JP6859033B2 - 乳化組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、乳化組成物に関する。より具体的には、本発明は、優れた乳化安定性を有する乳化組成物に関する。
乳化組成物は、水性成分と油性成分を配合でき、様々な製剤処方に対応できると共に、皮膚に適用した際の使用感も優れているため、外用医薬品や化粧料の分野において汎用されている。しかしながら、乳化組成物は、長期間保存すると、油相と水相の分離が生じ易く、乳化安定性の点で欠点がある。
また、高粘度の乳化組成物からなるクリーム剤は、良好な使用感や使用時の垂れ難さ等の点から、消費者に広く受け入れられている。従来、高粘度の乳化組成物を製造するには、特定量以上の高級アルコールを配合するか、多量の増粘剤を配合する必要があった。しかしながら、このように高級アルコールや増粘剤を配合して粘度を高めた乳化組成物では、粘度が向上していることによって乳化安定性の向上は認められるものの、単なる粘度の向上による乳化安定化には限界があり、依然として満足できる乳化安定性を備えているとはいえない。更に、多量の増粘剤の配合は、乳化組成物にべたつきを生じさせ、使用感の低下を招くことになる。
また、従来、非イオン性界面活性剤、炭素数16以上の直鎖状高級アルコール、及び油分を含む油相と、水を含む水相とを70℃以上の温度で乳化してO/W乳化物を調製し、当該O/W乳化物を攪拌しながら冷却し、水相中で油相がαゲルを形成する温度領域のピーク温度以上70℃未満で撹拌を停止することによって、優れた乳化安定性を有する高粘度O/Wクリームが得られることが知られている(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1の技術では、乳化工程以降の操作が煩雑であり、製造簡便性の点で欠点がある。
このような従来技術を背景として、簡易な手法で優れた乳化安定性を備えさせる製剤化技術の開発が望まれていた。
特開2011−72310号公報
本発明の目的は、優れた乳化安定性を有する乳化組成物を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、乳化組成物にポリエチレンスルホン酸ナトリウムを配合することによって、乳化安定性が向上することを見出した。また、油中水型の乳化組成物の場合には、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを配合すると、乳化安定性の向上と共に、粘度も高まることを見出した。更に、油中水型の乳化組成物にポリエチレンスルホン酸ナトリウム及びニコチン酸ベンジルを配合することによって、乳化安定性及び粘度の向上に加えて、格段に優れた血行促進作用が発揮されることをも見出した。本発明は、これらの知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを含有する、乳化組成物。
項2. ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、レチノール、レチノールの誘導体、トコフェロール、及びトコフェロールの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種の油性成分を含む、項1に記載の乳化組成物。
項3. 液状油を含む、項1又は2に記載の乳化組成物。
項4. 固形油を含まない、項1〜3のいずれかに記載の乳化組成物。
項5. 油中水型である、項1〜4のいずれかに記載の乳化組成物。
項6. ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを含む、乳化安定化剤。
項7. 乳化組成物にポリエチレンスルホン酸ナトリウムを添加する、乳化安定化方法。
本発明の乳化組成物は、油中水型又は水中油型のいずれの乳化タイプの場合であっても、優れた乳化安定性を備えることができる。また、本発明の乳化組成物が油中水型の場合には、粘度の向上も認められるので、適度な硬さを有する高粘度タイプの外用剤として使用することもできる。更に、本発明の乳化組成物の好適な一態様では、格段に優れた血行促進作用を発揮することもできるので、健康な皮膚状態の維持又は回復、皮膚の抗老化等の目的で使用することができる。
1.乳化組成物
本発明の乳化組成物は、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを含有することを特徴とする。以下、本発明の乳化組成物について詳述する。
ポリエチレンスルホン酸ナトリウム
本発明の乳化組成物は、乳化安定性を向上させる成分として、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを含有する。
ポリエチレンスルホン酸ナトリウムは、アポラートナトリウムとも称されることがあり、下記式に示すモノマーがラジカル重合した高分子化合物である。また、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムは、CAS登録番号「25053−27−4」としても知られている化合物である。
Figure 0006859033
本発明で使用されるポリエチレンスルホン酸ナトリウムの粘度特性については、特に制限されないが、好適な一例として、25℃における極限粘度が0.06〜0.08ml/gが挙げられる。ここで、25℃における極限粘度は、日本薬局方外医薬品規格の「ポリエチレンスルホン酸ナトリウム」の項の「粘度」の欄に記載されている方法に従って測定される値である。
本発明で使用されるポリエチレンスルホン酸ナトリウムについては、化粧料や外用医薬品等に通常用いられるものであればよく、その規格等については、特に制限されないが、日本薬局方外医薬品規格に掲載のものが好ましい。
本発明の乳化組成物におけるポリエチレンスルホン酸ナトリウムの含有量については、乳化組成物の乳化タイプ、形態、用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%が挙げられる。より一層効果的に乳化安定性を向上させる、油中水型の場合に粘度をより効果的に向上させる、或はニコチン酸ベンジルを含む場合に血行促進作用をより一層向上させる、という観点から、本発明の乳化組成物におけるポリエチレンスルホン酸ナトリウムの含有量として、更に好ましくは0.1〜3重量%、特に好ましくは0.1〜2重量%、最も好ましくは0.5〜1.5重量%が挙げられる。
ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、レチノール、レチノールの誘導体、トコフェロール、及び/又はトコフェロールの誘導体
本発明の乳化組成物は、ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、レチノール、レチノールの誘導体、トコフェロール、及びトコフェロールの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種の油性成分を含んでいてもよい。これらの油性成分は、従来の乳化組成物において、乳化安定性を低下させたり、粘度を低下させたりする傾向があるが、本発明の乳化組成物によれば、これらの油性成分を含んでいても、乳化安定性の向上が図られ、特に油中水型の場合には粘度の低下を抑制することができる。
(ニコチン酸ベンジル)
ニコチン酸ベンジルとは、血行促進作用、細胞賦活作用等が知られている公知の化合物である。本発明の乳化組成物が、ニコチン酸ベンジルを含む場合には、血行促進作用を発揮することができ、特にニコチン酸ベンジルを含み且つ油中水型である場合には、格段に優れた血行促進作用を発揮することが可能になる。
本発明の乳化組成物にニコチン酸ベンジルを含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、例えば、0.01〜10重量%であり、好ましくは0.05〜5重量%、更に好ましくは0.1〜5重量%が挙げられる。
また、本発明の乳化組成物にニコチン酸ベンジルを含有させる場合、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムとニコチン酸ベンジルの比率については、特に制限されず、前述する各成分の含有量を満たす範囲内で適宜設定すればよいが、例えば、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム100重量部当たり、ニコチン酸ベンジルが0.1〜100重量部、好ましく0.1〜30重量部、更に好ましくは0.5〜15重量部が挙げられる。
(γ−オリザノール)
γ−オリザノールとは、フェルラ酸とトリテルペンアルコールとのエステル、又はフェルラ酸とステロールとのエステルである。
本発明の乳化組成物において、γ−オリザノールとして、フェルラ酸とトリテルペンアルコールとのエステル又はフェルラ酸とステロールとのエステルのいずれか一方を単独で使用してもよく、またこれらを組み合わせて使用してもよい。本発明で使用されるγ−オリザノールの好適な例として、フェルラ酸シクロアルテニル(C40584)を含むもの、更に好ましくはフェルラ酸シクロアルテニルを95重量%以上含むもの、特に好ましくはフェルラ酸シクロアルテニル98重量%以上含むものが挙げられる。
γ−オリザノールは、例えば、CAS登録番号「11042−64−1」として知られている。また、本発明で使用されるγ−オリザノールには、オリザノールA(CAS登録番号[21238−33−5])、オリザノールC(CAS登録番号[469−36−3])等が含まれ得る。
本発明で使用されるγ−オリザノールについては、その原料、製造方法、精製方法等は特に限定されず、例えば、米糠等から自ら単離及び精製したもの等が挙げられる。
また、γ−オリザノールは、例えば、オリザ油化株式会社、築野食品工業株式会社、和光純薬工業株式会社、理研ビタミン株式会社、岡安商店株式会社等により製造又は販売されており、本発明の乳化組成物では、γ−オリザノールとして、これらの市販品を使用することもできる。
本発明の乳化組成物にγ−オリザノールを含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、例えば、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、更に好ましくは0.5〜2重量%、特に好ましくは0.5〜1重量%が挙げられる。
また、本発明の乳化組成物にγ−オリザノールを含有させる場合、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムとγ−オリザノールの比率については、特に制限されず、前述する各成分の含有量を満たす範囲内で適宜設定すればよいが、例えば、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム100重量部当たり、γ−オリザノールが10〜500重量部、好ましくは10〜300重量部、更に好ましくは50〜200重量部が挙げられる。
(レチノール及び/又はその誘導体)
レチノールは、ビタミンAの1種であり、ビタミンAアルコールとも称されることがある成分である。
レチノールの誘導体とは、レチノールと同じ骨格を有し、レチノールに置換基を付加することによって得られる成分である。レチノール誘導体の種類については、薬学的に許容されることを限度として、特に制限されないが、例えば、レチノールと脂肪酸とのエステル、レチノールと酢酸とのエステル(即ち、レチノール酢酸エステル)、レチノールの酸化物、及び当該酸化物のエステル等が挙げられる。
レチノールと脂肪酸とのエステルとしては、具体的には、レチノールと、炭素数4〜30、好ましくは10〜18の脂肪酸とのエステルが挙げられる。レチノールと脂肪酸とのエステルとして、より具体的には、レチノール酢酸エステル、レチノールプロピオン酸エステル、レチノール酪酸エステル、レチノールオクチル酸エステル、レチノールラウリル酸エステル、レチノールパルミチン酸エステル、レチノールステアリン酸エステル、レチノールミリスチン酸エステル、レチノールオレイン酸エステル、レチノールリノレン酸エステル、レチノールリノール酸エステル等が挙げられる。これらのレチノールと脂肪酸とのエステルは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
レチノールの酸化物としては、具体的には、レチノイン酸(「トレチノイン」と称することもある)、レチナール等が挙げられる。これらのレチノールの酸化物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
