JP5984117B2 - 熱転写シート - Google Patents

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Description

本発明は熱転写シートに関し、各種包装用フィルムに印字可能で、さらに熱転写された印字物の密着性、耐擦過性、耐熱性、耐ヒートショック性に優れた熱転写シートに関する。
基材フィルム上に顔料等の着色剤及び樹脂・ワックス等のバインダーを含有する熱溶融性インク層を設けた熱溶融転写方式の熱転写シートは、各種の印字をサーマルヘッドで簡便に行う事ができ、メンテナンス性にも優れる為、工場などでラベル等にバーコード等を印字し、製品管理や物流管理を行うのに良く利用されている。近年では求められる性能や用途も多様化し、しだいに印字物の耐熱性、耐擦過性、耐溶剤性等に優れた熱転写シートの必要性が求められるようになった。例えば耐熱性、耐擦過性、耐溶剤性に優れた熱転写シートとして、平3−166992に示されるように、基材フィルム上に耐熱性、耐擦過性、耐溶剤性に優れた原材料を用いた離型層、印字保護層、インク層を設けた熱転写シートが知られている。
特開平3−166992号公報
しかしながら、特許文献1に示される熱転写シートでは、ラベルのような印字適性を上げる為の表面処理や表面加工が施されている被転写媒体に関しては、その印字物は充分な性能を発揮するものの、食品包装用フィルムのような表面が未処理で平滑な包装用フィルムに対して印字を行った場合、印字物の転写が満足に出来ないという問題があった。仮に包装用フィルムに対して印字物が転写されたとしても、包装用フィルムに対しての印字物の密着性が乏しく、印字物にセロハンテープなどを張り付けた後に剥がすと印字物が簡単に取れてしまうといった問題があった。また実際の工場等では、熱転写シートを用いて食品包装用フィルムに賞味期限などを印字した後に、殺菌工程等において、ボイル処理と急速冷却工程が連続して行われる事がある。その際に、印字物と包装用フィルムの密着性が乏しかったり、印字物の可撓性がなかったり、印字物の塗膜強度が脆弱であったりすると、印字物と包装用フィルムの界面がそれぞれの熱膨張率の違いなどからくる応力変化(ヒートショック)により破壊され、印字物が包装用フィルムから剥離したり、印字物にヒビ割れやボイドが発生する事がある。本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、各種包装用フィルムに印字可能で、さらに熱転写された印字物の密着性、耐擦過性、耐熱性、耐ヒートショック性に優れた熱転写シートの発明が主たる課題である。
これらの問題を解決する為に、本発明者は、基材の上に離型層、インク層、接着層を設け、その反対側に耐熱滑性層を有する熱転写シートにおいて、前記接着層が軟化点(環球法による軟化点 JIS K5601−2−2(1999))100〜160℃の範囲にあるノボラック型フェノール樹脂とポリアミド系樹脂を含有し、インク層が軟化点(環球法)75〜170℃の範囲にある熱可塑性樹脂を主に含有する熱転写シートを発明するに至った。この構成によれば、包装用フィルムに対する転写性に優れ、印字物の密着性、耐擦過性、耐熱性、耐ヒートショック性に優れた熱転写シートを提供させる事が可能となる。
また前記接着層に使用するノボラック型フェノール樹脂とポリアミド系樹脂の配合比率を重量比で8:2〜3:7の範囲に選択する事によって、各種包装用フィルムに対する転写性及び印字物の密着性、耐ヒートショック性をさらに向上する事が可能となった。
また前記接着層に含まれるポリアミド系樹脂をダイマー酸ポリアミド樹脂にする事によって各種包材に対する転写性及び、印字物の密着性、耐ヒートショック性をさらに向上させる事が可能となった。
また前記接着層に、平均粒子径が1〜10μmで接着層用塗料に溶解しないような有機物の粒子状滑剤を接着層の総重量比の1〜30%添加する事によって、転写性及び印字物の密着性及び耐ヒートショック性をさらに向上させる事が可能となった
また前記インク層に主成分として使用する熱可塑性樹脂としてガラス転移点Tg(DSC法)が40〜90℃、数平均分子量Mnが2000〜25000の範囲である事を特徴とするポリエステル樹脂を選択する事によって、印字物の耐擦過性、耐熱性をさらに向上させる事が可能となった。
本発明によれば、基材の上に離型層、インク層、接着層を設け、その反対側に耐熱滑性層を有する熱転写シートにおいて、包装用フィルムのような表面未処理の平滑なフィルムに対して転写性に優れ、印字物の密着性、耐熱性、耐擦過性、耐ヒートショック性に優れた熱転写シートを提供する事が可能となる。
本発明の実施形態に係る熱転写シートを示す模式的断面図である。 本発明の実施形態に係る熱転写シートを示す模式的断面図である。 本発明の実施形態に係る接着層内部の海島構造を示す模式的断面図である。
本発明の熱転写シート7は、基本的に図1に示すように基材4の上に設けられた離型層3と、インク層2及び接着層1からなる熱溶融転写層6と、基材4を挟んで反対側に設けられた耐熱滑性層5からなるが、必要に応じて図2に示すようにインク層2及び離型層3の間に印字の擦過性及び耐熱性を向上させる為の耐熱印字保護層8を設けても良い。
