JP2022057626A - 接着剤、硬化物、及び積層体 - Google Patents

接着剤、硬化物、及び積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】高い塗膜強度を有し、柔軟性、耐熱性、耐薬品性、及び接着力に優れる、自動車、建材、船舶、航空機等の分野に適した構造用接着剤の提供。【解決手段】上述課題は、ウレタンユニット(A)と(メタ)アクリルユニット(B)とが連鎖移動剤残基により連結したウレタン・アクリル複合樹脂(C)、架橋剤(D)、及び反応性希釈剤(E)を含有し、前記ウレタンユニット(A)が、ポリカーボネートポリオール(F1)由来の構成単位を有し、前記(メタ)アクリルユニット(B)が、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)由来の構成単位を有し、前記反応性希釈剤(E)が、ポリカーボネートポリオール(F2)を含む接着剤によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、高い塗膜強度を有し、柔軟性、耐熱性、耐薬品性、及び接着力に優れる接着剤に関する。
自動車、建材、船舶、航空機等の分野において、鉄、アルミ、ステンレス等の金属、樹脂、ガラス、セラミックス等を接着固定するために様々な構造用接着剤が使用されている。近年、自動車や航空機の分野では燃費向上のために軽量化が進められており、プラスチックや繊維強化プラスチックからなる材料(以下、FRPと略する)の使用比率を高めることや、鉄からより軽量なアルミニウムに置き換えようとする動きが活発になっており、これらを強固に接合できる接着剤が求められている。さらに作業性や環境負荷低減の観点から、揮発性有機化合物を含まない接着剤が求められている。
しかしながら、例えば、アルミニウム等の金属とFRPのような線膨張係数が異なる材料とを接着する場合、製造過程又は使用温度環境における温度変化によって生じる材料間の膨張率差により接着剤層に高い応力がかかり、接着剤層の破壊あるいは劣化が促進されるという課題がある。
この様な課題に対し、例えば特許文献1~3には、金属やFRPへの高い接着力を有するエポキシ化合物に、応力緩和を目的として長鎖ポリアミンやナノ分散させたゴム状粒子を添加する方法が開示されている。しかし、これらの方法では一定の柔軟性を付与できるものの、得られる接着層は依然として硬脆く効果は十分ではない。
一方で、特許文献4~6には、ウレタンポリマーを含む主剤、及び非結晶性ポリオール化合物とポリアミン化合物とを含む硬化剤を用いることで、高い柔軟性と塗膜強度とを有する接着剤組成物が開示されている。
しかしながら、これらの方法ではアミン化合物を大量に用いるため硬化速度の調整が難しく、塗布時のノズル詰まりや大面積の接着において接合ムラが発生するという課題がある。またアミン化合物の使用量を減らすことで硬化速度を遅くすることができるが、柔軟性や塗膜強度が低下する。さらに、これらの方法では硬化膜中にアミノ基が微量に残存するため、耐熱性や、耐油性等の耐薬品性が十分ではないという課題がある。
特表2018-506635号公報 国際公開第2007/025007号 特開2015-182248号公報 特開2020-055921号公報 特開2020-055922号公報 特開2020-055923号公報
本発明の目的は、高い塗膜強度を有し、柔軟性、耐熱性、耐薬品性、及び接着力に優れる、自動車、建材、船舶、航空機等の分野に適した構造用接着剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、ポリカーボネートポリオール及び水酸基を有する(メタ)アクリル単量体由来の構成単位を有するウレタン・アクリル複合樹脂と、ポリカーボネートポリオールと、架橋剤と、を含む接着剤が、上記の課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、ウレタンユニット(A)と(メタ)アクリルユニット(B)とが連鎖移動剤残基により連結したウレタン・アクリル複合樹脂(C)、架橋剤(D)、及び反応性希釈剤(E)を含有する接着剤であって、前記ウレタンユニット(A)が、ポリカーボネートポリオール(F1)由来の構成単位を有し、前記(メタ)アクリルユニット(B)が、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)由来の構成単位を有し、前記反応性希釈剤(E)が、ポリカーボネートポリオール(F2)を含む、接着剤に関する。
本発明は、前記ウレタン・アクリル複合樹脂(C)が、ウレタンユニット(A)を、ウレタン・アクリル複合樹脂(C)の全質量を基準として、70~97質量%の範囲で含む、上記接着剤に関する。
本発明は、前記ウレタンユニット(A)を構成するポリオールが、ポリカーボネートポリオール(F1)を、ウレタンユニット(A)を構成するポリオールの全質量を基準として、80~100質量%の範囲で含む、上記接着剤に関する。
本発明は、前記反応性希釈剤(E)は、ポリカーボネートポリオール(F2)を、反応性希釈剤(E)の全質量を基準として50~100質量%の範囲で含む、上記接着剤に関する。
本発明は、前記ウレタン・アクリル複合樹脂(C)と前記反応性希釈剤(E)の合計質量を基準として、反応性希釈剤(E)を、30~70質量%の範囲で含む、上記接着剤に関する。
本発明は、前記(メタ)アクリルユニット(B)を構成するエチレン性不飽和単量体が、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)を、前記エチレン性不飽和単量体の全質量を基準として、25~100質量%の範囲で含む、上記接着剤に関する。
本発明は、前記水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)が、水酸基と窒素原子とを有する(メタ)アクリル単量体(b1a)を含む、上記接着剤に関する。
