JP4494928B2 - 熱転写記録媒体、熱転写記録方法及び記録体 - Google Patents

熱転写記録媒体、熱転写記録方法及び記録体 Download PDF

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Description

本発明は、熱転写記録媒体、熱転写記録方法及び記録体に関する。
紙、フィルム、織布等の被転写体として用いて、衣料の取扱表示用ラベルを作製する方法としては、熱転写記録方法が知られている。この方法は、熱転写記録によって被転写体に直接画像を形成させる方法であり、この場合の品質は感熱転写層に含まれる熱可塑性樹脂の定着性に依存している。このような熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、非晶質ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、セルロース樹脂等が知られている。
その中でも、耐洗濯性に優れた熱転写記録媒体としては、支持体上に、銅フタノシアニン顔料及びアゾ系顔料から選ばれる顔料である着色剤、ニトロセルロース並びに溶融粘度低下物質を含有する熱転写インク層を設けた熱転写記録媒体が知られている(特許文献1参照)。また、ガソリンに対する耐性に強い鮮明な熱転写画像を形成することが可能な熱転写記録媒体としては、支持体上に、順にワックスを主成分とする剥離層、着色剤とニトロセルロースを主成分とするインク層を積層してなる転写層を有し、転写層の70℃での剥離強度が40g/cm未満である熱転写記録媒体が知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、耐洗濯性及び耐アルコール性に優れる画像を形成することが可能な熱転写記録媒体は、得られていない。
特開2000−177254号公報 特開平11−99752号公報
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、被転写体に耐洗濯性及び耐アルコール性に優れる画像を形成することが可能な熱転写記録媒体、該熱転写記録媒体を用いる熱転写記録方法及び該熱転写記録方法を用いて画像が転写されている記録体を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、基材上に感熱転写層を有する熱転写記録媒体において、前記感熱転写層は、着色剤及び4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールを含有するモノマーの重合体を含有することを特徴とする。本願の請求の範囲及び明細書においては、重合体は、未反応のモノマーを含有していてもよい。
請求項1に記載の発明によれば、前記感熱転写層は、着色剤及び4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールを含有するモノマーの重合体を含有するので、被転写体に耐洗濯性及び耐アルコール性に優れる画像を形成することが可能な熱転写記録媒体を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱転写記録媒体において、前記重合体は、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノール、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの2量体及び4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの3量体からなる群より選択される一種以上の化合物並びに4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの4量体、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの5量体、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの6量体及び4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの7量体からなる群より選択される一種以上の化合物からなり、前記重合体の重量に対する4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノール、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの2量体及び4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの3量体の総重量の比は、70%以上80%以下であることを特徴とする。本願の請求の範囲及び明細書においては、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールのn量体とは、構造式
Figure 0004494928
で示される化合物を意味する。ここで、nは2以上の整数である。