本発明に使用される基材4としては、ある程度の耐熱性と強度を有するものであれば特に限定されることはなく、従来公知の材料を適宜選択して用いることができる。このような基材4として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリイミドフィルム、アラミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム等が挙げられる。これらの基材4の厚みは、その強度、耐熱性及び熱伝導性が適切になるように材料に応じて適宜考慮し、その範囲は2〜12μmであれば良いが、熱伝導性が良好であるという理由から2〜6μmの範囲がより好ましい。基材4の厚みが2μm未満であると耐熱性や強度に劣るため基材が破断する危険性があり、逆に厚みが12μmを超えると強度は充分であるが熱伝導性に劣るため、プリンタヘッドの熱が充分に伝わらない事が原因で印字の転写不良が発生する。
本発明の熱転写シート7は、印字の際に基材4がプリンタのヘッド素子に融着して基材4にシワが発生するスティッキング現象や熱による基材4の破断を防止する為に、基材4の離型層3が塗布されている面の反対側にシリコン樹脂、フッ素樹脂、ニトロセルロース樹脂、シリコン変性ウレタン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、ポリアミドイミド樹脂などの公知の各種耐熱性樹脂を主原料とし、その他副原料として硬化剤や滑剤を適宜混合したものなどからなる耐熱滑性層5を設けてもよい。
耐熱滑性層5の塗布量は、使用状況やプリンタの種類などに応じて0.05〜0.50g/mの範囲から任意に選択して良いが、コスト面や性能の安定性の理由から0.10〜0.20g/mの範囲がより好ましい。塗布量が0.05g/m未満になると期待される耐熱性の効果が得られない。逆に塗布量が0.5g/m以上になると箔落ちなどの問題が発生してしまう。
耐熱滑性層5の塗料は、主原料を各種有機溶剤に溶解し、ディゾルバー等でその他副原料と充分に撹拌混合する事によって作成する。
耐熱滑性層5の塗装方法に関しては特に制限はなく、各種公知の塗装方法、例えばバーコーティング、スプレーコーティング、スリットリバースコーティング、ダイレクトグラビアコーティング、リバースグラビアコーティング、オフセットグラビアコーティング等の方法から適切に選択した方法によって塗料を基材4に塗装し、乾燥機によって有機溶剤を揮発乾燥させて塗膜を形成すればよい。
本発明に使用される離型層3は、剥離層3全体の融点(DSC法)もしくは軟化点(環球法)が80〜170℃、より好ましくは100〜130℃の範囲になるように適宜各種公知の熱溶融性物質または熱可塑性樹脂を選択し構成されていれば特に限定されることはない。接着層3の融点(DSC法)または軟化点(環球法)が80℃未満になると、耐熱性が低下する傾向があり、逆に融点(DSC法)及び軟化点(環球法)が160℃以上になると、印字の際に離型層が溶融する為に必要な熱量が多く必要となり、印字かすれや転写不良が発生する原因となる。
離型層3の熱溶融性物質としては、各種公知のワックスを使用するのが好ましい。ワックスは常温で硬い為、印字物の耐擦過性を落とさない。また、加熱時には溶融して粘度が非常に低くなり、転写層6の箔キレ性や離型性を高める効果がある。
前記ワックスの例として、カルナウバワックス、モンタン酸ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュスワックス、ポリエチレンワックス、ポリオレフィン系ワックス、アミド変性ワックス、フッ素変性ワックス等が挙げられるがこれに限定されることはない。前記ワックスは単独もしくは複数を混合して使用しても良い。
前記離型層3は必要に応じて、ワックスと併用して、各種公知の熱可塑性樹脂を含んでも良い。熱可塑性樹脂の種類としては、柔軟で可撓性があり、基材4と転写層6の間に適度な接着性を持たせて転写層の箔落ちを防止する効果や、印字の尾引き現象などを防いで印字を鮮明にする効果が得られるような樹脂が好ましい。
前記熱可塑性樹脂の例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、接着性ポリオレフィン樹脂等が挙げられるがこれに限定されることはない。前記熱可塑性樹脂は単独もしくは複数を混合して使用しても良い。
離型層3に含まれる前記ワックスと前記熱可塑性樹脂との比率は特に限定はされないが、重量比で95:5〜5:95の範囲から必要性に応じて適宜選択すれば良い。
離型層3はその他に必要性に応じ副原料として、各種公知の界面活性剤やフィラーや滑剤を適宜含有させて、粘性や箔切れ性や塗装性の改良及び調整を行っても良い。
離型層3の塗布量は、要求品質に応じて0.1〜3.0g/mの範囲から適宜選択すればよく、コスト面や性能安定性の面から0.3〜1.5g/mの範囲から選択する事がより好ましい。離型層3の塗布量が0.1g/m未満だと充分なインク層の離型性が得られず転写不良が発生する。逆に離型層3の塗布量が3.0g/mを超えると、印字の際に感度不足になったり、印字物に転移する離型層成分が多くなることにより、印字物の塗膜強度や耐熱性が悪化したりする。