本発明は、上記接着剤の硬化物に関する。
本発明は、基材上に、上記硬化物からなる層を有する積層体に関する。
本発明により、高い塗膜強度を有し、柔軟性、耐熱性、耐薬品性、及び接着力に優れる、構造用接着剤を提供できる。
<接着剤>
本発明の接着剤は、ウレタンユニット(A)と(メタ)アクリルユニット(B)とが連鎖移動剤残基により連結したウレタン・アクリル複合樹脂(C)、架橋剤(D)、及び反応性希釈剤(E)を含有し、ウレタンユニット(A)が、ポリカーボネートポリオール(F1)由来の構成単位を有し、(メタ)アクリルユニット(B)が、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)由来の構成単位を有し、反応性希釈剤(E)がポリカーボネートポリオール(F2)を含むことを特徴とする。このような構成とすることで、柔軟なウレタン部位と、架橋剤との反応により架橋されたアクリル及び反応性希釈剤に由来する部位とが、ミクロ相分離構造を形成し、ウレタン部位による優れた伸長性と、架橋されたアクリル及び反応性希釈剤に由来する部位による優れた強度とを発揮する。これにより、本発明の接着剤は、高い塗膜強度と、優れた柔軟性、耐熱性、耐薬品性、及び接着力を発揮することができる。
したがって、本発明の接着剤は、自動車、建材、船舶、航空機等の分野に好適に用いられる。また、本発明の接着剤は、液状の無溶剤型接着剤として用いることができ、安全性や環境対応の観点からも優れるものである。
なお、本明細書における「連鎖移動剤残基」とは、連鎖移動剤に由来するものとして識別することのできる複合樹脂の部分構造を意味する。
<ウレタン・アクリル複合樹脂(C)>
本発明のウレタン・アクリル複合樹脂(C)は、ポリカーボネートポリオール(F1)由来の構成単位を有するウレタンユニット(A)と、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)由来の構成単位を有する(メタ)アクリルユニット(B)とが連鎖移動剤残基により連結した構造であればよく、その製造方法は制限されないが、好ましくは下記の方法で製造することができる。
まず、ポリカーボネートポリオール(F1)を含むポリオール、及びポリイソシアネートを反応させて、両末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーを形成する(以下、工程1)。
次いで、連鎖移動剤、及び反応性希釈剤(E)を添加し、ウレタンプレポリマーの両末端に連鎖移動剤残基を有するウレタンユニット(A)を合成する(以下、工程2)。
その後、得られたウレタンユニット(A)が有する連鎖移動剤残基を用いて、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)を含むエチレン性不飽和単量体を、重合開始剤存在下に連鎖移動重合して、(メタ)アクリルユニット(B)を形成する(以下、工程3)。
このようにして、ウレタンユニット(A)と(メタ)アクリルユニット(B)とが連鎖移動剤残基により連結したブロックポリマーであるウレタン・アクリル複合樹脂(C)を得ることができる。これらの反応は全て、溶媒を用いて行ってもよいし溶媒を使用せずに行ってもよい。ただし溶媒を用いる場合は、反応の途中段階又は反応終了後に、減圧下又は常圧下で溶媒を除去することが好ましい。このようにして、無溶剤型の接着剤を得ることができる。
<ウレタンユニット(A)>
まず、ウレタン・アクリル複合樹脂(C)のウレタンユニット(A)について以下に述べる。
本発明におけるウレタンユニット(A)は、ポリカーボネートポリオール(F1)を含むポリオール、及びポリイソシアネートを、無溶剤又は溶剤中で反応させて得られるウレタンプレポリマーと、連鎖移動剤とを、反応性希釈剤(E)の存在下に反応させることで、両末端に連鎖移動剤残基を有するウレタンユニット(A)を得ることができる。
[ポリカーボネートポリオール(F1)]
ポリカーボネートポリオール(F1)は、ウレタンユニット(A)に耐熱性、柔軟性を付与する。ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、低分子ポリオールとカーボネート化合物との反応によって得られたものが挙げられる。
上記低分子ポリオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、ポリオキシエチレングリコール(付加モル数10以下)、ポリオキシプロピレングリコール(付加モル数10以下)、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、シクロペンタジエンジメタノール、ダイマージオール、ビスフェノールA、N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、2,2-ジメチロール酪酸、2,2-ジメチロールペンタン酸、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシ安息香酸のような2官能の低分子ポリオール;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,1,1-トリメチロールブタン、1,2,3-ブタントリオール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,6-ブタントリオール、トリメチロールブテン、トリメチロールペンテン、トリメチロールヘキセン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールオクテン、トリメチロールノネン、トリメチロールデセン、トリメチロールウンデセン、トリメチロールドデセン、トリメチロールトリデセン、トリメチロールペンタデセン、トリメチロールヘキサデセン、トリメトロールヘプタデセン、トリメチロールオクタデセン、1,1,1-トリメチロール-2-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-2-エチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-エチル-ヘキサン、トリメチロールヘキセン、1,2,3-オクタントリオール、1,3,7-オクタントリオール、3,7-ジメチル-1,2,3-オクタントリオール、1,1,1-、1,1,1-トリメチロールデカン、1,2,10-デカントリオール、1,1,1-トリメチロールイソヘプタデカン、1,1,1-トリメチロール-sec-ブタン、1,1,1-トリメチロール-tert-ペンタン、1,1,1-トリメチロール-tert-ノナン、1,1,1-トリメチロール-tert-トリデカン、1,1,1-トリメチロール-tert-ヘプタデカン、1,1,1-トリメチロール-2-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-メチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-2-エチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロール-3-エチル-ヘキサン、1,1,1-トリメチロールイソヘプタデカン、1,2,3,4-ブタンテトラオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ベンゼン-1,3,5-トリオール、ベンゼン-1,2,3-トリオール、スチルベン-3,4’、5-トリオール、シュークロース、イノシトール、ソルビタン、ソルビトール、マンニトール、サッカロース、セルロース、キシリトールのような3官能以上の低分子ポリオール;が挙げられる。
上記カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート又はジエチルカーボネートのようなジアルキルカーボネート;アルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネートのようなアルキレンカーボネート;ジアリールカーボネートとしては、例えば、ジフェニルカーボネートのようなジアリールカーボネート;が挙げられる。
ウレタンユニット(A)を構成するポリオールは、本発明の効果を損なわない範囲で、ウレタン結合濃度の調節や各種官能基導入を目的として、ポリカーボネートポリオール(F1)以外の、その他のポリオールを含有してもよい。このようなその他のポリオールとしては、例えば、上述の低分子ポリオールの項に記載した化合物や、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等のポリマーポリオールが挙げられる。
ポリカーボネートポリオール(F1)の含有率は、ウレタンユニット(A)を構成するポリオールの全質量を基準として、好ましくは80~100質量%であり、より好ましくは90~100質量%である。ポリカーボネートポリオール(F1)の含有率が80~100質量%であると、耐熱性、耐薬品性に優れるため好ましい。
ポリカーボネートポリオール(F1)の数平均分子量は、好ましくは400~2,500であり、より好ましくは600~1,500である。ポリカーボネートポリオール(F1)の水酸基価は、特に制限されないが、好ましくは40~300mgKOH/gであり、より好ましくは60~200mgKOH/gである。数平均分子量及び水酸基価が上記範囲内であると、耐熱性と柔軟性に優れるため好ましい。
[ポリイソシアネート]
ウレタンユニット(A)を構成するポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族、脂肪族又は脂環式のジイソシアネートが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアナネート、キシリレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシレンジイソシアナート、p-テトラメチルキシレンジイソシアナート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジクロロ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、1,5-テトラヒドロナフタレンジイソシアネートが挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートテトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。
脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、水添キシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートが挙げられる。
ポリオールとポリイソシアネートとの反応は、好ましくは無溶剤下で公知のウレタン化反応を用いて行うことができ、ポリイソシアネートを過剰にすることで、両末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーを得ることができる。反応時のイソシアナト基と水酸基とのモル比(NCOモル数/OHモル数)は、好ましくは1.05~2.00、より好ましくは1.10~1.50である。
ウレタン化反応では、反応性を調整する目的で触媒を用いてもよい。
