JP6716842B2 - 熱転写受像シート及び熱転写受像用シート - Google Patents

熱転写受像シート及び熱転写受像用シート Download PDF

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Description

本発明は熱転写受像用シートの受像層上に熱溶融転写方式によってインクを転写させて印字情報を形成した熱転写受像シート及び熱溶融転写方式でインクを転写させて印字情報を形成する為に使用される熱転写受像用シートに関するものであって、特に耐溶剤性・耐油性が非常に優れた熱転写受像シート及び熱転写受像用シートに関するものである。
サーマルプリンタは、取り扱いが簡単でメンテナンス性に優れる為に、主に工場や商店などで幅広く利用されており、熱溶融転写型インクリボンを用いてラベル等の熱転写受像用シートに文字情報やバーコード等を印字した熱転写受像シートなどを作成し、それを製品に貼付するなどして製品の在庫管理や物流管理をする事などに使用されている。
熱溶融転写型インクリボンによって文字情報などが印字されたラベル等の熱転写受像シートは様々な用途で使用されて使用用途が広がるにつれて様々な要求品質が求められるようになるようになった。例えば熱転写受像シートが有機溶剤を含有した塗料の容器に添付される内容物表示の用途で使用される場合には、塗料がこぼれて熱転写受像シートに付着する事などによって熱転写受像シートに設けられた印字情報が容易に消えてしまわない事が必要であり、その他の例として食用油や機械オイル等が飛散しているような環境、医療関係において頻繁にアルコール消毒が行われるような環境において熱転写受像シートが使用された場合においても、熱転写受像シートの受像層に設けられた印字情報が各種油剤や各種溶剤に対しても充分な耐性を持っている事が必要となるようになった。
このような要望に対して、例えば特開平7−144486には、熱転写インク層の樹脂成分としてポリエチレン樹脂の微粒子を用いた熱転写シートを用いる事によって、ラベル等に設けた印字情報がトルエンやMEKなどの強溶剤に耐える事が可能な熱転写受像シートについて記述されている。
しかしながら特開平7−144486には印字情報を設けるラベルなどの被印字体に関する情報の記述は少なく、材質に関してのみ「ポリエチレンシートが最適である」との表記しかない。さらに被印字体として様々な種類のポリエチレンシートの中から無作為に選んで評価を行うと、必ずしも強溶剤に対して耐溶剤性が充分に得られない場合がある事が分かった。
特開平7−144486
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、特定の条件を満たす熱転写受像用シートに対して特定の条件を満たす熱溶融転写型リボンを用いて印字情報を設ける事によって、各種溶剤や各種油剤に対して非常に優れた耐溶剤性と耐油性のある印字情報を有した熱転写受像シートとそれに用いられる熱転写受像用シートを提供する事が主たる課題である。
これらの問題を解決する為に、本発明者は、重量平均分子量が1万〜100万で且つ密度が0.910g/cm以上0.930g/cm未満のポリエチレンを主成分とし、示差熱走査熱量計により測定した融解熱量(JIS K7122)が0.1〜100J/gの範囲である受像層を有する熱転写受像用シートの受像層上に、重量平均分子量が3000〜10万の範囲の高密度ポリエチレンを樹脂成分の主成分としたインクによる印字情報を形成した熱転写受像シートを発明するに至った。この構成であれば、優れた耐溶剤性と耐油性のある印字情報を有する熱転写受像シートを提供する事が可能となる。
さらに受像層に用いられているポリエチレンが直鎖状低密度ポリエチレンである事がより好ましい。この構成であれば受像層上に設けられた印字情報の耐溶剤性や耐油性を一段と向上させる事が可能となる。
さらに受像層がポリエチレンを80〜100質量%の範囲で含有している事が好ましい。この構成であれば受像層上に設けられた印字情報の耐溶剤性や耐油性を一段と向上させる事が可能となる。
さらにインクに用いられている高密度ポリエチレンがインクの樹脂成分中の90〜100質量%の範囲で含有している事が好ましい。この構成であれば受像層上に設けられた印字情報の耐溶剤性や耐油性を一段と向上させる事が可能となる。
さらに印字情報を構成しているインクの融点よりも熱転写受像用シートの受像層の融点が低い事が好ましい。この構成であれば、インクの転写時にインクと受像層の接着が強くなる傾向があり、結果として受像層上に設けられた印字情報の耐溶剤性や耐油性を一段と向上させる事が可能となる。
本発明によれば、優れた耐溶剤性と耐油性のある印字情報を有した熱転写受像シートとそれに用いられる熱転写受像用シートを提供する事が可能となる。
本発明の熱転写受像シートの一例を示す模式的断面図である。 本発明の熱転写受像シートの一例を示す模式的断面図である。 本発明の熱転写受像シートの一例を示す模式的断面図である。
