JP5984247B2 - ポリスルホン組成物の製造方法及び成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
一方で、ポリスルホンは、高いガラス転移温度(Tg)を示すことから、その成形体は、高い耐熱性を有すると共に、低温から高温までの幅広い温度領域において、寸法安定性及び機械的強度に優れ、さらに耐薬品性にも優れている。そのため、ポリスルホンは、リレー部品、コイルボビン、スイッチ、IC(Integrated Circuit)ソケット、コネクター、ヒューズケース等の電気電子部品をはじめ、耐熱塗料等の耐熱性材料、各種OA(Office Automation)機器部品、各種自動車部品、医療機器部品、機能性分離膜、航空機部品等の幅広い用途で使用されている。そして、このように有用性が高いポリスルホンにも、半導電性を付与することが望まれる場合がある。
これに対して、熱可塑性樹脂に導電性のナノ構造中空炭素材料を少量添加する技術が開示されている(特許文献1参照)。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、機械的強度に優れ、半導電性を有する成形体の製造に好適なポリスルホン組成物と前記成形体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、ポリスルホンと、下記(A)の要件を満たすナノ構造中空炭素材料とを含有するポリスルホン組成物の製造方法であって、前記ポリスルホン90〜96質量部と、前記ナノ構造中空炭素材料4〜10質量部とを、1000〜3000/秒のせん断速度で溶融混練する工程を有し、前記ポリスルホンが、これを構成する全繰返し単位の合計量に対して、下記式(11)で表される繰返し単位を80モル%以上有し、前記ポリスルホンの還元粘度が0.3〜0.6dL/gであり、溶融混練時の温度が280〜380℃であることを特徴とするポリスルホン組成物の製造方法を提供する。
(A)ナノ構造中空炭素材料が、炭素部及び中空部を有し、前記中空部の一部又は全体が前記炭素部により囲まれた構造を有する。
(11)−Ph 11 −SO 2 −Ph 21 −O−
(式中、Ph 11 及びPh 21 はそれぞれp−フェニレン基であり、前記p−フェニレン基の1個以上の水素原子は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)
本発明のポリスルホン組成物の製造方法においては、前記ナノ構造中空炭素材料が、下記工程(1)、(2)、(3)及び(4)をこの順に有する方法で得られたものであることが好ましい。
(1)テンプレート触媒ナノ粒子を製造する工程。
(2)前記テンプレート触媒ナノ粒子の存在下、炭素材料前駆体を重合させ、前記テンプレート触媒ナノ粒子の表面に炭素材料中間体を形成させる工程。
(3)前記炭素材料中間体を炭化させて、ナノ構造複合材料を製造する工程。
(4)前記ナノ構造複合材料から、前記テンプレート触媒ナノ粒子を除去して、ナノ構造中空炭素材料を製造する工程。
本発明において、ポリスルホンは、典型的には、2価の芳香族基(芳香族化合物から、その芳香環に結合した水素原子を2個除いてなる残基)と、スルホニル基(−SO2−)と、酸素原子とを含む繰返し単位を有する樹脂である。
ポリスルホンは、耐熱性や耐薬品性の点から、下記一般式(1)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(1)」ということがある。)を有することが好ましく、さらに、下記一般式(2)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(2)」ということがある。)や、下記一般式(3)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(3)」ということがある。)等の他の繰返し単位を1種以上有していてもよい。
(式中、Ph1及びPh2はそれぞれ独立にフェニレン基であり、前記フェニレン基の1個以上の水素原子は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)
(式中、Ph3及びPh4はそれぞれ独立にフェニレン基であり、前記フェニレン基の1個以上の水素原子は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。Rはアルキリデン基、酸素原子又は硫黄原子である。)
(式中、Ph5はフェニレン基であり、前記フェニレン基の1個以上の水素原子は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。nは1〜3の整数であり、nが2以上である場合、複数存在するPh5は、互いに同一でも異なっていてもよい。)
前記フェニレン基の水素原子を置換していてもよいアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基及びn−デシル基が挙げられ、その炭素数は、1〜10であることが好ましい。
