JP5983534B2 - 電池温調システム - Google Patents

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Description

本発明は、電池の温度を冷凍サイクルの冷媒と温度調節用の温調流体とを用いて調節する電池温調システムに関するものである。特に、電気自動車およびハイブリッド自動車等の電池に適用できる電池温調システムに関するものである。
従来技術では、電池温調用の冷却水(LLCとも言う)が流れる温調流体回路に冷熱源と加熱源を設けている。冷熱源は、水冷媒熱交換器(チラー)であり、放熱器として機能する外気用熱交換器を介して外気で電池を充分冷却できないときは、チラーと熱交換した冷水にて電池を冷却している。加熱源は電気ヒータから成り、電池暖機時にヒータをONし、ヒータと熱交換した温水にて電池を暖機する。しかしながら、この従来技術では以下に示す課題が存在する。
第1に、冷凍サイクルの熱源(低熱)が、LLCを介して電池に伝達されるが、冷媒−LLC間、LLC−電池間で熱抵抗が存在するため、電池冷却要求熱量を大きく越える冷却エネルギーが必要となる。
第2に、LLCは電気伝導性を有しており、電池が直接LLCと接触すると、電気的絶縁が悪化する可能性がある。また、LLC回路の水漏れやLLCによる熱交換器の腐食が発生すると電池が被水することが考えられる。
これらの課題に対し、冷凍サイクルの冷媒を用いて直接電池を冷却する構造が特許文献1として知られている。この構造は、少なくとも1つの冷却パネルとして形成された温度調節装置と、それぞれ金属筐体を具備した少なくとも2つの単一セルを備えたバッテリを有する。
特表2010−536127号公報
上記特許文献1の技術によると、以下の対策が必要である。第1に、冷凍サイクルでは低負荷運転が比較的困難であり、電池冷却要求値が小さいときに圧縮機におけるON−OFF断続運転等で対応させなければならず、冷凍サイクルの効率が低下する。そのため、車両の燃費(電費)や走行距離が低下する。第2に、電池は温度の低下とともに内部抵抗が増加し、出力が低下する。また、急激な温度変化は電池の劣化の原因となる。そのため、冷却しすぎてもいけないが、この対応が難しい。
第3に、冷凍サイクル運転時には、熱交換器内を冷媒が流れることで電池温度が均一に保たれるが、停止時には冷媒が流れず、セル(単位電池)間で電池の出力特性を悪化させる温度分布を生じる。
第4に、冷凍サイクル以外に電池冷却手段を有していないため、外気が充分低い時であっても、冷凍サイクルを稼動させる必要があり、車両の燃費(電費)が低下する。また、圧縮機の運転時間が長くなり、耐久性を悪化させる要因になる。
以上まとめれば、従来技術においては、電池冷却要求熱量を大きく越える冷却エネルギーが必要となること、および、LLCの電気伝導性による絶縁性の悪化および腐食が発生する可能性が考えられることが問題に成る。そして、この問題を解決しても、冷凍サイクルでは、低負荷運転が比較的困難であることから、効率が低下し、急激な温度変化が問題になる。また、冷媒が流れないときの電池の温度分布が悪化し、外気を活用して温度調節できないという問題がある。
従って、電池温調システムにおいて、熱エネルギーのロスを少なくして温度調節時の良好な効率を維持しながら、絶縁性の悪化の可能性がより少なく、温度変化および温度分布に問題の少ない温度調節が可能な電池温調システムが要求される。
本発明は、上記問題点に鑑み、熱エネルギーのロスを少なくして温度調節時の効率を維持しながら、電気絶縁性の悪化や腐食の問題が比較的少なく、温度変化および温度分布に問題の少ない電池温調システムを提供することにある。
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、本発明に係る、電池(1)の温度を調節する電池温調システム(100)は、圧縮機(3)によって流れる冷媒の温度を制御する冷凍サイクル装置(10)を有する。かつ、電流が流れることにより発熱する電池(1)と、電池(1)を冷却する温度調節用の流体である温調流体を流すポンプ(13)と温調流体と外気とを熱交換する外気用熱交換器(18)とを有する温調流体回路(12)とを有する。また、冷凍サイクル装置(10)を構成し、冷媒が流れる冷媒用熱交換部(6)と、温調流体回路(12)内に有り、温調流体が流れる温調流体用熱交換部(11)と、電池(1)の冷媒による温度調節を行う電池冷媒間温度調節部位(P1)と、を有する。更に、温調流体の冷媒による温度調節を行う温調流体冷媒間温度調節部位(P2)を備える。そして、電池冷媒間温度調節部位(P1)は、電池(1)と冷媒用熱交換部(6)との間に存在し、温調流体冷媒間温度調節部位(P2)は、冷媒用熱交換部(6)と温調流体用熱交換部(11)との間に存在する。
この発明によれば、電池冷媒間温度調節部位(P1)は、電池(1)と冷媒用熱交換部(6)の間に存在し、温調流体冷媒間温度調節部位(P2)は、冷媒用熱交換部(6)と温調流体用熱交換部(11)との間に存在する。よって、電池(1)を冷媒により温度調節することができ、かつ、電池(1)を温調流体により温度調節することができる。また、冷媒で温調流体の温度を制御することができる。
次の発明では、電池(1)と冷媒用熱交換部(6)とが接触しており、冷媒用熱交換部(6)と温調流体用熱交換部(11)とが接触しており、電池(1)と温調流体用熱交換部(11)との間に冷媒用熱交換部(6)が積層されて位置している。
この発明によれば、電池(1)と冷媒および温調流体とが冷媒用熱交換部(6)と温調流体用熱交換部(11)とを介して良好に熱交換することができる。
次の発明では、電池(1)の温度が上限温度より小さく、かつ電池(1)内の最高温度と最低温度との差の値が予め定められた許容範囲より小さい場合は、ポンプ(13)と圧縮機(3)との両方を停止状態とする手段(ステップ(S40))を有する。
この発明によれば、電池(1)の温度が上限温度より小さく、かつ最高温度と最低温度との差の値が予め定められた許容範囲より小さい場合は、ポンプ(13)と圧縮機(3)を停止状態とする。よって、必要な場合に限り、ポンプ(13)および圧縮機(3)を運転するため、省動力となる電池温調システム(100)が得られる。
次の発明では、電池(1)の目標温度から温調流体の温度を減算した値が第1所定温度差より大きい場合は、ポンプ(13)を運転状態とし、圧縮機(3)を停止状態として外気用熱交換器(18)をバイパスして温調流体を流す手段(ステップ(S41))を有する。
この発明によれば、電池(1)の目標温度と温調流体の温度との差が比較的大きい場合に、外気用熱交換器(18)をバイパスして温調流体が流れるから、外気用熱交換器(18)を介して温調流体の熱が低下しすぎることがない状態で温調流体を活用して電池(1)の温度調節ができる。
次の発明では、温調流体の目標温度と外気温との温度差が予め定めた第2所定温度差より大きい場合に、ポンプ(13)を運転状態とし、圧縮機(3)を停止状態として温調流体を外気用熱交換器(18)に流す手段(ステップS42)を有する。
この発明によれば、温調流体の目標温度と外気温との温度差が予め定めた第2所定温度差より大きい場合に、外気用熱交換器(18)に温調流体を流すから、外気と熱交換する外気用熱交換器(18)によって温調流体の熱を調節することができる。
次の発明では、電池(1)の温度が予め設定された電池(1)の上限温度より小さくなく、電池(1)の目標温度から温調流体の温度を減算した値が第1所定温度差より大きくなく、かつ温調流体の目標温度と外気温との温度差が予め定めた第2所定温度差より大きくない場合に、圧縮機(3)の運転を開始して冷媒にて電池(1)の温度を調節する。
この発明によれば、必要な場合に限り、圧縮機(3)を運転するため、省動力となる電池温調システム(100)が得られる。