触媒としては、公知の金属系触媒、アミン系触媒等が使用できる。金属系触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジ(2-エチルヘキソエート)、2-エチルヘキソエート鉛、チタン酸2-エチルヘキシル、チタンエチルアセテート、2-エチルヘキソエート鉄、2-エチルヘキソエートコバルト、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、テトラ-n-ブチル錫等が挙げられる。アミン系触媒としては、テトラメチルブタンジアミン等の3級アミン等が挙げられる。触媒の使用量は、好ましくはポリオールの全質量を基準として、0.05~1モル%の範囲である。
[連鎖移動剤]
ウレタンユニット(A)を構成する連鎖移動剤としては、特に制限されないが、分子内にイソシアナト基と反応しうる官能基とスルファニル基とを有するものが好ましい。当該連鎖移動剤を用いると、ウレタンプレポリマーにおける末端イソシアナト基と、連鎖移動剤におけるイソシアナト基と反応しうる官能基とが反応し、両末端にスルファニル基を有するウレタンユニット(A)が形成される。連鎖移動剤は、公知の連鎖移動剤から単独又は2種以上を併用して用いることができる。
上記イソシアナト基と反応しうる官能基としては、水酸基又はアミノ基が挙げられるが、反応性の観点から好ましくはアミノ基である。アミノ基はスルファニル基よりも反応性が高いため、ウレタンプレポリマーの末端イソシアナト基と優先的に反応してウレア結合を形成し、ウレタンユニット(A)の末端に効率的にスルファニル基を導入することができる。
後述の反応性希釈剤(E)における水酸基も、ウレタンプレポリマーの末端イソシアナト基と反応する可能性があるが、水酸基よりも反応性が高いアミノ基を有する連鎖移動剤を用いることで、2官能以上のポリオールとウレタンプレポリマーのイソシアナト基との反応が抑制され、ウレタンユニット(A)の末端に効率的にスルファニル基を導入することができるため好ましい。
分子内に1つのアミノ基と1つのスルファニル基とを有する化合物としては、例えば、2-アミノエタンチオール、3-アミノプロピル-1-チオール、1-アミノプロピル-2-チオール、4-アミノ-1-ブタンチオール等のアミノアルカンチオール類;2-アミノチオフェノール、3-アミノチオフェノール、4-アミノチオフェノール等のアミノベンゼンチオール類が挙げられる。これらの中でも、好ましくはアミノアルカンチオール類であり、より好ましくは2-アミノエタンチオールである。
[ウレタンユニット(A)の含有量]
ウレタンユニット(A)の含有率は、ウレタン・アクリル複合樹脂(C)の全質量を基準として、好ましくは70~97質量%であり、より好ましくは80~95質量%である。ウレタンユニット(A)の含有率が70~97質量%であると、塗膜強度、柔軟性及び接着力に優れるため好ましい。
ウレタンユニット(A)の重量平均分子量は、特に制限されず、好ましくは3,000~200,000の範囲である。3,000以上であると接着力に優れ、200,000以下であると粘度の調整が容易となる。
<反応性希釈剤(E)>
反応性希釈剤(E)は、後述の架橋剤(D)との反応性を有する液状物質であり、ポリカーボネートポリオール(F2)を含むものである。
反応性希釈剤(E)は、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリカーボネートポリオール(F2)以外の、架橋剤(D)との反応性を有する液状物質を含んでもよい。該含んでもよい液状物質として好ましくは、2官能以上の水酸基を有するポリオールである。
接着剤が反応性希釈剤(E)としてポリカーボネートポリオール(F2)を含むことで、接着剤により形成される膜がより強固な硬化膜となり、優れた接着力と、柔軟性、耐熱性、耐薬品性を得ることができる。
ポリカーボネートポリオール(F2)としては、上述のポリカーボネートポリオール(F1)の項に記載した化合物を用いることができ、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明において、ポリカーボネートポリオール(F1)及びポリカーボネートポリオール(F2)は、同一のものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。
前述のとおり、工程2のウレタンユニット(A)は、ウレタンプレポリマーと連鎖移動剤との反応生成物が主成分であり、反応性希釈剤(E)は、大半が未反応のまま残存することが好ましい。
ポリカーボネートポリオール(F2)の含有率は、反応性希釈剤(E)の全質量を基準として、好ましくは50~100質量%であり、より好ましくは80~100質量%である。ポリカーボネートポリオール(F2)の含有率が50~100質量%であると、柔軟性と耐熱性に特に優れるため好ましい。
ポリカーボネートポリオール(F2)の数平均分子量は、好ましくは200~2,000であり、より好ましくは400~1,000である。ポリカーボネートポリオール(F2)の水酸基価は、特に制限されないが、好ましくは50~500mgKOH/gであり、より好ましくは100~300mgKOH/gである。数平均分子量及び水酸基価が上記範囲内であると、接着力、柔軟性、耐熱性、耐薬品性に優れるため好ましい。
反応性希釈剤(E)の含有量は、ウレタン・アクリル複合樹脂(C)と反応性希釈剤(E)の合計質量を基準として、好ましくは30~70質量%であり、より好ましくは35~65質量%である。反応性希釈剤(E)の含有率が30~70質量%であると、柔軟性と耐熱性に特に優れるため好ましい。
<(メタ)アクリルユニット(B)>
(メタ)アクリルユニット(B)は、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)に由来する構成単位を有するものであり、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)を含むエチレン性不飽和単量体を、重合開始剤の存在下に重合させて得られる構造体である。