離型層3の塗料は、主原料を熱溶融したり、各種有機溶剤に溶解または分散したり、水に乳化したりした物とその他副原料をディゾルバー等で充分に撹拌混合して作成する。さらに必要に応じて各種公知の分散機(例えばビーズミル・ピンミル等)で非溶解物の粒子径を均一に分散する為に適宜分散して作成してもよい。
離型層3の塗装方法に関しては特に制限はなく、各種公知の塗装方法、例えばバーコーティング、スプレーコーティング、スリットリバースコーティング、ダイレクトグラビアコーティング、リバースグラビアコーティング、オフセットグラビアコーティング等の方法を適宜選択して塗料を基材に塗装し、乾燥機によって有機溶剤等を揮発乾燥して塗膜を形成すればよい。
また熱溶融した塗料の場合は、ホットメルトグラビアコーティングやホットメルトダイコーティング等の方法を選択して塗膜を形成する事も可能である。
本発明では、離型層3と接着層1の間に各種公知の顔料や染料等の着色剤とバインダー成分を主成分とするインク層2を設ける。着色剤の添加量は使用状況に応じてインク層全体重量の10〜50%の範囲から適宜選択する事が好ましい。添加量が10%未満であると、印字物の印字濃度が十分でなく、50%を超えると印字の転写性に悪影響する。
本発明に使用されるインク層2は、軟化点(環球法)が75〜170℃、より好ましくは100〜160℃の範囲である熱可塑性樹脂を主に構成されていれば特に限定されることはなく、従来公知の材料を適宜選択して用いることができる。軟化点(環球法)が75℃未満になると、耐熱性が急激に低下する。また逆に軟化点(環球法)が170℃以上になると、印字の際に離型層が溶融する為に必要な熱量が多く必要となり、印字かすれや転写不良の原因となる。
インク層2に使用する熱可塑性成分としては、凝集力が強く、耐熱性と塗膜強度を有するような熱可塑性樹脂を主成分として用いることが好ましい。前記のような熱可塑性樹脂の例としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、スチレン樹脂、テルペン系樹脂、及びこれらの変性樹脂もしくは共重合体樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。前記熱可塑性樹脂は単独もしくは複数を混合して使用しても良い。本発明に使用される前記熱可塑性樹脂としては、特に耐熱性と塗膜強度に優れているポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記ポリエステル樹脂のガラス転移点Tg(DSC法)は40〜90℃の範囲から適宜選択する事がさらに好ましい。ガラス転移点Tg(DSC法)が40℃以下になると、印字物の耐熱性と塗膜強度がしだいに低下してしまうために、印字物が何かに接触した際に印字が欠落しやすくなるという問題が発生する。逆にガラス転移点Tg(DSC法)が90℃を超えると、印字の際のエネルギーが多く必要となり、印字かすれや転写不良の原因となる。
前記ポリエステルの数平均分子量Mnは2000〜25000の範囲が好ましく、さらに好ましくは5000〜20000の範囲である。数平均分子量Mnが2000未満であると印字物の耐熱性及び印字物の塗膜強度が弱く、逆に25000を超えると印字物の塗膜強度が強くなりすぎて、印字の際の箔切れ性に悪い影響を与える。
インク層2には、副原料として、箔切れ性や感熱応答性を向上させるために、ワックス類を添加しても良い。ワックスの例としては、カルナウバワックス、モンタン酸ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュスワックス、ポリエチレンワックス等が挙げられるが、特にこれに限定されるわけではない。また前記ワックスは単独もしくは複数を混合して使用しても良い。
インク層に添加する前記ワックスの融点(DSC法)は用途に応じて80〜160℃の範囲から適宜選択すれば良いが、さらに好ましくは100〜130℃の範囲である。添加量はインク層全体の重量の20%以下が好ましい。ワックスの添加量がインク層全体の重量の20%を超えると、急激に印字物の被印字体に対する密着強度が低下したり、塗膜強度が弱くなったりしてしまう。
インク層2には、副原料として各種公知の界面活性剤やフィラーを適宜含有させて、着色剤の分散性、インクの箔切れ性、塗料粘度等の改良及び調整を行っても良い。
インク層2の塗布量は、要求品質に応じて0.5〜3.0g/mより適宜に選択すれば良いが、コスト面や性能安定性の面から1.0〜2.0g/mの範囲から選択する事がより好ましい。塗布量が0.5g/m未満であると充分な印字濃度及び塗膜強度が得られない。逆に塗布量が3.0g/mを超えると印字感度と箔切れ性が急激に悪くなる。
インク層2の塗料は、バインダー成分を各種公知の有機溶剤に溶解したり、水に乳化したりした物に、着色剤及びその他副原料をディゾルバー等で充分に撹拌混合する。その後着色剤等を分散及び発色させる為に各種公知の分散機(例えばビーズミル・ピンミル等)で適宜分散して作成すればよい。