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号ないし説明は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を分かり易く示す一例であり、発明の内容を限定するものではない。
本発明の第1実施形態を示す電池温調システムの模式構成図である。 上記実施形態における電池の熱交換部分を示す模式的斜視図である。 上記実施形態における電池温調システムの制御装置で実行される制御を説明するフローチャートである。 上記実施形態における圧縮機の運転によって電池温度が低下していく状態を示す特性図である。 上記実施形態の作動を模式的に示す説明図である。 上記実施形態に対する第1比較例を示す模式構成図である。 図6の構成において、冷媒よって温調流体が冷却され、更に、温調流体によって電池が冷却される状態を模式的に示す説明図である。 上記実施形態における電池温度と冷媒温度との変化を示す特性図である。 上記第1比較例における電池温度と冷媒温度との変化を示す特性図である。 上記実施形態における冷凍サイクル能力の変化を示す特性図である。 上記第1比較例における冷凍サイクル能力の変化を示す特性図である。 上記実施形態に対する第2比較例を示す模式構成図である。 図12の構成において、冷媒よって電池が冷却される状態を模式的に示す説明図である。 上記実施形態に係り、縦軸が電池温度とLLC温度と冷媒温度を表し、横軸が時間を表している特性図である。 上記実施形態に係り、縦軸が冷凍サイクル能力を表し、横軸が時間を表している特性図である。 上記第2比較例に係り、縦軸が電池温度と冷媒温度を表し、横軸が時間を表している特性図である。 上記第2比較例に係り、縦軸が冷凍サイクル能力を表し、横軸が時間を表している特性図である。 本発明の第2実施形態を示す電池温調システムの制御特性図である。 本発明の第3実施形態を示す電池部分の模式的な一部断面斜視図である。 本発明の第4実施形態を示す電池部分の一部断面模式図である。 本発明の第5実施形態の電池温調システムの模式構成図である。 本発明の第6実施形態の電池温調システムの模式構成図である。 本発明の第7実施形態の電池温調システムの模式構成図である。 本発明の第8実施形態の電池温調システムの模式構成図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部を説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図17を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態を示す電池温調システム100を示している。図2は、上記実施形態における電池1の熱交換部分を示している。
図1において、電池1は単位電池(セルとも言う)を複数接続したものであり、電池パック1とも呼ばれる。複数の単位電池は、金属製の電池ケース2内に収納されている。電池1内には各単位電池の温度を検出するセル温度検出センサtc1が設けられている。
電池1の温度を調節する電池温調システム100は、電気自動車またはハイブリッド車に搭載される。電池1は、急速充電時に大きく発熱することがある。また高速登坂時など高負荷走行時にも大きく発熱する。
図1に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機3と圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器4と、冷媒を膨張させる膨張弁5と、冷媒用熱交換部6を成す蒸発器6とを備えている。凝縮器4は、矢印Y11にて示す外部からの空気が凝縮器用ファン7にて送風されて凝縮熱を大気に放散させる。
蒸発器6は、内部に冷媒が流れる金属性の蒸発器コア8を有し、蒸発器コア8に密接して電池1の金属製の電池ケース2が配置されている。従って、電池ケース2と蒸発器コア8とは互いに熱交換する。
圧縮機3によって圧縮された冷媒にて、蒸発器6を成す冷媒用熱交換部6の温度が制御される。冷媒が流れる冷媒回路10は、冷凍サイクル装置10を構成する。この冷凍サイクル装置10は、電池1の温度調節を専用に行う専用冷凍サイクル装置10であるが、後述のように車両用空調装置を兼用することもできる。冷凍サイクル装置10は、エアコンサイクルで構成されている。車両用空調装置の冷凍能力に対して、この実施形態の専用冷凍サイクル装置の冷凍能力は、小さく設定されている。
車両の走行用動力源となる電池1は、電流が流れることにより発熱する。この電池1が、温調流体用熱交換部11を成す電池用熱交換器11を介して冷却される温度調節用の流体である温調流体は、温調流体回路12を流れる。温調流体回路12内には、温調流体用熱交換部11のほかに、熱交換器用ファン17によって矢印Y13のように冷却風が送られる外気用熱交換器18を有する。
温調流体回路12は、蒸発器コア8に密接して配置された金属製の上記電池用熱交換器11を有する。電池用熱交換器11の内部には、冷却水またはLLCとも呼ばれる温調流体が流れる。電池用熱交換器11は、温調流体用熱交換部を形成する。
このように温調流体は液体から成るから、気体に比べて熱容量が大きく、効率よく電池1の温度調節が可能である。この温調流体はポンプ13の回転により、温調流体回路12を成す配管内を循環する。 温調流体用熱交換部11と熱交換器バイパス通路14とに並列に温調流体が流れる。熱交換器バイパス通路14を流れる温調流体は、三方制御弁15によって制御される。三方制御弁15は、制御装置16によって弁の切り替えが制御される。
熱交換器バイパス通路14を実線Y12の矢印のように流れる場合(バルブA方向に流れる場合とも言う)は、外気用熱交換器18をバイパスする閉回路に温調流体が流れる。一方、外気用熱交換器18を破線の矢印Y13のように流れる場合(バルブB方向に流れる場合とも言う)は、この例では放熱器として機能する外気用熱交換器18で温調流体が、外気に放熱する。
図2に示すように、電池1と蒸発器6から成る冷媒用熱交換部6とは積み重ねられている。また、電池1の冷媒による電池冷媒間温度調節部位P1と、電池1の温調流体による温調流体冷媒間温度調節部位P2が直線上に積層されて配置されている。
蒸発器6内部で冷媒が蒸発するとき電池1が冷却されると共に、蒸発器6を介して電池用熱交換器11内の温調流体も冷やされ、冷熱が温調流体に蓄積される。蒸発器6と温調流体用熱交換部を成す電池用熱交換器11とは密接し、機械的にも一体化されて全体としてチラー6、11を構成している。
電池1の冷媒による電池冷媒間温度調節部位P1において、少なくとも、電池1と冷媒とが、冷媒が流れる金属部分により仕切られている。電池1の温調流体による温調流体冷媒間温度調節部位P2において、少なくとも、電池1と温調流体とが温調流体が流れる金属部分により仕切られている。従って、電池1と冷媒および温調流体とが、金属部分を介して良好に熱交換することができる。
なお、図2では、冷媒が流れる金属部分と温調流体が流れる金属部分とが独立して構成され、両金属部分が接触している。この場合、温調流体と冷媒との間の熱交換は、冷媒が流れる金属部分の層と温調流体が流れる金属部分の層との両方を通過する必要があるが金属部分をなす蒸発器6と電池用熱交換器11とを別々に製造して積層すればよいため製造が容易である。蒸発器6と電池用熱交換器11との間には、蒸発器6の金属部分の厚さと、電池用熱交換器11の金属部分の厚さとの合計の厚さt1(図2)を有する。なお、蒸発器6の金属部分と電池用熱交換器11の金属部分とを同一の金属部分として、厚さt1を薄くしてもよい。
なお、図2は模式的に示しているため、蒸発器6と電池用熱交換器11とは、単なるダクトとして図示しているが、周知の熱交換器としての熱交換性能を上げるため、フィンなどの伝熱を促進する構造体を有していてもよいことは勿論である。