レチノールの酸化物のエステルとしては、具体的には、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、レチノイン酸トコフェロール(トコフェロールは、α、β、γ、又はδのいずれであってもよい)等が挙げられる。これらのレチノールの酸化物のエステルは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのレチノール及び/又はその誘導体は、その原料、製造方法、精製方法等は特に制限されず、動物等から自ら単離及び精製したものを用いてもよく、或いは市販品を用いてもよい。レチノール又はその誘導体の市販品としては、例えば、理研ビタミン株式会社、DSMニュートリションジャパン株式会社、小華薬品株式会社、BASFジャパン株式会社等で製造又は販売されている商品が挙げられる。
本発明の乳化組成物では、レチノール及びその誘導体の中から、1種を選択して使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
レチノール及びその誘導体の中でも、好ましくはレチノールの誘導体、更に好ましくはレチノールと脂肪酸とのエステル、特に好ましくはレチノールパルミチン酸エステルが挙げられる。
また、本発明において、レチノール及び/又はその誘導体は、植物油等の油中に溶解させた状態で使用してもよい。このようにレチノール及び/又はその誘導体を油中に溶解させたものは、「ビタミンA油」として知られている。ビタミンA油は、例えば日本薬局方に記載の方法に従って製造することができる。ビタミンA油としては、通常、レチノール及び/又はその誘導体の含有量が10万〜200万I.U./g、好ましくは50万〜170万I.U./g、更に好ましくは50万〜100万I.U./gのものを使用できる。なお、本明細書において、レチノール及び/又はその誘導体の含有量の単位「I.U.」は、国際単位を示す。
本発明の乳化組成物にレチノール及び/又はその誘導体を含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、例えば、本発明の乳化組成物100g当たり、レチノール及び/又はその誘導体の総量が、0.1万〜1000万I.U.、好ましくは1万〜500万I.U.、より好ましくは10万〜300万I.U.、更に好ましくは50万〜200万I.U.、特に好ましくは50万〜100万I.U.が挙げられる。
また、レチノール及び/又はその誘導体としてビタミンA油を使用する場合、本発明の乳化組成物におけるビタミンA油の含有量については、ビタミンA油中のレチノール及び/又はその誘導体の含有量に応じて、本発明の乳化組成物中でレチノール及び/又はその誘導体が前述する含有量を充足するように設定すればよい。具体的には、100万I.U./gのレチノール及び/又はその誘導体を含有するビタミンA油を用いる場合であれば、本発明の乳化組成物におけるビタミンA油の含有量については、0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%、更に好ましくは0.5〜2重量%、特に好ましくは0.5〜1重量%に設定すればよい。
また、本発明の乳化組成物にレチノール及び/又はその誘導体を含有させる場合、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムとレチノール及び/又はその誘導体との比率については、特に制限されず、前述する各成分の含有量を満たす範囲内で適宜設定すればよいが、例えば、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム1g当たり、レチノール及び/又はその誘導体の総量が5万〜600万I.U.、好ましくは30万〜400万I.U.、更に好ましくは30万〜200万I.U.が挙げられる。
(トコフェロール及び/又はその誘導体)
トコフェロールは、ビタミンEとしても知られている公知の成分である。本発明で使用されるトコフェロールは、d体又はdl体のいずれであってもよく、またα、β、γ、δの構造のいずれであってもよい。本発明で使用されるトコフェロールとして、具体的には、d−α−トコフェロール、d−β−トコフェロール、d−γ−トコフェロール、d−δ−トコフェロール、l−α−トコフェロール、l−β−トコフェロール、l−γ−トコフェロール、l−δ−トコフェロール、それらの混合物であるdl−α−トコフェロール、dl−β−トコフェロール、dl−γ−トコフェロール、dl−δ−トコフェロール等が挙げられる。
トコフェロールの誘導体とは、トコフェロールと同じ骨格を有し、トコフェロールに置換基を付加することによって得られる成分である。
本発明で使用されるトコフェロールの誘導体は、トコフェロールと同様に、d体又はdl体のいずれであってもよく、またα、β、γ、δの構造のいずれであってもよい。
トコフェロールの誘導体の種類については、薬学的に許容されることを限度として、特に制限されないが、例えば、トコフェロールと有機酸とのエステル等が挙げられる。トコフェロールと有機酸とのエステルとして、具体的には、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールニコチン酸エステル、トコフェロールコハク酸エステル、トコフェロールリノレン酸エステル等が挙げられる。これらのトコフェロールの誘導体は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのトコフェロール及び/又はその誘導体は、その原料、製造方法、精製方法等は特に制限されず、動物等から自ら単離及び精製したものを用いてもよく、或いは市販品を用いてもよい。トコフェロール及び/又はその誘導体の市販品としては、例えば、理研ビタミン株式会社、エーザイ株式会社、エーザイフード・ケミカル株式会社、DSMニュートリションジャパン株式会社、タマ生化学株式会社、岡見化学株式会社等で製造又は販売されている商品が挙げられる。
本発明の乳化組成物において、トコフェロール及び/又はその誘導体の中から、1種を選択して使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
トコフェロール及び/又はその誘導体の中でも、好ましくはトコフェロールの誘導体、更に好ましくはトコフェロール酢酸エステルが挙げられる。
本発明の乳化組成物にトコフェロール及び/又はその誘導体を含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、例えば、トコフェロール及び/又はその誘導体の総量で、0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%、更に好ましくは0.5〜2重量%、特に好ましくは0.5〜1重量%が挙げられる。