請求項2に記載の発明によれば、前記重合体は、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノール、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの2量体及び4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの3量体からなる群より選択される一種以上の化合物並びに4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの4量体、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの5量体、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの6量体及び4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの7量体からなる群より選択される一種以上の化合物からなり、前記重合体の重量に対する4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノール、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの2量体及び4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの3量体の総重量の比は、70%以上80%以下であるので、耐アルコール性に優れ、鮮明な転写画像を得ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の熱転写記録媒体において、前記感熱転写層は、前記重合体と異なる樹脂をさらに含有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、前記感熱転写層は、前記重合体と異なる樹脂をさらに含有するので、耐洗濯性にさらに優れる転写画像を得ることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の熱転写記録媒体において、前記重合体と異なる樹脂は、メタクリル酸グリシジルを含有するオレフィンを重合させた樹脂を含有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、前記重合体と異なる樹脂は、メタクリル酸グリシジルを含有するオレフィンを重合させた樹脂を含有するので、耐洗濯性にさらに優れる転写画像を得ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の熱転写記録媒体において、前記オレフィンは、アクリロニトリル及びメタクリル酸アルキルをさらに含有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、前記オレフィンは、アクリロニトリル及びメタクリル酸アルキルをさらに含有するので、耐洗濯性にさらに優れる転写画像を得ることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の熱転写記録媒体において、前記メタクリル酸アルキルは、一般式
CH=C(CH)−COOC2m+1
で示される化合物であり、
mは、1以上4以下の整数であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、前記メタクリル酸アルキルは、一般式
CH=C(CH)−COOC2m+1
で示される化合物であり、
mは、1以上4以下の整数であるので、耐洗濯性にさらに優れる転写画像を得ることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の熱転写記録媒体において、前記感熱転写層及び基材の間に、ワックスを含有する離型層をさらに有することを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、前記感熱転写層及び基材の間に、ワックスを含有する離型層をさらに有するので、被転写体との貼りつきを低減させることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の熱転写記録媒体において、前記ワックスは、溶解度パラメーターが9.0cal1/2cm−3/2以下であるポリオレフィン系ワックスを含有することを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、前記ワックスは、溶解度パラメーターが9.0cal1/2cm−3/2以下であるポリオレフィン系ワックスを含有するので、被転写体との貼りつきをさらに低減させることができる。
請求項9に記載の発明は、熱転写記録方法において、請求項1乃至8に記載の熱転写記録媒体を用いて被転写体に画像を転写することを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、請求項1乃至8に記載の熱転写記録媒体を用いて被転写体に画像を転写するので、被転写体に耐洗濯性及び耐アルコール性に優れる画像を形成することが可能な熱転写記録方法を提供することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の熱転写記録方法において、前記被転写体は、ポリエステル樹脂、ナイロン、アセテート樹脂及び綿からなる群より選択される樹脂を含有する布、紙又はフィルムであることを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、前記被転写体は、ポリエステル樹脂、ナイロン、アセテート樹脂及び綿からなる群より選択される樹脂を含有する布、紙又はフィルムであるので、被転写体に耐洗濯性及び耐アルコール性に優れる画像を形成することができる。
請求項11に記載の発明は、記録体において、請求項9又は10に記載の熱転写記録方法を用いて画像が転写されていることを特徴とする。
