JP5985980B2 - 耐熱性を有する芯鞘複合繊維 - Google Patents

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本発明は、優れた耐熱性と難燃性を兼備した芯鞘複合繊維に関する。特に、ポリエーテルイミドを鞘成分、ポリエーテルエーテルケトンを芯成分とした、芯鞘複合繊維に関する。
本明細書において、ポリエーテルイミドを、略称してPEIと称することがある。また、ポリエーテルエーテルケトンを、略称してPEEKと称することがある。
従来、非晶性PEI系ポリマーは、力学的物性、難燃性、耐熱性、機械的特性、電気絶縁性、染色性、低発煙性また溶融加工性に優れていることから、スーパーエンジニアリングプラスチックとして、フィルムや成型品にして、電気・電子部品や自動車部品などさまざまな分野で幅広く使われている。
その一方で、非晶性PEI系ポリマーは、自身のガラス転移温度(200℃付近)より高温での乾熱収縮率が急激に増加するという欠点を有している。PEIは非晶性ポリマーであるため、PEI繊維を延伸あるいは熱処理しても配向結晶化が起こらず、延伸を施すと分子は逆に不安定に伸びきった状態になる。高温になることにより分子運動の増大に伴うエントロピー収縮が起こると考えられている。この欠点を解消するため、PEIと別の耐熱性ポリマーをブレンドさせて溶融紡糸を行い、耐熱性を向上させようとする提案がなされている。
特許文献1に示されるように、PEI繊維と主鎖型液晶繊維をブレンドすることにより高耐熱性繊維を得るという技術は既に知られている。実際、主鎖型液晶繊維をブレンドすることにより、PEIのガラス転移温度付近における乾熱収縮率の低減を実現させることができている。同様にして、本発明者等は、結晶性ポリマーであるPEEKをブレンドして結晶化によるPEI繊維の熱収縮抑制を狙ったものの、延伸させることによりPEIとPEEKの相分離が起こり、結果としてPEI繊維の収縮抑制には至らなかった。
また、PEIやPEEKを使用したブレンド繊維の提案は数多くあり、たとえば特許文献2のような軽量性に優れたポリエステル繊維の提案がなされている。また、特許文献3のように、芯鞘複合繊維とすることによる耐熱性を向上させたポリエステル繊維の提案もなされている。 特許文献2および特許文献3での提案は、いずれもポリエステル繊維に関するものであり、すべての実施例においてガラス転移温度が200℃を超えているものは存在しない。特許文献3においても、シリコーン化合物を使用することにより難燃性向上を図ったものであるが、PET繊維を220℃で処理すると溶断してしまうため、耐熱性面での解決策はなされていない。
特開2012‐097382号公報 特開2006‐016731号公報 特開2008‐025067号公報
本発明の目的は、優れた耐熱性と難燃性を兼備した、PEIおよびPEEKからなる芯鞘複合繊維を提供することにある。
本発明者等は、上記した芯鞘複合繊維を得るべく鋭意検討を重ねた結果、上記のPEIおよびPEEKからなる繊維であるが、ブレンドではなく、PEIを鞘成分、PEEKを芯成分とする芯鞘複合繊維とすることにより、ブレンド繊維では達成できなかった200℃以上の高温における乾熱収縮率の低減を実現し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、PEIとPEEKからなり、前記PEIを鞘成分、前記PEEKを芯成分とする芯鞘複合繊維であり、好ましくは、芯成分であるPEEKの重量比率が30%以下であることを特徴とする前記芯鞘複合繊維である。
また、前記PEIが、下記の一般式(1)で示され、ガラス転移温度Tが200℃以上であり、融点を持たない非晶性のPEI樹脂であることが好ましい。
(式中、Rは、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基であり、Rは、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基、2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基、2〜20個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、および2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基で連鎖停止されたポリジオルガノシロキサン基からなる群より選択された2価の有機基を表す。)
また、本発明において、PEEKとは下記の一般式(2)で示され、融点が300〜360℃の結晶性のPEEK樹脂であることが好ましい。
さらに本発明は、好ましくは220℃における乾熱収縮率が20%以下であることを特徴とする上記の芯鞘複合繊維である。
本発明によれば、PEIとPEEKは互いに相溶性が良いので、芯成分をPEEK、鞘成分をPEIとした芯鞘複合繊維とすることで芯成分と鞘成分とが相分離することを防止し、さらにPEEKの結晶化によりPEIが熱収縮するのを抑制する効果が発現する。