本発明における熱転写受像シートは、基本的に図1に例示されるように受像層1と支持基材層2を積層した構造からなる熱転写受像用シート4の受像層1の上に高密度ポリエチレンを樹脂成分の主成分とするインクによって印字情報3を形成した構成体となっている。
図2は受像層1と支持基材層2の接着性が良くない場合に、受像層1と支持基材層2の間に接着性を向上させる為の接着層6を設けた場合の熱転写受像用シート4を使用した場合の熱転写受像シート5を例示したものである。
図3は図2の熱転写受像用シートに粘着層7をさらに設けた熱転写受像用シート4を使用した場合の熱転写受像シート5を例示したものである。
<熱転写受像用シートについて>
本発明における熱転写受像シートに用いられる熱転写受像用シートは、少なくとも受像層、支持基材層を有した構造をしており、受像層と支持基材層の接着性が不足する場合には接着層を介して受像層と支持基材層を貼り合わせてもよい。本発明における熱転写受像用シートは必要性に応じて支持基材層の受像層を設けてある面の反対側の面に粘着層を設けてラベル状にして使用しても構わないがこれに限定されない。
熱転写受像用シートの製造方法としては、受像層、支持基材層等の原料を溶融して共押出し多層成型法などによって一気にシート状に成型する方法や、支持基材の上に押出しコーティング法やグラビアコーティング法やホットメルトコーティング法等によって受像層等を積層する方法や、各層を単層もしくは2層以上の層をあらかじめ各種方法によってそれぞれフィルム状に作成したものを、押出しラミネート法やドライラミネート法などで接着層を介して貼り合わせる事によって作成する方法などが挙げられるが特にこれらに限定されないが、各種フィルム基材の貼り合わせに適しているだけでなく接着層の耐溶剤性・耐油性の付与にも優れ層間剥離が発生しにくいドライラミネート法を用いる事が好ましい。
熱転写受像用シートの総厚は特に限定されないが50〜200μmの範囲であることが好ましく、さらには70〜150μmの範囲がより好ましい。熱転写受像用シートの総厚が前記範囲の下限未満になると、熱転写受像用シート自体の腰がない為にサーマルプリンタで印字する際などにシワが入りやすく取り扱いづらいだけでなく、熱転写受像用シートを添付した場合などに隠蔽性が足りずに添付した物体の柄や文字などが透けてしまうなどの問題が発生しやすくなる傾向がある。また逆に総厚が前記範囲の上限を超えると、熱転写受像用シート自体の腰が強すぎる事が原因で、印字の際にインクの転写不良などの問題が発生しやすく、さらにラベルに加工した時に湾曲した物体等へ添付する事が困難になるといった問題が発生しやすくなる傾向がある。
<熱転写受像用シートの各構成体>
次に本発明における熱転写受像用シートの各構成体についての詳細説明を下記に示す。
(受像層)
熱転写受像用シートの最外層に設けられた受像層は、熱溶融転写方式によって転写される高密度ポリエチレンを樹脂成分の主成分とするインクの転写性が良好であるだけでなく、インクが転写された後の印字情報が非常に優れた耐溶剤性と耐油性を有していなければならない。発明者が検討した結果、印字情報の耐溶剤性・耐油性がより向上する事などから密度が0.910g/cm以上0.930g/cm未満のポリエチレンを受像層に使用する事が好ましく、さらには直鎖状低密度ポリエチレンを使用する事がより好ましい事が分かった。本発明に使用可能な密度が0.910g/cm以上0.930g/cm未満のポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、酸化ポリエチレン、酸変性ポリエチレンなどがあげられる。受像層に密度が0.910g/cm以上0.930g/cm未満のポリエチレンを使用する理由としては、高密度ポリエチレンに比べて柔軟性に富んでいるのでサーマルプリンタなどでインクを受像層に転写させる際にサーマルヘッドで熱転写シートを受像層に押し付けた時に熱転写シートのインク層と受像層の密着状態がより良好であるだけでなく、さらに低温ヒートシール性においてもより優れている為に、インクを熱溶融転写する時に受像層の一部が同時に融解する事によって、印字情報と受容層の密着性がより向上し、その結果として印字情報の耐溶剤性や耐油性がより向上するものと考えられる。さらに直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は低密度ポリエチレン(LDPE)に比べてさらにヒートシール性が優れている為にさらに耐溶剤性や耐油性に優れたものとなるのではないかと考えられる。
受像層に使用されるポリエチレンの分子量は重量平均分子量が1万〜100万の範囲であることが好ましく、より好ましくは重量平均分子量が5万〜50万の範囲であることが好ましい。ポリエチレンの重量平均分子量が前記範囲であれば、各種加工方法において加工するのが容易であると同時に耐溶剤性および耐油性に優れた受像層を得る事が可能である。前記範囲の下限を下回ると、印字情報だけでなく受像層自体の耐溶剤性・耐油性などの性能が低下していく傾向にあり、前記範囲の上限を超えると溶融粘度が高くなりすぎて加工する事が難しくなる傾向がある。
