の水分を保持する能力が大きい程、経表皮水分蒸散量が小さくなるので、経表皮水分蒸散量は皮膚バリア機能の指標として使用される。
3.使用感(展延性)の評価
得られた各乳化組成物0.1gを、被験者の手の甲に塗り広げ、その際の展延性について評価した。展延性の評価は、具体的には、水(良好な展延性のコントロール)を手の甲に塗り広げた場合の塗り広げ易さを「1」、日局マクロゴール軟膏(悪い展延性のコントロール)を手の甲に塗り広げた場合の塗り広げ易さを「10」として、その間を塗り広げ易さに応じて10段階に分割して評点化することにより行った。得られた6名の「評点」を平均し、小数点第一位を四捨五入したものを評価結果とした。
4.評価結果
得られた結果を表1に示す。皮膚水分量の増加率は、ヘパリン類似物質単独(比較例1)では205%、γ−オリザノール単独(比較例2)では31%であったが、これらを併用した場合(実施例1)では347%であり、ヘパリン類似物質とγ−オリザノールの相乗的な作用によって皮膚水分量が向上することが明らかとなった。また、皮膚バリア機能の回復率についても、ヘパリン類似物質単独(比較例1)では41%、γ−オリザノール単独(比較例2)では8%であったが、これらを併用した場合(実施例1)では61%であり、ヘパリン類似物質とγ−オリザノールの相乗的な作用によって皮膚バリア機能が向上することが確認された。更に、使用感(展延性)についても、ヘパリン類似物質とγ−オリザノールを併用した場合(実施例1)、これらが単独の場合(比較例1及び2)に比べて、良好になることが明らかとなった。
試験例2:低温安定性の評価
1.液剤の調製
表2に示す組成の液剤を調製した。具体的には、先ず、ヘパリン類似物質及び水を混合溶解させたA相を準備した。また、別途、セバシン酸ジエステルにγ−オリザノールを溶解させ、更に、予め60℃に加温、溶解させたポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油を加えて撹拌し、均一に混和させたB相を準備した。次いで、A相及びB相を80℃に加温して混合し、均一に撹拌した後に、室温まで冷却することにより液剤を調製した。得られた液剤のうち、実施例2〜10、及び比較例3〜5及び参考例1は、いずれもγ−オリザノールが可溶化されている状態であり、比較例6は白濁している状態であった。
2.低温条件下での安定性の評価
得られた各可溶化液剤25gをバイアル瓶(内径35mm、高さ78mm)に充填し、蓋をして検体とした。各検体を−20℃〜5℃の範囲で温度制御可能な恒温槽に入れ、(i)−20℃で11時間静置、(ii)1時間かけて5℃まで昇温、(iii)5℃で11時間静置、及び(iv)1時間かけて−20℃まで降温を1サイクルとして、合計5サイクルの低温負荷試験を行った。
その後、各検体の温度を室温まで戻した後に、外観を観察し、γ−オリザノールの可溶化状態を評価した。可溶化状態の評価は、具体的には、透明な状態を「1」、ヘパリン類似物質を含まない比較例6の液剤(白濁している状態のコントロール)の白濁状態を「10」として、その間を白濁の程度に応じて10段階に分割して評点化することにより行った。
得られた結果を表2に示す。この結果、γ−オリザノール単独の場合(比較例3〜5)では、低温負荷試験後には、γ−オリザノールの可溶化状態が不安定化したことによる白濁が認められたが、γ−オリザノール及びヘパリン類似物質を含む場合(実施例2〜10)では、γ−オリザノールの可溶化状態が保持され、透明な状態を維持できていた。寧ろ、実施例2〜10では、低温負荷試験後の方が、可溶化状態が良好ですらあった。
製剤例
表3に示す組成の外用組成物(O/W乳化型クリーム剤)、表4に示す組成の外用組成物(W/O乳化型クリーム剤)、表5に示す組成の外用組成物(乳液剤)、表6に示す組成の外用組成物(ゲル剤)を調製した。得られた各外用組成物を前記と同様の方法で評価したところ、比較例1や2に比べて皮膚水分量及び皮膚バリア機能が良好であり、γ−オリザノールを可溶化又は乳化状態で存在させた場合には、低温条件下での製剤安定性に優れていた。