電池の冷媒による電池冷媒間温度調節部位P1は、少なくとも、電池1と冷媒とが、冷媒が流れる金属部分を介して接触している。従って、冷媒が流れる金属部分を介して、電池1が冷媒と良好に熱交換することができる。
一方、電池1の温調流体による温調流体冷媒間温度調節部位P2は、電池1と温調流体とが、直接接触しないで、温調流体が流れる金属部分と蒸発器6とが介在して熱交換している。従って、温調流体が流れる金属部分と蒸発器6とを介して、電池1が温調流体と熱交換することができる。
図3を用いて、上記実施形態における制御装置16(図1)内で実行される制御を説明する。図3において制御が開始されると、ステップS31において、車両の運転スイッチ(イグニッションスイッチとも言う)がONされたか否かを判定する。運転スイッチがONされるとステップS32において、電池温度、つまり個々の単位電池の温度が上限温度より小さいか否かが判定される。
ステップS32において、電池温度が高く、個々のセル(単位電池)の温度が上限温度より小さくない部分が有ると判定されると、ステップS34に進む。
ステップS34においては、電池目標温度(例えば30℃)から測定された温調流体の温度、つまりLLC温度を減算した値が、予め定めた第1所定温度差より大きい否かを判定する。予め定めた第1所定温度差とは、温調流体で電池1を冷却する場合に必要な温度差であり、電池用熱交換器11の能力で決定され、数℃である。
ステップS34において、電池の目標温度からLLC温度を減算した値が第1所定温度差より大きくないないと判定されると、ステップS35に進む。ステップS35においては、電池目標温度に対応して予め設定された温調流体の目標温度(LLC目標温度)より外気の温度である外気温を減算した温度が、予め設定され記憶されている第2所定温度差よりも大きいか否かを判定する。
上記第2所定温度差は、外気と温調流体が外気用熱交換器18で熱交換して充分に熱を放散できることを確保するために設定され、外気用熱交換器18の熱抵抗を基に実験等で決定される。外気用熱交換器18の熱抵抗が大きく、外気用熱交換器18を介して温調流体が外気に熱を放散し難い場合は、上記第2所定温度差が大きく設定される。
ステップS35において、LLC目標温度から外気温を減算した温度が、第2所定温度差よりも大きくない場合は、つまり、例えば、外気温が高い場合等においては、ステップS36に進む。
ステップS36においては、圧縮機3を回転させる。電動圧縮機の場合は、インバータからの三相交流により電動圧縮機内の圧縮機用モータを回転させる。これにより冷凍サイクル装置10が運転を始め、電池1が冷媒により冷却される。
次に、ステップS37において、冷却要求値が冷凍サイクルの出力より小さいか否かが判定される。冷却要求値とは、現時点の温調流体の温度実測値を温調流体の目標温度、つまりLLC目標温度にするために必要な単位時間当たりの熱量(単位はワット)であり、マップにて演算される。このマップは、現時点の温調流体の温度実測値に対して冷却要求値の値が予め実験により求められて設定されている。
更に詳しく述べれば、冷却要求値は、電池1を目標温度にするために必要な熱量であり、正確に表現すると、目標温度よりも高い温度の電池1を目標時間内に目標温度まで冷却するのに必要な熱量である。ここで、図4は、圧縮機3の運転によって電池温度Tbが低下していく状態を示している。図4において横軸には時間tをとり、縦軸には電池温度Tbをとっている。
この場合、電池1が得た熱量(冷熱量)Qは、電池温度Tbの変化分ΔTb(図4)を時間の変化分Δtで除算した値に、電池1の熱容量mcを乗じたものである。つまり、Q=(ΔTb/Δt)mcと成る。なお、電池1の熱容量mcは、予め測定された既知の値である。また、上述の熱量Qの算出手法は一例であり、種々の演算または推定が可能である。
ステップS37において、冷却要求値が冷凍サイクル出力より小さい場合は、YESと判定され、ステップS38に進む。また、NOと判定された場合はステップS39に進んでいる。
この実施形態においては、ステップS37の冷却要求値<冷凍サイクルの出力と判定されたときに、ポンプ13を回転させて、冷凍サイクルの余剰能力を温調流体(LLC)の冷却に使用する。
一方、冷却要求値<冷凍サイクルの出力でなく、冷凍サイクル出力に余裕がない場合は、ポンプ13を停止し(ポンプ13OFF)、電池冷却に注力する。この場合、当然ながら電池1の冷却が温調流体(LLC)の冷却より優先される。
ステップS38においては、図1のポンプ13を回転させ、圧縮機3をONして冷凍サイクルを稼働させる。そして、図1の三方制御弁はA方向の実線方向に流れ外気用熱交換器18をバイパスして温調流体が流れる。
一方、ステップS37において、例えば、電池を冷やす必要性が高く、冷却要求値が冷凍サイクル出力より小さくない場合は、ステップS39に進む。ステップS39においては、図1のポンプ13をOFFして停止させ、圧縮機3をONして、ステップS38の場合よりも圧縮機3の回転数を高め、冷媒流量を増加させる。そして、図1の三方制御弁15は矢印Y12方向の実線方向(A方向)に流れ、外気用熱交換器18をバイパスして温調流体が流れる。つまり、冷凍サイクルの出力を増加させ、温調流体(LLC)の冷媒による冷却は停止する。
図3の上記ステップS31において、運転スイッチがOFFされる等して、電源がONしていないと、制御を終了する。また、上記ステップS32において、電池温度、つまり個々の単位電池の温度が上限温度より小さいか否かを判定した結果、個々の単位電池の温度が上限温度より小さいと判定されると、ステップS33に進む。
ステップS33において、セル間温度分布が許容範囲を超えていないかどうかを判定する。つまり、個々のセルの中でもっとも温度が高いものと最も温度が低いものとを比較し、その温度差が、予め定めた許容範囲より小さければ、ステップS40に進む。また、個々のセルの中でもっとも温度が高いものと最も温度が低いものとを比較し、その温度差が、予め定めた許容範囲より小さくなければ、ステップS34に進む。
ステップS40では、冷却系をOFFする。具体的には、ポンプ13をOFFし、圧縮機3を停止させて冷凍サイクルをOFFする。三方制御弁15は、ポンプ13がOFFしているため、どの位置に切替えられていてもよい。
上述のステップS40は、電池1の温度が上限温度より小さく、かつ電池1内の最高温度と最低温度との差の値が予め定められた許容範囲より小さい場合は、ポンプ13と圧縮機3との両方を停止状態とする手段を構成している。
次に、上記ステップS34において、電池目標温度(例えば30℃)から測定された温調流体の温度、つまりLLC温度を減算した値が、予め定めた第1所定温度差より大きい否かを判定する。この判定した結果、例えば、電池の目標温度に対して測定されたLLC温度が比較的低く、YESと判定されると、ステップS41に進む。
ステップS41においては、温調流体で電池1を冷却するために、温調流体を循環させる。そのために、ポンプ13をONし、圧縮機3はOFFして冷凍サイクルは停止する。また、図1の三方制御弁は、矢印Y12方向に沿う実線方向(A方向)に流れ、外気用熱交換器18をバイパスして温調流体が流れる。
上記ステップS35においては、電池の目標温度に対応して予め設定されたLLC目標温度より外気の温度である外気温を減算した温度が、第2所定温度差よりも大きいか否かを判定している。この判定の結果、LLC目標温度から外気温を減算した温度が、第2所定温度差よりも大きい(YESの)場合、つまり、例えば、LLC目標温度に対して、かなり外気温が低い場合等においては、ステップS42に進み、外気に熱放散させて温調流体を冷却する。
そのために、ポンプ13を運転させ、圧縮機3はOFFして冷凍サイクルは停止状態とする。また、三方制御弁15は矢印Y13方向に沿う破線方向(B方向)に流れ、外気用熱交換器18を介して温調流体が流れる。