また、本発明の乳化組成物にトコフェロール及び/又はその誘導体を含有させる場合、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムとトコフェロール及び/又はその誘導体との比率については、特に制限されず、前述する両成分の含有量の範囲内で適宜設定すればよいが、例えば、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム100重量部当たり、トコフェロール及び/又はその誘導体が総量で5〜600重量部、好ましくは30〜400重量部、更に好ましくは30〜200重量部が挙げられる。
油相の基剤成分
本発明の乳化組成物には、油相の基剤成分として、液状油、固形油、高級アルコール等の油性基剤が含まれる。
従来の乳化組成物では、液状油が含まれている場合、乳化安定性が低下したり、粘度が低くなったりする傾向があるが、本発明の乳化組成物では、液状油が含まれていても、優れた乳化安定性を備えることができ、更に、油中水型の乳化組成物の場合には、乳化安定性に加えて、高い粘度(適度な硬さ)を備えさせることができる。このような本発明の効果を鑑みれば、本発明の乳化組成物で使用される油相の基剤成分の好適な例として、液状油が挙げられる。
また、本発明の乳化組成物では、油相の基剤成分として、液状油と共に高級アルコールを組み合わせて使用することにより、乳化安定性の向上、油中水型の乳化組成物の場合には、粘度の向上をより一層効果的に図ることができる。
また、従来の乳化組成物では、固形油は、乳化安定性を向上させたり、粘度を向上させたりすることが知られているが、乳化組成物に含まれる固形油は、使用感の低下の一因にもなっている。これに対して、本発明では固形油を含有しなくても、優れた乳化安定性を備えることができ、更に油中水型の乳化組成物の場合には、粘度を向上させることもできることから、固形油を含有させないことによる使用感の向上を図ることが可能になっている。このような本願発明の効果を鑑みれば、本発明の乳化組成物の好適な一態様として固形油を実質的に含んでいないものが挙げられる。
以下、本発明で使用される油相の基剤成分(液状油、固形油、高級アルコール)について、その種類毎に説明する
(液状油)
液状油とは、25℃において液状の形態を保つ油である。本発明で使用される液状油としては、化粧料や外用医薬品等に通常用いられるものであればよく、例えば、アボガド油、ツバキ油、マカデミアナツツ油、オリーブ油、ホホバ油等の植物油;オレイン酸、インステアリン酸等の脂肪酸;エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ2−エチルへキサン酸グリセリル、オレイン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジバラメトキシケイヒ酸−モノエチルへキサン酸グリセリル等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のシリコン油;流動パラフィン、スクワレン、スクワラン等の液状炭化水素油等が挙げられる。
これらの液状油の中でも、好ましくは、エステル油、液状炭化水素油;更に好ましくはミリスチン酸オクチルドデシル、トリ2−エチルへキサン酸グリセリル、オレイン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセリル、流動パラフィン;特に好ましくはミリスチン酸オクチルドデシル、トリ2−エチルへキサン酸グリセリル、流動パラフィンが挙げられる。
これらの液状油は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の乳化組成物に液状油を含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、乳化組成物の乳化タイプ、形態、用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは1〜20重量%が挙げられる。
(固形油)
固形油とは、25℃において固形の形態を保つ油である。本発明で使用される固形油としては、通常化粧料や外用医薬品等に用いられるものであればよく、例えば、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、ミツロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ラノリン、セラックロウ、オゾケライト、セレシン、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン、ワセリン、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸イヌリン、水素添加ホホバ油、セレシンワックス、固形パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、シリコーンワックス等の固形油が挙げられる。
これらの固形油の中でも、好ましくは、ワセリン、パラフィン、ステアリン酸コレステリル、パルミチン酸デキストリン、マイクロクリスタリンワックス;更に好ましくはワセリン、パルミチン酸デキストリン、マイクロクリスタリンワックスが挙げられる。
これらの固形油は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の乳化組成物に固形油を含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、乳化組成物の乳化タイプ、形態、用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは5〜15重量%が挙げられる。
(高級アルコール)
高級アルコールとは、1分子中の炭素原子数が6個以上の1価アルコールである。本発明で使用される高級アルコールにおける1分子中の炭素原子数について、6以上であればよいが、好ましくは6〜34、更に好ましくは14〜22が挙げられる。
本発明で使用される高級アルコールとしては、通常化粧料や外用医薬品等に用いられるものであればよく、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール、セタノール、オレイルアルコール等の直鎖状高級アルコール;ノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、等の分枝鎖状高級アルコールが挙げられる。