受像層に使用される主原料であるポリエチレンの添加量は、少なくとも50質量%以上含有されている事が必要であるが、印字情報の耐溶剤性・耐油性がより向上する事などから80質量%以上が好ましく、さらには90〜100質量%である事がより好ましい。受像層を構成する副原料としては、受像層の加工適性などを向上する為の滑剤・分散剤などの各種添加助剤、着色顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の樹脂成分などがあげられるが、基本的に副原料を添加すればするほど受像層の耐溶剤性や耐油性が低下する傾向にあるので、製造上の理由や他の要求品質を満たす為に必要でない限り添加する副原料は極力少量である事が好ましい。特に受像層の造膜成分となりうる他の樹脂成分の添加量に関しては、ポリエチレンの全添加量に対して10質量%以下にしておく事が好ましく、さらには5質量%以下であることがより好ましい。他の樹脂成分は受像層の耐溶剤性や耐油性に大きく影響を与える為にその添加量は必要最低限にする事が望ましい。
受像層に使用するポリエチレンの特性について発明者が検討を行った結果、熱転写受像シートの印字情報に優れた耐溶剤性・耐油性を付与する為には、JIS K7122に基づいて示差走査熱量計により測定した受像層の融解ピーク面積から求めた受像層の融解熱量が0.1〜100J/gの範囲である事が好ましく、さらには0.1〜50J/gの範囲であることがより好ましい事が判明した。具体的な理由については不明であるが、印字情報を形成するインクがサーマルプリンタのヘッドによって加熱されて溶融した状態で受像層に押し付けられて転写される際に、受像層の融解熱量が前記範囲の上限以下であれば受像層の表層が溶融しやすく、溶融状態のインク成分と受像層の表層成分が混じり合った後に再度冷却固化される事によって、インクと受像層が強固な接着をするために非常に優れた耐溶剤性と耐油性が発現しているのではないかと考えられる。なお、受像層の融解熱量の下限値は特に決まりはないが、検出可能な値である0.1J/gを下限値とした。
さらに発明者が検討を重ねた結果、示差熱走査熱量計で測定した印字情報を構成しているインクの融点よりも熱転写受像用シートの受像層の融点が低い事が好ましく、さらに印字情報を構成するインクの融点よりも熱転写受像用シートの受像層の融点が5℃以上低い事が好ましい事が分かった。これは、インク層が受像層に対して熱溶融転写される際に、受像層の一部を融解または軟化させる事によってインクと受像層が強力に接着する事に融点が影響し、その結果として耐溶剤性や耐油性が向上するのではないかと推察できる。なお本発明における融点とは、JIS K7121に基づいて示差熱走査熱量計によって測定した最も大きな融解ピークの頂点の温度である融解ピーク温度の事を指し、本明細書においては融解ピーク温度を融点と表記する。
本発明において、受像層の造膜成分である樹脂成分はほぼポリエチレンである為に、受像層の融点は受像層に添加されているポリエチレンの融点にほぼ等しい。その為に受像層の融点は100〜125℃の範囲が好ましく、さらに印字情報を構成するインクと受像層の密着性や転写性を考慮すると100〜120℃の範囲であることがより好ましい。
受像層の厚みは特に限定されないが、5〜100μmの範囲であればよく、さらには10〜70μmの範囲がより好ましい。前記範囲の下限を下回ると、受像層自体の耐擦過性などの機械的強度が低下するだけでなく、受像層自体の耐溶剤性や耐油性にも乏しくなり、さらにはインクによって印字情報を形成する際のサーマルプリンタのサーマルヘッドの熱によって受像層自体が損傷したりする可能性が出てくる。逆に前記範囲の上限を超えると、サーマルプリンタで印字した際などの熱によって受像層が収縮した時に発生する力によって熱転写受像用シートがカールしやすくなるという問題が発生する。カールの程度は他の層や支持基材層の厚みや材質特性の影響もあるので一概に言えないが、受像層の厚みは耐溶剤性などの必要な性能を損なわない範囲で薄くする事が好ましい。
(支持基材層)
本発明における支持基材層は、受像層や受像層に使用されている樹脂だけでは足りないような性能を補完する為に設けられた層であり、本発明における支持基材層の主な要求品質としては、耐熱性・耐溶剤性・耐油性・熱転写受像用シートの引き裂き強度や剛性の向上・隠蔽性の向上などがあげられる。
例えば熱転写受像用シート全体が受像層に使用するようなポリエチレンを主成分とした1層で形成した場合には、弱い力で引っ張っただけで熱転写受像用シートが延伸してしまうだけでなく、熱転写受像用シート自体の腰が足りない為に例えば熱転写受像用シートをラベル状に加工して製品などに貼り付け作業などをする際に扱いづらいなどの問題が生じる。その他にもサーマルプリンタなどで印字した際に熱収縮が発生しやすい為に印字後の熱転写受像用シートにカールなどの変形が発生しやすいなどの問題や、トルエンなどの強溶剤に長時間浸漬すると僅かに膨潤する為に変形してしまうなどの問題や、熱転写受像用シート隠蔽性を上げる為に酸化チタンなどの添加量を増やし過ぎると、インクと受像層の密着性が悪くなり耐溶剤性などの品質が低下するなどの問題が発生する。このような点から本発明の熱転写受像シートにおいては、受像層とは異なる性能を有した支持基材層を別途設けて積層する事によって、前述したようなポリエチレンを主成分とした一層からなる熱転写受像シートでは不充分となる諸問題を解決する事を目的としている。