以上のように、電池1は電池パック1とも呼ばれ複数の単位電池であるセルの集合から成る。圧縮機3の運転を開始して冷媒にて蒸発器6から成る冷媒用熱交換部6の温度を制御し電池1の温度を調節する条件は以下の通りである。
第1に、電池1の温度が予め設定された電池の上限温度より小さくないことが要求される(ステップS32)。第2に、電池1のセル間の温度分布を表すセルの中の最高温度とセルの中の最低温度との差の値が予め定められた許容範囲より小さくないことが要求される(ステップS33)。
第3に、電池の目標温度から温調流体の温度を減算した値が第1所定温度差より大きくないことが要求される(ステップS34)。第4に、温調流体の目標温度と外気温との温度差が予め定めた第2所定温度差より大きくないことが要求される(ステップS35)。
これらの第1から第4の要求が満たされた場合に、圧縮機3の運転を開始して、冷媒にて熱交換器6の温度を制御し、電池の温度を調節する。これによれば、必要な場合に限り、圧縮機3が運転されるため、省動力となる電池温調システムが得られる。
ステップS32において、電池1の温度が上限温度より小さく、かつセル間温度分布を表す最高温度と最低温度との差の値が予め定められた許容範囲より小さい場合(ステップS33でYESの場合)は、ポンプ13をOFF状態とし、圧縮機3をOFF状態とする(ステップS40)。
これによれば、電池1の温度が上限温度より小さいか、または、最高温度と最低温度との差の値が予め定められた許容範囲より小さい場合は、ポンプ13と圧縮機3とをOFF状態とするから、必要な場合に限り、ポンプ13および圧縮機3を運転できる。そのため、省動力となる電池温調システムが得られる。
電池目標温度(例えば30℃)から測定された温調流体の温度(LLC温度)を減算した値が、予め定めた第1所定温度差より大きい場合(ステップS34でYESの場合)は、ポンプ13を運転状態とし、圧縮機3をOFF状態とする。かつ、温調流体が外気用熱交換器18をバイパスして流れるようにする(ステップS41のLLC循環)。
これによれば、LLC温度が比較的低い場合等に、外気用熱交換器18をバイパスして温調流体を流すから、外気用熱交換器18を介して温調流体の冷熱が放熱してしまうことがない。
LLC目標温度と外気温との温度差が予め定めた第2所定温度差より大きい場合(ステップS35でYESの場合)は、ポンプ13を運転状態とし、圧縮機3をオフ状態として温調流体が外気用熱交換器18を流れる(ステップS42)。
これによれば、目標温度と外気温との温度差が予め定めた第2所定温度差より大きい場合に、外気用熱交換器18に温調流体を流すから、外気と熱交換する外気用熱交換器18によって温調流体の熱を低下させることができる(ステップS42のLLC冷却、つまり外気への放熱)。
以上の制御をまとめれば、冷凍サイクル内を流れる冷媒で直接的に電池1を冷却するとともに、冷媒とLLCとが熱交換する。電気自動車またはハイブリッド車等の走行用エネルギー源となる電池1を温調する電池温調システムは、圧縮機3、凝縮器4、膨張弁5、冷媒用熱交換部6、温調流体用熱交換部11を含んでいる。冷媒用熱交換部6と温調流体用熱交換部11とは一体の熱交換器であるチラー6、11を構成している。
そして、冷媒と電池1の熱交換および冷媒とLLCとの熱交換を車両内の同一部位、つまり、チラー6、11を介して行う。これによって、電池冷却要求に対し、冷凍サイクルで直接冷却することができる。あるいは、冷凍サイクルの余った能力はLLCの冷却に用い、LLC温度が充分低下すると、LLCで電池1を冷却できる。
電池1を冷却する場合において高負荷の場合は、冷媒で直接的に電池1を冷却できる。電池1を冷却する場合において低負荷の場合では、LLCの熱容量を利用できる(冷却されたLLCで電池1を冷却できる)。これにより、高負荷でも低負荷でも効率よく電池1を冷却できる。なお、冷媒からLLCへの熱交換量は、LLC流量(ポンプ13の回転数)を調節することで制御できる。
図5は、この実施形態の作動を模式的に示している。図1において、電池1の温度は電池1内のセル温度検出センサtc1で実測され、かつ予め電池目標温度22(図5)が設定されている。冷媒温度21は、膨張弁5と蒸発器6との間の冷媒配管を流れる冷媒の温度を冷媒温度センサtc2(図1)で実測する。温調流体(LLC)の温度27(LLC温度27)は、電池用熱交換器11に流れ込む直前のLLC温度をLLC温度センサtc3で実測する。
図5は、冷媒温度21によって電池1が電池目標温度22になるように冷却している状態を模式的なスイッチ24aにたとえて図示している。冷媒と電池1の間には、熱抵抗(サーマルインピーダンス)23が存在する。また、冷媒とLLCとの間は熱交換していない状態を、実線の位置にあり開放したスイッチ24bで模式的に表現している。
模式的なスイッチ24a、24bの作動を破線位置に切替えて、冷媒でLLCを冷却しLLC温度27を下げることもできる。この場合、冷媒とLLCの間には、熱抵抗25が存在する。また、電池をLLCで冷却することもできる。電池1とLLCとの間には、熱抵抗(サーマルインピーダンス)26が存在する。
換言すれば、電池1の冷却要求に対し、冷凍サイクルで直接冷却する場合がある。冷凍サイクルの余った能力は、LLCの冷却に用い、LLC温度が充分低下すると、LLCで電池1を冷却する。電池冷却が高負荷時の場合は、図5のスイッチ24a、24bを実線の位置にして冷媒で直接的に電池1を冷却する。電池1の冷却が低負荷時の場合は、スイッチ24a、24bを破線位置に切替えて、電池1の冷却にLLCの熱容量を利用できる。
(第1比較例)
次に、上記実施形態と開発過程で想定した第1比較例とを比較して説明する。図6は、第1比較例を示している。電池1は電池用熱交換器11で冷却される。電池用熱交換器11内にはポンプ13によりLLCが流れる。LLCは、外気用熱交換器18にも流れる、熱交換器用ファン17で外気用熱交換器18が外気で冷却される。圧縮機3で圧縮され凝縮器4を通過した冷媒は、膨張弁5を介してチラー60を成す水冷媒熱交換器60の蒸発器6に流れ、チラー60でLLCの温度を低下させる。
図7は、図6の構成において、冷媒よってLLCが冷却され、更に、LLCによって電池1が冷却される状態を模式的に示している。この図6および図7の第1比較例では、冷凍サイクルと熱交換した低温のLLCで電池1を冷却する。電池1を目標温度に冷却するために、LLC温度を所定温度に設定する。LLC温度を所定温度に冷却するために、冷媒温度が決定される。電池1とLLC間に熱抵抗26が存在する。この第1比較例には、LLCと冷媒間に存在する熱抵抗25あるいはLLC回路の熱容量により、電池1を目標温度まで下げるために冷媒温度を充分に下げる必要があり冷凍サイクルの動力(圧縮機3の動力)が増加してしまうという問題がある。
次に、第1実施形態が、第1比較例より優れる点をグラフで説明する。図8を用いて第1実施形態の電池温度と冷媒温度との変化を説明する。図8において、縦軸が電池と冷媒の温度(℃)とを表し横軸が時間(s)を表している。図8では、時間の経過につれて電池1の温度が低下している。
図9は第1比較例における電池温度と、LLC温度と、冷媒温度との変化を示している。図9において、縦軸が電池とLLCと冷媒の温度を表し、横軸が時間を表している。図9では、時間の経過につれて電池1の温度が図8に比べると緩やかに低下する。つまり、第1実施形態に比べ第1比較例は、図7のように、LLCを介して電池1を冷却するため、電池冷却速度が低下する。
図10は、第1実施形態の冷凍サイクル能力の変化を示している。図10において、縦軸が冷凍サイクル能力(W)を表し、横軸が時間(s)を表している。図10においては、電池1は高発熱量の状態であり、電池1の目標温度を30℃に維持するように冷却したときの特性を表している。第1実施形態では、冷媒で直接電池を冷却できるため、冷却速度が速く、冷凍サイクル能力も抑えることができる。
