JP5988031B2 - 高圧ポンプの異常判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高圧ポンプの異常判定技術に関するものである。
燃料噴射弁から燃焼室内に燃料を直接噴射が可能なエンジンには、燃料を高圧化して燃料噴射弁に供給する高圧ポンプが用いられている。
高圧ポンプは、例えば特許文献1に記載されているように、エンジンの駆動により回転駆動するドライブシャフトにカムを設け、当該カムの駆動によって、プランジャを加圧室内で往復動させ、低圧の燃料が供給される燃料貯留室から加圧室内に燃料を導入し、加圧室内の燃料を圧縮して、吐出路から高圧の燃料を排出する。燃料貯留室と加圧室との間には、電磁駆動式の開閉弁であるスピル弁が備えられている。
そして、プランジャの移動に対するスピル弁の開閉タイミングを制御することで、加圧室内を圧縮する期間を可変させることができ、よって、高圧燃料の吐出量を可変制御することができる。
更に、高圧ポンプの作動に対する燃料の圧力の変化により、高圧ポンプの異常判定を行なう技術が知られている。例えば、特許文献1では、高圧ポンプの燃料貯留室内の圧力を検出し、スピル弁の開閉動作に伴う当該圧力の変化に基づいて、高圧ポンプの異常判定を行なう。
特開平10−47144号公報
上記特許文献1では、例えばスピル弁に対して開弁信号が送信されてから、燃料貯留室内の圧力が所定値に達するまでの時間が所定時間より長い場合に、スピル弁の閉弁状態での固着のようなスピル弁の開作動時での作動不良についての異常判定を可能としている。
しかしながら、高圧ポンプでは、スピル弁の開作動時の作動不良だけでなく、スピル弁のシール不良のような閉作動時の作動不良がありうる。また、高圧ポンプでは、スピル弁以外の部位の異常、例えばプランジャを駆動するカムの摩耗や、加圧室と吐出路との間に設けた逆止弁のシール不良といったハード上での要因、あるいはスピル弁の作動遅れ等の制御上での要因により、吐出性能が低下する虞がある。そして、これらの要因のうち、特にハード上での要因による性能低下に繋がる高圧ポンプの異常を容易に判定することが望まれている。
本発明は、上述した課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、高圧ポンプの異常、特にハード上での要因による性能低下に繋がる異常を容易に判定可能な異常判定装置を提供することにある。
上記の目的を達成するべく、請求項1の高圧ポンプの異常判定装置は、入力軸の回転に伴って加圧室内を往復動するプランジャと、加圧室への燃料の供給路を開閉するスピル弁とを有し、プランジャの1往復当たりのスピル弁の閉弁期間を制御してエンジンの燃焼室内に燃料を噴射する筒内燃料噴射手段に供給される燃料量を制御する高圧ポンプの異常判定装置であって、筒内燃料噴射手段から噴射される燃料噴射量とスピル弁の閉弁期間との基準となる対応関係を予め記憶する記憶手段と、エンジンの燃焼室内に噴射される実燃料噴射量を演算する燃料噴射量演算手段と、スピル弁の実閉弁期間を演算する閉弁期間演算手段と、記憶手段により予め記憶された対応関係と燃料噴射量演算手段により演算された実燃料噴射量と閉弁期間演算手段により演算された実閉弁期間との関係に基づいて高圧ポンプの異常判定を行なう異常判定手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項2の高圧ポンプの異常判定装置は、請求項1において、実燃料噴射量と要求燃料噴射量とが等しくなるように実閉弁期間を補正する補正手段を備え、異常判定手段は、記憶手段により予め記憶された要求燃料噴射量に対応するスピル弁の基準閉弁期間と、補正手段により補正された実閉弁期間との関係に基づいて高圧ポンプの異常判定を行なうことを特徴とする。
また、請求項3の高圧ポンプの異常判定装置は、請求項2において、異常判定手段は、基準閉弁期間と補正手段により補正された実閉弁期間との差に基づいて、高圧ポンプの異常判定を行なうことを特徴とする。