前記フェニレン基の水素原子を置換していてもよいアリール基の例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基が挙げられ、その炭素数は、6〜20であることが好ましい。
前記フェニレン基の水素原子を置換していてもよいハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
前記フェニレン基の水素原子がこれらの基で置換されている場合、その数は、前記フェニレン基毎に、それぞれ独立に好ましくは2個以下、より好ましくは1個である。
(式中、Ph11及びPh21はそれぞれp−フェニレン基であり、前記p−フェニレン基の1個以上の水素原子は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立にハロゲン原子である。Ph1及びPh2は、前記と同義である。)
(式中、Ph1及びPh2は、前記と同義である。)
(式中、Ph3、Ph4及びRは、前記と同義である。)
(式中、Ph5及びnは、前記と同義である。)
前記炭酸のアルカリ金属塩は、正塩である炭酸アルカリであってもよいし、酸性塩である重炭酸アルカリ(炭酸水素アルカリ)であってもよいし、正塩及び酸性塩の混合物であってもよい。炭酸アルカリとしては、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムが好ましく、重炭酸アルカリとしては、重炭酸ナトリウムや重炭酸カリウムが好ましい。
前記溶媒としては、非プロトン性溶媒が好ましく、なかでもジメチルスルホキシド、1−メチル−2−ピロリドン、スルホラン(1,1−ジオキソチラン)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、ジフェニルスルホン等の有機極性溶媒が好ましい。
(A)ナノ構造中空炭素材料が、炭素部及び中空部を有し、前記中空部の一部又は全体が前記炭素部により囲まれた構造を有する。
このような構造としては、一様な炭素部(複数の炭素部が連結されたり、塊状となっていない)によって、中空部の一部又は全体が囲まれた構造や、連結された複数の炭素部又は塊状となった複数の炭素部によって、中空部の一部又は全体が囲まれた構造を例示できる。
(B)ナノ構造中空炭素材料の炭素部の厚みが、1〜100nmである。
(C)ナノ構造中空炭素材料の中空部の径が、0.5〜90nmである。
(D)ナノ構造中空炭素材料の炭素部が、2〜200層(製造面で好ましいのは2〜100層である)からなる多層状の構造である。
(1)テンプレート触媒ナノ粒子を製造する工程。
(2)前記テンプレート触媒ナノ粒子の存在下、炭素材料前駆体を重合させ、前記テンプレート触媒ナノ粒子の表面に炭素材料中間体を形成させる工程。
(3)前記炭素材料中間体を炭化させて、ナノ構造複合材料を製造する工程。
(4)前記ナノ構造複合材料から、前記テンプレート触媒ナノ粒子を除去して、ナノ構造中空炭素材料を製造する工程。
以下、前記工程(1)、(2)、(3)及び(4)について、具体的に説明する。
1種又は複数種の触媒前駆体と、1種又は複数種の分散剤とを、反応又は結合させて、触媒複合体を形成させる。一般的には、触媒前駆体と分散剤とを適当な溶媒に溶解させて触媒溶液を調製するか、又は触媒前駆体と分散剤とを適当な溶媒に分散させて触媒懸濁液を調製し、触媒前駆体と分散剤とを結合させることにより、前記触媒複合体が形成される。
溶媒としては、水や有機溶媒をはじめとする種々のものが利用でき、好ましいものとしては、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチレンクロライド等が挙げられる。
溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記添加物としては、無機酸、塩基化合物が例示できる。
前記無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等が例示でき、前記塩基化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム等の無機塩基化合物が例示できる。また、前記触媒溶液又は触媒懸濁液には、pHを8〜13に調整するため、アンモニア水溶液等の塩基性物質を加えてもよい。この場合、pHを10〜11に調整することが好ましい。前記触媒溶液又は触媒懸濁液のpHは、テンプレート触媒ナノ粒子の粒径に影響を与え、例えば、13を超えるpH値では、触媒前駆体が微細に分離する。
前記炭素材料前駆体は、テンプレート触媒ナノ粒子を分散させることができるものであれば特に限定されず、有機材料で好ましいものとしては、分子中に1つもしくは複数の芳香族環と、さらに重合化のための官能基とを有するベンゼンやナフタレンの誘導体が例示できる。重合化のための官能基としては、「−COOH」、「−C(=O)−」、「−OH」、「−C=C−」、「−SO2−」、「−NH2」、「−SOH」、「−N=C=O」等の基が例示できる。
前記モル比、テンプレート触媒ナノ粒子の種類及び粒径は、後述するナノ構造中空炭素材料における炭素部の厚みに影響を与える。