芯鞘複合繊維の断面の例を示す模式図。 本発明の芯鞘複合繊維の繊維断面電顕写真。 PEI/PEEKブレンド繊維の繊維断面電顕写真。
(芯鞘複合繊維の基本構成) 本発明の芯鞘複合繊維は、PEIを鞘成分、PEEKを芯成分として溶融紡糸することにより形成されている。 前記芯鞘複合繊維において、芯成分のPEEKの重量比率は30%以下であることが好ましく、(PEI)/(PEEK)=70/30〜80/20であることがより好ましい。PEEKの重合比率が30%を超える場合、鞘成分のPEIの特徴である染色性、低発煙性などの性質を活かすことができない。 本発明における芯成分としては、結晶性ポリマーであること、鞘成分であるPEIとの相溶性が良いこと、PEIと同等の温度で紡糸できることが必要である。本発明者等は鋭意検討した結果、結晶性ポリマーであるPEEKがPEIとの相溶性が良好であること、かつPEIと同等の紡糸温度で紡糸可能であることを見出した。結晶性ポリマーでなければ、PEIと同様に高温でエントロピー収縮が起きる可能性があり収縮を抑制できない。また、ポリスチレン、液晶ポリマーなどのPEIとの相溶性の悪い樹脂を選択すると、芯成分が結晶化してもPEIの収縮抑制効果を生み出すことができない。さらに、PEIの紡糸温度に耐えうる樹脂を選択しないと、樹脂の熱劣化が起こり、期待する収縮抑制の効果が発現しない。
(PEI) 本発明の芯鞘複合繊維を構成するPEIについて説明する。本発明で用いるPEIとは、ガラス転移温度Tが200℃以上であり、融点を持たない非晶性PEIポリマーであり、脂肪族、脂環族または芳香族系のエーテル単位と環状イミドを繰り返し単位として含有するポリマーであり、溶融成形性を有するものであれば特に限定されない。ガラス転移温度が200℃に満たない樹脂を選択した場合、200℃以下の領域での乾熱収縮率が高くなり、乾熱収縮率の低減効果を発現させることができない。また、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、非晶性PEIポリマーの主鎖に環状イミド、エーテル結合以外の構造単位、例えば脂肪族、脂環族または芳香族エステル単位、オキシカルボニル単位などが含有されていてもよい。
具体的な非晶性PEI系ポリマーとしては、下記式(1)で示されるポリマーが好適に使用される。但し、式中、Rは、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基であり、Rは、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基、2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基、2〜20個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、および2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基で連鎖停止されたポリジオルガノシロキサン基からなる群より選択された2価の有機基を表す。
上記R、Rとしては、例えば、下記式群に示される芳香族残基を有するものが好ましく使用される。
本発明では、非晶性、溶融成形性、コストの観点から、下記の式(3)で示される構造単位を主として有する、2,2‐ビス[4‐(2,3‐ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm‐フェニレンジアミンとの縮合物が好ましく使用される。このPEIは、「ウルテム」(ULTEM)の商標でサービックイノベイティブプラスチックス社から市販されている。
本発明で用いる非晶性PEI系ポリマーは、得られる繊維の機械的特性や寸法安定性、PEEK樹脂との芯鞘複合紡糸工程の工程通過性を考慮すると、温度360℃、せん断速度1200sec−1での溶融粘度が5000poise以下を満たすものが望ましく、その観点からは、重量平均分子量(M)が50000以下であることが望ましい。高分子量のものを用いると、繊維強度、耐熱性等の観点で優れるので好ましいが、樹脂製造コストや繊維化コストなどの観点から、より好ましくは、Mが2000〜45000であり、さらに好ましくは10000〜40000である。
(PEEK) 本発明で用いるPEEKは、下記一般式(2)で示されるものを使用する。
本発明で用いるPEEKは、融点が300〜360℃の結晶性のPEEK樹脂であることが好ましい。融点が360℃を超える場合、PEIとの芯鞘複合繊維を紡糸する際、PEEKが結晶化してしまい、適切に溶融紡糸することができない。一方、融点が300℃を下回る場合、乾熱収縮率の低減効果が期待できない。ここでいう融点とは、示差走査熱量測定(DSC:例えばMettler社製、TA3000)で観察される主吸熱ピークのピーク温度である(JIS K7121)。具体的には、サンプルを2〜20mgとりアルミ製パンへ封入した後、キャリアーガスとして窒素を100cc/分流入し、20℃/分で昇温したときの吸熱ピークを測定する。ポリマーの種類により上記1st Runで明確な吸熱ピークが現れない場合は、50℃/分の昇温速度で、予想される流れ温度より50℃高い温度まで昇温し、その温度で3分間以上保持し完全に溶融した後、80℃/分の速度で50℃まで冷却し、しかる後に20℃/分の昇温速度で吸熱ピークを測定するとよい。