本発明の支持基材層の原料は特に限定はされないが、加工適性や耐溶剤性の点から樹脂を主原料にする事が好ましい。例えばポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートなどの汎用プラスチックやポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレートなどのエンジニアプラスチックの中から選ばれる1種類以上の樹脂からなる単層構造でもよいし、多層構造からなってもよい。またポリエチレンも強化材料の添加や支持基材層などを多層構造にすることなどにより、基材強度などの支持基材層としての要求品質が充分に満たされる場合には支持基材層の原料として使用する事には特に制限はない。
支持基材層の厚みは特に限定はされないが、30〜150μmの範囲であればよく、好ましくは50〜100μmの範囲であることがより好ましい。前記範囲の下限付近になると熱転写受像用シートの腰が弱くなりすぎたり、熱転写受像用シート自体の隠蔽性が不足したりする傾向にあり、前記範囲の上限付近になると熱転写受像用シートの腰が強くなりすぎた事が原因で印字の際にインクの転写不良などの問題が発生しやすく、さらにラベルに加工した時に湾曲した物体等へ貼付する事が困難になるといった問題が発生しやすくなる傾向がある。
(接着層)
本発明における熱転写受像用シートは少なくとも受像層、支持基材層からなる事を基本構成としている。受像層が支持基材層との接着性に優れた材質である場合には、共押出し多層成型法や押出しコーティング法やグラビアコーティング法によって直接支持基材層の上に受像層を設ける事が出来るが、受像層の支持基材層に対しての接着が乏しい場合や、受像層と支持基材層を別々にフィルム化してそれをドライラミネート法や押出しラミネート法やホットメルト法等によって貼り合わせる場合には、受像層と支持基材層の間に少なくとも接着性を付与する為の接着層を少なくとも一層以上設ける必要がある。本発明においては、加工時の熱ストレスが少なく、様々なフィルム基材の接着に対応可能で、耐溶剤性や耐油性等の性能付与も容易で、非常に強い接着強度が得られるドライラミネート法を受像層と支持基材との接着に用いる事が好ましいと考える。
接着層に使われる接着剤の種類は様々であり、ドライラミネート法に使用される接着剤としてはエーテル系ポリオールやエステル系ポリオールなどにイソシアネート基を有する各種ポリイソシアネートやイソシアネート基を有する各種ポリウレタンプレポリマーなどを混合して使用するタイプのポリウレタン系接着剤などが一般であり、押出しラミネート法に使用される接着剤としてはポリエチレンを主成分とする樹脂を高温で融解したものを接着剤として使用するのが一般的であり、ホットメルト法に使用される接着剤としてはポリオレフィンとEVA樹脂などを配合したホットメルト接着剤を融解したものを接着剤として使用するのが一般的であるが、特にこれらに限定されない。
(粘着層)
本発明における熱転写受像用シートは、粘着層が必ず必要なわけではなく、必要に応じてラベルのような使用方法が必要な場合に適宜粘着層を設ければよい。粘着層の種類としては特に限定されず、一般的なアクリル系粘着剤やシリコン系粘着剤やウレタン系粘着剤など各種粘着剤を適宜要求品質に応じて使用すればよい。
<熱転写溶融型インクリボンについて>
本発明における熱転写受像シートは、基本的には熱転写受像用シートの受像層の上にサーマルプリンタ等を用いて熱転写溶融型インクリボンのインク層を転写させてバーコードや文字情報などの印字情報を形成する事を想定している。本発明において熱転写受像用シートの受像層上に形成された印字情報を構成するインクの樹脂成分の主成分は高密度ポリエチレン(HDPE)である事を特徴としている。
本発明に使用する熱転写受像シートの構成体としては、耐熱性を有した樹脂製の基材フィルム上に少なくともインク層を設けた構造であれば特に限定されない。必要に応じて基材フィルムの耐熱性の向上とサーマルプリンタのサーマルヘッドなどとの滑りを良くする為に基材フィルムのインク層が設けられている面と反対側の面に耐熱滑性層を設けても構わない。さらにはインクの被印字媒体への転写性やインクの切れ性を向上させる為に転写制御層を設けても良い。耐熱滑性層や転写制御層などに使用する原料や付着量については特に限定されず、使用条件や要求品質に応じて適宜検討して設計すればよい。
