JP6617058B2 - メルトブロー不織布及び吸音材 - Google Patents

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本発明は、メルトブロー不織布及びそれを含む吸音材に関する。
例えば自動車部材などに適用される吸音材として、熱可塑性樹脂のメルトブロー不織布を用いることが知られている(例えば特許文献1及び2)。
特許文献3及び4には、ポリエーテルイミド系樹脂を主成分として含む難燃性の不織布が記載されている。
特開2002−069823号公報 特開2013−014856号公報 国際公開第2014/112423号 国際公開第2014/208671号
近年益々、自動車部材などに対して耐熱性向上の要求が高まっているが、特許文献1に記載のメルトブロー不織布は、この要求に十分応えるものではない。特許文献2に記載の吸音材は、ポリアミド系樹脂に難燃剤を添加したメルトブロー不織布で構成されるが、難燃剤を添加して難燃性樹脂を調製する工程が煩雑となり生産性の問題がある他、当該工程において発煙を生じるおそれがあり、この発煙は環境面からも問題であった。特許文献3に記載のポリエーテルイミド系樹脂を主成分とする不織布は、これを吸音材に適用した場合、所望の吸音性を得ることができないという問題がある。
一方、自動車部材などに適用される吸音材には、審美性の観点から、高い黒色度を有することが近年求められている。特許文献2〜4には、不織布繊維にカーボンブラックを含有させることが記載されているが、特許文献2〜4に開示される技術では、黒色度が十分に高い不織布、さらには、黒色度が十分に高くかつ吸音性に優れる不織布の実現は困難であった。
本発明の目的は、難燃性及び吸音性に優れるとともに、高い黒色度を有する不織布、並びにそれを含む吸音材を提供することにある。
本発明は、以下に示すメルトブロー不織布及び吸音材を提供する。
[1] 非晶性ポリエーテルイミド系繊維を含むメルトブロー不織布であって、
前記非晶性ポリエーテルイミド系繊維中に黒色顔料を含有し、
前記非晶性ポリエーテルイミド系繊維中に含有される前記黒色顔料の平均粒子径が3μm以下である、メルトブロー不織布。
[2] 前記非晶性ポリエーテルイミド系繊維中の前記黒色顔料の含有量が0.5重量%以上である、[1]に記載のメルトブロー不織布。
[3] 平均繊維径が10μm以下である、[1]又は[2]に記載のメルトブロー不織布。
[4] 黒色顔料がカーボンブラックである、[1]〜[3]のいずれかに記載のメルトブロー不織布。
[5] 非晶性ポリエーテルイミド系繊維を含むメルトブロー不織布であって、L*値が45以下である、メルトブロー不織布。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載のメルトブロー不織布を含む、吸音材。
本発明によれば、難燃性及び吸音性に優れるとともに、高い黒色度を有する不織布、並びにそれを含む吸音材を提供することができる。
<メルトブロー不織布>
本発明に係る不織布は、メルトブロー法で不織布化することによって得ることができる非晶性ポリエーテルイミド系繊維を含むメルトブロー不織布であり、非晶性ポリエーテルイミド系繊維中に黒色顔料を含有するものである。黒色顔料は通常、非晶性ポリエーテルイミド系繊維中に分散されている。「非晶性ポリエーテルイミド系繊維」とは、非晶性ポリエーテルイミド系樹脂(以下、「非晶性PEI」ともいう。)を主成分として含む繊維を意味する。「非晶性PEIを主成分として含む」とは、繊維を構成する樹脂中の非晶性PEIの含有量が50重量%以上であることを意味し、当該含有量は、好ましくは60重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、なおさらに好ましくは95重量%以上、最も好ましくは100重量%である。
非晶性ポリエーテルイミド系繊維を用いる本発明に係る不織布によれば、優れた難燃性を示すことができる。一方、非晶性PEIは延伸することが困難なため、細繊度化が難しく、この場合、吸音性が低下しやすい。本発明に係る不織布によれば、メルトブロー不織布とするので、延伸を要することなく非晶性PEIを細繊度化することができ、これにより吸音性を高めることができる。さらに、本発明に係る不織布は、非晶性ポリエーテルイミド系繊維が所定の平均粒子径を有する黒色顔料を所定量含有するため、黒色度が高く、優れた審美性を示すことができる。
本発明に係る不織布の平均繊維径(メルトブロー不織布を構成する繊維の平均繊維径)は、吸音性の観点から、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは10μm未満であり、さらに好ましくは9μm以下である。平均繊維径は通常、1μm以上である。平均繊維径が1μm未満であると、風綿が発生したり、ウェブの形成が困難になったりすることがある。