本発明で用いるPEEKの分子量は、得られる繊維の機械的特性や寸法安定性、工程通過性を考慮すると、温度370℃、せん断速度1200sec−1において500〜3000poiseの溶融粘度を有していることが好ましい。具体的には、ビクトレックスジャパン(株)より「VICTREX PEEK」の商標で市販されているPEEKを好適に用いることができる。
本発明において、原料樹脂のPEIとPEEK樹脂以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、ラジカル抑制剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、難燃剤、無機物、他のポリマーを含んでいてもよい。かかる無機物の具体例としては、カーボンナノチューブ、フラーレン、タルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、シリカ、ベントナイト、アルミナシリケートなどのケイ酸塩、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス粉、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化ケイ素、カーボンブラックおよびシリカ、黒鉛などが挙げられる。また、かかるポリマーの具体例としては、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリサルフォン、ポリエーテルスルホン、ポリアリルサルフォン、ポリケトン、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、四フッ化ポリエチレン、ポリカーボネート等が挙げられる。
(芯鞘複合繊維の製造) 本発明の芯鞘複合繊維の製造においては、公知の溶融紡糸装置を用いることができる。すなわち、本発明の芯鞘複合繊維は、非晶性PEI系ポリマーのペレットおよび結晶性PEEK樹脂のペレットを異なる溶融押出機から押し出し、溶融ポリマーを同一の紡糸筒に導きギヤポンプで計量し、紡糸ノズルから吐出させた糸条を巻き取ることで得られる。非晶性PEI系ポリマーのペレットおよび結晶性PEEK樹脂のペレットは溶融させる前に真空下などにおいて乾燥処理をすることが好ましい。乾燥条件としては、100〜200℃の乾燥温度で、8〜16時間の真空乾燥を行うことが例示される。紡糸筒温度は320〜400℃の温度範囲にあることが好ましい。320℃より低温の場合はPEEKが結晶化し、適切に樹脂を送り出すことができない。一方、紡糸筒温度が400℃を超える場合は、投入するPEIおよびPEEKの熱劣化が起こるために好ましくない。乾燥された非晶性PEI系ポリマーと結晶性PEEK樹脂を、所定の割合となるようにそれぞれの押出機に供給しながら溶融して同一の紡糸筒に導くことが必要となる。紡糸ノズルにおける紡糸孔(単孔)の大きさは、0.01〜0.07mmの範囲にあるのが好ましく、0.02〜0.06mmの範囲にあるのがさらに好ましい。紡糸孔の形状は、図1に示すような所望の繊維断面形状に応じて適宜選択することができる。紡糸ノズルからの吐出量は、ノズルの孔数や孔径に応じて適宜設定可能であるが、例えば、35〜300g/分、好ましくは、40〜280g/分程度で行われるが、これに限定されない。引取速度は、ノズルの孔数、孔径に応じて、また、所望の単繊維繊度、生産性に応じて適宜設定されるが、500〜4000m/分の範囲で引き取ることが好ましい。500m/分未満では生産性の点からは望ましくなく、一方、4000m/分を超えるような高速では、繊維の断糸が起こりやすくなるので望ましくない。本発明の芯鞘複合繊維は、紡糸ノズルから吐出された糸条を巻き取ることにより、所望の単繊維繊度、所望の力学的物性が得られる。 この芯鞘複合繊維を延伸するにあたり、延伸温度は150〜300℃の温度範囲内にあることが好ましい。延伸温度が150℃以下である場合、PEEKの結晶化を促進させることができず、300℃以上の場合には、PEIおよびPEEKが熱劣化を起こすため好ましくない。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は本実施例により何等限定されるものではない。なお以下の実施例において、ポリマーの乾熱収縮率および限界酸素指数値(LOI値)は下記の方法により測定した。
[乾熱収縮率 %] 10cmに切り出した繊維を、末端フリーの状態で220℃に保たれた空気恒温槽中で10分間保持した後の繊維長(Xcm)から、次式を用いて算出した。 乾熱収縮率(%)=<(10−X)/10>×100