図11は、第1比較例の冷凍サイクル能力の変化を示している。図11において、縦軸が冷凍サイクル能力(W)を表し、横軸が時間(s)を表している。図11においては、電池1は高発熱量の状態であり、電池1の目標温度を30℃に維持するように冷却したときの特性を表している。第1比較例では、LLCを介して冷媒で電池を冷却するため、大きな冷凍サイクル能力が必要である。
(第2比較例)
図12は、開発過程で想定された第2比較例を示している。電池1は蒸発器6で冷却される。圧縮機3で圧縮された冷媒は、凝縮器4と膨張弁5と蒸発器6とを経由して流れる。凝縮器4は、凝縮器用ファン7で矢印Y11方向に流れる外気により冷却される。図13は、図12の構成において、冷媒よって電池が冷却される状態を模式的に示している。
この第2比較例では、冷凍サイクルで直接的に電池1を冷却する。電池冷却要求に対し、冷媒温度センサtc2で冷媒温度をモニターしながら冷凍サイクルで直接的に電池1を冷却する。この第2比較例は、電池1と冷媒間の熱抵抗23(図13)は比較的小さいものの、電池冷却要求値が小さいときに、冷凍サイクルで低負荷運転が困難なため、効率が低下するという問題がある。
次に、第1実施形態が、第2比較例より優れる点をグラフで説明する。図14は、第1実施形態に係り、縦軸が電池温度とLLC温度と冷媒温度を表し、横軸が時間を表している。冷媒温度は圧縮機3の断続的な運転により上下に変化する。冷媒温度が上昇したときLLC温度がわずかに上昇している。電池温度は緩やかに下降している。
図15は、第1実施形態に係り、縦軸が冷凍サイクル能力を表し、横軸が時間を表している。冷凍サイクル能力は、圧縮機3の断続的な運転により上下に変化する。
図16は、図12の第2比較例に係り、縦軸が電池温度と冷媒温度とを表し、横軸が時間を表している。冷媒温度は、圧縮機3の頻繁な断続運転により上下に激しく変化する。図17は、第2比較例に係り、縦軸が冷凍サイクル能力を表し、横軸が時間を表している。冷凍サイクル能力は、圧縮機3の頻繁な断続運転により頻繁に上下に変化する。
この第2比較例は、冷凍サイクルで直接的に電池1を冷却しているが、冷凍サイクルでは圧縮機3の断続による低出力運転となり、効率のよい運転ができない。冷凍サイクルでは一般的に低出力運転が困難である。なお、電池専用の冷凍サイクルであっても、高速登坂や急速充電などの電池単独で数kWの冷却要求値がある。そして、当然ながら最大冷却要求値を基準に冷凍サイクルが設計される。その結果、小型低出力の効率の良い運転ができない。
一方、第1実施形態では、温調流体回路(LLC回路)の熱容量を利用して電池1を冷却することで、冷凍サイクルの低効率運転を回避でき、圧縮機3の稼働時間を低減できる。よって効率がよく、圧縮機3の寿命が延びる。
(第1実施形態の作用効果)
上記第1実施形態においては、電池1の温度を調節する電池温調システム100であって、次の構成を有する。圧縮機3によって流れる冷媒の温度を制御する冷凍サイクル装置10を有する。電流が流れることにより発熱する電池1を有する。電池1を冷却する温度調節用の流体である温調流体を流すポンプ13と温調流体の熱を外気に放熱させる外気用熱交換器18とを有する温調流体回路12を有する。
冷凍サイクル装置10を構成し、冷媒が流れる冷媒用熱交換部6を有する。温調流体回路12内に有り、温調流体が流れる温調流体用熱交換部11を有する。電池1の冷媒による温度調節を行う電池冷媒間温度調節部位P1を有する。温調流体の冷媒による温度調節を行う温調流体冷媒間温度調節部位P2を有する。そして、電池冷媒間温度調節部位P1は、電池1と冷媒用熱交換部6の間に存在し、温調流体冷媒間温度調節部位P2は、冷媒用熱交換部6と温調流体用熱交換部11との間に存在する。
これによれば、電池冷媒間温度調節部位P1は、電池1と冷媒用熱交換部6の間に存在し、温調流体冷媒間温度調節部位P2は、冷媒用熱交換部6と温調流体用熱交換部11との間に存在する。よって、電池1を冷媒により温度調節することができ、かつ、電池1を温調流体により温度調節することができる。また、冷媒で温調流体の温度を制御することができる。そして、電池冷媒間温度調節部位P1は、電池1と冷媒用熱交換部6の間に存在するから、電池1を冷媒で温度調節するときの熱エネルギーのロスを少なくして温度調節時の効率を維持できる。
次に、電池1と冷媒用熱交換部6とが接触しており、冷媒用熱交換部6と温調流体用熱交換部11とが接触しており、電池1と温調流体用熱交換部11との間に冷媒用熱交換部6が積層されて位置している。
これによれば、電池1と冷媒および温調流体とが冷媒用熱交換部6と温調流体用熱交換部11とを介して良好に熱交換することができる。また、電池1と温調流体用熱交換部11との間に冷媒用熱交換部6が位置しているから、万一、温調流体が漏れた場合でも、直接的に電池1が被水し難いというフェイルセーフが成される。
次に、温調流体は液体から成る。従って、熱容量の大きい液体を温調流体に使用することで効率よく電池の温度調節が可能である。
次に、電池1は複数の単位電池であるセルの集合から成る。そして、電池1の温度が予め設定された電池1の上限温度より小さくなく、電池1のセル間の温度分布を表すセルの中の最高温度とセルの中の最低温度との差の値が予め定められた許容範囲より小さくなく、電池1の目標温度から温調流体の温度を減算した値が第1所定温度差より大きくなく、温調流体の目標温度と外気温との温度差が予め定めた第2所定温度差より大きくない場合に、圧縮機3の運転を開始して冷媒にて電池1の温度を調節している。
これによれば、必要な場合に限り、圧縮機3を運転するため、省動力となる電池温調システム100が得られる。
次に、電池1の温度が上限温度より小さく、かつ最高温度と最低温度との差の値が予め定められた許容範囲より小さい場合は、ポンプ13と圧縮機3との両方を停止状態とする手段(ステップS40)を有する。
これによれば、電池1の温度が上限温度より小さいか、または、最高温度と最低温度との差の値が予め定められた許容範囲より小さい場合は、ポンプ13と圧縮機3との両方を停止状態とする。よって、必要な場合に限り、ポンプ13または圧縮機3を運転するため、省動力となる電池温調システム100が得られる。
次に、電池1の目標温度から温調流体の温度を減算した値が第1所定温度差より大きい場合は、ポンプ13を運転状態とし、圧縮機3を停止状態として外気用熱交換器18をバイパスして温調流体を流す手段(ステップS41)を有する。
これによれば、電池1の目標温度と温調流体の温度との差が比較的大きい場合に、外気用熱交換器18をバイパスして温調流体が流れるから、外気用熱交換器18を介して温調流体の熱が低下しすぎることがない状態で温調流体を活用して電池1の温度調節ができる。
次に、温調流体の目標温度と外気温との温度差が予め定めた所定温度差より大きい場合に、ポンプ13を運転状態とし、圧縮機3を停止状態として、温調流体を外気用熱交換器18に流す手段(ステップS42)を有する。
これによれば、温調流体の目標温度と外気温との温度差が予め定めた第2所定温度差より大きい場合に、外気用熱交換器18に温調流体を流すから、外気と熱交換する外気用熱交換器18によって温調流体を冷却することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。なお、第2実施形態以下については、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明が援用される。
図18を用いて、本発明の第2実施形態を示す電池温調システムの制御特性を説明する。第1実施形態においては電池の目標温度は一つであったが、この第2実施形態においては、第1目標温度To1と、温度が第1目標温度To1より低い第2目標温度To2とを設定している。