これらの高級アルコールの中でも、好ましくは、直鎖状高級アルコール;更に好ましくはセタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール;特に好ましくはセタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが挙げられる。
これらの高級アルコールは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の乳化組成物に高級アルコールを含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、乳化組成物の乳化タイプ、形態、用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは3〜15重量%が挙げられる。
また、本発明の乳化組成物において、液状油と高級アルコールを組み合わせて使用する場合、これらの比率については、特に制限されないが、例えば、液状油100重量部当たり、高級アルコールが1〜200重量部、好ましくは10〜150重量部、更に好ましくは20〜100重量部が挙げられる。
水相の基剤成分
本発明の乳化組成物には、水相の基剤成分として水が含まれる。本発明の乳化組成物における水の含有量について、乳化組成物の乳化タイプ、形態、用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、30〜90重量%、好ましくは40〜80重量%、更に好ましくは50〜70重量%が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤
本発明の乳化組成物は、乳化形態に調製するためにノニオン性界面活性剤が含まれていることが好ましい。本発明で使用されるノニオン性界面活性剤は、本発明の乳化組成物の乳化タイプに応じて適宜設定すればよい。
具体的には、本発明の乳化組成物を水中油型にする場合であれば、主にHLB値が2〜8程度(好ましくはHLB値が2〜6.5)のノニオン性界面活性剤を使用すればよく、また本発明の乳化組成物を油中水型にする場合であれば、主にHLB値が8〜17程度(好ましくはHLB値が10〜17)のノニオン性界面活性剤を使用すればよい。また、HLB値が2〜8のものと、HLB値が8〜17のものとを併用して、使用する界面活性剤全体としてのHLB値を調整して使用することもできる。なお、本発明において、ノニオン性界面活性剤のHLB値は、川上法(HLB値=7+11.7log(親水部の式量の総和/親油部の式量の総和))に従って算出される値である。
本発明の乳化組成物におけるノニオン性界面活性剤の含有量については、乳化組成物の乳化タイプ、使用するノニオン性界面活性剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%が挙げられる。
以下、本発明で使用されるノニオン性界面活性剤の種類について、油中水型にする場合に主に使用されるもの(HLB値が2〜8程度)と、水中油型にする場合に主に使用されるもの(HLB値が8〜17程度)に分けて説明する。
(HLB値が2〜8程度のノニオン性界面活性剤)
本発明の乳化組成物を油中水型にする場合に主に使用されるノニオン性界面活性剤(HLB値が2〜8程度)としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、具体的には、ステアリン酸ポリグリセリル−2、オレイン酸ポリグリセリル−2、イソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、ステアリン酸ポリグリセリル−4、オレイン酸ポリグリセリル−4、トリステアリン酸ポリグリセリル−6、ペンタステアリン酸ポリグリセリル−10、ペンタヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−10、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル−10、ペンタオレイン酸ポリグリセリル−10、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル−6、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル−10等が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、具体的には、ミリスチン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル等が挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、具体的には、ステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。
プロピレングリコール脂肪酸エステルとしては、具体的には、ステアリン酸プロピレングリコール、イソステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸プロピレングリコール等が挙げられる。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、具体的には、PEG−5水添ヒマシ油等が挙げられる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとしては、具体的には、PPG−4セテス−1等が挙げられる。
これらのHLB値が2〜8程度のノニオン性界面活性剤の中でも、好ましくはポリグリセリン脂肪酸エステル、更に好ましくはオレイン酸ポリグリセリル−2が挙げられる。
これらのHLB値が2〜8程度のノニオン性界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(HLB値が8〜17程度のノニオン性界面活性剤)
本発明の乳化組成物を水中油型にする場合に主に使用されるノニオン性界面活性剤(HLB値が8〜17程度)としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、レシチン誘導体等が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、具体的には、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル等が挙げられる。