非晶性PEIとは、脂肪族、脂環族又は芳香族系のエーテル構造と環状イミド構造とを繰り返し単位として含有するポリマーであり、非晶性、溶融成形性を示すものであれば特に限定されない。「非晶性」を示すことは、得られた繊維を示差走査型熱量測定(DSC)に供し、窒素中、10℃/分の速度で昇温したときの吸熱ピークの有無で確認することができる。吸熱ピークが非常にブロードであり明確に吸熱ピークを判断できない場合は、実使用においても問題ないレベルであるので、実質的に非晶性と判断しても差し支えない。また、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、環状イミド構造及びエーテル構造以外の構造単位、例えば、脂肪族、脂環族又は芳香族エステル単位、オキシカルボニル単位などが非晶性PEIの主鎖に含有されていてもよい。
非晶性PEIとしては、下記式:
Figure 0006617058
で表される主鎖構造を有するポリマーが好適に使用される。式中R1は、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基である。R2は、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基、2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基、2〜20個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、及び2〜8個の炭素原子を有するアルキレン基で連鎖停止されたポリジオルガノシロキサン基からなる群より選択される2価の有機基である。
上記R1、R2としては、例えば、下記式群に示される芳香族残基やアルキレン基(例えば、m=2〜10)を有するものが好ましく使用される。
Figure 0006617058
非晶性PEIの330℃における溶融粘度は、100Pa・s〜3000Pa・sであることが好ましい。100Pa・s未満であると、紡糸時に、風綿や、繊維を形成できなかったために発生するショットと呼ばれる樹脂粒が多発する場合がある。3000Pa・sを超えると、極細繊維化が困難であったり、重合時にオリゴマーが発生したり、重合時や造粒時にトラブルが発生する場合がある。330℃における溶融粘度は、より好ましくは200Pa・s〜2700Pa・sであり、さらに好ましくは300Pa・s〜2500Pa・sである。
非晶性PEIは、そのガラス転移温度が200℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が200℃未満の場合は、得られる不織布の耐熱性が劣る場合がある。また、非晶性PEIのガラス転移温度が高いほど、耐熱性に優れた不織布が得られるので好ましいが、高すぎると融着させる場合に、その融着温度も高くなってしまい、融着時にポリマーの分解を引き起こす可能性がある。非晶性PEIのガラス転移温度は、より好ましくは200〜230℃であり、さらに好ましくは205〜220℃である。
非晶性PEIの分子量は特に限定されないが、得られる不織布の機械的特性や寸法安定性、工程通過性を考慮すると、重量平均分子量(Mw)が1000〜80000であることが好ましい。を用いると、繊維強度、耐熱性などの観点からは高分子量のものが好ましいが、樹脂製造コストや繊維化コストなどの観点かを併せ考慮すると、非晶性PEIの重量分子量は、より好ましくは2000〜50000であり、さらに好ましくは3000〜40000である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
非晶性、溶融成形性、コストなどの観点から、本発明において好適に用いることのできる非晶性PEIの一例は、下記式:
Figure 0006617058
で表される構造単位を主として有する、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミン又はp−フェニレンジアミンとの縮合物である。このような非晶性ポリエーテルイミドは、例えば「ウルテム」の商品名でサービックイノベイティブプラスチックス社から市販されている。
メルトブロー不織布を構成する繊維は、非晶性ポリエーテルイミド系繊維以外の他の繊維を含むことができる。他の繊維としては、例えば、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂などの他の熱可塑性樹脂からなる繊維を挙げることができる。ただし、難燃性などの観点から、他の繊維の使用量は、非晶性ポリエーテルイミド系繊維100重量部に対して、通常50重量部以下であり、好ましくは35重量部以下であり、より好ましくは20重量部以下であり、さらに好ましくは10重量部以下であり、最も好ましくは5重量部以下である。
また、非晶性ポリエーテルイミド系繊維それ自体が上記他の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。ただし、難燃性及び繊維の低繊度化などの観点から、他の熱可塑性樹脂の使用量は、100重量部の非晶性PEIに対して、通常50重量部以下であり、好ましくは35重量部以下であり、より好ましくは20重量部以下であり、さらに好ましくは10重量部以下であり、最も好ましくは5重量部以下である。