本発明に使用する熱転写受像シートのインク層については、樹脂成分の主成分が高密度ポリエチレンである事を特徴としている。主原料である樹脂成分の高密度ポリエチレンと着色成分の着色顔料以外の副原料としては、分散剤、無機フィラー、その他の樹脂成分が上げられるが、基本的に副原料の添加量が多ければ多いほど、耐溶剤性や耐油性が低下するので副原料の添加は必要最低限に抑える必要がある。特に副原料のその他の樹脂成分は耐溶剤性や耐油性などに大きな影響を与えるので基本的には耐溶剤性や耐油性に優れた樹脂成分であるポリオレフィン系樹脂などを使用する事が望ましく、その添加量も層膜成分の主原料である高密度ポリエチレンの全添加量の10質量%以下にしておく事が好ましく、さらには5質量%以下であることがより好ましい。
インク層に使用される高密度ポリエチレンの重量平均分子量は3000〜10万の範囲であることが好ましく、さらには5000〜5万の範囲であることがより好ましい。ポリエチレンの重量平均分子量が前記範囲内であれば、熱転写受像用シートに転写した印字画像の耐溶剤性や耐油性に優れていて、転写性および箔切性の良好なインク層を得る事が可能である。インク層に使用される高密度ポリエチレンの重量平均分子量が小さくなると耐溶剤性や耐油性に乏しくなる傾向にあり、その反対に重量平均分子量が大きくなっていくと、インク層の箔切れ性や転写性が悪くなる傾向にある。
インク層の樹脂成分の主成分として使用される高密度ポリエチレンの密度は特に限定はされないが、0.950以上であることがより好ましく、さらには0.960以上0.985以下であることがより好ましい。一般的にポリエチレンの密度が高くなるにつれて結晶化度も高くなる為に、耐溶剤性は向上する傾向がある。インク層に密度が0.942未満の中密度ポリエチレン(MDPE)や低密度ポリエチレン(LDPE)等を使用すると、耐溶剤性及び耐油性が低下する傾向にある。
本来耐溶剤性を強化する為には結晶化度が高く耐溶剤性にも優れた高密度ポリエチレンでインク層も受像層も構成されている事が望ましいが、サーマルプリンタのヘッドではインク層を融解するのに充分な温度や微弱な熱量しか発生出来ない為、受像層まで高密度ポリエチレンにしてしまうと受像層が融解または軟化するだけの温度や熱量が得られず転写されたインクと受像層が充分に接着する事が出来ない。その結果としてインクと受像層の界面から溶剤や油剤などが侵入してインク層が剥離してしまう為に耐溶剤性や耐油性に乏しくなると考えられる。
インク層の樹脂成分の主成分として使用される高密度ポリエチレンの融点は特に限定はされないが、120〜135℃の範囲である事が好ましい。基本的には熱転写受像用シートの受像層の主成分として使用されているポリエチレンよりも融点が高いほうが耐溶剤性や耐油性の性能が向上する事が分かっている。
インク層の付着量については特に限定はされないが、インク層の塗布乾燥後の付着量が1.5〜6.0g/mの範囲であることが好ましく、さらには2.0〜5.0g/mの範囲であることがより好ましい。インク層の付着量が前記範囲内であれば、熱転写受像用シートの受像層上に設けられた印字情報の耐溶剤性・耐油性に優れ、インク層の箔切れ性・転写性に優れた熱溶融転写型インクリボンを得る事が出来る。
インク層の塗料に使用されるポリエチレンは常温では溶剤や水に溶解しない為、熱したトルエンなどの溶媒で溶解したものを徐冷する事によって作成した微粒子溶剤分散物を使用する事が好ましい。微粒子分散物を使用する事によって、印字の際の箔切れ性が良好となる。塗料の作成方法の概要としては特に限定はされないが、容器にポリエチレンの微粒子溶剤分散物やカーボンなどの着色顔料や分散剤や各種フィラーなどを必要性に応じて適宜必要な分量を計量して投入し、それらを撹拌混合した後にビーズミルなどによって分散して塗料を作成する。
<熱転写受像シートについて>
本発明における熱転写受像シートは基本的に前述した熱転写受像用シートの受像層上にサーマルプリンタなどの熱溶融転写方式を使って、前述した熱溶融転写型インクリボンのインク層を転写して印字情報を設けて使用する事を特徴としている。受像層の原料成分を限定した熱転写受像用シートの受像層の上に原料成分を限定したインクによって印字情報を設ける事によって、印字情報の各種溶剤や油剤に対しての耐溶剤性・耐油性が非常に優れる熱転写受像シートを供給する事が可能となった。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<熱溶融転写型インクリボン1>
実施例に使用する熱溶融転写型インクリボン1の作成方法について下記に詳細を説明する。
(基材フィルム)
熱溶融転写型インクリボン1の基材フィルムとして、厚み4.5μmで一方の面に耐熱滑性層があらかじめ設けられているポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を用いる事とした。このフィルム基材上に下記に示す転写制御層、インク層を順次設けて熱溶融転写型インクリボン1を作成した。
(転写制御層)
前記PETフィルムの耐熱滑性層が設けられてない方の面に下記に示す転写制御層用塗料1をグラビア塗装機にて塗布し、乾燥して付着量が0.5g/mの転写制御層を形成した。