インク層2の塗装方法に関しては特に制限はなく、各種公知の塗装方法、例えばバーコーティング、スプレーコーティング、スリットリバースコーティング、ダイレクトグラビアコーティング、リバースグラビアコーティング、オフセットグラビアコーティング等の方法を適宜選択して基材に塗装し、乾燥機によって有機溶剤を揮発乾燥すればよい。
本発明では、インク層2の上に被印字体との密着性を向上させるために、フェノール樹脂及びポリアミド系樹脂を共に含有する接着層1を設ける。
フェノール樹脂の種類としては、大きく別けてレゾール型フェノール樹脂とノボラックフェノール樹脂があるが、本発明に使用するフェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂が特に好ましい。レゾール型フェノール樹脂は熱硬化性樹脂であり、さらに自己硬化する事から各種物性が経時変化する為に取り扱いが難しい。それに対してノボラック型フェノール樹脂は、熱可塑性の樹脂であり、自己硬化しない為に取り扱いが容易である。ノボラック型フェノール樹脂は塗膜硬度が高く、耐湿性、耐熱性、耐擦過性に優れ、さらには凝集力が強い事から各種包装用フィルムに対しての密着性なども優れており本発明に適した樹脂である。
前記フェノール樹脂の軟化点(環球法)は、好ましくは100〜160℃の範囲、さらに好ましくは110〜150℃の範囲から適宜選択する事が望ましい。軟化点(環球法)が100℃未満になると急激に印字物の耐熱性・耐擦過性が低下する。逆に軟化点(環球法)が160℃を超えると印字の際のエネルギーが不足する為、印字かすれや密着強度不足のような問題が発生する。
前記ポリアミド系樹脂の種類は特に限定されないが、例えばωアミノ酸を縮重合反応させたポリアミド樹脂、さらには高級脂肪酸とポリアミンを共縮重合した脂肪酸系縮重合ポリアミド樹脂、ホモナイロンモノマー同士を共重合した共重合ナイロン、及び前述した樹脂の構造を含むエラストマーなどから適宜選択すればよいが、好ましくは加工性の観点から溶剤に溶解し比較的軟化点の低いポリアミド系樹脂を選択する事が望まれる。本発明においては各種包装材フィルムへの密着性、耐湿性、耐熱性、可撓性等が特に優れているダイマー酸ポリアミド樹脂を使用する事が特に好ましい。
前記ポリアミド系樹脂の軟化点(環球法)は、好ましくは100〜160℃の範囲、さらに好ましくは110〜150℃の範囲から適宜選択する事が望ましい。軟化点(環球法)が100℃未満になると急激に印字物の耐熱性・耐擦過性が低下する。逆に軟化点(環球法)が160℃を超えると印字の際のエネルギーが不足する為、印字かすれや密着強度不足のような問題が発生する。
一般的に物と物との接着性を推測する尺度として、溶解度パラメーター(SP値)が用いられる。一般的にはSP値がお互いに近いほど、接着しやすいと考えられているが、樹脂の結晶度や水素結合などの高分子中の構造も接着性に影響を与える。包装用フィルムにはポリエチレンやポリプロピレンなど極性の低いポリオレフィンフィルムとナイロンやPETなど極性の高いフィルムがある。ダイマー酸ポリアミド樹脂は組成中に極性の低い長鎖アルキル基を持っているため、SP値がポリオレフィンフィルムのSP値に近くなり、ポリオレフィンフィルム等への優れた接着性を示す。また同時に極性の高いアミド基を持つことから極性の高いナイロン、PETなどへの接着性にも優れている。他のポリアミド系樹脂はナイロンやPETへの接着性には優れているものの、ダイマー酸ポリアミドよりアルキル基の長さが短い為、SP値が高くなり、ポリオレフィンフィルムなどの接着性に劣る。その他にもダイマー酸ポリアミド樹脂は非晶性である為に可撓性に優れ、耐衝撃性や塗膜強度も強く、耐湿性も非常に良好で、溶剤にも溶解しやすく加工性に優れるなどの優れた特性を有している。
よってこれらの事から、本発明に使用するポリアミド系樹脂としては、ダイマー酸とポリアミンの縮重合からなるダイマー酸ポリアミド樹脂を使用する事が特に好ましい。
前記フェノール樹脂とポリアミド系樹脂の配合比率は重量比で、8:2〜3:7の範囲から適宜選択すればよく、さらに好ましくは7:3〜6:4の範囲から選択する事が望ましい。フェノール樹脂、ポリアミド系樹脂単体では共に包装用フィルムに対しての転写性及び密着性が充分ではないが、2つの樹脂を混合し、さらに上記配合比率を選択する事により各種包装用フィルムへの転写性及び密着性が格段に向上する事を本発明者は発見した。個別の樹脂の傾向としてはフェノール樹脂が多い方が印字のキレ及び耐熱性に優れているが、多すぎると密着性及び転写性及び可撓性が悪化する傾向がある。逆にポリアミド系樹脂が多い方が印字感度及び転写性及び可撓性に優れているが、多すぎると耐熱性及び印字のキレが悪くなる傾向があり、同時に転写性及び密着性も悪化する。
接着層1には必要に応じて、有機物からなる粒子状滑剤を添加してもよい。添加する有機粒子状滑剤は、接着層1の塗料に使用される溶剤に溶解しないような原料を選択する事が必要である。このような有機物の粒子状滑剤の例として、カルナウバワックス、モンタン酸ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、アミド変性ワックス、フッ素変性ワックス、シリコン変性ワックス等のワックス類、及びフッ素樹脂パウダー、シリコン樹脂パウダー、シリコンゴムパウダー等の樹脂・エラストマー類が挙げられるがこれに限定されるわけではない。また前記滑剤は、単体だけの添加でもよく、必要性に応じて複数を混合して使用しても良い。