非晶性ポリエーテルイミド系繊維の全体量を100重量%とするとき、難燃性及び繊維の低繊度化などの観点から、非晶性PEIの含有量は、好ましくは50重量%〜99.5重量%であり、より好ましくは75重量%〜99.5重量%であり、さらに好ましくは90重量%〜99.5重量%である。
非晶性ポリエーテルイミド系繊維中に含有される黒色顔料としては、カーボンブラック、グラファイト、スピリットブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等の炭素系黒色顔料;鉄酸化物、銅−クロム複合酸化物等の酸化物系黒色顔料などが挙げられるが、メルトブロー不織布の黒色度を高め、これにより審美性を向上させる観点から、炭素系黒色顔料が好適に用いられ、カーボンブラックがより好適に用いられる。
非晶性ポリエーテルイミド系繊維は黒色顔料を含有し、優れた審美性を付与する観点から、非晶性ポリエーテルイミド系繊維中の黒色顔料の含有量は、0.5重量%以上であることが好ましい。黒色顔料の含有量を0.5重量%とすることにより、黒色度を十分に高めることが可能となり、本明細書中において黒色度の指標として用いるL*a*b*表示系(CIE1976表示系)における明度L*値を45以下とすることが可能となる。黒色顔料の含有量(重量%)とは、黒色顔料を含む非晶性ポリエーテルイミド系繊維の全体量を100重量%としたときの含有量(重量%)である。優れた審美性を付与する観点から、黒色顔料の含有量は、好ましくは1重量%以上であり、より好ましくは2重量%以上である。また、メルトブロー不織布への成形性の観点から、黒色顔料の含有量は、好ましくは15重量%以下であり、より好ましくは10重量%以下である。
優れた審美性を付与する観点から、非晶性ポリエーテルイミド系繊維中に含有される黒色顔料の平均粒子径は3μm以下とされ、好ましくは2.5μm以下であり、より好ましくは2μm以下である。非晶性ポリエーテルイミド系繊維中に含有される黒色顔料の平均粒子径は、通常0.1μm以上であり、好ましくは0.5μm以上である。ここでいう平均粒子径は、非晶性ポリエーテルイミド系繊維中に含有されている黒色顔料の平均粒子径であって、メルトブロー不織布の作製に用いられる樹脂組成物(マスターバッチなど)中に含有される黒色顔料の平均粒子径ではない。
自動車部材などに適用される吸音材においては、審美性の観点から黒色の吸音材が強く要望されている。しかし従来、ポリエーテルイミド系樹脂に黒色を付与することは難しく、特にL*値45以下を達成することは困難であり、細繊度化されたポリエーテルイミド系樹脂においては繊維の表面積が増加することにより、審美性に優れる黒色を付与することはさらに困難であった。本発明においては、ポリエーテルイミド系繊維中に含有されるカーボンブラックの平均粒子径を3μm以下としているので、審美性に優れた黒色を付与することができ、L*値45以下、さらには35以下を達成することができる。
メルトブロー不織布を構成する繊維は、黒色顔料以外の他の添加剤を含有することができる。他の添加剤の具体例は、酸化防止剤、帯電防止剤、ラジカル抑制剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、難燃剤、無機物、末端基封鎖剤などを含む。無機物の具体例は、タルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、シリカ、ベントナイト、アルミナシリケートなどの珪酸塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス粉、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素などを含む。末端基封鎖剤の具体例は、モノ又はジエポキシ化合物、モノ又はポリカルボジイミド化合物、モノ又はジオキサゾリン化合物、モノ又はジアジリン化合物などを含む。
メルトブロー不織布の厚みは、好ましくは5μm〜900μmであり、より好ましくは8μm〜800μmであり、さらに好ましくは10μm〜500μmである。メルトブロー不織布の厚みが5μm未満の場合、強力が低くなり加工時に破断してしまう可能性がある。厚みが900μmを超える場合、繊維間の融着弱く、ウェブの形成が困難となることがある。メルトブロー不織布の厚みは、JIS L 1913:2010「一般不織布試験方法」のA法に従って測定される。
メルトブロー不織布の目付(坪量)は、好ましくは1g/m〜1000g/mであり、より好ましくは2g/m〜950g/mであり、さらに好ましくは3g/m〜900g/mである。メルトブロー不織布の目付が1g/m未満の場合、強力が低くなり加工時に破断してしまう可能性がある。目付が1000g/mを超えることは、生産性の観点から有利でない。メルトブロー不織布の厚みは、JIS L 1913:2010「一般不織布試験方法」に従って測定される。