また、請求項4の高圧ポンプの異常判定装置は、請求項2または3において、スピル弁を開放側に常に付勢する弾性体と、弾性体の付勢力に抗って電気信号によりスピル弁を閉じ側に付勢するソレノイドとを備え、閉弁期間演算手段は、ソレノイドに駆動信号が送信されてからプランジャが上死点に位置するまでの期間に相当する吐出角を、スピル弁の実閉弁期間として演算し、補正手段は、ソレノイドへの駆動信号の送信時期を制御して、実燃料噴射量が要求燃料噴射量と等しくなるように吐出角を補正することを特徴とする。
また、請求項5の高圧ポンプの異常判定装置は、請求項1〜4のいずれか1項において、エンジンの温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段により検出されたエンジンの温度に基づいて、記憶手段により予め記憶された対応関係または実閉弁期間を補正する水温補正手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項6の高圧ポンプの異常判定装置は、請求項1〜5のいずれか1項において、エンジンは、吸気通路に燃料を噴射する吸気通路燃料噴射手段を更に備え、異常判定手段は、高圧ポンプの異常を判定したときに、筒内燃料噴射手段からの燃料噴射を停止させ、吸気通路燃料噴射手段による燃料噴射により燃焼室への燃料供給を行なうことを特徴とする。
請求項1の高圧ポンプの異常判定装置によれば、燃料噴射量とスピル弁の閉弁期間との基準となる正常時の対応関係と、実燃料噴射量と実閉弁期間との関係とに基づいて高圧ポンプの異常判定を行なうので、スピル弁の作動遅れのような制御上の要因を排除して、スピル弁のシール不良、プランジャを駆動するカムの摩耗、その他の弁のシール不良といった、高圧ポンプの各部位のハード上での要因による性能低下に繋がる異常を容易に判定することができる。
請求項2の高圧ポンプの異常判定装置によれば、補正手段により実燃料噴射量と要求燃料噴射量とが等しくなるように実閉弁期間が補正されるので、予め記憶された要求燃料噴射量に対応するスピル弁の基準閉弁期間と、補正手段により補正された実閉弁期間との関係に基づいて異常判定を行うことで、より確実に高圧ポンプの異常判定を行うことができる。
請求項3の高圧ポンプの異常判定装置によれば、基準閉弁期間と補正手段により補正された実閉弁期間との差に基づいて、高圧ポンプの異常判定を行なうことで、高圧ポンプの異常判定を容易に行うことができる。
請求項4の高圧ポンプの異常判定装置によれば、ソレノイドに駆動信号が送信されてからプランジャが上死点に位置するまでの期間に相当する吐出角を、スピル弁の実閉弁期間とし、ソレノイドへの駆動信号の送信時期を制御して、実燃料噴射量が要求燃料噴射量と等しくなるように吐出角を補正することにより、スピル弁の実閉弁期間を正確に演算して、当該実閉弁期間と基準閉弁期間との関係に基づき、高圧ポンプのハード上の要因による異常をより確実に判定することができる。
請求項5の高圧ポンプの異常判定装置によれば、エンジンの温度により、予め記憶された燃料噴射量とスピル弁の閉弁期間との対応関係または前記実閉弁期間を補正することで、エンジンの温度による燃料性状の変化の影響を受けずに高圧ポンプの異常判定を確実に行うことができる。
請求項6の高圧ポンプの異常判定装置によれば、高圧ポンプの作動が異常である場合には吸気通路燃料噴射手段による燃料噴射のみにすることで、高圧ポンプの使用を控え、燃料供給の精度を維持することができる。
本発明に係る高圧ポンプの異常判定装置を備えたエンジンの燃料供給系の概略構成図である。 本実施形態の高圧ポンプの概略構成図である。 高圧ポンプの作動時におけるプランジャストローク、スピル弁駆動信号及びスピル弁の開閉状態の推移を示すタイムチャートである。 本実施形態のコントロールユニットにおける高圧ポンプの異常判定要領を示すフローチャートである。 正常時の吐出角と燃料噴射量との関係を示す基準マップである。 水温と補正係数との関係を示す補正係数マップである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る高圧ポンプ20の異常判定装置を備えたエンジン1の燃料供給系の概略構成図である。図2は、高圧ポンプ20の概略構成図である。