具体的には、工程2で得られた両末端に連鎖移動剤残基を有するウレタンユニット(A)及び反応性希釈剤(E)を含む組成物と、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)を含むエチレン性不飽和単量体とを、重合開始剤の存在下に重合させることで、ウレタンユニット(A)と、(メタ)アクリルユニット(B)とが、連鎖移動剤残基により連結したブロックポリマーであるウレタン・アクリル複合樹脂(C)及び反応性希釈剤(E)を含む組成物を得ることができる。
[水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)]
水酸基を有する(メタ)アクリル単量体としては、分子内に少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基と水酸基とを有する化合物を用いることができ、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アリルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、又はこれらモノマーのカプロラクトン付加物(付加モル数は1~5)、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)由来の構成単位の含有率は、(メタ)アクリルユニット(B)を構成するエチレン性不飽和単量体の合計質量を基準として、好ましくは25~100質量%であり、より好ましくは50~100質量%である。水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)由来の構成単位の含有率が25~100質量%であると、柔軟性と耐熱性に特に優れるため好ましい。
(水酸基と窒素原子とを有する(メタ)アクリル単量体(b1a))
水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)は、アミド基の高い接着力と密着性の観点から、分子内にさらに窒素原子とを有する(メタ)アクリル単量体(b1a)を含むことが好ましい。このような分子内に水酸基と窒素原子とを有する(メタ)アクリル単量体(b1a)としては、分子内に少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基と水酸基と窒素原子とを有する化合物を用いることができ、例えば、(メタ)アクリルアミド単量体、アミノ基含有(メタ)アクリル単量体、シアノ基含有(メタ)アクリル単量体、又は4級アンモニウムカチオンを含有する(メタ)アクリル単量体を用いることができる。
中でも好ましくは、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体であり、このような単量体としては、例えば、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(メチロール)アクリルアミド、N-メチロール-N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水酸基と窒素原子とを有する(メタ)アクリル単量体(b1a)由来の構成単位の含有率は、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)由来の全構成単位の全質量を基準として、好ましくは50~100質量%であり、より好ましくは60~100質量%である。水酸基と窒素原子とを有する(メタ)アクリル単量体(b1a)由来の構成単位の含有率が50~100質量%であると、塗膜強度と柔軟性に優れるため好ましい。
[その他のエチレン性不飽和単量体]
(メタ)アクリルユニット(B)形成に用いられる、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)以外のエチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル単量体(b1)と共重合可能なものであれば特に制限されず、公知のエチレン性不飽和単量体から適宜選択することができる。
このようなその他のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3-メチル-3-オキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート類;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、又はノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリレート類;メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n-ブトキシエチル(メタ)アクリレート、n-ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルキルエーテル基を有する(メタ)アクリレート類;スチレン、α-メチルスチレン、酢酸ビニル等のビニル類;(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-プロポキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-ペントキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジベンジル(メタ)アクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N-メチルN-ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドン、N,N-ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N-エトキシメチル-N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(エトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル-N-プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(プロポキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル-N-(プロポキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル-N-(メトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(ペントキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル-N-(ペントキシメチル)(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド等の窒素原子を有する(メタ)アクリレート類;が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[重合開始剤]
重合開始剤としては、公知のアゾ系化合物や有機過酸化物を用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アゾ系化合物としては、特に制限されず、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル1,1’-アゾビス(1-シクロヘキサンカーボキシレート)、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリック酸)、2,2’-アゾビス(2-ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、又は2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]が挙げられる。
有機過酸化物としては、特に制限されず、例えば、過酸化ベンゾイル、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサエート、t-ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2-エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシドが挙げられる。
重合開始剤の使用量は、エチレン性不飽和単量体の全質量を基準として、好ましくは0.001~15質量%である。0.001~15質量%の範囲であると、効果的に連鎖移動重合が進行するため好ましい。
[(メタ)アクリルユニット(B)の重量平均分子量]
(メタ)アクリルユニット(B)の重量平均分子量は、特に制限されず、好ましくは2,000~200,000である。2,000以上であると接着力に優れ、200,000以下であると粘度の調整が容易である。
<溶媒>
ポリオールとポリイソシアネートとの反応、ウレタンプレポリマーと連鎖移動剤との反応、連鎖移動剤残基を用いてエチレン性不飽和単量体を重合する反応といった、ウレタン・アクリル複合樹脂を製造する際の反応は、溶媒を用いて行ってもよい。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオールとポリイソシアネートとの反応に用いてもよい溶媒としては、イソシアナト基と反応しないものであれば特に制限されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、トルエン、キシレン、アニソール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、N-メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、m-クレゾール、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトンが挙げられる。
ウレタンプレポリマーと連鎖移動剤との反応に用いてもよい溶媒としては、上述の溶媒の他、エタノール、イソプロパノール、ターシャリーブタノール、ダイアセトンアルコール等のアルコール類を用いることができる。
<ウレタン・アクリル複合樹脂(C)の重量平均分子量>
ウレタン・アクリル複合樹脂(C)の重量平均分子量は、特に制限されず、好ましくは5,000~300,000であり、より好ましくは10,000~100,000である。5,000以上であると接着力に優れ、300,000以下であると粘度の調整が容易である。
<架橋剤(D)>
本発明の接着剤は、上述のウレタン・アクリル複合樹脂(C)及び反応性希釈剤(E)を含む組成物に、さらに架橋剤(D)を含む。
架橋剤(D)としては、接着剤に含まれるウレタン・アクリル複合樹脂(C)又は反応性希釈剤(E)が有する官能基と反応し得る官能基を有するものが好ましく、好ましくはポリイソシアネートである。該ポリイソシアネートとしては、分子内にイソシアナト基を2つ以上有する化合物であれば特に制限されず、上述のポリイソシアネート、及びこれらのビウレット体、ヌレート体、アダクト体、その他縮合体等が挙げられる。これらの架橋剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ビウレット体としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体(製品名「スミジュールN-75」、住化バイエルウレタン社製;製品名「デュラネート 24A-100」、旭化成ケミカルズ社製)が挙げられる。