本発明に係るメルトブロー不織布は、吸音材として好適に用いることができる。吸音材の適用用途は特に制限されず、自動車部材用途、建築部材用途、電気製品用途などを挙げることができる。吸音材は、本発明に係るメルトブロー不織布と他の層とを含む積層構造体であってもよい。他の層は、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、合成繊維、天然繊維などからなる繊維層である。
<メルトブロー不織布の製造方法>
本発明に係るメルトブロー不織布は、非晶性PEIと黒色顔料とを含む樹脂組成物を用い、これをメルトブロー法で不織布化することによって得ることができる。上記樹脂組成物は、非晶性PEIと黒色顔料とを含む第1樹脂組成物のみで構成されていてもよいし、非晶性PEIと黒色顔料とを含む第1樹脂組成物(マスターバッチ)と、これを希釈するための、非晶性PEIを含む第2樹脂組成物とで構成されてもよい。メルトブロー法による不織布化は、従来公知のメルトブロー紡糸装置を用いて実施することができる。紡糸条件は、例えば、紡糸温度350℃〜440℃、熱風温度(一次エアー温度)360℃〜450℃、ノズル長1mあたりのエアー量5Nm〜50Nmである。
黒色顔料を含有する上記第1樹脂組成物は通常、非晶性PEIと黒色顔料とを含む混練物である。第1樹脂組成物を調製する際に用いる黒色顔料としては、一次平均粒子径が300nm以下のものを使用することが好ましい。一次平均粒子径が300nm以下の黒色顔料を使用することは、非晶性ポリエーテルイミド系繊維中に含有される黒色顔料の平均粒子径を3μm以下に制御するうえで有利であり、また、得られるメルトブロー不織布の地合を良好なものとするうえでも有利である。黒色顔料の一次平均粒子径は、例えば動的光散乱法やレーザー光回折法により測定することが可能である。
また上記第1樹脂組成物(例えばマスターバッチ)中に含有される黒色顔料の平均粒子径は、好ましくは1μm以下であり、より好ましくは0.5μm〜0.9μmである。平均粒子径が1μm以下である黒色顔料を含有する第1樹脂組成物を用いてメルトブロー不織布を作製することは、非晶性ポリエーテルイミド系繊維中に含有される黒色顔料の平均粒子径を3μm以下に制御するうえで有利であり、また、得られるメルトブロー不織布の地合を良好なものとするうえでも有利である。
非晶性ポリエーテルイミド系繊維中に含有される黒色顔料の平均粒子径は、例えば、紡糸温度によって制御できる。紡糸温度が高いほど非晶性ポリエーテルイミド系繊維中に含有される黒色顔料の平均粒子径は大きくなる傾向にある。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。各種物性などの測定、及び評価は、以下に記載の方法に従った。
〔a〕樹脂の溶融粘度の測定
東洋精機社製の「キャピログラフ1B型」を用いて、温度330℃、剪断速度r=1200sec−1の条件下で溶融粘度(Pa・s)測定した。
〔b〕不織布の平均繊維径の測定
走査型電子顕微鏡(SEM)により取得した観察画像(拡大倍率2000倍)から任意の50本の繊維を選択して各繊維の繊維径を測定し、それらの平均値を平均繊維径(μm)とした。
〔c〕繊維中に含有されるカーボンブラックの平均粒子径の測定
走査型電子顕微鏡(SEM)により取得した観察画像(拡大倍率2000倍)から任意の50個のカーボンブラック粒子を選択して各粒子の粒子径を測定し、それらの平均値を平均粒子径(μm)とした。
〔d〕不織布の黒色度の評価(L*値の測定)
分光光度計を用いた色彩測定を実施してL*a*b*表示系(CIE1976表示系)に従う明度L*値を求めた。
〔e〕不織布の難燃性の評価
UL94V燃焼試験法に従って難燃性評価を実施した。メルトブロー不織布試料がUL94 V−0の基準を満たしている場合をA、満たしていない場合をBとした。
〔f〕不織布の吸音性の評価
JIS A 1409:1998「残響室法吸音率の測定方法」に従って、周波数3000Hzにおける吸音率を測定した。吸音率が70%以上である場合をA、70%未満である場合をBとした。
<実施例1>
非晶性ポリエーテルイミド系樹脂(非晶性PEI、330℃での溶融粘度:900Pa・s)中に、一次平均粒子径が40nmのカーボンブラック粒子を混練して樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。樹脂組成物中のカーボンブラック粒子の含有量、すなわち、非晶性ポリエーテルイミド系繊維中のカーボンブラック粒子の含有量は、1.0重量%とした。この樹脂組成物を用いて、420℃の紡糸温度でメルトブロー法により紡糸することにより、メルトブロー不織布を得た。
<実施例2>
