JP5979711B2 - シーリング剤の塗布方法及び硬化方法 - Google Patents

シーリング剤の塗布方法及び硬化方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5979711B2
JP5979711B2 JP2012097321A JP2012097321A JP5979711B2 JP 5979711 B2 JP5979711 B2 JP 5979711B2 JP 2012097321 A JP2012097321 A JP 2012097321A JP 2012097321 A JP2012097321 A JP 2012097321A JP 5979711 B2 JP5979711 B2 JP 5979711B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sealing agent
ultraviolet
wavelength
polymerization initiator
diisocyanate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012097321A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013223838A (ja
Inventor
岳幸 黒瀬
岳幸 黒瀬
Original Assignee
パーカーアサヒ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by パーカーアサヒ株式会社 filed Critical パーカーアサヒ株式会社
Priority to JP2012097321A priority Critical patent/JP5979711B2/ja
Publication of JP2013223838A publication Critical patent/JP2013223838A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5979711B2 publication Critical patent/JP5979711B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Description

本発明は、紫外線により硬化させることが可能な樹脂の硬化方法に関し、詳細には、自動車の鋼板接合部に塗布されるシーリング剤の塗布方法及び硬化方法に関する。
一般的に自動車用シーリング剤は、鋼板接合部位に塗布され、オーブンにより加熱することによりゲル化させて塗膜物性を発現する。鋼板接合部位の内側には気体が存在し、この接合部位にシーリング剤を塗布して加熱すると、気体が膨張して内側からシーリング剤を押し上げヘム膨れが発生し、外観不良となる。
このような問題を解決するために、紫外線硬化型樹脂を用いたシーリング剤に関していくつかの提案がされている(特許文献1〜4)。
しかしながら、特許文献4に開示されるように発光ダイオード(以下、「LED」とする。)から照射される紫外線だけではシーリング剤の表面のみを仮に硬化させる程度の効果しか得られず、シーリング剤を完全に硬化させるための加熱工程が必ず必要となる。また、シーリング剤が仮程度に硬化しているために後の加熱工程において膨れが生じるという問題を解決できていない。
特開2009−67916号公報 特開2010−59355号公報 特開2010−84105号公報 特開2010−215742号公報
そこで、本発明は、気体が膨張して内側からシーリング剤を押し上げヘム膨れが発生することを解決するため、シーリング剤に含まれる紫外線硬化型樹脂を紫外線照射器から照射する紫外線により深部まで硬化させることが可能なシーリング剤の塗布方法及び硬化方法を提供することを目的とする。
本発明のシーリング剤の塗布方法の第1の解決手段は、加熱状態で膨張した空気が流出するように構成された金属部材間へのシーリング剤の塗布方法であって、ピーク波長の異なる2種類以上の紫外線にそれぞれ反応する重合開始剤として波長365±5nmの紫外線で反応する重合開始剤と、波長385±5nmの紫外線で反応する重合開始剤を含む紫外線硬化型樹脂を主剤とするシーリング剤を、塗布手段を移動させて前記金属部材間に塗布し、前記塗布手段の軌跡上に、各重合開始剤に対応する紫外線を照射するための紫外線照射器を保持した保持手段を移動させて波長365±5nmおよび波長385±5nm紫外線の照射を行うことにより、前記紫外線硬化型樹脂を硬化させることを特徴とする。
第2の解決手段は、第1の解決手段において、前記塗布手段の前記シーリング剤の吐出口に隣接して前記保持手段を設けたことを特徴とする。
第3の解決手段は、第1又は第2の解決手段において、前記紫外線硬化型樹脂は、熱重合開始剤を含有していることを特徴とする。
本発明のシーリング剤の硬化方法は、第3の解決手段により塗布された前記シーリング剤を、加熱して硬化させることを特徴とする。