また、熱により重合可能な炭素材料前駆体については、通常、温度が上昇するほど重合が進む。この場合の重合温度は、好ましくは0〜200℃、より好ましくは25〜120℃である。
また、例えば、レゾルシノール−ホルムアルデヒドゲル(鉄粒子を用いる場合で、懸濁液のpHが1〜14の場合)の最適な重合条件は、温度が0〜90℃であり、重合時間が1〜72時間である。
テンプレート触媒ナノ粒子の表面に炭素材料が形成されることから、ナノ構造中空炭素材料の形状及び粒径、並びに中空部の形状及び径は、製造時に用いたテンプレート触媒ナノ粒子の形状及び大きさに大きく依存する。
また、充填材は、無機充填材であってもよいし、有機充填材であってもよい。
繊維状無機充填材の例としては、ガラス繊維;パン系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維;シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維等のセラミック繊維;ステンレス繊維等の金属繊維が挙げられる。また、チタン酸カリウムウイスカー、チタン酸バリウムウイスカー、ウォラストナイトウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、窒化ケイ素ウイスカー、炭化ケイ素ウイスカー等のウイスカーも挙げられる。
繊維状有機充填材の例としては、ポリエステル繊維及びアラミド繊維が挙げられる。
板状無機充填材の例としては、タルク、マイカ、グラファイト、ウォラストナイト、ガラスフレーク、硫酸バリウム、炭酸カルシウムが挙げられる。マイカは、白雲母、金雲母、フッ素金雲母及び四ケイ素雲母のいずれでもよい。
粒状無機充填材の例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラスバルーン、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭酸カルシウムが挙げられる。
充填材の含有量は、ポリスルホン100質量部に対して、好ましくは0〜100質量部である。
本発明においては、前記ナノ構造中空炭素材料が、例えば、カーボンナノチューブ等の炭素材料よりも分散し易いうえ、高せん断速度で溶融混練を行うことにより十分に分散し、その結果、前記ナノ構造中空炭素材料が少なくても、半導電性有する組成物が得られると考えられる。
ポリスルホン約1gをN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させて、その容量を1dLとし、この溶液の粘度(η)を、オストワルド型粘度管を用いて、25℃で測定した。また、溶媒であるN,N−ジメチルホルムアミドの粘度(η0)を、オストワルド型粘度管を用いて、25℃で測定した。前記溶液の粘度(η)と前記溶媒の粘度(η0)から、比粘性率((η−η0)/η0)を求め、この比粘性率を、前記溶液の濃度(約1g/dL)で割ることにより、ポリスルホンの還元粘度(dL/g)を求めた。
(成形体の体積固有抵抗値の測定)
ASTM D257に準拠した体積固有抵抗測定法により、デジタル超絶縁/微少電流計(東亜ディーケーケー社製「DSM−8104」)を用いて、測定温度23℃での体積固有抵抗値を求めた。
(成形体の引張強度の測定)
ASTM D638に準拠して測定した。
[製造例1]
2.24gの鉄粉末と7.70gのクエン酸と400mlの水で0.1Mの鉄混合液を調製し、これを密閉容器に入れ、卓上震盪機で7日間混合した。混合期間中、適宜発生した水素ガスを容器から排出し、テンプレート触媒ナノ粒子混合液を得た。6.10gのレゾルシノールと9.0gのホルムアルデヒドの混合溶液に、前記テンプレート触媒ナノ粒子混合液100mlを加え、激しく撹拌しながら30mlのアンモニア水溶液を滴下した。得られた懸濁液のpHは10.26であった。上記懸濁液をオイルバス上で80〜90℃に加熱して3.5時間熟成させ、炭素材料中間体を生成させた。得られた炭素材料中間体をろ過により回収し、一晩オーブン中で乾燥させたのち、窒素雰囲気中、1150℃で3時間焼成した。得られたナノ構造複合材料を5Mの硝酸溶液で6〜8時間リフラックスさせ、酸化性混合液(H2O/H2SO4/KMnO4=1/0.01/0.003(モル比))300ml中、90℃で3時間熱処理した。さらに水で洗浄し、オーブン中で3時間乾燥させて、ナノ構造中空炭素材料1(1.1g)を得た。
[製造例2]
ポリスルホン(住友化学社製「スミカエクセルPES3600P」(還元粘度0.36dL/g))(94質量部)と、製造例1で得られたナノ構造中空炭素材料1(6質量部)とを、ヘンシェルミキサーで混合した後、二軸押出機(池貝鉄工社製「PCM−30」)を用いて、シリンダー温度340℃で100/秒のせん断速度で混練して造粒し、原料用のポリスルホン組成物1aを得た。
ポリスルホンの使用量を94質量部に代えて96重量部とし、ナノ構造中空炭素材料1の使用量を6質量部に代えて4質量部としたこと以外は、製造例2と同様の方法で、原料用のポリスルホン組成物2aを得た。
[実施例1]
ポリスルホン組成物1aを、帰還型スクリューを備えた高せん断成形加工機(ニイガタマシンテクノ社製「NHSS2−28」、スクリュー径28mm、スクリュー帰還部の内径2.5mm)に投入し、ギャップを2mmに設定し、可塑化部温度300℃、混練部温度320℃にて加熱溶融させ、スクリュー回転数を2000rpmとして、2940/秒のせん断速度で20秒間混練し、その後、T−ダイから押し出して、成形用のポリスルホン組成物1を得た。その際、せん断発熱を低減するため、冷却機構を用いて、混練部の温度が320℃を超えないように温度制御した。得られたポリスルホン組成物1を、プレス機(神藤金属工業所製「NP−37」)を用いて、340℃、100MPaの条件でプレス成形し、50mm×50mm×3mmtの成形体1−1を得、その体積固有抵抗値を測定した。また、得られたポリスルホン組成物1を、ハンドトゥルーダー(東洋精機社製「PM−1」)を用いて、シリンダー温度340℃、金型温度150℃の条件で射出成形し、厚み2mmのJIS 7113 1(1/2)号ダンベル(成形体1−2)を得、その引張強度を測定した。結果を表1に示す。
ポリスルホン組成物1aに代えて、ポリスルホン組成物2aを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、成形用のポリスルホン組成物2、成形体2−1及びダンベル(成形体2−2)を製造し、成形体2−1の体積固有抵抗値及び成形体2−2の引張強度を測定した。結果を表1に示す。
ポリスルホン組成物1aを、プレス機(神藤金属工業所製「NP−37」)を用いて、340℃、100MPaの条件でプレス成形し、50mm×50mm×3mmtの成形体1R−1を得、その体積固有抵抗値を測定した。また、ポリスルホン組成物1aを、ハンドトゥルーダー(東洋精機社製「PM−1」)を用いて、シリンダー温度340℃、金型温度150℃の条件で射出成形し、厚み2mmのJIS 7113 1(1/2)号ダンベル(成形体1R−2)を得、その引張強度を測定した。結果を表1に示す。
ポリスルホン組成物1aに代えて、ポリスルホン組成物2aを使用したこと以外は、比較例1と同様の方法で成形体2R−1及びダンベル(成形体2R−2)を製造し、成形体2R−1の体積固有抵抗値及び成形体2R−2の引張強度を測定した。結果を表1に示す。
スクリュー回転数を2000rpmに代えて500rpmとし、せん断速度を740/秒としたこと以外は、実施例1と同様の方法で、成形用のポリスルホン組成物1R、成形体3R−1及びダンベル(成形体3R−2)を製造し、成形体3R−1の体積固有抵抗値及び成形体3R−2の引張強度を測定した。結果を表1に示す。
Claims (5)
- ポリスルホンと、下記(A)の要件を満たすナノ構造中空炭素材料とを含有するポリスルホン組成物の製造方法であって、
前記ポリスルホン90〜96質量部と、前記ナノ構造中空炭素材料4〜10質量部とを、1000〜3000/秒のせん断速度で溶融混練する工程を有し、
前記ポリスルホンが、これを構成する全繰返し単位の合計量に対して、下記式(11)で表される繰返し単位を80モル%以上有し、
前記ポリスルホンの還元粘度が0.3〜0.6dL/gであり、
溶融混練時の温度が280〜380℃であることを特徴とするポリスルホン組成物の製造方法。
(A)ナノ構造中空炭素材料が、炭素部及び中空部を有し、前記中空部の一部又は全体が前記炭素部により囲まれた構造を有する。
(11)−Ph 11 −SO 2 −Ph 21 −O−
(式中、Ph 11 及びPh 21 はそれぞれp−フェニレン基であり、前記p−フェニレン基の1個以上の水素原子は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。) - 前記ナノ構造中空炭素材料の前記炭素部の厚みが1〜100nmであり、前記中空部の径が0.5〜90nmであることを特徴とする請求項1に記載のポリスルホン組成物の製造方法。
- 前記ナノ構造中空炭素材料が、下記工程(1)、(2)、(3)及び(4)をこの順に有する方法で得られたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリスルホン組成物の製造方法。
(1)テンプレート触媒ナノ粒子を製造する工程。
(2)前記テンプレート触媒ナノ粒子の存在下、炭素材料前駆体を重合させ、前記テンプレート触媒ナノ粒子の表面に炭素材料中間体を形成させる工程。
(3)前記炭素材料中間体を炭化させて、ナノ構造複合材料を製造する工程。
(4)前記ナノ構造複合材料から、前記テンプレート触媒ナノ粒子を除去して、ナノ構造中空炭素材料を製造する工程。 - 前記ポリスルホンと前記ナノ構造中空炭素材料との溶融混練を、帰還型スクリューを備えたせん断成形加工機により行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリスルホン組成物の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法でポリスルホン組成物を得、このポリスルホン組成物を成形することを特徴とする成形体の製造方法。
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