(転写制御層用塗料1)
原料成分 質量%
・低密度ポリエチレン(融点105℃) 10.5
・EVA樹脂(融点72℃) 4.5
・トルエン 75.0
・MEK 10.0
上記配合において、熱した溶媒にバインダー成分を投入して溶融した後に、撹拌しながら徐冷して常温まで冷却したものをビーズミル等によって分散して転写制御層用塗料を作成した。
(インク層)
転写制御層の上に下記に示すインク層用塗料1をグラビア塗装機によって塗布し、乾燥して付着量が3.0g/mのインク層を形成した。
(インク層用塗料1)
原料成分 質量%
・高密度ポリエチレン(融点127℃、密度0.970cm、Mw10000)
・・・ 10.0
・カーボン ・・・ 4.5
・分散剤 ・・・ 0.5
・トルエン ・・・ 85.0
上記配合において、熱した溶媒にポリエチレンを投入して溶解した後に、撹拌しながら徐冷して常温まで冷却してポリエチレンを微粒子分散させた分散体にカーボンと分散剤を加えて撹拌混合した後にビーズミル等によって分散してインク層用塗料を作成した。
<実施例1>
下記に示す支持基材層1上に、受像層1をTダイ押出しコーティング法によって積層して実施例1に使用する熱転写受像用シート1を作成した。
熱転写受像用シート1を構成する支持基材層1、受像層1の詳細について下記に示す。
(支持基材層1):厚み70μm 白色PETフィルム
(受像層1):厚み30μm PE塗膜(融点120℃、融解熱量10.0J/g)
原料成分 質量%
・直鎖状低密度ポリエチレン(融点120℃、密度0.923cm、Mw25万)
・・・ 95.0
・添加剤 ・・・ 5.0
上記のように作成した熱転写受像用シート1の受像層1の上に、熱溶融転写型インクリボン1を使用して下記の印字条件1で印字を行い、印字情報を設ける事によって、実施例1の熱転写受像シート1を作成した。
(印字条件1)
プリンタ:ゼブラ140XiII
印字速度:4inch/秒
印字濃度:25/30
<実施例2>
下記に示すPEフィルムを受像層2とし、受像層2と支持基材層1の間をドライラミネート法によって接着して実施例2に使用する熱転写受像用シート2を作成した。
熱転写受像用シート2を構成する接着層1、受像層2の詳細について下記に示す。
(接着層1):厚み 5μm
・ポリウレタン系接着剤
(受像層2):厚み30μm PEフィルム(融点118℃、融解熱量11.0J/g)
原料成分 質量%
・直鎖状低密度ポリエチレン(融点118℃、密度0.926cm、Mw24万)
・・・ 95.0
・添加剤 ・・・ 5.0
上記のように作成した熱転写受像用シート2の受像層2の上に、熱溶融転写型インクリボン1を使用して実施例1と同じ印字条件で印字を行い、印字情報を設ける事によって、実施例2の熱転写受像シート2を作成した。
<実施例3>
実施例2の熱転写受像用シート2のうち受像層に関して原料成分を下記に示す受像層3とした以外は実施例2の熱転写受像用シートと同じ構成体である実施例3に使用する熱転写受像用シート3を作成した。
熱転写受像用シート3に使用される受像層3の詳細について下記に示す。
(受像層3):厚み30μm 白色PEフィルム(融点118℃、融解熱量9.0J/g)
原料成分 質量%
・直鎖状低密度ポリエチレン(融点118℃、密度0.926cm、Mw24万)
・・・ 60.0
・酸化チタン ・・・ 35.0
・添加剤 ・・・ 5.0
上記のように作成した熱転写受像用シート3の受像層3の上に、熱溶融転写型インクリボン1を使用して実施例1と同じ印字条件で印字を行い、印字情報を設ける事によって、実施例3の熱転写受像シート3を作成した。
<実施例4>
実施例2の熱転写受像用シート2のうち受像層に関して原料成分を下記に示す受像層4とした以外は実施例2の熱転写受像用シートと同じ構成体である実施例4に使用する熱転写受像用シート4を作成した。
熱転写受像用シート4に使用される受像層4の詳細について下記に示す。
(受像層4):厚み30μm PEフィルム(融点123℃、融解熱量75.0J/g)
原料成分 質量%
・直鎖状低密度ポリエチレン(融点123℃、密度0.925cm、Mw28万)
・・・ 95.0
・添加剤 ・・・ 5.0
上記のように作成した熱転写受像用シート4の受像層4の上に、熱溶融転写型インクリボン1を使用して実施例1と同じ印字条件で印字を行い、印字情報を設ける事によって、実施例4の熱転写受像シート4を作成した。
<実施例5>
実施例2の熱転写受像用シート2のうち受像層に関して原料成分を下記に示す受像層5とした以外は実施例2の熱転写受像用シートと同じ構成体である実施例5に使用する熱転写受像用シート5を作成した。
熱転写受像用シート5に使用される受像層5の詳細について下記に示す。
(受像層5):厚み30μm PEフィルム(融点110℃、融解熱量60.0J/g)
原料成分 質量%
・低密度ポリエチレン(融点110℃、密度0.922cm、Mw18万)
・・・ 95.0
・添加剤 ・・・ 5.0