請求項11に記載の発明によれば、請求項9又は10に記載の熱転写記録方法を用いて画像が転写されているので、被転写体に耐洗濯性及び耐アルコール性に優れる画像が形成されている記録体を提供することができる。
本発明によれば、被転写体に耐洗濯性及び耐アルコール性に優れる画像を形成することが可能な熱転写記録媒体、該熱転写記録媒体を用いる熱転写記録方法及び該熱転写記録方法を用いて画像が転写されている記録体を提供することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の熱転写記録媒体は、基材上に感熱転写層を有し、感熱転写層は、着色剤及び構造式
Figure 0004494928
で示される4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールを含有するモノマーの重合体を含有する。このため、被転写体に耐洗濯性及び耐アルコール性に優れる画像を形成することができる。なお、重合体は、未反応のモノマーを含有していてもよい。基材としては、厚さが3μm以上10μm以下程度であるプラスチックフィルムを用いるのが一般的であり、プラスチックフィルムの材料としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリスルホン樹脂等が挙げられる。着色剤としては、カーボンブラック、アゾ系染顔料等の無機顔料、有機染顔料等が挙げられるが、カーボンブラックが好ましい。
本発明で用いられる重合体は、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノール、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの2量体及び4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの3量体からなる群より選択される一種以上の化合物並びに4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの4量体、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの5量体、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの6量体及び4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの7量体からなる群より選択される一種以上の化合物からなり、重合体の重量に対する4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノール、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの2量体及び4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの3量体の総重量の比は、70%以上80%以下であることが好ましい。これにより、重合体の融点は、90℃以上120℃以下となり、サーマルヘッドからの余熱で感熱転写層を熱溶融させることができる。また、溶融粘度も低いため、被転写体への転写が効率的であり、鮮明な転写画像が得られる。さらに、フェノール系及びエステル系化合物のような熱可塑性物質とは異なり、アルコール系、芳香族系、ケトン系等の有機溶剤への溶解性が低いため、耐アルコール性に優れる転写画像を得ることができる。なお、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールのn量体は、構造式
Figure 0004494928
で示される化合物である。ここで、nは、2以上の整数である。なお、この化合物は、重縮合により得られ、4,4’−スルホンジフェノールを脱離する。また、この化合物の組成はIR分析により同定される。
本発明に用いられる感熱転写層は、重合体と異なる樹脂をさらに含有することが好ましい。このような樹脂としては、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、塩化ビニル系、セルロース系、石油系、スチレン系、ブチラール系、フェノール系等の樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン及びアクリルモノマーの共重合体等が挙げられるが、メタクリル酸グリシジルを含有するオレフィンを重合させた樹脂を含有することが好ましい。このとき、オレフィンは、アクリロニトリル及びメタクリル酸アルキルをさらに含有することが好ましい。また、メタクリル酸アルキルは、一般式
CH=C(CH)−COOC2m+1
で示される化合物であり、mは、1以上4以下の整数であることが好ましい。これにより、耐洗濯性にさらに優れる転写画像を得ることができる。
本発明の熱転写記録媒体は、サーマルヘッドにより熱が印加されると、感熱転写層の溶融粘度が低下する。このため、被転写体が粗面であっても、繊維と繊維の間まで感熱転写層の成分が入り込み、画像パターンを忠実に反映することができる。また、繊維間に入り込んだ感熱転写層の成分が、繊維間の結着力を向上させるため、転写画像の強度を向上させることが可能となる。これらの現象は、熱可塑性樹脂が比較的低い温度でシャープに熱溶融するので、粘度が急激に低下し、効率良く繊維間に入り込むために可能となると考えられる。
本発明に用いられる感熱転写層は、感度向上、基材からの脱落防止、分散性向上等の目的で、ワックス、界面活性剤等の物質を添加してもよい。
なお、感熱転写層は、原料組成物を適当な溶媒中で、加温しながら分散又は溶解させて作製した塗布液を、基材上に塗布し、乾燥することにより作製することができる。
本発明においては、感熱転写層及び基材の間に、ワックスを含有する離型層をさらに有することが好ましい。これにより、熱転写する際の基材と感熱転写層の間の剥離性を向上させることができる。なお、離型層は、サーマルヘッドで加熱されると、熱溶融して低粘度液体となり、加熱部分と非加熱部分の界面近傍で層が切れ易いように構成されている。さらに、離型層は、画像を転写した後、感熱転写層をバリアする効果があり、転写画像がスミアや洗濯時等の物理的衝撃に対して強くなるという効果がある。ワックスとしては、40℃以上100℃以下の融点を有するパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化パラフィンワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、セレシンワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、カスターワックス、牛脂硬化油、ラノリン、木ロウ、ソルビタンステアレート、ソルビタンパルミテート、ステアリルアルコール、ポリアミドワックス、オレイルアミド、ステアリルアミド、ヒドロキシステアリン酸、合成エステルワックス、合成合金ワックス等のろう状物質が挙げられるが、溶解度パラメーターが9.0cal1/2cm−3/2以下であるポリオレフィン系ワックスを含有することが好ましい。これにより、感熱転写層との層分離性が向上し、貼りつきが起こりにくくなる。なお、貼りつきとは、熱転写時に感熱転写層成分が基材と接着して、転写後に被転写体と熱転写記録媒体が剥がれなくなる現象のことである。なお、溶解度パラメーターδは、式
δ=ρΣF/M
から簡便に算出できる。ここで、ρは、樹脂の密度、Fは、樹脂の構成単位の分子凝集エネルギー定数、Mは、樹脂の構成単位の分子量であり、Σは、樹脂の構成単位に関する和を意味する。このようなポリオレフィン系ワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸変性ポリエチレン、酸変性ポリプロピレン等が挙げられる。
なお、離型層には、脱落防止、塗工性向上等のために、低粘度化剤となる樹脂を少量添加してもよく、この目的にはエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等が使用される。また、弾力性を持たせて、熱転写記録媒体と被転写体との密着性を向上させるために、離型層にイソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム等のゴム類を添加してもよい。
なお、離型層を作製するために、ポリオレフィン系ワックスを用いる場合は、ワックスを有機溶媒で分散して離型層塗工液を作成し、塗工後の乾燥時にワックスの溶融開始温度より5℃高い温度以上、ワックスの融点より10℃高い温度以下の範囲内の温度で乾燥することが好ましい。これにより、ワックスの低分子量成分が溶融した状態で、ワックスの高分子量成分は溶融せずに粒子状となり、感熱転写層の塗工性に優れた、均一な離型層を形成することができる。ワックスの融点より10℃以上高い温度で乾燥すると、ワックスの溶融成分が増加し、感熱転写層を均一に塗布できなくなる。なお、離型層の厚さは、可能な限り薄い方が望ましいが、薄すぎるとバリア性が発現できないため、付着量は、通常0.1g/m以上3.0g/m以下であり、0.2g/m以上2.0g/m以下が好ましい。
本発明の熱転写記録媒体は、さらなるバリア性付与のため、離型層及び感熱転写層の間に中間層をさらに有してもよく、中間層には公知の樹脂を使用することができる。ただし、中間層を設ける場合、熱転写記録媒体の厚さが増加するため、感熱転写層に効率的に熱が印加される範囲内であることが望ましい。
また、画像を転写する際は、通常、熱転写記録媒体の基材の背面(感熱転写層が設けられていない側の面)からサーマルヘッド等で画像状に熱を印加するため、基材の背面に、耐熱性を向上させるために耐熱保護層を設けてもよいし、サーマルヘッド等との耐摩擦性を向上させるために滑性保護層を設けてもよい。さらに、基材の一部がサーマルヘッドに熱融着して、画像を傷つけたり、熱転写記録媒体の搬送を困難にしたりするスティッキングを低減するために、基材の背面にスティック防止層を設けてもよい。これらの背面層は、いずれも耐熱性高分子で形成される薄層であり、一層で上記の機能の二種以上を兼ねることもできる。このような背面層を形成するのに好適な樹脂としては、シリコン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコンゴム、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリスルホン樹脂、シリコン含有ポリパラバン酸、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール等が挙げられる。
本発明の熱転写記録方法は、上記の熱転写記録媒体を用いて被転写体に画像を転写する。このため、被転写体に耐洗濯性及び耐アルコール性に優れる画像を形成することが可能な熱転写記録方法を提供することができる。なお、被転写体は、ポリエステル樹脂、ナイロン、アセテート樹脂及び綿からなる群より選択される樹脂を含有する布、紙又はフィルムであることが好ましい。具体的には、ポリエステル糸、アセテート糸、ナイロン糸又は綿からなる織布を使用することができ、例えば、ポリエステルサテン、アセテートサテン、ナイロンタフタ、平織り綿布等の織布が挙げられる。また、上質紙、キャストコート紙等の紙、ポリエステル、ナイロン等のフィルムも使用することができる。さらに、表面を樹脂でコートした布、耐洗紙、不織布等を用いることができ、特にこれらに限定されない。
