JP4307353B2 - 熱転写記録媒体および熱転写記録方法 - Google Patents
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Description
(1)「基材上に感熱転写層を有する熱転写記録媒体において、該感熱転写層は、分子量4000以上15000以下の飽和ポリエステル樹脂(A)および分子量300以上1000以下の飽和ポリエステル樹脂(B)を含有し、これら飽和ポリエステル(A)及び(B)の前記感熱転写層における組成比が前記飽和ポリエステル樹脂(A)は1重量%以上20重量%以下、前記飽和ポリエステル樹脂(B)は1重量%以上40重量%未満であり、さらに前記感熱転写層にポリオレフィン系ワックスを含有することを特徴とする熱転写記録媒体」;
(2)「前記飽和ポリエステル樹脂(A)は、ガラス転移点が60℃以上100℃以下であることを特徴とする前記(1)に記載の熱転写記録媒体」;
(3)「前記ポリオレフィンワックスが、ポリエチレンワックスまたは酸化ポリエチレンワックスの少なくとも一種類以上であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の熱転写記録媒体」;
(4)「前記感熱転写層と前記基材との間に離型層を有し、該離型層は、溶解度パラメータが9.0cal1/2cm−3/2以下のポリオレフィン系ワックスを含むことを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の熱転写記録媒体」;
(5)「前記ポリオレフィン系ワックスは、融点が100℃以下であることを特徴とする前記(4)に記載の熱転写記録媒体」;
(6)「前記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の熱転写記録媒体から被転写体に画像を転写することを特徴とする熱転写記録方法」。
また本発明により、該熱転写記録媒体を用い、前記優れた転写画像が得られる熱転写記録方法を提供することができる。
該飽和ポリエステル樹脂(A)の分子量が4000未満では、耐薬品性が悪くなり、15000を超えると画像の転写性が悪くなる。また該飽和ポリエステル樹脂(B)の分子量が300未満では細かい文字のつぶれ(熱を加えていないところが脱落する)が起こり、1000を超えると画像の転写性が悪くなる。
該飽和ポリエステル樹脂(A)の含有量が1重量%未満であると画像の耐久性(耐摩擦性・耐薬品性)が大きく劣化し、画像の保存性も悪くなり、20重量%を超えると細かい文字の再現性が悪く、かすれたりすることがある。また飽和ポリエステル樹脂(B)の含有量が1重量%未満であると画像の転写性が悪くなり、40重量%以上であるとリボン保存時にブロッキングが発生したり、細かい文字のつぶれが発生することがある。
該ポリオレフィン系ワックスを含有させることにより、転写画像の表面をなめらかにし、摩擦や薬品に耐久できる効果を付与することができる。
該ポリオレフィン系ワックスとしては、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス等が好ましい。
該ポリオレフィン系ワックスの含有量は、感熱転写層の全固形量に対して1重量%以上20重量%以下が好ましい。20重量%を超えると熱感度が低下することがある。
これらの樹脂は特に耐摩擦性、耐薬品性などで優れた品質を有しているが、従来の熱転写プリンタによって印加される熱量では不足である場合もあり、感度を阻害しない程度の添加が望ましい。
該感熱転写層の厚みは、1.0μm〜5.0μmが好ましく、より好ましくは1.0μm〜2.0μmである。
溶解度パラメータδは、ポリオレフィンの分子凝集エネルギー定数Fを用いてδ=ρΣF/M(ρ:ワックスの密度(gcm−3)、M:ポリオレフィンの平均分子量)の式で簡便に算出できる。なお、上式におけるΣは、ワックスのポリオレフィンが、変性ポリオレフィンのように、複数種のオレフィン構成単位から構成されている場合に、各々のオレフィン構成単位からなるポリオレフィンのFに、ワックスのポリオレフィンの分子における各々のオレフィン構成単位の存在率を乗じて和をとることを意味する。つまり、Fはポリマーの中の原子・官能基に固有の値であり、ワックスのポリオレフィンの分子を構成する各原子・官能基に関してFの和を求めることで、分子のSPを求めることができる。これによって、基材との接着性を低下させ、容易に転写させることができる。