接着層1に添加した滑剤は、接着層1の内部で均一に分散されて、図3に示すような海島構造を形成する。接着層1は海島構造を持つ事によって印字の際の箔切れ性が良くなり、同時に接着層表面に出た粒子状滑剤はブロッキングの防止にも効果がある。カルナウバワックス及びポリエチレンワックスのような印字の際に溶融し、さらに接着層1のバインダー成分に相溶性のあるワックス類の滑剤を接着層1に添加すると、印字の際に溶融して印字感度を向上させ、濡れ性の向上によって密着強度を向上させる効果がある。フッ素樹脂パウダーやシリコン樹脂パウダーのような印字の際に非溶融で接着層1のバインダー成分に非相溶性である樹脂・エラストマー類の滑剤を接着層1に添加すると、印字物中でも海島構造を維持して印字物の低弾性率化に寄与し、ヒートショックによる応力変化に対しても印字物の塗膜が破壊されにくくなる効果がある。
前記有機粒子状滑剤の形状は特に限定されず不定形でもよいが、球状径がより好ましい。有機粒子状滑剤の平均粒子径は特に限定されないが、好ましくは1〜10μmであり、さらに接着層1の厚みの10倍以下、さらに好ましくは2倍以下から適宜選択される事が望ましい。有機粒子状滑剤の平均粒子径が1μ以下だと箔切れ効果や塗膜の低弾性率化などの効果が充分に出現せず、逆に平均粒子径が10μm以上になると印字の精細性が低下してしまう。さらに平均粒子径が接着層1の厚みの10倍より大きいと、包装用フィルムに対しての転写性や密着性が低下する傾向がある。
前記有機粒子状滑剤の中でワックス類滑剤の融点(DSC法)は特に限定されないが、80〜160℃の範囲、さらに好ましくは100〜150℃の範囲から適宜選択する事が望ましい。添加するワックス類滑剤の融点(DSC法)が80℃未満であると印字物の耐熱性が著しく低下し、160℃を超えると期待される印字感度の向上は望めない可能性がある。
前記有機粒子状滑剤の添加量は、接着層1の全重量比率の1〜30%の範囲、さらに好ましくは5〜20%の範囲で添加する事が望ましい。添加量が1%未満だと添加する滑剤に期待される効果が全く得られず、30%を超えると、包装用フィルムに対する転写性や密着性が低下し、塗膜強度も急激に弱くなってしまう。
接着層1には副原料として各種公知の界面活性剤やフィラーを適宜含有させて、滑剤の分散性、箔切れ性、塗料粘度等の改良及び調整を行っても良い。
接着層1の塗布量は、要求品質に応じて0.1〜1.5g/mより適宜に選択すれば良いが、コスト面や性能安定性の面から0.1〜1.0g/mの範囲から選択する事がより好ましい。接着層1の塗布量が0.1g/m未満であると期待される包装用フィルムへの密着性が不充分になる。逆に接着層1の塗布量が1.5g/mを超えると耐熱性が徐々に弱くなる。
接着層1の塗料は、バインダー成分を各種公知の有機溶剤に溶解した後、ディゾルバーによって有機粒子状滑剤及びその他の副原料を充分に撹拌混合して作成する。なおバインダーを溶解する有機溶剤は有機粒子状滑剤を溶解しないような物を選択する必要がある。
接着層1の塗装方法に関しては特に制限はなく、各種公知の塗装方法、例えばバーコーティング、スプレーコーティング、スリットリバースコーティング、ダイレクトグラビアコーティング、リバースグラビアコーティング、オフセットグラビアコーティング等の方法を適宜選択して基材に塗装し、乾燥機によって有機溶剤を揮発乾燥すればよい。
次に実施例を挙げて本発明について具体的に説明する。
(実施例1基材及び耐熱滑性層)
グラビア塗装機にて、厚み4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の片面にシリコン樹脂を塗布し、乾燥して塗布量0.2g/mの耐熱滑性層を形成した。
(実施例1離型層)
前記の耐熱滑性層を塗布した面のPETフィルムの反対側に下記に示す離型層用塗料1をグラビア塗装機にて塗布し、乾燥して塗布量1.0g/mの離型層を形成した。
(離型層用塗料1)
成分 重量部
・ポリエチレンワックス(融点110℃,密度0.92)の
トルエン分散物(固形分10%) 90.0
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(融点72℃)の
トルエン溶解物(固形分10%) 10.0
上記離型層用塗料1は、ポリエチレンワックスを溶解釜でトルエンに熱溶融させた後、溶液を常温までゆっくり冷却する事によって得られたワックス分散物と、同様に溶解釜でエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)をトルエンに熱溶解後に常温まで冷却した樹脂溶解物をディゾルバーで撹拌混合する事によって作成した。必要に応じてビーズミル等によりワックス分散物を適度な粒径に粉砕してもよい。
(実施例1インク層)
前記離型層の上に下記に示すインク層用塗料1をグラビア塗装機にて塗布し、乾燥して塗布量1.0g/mのインク層を形成した。
(インク層用塗料1)
成分 重量部
・ポリエステル樹脂(軟化点95℃、Tg65℃、Mn16000) 3.8
・スチレン樹脂(軟化点120℃) 3.8