[限界酸素指数値(LOI値)] JIS K7201試験法に準拠して、繊維を三つ編みにした試長18cmの試料を作り、試料の上端に着火したとき、試料の燃焼時間が3分以上継続して燃焼するか、又は着火後の燃焼長さが5cm以上燃え続けるのに必要な最低の酸素濃度を測定し、n=3の平均値を採用した。
[実施例1〜2]
(1)非晶性PEI系ポリマー(サービックイノベイティブプラスチックス社製「ULTEM1040」、ガラス転移温度T=215℃)を120℃で6時間真空乾燥した。
(2)結晶性ポリマーであるPEEKとして、ビクトレックスジャパン社製「VICTREX PEEK 90G」(融点約340℃)を150℃で6時間真空乾燥した。
(3)上記の(1)および(2)の乾燥樹脂を異なる押出機より投入し、押出機の温度を250〜350℃、紡糸筒の温度を360℃とし、同一のノズルに導き、紡糸速度800m/分にて巻き取り、表1に示すような鞘成分PEIと芯成分PEEKとの比率を有する、330dtex/48fのマルチフィラメントを得た。このマルチフィラメントに対し、240℃の熱風炉を用いて延伸処理を施した。性能評価結果を表1に示す。
[比較例1](4)上記実施例1〜2(1)記載のPEI乾燥樹脂を紡糸筒の温度395℃で丸孔ノズルより吐出し、2000m/分の速度で巻き取り、114dtex/48fのPEIマルチフィラメントを得た。得られたPEI繊維の性能評価結果を表2に示す。[比較例2〜5](5)上記実施例1〜2(1)、(2)で乾燥した樹脂を所定の比率でチップブレンドを行い、これをヘッド温度390℃で丸孔ノズルより吐出し、所定の延伸条件により750m/分の速度で巻き取り、275dtex/50fのマルチフィラメントを得た。これらのブレンド繊維に対し、190〜220℃の範囲の温度に設定された熱風炉中で延伸を施した。得られたブレンド繊維の性能評価結果を表2に示す。
実施例1〜2の結果より、本発明において、芯成分PEEK、鞘成分PEIの芯鞘複合繊維という形態を選択することにより、220℃における乾熱収縮率20%以下を達成することができ、比較例1で示したPEI単独の繊維に比べると、優れた難燃性を維持しつつ劇的に収縮を抑えられたことがわかる。その理由として、PEEKが芯成分として繊維断面の中心部に存在していること、またPEIとPEEKの相溶性が良好であることから、芯成分のPEEKが結晶化することでガラス転移温度付近におけるPEIの収縮抑制に貢献したことが考えられる。一方、比較例2〜5に示したPEI/PEEKブレンドの複合繊維では、結晶化する成分のPEEKが繊維全体に広く分散し、狙いとするPEIの収縮抑制が達成できなかったものと考える。
本発明の芯鞘複合繊維は、優れた耐熱性と難燃性を兼ね備え、防護衣などをはじめとして多くの用途に極めて有効に使用することができる。
以上の通り、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
イ 芯鞘複合繊維の鞘成分
ロ 芯鞘複合繊維の芯成分

Claims (5)

  1. ポリエーテルイミドとポリエーテルエーテルケトンからなり、前記ポリエーテルイミドを鞘成分、前記ポリエーテルエーテルケトンを芯成分とする芯鞘複合繊維。
  2. 芯成分である前記ポリエーテルエーテルケトンの重量比率が30%以下であることを特徴とする、請求項1記載の芯鞘複合繊維。
  3. 鞘成分である前記ポリエーテルイミドが、下記の一般式(1)で示され、ガラス転移温度が200℃以上であり、融点を持たない非晶性のポリエーテルイミド樹脂であることを特徴とする、請求項1または2に記載の芯鞘複合繊維。
    (式中、Rは、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基であり、Rは、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基、2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基、2〜20個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、および2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基で連鎖停止されたポリジオルガノシロキサン基からなる群より選択された2価の有機基を表す。)
  4. 芯成分である前記ポリエーテルエーテルケトンが下記の一般式(2)で示され、融点が300〜360℃の結晶性のポリエーテルエーテルケトン樹脂であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の芯鞘複合繊維。
  5. 220℃における乾熱収縮率が20%以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の芯鞘複合繊維。
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