上記のように作成した熱転写受像用シート5の受像層5の上に、熱溶融転写型インクリボン1を使用して実施例1と同じ印字条件で印字を行い、印字情報を設ける事によって、実施例5の熱転写受像シート5を作成した。
<実施例6>
実施例2で使用した熱転写受像用シート2の受像層2の上に、下記に示す熱溶融転写型インクリボン2を使用して実施例1と同じ条件で印字を行い、印字情報を設ける事によって、実施例6の熱転写受像シート6を作成した。
<熱溶融転写型インクリボン2>
熱溶融転写型インクリボン1と同じフィルム基材と転写制御層の上に下記に示すインク層用塗料2をグラビア塗装機によって塗布し、乾燥後の付着量が3.0g/mとなるようにインク層を形成したものを熱溶融転写型インクリボン2とした。
(インク層用塗料2)
原料成分 質量%
・高密度ポリエチレン(融点122℃、密度0.960cm、Mw3000)
・・・ 10.0
・カーボン ・・・ 4.5
・分散剤 ・・・ 0.5
・トルエン ・・・ 85.0
上記配合において、熱した溶媒にポリエチレンを投入して溶解した後に、撹拌しながら徐冷して常温まで冷却してポリエチレンを微粒子分散させた分散体にカーボンと分散剤を加えて撹拌混合した後にビーズミル等によって分散してインク層用塗料を作成した。
<実施例7>
実施例2で使用した熱転写受像用シート2の受像層2の上に、下記に示す熱溶融転写型インクリボン3を使用して実施例1と同じ条件で印字を行い、印字情報を設ける事によって、実施例7の熱転写受像シート7を作成した。
<熱溶融転写型インクリボン3>
熱溶融転写型インクリボン1と同じフィルム基材と転写制御層の上に下記に示すインク層用塗料3をグラビア塗装機によって塗布し、乾燥後の付着量が3.0g/mとなるようにインク層を形成したものを熱溶融転写型インクリボン3とした。
(インク層用塗料3)
原料成分 質量%
・高密度ポリエチレン(融点125℃、密度0.980cm、Mw5000)
・・・ 10.0
・カーボン ・・・ 4.5
・分散剤 ・・・ 0.5
・トルエン ・・・ 85.0
上記配合において、熱した溶媒にポリエチレンを投入して溶解した後に、撹拌しながら徐冷して常温まで冷却してポリエチレンを微粒子分散させた分散体にカーボンと分散剤を加えて撹拌混合した後にビーズミル等によって分散してインク層用塗料を作成した。
<比較例1>
実施例2の熱転写受像用シート2のうち受像層に関して原料成分を下記に示す受像層6とした以外は実施例2の熱転写受像用シートと同じ構成体である比較例1に使用する熱転写受像用シート6を作成した。
熱転写受像用シート6おける受像層6の詳細について下記に示す。
(受像層6):厚み30μm PEフィルム(融点129℃、融解熱量170.0J/g)
原料成分 質量%
・高密度ポリエチレン(融点129℃、密度0.960g/cm、Mw30万)
・・・ 95.0
・添加剤 ・・・ 5.0
上記のように作成した熱転写受像用シート6の受像層6の上に、熱溶融転写型インクリボン1を使用して実施例1と同じ印字条件で印字を行い、印字情報を設ける事によって、比較例1の熱転写受像シート8を作成した。
<比較例2>
実施例2の熱転写受像用シート2のうち受像層に関して原料成分を下記に示す受像層7とした以外は実施例2の熱転写受像用シートと同じ構成体である比較例2に使用する熱転写受像用シート7を作成した。
熱転写受像用シート7おける受像層7の詳細について下記に示す。
(受像層7):厚み30μm PEフィルム(融点125℃、融解熱量60.0J/g)
原料成分 質量%
・中密度ポリエチレン(融点125℃、密度0.934g/cm、Mw25万)
・・・ 95.0
・添加剤 ・・・ 5.0
上記のように作成した熱転写受像用シート7の受像層7の上に、熱溶融転写型インクリボン1を使用して実施例1と同じ印字条件で印字を行い、印字情報を設ける事によって、比較例2の熱転写受像シート9を作成した。
<比較例3>
下記に詳細を示す、厚み70μmの白色PETフィルムを受像層兼支持基材層とした熱転写受像用シート8とし、その受像層8の上に熱溶融転写型インクリボン1を使用して実施例1と同じ印字条件で印字を行い、印字情報を設ける事によって、比較例3の熱転写受像シート10を作成した。
(受像層8(熱転写受像用シート8)):厚み70μm の白色PETフィルム
成分 質量%
・PET樹脂(融点255℃) ・・・ 60.0
・酸化チタン ・・・ 35.0
・添加剤 ・・・ 5.0
<比較例4>
実施例2で使用した熱転写受像用シート2の受像層2の上に、下記に示す熱溶融転写型インクリボン4を使用して実施例1と同じ条件で印字を行い、印字情報を設ける事によって、比較例4の熱転写受像シート11を作成した。
<熱溶融転写型インクリボン4>
熱溶融転写型インクリボン1と同じフィルム基材と転写制御層の上に下記に示すインク層用塗料2をグラビア塗装機によって塗布し、乾燥後の付着量が3.0g/mとなるようにインク層を形成したものを熱溶融転写型インクリボン4とした。
(インク層用塗料4)
原料成分 質量%
・低密度ポリエチレン(融点113℃、密度0.920cm、Mw7200)