具体的なSP(溶解度パラメータ)が9.0cal1/2cm−3/2以下のポリオレフィン系ワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸変性ポリエチレン、酸変性ポリプロピレンなどが挙げられる。
また、支持体の裏面の一部がサーマルヘッドに熱融着し、これが転写画像を傷つけたり熱転写記録媒体の搬送を困難にしたりする現像(この現像をスティッキングという)も発生するから、これを防止する層(スティック防止層)を設けることができる。
これらの背面層の厚みは、0.01μm〜0.7μmであることが好ましい。
飽和ポリエステル(A1)、(A2)、(A3)
酸成分:イソフタル酸、テレフタル酸及びアジピン酸からなる3成分を含む
グリコール成分:エチレングリコール及びネオペンチレングリコールからな
る2成分を含む
飽和ポリエステル(B1)、(B2)
酸成分:イソフタル酸及びテレフタル酸からなる2成分を含む
グリコール成分:エチレングリコール及びネオペンチレングリコールからな
る2成分を含む
なお、飽和ポリエステル(A1)、(A2)、(A3)、また(B1)、(B2)は、同様のモノマー成分組成で重合度が異なる。
まず、下記組成の離型層形成用塗布液を4.5μm厚のポリエステルフィルム(支持体)上に塗布し、60℃で10秒乾燥して乾燥付着量約0.8g/m2の離型層を設け、その上に下記組成のインク層形成用塗布液を塗布し、70℃で10秒分間乾燥して乾燥付着量約1.5g/m2のインク層を設けた。次に、インク層を設けた側と反対側の支持体面に、シリコーンゴムの1%トルエン溶液を乾燥付着量0.02g/m2になるように塗布し、80℃で10秒間乾燥して背面層を設け、本発明の熱転写記録媒体を作製した。
ポリエチレンワックス
(溶融開始温度55℃、融点105℃、溶解度パラメータ7.9) 9部
エチレン−酢酸ビニル共重合体 1部
トルエン 90部
カーボンブラック 5部
飽和ポリエステル樹脂(A1)
(分子量8000、ガラス転移点45℃) 3部
飽和ポリエステル樹脂(B1)
(分子量950、ガラス転移点36℃) 6部
ポリエチレンワックス(融点105℃) 6部
メチルエチルケトン(MEK) 80部
実施例1と同様に離型層、背面層を形成し、該離型層の上に下記組成のインク層形成用塗布液を塗布し、70℃で10秒分間乾燥して乾燥付着量約1.5g/m2のインク層を設け、本発明の熱転写記録媒体を作成した。
カーボンブラック 5部
飽和ポリエステル樹脂(A2)
(分子量8000、ガラス転移点60℃) 3部
飽和ポリエステル樹脂(B1)
(分子量950、ガラス転移点36℃) 6部
ポリエチレンワックス(融点105℃) 6部
メチルエチルケトン(MEK) 80部
実施例1と同様に支持体裏面に背面層を形成し、支持体表面上に下記組成の離型層形成用塗布液を塗布し、60℃で10秒乾燥して乾燥付着量約0.8g/m2の離型層を設けその上に下記組成のインク層形成用塗布液を塗布し、70℃で10秒分間乾燥して乾燥付着量約1.5g/m2のインク層を設け、本発明の熱転写記録媒体を作製した。
ポリエチレンワックス
(溶融開始温度55℃、融点90℃、溶解度パラメータ7.9) 9部
エチレン−酢酸ビニル共重合体 1部
トルエン 90部
カーボンブラック 5部
飽和ポリエステル樹脂(A2)
(分子量8000、ガラス転移点60℃) 3部
飽和ポリエステル樹脂(B1)
(分子量950、ガラス転移点36℃) 6部
ポリエチレンワックス(融点105℃) 6部
メチルエチルケトン(MEK) 80部
実施例1と同様に、支持体(ポリエステルフィルム)上に離型層を設け、その上に下記組成のインク層形成用塗布液を塗布し、70℃で10秒分間乾燥して乾燥付着量約1.5g/m2のインク層を設けた。背面層は実施例1と同様に設け、比較の熱転写記録媒体を作製した。
カーボンブラック 5部
飽和ポリエステル樹脂(A2)
(分子量8000、ガラス転移点60℃) 15部
メチルエチルケトン(MEK) 80部
実施例1と同様に、支持体(ポリエステルフィルム)上に離型層を設け、その上に下記組成のインク層形成用塗布液を塗布し、70℃で10秒分間乾燥して乾燥付着量約1.5g/m2のインク層を設けた。背面層は実施例1と同様に設け、比較の熱転写記録媒体を作製した。
カーボンブラック 5部