・カーボン 2.0
・ポリエチレンワックス(融点110℃,密度0.92)の
トルエン分散物(固形分10%) 4.0
・トルエン 43.2
・メチルエチルケトン 43.2
上記インク層用塗料1は、ポリエステル樹脂とスチレン樹脂をトルエンおよびメチルエチルケトンの混合溶剤に溶解した後、ポリエチレンワックスのトルエン分散物及びカーボンを添加してディゾルバーで充分に攪拌混合する。最後にビーズミル等の分散機を用いてカーボン等を分散および発色させる。
(実施例1接着層)
前記インク層の上に下記に示す接着層用塗料1をグラビア塗装機にて塗布し、乾燥して塗布量0.5g/mの接着層を形成した。
(接着層用塗料1)
成分 重量部
・ノボラック型フェノール樹脂(軟化点120℃) 8.0
・脂肪酸系縮重合ポリアミド樹脂(軟化点138℃) 2.0
・トルエン 30.0
・イソプロピルアルコール 60.0
上記接着層用塗料1は、各樹脂をトルエンおよびイソプロピルアルコールに溶解し作成する。
実施例2は実施例1の接着層用塗料1を下記の接着層用塗料2に置き換えた以外は全て同じ条件のものである。
(接着層用塗料2)
成分 重量部
・ノボラック型フェノール樹脂(軟化点120℃) 6.0
・脂肪酸系縮重合ポリアミド樹脂(軟化点138℃) 4.0
・トルエン 30.0
・イソプロピルアルコール 60.0
塗料作成方法は、接着層用塗料1と同様である。
実施例3は実施例1の接着層用塗料1を下記の接着層用塗料3に置き換えた以外は全て実施例1と同じ条件のものである。
(接着層用塗料3)
成分 重量部
・ノボラック型フェノール樹脂(軟化点120℃) 3.0
・脂肪酸系縮重合ポリアミド樹脂(軟化点138℃) 7.0
・トルエン 30.0
・イソプロピルアルコール 60.0
塗料作成方法は、接着層用塗料1と同様である。
実施例4は実施例1の接着層用塗料1を下記の接着層用塗料4に置き換えた以外は全て実施例1と同じ条件のものである。
(接着層用塗料4)
成分 重量部
・ノボラック型フェノール樹脂(軟化点120℃) 7.2
・脂肪酸系縮重合ポリアミド樹脂(軟化点138℃) 1.8
・ポリエチレンワックスパウダー(融点125℃,粒径7μm) 1.0
・トルエン 30.0
・イソプロピルアルコール 60.0
上記接着層用塗料4は、各樹脂をトルエンおよびイソプロピルアルコールに溶解した後、ポリエチレンワックスを添加してディゾルバーで充分に撹拌混合して作成する。
実施例5は実施例1の接着層用塗料1を下記の接着層用塗料5に置き換えた以外は全て実施例1と同じ条件のものである。
(接着層用塗料5)
成分 重量部
・ノボラック型フェノール樹脂(軟化点120℃) 5.4
・脂肪酸系縮重合ポリアミド樹脂(軟化点138℃) 3.6
・ポリエチレンワックスパウダー(融点125℃,粒径7μm) 1.0
・トルエン 30.0
・イソプロピルアルコール 60.0
塗料作成方法は、接着層用塗料4と同様である。
実施例6は実施例1の接着層用塗料1を下記の接着層用塗料6に置き換えた以外は全て実施例1と同じ条件のものである。
(接着層用塗料6)
成分 重量部
・ノボラック型フェノール樹脂(軟化点120℃) 2.7
・脂肪酸系縮重合ポリアミド樹脂(軟化点138℃) 6.3
・ポリエチレンワックスパウダー(融点125℃,粒径7μm) 1.0
・トルエン 30.0
・イソプロピルアルコール 60.0
塗料作成方法は、接着層用塗料4と同様である。
実施例7は実施例1の接着層用塗料1を下記の接着層用塗料7に置き換えた以外は全て実施例1と同じ条件のものである。
(接着層用塗料7)
成分 重量部
・ノボラック型フェノール樹脂(軟化点120℃) 8.0
・ダイマー酸ポリアミド樹脂(軟化点138℃) 2.0
・トルエン 30.0
・イソプロピルアルコール 60.0
上記接着層用塗料1は、各樹脂をトルエンおよびイソプロピルアルコールに溶解し作成する。
実施例8は実施例1の接着層用塗料1を下記の接着層用塗料8に置き換えた以外は全て実施例1と同じ条件のものである。
(接着層用塗料8)
成分 重量部
・ノボラック型フェノール樹脂(軟化点120℃) 6.0
・ダィマー酸ポリアミド樹脂(軟化点138℃) 4.0
・トルエン 30.0
・イソプロピルアルコール 60.0
塗料作成方法は、接着層用塗料1と同様である。
実施例3は実施例1の接着層用塗料1を下記の接着層用塗料9に置き換えた以外は全て実施例1と同じ条件のものである。
(接着層用塗料9)
成分 重量部
・ノボラック型フェノール樹脂(軟化点120℃) 3.0
・ダイマー酸ポリアミド樹脂(軟化点138℃) 7.0
・トルエン 30.0
・イソプロピルアルコー 60.0
塗料作成方法は、接着層用塗料1と同様である。
実施例10は実施例1の接着層用塗料1を下記の接着層用塗料10に置き換えた以外は全て実施例1と同じ条件のものである。
(接着層用塗料10)
成分 重量部
・ノボラック型フェノール樹脂(軟化点120℃) 7.2
・ダイマー酸ポリアミド樹脂(軟化点138℃) 1.8
・ポリエチレンワックスパウダー(融点125℃,粒径7μm) 1.0
・トルエン 30.0
・イソプロピルアルコール 60.0