ポリグセリン脂肪酸エステルとしては、具体的には、ラウリン酸ポリグリセリル−6、ミリスチン酸ポリグリセリル−10、イソステアリン酸ポリグリセリル−10等が挙げられる。
ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルとしては、具体的には、ステアリン酸PEG−5グリセリル、ステアリン酸PEG−15グリセリル、オレイン酸PEG−5グリセリル、オレイン酸PEG−15グリセリル等が挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、具体的には、ヤシ脂肪酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン等が挙げられる。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、具体的には、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ステアリン酸PEG−6ソルビタン、イソステアリン酸PEG−20ソルビタン等が挙げられる。
ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルとしては、具体的には、ラウリン酸ソルベス−6、テトラソルビン酸ソルベス−6、テトラオレイン酸ソルベス−30、テトラオレイン酸ソルベス−60等が挙げられる。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、具体的には、PEG−10水添ヒマシ油、PEG−20水添ヒマシ油、PEG−30水添ヒマシ油、等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、具体的には、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等が挙げられる。
ポリエチレングリコール脂肪酸エステルとしては、具体的には、ラウリン酸PEG−10、ステアリン酸PEG−10、ステアリン酸PEG−25、ステアリン酸PEG−40、ステアリン酸PEG−45、ステアリン酸PEG−55、オレイン酸PEG−10、ジステアリン酸PEG−150、ジイソステアリン酸PEG−8等が挙げられる。
レシチン誘導体としては、具体的には、水添レシチン、水添リゾレシチン等が挙げられる。
これらのHLB値が8〜17程度のノニオン性界面活性剤の中でも、好ましくはポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、更に好ましくはグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、より好ましくは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、特に好ましくはポリオキシエチレンベヘニルエーテルが挙げられる。
これらのHLB値が8〜17程度のノニオン性界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
多価アルコール
本発明の乳化組成物には、保湿性の付与等のために、必要に応じて多価アルコールが含まれていてもよい。
多価アルコールとしては、化粧料や外用医薬品等に通常用いられるものであればよく、例えば、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールの中でも、好ましくは1,3−ブチレングリコール、グリセリンが挙げられる。
これらの多価アルコールは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の乳化組成物に、多価アルコールを含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、例えば、1〜40重量%、好ましくは3〜30重量%、更に好ましくは5〜20重量%が挙げられる。
その他の成分
本発明の乳化組成物は、前述する成分の他に、必要に応じて、他の薬理成分を含有していてもよい。このような薬理成分としては、例えば、抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン等)、局所麻酔剤(プロカイン、テトラカイン、ブピパカイン、メピパカイン、クロロプロカイン、プロパラカイン、メプリルカイン又はこれらの塩、オルソカイン、オキセサゼイン、オキシポリエントキシデカン、ロートエキス、ペルカミンパーゼ、テシットデシチン等)、抗炎症剤(インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム等)、皮膚保護剤(コロジオン、ヒマシ油等)、血行促進成分(ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、カプサイシン、トウガラシエキス等)、清涼化剤(メントール、カンフル、ボルネオール、ハッカ水、ハッカ油等)、ムコ多糖類(コンドロイチン硫酸ナトリウム、グルコサミン等)等が挙げられる。
また、本発明の乳化組成物は、必要に応じて、前述する成分の他に、製剤化等に必要とされる他の基剤や添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤については、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、低級アルコール(エタノール、イソプロパノール等)等の水性基剤;カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤等の界面活性剤;防腐剤(メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸等)、着香剤(シトラール、1,8−シオネール、シトロネラール、ファルネソール等)、着色剤(タール色素(褐色201号、青色201号、黄色4号、黄色403号等)、カカオ色素、クロロフィル、酸化アルミニウム等)、粘稠剤(カルボキシビニルポリマー、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、カラギーナン等)、pH調整剤(リン酸、塩酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、酒石酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)、湿潤剤(dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム液、D−ソルビトール液、マクロゴール等)、安定化剤(ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エデト酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、L−アルギニン、L−アスパラギン酸、DL−アラニン、グリシン、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、クロロゲン酸、カテキン、ローズマリー抽出物等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、粘着剤、緩衝剤、溶解補助剤、可溶化剤、保存剤等の添加剤が挙げられる。
乳化タイプ・製品形態
本発明の乳化組成物の乳化タイプは、油中水型又は水中油型のいずれであってもよいが、好ましくは油中水型が挙げられる。油中水型の場合であれば、より一層効果的に乳化安定性を向上させることができ、更に粘度を高めて、外用剤として良好な硬さを備えさせることができる。更に、本発明の乳化組成物が油中水型であって、液状油とニコチン酸ベンジルを含む場合には、格段に優れた血行促進作用を発揮させることも可能になる。
また、本発明の乳化組成物が油中水型である場合の粘度としては、使用する油性基剤の種類や量等に応じて異なるが、例えば、25℃における粘度として、1万mPa・s以上、好ましくは1万〜100万mPa・s、更に好ましくは10万〜50万mPa・s、特に好ましくは30万〜50万mPa・sが挙げられる。ここで、25℃における粘度は、乳化組成物45gをスクリュー管(50ml)に充填し、ブルックフィールド回転粘度計(B型粘度計、BROOK Field社製DV-II)にて、使用スピンドルT−E、回転数20rpm、回転開始から3分後の条件で測定することによって求められる値である。
本発明の乳化組成物は、化粧料や外用医薬品等の外用剤として使用される。本発明の乳化組成物の製品形態については、特に制限されないが、例えば、クリーム剤、軟膏剤、乳液剤、ゲル剤、油剤、ローション剤、リニメント剤、エアゾール剤等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、クリーム剤、軟膏剤、乳液剤、ローション剤が挙げられる。
本発明の乳化組成物が、ニコチン酸ベンジルを含む場合、特にニコチン酸ベンジルを含み且つ油中水型である場合には、血行促進作用を発揮できるので、健康な皮膚状態の維持又は回復、皮膚の抗老化、内出血(青あざ等)、筋肉痛、肩こり、けがややけどなどによる傷跡、しもやけ、手指の角化の改善等の目的で使用することができる。
製造方法
本発明の乳化組成物は、乳化タイプに応じて、公知の乳化製剤の製剤化手法に従って製造することができる。例えば、本発明の乳化組成物の製造方法としては、含有させる成分を水溶性成分と油性成分に分けて、水溶性成分を含む水相と、油性成分を含む油相とを調製し、これらを公知の手法に従って乳化させる方法が挙げられる。
2.乳化安定化剤及び乳化安定化方法
本発明の乳化安定化剤は、乳化組成物の乳化安定性を向上させるために使用されるものであって、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを含むことを特徴する。また、本発明の乳化安定化方法は、乳化組成物にポリエチレンスルホン酸ナトリウムを添加することを特徴とする。
本発明の乳化安定化剤及び乳化安定化方法において、使用されるポリエチレンスルホン酸ナトリウムの種類や添加量、乳化組成物中に含まれる他の成分や含有量、乳化組成物の乳化タイプや製品形態等については、前記「1.乳化組成物」の欄に記載の通りである。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例1:水中油型乳化組成物の乳化安定性の評価
表1に示す組成の水中油型乳化組成物(クリーム剤)を調製した。具体的には、油性成分、界面活性剤、高級アルコール、及び液状油を混合し、80℃で加熱溶解することにより、油相原料を調製した。また、別途、水性成分、多価アルコール、及び水性基剤を混合し、80℃で加熱溶解することにより、水相原料を調製した。80℃に加熱した水相原料に、80℃に加熱した油相原料を徐々に添加しホモミキサーを用いて乳化させた。その後、撹拌しながら35度まで冷却することにより、水中油型乳化組成物を得た。
得られた各水中油型乳化組成物をスクリュー管(容量13.5ml)に充填し、60℃の恒温槽に3日間静置した後に、目視にて各水中油型乳化組成物の外観を観察し、以下の判定基準に従って乳化安定性の評価を行った。
<乳化安定性の判定基準>
◎:油相と液相の分離が認められず、性状も変化していない。
○:油相と液相の分離は認められないが、性状がやや変化している。
△:油相と液相の分離がやや認められる。
×:油相と液相の分離が認められる。
得られた結果を表1に示す。この結果から、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムには、水中油型乳化組成物の乳化安定性を向上させる作用があることが確認された(実施例1及び2)。特に、乳化安定性を低下させる傾向があるニコチン酸ベンジルエステルを含む場合でも、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムによって、水中油型乳化組成物の乳化安定性が向上していた(実施例2)。
Figure 0006859033
試験例2:油中水型乳化組成物の乳化安定性の評価
表2に示す組成の油中水型乳化組成物(クリーム剤)を調製した。具体的には、油性成分、界面活性剤、高級アルコール、液状油、及び固形油を混合し、80℃で加熱溶解することにより、油相原料を調製した。また、別途、水性成分、多価アルコール、及び水性基剤を混合し、80℃で加熱溶解することにより、水相原料を調製した。80℃に加熱した油相原料に対して、80℃に加熱した油相原料をディスパーをかけながら徐々に添加して乳化を行った。その後、撹拌しながら35度まで冷却することにより、油中水型乳化組成物を得た。