飽和ポリエステル樹脂(A2)
(分子量8000、ガラス転移点60℃) 10部
飽和ポリエステル樹脂(B1)
(分子量950、ガラス転移点36℃) 5部
メチルエチルケトン(MEK) 80部
実施例1と同様に、支持体(ポリエステルフィルム)上に離型層を設け、その上に下記組成のインク層形成用塗布液を塗布し、70℃で10秒分間乾燥して乾燥付着量約1.5g/m2のインク層を設けた。背面層は実施例1と同様に設け、比較の熱転写記録媒体を作製した。
カーボンブラック 5部
飽和ポリエステル樹脂(A2)
(分子量8000、ガラス転移点60℃) 4部
飽和ポリエステル樹脂(B1)
(分子量950、ガラス転移点36℃) 11部
メチルエチルケトン(MEK) 80部
実施例1と同様に、支持体(ポリエステルフィルム)上に離型層を設け、その上に下記組成のインク層形成用塗布液を塗布し、70℃で10秒分間乾燥して乾燥付着量約1.5g/m2のインク層を設けた。背面層は実施例1と同様に設け、比較の熱転写記録媒体を作製した。
カーボンブラック 5部
飽和ポリエステル樹脂(A3)
(分子量18000、ガラス転移点84℃) 3部
飽和ポリエステル樹脂(B1)
(分子量950、ガラス転移点36℃) 6部
ポリエチレンワックス(融点105℃) 6部
メチルエチルケトン(MEK) 80部
実施例1と同様に、支持体(ポリエステルフィルム)上に離型層を設け、その上に下記組成のインク層形成用塗布液を塗布し、70℃で10秒分間乾燥して乾燥付着量約1.5g/m2のインク層を設けた。背面層は実施例1と同様に設け、比較の熱転写記録媒体を作製した。
カーボンブラック 5部
飽和ポリエステル樹脂(A2)
(分子量8000、ガラス転移点60℃) 3部
飽和ポリエステル樹脂(B2)
(分子量2000、ガラス転移点40℃) 6部
ポリエチレンワックス(融点105℃) 6部
メチルエチルケトン(MEK) 80部
熱感度目盛:5ポイント漢字が判読できる最小の印字エネルギーの目安として、DATAMAX社製熱転写プリンタの濃度目盛(最小−30〜最大+30)を測定し、転写性の評価を行なった。
耐薬品性:濃度95%のエチルアルコールを含ませた綿布を加重1000g、面積10cm2の面で画像上を往復して摩擦し、画像が欠けるまでの回数を記した。
Claims (6)
- 基材上に感熱転写層を有する熱転写記録媒体において、該感熱転写層は、分子量4000以上15000以下の飽和ポリエステル樹脂(A)および分子量300以上1000以下の飽和ポリエステル樹脂(B)を含有し、これら飽和ポリエステル(A)及び(B)の前記感熱転写層における組成比が前記飽和ポリエステル樹脂(A)は1重量%以上20重量%以下、前記飽和ポリエステル樹脂(B)は1重量%以上40重量%未満であり、さらに前記感熱転写層にポリオレフィン系ワックスを含有することを特徴とする熱転写記録媒体。
- 前記飽和ポリエステル樹脂(A)は、ガラス転移点が60℃以上100℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体。
- 前記ポリオレフィンワックスが、ポリエチレンワックスまたは酸化ポリエチレンワックスの少なくとも一種類以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写記録媒体。
- 前記感熱転写層と前記基材との間に離型層を有し、該離型層は、溶解度パラメータが9.0cal1/2cm−3/2以下のポリオレフィン系ワックスを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱転写記録媒体。
- 前記ポリオレフィン系ワックスは、融点が100℃以下であることを特徴とする請求項4に記載の熱転写記録媒体。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱転写記録媒体から被転写体に画像を転写することを特徴とする熱転写記録方法。
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JP2004266247A JP4307353B2 (ja) | 2004-09-14 | 2004-09-14 | 熱転写記録媒体および熱転写記録方法 |
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