本発明によれば、2種類の紫外線のピーク波長のそれぞれに反応する重合開始剤を含む紫外線硬化型樹脂を含有するシーリング剤に、これらの重合開始剤に対応するピーク波長の紫外線を照射することにより、シーリング剤の表面から内部まで硬化させることができる。
また、紫外線照射器としてスポットタイプのものを使用すれば、塗布用のガンを備えたロボット等の塗布手段の軌跡上を容易に移動させることができる。また、塗布手段のシーリング剤の吐出口に隣接して紫外線照射器を保持した保持手段を設けることにより、塗布しながら紫外線硬化型樹脂を硬化させることが可能となる。また、本発明によれば、150mm/秒以上の高速でシーリング剤の塗布とシーリング剤内の紫外線硬化型樹脂の硬化を行うことが可能となる。
また、必要に応じてシーリング剤に熱重合開始剤を添加した場合でも、シーリング剤の主剤である紫外線硬化型樹脂はほぼ硬化しているため、大型のオーブンによらず加熱して硬化させることが可能となる。
本発明のシーリング剤の塗布される箇所は、加熱状態で膨張した空気が流出するように構成された金属部材間であって、具体的には、自動車のドアのヘム部等が該当する。
上記の通り、本発明に使用されるシーリング剤は、主剤として紫外線硬化型樹脂を含み、この紫外線硬化型樹脂を硬化させるためにピーク波長の異なる2種類の紫外線にそれぞれ反応する重合開始剤を含むものである。また、シーリング剤は、この他に、一般的には、熱可塑性樹脂、潜在性硬化剤、可塑剤及び密着剤を含む。
紫外線硬化型樹脂としては、例えば、ウレタン、エーテル、エステル、エポキシ、シリコンの分子末端がアクリロイル基等のオリゴマーを挙げることができるが、脂肪族系又は脂環式ウレタンオリゴマーとすることが好ましく、具体的には、主鎖に脂肪族又は脂環式ジイソシアネートとポリオールからなるウレタン構造を持ち分子末端がアクリロイル基等のオリゴマーを挙げることができる。イソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート等のベースがある。ウレタン内部に芳香族が含有されると著しく延性が低下する傾向にあるからである。但し、芳香族タイプにおいてもプレポリマーのポリオール鎖を高分子量とした物は、延性について問題がなく使用することができる。
紫外線硬化型樹脂は、シーリング剤全体の合計100重量部に対して、5.0〜20重量部の範囲で添加することが好ましい。5.0重量部未満の場合、紫外線照射による硬化が不充分となり、20重量部を超えるとモノマーよりも分子量が大きいため粘度が高く、塗布作業性を著しく悪化させる傾向となるからである。また伸びや弾性が出なくなる。
重合開始剤としては、少なくとも2種類のピーク波長の紫外線と反応するように、少なくとも2種類の重合開始剤を使用する。
高波長系重合開始剤としては、例えば、アルキルフェノン系(α−アミノアルキルフェノン等)、アシルフォスフィンオキサイド系(モノアシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド等)、オキシムエステル系等、を使用することができる。
低波長系重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン系、アルキルフェノン系(ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシアルキルフェノン等)、チタノセン系、オキシフェニル酢酸エステル系、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物等を使用することができる。
重合開始剤の中でも、厚膜の深部まで紫外線硬化させる必要から、アシルフォスフィンオキサイド系化合物である高波長系重合開始剤を使用することが好ましい。また、更に、アシルフォスフィンオキサイド系化合物にアルキルフェノン系のα−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物である低波長系重合開始剤を混合することが好ましい。重合効率の向上及び表面硬化の促進を図ることができるからである。
また、重合開始剤は、シーリング剤の全体の合計100重量部に対して、0.1〜2.0重量部の範囲とすることが好ましい。0.1重量部未満の場合、紫外線照射による硬化が不充分となり、2.0重量部を超えると未反応物は多量に残り塗膜性能が低下するからである。
また、カチオン系光重合開始剤を使用することで厚膜を硬化できる可能性があり組み合わせて使用しても良い。
更に、光重合開始効率を高めるために、光増感剤を組み合わせて使用しても良い。光増感剤としては、例えば、芳香族、脂肪族3級アミン等が挙げられる。
熱可塑性樹脂は、塩化ビニル樹脂、これと他のものとの共重合樹脂、並びにアクリル、メタアクリル及びそれらと他のものとの共重合樹脂の少なくとも何れかを使用することができる。
熱可塑性樹脂成分は、シーリング剤全体の合計100重量部に対して5〜25重量部配合することが好ましい。