本発明の一実施形態に係るエンジン1は、例えば自動車の走行駆動用エンジンであり、図1に示すように、シリンダヘッド2に、燃焼室3に連通する吸気ポート4(吸気通路)及び排気ポート5が設けられるとともに、吸気ポート4と燃焼室3との間を開閉する吸気弁6、排気ポート5と燃焼室3との間を開閉する排気弁7、燃焼室3に面して電極が配置された点火プラグ8が設けられている。
また、排気ポート5に接続される排気通路18には、三元触媒等の排気浄化触媒19が介装されている。
更に、本実施形態のエンジン1のシリンダヘッド2には、吸気ポート4内に燃料を噴射する吸気通路燃料噴射弁10(吸気通路燃料噴射手段)と、燃焼室3内に燃料を噴射する筒内燃料噴射弁11(筒内燃料噴射手段)とが備えられており、吸気通路燃料噴射弁10による燃料噴射であるポート噴射と、筒内燃料噴射弁11による燃料噴射である直噴の両方が可能となっている。
吸気通路燃料噴射弁10は、吸気ポート4に噴射口が配置され、燃料タンク12からフィードポンプ13によって供給された低圧の燃料を吸気ポート4内に噴射する。
筒内燃料噴射弁11は、燃焼室3に噴射口が配置され、高圧ポンプ20から供給された高圧の燃料を燃焼室3内に噴射する。高圧ポンプ20は、フィードポンプ13から供給された低圧の燃料を加圧して筒内燃料噴射弁11に供給する。
また、高圧ポンプ20と筒内燃料噴射弁11との間の燃料供給路には、筒内燃料噴射弁11に供給される燃料の圧力を検出する検出手段として、高圧ポンプ20からの燃料の吐出圧Pdを検出する圧力センサ14が設けられている。
高圧ポンプ20は、図2に示すように、筒状のシリンダ21内をプランジャ22が往復動可能に設けられている。プランジャ22は、ドライブシャフト23(入力軸)に設けられたカム24によって移動される。ドライブシャフト23は、例えばエンジン1の図示しない吸気カムシャフトに連結しており、よって、エンジン1のクランクシャフト15の回転駆動によりプランジャ22がシリンダ21内を往復動し、シリンダ21内の加圧室25の容積を増減させる。本実施形態では、カム24は角部24aを滑らかにした略正方形の板状に形成されており、4箇所の角部24aでプランジャ22を押して加圧室25の容積を減少させるように配置され、ドライブシャフト23が1回転する毎にプランジャ22が4往復する構造となっている。
シリンダ21には、加圧室25に燃料を供給する供給路26と、加圧室25から燃料を吐出する吐出路27が設けられている。更に、シリンダ21には、供給路26を開閉するスピル弁28と、吐出路27を開閉する吐出弁29が設けられている。供給路26はフィードポンプ13に、吐出路27は筒内燃料噴射弁11に接続されている。
スピル弁28は、スプリング30(弾性体)により開弁するように付勢されるとともに、ソレノイド31に通電させることで閉弁するように構成されている。ソレノイド31は、コントロールユニット32(記憶手段、燃料噴射量演算手段、閉弁期間演算手段、異常判定手段、補正手段、温度補正手段)からスピル弁駆動信号として電力を供給されることで、スピル弁28を閉作動させる。
吐出弁29は、スプリング33によって閉弁するように付勢されており、加圧室25内と吐出路27内との差圧が所定値以上、詳しくは加圧室25内の圧力が筒内燃料噴射弁11への設定供給圧力以上に上昇した場合に開弁するように設定されている。
図3は、高圧ポンプ20の作動時におけるプランジャストローク、スピル弁駆動信号及びスピル弁28の開閉状態の推移を示すタイムチャートである。
高圧ポンプ20は、上記のように、カム24の回転によりプランジャ22が往復動するので、図3に示すように、プランジャストロークが上死点と下死点との間を周期的に上下に推移する。スピル弁28は、プランジャストロークが低減する(下方へ移動する)期間(吸入期間)では、加圧室25内の圧力が低下することで開状態となる。ここで、プランジャストロークの下方への移動に伴う加圧室25内の圧力の低下により、供給路26から燃料が加圧室25内に供給される。