得られた各油中水型乳化組成物をスクリュー管(容量13.5ml)に充填し、60℃での3日間保存後の乳化安定性、高温サイクル試験後の乳化安定性、及び低温サイクル試験後の乳化安定性について評価した。60℃での3日間保存後の乳化安定性については、前記試験例1と同条件で試験した。高温サイクル試験後の乳化安定性については、−20℃から42℃まで昇温し、その後42℃から−20℃まで降温する温度変化を24時間かけて行うことを1サイクルとして、合計7日間(7サイクル)行った。また、低温サイクル試験後の乳化安定性については、−20℃から5℃まで昇温し、その後5℃から−20℃まで降温する温度変化を24時間かけて行うことを1サイクルとして、合計7日間(7サイクル)行った。各試験後の油中水型乳化組成物の外観を目視にて確認し、前記試験例1と同様の判定基準に従って乳化安定性の評価を行った。
得られた結果を表2に示す。この結果から、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムには、油中水型乳化組成物の乳化安定性を向上させる作用もあることが確認された(実施例3〜6)。また、乳化安定性を低下させる傾向があるニコチン酸ベンジルエステルを含む場合でも、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムによって、油中水型乳化組成物の乳化安定性が向上していた(実施例4及び5)。
更に、比較例3〜4と比較例5〜6の対比から、固形油を含有する油中水型乳化組成物は、固形油を含有しない場合に比して、乳化安定性が向上する傾向が認められたが、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを含む場合には固形油を含有していなくても、優れた乳化安定性が認められた(実施例3及び4)。また、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを含む油中水型乳化組成物では、固形油を含有しない場合(実施例3及び4)の方が、固形油を含有する場合(実施例5及び6)に比べて、べたつきが少なく、使用感が良好であった。
また、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを含む油中水型乳化組成物(実施例3〜6)では、前記試験例1で調製したポリエチレンスルホン酸ナトリウムを含む水中油型乳化組成物(実施例1及び2)に比して、乳化安定性がより高まっていることも確認された。
Figure 0006859033
試験例3:油中水型乳化組成物の粘度の評価
前記試験例2で調製した油中水型乳化組成物(実施例3〜6及び比較例3〜6)の25℃における粘度の測定を行った。25℃における粘度の測定は、各油中水型乳化組成物45gをスクリュー管(50ml)に充填し、ブルックフィールド回転粘度計(B型粘度計、BROOK Field社製DV-II)にて、使用スピンドルT−E、回転数20rpm、回転開始から3分後の条件で測定することによって求めた。
得られた結果を表3に示す。この結果、油中水型乳化組成物にポリエチレンスルホン酸ナトリウムを含有させることによって粘度を高めることができることが確認された(実施例3〜6)。また、乳化安定性を低下させる傾向があるニコチン酸ベンジルエステルを含む場合でも、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムによって、油中水型乳化組成物の粘度を高くすることができていた(実施例4及び5)。また、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムを含む油中水型乳化組成物では、固形油を含有しない場合(実施例3及び4)でも、高い粘度を有し、外用剤として適した硬さを備えていた。
Figure 0006859033
試験例4:血行促進作用の評価
前記試験例1で調製した水中油型乳化組成物(実施例1及び比較例1)、及び前記試験例2で調製した油中水型乳化組成物(実施例3、5及び比較例3、5)を用いて、血行促進作用の評価を行った。
具体的には、先ず、被験者の前腕内側に1cm四方の枠を作成し、試験開始前の色差をANTERA 3D(ガデリウス・メディカル株式会社製)を用いて測定した。次いで、1cm四方の枠に各乳化組成物0.05gを塗布し、8分後に塗布部の色差をANTERA 3Dを用いて測定した。測定にて得られたa値及びΔE値を、試験開始前の値と比較し、8分後の変化量を算出した。
得られた結果を表4に示す。この結果から、乳化組成物にニコチン酸ベンジルを含有させた場合、いずれにおいても血行促進作用が見られたが、油中水型乳化組成物の場合、特に、皮膚の発赤が顕著に見られ、血行促進作用が格段に高まっていた。
Figure 0006859033
処方例
表5に示す組成の油中水型乳化組成物(クリーム剤)製造した。具体的な製造方法は、前記試験例2の場合と同様である。得られた油中水型乳化組成物について、前記試験例2と同様の方法で乳化安定性の評価を行ったところ、いずれも優れた乳化安定性を有していた。得られた油中水型乳化組成物について、前記試験例3と同様の方法で粘度の評価を行ったところ、高い粘度を有していることも確認された。更に、得られた油中水型乳化組成物のうち、処方例1、3、5、7及び8について、前記試験例4と同様の方法で血行促進作用の評価を行ったところ、いずれも優れた血行促進作用が認められた。
Figure 0006859033

Claims (3)

  1. ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、ニコチン酸ベンジル、及び液状油を含有し、且つ固形油を含まない、乳化組成物(但し、アントラニル酸系、フェニル酢酸系、インドール系、プロピオン酸系、ピラゾロン系、ベンゾサイアジン系及びスルホンアミド系のいずれかの消炎鎮痛薬を含む場合を除く)。
  2. γ−オリザノール、レチノール、レチノールの誘導体、トコフェロール、及びトコフェロールの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種の油性成分を含む、請求項1に記載の乳化組成物。
  3. 油中水型である、請求項1又は2に記載の乳化組成物。

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