図18において、電池1の温度が第1目標温度To1より高い領域R1では、図1のポンプ13をオフ状態として冷凍サイクルで電池1を急速冷却する。また、電池1の温度が第1目標温度To1より低く、第2目標温度To2より高い図18の領域R2の場合は、ポンプ13をオン状態として冷凍サイクルの運転により電池1と温調流体の両方を冷却する。電池1の温度が、第2目標温度To2まで低下した領域R3の場合に、ポンプ13をオフ状態とし、かつ、圧縮機3の運転を停止させて、冷凍サイクル装置10(図1)を停止させる。
換言すれば、図18において、領域R1は、冷凍サイクルで電池を急速冷却し、温調流体(LLC)を流すポンプ13はOFFしている領域である。領域2は、冷凍サイクルで電池1とLLCとの両方を冷却しており、ポンプ13はONしている領域である。領域3は、冷凍サイクルもポンプ13も停止している領域である。
これによれば、電池1の温度が第1目標温度To1より高い場合は、ポンプ13をオフ状態として冷凍サイクルで電池1を急速に冷却させることができる。また、電池1の温度が第1目標温度To1より低く、第2目標温度To2より高い場合は、ポンプ13をオン状態として冷凍サイクルで電池1と温調流体との両方を冷却し、冷媒で温調流体に冷熱を蓄えることができる。
更に、電池1の温度が第2目標温度To2まで低下した場合に、ポンプ13をオフ状態とし、かつ冷凍サイクルも停止させ、動力を消費させないで、電池1の温度を緩やかに上昇させることができる。
(第2実施形態の作用効果)
上記第2実施形態においては、電池1の目標温度は第1目標温度To1と第2目標温度To2から成る。そして、電池温度が第1目標温度To1より高い場合は、ポンプ13を停止状態として冷凍サイクル装置で電池1を冷却する。電池温度が第1目標温度より低く、第2目標温度より高い場合は、ポンプ13を運転状態として冷凍サイクル装置10で電池1と温調流体の両方を冷却する。電池温度が第2目標温度To2まで低下した場合は、ポンプ13を停止状態とし、かつ圧縮機3を停止状態とする。
これによれば、電池1の温度が第1目標温度To1より高い場合は、ポンプ13を運転状態として冷凍サイクルで電池1を急速に冷却させることができる。また、電池温度が第1目標温度より低く、第2目標温度より高い場合はポンプ13を運転状態として冷凍サイクル装置10で電池1と温調流体の両方を冷却する。このときに、冷媒で温調流体に温調用の冷熱を蓄えることができる。更に、電池1の温度が第2目標温度To2まで低下した場合、ポンプ13を停止状態とし、かつ冷凍サイクル装置10での冷却も停止させ、動力を消費させないで、電池1の温度を緩やかに上昇させることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる部分を説明する。図19は、本発明の第3実施形態を示す電池部分を示している。図19に示すように、電池1と蒸発器6から成る冷媒用熱交換部6とは積み重ねられている。また、電池1の冷媒による電池冷媒間温度調節部位P1と、電池1の温調流体による温調流体冷媒間温度調節部位P2が直線上に積層されて配置されている。
温調流体は冷却水からなるため、電池1内部に温調流体が侵入すると腐食や絶縁の悪化をもたらす。蒸発器6内部で冷媒が蒸発するときに、電池1が冷却されると共に、蒸発器6を介して電池用熱交換器11内の温調流体も冷やされ、冷熱が温調流体に蓄積される。
蒸発器6の内部に温調流体用熱交換部11を成す電池用熱交換器11が配置されている。蒸発器6と電池用熱交換器11とは機械的にも一体化されて全体としてチラー6、11を構成している。
電池1の冷媒による電池冷媒間温度調節部位P1において、少なくとも、電池1と冷媒とが、冷媒が流れる金属部分により仕切られている。電池1の温調流体による温調流体冷媒間温度調節部位P2は、少なくとも、電池1と温調流体とが温調流体が流れる金属部分、および、冷媒により仕切られている。
従って、電池1と冷媒と温調流体とが、金属部分等を介して良好に熱交換することができる。また、電池1と温調流体とが、温調流体が流れる金属部分と冷媒とにより仕切られている。電池1内部に温調流体が侵入する経路に、冷媒が流れる冷媒用熱交換部6を成す蒸発器6が存在するから、電池1内部に温調流体が侵入し難く絶縁不良が抑制できる。
なお、図19では、冷媒が流れる金属部分と温調流体が流れる金属部分とが同心状の配置関係にある。この場合、温調流体と冷媒との間の熱交換は、冷媒が流れる金属部分の層と温調流体が流れる金属部分の層との両方を通過する必要がなく、温調流体が流れる金属部分の層を通過するようにしても良い。
なお、図19は模式的に示しているため、蒸発器6と電池用熱交換器11とは、単なるダクトとして図示しているが、周知の熱交換器としての熱交換性能を上げるため、フィンなど伝熱を促進させる構造体を有していてもよいことは勿論である。
電池1の冷媒による電池冷媒間温度調節部位P1は、少なくとも、電池1と冷媒とが、冷媒が流れる金属部分を介して接触している。従って、冷媒が流れる金属部分を介して、電池1が冷媒と良好に熱交換することができる。
一方、電池1の温調流体による温調流体冷媒間温度調節部位P2は、電池1と温調流体とが、直接接触しないで、温調流体が流れる金属部分と蒸発器6とを介している。従って、温調流体が流れる金属部分と、蒸発器6とを介して、電池1が温調流体と熱交換することができる。
以上のように本発明の第3実施形態では、図19において、電池1の冷媒による電池冷媒間温度調節部位P1は、電池1と冷媒とが、冷媒が流れる配管を介して接触し、かつ、冷媒が流れる配管と温調流体とが接触している。これによれば、電池1と冷媒とが、冷媒が流れる配管(冷媒配管)を介して接触し、かつ冷媒配管と温調流体とが接触している。
なお、電池1と冷媒とが冷媒配管を介して接触し、かつ冷媒配管と温調流体が流れる配管(温調流体配管)とが一部兼用されてもよい。この場合は、冷媒配管と温調流体配管とが独立して構成され互いに接触している場合に比べると、冷媒と温調流体とが良好に熱交換することができる。
また、冷媒が流れる冷媒流路(冷媒配管)は、環状の断面構造を有し、この環状の断面構造の内部に温調流体流路(温調流体配管)が形成されている。従って、冷媒流路と温調流体流路とが二重構造である。これによれば、二重構造であるから、温調流体が全周にわたって冷媒と熱交換するため、冷媒と温調流体との熱交換性能を高めることができる。
更に、二重構造の内部が温調流体が流れる温調流体流路であり、二重構造の外部が、冷媒が流れる冷媒流路から形成されている。従って、電池1と温調流体の間に冷媒が介在するため、二重構造により電池と熱交換器の絶縁が不要になる。ちなみに、従来の一般的な水冷電池パックでは、電池と熱交換器の接触面が絶縁シート等で絶縁されている。
(第3実施形態の作用効果)
上記第3実施形態においては、冷媒が流れる冷媒流路を成す冷媒用熱交換部6は、環状の断面構造を有し、この環状の断面構造の内部に温調流体用熱交換部11が形成され、冷媒用熱交換部6および温調流体用熱交換部11が二重構造である。これによれば、冷媒用熱交換部6および温調流体用熱交換部11が二重構造であるから冷媒と温調流体との熱交換性能を高めることができる。
また、冷媒用熱交換部6の冷媒の中に温調流体用熱交換部11が形成され、温調流体用熱交換部11の周囲が冷媒用熱交換部6に囲まれている。これによれば、二重構造により電池と熱交換器の絶縁が不要になる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる部分を説明する。図20は、本発明の第4実施形態を示している。図20において、電池1は、複数の電池部分1a〜1cに分割されて配置されている。冷媒が流れる蒸発器6と、温調流体が流れる電池用熱交換器11とは機械的にも一体化されて全体としてチラー6、11を構成している。チラー6、11も、チラー部分6a、11a〜チラー部分6c、11cのように分割して配置されている。
蒸発器6は、冷媒用熱交換部6を構成し、電池用熱交換器11は温調流体用熱交換部11を構成する。従って、冷媒流路およびLLC流路を、電池部分1aと電池部分1bの間、電池部分1bと電池部分1cの間に配置している。また、冷媒流路に囲まれて、温調流体が流れる温調流路が配置されている。