その後、プランジャストロークが下死点から増加する方向に反転しても、スピル弁28を付勢するスプリング30により、スピル弁28は閉弁状態とならずに開弁状態を維持する。そして、スピル弁駆動信号をオンにすると、ソレノイド31に通電してスプリング30による付勢力に抗してスピル弁28が閉作動する。一旦スピル弁28を閉じれば、プランジャ22の移動による加圧室25内の圧力増加によりスピル弁28は閉弁状態が維持されるので、スピル弁駆動信号は、プランジャストロークが増加する(上方へ移動する)期間全てで送信する必要がなく、スピル弁28が確実に閉じるまでの一定時間Tonのみ駆動させればよい。
そして、プランジャストロークが更に増加方向に移動して加圧室25の容積を減少させることで、加圧室25内の圧力が増加する。加圧室25内の圧力が所定以上になると吐出弁29が開放して、加圧室25内の高圧の燃料が吐出路27に吐出する。
高圧ポンプ20は、以上の作動を繰り返して筒内燃料噴射弁11に高圧の燃料を供給する。
上記のように、高圧ポンプ20は、スピル弁駆動信号を受信してスピル弁28が閉弁状態となってから、加圧室25内の圧力が増加する。したがって、スピル弁駆動信号のオンタイミングを制御することで、加圧性能を可変させることができる。このスピル弁28が閉弁状態となってからプランジャ22が上死点に位置するまでの期間が、高圧ポンプ20における実際の圧縮期間である。そして、ソレノイド31にスピル弁駆動信号が送信されてからプランジャ22が上死点に位置するまでの期間に相当するカム24の回転角を吐出角とする。なお、図3中、斜線で示す部分の面積が、プランジャの1往復時での実圧縮容積に相当する。
コントロールユニット32は、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)及び中央演算処理装置(CPU)等を含んで構成されている。コントロールユニット32は、アクセルポジションセンサ17から入力するアクセル操作量やクランク角センサ16から入力するクランク角の推移に基づいて計測されたエンジン回転速度等のエンジン1の運転状態に基づいて、吸気通路燃料噴射弁10及び筒内燃料噴射弁11の一方あるいは両方を作動制御して、燃料噴射量の制御を行なうとともに、点火プラグ8等の作動制御を行なって、エンジン1の運転制御を行なう。例えば、吸気通路燃料噴射弁10及び筒内燃料噴射弁11による燃料噴射量の演算及び制御として、低回転低負荷時に吸気通路燃料噴射弁10のみによる噴射(ポート噴射)、その他の領域では吸気通路燃料噴射弁10及び筒内燃料噴射弁11の両方による燃料噴射(ポート噴射+直噴)を選択し、高負荷となるにしたがって筒内燃料噴射弁11による燃料噴射量の割合を多く設定すればよい。
また、本実施形態では、コントロールユニット32は、水温センサ34から水温Twを入力し、上記要求燃料噴射量Vfdと高圧ポンプ20の吐出角とに基づいて、高圧ポンプ20の異常判定を行なう機能を有している。
図4は、コントロールユニット32における高圧ポンプ20の異常判定要領を示すフローチャートである。図5は、正常時の吐出角と筒内燃料噴射弁11からの燃料噴射量との関係を示す基準マップである。図7は、水温Twと水温補正係数Twとの関係を示す補正係数マップである。
本ルーチンは、エンジン作動時に所定時間毎に繰り返し行なわれる。
始めに、ステップS10では、水温センサ34によりエンジン1の水温Twを検出し、当該エンジン1の水温Twを入力する。そして、ステップS20に進む。
ステップS20では、直噴、即ち筒内燃料噴射弁11による燃料噴射を実行しているか否かを判別する。直噴を実行している場合には、ステップS30に進む。
ステップS30では、過渡運転判定を行う。詳しくは、エンジン1の運転状態が過渡運転中であるか否かを判別するものであり、エンジン1の負荷(アクセル操作等)や回転速度の変動が所定範囲内であるか否かによって判別すればよい。過渡運転中でない場合にステップS40に進む。
ステップS40では、要求燃料噴射量Vfdを演算する。要求燃料噴射量Vfdは、アクセル操作量やエンジン回転速度等のエンジン1の運転状態に基づいて演算された必要な燃料噴射量のうち、筒内燃料噴射弁11による燃料噴射量である。そして、ステップS50に進む。