Claims (7)

  1. γ−オリザノール及びヘパリン類似物質を含有することを特徴とする、外用組成物。
  2. γ−オリザノールが可溶化されている、請求項1に記載の外用組成物。
  3. γ−オリザノールが乳化されている、請求項1に記載の外用組成物。
  4. γ−オリザノールの含有量が0.05重量%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の外用組成物。
  5. ヘパリン類似物質の含有量が0.1重量%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の外用組成物。
  6. 乾燥肌の予防又は改善に使用される、請求項1〜5のいずれかに記載の外用組成物。
  7. N−アセチルグルコサミンを含まない、請求項1〜6のいずれかに記載の外用組成物。
JP2016064665A 2016-03-28 2016-03-28 外用組成物 Active JP6726498B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016064665A JP6726498B2 (ja) 2016-03-28 2016-03-28 外用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016064665A JP6726498B2 (ja) 2016-03-28 2016-03-28 外用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017178798A JP2017178798A (ja) 2017-10-05
JP6726498B2 true JP6726498B2 (ja) 2020-07-22

Family

ID=60004955

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016064665A Active JP6726498B2 (ja) 2016-03-28 2016-03-28 外用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6726498B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6779730B2 (ja) * 2016-09-28 2020-11-04 小林製薬株式会社 外用組成物
WO2024075548A1 (ja) * 2022-10-07 2024-04-11 株式会社 資生堂 ゲル組成物及び水中油型組成物

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60112708A (ja) * 1983-11-24 1985-06-19 Maruho Kk 皮膚用保湿剤
JP2002020294A (ja) * 2000-06-30 2002-01-23 Lion Corp 皮膚外用剤
JP3914384B2 (ja) * 2000-11-16 2007-05-16 ポーラ化成工業株式会社 肌改善用の化粧料
JP2012041302A (ja) * 2010-08-20 2012-03-01 Kracie Home Products Ltd 皮膚化粧料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017178798A (ja) 2017-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6666068B2 (ja) 外用組成物
JP2023086619A (ja) 乳化組成物
JP2009184951A (ja) 皮膚外用剤組成物
JPH09510692A (ja) コルチコステロイドを含む油中水型ローション
JP2023054255A (ja) 皮膚外用剤
JP6753312B2 (ja) 医療用皮膚外用剤
JP2001181180A (ja) 油中水型乳化組成物
JP6726498B2 (ja) 外用組成物
JP4972895B2 (ja) 尿素配合外用製剤
JP6415156B2 (ja) 外用組成物
JP7313111B2 (ja) 皮脂分泌促進剤及び外用組成物
JP6725207B2 (ja) 皮膚色素沈着抑制剤
JP6967369B2 (ja) 乳化組成物
JP7312527B2 (ja) 乳化組成物
JP6779730B2 (ja) 外用組成物
JP5695310B2 (ja) γ−オリザノール含有外用剤組成物
JP2003012501A (ja) 鎮痒エアゾール製剤
JP6084579B2 (ja) タクロリムスを含有する水中油型クリーム状組成物
JP4521899B2 (ja) クロタミトン含有皮膚外用液剤
JP7153429B2 (ja) 活性酸素消去剤
WO2022131079A1 (ja) 外用組成物
JP7417347B2 (ja) 慢性角化型湿疹改善剤
JPH08165244A (ja) 皮膚疾患治療剤
JP2018203673A (ja) 皮脂分泌促進剤
JP6735587B2 (ja) 外用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170208

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200316

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200602

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200629

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6726498

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250