この、図12に示す第4実施形態の構造にすると、電池1と温調流体の間に絶縁性の冷媒が介在する。従って、電池1の絶縁がより確実になされる。
(第4実施形態の作用効果)
上記第4実施形態によれば、電池1は複数の電池部分1a〜1cに分割されて配置されている。冷媒が流れる冷媒用熱交換部6と、温調流体が流れる温調流体用熱交換部11とは機械的にも一体化されて全体としてチラー6、11を構成している。チラー6、11も、チラー部分6a、11a〜チラー部分6c、11cのように分割して、各電池部分1a〜1cの間に分散して配置されている。これによれば、電池1全体を均一な温度に設定し易くなる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる部分を説明する。図21は、本発明の第5実施形態の電池温調システムを示している。図21において、電池1の冷媒による温度調節部位は、少なくとも、電池1と冷媒との間に空気が介在している。電池1の温調流体による温度調節部位は、少なくとも、電池と温調流体との間に空気が介在している。また、空気を流動させる送風機31を備える。送風機31からの空気流は、温調流体用熱交換部11を成す電池用熱交換器11内の隙間と冷媒用熱交換部6を成す蒸発器6の隙間を流れて電池1を冷却する。
これによれば、電池1と冷媒および温調流体とが空気を介して熱交換することができ、空気を閉鎖空間を構成するケース用隔壁32と仕切り用の隔壁33内に流動させ、熱交換の程度を制御することができる。
このように第5実施形態においては、冷媒およびLLCの冷熱を空気を介して電池1に輸送させることができる。この空気が、電池温調用空気を構成し、ケース用隔壁32によって密閉された空間内を循環する。この図21のように、電池温調用空気が密閉された空間内を循環する方式を内部循環式と呼ぶ。しかし、このような内部循環式でなくても、車両の運転席内の空気を導入する内気導入式、あるいは、車両外部の外気を導入する外気導入式でもよい。
(第5実施形態の作用効果)
上記第5実施形態においては、電池1の温度を調節する電池温調システム100であって、次の構成を有する。圧縮機3によって流れる冷媒の温度を制御する冷凍サイクル装置10を有する。電流が流れることにより発熱する電池1を有する。電池1を冷却する温度調節用の流体である温調流体を流すポンプ13と、温調流体の熱を外気に放熱させる放熱器として機能している外気用熱交換器18とを有する温調流体回路12を有する。
冷凍サイクル装置10を構成し、冷媒が流れる冷媒用熱交換部6を有する。温調流体回路12内に有り、温調流体が流れる温調流体用熱交換部11を有する。電池1の冷媒による温度調節を行う電池冷媒間温度調節部位P1を有する。温調流体の冷媒による温度調節を行う温調流体冷媒間温度調節部位P2を有する。そして、電池冷媒間温度調節部位P1は、電池1と冷媒用熱交換部6の間に存在し、温調流体冷媒間温度調節部位P2は、冷媒用熱交換部6と温調流体用熱交換部11との間に存在する。
電池冷媒間温度調節部位P1は、電池1と冷媒用熱交換部6との間の空気を含み、空気を流動させる送風機31を備える。これによれば、電池と冷媒および温調流体とが空気を介して熱交換することができ、空気を流動させ、熱交換の程度を送風機31で制御することができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる部分を説明する。図22は、本発明の第6実施形態の電池温調システムを示している。図22において、冷媒用熱交換部6は、圧縮機3で圧縮された冷媒が流れ込む凝縮器6から成り、この凝縮器6において凝縮する冷媒の熱によって電池1を暖機している。蒸発器として機能する外部熱交換器4には矢印Y11に示す外気の流れが外部ファン7によって送風され、外気から吸熱する。ポンプ13は温調流体と成るLLCを電池用熱交換器11に流す。これによれば、エアコンサイクルを用いて電池1の暖機が行える。
(第6実施形態の作用効果)
上記第6実施形態においては、電池1の温度を調節する電池温調システム100であって、次の構成を有する。圧縮機3によって流れる冷媒の温度を制御する冷凍サイクル装置10を有する。電流が流れることにより発熱する電池1を有する。電池1を冷却する温度調節用の流体である温調流体を流すポンプ13と温調流体の熱を外気に放熱させる外気用熱交換器18とを有する温調流体回路12を有する。
冷凍サイクル装置10を構成し、冷媒が流れる冷媒用熱交換部6を有する。温調流体回路12内に有り、温調流体が流れる温調流体用熱交換部11を有する。電池1の冷媒による温度調節を行う電池冷媒間温度調節部位P1を有する。温調流体の冷媒による温度調節を行う温調流体冷媒間温度調節部位P2を有する。そして、電池冷媒間温度調節部位P1は、電池1と冷媒用熱交換部6の間に存在し、温調流体冷媒間温度調節部位P2は、冷媒用熱交換部6と温調流体用熱交換部11との間に存在する。
冷媒用熱交換部6は、凝縮器6から成り、凝縮器6において凝縮する冷媒の熱によって電池1を暖機している。これによれば、凝縮器6において凝縮する冷媒の熱を用いて電池1の暖機を行うことができる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる部分を説明する。図23は、本発明の第7実施形態の電池温調システムを示している。図23において、圧縮機3によって圧縮された冷媒にてヒートポンプサイクルを構成している。このヒートポンプサイクルの構成部品と成る冷媒用熱交換部6にて電池1の冷却と暖機とを四方弁40で切替ることができる。従って、電池の冷却と暖機との両方が行える。
(第7実施形態の作用効果)
上記第7実施形態においては、電池1の温度を調節する電池温調システム100であって、次の構成を有する。圧縮機3によって流れる冷媒の温度を制御する冷凍サイクル装置10を有する。電流が流れることにより発熱する電池1を有する。電池1を冷却する温度調節用の流体である温調流体を流すポンプ13と温調流体の熱を外気に放熱させる外気用熱交換器18とを有する温調流体回路12を有する。
冷凍サイクル装置10を構成し、冷媒が流れる冷媒用熱交換部6を有する。温調流体回路12内に有り、温調流体が流れる温調流体用熱交換部11を有する。電池1の冷媒による温度調節を行う電池冷媒間温度調節部位P1を有する。温調流体の冷媒による温度調節を行う温調流体冷媒間温度調節部位P2を有する。
そして、電池冷媒間温度調節部位P1は、電池1と冷媒用熱交換部6の間に存在し、温調流体冷媒間温度調節部位P2は、冷媒用熱交換部6と温調流体用熱交換部11との間に存在する。また、冷凍サイクル装置10がヒートポンプサイクルで構成されているから。電池1の冷却と加熱を選択して温度調節できる。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる部分を説明する。上記各実施形態では冷凍サイクルを電池温調専用のものとして構成したが、冷凍サイクルを車両用空調装置の冷凍サイクル(ヒートポンプサイクル)と兼用することもできる。図24を用いて、車両用空調装置41の冷凍サイクル内を流れる冷媒で電池を温調する場合の電池温調システム100を説明する。
図24において、車両用空調装置41によって冷媒流路が構成されている。このヒートポンプサイクルを使用した車両用空調装置41は、3方弁等の切り替えによって、冷房運転、電池冷却運転、暖房運転、電池暖機運転、冷房+電池冷却運転、暖房+電池暖機運転の6モードの運転が可能なヒートポンプ式の車両用空調装置を構成している。
つまり、電池1を温調する冷媒は、車両用空調装置41を構成する圧縮機3によって流れる冷媒流の途中に電池1の温調を行う冷媒用熱交換部6を配置している。また、温調流体と成るLLCがポンプ13によって流れる温調流体回路12内に電池1を温調する温調流体用熱交換部11を成す電池用熱交換器11が設けられている。冷媒用熱交換部6と温調流体用熱交換部11とが一体化されて、水冷媒熱交換器となるチラー6、11が構成されている。