ステップS50では、基準マップより要求燃料噴射量Vfdに対応する基準吐出角θdaを読み取る。基準マップは、図5に示すように、正常時における吐出角と燃料噴射量との基準となる関係を示すマップであり、コントロールユニット32の記憶装置(記憶手段)にあらかじめ記憶されている。そして、ステップS60に進む。
ステップS60では、補正係数マップより水温補正係数Cwを読み取る。詳しくは、ステップS10において入力したエンジン1の水温Twに対応する水温補正係数Cwを、記憶装置にあらかじめ記憶された補正係数マップを用いて読み出す。当該補正係数マップは、例えば図6に示すように、水温Twが25℃で水温補正係数Cwを1とし、水温が低下するにしたがって、補正係数Cwが低下するように設定されている。そして、ステップS70に進む。
ステップS70では、実吐出角θdを演算し、スピル弁28の閉弁開始タイミングを設定する。本ルーチンを開始してからの初回時には、ステップS50で演算された基準吐出角θdaにステップS60で演算された水温補正係数Cwを除算して、実吐出角θdを算出し、当該実吐出角θdに基づいてスピル弁駆動信号の送信開始タイミングを設定する。実吐出角θdは、ソレノイド31へスピル弁駆動信号が送信されてからプランジャ22が上死点に位置するまでの期間であるので、実吐出角θdが大きくなると、スピル弁駆動信号の送信開始タイミングを早めるように設定される。2回目以降では、後述するステップS150で補正された実吐出角θdを用いてスピル弁駆動信号の送信開始タイミングを設定する。そして、ステップS80に進む。
ステップS80では、実燃料噴射量Vfを演算する。詳しくは、筒内燃料噴射弁11の開弁期間に相当するパルス幅と、圧力センサ14により検出した吐出圧Pdとを積算して、筒内燃料噴射弁11からの実燃料噴射量Vfを演算する。そして、ステップS90に進む。
ステップS90では、ステップS80において演算された実燃料噴射量VfとステップS40において演算された要求燃料噴射量Vfdとが一致しているか否かを判別する。実燃料噴射量Vfと要求燃料噴射量Vfdとが一致していない場合には、ステップS100に進む。
ステップS100では、実吐出角θdが最大値であるか否かを判別する。実吐出角θdが最大値である場合、即ちスピル弁駆動信号の送信開始タイミングを最大に早めた状態である場合には、ステップS130に進む。実吐出角θdが最大値でない場合には、即ちスピル弁駆動信号の送信開始タイミングを最大に早めた状態でない場合には、ステップS110に進む。
ステップS110では、ステップS70で演算した実吐出角θdからステップS50で演算した基準吐出角θdaを減算して、吐出角差Δθdを演算する(Δθd=θd−θda)。そして、ステップS120に進む。
ステップS120では、ステップS110で演算した吐出角差Δθdが閾値θd1以上であるか否かを判別する。吐出角差Δθdが閾値θd1以上である場合には、ステップS130に進む。閾値θd1は、基準吐出角θdaに対する実突出角θdの差が異常であると判定可能な値に設定すればよい。
ステップS130では、高圧ポンプ20が異常であることを示す警告灯40を点灯させる。なお、警告灯40は、本実施形態のエンジン1が搭載された自動車の運転手が認識可能であるように、例えば運転席のパネルに設置すればよい。また、警告灯40以外にも、音声等で運転手に警告を行ってもよい。そして、ステップS140に進む。
ステップS140では、筒内燃料噴射弁11による直噴を停止し、吸気通路燃料噴射弁10によるポート噴射のみで燃料供給を行なうポート噴射オンリーモードとする。そして、本ルーチンを終了する。
なお、ステップS120において、吐出角差Δθdが閾値θd1未満であると判定された場合には、ステップS150に進む。
ステップS150では、実吐出角θdの補正を行う。詳しくは、ステップS80において演算された実燃料噴射量VfとステップS40において演算された要求燃料噴射量Vfdとが一致するように、実吐出角θdの補正を行う。そして、ステップS70に戻る。
ステップS20において直噴実行中でないと判定された場合、ステップS30において過渡運転中であると判定された場合、あるいはステップS90において実燃料噴射量Vfと要求燃料噴射量Vfdとが一致していると判定された場合には、本ル−チンを終了する。
なお、上記フローチャートにおいて、ステップS70の制御が本願発明の閉弁期間演算手段に該当し、ステップS60及びステップS70の制御が本願発明の温度補正手段に該当し、ステップS80の制御が燃料噴射量演算手段に該当し、ステップS120の制御が異常判定手段に該当し、ステップS150の制御が補正手段に該当する。
以上のように制御することで、本実施形態では、直噴実行時にエンジン1が安定した運転状態であるときに、要求燃料噴射量Vfdに対応して、あらかじめ記憶された基準吐出角θdaと、実吐出角θdとの差dである吐出角差Δθdが閾値θd1以上である場合に、高圧ポンプ20が異常であると判定する。
このように、基準状態(正常時)におけるスピル弁28の閉弁期間に相当する吐出角(基準吐出角θda)と燃料噴射量(要求燃料噴射量Vfd)との関係と、実際のスピル弁28の閉弁期間に相当する吐出角(実吐出角θd)と燃料噴射量(実燃料噴射量Vf)との関係とに基づいて、高圧ポンプ20の異常判定が行なわれるので、スピル弁28の作動遅れ等の制御上での要因を排除して、基準状態から性能低下した状態である高圧ポンプ20の異常が判定され、スピル弁28のシール不良等、閉作動時における作動不良、または吐出弁29のシール不良、カム24の摩耗等といった高圧ポンプ20のハード上の要因での性能低下に繋がる異常を容易に判定することができる。
更に、本実施形態では、基準吐出角θdaと実吐出角θdとの差Δθdが閾値θd1未満の少ない差である場合には、実燃料噴射量Vfと要求燃料噴射量Vfdとが一致するように実吐出角θdを補正する。そして、この補正した実吐出角θdを用いて、基準吐出角θdaと実吐出角θdとの差Δθdを演算して、閾値θd1以上である場合に異常であると判定するので、より確実に高圧ポンプ20の異常を判定することができる。このように実燃料噴射量Vfと要求燃料噴射量Vfdを等しくさせることで、基準吐出角θdaと実吐出角θdとの差から正確に吐出性能の変化を演算することができ、正確な異常判定を行うことができる。また、これにより、異常判定用の閾値となる閾値θd1を小さく設定して、異常判定の精度を向上させることもできる。
また、スピル弁28の閉弁期間を、ソレノイド31にスピル弁駆動信号が送信されてからプランジャ22が上死点に位置するまでの期間としているので、スピル弁28の閉弁期間を正確に演算して、高圧ポンプ20のハード上の要因による異常をより確実に判定することができる。
更に、本実施形態では、水温Twにより実吐出角θdを補正している。詳しくは、水温が低下するにしたがって補正係数Cwが低下するので、補正係数Cwを積算した実吐出角θdが低下する。これは、水温が低下する、即ちエンジン1の温度が低下すると、オイルの粘性の上昇、燃料の霧化の悪化等により、同一のエンジン回転速度であっても、燃料噴射量を多く必要とするためある。したがって、低温時には、高圧ポンプの吐出圧Pdが低下するため、実吐出角θdが増加しており、これに補正係数Cwを積算することで、一定の温度(例えば25℃)での吐出角に換算することができ、温度変化による吐出角の影響を排除して更に正確な異常判定を可能としている。
そして、本実施形態では、高圧ポンプ20が異常であると判定された場合には、ポート噴射オンリーモードとして、直噴を休止し吸気通路燃料噴射弁10によるポート燃料噴射のみによってエンジン1への燃料供給を行なうので、異常である高圧ポンプ20の使用を控え、燃料供給の精度を維持することができる。
なお、本願発明は以上の実施形態に限定するものではない。
例えば、上記実施形態では、吐出角の差で高圧ポンプ20の異常を判定しているが、燃料噴射量の差で判定してもよい。詳しくは、現状の実吐出角θdにおける正常時の燃料噴射量Vfa(基準値)を図5のマップを用いて求め、この正常時の燃料噴射量Vfaと実燃料噴射量Vfとの差ΔVfが閾値Vf1以上である場合に、高圧ポンプ20が異常であると判定すればよい。このように判定しても、上記実施形態と同様に高圧ポンプ20の異常を判定することができる。