本発明の記録体は、上記の熱転写記録方法を用いて画像が転写されている。このため、被転写体に耐洗濯性及び耐アルコール性に優れる画像が形成されている記録体を提供することができる。このような記録体は、衣料品に取り付けられているタグ、ケアラベル等の用途に使用することができる。
本実施例中の部数及び%は重量基準であり、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
溶解度パラメーターが7.9cal1/2cm−3/2であるポリエチレンワックス(分子量800、融点85℃)10部及びエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA250(三井・デュポン社製)1部をトルエン89部中で溶解させ、離型層塗布液(1)を作製した。次に、カーボンブラック#44(三井化成社製)3部及び4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールD−90(日本曹達社製)の重合体10部をメチルエチルケトン87部中で分散させ、感熱転写層分散液(1)を作製した。なお、ここで用いた重合体の融点は、117℃であり、重合体の80%は、構造式
Figure 0004494928
で、nがそれぞれ1、2、3である化合物の混合物であり、重合体の20%は、上記構造式で、nがそれぞれ4、5、6、7である化合物の混合物である。さらに、感熱転写層分散液(1)80部をメチルエチルケトン20部で希釈し、感熱転写層塗布液(1)を作製した。
基材として、厚さ4.5μmのポリエステルフィルムを用い、基材上に離型層塗布液(1)を塗布し、75℃で10秒乾燥させ、乾燥付着量約0.8g/mの離型層を設けた。さらに、その上に感熱転写層塗布液(1)を塗布し、90℃で10秒間乾燥させ、乾燥付着量約1.1g/mの感熱転写層を設けた。次に、基材の背面に、シリコンゴムの1%トルエン溶液を乾燥付着量0.02g/mになるように塗布し、50℃で10秒間乾燥して背面層を設け、熱転写記録媒体を作製した。
(実施例2)
感熱転写層分散液(1)80部、固形分50%のアクリロニトリル−メタクリル酸メチル−メタクリル酸グリシジル共重合体R103(旭電化工業社製)のメチルエチルケトン溶液2部及びメチルエチルケトン18部を混合し、感熱転写層塗布液(2)を作製した。
実施例1の感熱転写層塗布液(1)を感熱転写層塗布液(2)に変更した以外は、実施例1と同様に、熱転写記録媒体を作製した。
(実施例3)
感熱転写層分散液(1)80部、固形分50%のR103のメチルエチルケトン溶液16部及びメチルエチルケトン4部を混合し、感熱転写層塗布液(3)を作製した。
実施例1の感熱転写層塗布液(1)を感熱転写層塗布液(3)に変更し、感熱転写層の乾燥付着量を約1.3g/mに変更した以外は、実施例1と同様に、熱転写記録媒体を作製した。
(実施例4)
感熱転写層分散液(1)80部、ガラス転移温度が40℃で数平均分子量が8000のポリエステル樹脂UE3300(ユニチカ社製)4部及びメチルエチルケトン16部を混合し、感熱転写層塗布液(4)を作製した。
実施例1の感熱転写層塗布液(1)を感熱転写層塗布液(4)に変更し、感熱転写層の乾燥付着量を約1.3g/mに変更した以外は、実施例1と同様に、熱転写記録媒体を作製した。
(比較例1)
カーボンブラック#44 3部及びカルナバワックス10部をメチルエチルケトン87部中で分散させ、感熱転写層分散液(2)を作製した。次に、感熱転写層分散液(2)80部をメチルエチルケトン20部で希釈し、感熱転写層塗布液(5)を作製した。
実施例1の感熱転写層塗布液(1)を感熱転写層塗布液(5)に変更した以外は、実施例1と同様に、熱転写記録媒体を作製した。
(比較例2)
カーボンブラック#44 3部及び2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールA)10部をメチルエチルケトン87部中で分散させ、感熱転写層分散液(3)を作製した。次に、感熱転写層分散液(3)80部、固形分50%のR103のメチルエチルケトン溶液16部及びメチルエチルケトン4部を混合し、感熱転写層塗布液(6)を作製した。
実施例1の感熱転写層塗布液(1)を感熱転写層塗布液(6)に変更した以外は、実施例1と同様に、熱転写記録媒体を作製した。
(比較例3)
カーボンブラック#44 3部及び固形分50%のR103のメチルエチルケトン溶液20部をメチルエチルケトン77部中で分散させ、感熱転写層塗布液(7)を作製した。次に、感熱転写層分散液(7)80部をメチルエチルケトン20部で希釈し、感熱転写層塗布液(7)を作製した。
感熱転写層塗布液(1)を感熱転写層塗布液(7)に変更した以外は、実施例1と同様に、熱転写記録媒体を作製した。
(評価方法及び結果)
実施例1乃至4及び比較例1乃至3で作製した熱転写記録媒体を用い、ライン型薄膜サーマルヘッドを有するサーマルプリンターI−4308(DATAMAX社製)で印字速度101.6mm/秒、ドット密度12本/mmの条件で、被転写体のキャストコート紙ミラーコート(王子製紙社製)、白色ポリエステルフィルムFR1415(リンテック社製)、ナイロンタフタ布CP1104(ダイニック社製)に、コード39のバーコード及び7ポイント以上9ポイント以下の文字の印字を行った。