前記アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル等から選ばれるモノマーの単一重合体や共重合体等を使用することができる。該モノマーとしては、具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、ter−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、ter−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等を挙げることができる。また、共重合成分として、スチレン、α−メチルスチレン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸等も使用することができる。本タイプは微粒子形状であり、特にコア部及びシェル部から構成されているコア−シェル型を使用することが好ましい。
潜在性硬化剤としては、例えば、ポリアミン系及び変性物、芳香族アミン系及び変性物、ヒドラジド系等を挙げることができ、常温不活性であるが、特に加温により活性しイソシアネートと反応するものであれば何れも使用でき、例えば、アクリル系樹脂100重量部に対して2.5〜10重量部を含有させるようにすればよい。
可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル、リン酸エステル、アジピン酸エステル、セバチン酸エステル系可塑剤等、公知の可塑剤を使用することができる。例えば、フタル酸エステル系可塑剤としては、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘキシルフタレート(DHP)、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ブチルベンジルフタレート(BBP)、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジノニルフタレート(DNP)等、リン酸エステル系可塑剤としては、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシリレンホスフェート(TXP)等、アジピン酸エステル系可塑剤としては、ジオクチルアジペート(DOA)、ジイソデシルアジペート(DIDA)等、セバチン酸エステル系可塑剤としては、ジブチルセバケート(DBS)、ジオクチルセバケート(DOS)などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、特にフタル酸系可塑剤が好ましい。
可塑剤は、粘度調整で変量させることができる為、特に量を規定するものではないが、少なすぎると伸びが低下し、多量すぎれば塗料密着性に影響を及ぼすことがある。通常は、添加すべき可塑剤の基本量に対して±20%程度で調整する。
密着剤としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ブロックイソシアネート含有ウレタンプレポリマーを使用することができる。尚、ブロックイソシアネート含有ウレタンプレポリマーはイソシアネート、及びポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等のα−ポリオールを反応させて得られるポリウレタンの残存イソシアネートをブロック剤を用いてブロックしたものである。
前記ブロックイソシアネート含有ウレタンプレポリマーは、以下の手順に従って製造することができる。
先ず、ポリオールと過剰のポリイソシアネート化合物を反応させ、末端NCO含有ウレタンプレポリマーを得る。
上記ポリオールとしては、例えば、ポリオキシアルキレンポリオール(PPG)、ポリエーテルポリオール変性体、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを含むポリエーテルポリオール;縮合ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオールを含むポリエステルポリオール;ポリブタジエン系ポリオール;ポリオレフィン系ポリオール;ポリエーテルポリオールの中でアクリロニトリル単独又はアクリロニトリルとスチレン、アクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル及び酢酸ビニルの群から選ばれる少なくも1種との混合モノマーを重合乃至グラフト重合させたポリマーポリオール等が挙げられる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロへキシルイソシアネート)、メチル2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロへキサン、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードMDI、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−トルイジンジイソシアネート、ジアニジンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ω,ω単位−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン等が挙げられる。