上記接着層用塗料10は、各樹脂をトルエンおよびイソプロピルアルコールに溶解した後、ポリエチレンワックスを添加してディゾルバーで充分に撹拌混合して作成する。
実施例11は実施例11の接着層用塗料1を下記の接着層用塗料11に置き換えた以外は全て実施例1と同じ条件のものである。
(接着層用塗料11)
成分 重量部
・ノボラック型フェノール樹脂(軟化点120℃) 5.4
・脂肪酸系縮重合ポリアミド樹脂(軟化点138℃) 3.6
・ポリエチレンワックスパウダー(融点125℃,粒径7μm) 1.0
・トルエン 30.0
・イソプロピルアルコール 60.0
塗料作成方法は、接着層用塗料4と同様である。
実施例12は実施例1の接着層用塗料1を下記の接着層用塗料12に置き換えた以外は全て実施例1と同じ条件のものである。
(接着層用塗料12)
成分 重量部
・ノボラック型フェノール樹脂(軟化点120℃) 2.7
・脂肪酸系縮重合ポリアミド樹脂(軟化点138℃) 6.3
・ポリエチレンワックスパウダー(融点125℃,粒径7μm) 1.0
・トルエン 30.0
・イソプロピルアルコール 60.0
塗料作成方法は、接着層用塗料4と同様である。
実施例13は実施例11のインク層用塗料1を下記のインク層用塗料2に置き換えた以外は全て実施例11と同じ条件のものである。
(インク層用塗料2)
成分 重量部
・ポリエステル樹脂(軟化点110℃、Tg16℃、Mn6000) 3.5
・スチレン樹脂(軟化点120℃) 3.5
・カーボン 2.0
・ポリエチレンワックス(融点110℃,密度0.92)の
トルエン分散物(固形分10%) 10.0
・トルエン 40.0
・メチルエチルケトン 41.0
塗料作成方法は、インク層用塗料1と同様である。
<比較例1>
比較例1は実施例1の接着層用塗料1を下記の接着層用塗料13に置き換えた以外は全て実施例1と同じ条件のものである。
(接着層用塗料13)
成分 重量部
・ノボラック型フェノール樹脂(軟化点90℃) 6.0
・ダイマー酸ポリアミド樹脂(軟化点115℃) 4.0
・トルエン 30.0
・イソプロピルアルコール 60.0
塗料作成方法は、接着層用塗料1と同様である。
<比較例2>
比較例2は実施例1の接着層用塗料1を下記の接着層用塗料14に置き換えた以外は全て実施例1と同じ条件のものである。
(接着層用塗料14)
成分 重量部
・ノボラック型フェノール樹脂(軟化点120℃) 10.0
・トルエン 30.0
・イソプロピルアルコール 60.0
塗料作成方法は、接着層用塗料1と同様である。
<比較例3>
比較例3は実施例1の接着層用塗料1を下記の接着層用塗料16に置き換えた以外は全て実施例1と同じ条件のものである。
(接着層用塗料15)
成分 重量部
・ダイマー酸ポリアミド樹脂(軟化点115℃) 10.0
・トルエン 30.0
・イソプロピルアルコール 60.0
塗料作成方法は、接着層用塗料1と同様である。
<比較例4>
比較例4は実施例11のインク層用塗料1を下記のインク層用塗料3に置き換えた以外は全て実施例11と同じ条件のものである。
(インク層用塗料3)
成分 重量部
・ポリエステル樹脂(軟化点95℃、Tg65℃、Mn16000) 3.5
・石油系樹脂(軟化点70℃) 3.5
・カーボン 2.0
・ポリエチレンワックス(融点110℃,密度0.92)の
トルエン分散物(固形分10%) 10.0
・トルエン 40.0
・メチルエチルケトン 41.0
塗料作成方法は、インク層用塗料1と同様である。
<比較例5>
比較例5は実施例1において接着層を塗装しなかった以外は全て実施例1と同じ条件のものである。
<印字条件>
上記実施例及び比較例で得られた熱転写シート用いて下記の条件により包装用フィルムの表面層に対して印字を行った。
プリンタ: SMRATDATE SD3C (マーケム社製)
印字解像度: 300dpi
印字速度: 150mm/sec
印字濃度: 140%
被印字体: ONY/LLDPE
表面未処理2軸延伸ナイロンフィルム(表面層)/直鎖状低密度ポリエチレンワックス(ヒートシール層)
<印字の評価>
上記印字条件において作成した印字サンプルを下記に示す条件で評価した。
◎・・・良好(転写不良が全く見られない)、○・・・可(転写不良が細部に少しある)、△・・・不可(部分的な転写不良及び印字カスレがみられる)、×・・・不良(転写を全くしない)
<密着性の評価>
密着性の評価方法は、一般的にセロピック試験と呼ばれるもので、具体的には巾18mmのセロハンテープを印字サンプルの印字面に空気が入らないようにセロハンテープの背面を自重200gのローラーで押し当ててしっかり密着させてから1時間以上放置する。その後、張り合わせたセロハンテープを剥離角90°、引っ張り力4.9Nで剥離する。剥離が終わったセロハンテープに付着した印字の形跡を元に下記に示す条件で評価した。
◎・・・良好(印字がほぼ取れない)、○・・・可(印字が薄く取れる)、△・・・不可(印字が明らかに取れてしまう)、×・・・不良(印字がほぼ完全に取れてしまう)
<耐擦過性の評価>
耐擦過性の評価は、直径1cmのABS製樹脂球を500gの点荷重で印字面に当てて、毎秒1往復の速度で50回往復した後の印字の状態を元に下記に示す条件で評価した。