非晶性PEI(330℃での溶融粘度:900Pa・s)を用意するとともに、ポリエステル系樹脂(330℃での溶融粘度:100Pa・s)及び一次平均粒子径が20nmのカーボンブラック粒子を含有する樹脂組成物(マスターバッチ)を用意した。当該樹脂組成物中のカーボンブラック粒子の含有量は、10重量%とした。上記非晶性PEIと上記樹脂組成物との配合比率(重量比率)が、非晶性PEI/樹脂組成物=75/25となるように計量して押出機に投入した。その後、紡糸温度を390℃としたこと以外は実施例1と同様の紡糸条件でメルトブロー不織布を作製した。非晶性ポリエーテルイミド系繊維中のカーボンブラック粒子の含有量は、2.5重量%である。
<実施例3>
非晶性PEI(330℃での溶融粘度:900Pa・s)を用意するとともに、非晶性PEI(330℃での溶融粘度:900Pa・s)及び一次平均粒子径が40nmのカーボンブラック粒子を含有する樹脂組成物(マスターバッチ)を用意した。当該樹脂組成物中のカーボンブラック粒子の含有量は、1.0重量%とした。上記非晶性PEIと上記樹脂組成物との配合比率(重量比率)が、非晶性PEI/樹脂組成物=50/50となるように計量して押出機に投入した。その後、実施例1と同様の紡糸条件でメルトブロー不織布を作製した。非晶性ポリエーテルイミド系繊維中のカーボンブラック粒子の含有量は、0.5重量%である。
<実施例4>
非晶性PEI(330℃での溶融粘度:900Pa・s)中に、一次平均粒子径が40nmのカーボンブラック粒子を混練して樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。樹脂組成物中のカーボンブラック粒子の含有量、すなわち、非晶性ポリエーテルイミド系繊維中のカーボンブラック粒子の含有量は、1.0重量%とした。この樹脂組成物を用いて390℃の紡糸温度で紡糸することにより、繊維径約17μmのマルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメントに捲縮を施した後、切断して繊維長51mmの短繊維を作製し、この短繊維をカードにかけて繊維ウェブを作製した。次いで、この繊維ウェブを水流交絡機の支持ネットに乗せ、水圧力20〜100kgf/cmの水を繊維ウェブの両面に噴出して、ステープル同士を絡合、一体化させた後、温度110〜160℃で乾燥熱処理を行って、非晶性ポリエーテルイミド系繊維からなる不織布を得た。
<比較例1>
ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT、230℃での溶融粘度:100Pa・s)を用意するとともに、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT、230℃での溶融粘度:100Pa・s)及び一次平均粒子径が25nmのカーボンブラック粒子を含有する樹脂組成物(マスターバッチ)を用意した。当該樹脂組成物中のカーボンブラック粒子の含有量は、20重量%とした。上記PBTと上記樹脂組成物との配合比率(重量比率)が、PBT/樹脂組成物=90/10となるように計量して押出機に投入した。その後、紡糸温度を290℃としたこと以外は実施例1と同様の紡糸条件でメルトブロー不織布を作製した。PBT繊維中のカーボンブラック粒子の含有量は、2.0重量%である。
実施例及び比較例で得られた不織布についての測定及び評価結果を表1にまとめた。表1において「カーボンブラック含有量」は、非晶性ポリエーテルイミド系繊維(比較例1においてはポリブチレンテレフタレート繊維)中に含有されるカーボンブラックの含有量(重量%)である。「カーボンブラック平均粒子径」は、非晶性ポリエーテルイミド系繊維(比較例1においてはポリブチレンテレフタレート繊維)中に含有されるカーボンブラックの平均粒子径(μm)である。「平均繊維径」は、不織布を構成する繊維の平均繊維径(μm)である。
Figure 0006617058

Claims (5)

  1. 非晶性ポリエーテルイミド系繊維を含むメルトブロー不織布であって、
    前記非晶性ポリエーテルイミド系繊維中に黒色顔料を含有し、
    前記非晶性ポリエーテルイミド系繊維中に含有される前記黒色顔料の平均粒子径が3μm以下であり、
    前記非晶性ポリエーテルイミド系繊維を構成する樹脂中の非晶性ポリエーテルイミド系樹脂の含有量が90重量%超であり、
    前記非晶性ポリエーテルイミド系繊維中の前記黒色顔料の含有量が0.5重量%以上である、メルトブロー不織布。
  2. 平均繊維径が10μm以下である、請求項1に記載のメルトブロー不織布。
  3. 黒色顔料がカーボンブラックである、請求項1又は2に記載のメルトブロー不織布。
  4. 非晶性ポリエーテルイミド系繊維を含むメルトブロー不織布であって、L*値が45以下であり、
    前記非晶性ポリエーテルイミド系繊維を構成する樹脂中の非晶性ポリエーテルイミド系樹脂の含有量が90重量%超である、メルトブロー不織布。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のメルトブロー不織布を含む、吸音材。
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