次に、末端NCO含有ウレタンプレポリマーを適当なブロック剤と反応させて遊離のNCOをブロック化することにより、目的のブロックイソシアネート含有ウレタンプレポリマーを得る。
上記ブロック剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、イソノニルアルコール、ステアリルアルコールなどの1価アルコール又はこれらの異性体;フェノール、クレゾール、キシロール、p−ニトロフェノール、アルキルフェノールなどのフェノール類;マロン酸メチル、マロン酸エチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン化合物;アセトアミド、アクリルアミド、アセトアニリドなどの酸アミド類;コハク酸イミド、マレイン酸イミドなどの酸イミド類;2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類;2−ピロリドン、ε−カプロラクタムなどのラクタム類;アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトアルドキシムなどのケトン又はアルデヒドのオキシム類;メチルグリコール、エチルグリコール、エチルジグリコール、エチルトリグリコール等のグリコール誘導体;ジシクロへキシルアミン等のアミン化合物、その他エチレンイミン、重亜硫酸塩等が挙げられる。
この密着剤は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、15〜150重量部含有させることが好ましい。15重量部未満では、被着体への密着性が不充分となり、150重量部を超えると塗布作業性を著しく悪化させる傾向となるからである。
更に、シーリング剤には、必要に応じて安定剤、発泡防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤や熱重合開始剤等を配合することができる。
安定剤としては、亜鉛系、マグネシウム系、カルシウム系、又は金属塩タイプ等で特にステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム及びジブチルチンジラウレート等を用いることができる。更に、発泡防止剤として、酸化カルシウムを配合することができる。
充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、珪藻土、シリカ、タルク等の無機充填剤が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、必要に応じて、ガラスバルーン、樹脂バルーン又は加熱時膨張する樹脂バルーン等の中空粒子を配合することもできる。
紫外線吸収剤、光安定剤としてはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、HALS等を用いる事ができる。熱重合開始剤として、パーオキサイドを配合することができる。
可塑剤、充填剤及び密着剤も配合する場合は、シーリング剤全体の合計100重量部に対して、可塑剤10〜50重量部、充填剤10〜40重量部、密着剤5.0〜20重量部とすることが好ましい。
以上説明したシーリング剤は、塗布ノズル等の現在自動車の製造ライン等で使用されている公知の塗布手段を使用して、カチオン型電着塗装板の接合部や重ね合わせ部等の金属部材間に塗布される。塗布条件の一例を挙げるとすると、膜厚0.5〜2.5mm程度、常温〜40℃程度で塗布を行う。
尚、シーリング剤の最大の厚さとなる位置の膜表面から深さ方向に少なくとも3分の2までの紫外線硬化型樹脂を硬化せるようにすれば、140℃〜180℃に加熱しても膨れることはない。
この塗布手段の移動した軌跡上を移動できるように、例えば、ハイパワー紫外線−LEDスポット照射器等のスポットタイプ(例えば、10mm角のエリアに対して紫外線を集中して照射することができるタイプ)の紫外線照射器を保持手段に設けることが好ましい。この保持手段に関しては、シーリング剤に紫外線照射器からの光が照射できるように構成されたものであればよい。塗布されたシーリング剤に対して、近距離から紫外線を効率的に照射できるようにするためである。また、更に、塗布手段の吐出口に隣接して保持手段を設けるようにすることが好ましい。具体的には、従来ある塗布用ロボットにノズルと紫外線照射器の両方を設けるようにすればよい。従来の塗布用ロボットを有効に活用できるからである。
本発明で使用する紫外線は、ピーク波長の異なる2種類以上の紫外線を含む必要がある。それぞれに反応する重合開始剤を含む紫外線硬化型樹脂を使用しているからである。