このようにして印字されたバーコード及び文字の耐洗濯性、耐アルコール性、耐ガソリン性及び耐スクラッチ性の評価を行った。
耐洗濯性は、印字された7ポイントのゴシック漢字・英数字と10mm×10mmのベタ印字に、JIS L−0844 A−5に規定されている方法を3回行うことにより評価した。なお、画像が全く脱落しないものを◎、画像がやや脱落するものの文字が判読できるものを○、画像が脱落し、文字が判読できないものを△、画像が完全に脱落するものを×として、判定した。
耐アルコール性は、印字されたバーコード部を、荷重200gf/cmでエタノールを含ませた綿布で擦り、バーコードの脱落する回数で評価した。なお、通常の使用上、問題の無い回数は20回以上である。
耐ガソリン性は、印字されたバーコード部を、荷重200gf/cmでガソリンを含ませた綿布で擦り、バーコードの脱落する回数で評価した。なお、通常の使用上、問題の無い回数は20回以上である。
耐スクラッチ性は、印字されたバーコード部を、荷重900gf/cmで金属エッジを用いて擦り、バーコードが脱落する回数で評価した。なお、通常の使用上、問題の無い回数は500回以上である。
以上の評価結果を表1に示した。ここで、表中の布、紙及びフィルムは、それぞれナイロンタフタ布、キャストコート紙及び白色ポリエステルフィルムを意味する。
Figure 0004494928
表1から、本発明の熱転写記録媒体は、耐洗濯性及び耐アルコール性に優れる画像を形成することがわかる。さらに、本発明の熱転写記録媒体が形成する画像は、耐ガソリン性及び耐スクラッチ性に優れていることもわかる。

Claims (11)

  1. 基材上に感熱転写層を有する熱転写記録媒体において、
    前記感熱転写層は、着色剤及び4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールを含有するモノマーの重合体を含有することを特徴とする熱転写記録媒体。
  2. 前記重合体は、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノール、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの2量体及び4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの3量体からなる群より選択される一種以上の化合物並びに4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの4量体、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの5量体、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの6量体及び4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの7量体からなる群より選択される一種以上の化合物からなり、
    前記重合体の重量に対する4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノール、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの2量体及び4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニルスルホン)]ジフェノールの3量体の総重量の比は、70%以上80%以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体。
  3. 前記感熱転写層は、前記重合体と異なる樹脂をさらに含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写記録媒体。
  4. 前記重合体と異なる樹脂は、メタクリル酸グリシジルを含有するオレフィンを重合させた樹脂を含有することを特徴とする請求項3に記載の熱転写記録媒体。
  5. 前記オレフィンは、アクリロニトリル及びメタクリル酸アルキルをさらに含有することを特徴とする請求項4に記載の熱転写記録媒体。
  6. 前記メタクリル酸アルキルは、一般式
    CH=C(CH)−COOC2m+1
    で示される化合物であり、
    mは、1以上4以下の整数であることを特徴とする請求項5に記載の熱転写記録媒体。
  7. 前記感熱転写層及び基材の間に、ワックスを含有する離型層をさらに有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の熱転写記録媒体。
  8. 前記ワックスは、溶解度パラメーターが9.0cal1/2cm−3/2以下であるポリオレフィン系ワックスであることを特徴とする請求項7に記載の熱転写記録媒体。
  9. 請求項1乃至8に記載の熱転写記録媒体を用いて被転写体に画像を転写することを特徴とする熱転写記録方法。
  10. 前記被転写体は、ポリエステル樹脂、ナイロン、アセテート樹脂及び綿からなる群より選択される樹脂を含有する布、紙又はフィルムであることを特徴とする請求項9に記載の熱転写記録方法。
  11. 請求項9又は10に記載の熱転写記録方法を用いて画像が転写されていることを特徴とする記録体。
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