また、上記実施形態では、直噴運転時に過渡運転中でないときに、高圧ポンプ20の異常判定を行なうが、例えばエンジン回転速度や負荷が一定となる始動直後の触媒昇温モード時において、高圧ポンプ20の異常判定を行なえばよい。
また、上記実施形態では、直噴とポート噴射の両方が可能なエンジン1に本願発明を適用したが、直噴のみ可能なエンジンでも本願発明を適用可能であり、高圧ポンプの異常判定を容易に行なうことができる。
1 エンジン
3 高圧ポンプ
4 プランジャ
10 吸気通路燃料噴射弁(吸気通路燃料噴射手段)
11 筒内燃料噴射弁(筒内燃料噴射手段)
28 スピル弁
30 スプリング(弾性体)
31 ソレノイド
32 コントロールユニット(記憶手段、燃料噴射量演算手段、閉弁期間演算手段、異常判定手段、補正手段、温度補正手段)
34 水温センサ(温度検出手段)

Claims (6)

  1. 入力軸の回転に伴って加圧室内を往復動するプランジャと、前記加圧室への燃料の供給路を開閉するスピル弁とを有し、前記プランジャの1往復当たりの前記スピル弁の閉弁期間を制御してエンジンの燃焼室内に燃料を噴射する筒内燃料噴射手段に供給される燃料量を制御する高圧ポンプの異常判定装置であって、
    前記筒内燃料噴射手段から噴射される燃料噴射量と前記スピル弁の閉弁期間との基準となる対応関係を予め記憶する記憶手段と、
    前記エンジンの燃焼室内に噴射される実燃料噴射量を演算する燃料噴射量演算手段と、 前記スピル弁の実閉弁期間を演算する閉弁期間演算手段と、
    前記記憶手段により予め記憶された前記対応関係と前記燃料噴射量演算手段により演算された前記実燃料噴射量と前記閉弁期間演算手段により演算された前記実閉弁期間との関係に基づいて前記高圧ポンプの異常判定を行なう異常判定手段とを備えたことを特徴とする高圧ポンプの異常判定装置。
  2. 前記実燃料噴射量と要求燃料噴射量とが等しくなるように前記実閉弁期間を補正する補正手段を備え、
    前記異常判定手段は、前記記憶手段により予め記憶された前記要求燃料噴射量に対応する前記スピル弁の基準閉弁期間と、前記補正手段により補正された前記実閉弁期間との関係に基づいて前記高圧ポンプの異常判定を行なうことを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプの異常判定装置。
  3. 前記異常判定手段は、前記基準閉弁期間と前記補正手段により補正された前記実閉弁期間との差に基づいて、前記高圧ポンプの異常判定を行なうことを特徴とする請求項2に記載の高圧ポンプの異常判定装置。
  4. 前記スピル弁を開放側に常に付勢する弾性体と、前記弾性体の付勢力に抗って電気信号により前記スピル弁を閉じ側に付勢するソレノイドとを備え、
    前記閉弁期間演算手段は、前記ソレノイドに駆動信号が送信されてから前記プランジャが上死点に位置するまでの期間に相当する吐出角を、前記スピル弁の実閉弁期間として演算し、
    前記補正手段は、前記ソレノイドへの駆動信号の送信時期を制御して、前記実燃料噴射量が前記要求燃料噴射量と等しくなるように前記吐出角を補正することを特徴とする請求項2または3に記載の高圧ポンプの異常判定装置。
  5. 前記エンジンの温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段により検出された前記エンジンの温度に基づいて、前記記憶手段により予め記憶された前記対応関係または前記実閉弁期間を補正する温度補正手段とを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高圧ポンプの異常判定装置。
  6. 前記エンジンは、吸気通路に燃料を噴射する吸気通路燃料噴射手段を更に備え、
    前記異常判定手段は、前記高圧ポンプの異常を判定したときに、前記筒内燃料噴射手段からの燃料噴射を停止させ、前記吸気通路燃料噴射手段による燃料噴射により前記燃焼室への燃料供給を行なうことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の高圧ポンプの異常判定装置。
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