ピーク波長の異なる2種類の紫外線は、ピーク波長が異なるものであれば特に制限はないが、200〜500nmであることが好ましい。200nm未満の波長領域では化学反応でオゾンが著しく発生し、人体に影響を与える。また、活性酸素が機械を錆びさせる問題がある。また、500nmを超えると赤外線(熱線)により被照射体は高温になる。基板が金属部材の場合は熱を持ち作業しづらく、また、プラスチックの基板などでは変形することが問題になるからである。
紫外線は紫外線照射器から照射するものとし、その光源は、ランプ(メタルハライドランプ、高圧水銀灯)やLED等を使用することができる。そして、照射方法としては、スポット的に照射する方法と、拡散して照射する方法とがあるが、上述した通り、塗布手段とともに移動させ、且つ、人体への影響を少なくするためには、スポット的に照射することが好ましい。
高圧水銀灯は、波長254、313、365nm、407nm及び436nm(それぞれ近傍の波長を含む。)のピーク波長があり、それらの中でも350nm〜450nmのピーク波長の照射強度が強いメタルハライドランプであることが望ましい。高波長とすることで深部の硬化を高めるためである。
照射する紫外線の波長及び照射強度については、例えば、LEDを光源とする場合には、波長365±5nmで350〜4000mW/cmの照射強度と、波長385±5nmで750〜4000mW/cmの照射強度2種類を使用することができる。
高圧水銀灯の照射強度は、2000〜4000mW/cmである。
紫外線照射器からの紫外線の照射方法は、被照射体の所望の部位に照射されれば特に制限されるものではないが、自動車の製造ラインにおいては、被照射体から10〜50mm程度離して、被照射体との相対的な速度10〜80cm/secで移動しながら照射することができる。
[シーリング剤の組成]
以下の実施例及び比較例においては、シーリング剤は、アクリル樹脂10重量%、充填剤31重量%、エポキシ系密着成分(ダウケミカル(株)社製のDER331J)3重量%、ブロックウレタンプレポリマー(第一工業製薬(株)BP−104)10重量%、潜在性硬化剤(富士化成工業(株)FXR−1090−FA)4重量%、可塑剤(Jプラス社製のDINP)30重量%、紫外線硬化樹脂(サートマー社製のCN9002)11重量%の合計100重量%に対して重合開始剤0.34重量%を加えた組成とした。重合開始剤は、高波長の紫外線型重合開始剤(チバジャパンケミカルズ社製のIrgacure819)0.06重量%、低波長の紫外線型重合開始剤(チバジャパンケミカルズ社製のIrgacure184)0.08重量%及び加熱型重合開始剤(日油社製のパーブチルZ)0.2重量%の組成とした。
[試験方法]
以下の実施例及び比較例において、シーリング剤は図1に示すサンプル3a、4a、5aに塗布手段により厚み2.3mmで塗布した。
サンプルは、長さ300mm、幅50mmのED板1と、長さ300mm、幅30mmのED板2とを重ね合わせ、ED板1とED板2との間を接着剤により接着した。接着剤は、図示の通り、接着領域3,4,5として間隔をおいて設けた。接着領域3は、長さ40mm、幅10mmの矩形の輪郭に沿って、幅1.0mmで粒径200μmのビーズ(ユニオン(株)社製のUB910LR)を1.0%含む接着剤(アサヒゴム(株)社製の#2403G)を塗布し、底辺側の中央部に幅10mmの接着剤を塗布しない領域3aを設けて、ED板1,2間の空間と外部との間で気体を出入りできるようにした。接着領域4,5についても、それぞれの長さを60mm、100mmとし、接着剤を塗布しない領域を4a,5aとした以外は、接着領域3と同様にした。
上記サンプルを、ベルトコンベア上に載置して、サンプル上方に紫外線照射用のLEDを固定(UL250 アイグラフィックス株式会社製)して、150mm/秒の速度でサンプルを長手方向に移動させて紫外線硬化型樹脂を硬化させるようにした。尚、紫外線の硬化の程度によっては、ベルトコンベアを往復させて、繰り返して照射するようにした。
[評価]
シーリング剤の硬化の程度に関しては、深部硬化、表面硬化及び膨れの観点から評価した。深部硬化は、シーリング剤の最表層から底部に向かって硬化している深さを評価した。表面硬化は、シーリング剤の最表層の硬化の有無を目視、指触で評価した。膨れは、紫外線照射を行った後、140℃のオーブンで30分間焼付けを行い、シーリング剤が膨れているか否かを目視で評価した。
[実施例1]
サンプルに紫外線を照射するために、ピーク波長365nmの紫外線LEDと、ピーク波長385nmの紫外線LEDとを、サンプルの上方にサンプルを挟むようにして、2つのLEDを結ぶ線がサンプルの移動方向と直交するように配置した。
具体的には、サンプルの照射エリア(長径12mm、短径10mmの楕円)の図心から鉛直方向に対してそれぞれ側方に25°、照射エリアの図心までの距離35mmの位置に配置し、両方のLEDからサンプルに紫外線を照射した。尚、照射エリアにおける照度は、アイグラフィックス(株)社製型番UV meter UVPF−A1により測定したところ、370mw/cm(波長300〜390nmの受光器PD−365で測定した場合)及び830mw/cm(波長350〜490nmの受光器PD−405で測定した場合)であった。