室外機42には電動ファン43によって外気が送風される。空調用ブロワ44によって空調ダクト45内のダクト内蒸発器46、エアミックスドア47、ヒータコア48、ダクト内凝縮器49に空調風が送風される。51〜55は電磁弁、57〜59は膨張弁、61、62は三方弁、63は逆止弁、64はアキュムレータである。
電池1は、冷媒用熱交換部6と接触し、この冷媒用熱交換部6に温調流体用熱交換部11が接触している。また、これら電池1、冷媒用熱交換部6、および温調流体用熱交換部11が、互いに積層されている。
(第8実施形態の作用効果)
上記第8実施形態においては、電池1の温度を調節する電池温調システム100であって、次の構成を有する。圧縮機3によって流れる冷媒の温度を制御する冷凍サイクル装置10を構成する車両用空調装置41を有する。電流が流れることにより発熱する電池1を有する。電池1を冷却する温度調節用の流体である温調流体を流すポンプ13と温調流体の熱を外気に放熱させる外気用熱交換器18とを有する温調流体回路12を有する。
冷凍サイクル装置10を構成し、冷媒が流れる冷媒用熱交換部6を有する。温調流体回路12内に有り、温調流体が流れる温調流体用熱交換部11を有する。電池1の冷媒による温度調節を行う電池冷媒間温度調節部位P1を有する。温調流体の冷媒による温度調節を行う温調流体冷媒間温度調節部位P2を有する。
そして、電池冷媒間温度調節部位P1は、電池1と冷媒用熱交換部6の間に存在し、温調流体冷媒間温度調節部位P2は、冷媒用熱交換部6と温調流体用熱交換部11との間に存在する。また、車両用空調装置41によって冷凍サイクル装置10の冷媒流路が構成されている。よって、車両用空調装置41が電池温調システム100の中に組み込まれているため、構成部品を共用化することができる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものである。
冷凍サイクルを電池温調専用のものとして構成せずに、冷凍サイクルを車両用空調装置の冷凍サイクルと兼用する場合に、図24のヒートポンプサイクルと異なり、エアコンサイクルを採用することもできる。
1 電池
3 圧縮機
6 冷媒用熱交換部
10 冷凍サイクル装置
11 温調流体用熱交換部
12 温調流体回路
13 ポンプ
18 外気用熱交換器(放熱器)
P1 電池冷媒間温度調節部位
P2 温調流体冷媒間温度調節部位

Claims (11)

  1. 電池(1)の温度を調節する電池温調システム(100)であって、
    圧縮機(3)によって流れる冷媒の温度を制御する冷凍サイクル装置(10)と、
    前記電池(1)を冷却する温度調節用の流体である温調流体を流すポンプ(13)と前記温調流体と外気とを熱交換する外気用熱交換器(18)とを有する温調流体回路(12)と、
    前記冷凍サイクル装置(10)を構成し、前記冷媒が流れる冷媒用熱交換部(6)と、
    前記温調流体回路(12)内に有り、前記温調流体が流れる温調流体用熱交換部(11)と、
    前記電池(1)の前記冷媒による温度調節を行う電池冷媒間温度調節部位(P1)と、
    前記温調流体の前記冷媒による温度調節を行う温調流体冷媒間温度調節部位(P2)と、を備え、
    前記電池冷媒間温度調節部位(P1)は、前記電池(1)と前記冷媒用熱交換部(6)の間に存在し、
    前記温調流体冷媒間温度調節部位(P2)は、前記冷媒用熱交換部(6)と前記温調流体用熱交換部(11)との間に存在することを特徴とする電池温調システム。
  2. 前記電池(1)と前記冷媒用熱交換部(6)とが接触しており、前記冷媒用熱交換部(6)と前記温調流体用熱交換部(11)とが接触しており、前記電池(1)と前記温調流体用熱交換部(11)との間に前記冷媒用熱交換部(6)が積層されて位置していることを特徴とする請求項1に記載の電池温調システム。
  3. 前記電池(1)の温度が上限温度より小さく、かつ前記電池(1)内の最高温度と最低温度との差の値が予め定められた許容範囲より小さい場合は、前記ポンプ(13)と前記圧縮機(3)との両方を停止状態とする手段(ステップS40)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電池温調システム。
  4. 前記電池(1)の目標温度から前記温調流体の温度を減算した値が第1所定温度差より大きい場合は、前記ポンプ(13)を運転状態とし、前記圧縮機(3)を停止状態として前記外気用熱交換器(18)をバイパスして前記温調流体を流す手段(ステップS41)を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電池温調システム。
  5. 前記温調流体の目標温度と外気温との温度差が予め定めた第2所定温度差より大きい場合に、前記ポンプ(13)を運転状態とし、前記圧縮機(3)を停止状態として、前記温調流体を前記外気用熱交換器(18)に流す手段(ステップS42)を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の電池温調システム。
  6. 前記電池(1)の目標温度は、第1目標温度(To1)と第2目標温度(To2)から成り、
    前記電池の温度が前記第1目標温度(To1)より高い場合は、前記ポンプ(13)を停止状態として前記冷凍サイクル装置(10)で前記電池(1)を冷却し、
    前記電池の温度が前記第1目標温度より低く、前記第2目標温度より高い場合は、前記ポンプ(13)を運転状態として前記冷凍サイクル装置(10)で前記電池(1)と前記温調流体の両方を冷却し、
    前記電池の温度が前記第2目標温度(To2)まで低下した場合は、前記ポンプ(13)を停止状態とし、かつ前記圧縮機(3)を停止状態とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電池温調システム。
  7. 前記電池(1)の温度が予め設定された前記電池(1)の上限温度より小さくなく、
    前記電池(1)の目標温度から前記温調流体の温度を減算した値が第1所定温度差より大きくなく、かつ
    前記温調流体の目標温度と外気温との温度差が予め定めた第2所定温度差より大きくない場合に、前記圧縮機(3)の運転を開始して、前記冷媒にて前記電池(1)の温度を調節することを特徴とする請求項1または2に記載の電池温調システム。
  8. 前記電池冷媒間温度調節部位(P1)は、前記電池(1)と前記冷媒用熱交換部(6)との間の空気を含み、前記空気を流動させる送風機(31)を備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の電池温調システム。
  9. 前記冷媒が流れる冷媒流路を成す冷媒用熱交換部(6)は、環状の断面構造を有し、前記環状の断面構造の内部に前記温調流体用熱交換部(11)が形成され、前記冷媒用熱交換部(6)および前記温調流体用熱交換部(11)が二重構造であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の電池温調システム。
  10. 前記冷媒用熱交換部(6)の前記冷媒の中に前記温調流体用熱交換部(11)が形成され、前記温調流体用熱交換部(11)の周囲が前記冷媒用熱交換部(6)に囲まれていることを特徴とする請求項9に記載の電池温調システム。
  11. 前記温調流体は、液体から成ることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載の電池温調システム。
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