・・・ 10.0
・カーボン ・・・ 4.5
・分散剤 ・・・ 0.5
・トルエン ・・・ 85.0
上記配合において、熱した溶媒にポリエチレンを投入して溶解した後に、撹拌しながら徐冷して常温まで冷却してポリエチレンを微粒子分散させた分散体にカーボンと分散剤を加えて撹拌混合した後にビーズミル等によって分散してインク層用塗料を作成した。
<比較例5>
比較例1で使用した熱転写受像用シート6の受像層6の上に、比較例4で使用した熱溶融転写型インクリボン4を使用して実施例1と同じ条件で印字を行い、印字情報を設ける事によって、比較例5の熱転写受像シート12を作成した。
<熱転写受像シートの評価>
作成した各熱転写受像シートについて下記に示す方法によって各種評価を行った。
<印字情報の耐溶剤性・耐油性の評価1>
熱転写受像シートの受像層に設けられた印字情報の耐溶剤性および耐油性について下記の条件で試験を行い、その結果について下記の評価基準によって印字情報の耐溶剤性・耐油性の評価を行った。
(試験条件)
学振型摩擦試験機によって熱転写受像シートの印字情報が設けられている面を各種溶剤・油剤を含浸させた金巾3号綿布によって荷重1.96Nで100往復擦る。
(試験に使用した溶剤・油剤)
・トルエン、IPA、エンジンオイル
(評価基準)
A・・・目視で見て印字情報の欠けや消失が全く見られない。
B・・・目視で見て印字情報の欠けや消失がわずかに視認できる。
C・・・目視で見て印字情報の欠けや消失がはっきりと視認できる。
D・・・印字情報が完全に消失している。
本発明の実施例及び比較例の熱転写受像シートの各種特性データと各種評価結果について表1に示す。
Figure 0006716842
表1の結果より、実施例1〜5に示すように、重量平均分子量が1万〜100万で且つ密度が0.910g/cm以上0.930g/cm未満のポリエチレンを主成分とし、示差熱走査熱量計により測定した融解熱量が0.1〜100J/gの範囲である受像層を有する熱転写受像用シートの受像層上に、重量平均分子量が3000〜10万の範囲の高密度ポリエチレンを樹脂成分の主成分としたインクによる印字情報を形成することにより、印字情報の耐溶剤性及び耐油性が非常に優れる熱転写受像シートを得る事が出来る事が分かる。
実施例2と実施例3を比較すると、受像層の主成分であるLLDPEの添加量が受像層全体の80〜100質量%の範囲で含有されている方が耐溶剤性や耐油性がより優れている事が分かる。
実施例2と実施例5を比較すると、受像層の主成分がLDPEである時よりも受像層の主成分がLLDPEである時の方が耐溶剤性や耐油性がより優れている事が分かる。
比較例1の熱転写受像シートのように、熱転写受像用シートの受像層の主成分をHDPEにした場合には、トルエンやIPAなどに対する耐溶剤性が乏しくなる事が分かった。
比較例2の熱転写受像シートのように、熱転写受像用シートの受像層の主成分をMDPEにした場合には、トルエンに対する耐溶剤性が乏しくなる事が分かった。
比較例3の熱転写受像シートのように、受像層兼支持基材層として白色PETフィルムを熱転写受像用シートとして用いた場合には、白色PETフィルム自体の耐溶剤性や耐油性は優れているものの、印字情報と熱転写受像用シートの接着性が非常に乏しく、印字情報の耐溶剤性や耐油性が非常に悪化する事が分かった。
比較例4の熱転写受像シートのように、印字情報を構成するインクの樹脂の主成分に低密度ポリエチレンを使用した場合には、トルエンやIPAなどに対する耐溶剤性が悪化する事が分かった。
比較例5の熱転写受像シートのように、印字情報を構成するインクの樹脂の主成分に低密度ポリエチレンを使用し、さらに熱転写受像用シートの受像層の主成分をHDPEにした場合には、耐溶剤性と耐油性が比較例4よりもさらに悪化する事が分かった。
本発明における熱転写受像シートは、各種溶剤や各種油剤などと接触するような環境で使用する品質表示用ラベル・工程管理用ラベル・名版・各種タグの用途に使用することが可能である。
1;受像層
2;支持基材層
3;印字情報
4;熱転写受像用シート
5;熱転写受像シート
6;接着層
7;粘着層

Claims (2)

  1. 重量平均分子量が1万〜100万の範囲で且つ密度が0.910g/cm以上0.930g/cm未満の直鎖状低密度ポリエチレンを受像層全体の80〜100質量%の範囲で含有し、示差熱走査熱量計により測定した融解熱量(JIS K7122)が0.1〜50J/gの範囲である受像層を有する熱転写受像用シートの受像層上に、重量平均分子量が5000〜5万の範囲で且つ密度が0.950g/cm 以上0.985g/cm 以下の高密度ポリエチレンを樹脂成分中の90〜100質量%の範囲で含有しているインクによる印字情報を形成した熱転写受像シート。
  2. 印字情報を構成しているインクの融点よりも熱転写受像用シートの受像層の融点が5℃以上低い請求項に記載の熱転写受像シート。
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