[比較例1]
実施例1の2つの紫外線を、ピーク波長365nmの紫外線とした以外は実施例1と同様にした。
尚、照射エリアにおける照度は、630mw/cm(波長300〜390nmの受光器PD−365で測定した場合)及び300mw/cm(波長350〜490nmの受光器PD−405で測定した場合)であった。
実施例1及び比較例1の硬化方法において、サンプルに対して2回紫外線を照射した。その結果、比較例1では表面硬化はしておらず、膨れなし、深部硬化は1.55mmであった。これに対して、実施例1は、表面硬化が確認でき、膨れもなく、深部硬化は1.85mmであった。
[実施例2]
サンプルに紫外線を照射するために、ピーク波長365nmの紫外線LED2個と、ピーク波長385nmの紫外線LED1個とを、サンプルの上方に、3つのLEDを結ぶ線がサンプルの移動方向と直交するように配置した。
波長365nmの紫外線と、波長365nmの紫外線とを、照射エリア(長径14mm、短径10mmの楕円)の図心から鉛直方向に対してそれぞれ側方に45°傾斜し、照射エリアの図心までの距離35mmの位置から照射した。更に、図心から鉛直上方の距離35mmの位置から波長385nmの紫外線を照射した。尚、照射エリアにおける照度は、アイグラフィックス(株)社製型番UV meter UVPF−A1により測定したところ、550mw/cm(波長300〜390nmの受光器PD−365で測定した場合)及び800mw/cm(波長350〜490nmの受光器PD−405で測定した場合)であった。
[比較例2]
実施例2の3つの紫外線を、全て波長365nmの紫外線とした以外は実施例2と同様にした。
尚、照射エリアにおける照度は、900mw/cm(波長300〜390nmの受光器PD−365で測定した場合)及び380mw/cm(波長350〜490nmの受光器PD−405で測定した場合)であった。
実施例2及び比較例2の硬化方法において、サンプルに対して1回紫外線を照射した。その結果、比較例2では表面硬化はしていたが、膨れがあり、深部硬化は1.40mmであった。これに対して、実施例2は、表面硬化が確認でき、膨れもなく、深部硬化は1.60mmであった。尚、実施例2が実施例1と比べて深部硬化が浅くなった理由としては、実施例2の方は照射角度が鉛直方向に対してそれぞれ側方に45°傾斜し照度が鉛直照射に比べて30%程落ちてしまったものと推定した。
実施例及び比較例で使用するサンプルの説明図
1,2 ED板
3,4,5 接着領域

Claims (4)

  1. 加熱状態で膨張した空気が流出するように構成された金属部材間へのシーリング剤の塗布方法であって、
    ピーク波長の異なる2種類以上の紫外線にそれぞれ反応する重合開始剤として波長365±5nmの紫外線で反応する重合開始剤と、波長385±5nmの紫外線で反応する重合開始剤を含む紫外線硬化型樹脂を主剤とするシーリング剤を、
    塗布手段を移動させて前記金属部材間に塗布し、
    前記塗布手段の軌跡上に、各重合開始剤に対応する紫外線を照射するための紫外線照射器を保持した保持手段を移動させて波長365±5nmおよび波長385±5nmの紫外線の照射を行うことにより、前記紫外線硬化型樹脂を硬化させることを特徴とするシーリング剤の塗布方法。
  2. 前記塗布手段の前記シーリング剤の吐出口に隣接して前記保持手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のシーリング剤の塗布方法。
  3. 前記紫外線硬化型樹脂は、熱重合開始剤を含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のシーリング剤の塗布方法。
  4. 請求項3に記載の方法により塗布された前記シーリング剤を、加熱して硬化させることを特徴とするシーリング剤の硬化方法。
JP2012097321A 2012-04-23 2012-04-23 シーリング剤の塗布方法及び硬化方法 Active JP5979711B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012097321A JP5979711B2 (ja) 2012-04-23 2012-04-23 シーリング剤の塗布方法及び硬化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012097321A JP5979711B2 (ja) 2012-04-23 2012-04-23 シーリング剤の塗布方法及び硬化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013223838A JP2013223838A (ja) 2013-10-31
JP5979711B2 true JP5979711B2 (ja) 2016-08-31

Family