◎・・・良好(印字欠けなし・印字変形なし)、○・・・可(印字欠けなし・印字変形小)、△・・・不可(印字欠け小・印字変形大)、×・・・不良(印字欠け大・印字変形大)
<耐熱性の評価>
耐熱性の評価は、印字サンプルの印字面を表側にして包材を袋状に成型し、それに水を充填して封をした物を沸騰させたお湯の中で1時間ボイルした後に、棒に取り付けた綿布によって200gの点荷重で印字部位を10往復擦りつけたあとの印字の状態を元に下記に示す条件で評価した。
◎・・・良好(印字変形なし)、○・・・可(印字変形小)、△・・・不可(印字変形中)、×・・・不良(印字変形大)
<耐ヒートショック性>
耐ヒートショック性の評価は、印字サンプルの印字面を表側にして包材を袋状に成型し、それに水を充填して封をした物を沸騰させたお湯で30分ボイルした後に、該袋状印字サンプルを熱湯からすぐに氷水に入れて10分以上急冷した後に取り出して、印字面を綿布で20回強く擦りながら水分を拭き取る。この工程を2回繰り返した後の印字の状態を元に下記に示す条件で評価した。
◎・・・良好(印字欠けなし、印字濃度低下なし)、○・・・可(印字欠け小、印字濃度低下なし)、△・・・不可(印字欠け中、印字濃度変化小)、×・・・不良(印字欠け大、印字濃度変化大)
実施例及び比較例で得られた熱転写シートを用いて包装用フィルムに印字してサンプルを作成し、前述した評価方法に基づいて、印字、密着性、耐擦過性、耐熱性、耐ヒートシール性について評価を行った結果を下記表1に示す。
Figure 0005984117
表1の結果より、実施例1〜13の熱転写シートを使用した場合は包装用フィルムに対する印字の転写性が良好で、耐熱性、耐擦過性、耐密着性、耐ヒートショック性に関して優れていた。一方、比較例1のように、接着層1にノボラック型フェノール樹脂の軟化点(環球法)が低い物(90℃)を使用すると、耐熱性及び耐ヒートショック性が低下した。また比較例2及び3のように、ノボラック型フェノール樹脂またはポリアミド系樹脂のどちらか単体しか接着層1に使用しない場合は、包装用フィルムに対して印字が転写しなかった。また比較例4のように、インク層2に熱可塑性樹脂の軟化点(環球法)が低い物(70℃)を使用すると、耐熱性及び耐ヒートショック性が低下した。また比較例5のように、接着層1を塗らないと、包材フィルムに対して印字が転写しなかった。
実施例1〜6と実施例7〜12を比較すると、ポリアミド系樹脂をダイマー酸ポリアミドに変えることによって、密着性、耐擦過性、耐ヒートショック性が明らかに向上している事が分かる。また実施例1〜3と実施例4〜6を比較すると、有機の粒子状滑剤を接着層に添加する事により、印字の転写性、密着性、耐擦過性、耐ヒートショック性などが向上する傾向がある事が確認出来た。同様に実施例11のように、インク層2に含まれるポリエステル樹脂のガラス転移点Tg(DSC法)が低く(15℃)なる事によって、耐擦過性、耐熱性及び耐ヒートショック性が低下する傾向がある事が確認できた。
本発明の熱転写シートは、一般的な物流用ラベルに対する印字用途として使用できるだけでなく、多種多様な包装用フィルムに対して印字が出来る上に、各種包装用フィルムに対する密着性、耐熱性、耐擦過性、耐ヒートショック性に優れている事から、各種食品包装材に対する賞味期限表示や内容物表示の印字用途から加熱殺菌処理の必要な工程での食品包装材や耐熱性の必要なレトルト食品の包装材に対する印字用途まで、広範囲に使用できる。
1;接着層
2;インク層
3;離型層
4;耐熱性基材フィルム
5;耐熱滑性層
6;転写層
7;熱転写シート
8;耐熱印字保護層
9;有機の粒子状滑剤(島部分)
10;接着層のバインダー成分(海部分)

Claims (5)

  1. 基材フィルム上に少なくとも離型層、インク層、接着層を有し、その反対側に耐熱滑性層を設けた熱転写シートにおいて、接着層が軟化点(環球法による軟化点 JIS K5601−2−2(1999))100〜160℃の範囲にあるノボラック型フェノール樹脂及びポリアミド系樹脂を含有し、インク層が軟化点(環球法)75〜170℃の範囲にある熱可塑性樹脂を主成分として含有する熱転写シート。
  2. 前記接着層に含まれるノボラック型フェノールとポリアミド系樹脂の配合比率が重量比で8:2〜3:7の範囲である請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記接着層に含まれるポリアミド系樹脂がダイマー酸ポリアミド樹脂である請求項1又は2に記載の熱転写シート。
  4. 前記接着層用塗料に使用している溶剤に対して溶解しない平均粒子径が1〜10μmの範囲の有機物の粒子状滑剤を接着層全体の重量比で1〜30%の範囲で含有する請求項1乃至3に記載の熱転写シート。
  5. 前記インク層に主成分として使用する熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂であり、そのガラス転移点Tg(DSC法)が40〜90℃、数平均分子量Mnが2000〜25000の範囲である請求項1乃至4に記載の熱転写シート。
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