ID=49594312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012097321A Active JP5979711B2 (ja) 2012-04-23 2012-04-23 シーリング剤の塗布方法及び硬化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5979711B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61174965A (ja) * 1985-01-28 1986-08-06 Nissan Motor Co Ltd 自動車部品への緩衝材の取付装置
EP1041130A3 (de) * 1999-04-01 2000-12-13 Volkswagen Aktiengesellschaft Verfahren zur Bördelfalzversiegelung
JP2009102548A (ja) * 2007-10-24 2009-05-14 Chuo Motor Wheel Co Ltd アルミホイール用紫外線硬化型粉体塗料組成物及びアルミホイールの塗装方法
JP2010215742A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Sunrise Msi Corp 自動車用ボデーシーラーを用いた自動車パネルのシール方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013223838A (ja) 2013-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10590303B2 (en) Thermoplastic polyurethane compositions, articles, and methods thereof
KR101436648B1 (ko) 광학 플라스틱 렌즈용 프라이머
WO2012026475A1 (ja) 水性ポリウレタン樹脂分散体及びその製造方法、並びにその使用
WO2008035825A1 (fr) Feuille adhésive pour marquage
US11078391B2 (en) Urethane adhesive composition
JP2004066749A (ja) 加熱剥離可能な積層体
JP6417195B2 (ja) アクリルゾル組成物
JP7138649B2 (ja) ウレタン系接着剤組成物
JP5183404B2 (ja) アクリルゾル組成物
JP2021102741A (ja) 樹脂組成物及び積層体
JP5979711B2 (ja) シーリング剤の塗布方法及び硬化方法
EP3608345B1 (en) Acrylic sol composition
JP7166610B2 (ja) 高安全性ウレタンアクリレートとその製造方法
JP7324939B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂、硬化性樹脂組成物、および、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の製造方法
JP5462562B2 (ja) アクリルゾル組成物
US11773306B2 (en) Vinyl chloride sol-based ultraviolet curable sealing material
JP2010215742A (ja) 自動車用ボデーシーラーを用いた自動車パネルのシール方法
JP2015120821A (ja) 水性一液焼き付け被覆塗料用組成物、及び該組成物を用いた被覆材料
JP5091173B2 (ja) 自動車塗装ラインにおける塗装方法
JP6565337B2 (ja) 複合樹脂水性分散体及びその使用
WO2017082038A1 (ja) 環状オレフィン樹脂フィルム
JP7276118B2 (ja) 接着剤組成物、及び積層体
JP2022057626A (ja) 接着剤、硬化物、及び積層体
JP2021187937A (ja) 湿気硬化型接着剤、硬化物、及び積層体
JP2019123796A (ja) 水性脂溶性重合開始剤分散体、及び水性ポリウレタン樹脂分散体組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150915

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160426

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160620

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160721

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5979711

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250