ヌレート体としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体(製品名「スミジュールN-3300」、住化バイエルウレタン社製)、イソホロンジイソシアネートのヌレート体(製品名「デスモジュールZ-4370」、住化バイエルウレタン社製)、トリレンジイソシアネートのヌレート体(製品名「コロネート 2030」、日本ポリウレタン社製)が挙げられる。
アダクト体としては、上述のポリイソシアネートと、上述のポリオール又は2個以上の活性水素基を有する化合物とを反応させてなる、2官能以上のイソシアネート化合物が挙げられ、例えば、トリメチロールプロパンのヘキサメチレンジイソシアネートアダクト体(製品名「タケネートD-160N」、三井化学社製)、トリメチロールプロパンのイソホロンジイソシアネートアダクト体(製品名「タケネートD-140N」、三井化学社製)が挙げられる。
その他の縮合体としては、上述のポリイソシアネートの多官能体、カルボジイミド変性体、ビウレット変性体又はアロファネート変性体が挙げられ、例えば、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(製品名「PAPI27」、ダウ社製)、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体(製品名「タケネートD-165N」、三井化学社製)、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(製品名「Isonate 143L」、ダウ社製)が挙げられる。
中でも架橋剤として好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体等の3官能イソシアネート化合物、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートであり、これらを使用すると、高い凝集力が得られるため好ましい。より好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートである。
架橋剤(D)中のイソシアナト基と、接着剤中に含まれる全水酸基とのモル比(イソシアナト基のモル数/水酸基のモル数)は、好ましくは0.5~5.0であり、より好ましくは0.8~3.0である。モル比が、0.5~5.0であると、塗膜強度、柔軟性及び接着力に優れるため好ましい。
[その他成分]
本発明の接着剤は、さらに、反応促進剤、シランカップリング剤、リン酸又はリン酸誘導体、レベリング剤又は消泡剤、充填剤、噴射剤、可塑剤、超可塑剤、湿潤剤、難燃剤、粘度調整剤、保存剤、安定剤及び着色剤等の公知の添加剤を含むことができる。このような添加剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応促進剤としては、例えば、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジマレート等金属系触媒;1,8-ジアザ-ビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン-5、6-ジブチルアミノ-1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7等の3級アミン;トリエタノールアミンのような反応性3級アミン等が挙げられる。
反応促進剤の配合量は、ウレタン・アクリル複合樹脂(C)の全質量を基準として、好ましくは0.005~5質量%である。
シランカップリング剤としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するトリアルコキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するトリアルコキシシラン;3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のグリシジル基を有するトリアルコキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアナト基を有するトリアルコキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するトリアルコキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤の配合量は、ウレタン・アクリル複合樹脂(C)の全質量を基準として、好ましくは0.05~10質量%である。
リン酸又はリン酸誘導体の内、リン酸としては、遊離の酸素酸を少なくとも1個有しているものであればよく、例えば、次亜リン酸、亜リン酸、オルトリン酸、次リン酸等のリン酸類、メタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸、ウルトラリン酸等の縮合リン酸類が挙げられる。また、リン酸の誘導体としては、上述のリン酸を遊離の酸素酸を少なくとも1個残した状態でアルコール類と部分的にエステル化されたもの等が挙げられる。これらのアルコールとしては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等の脂肪族アルコール、フェノール、キシレノール、ハイドロキノン、カテコール、フロログリシノール等の芳香族アルコール等が挙げられる。
リン酸又はその誘導体の添加量は、ウレタン・アクリル複合樹脂(C)の全質量を基準として、好ましくは0.005~5質量%である。
レベリング剤としては、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、アクリル系共重合物、メタクリル系共重合物、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、アクリル酸アルキルエステル共重合物、メタクリル酸アルキルエステル共重合物、レシチン等が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、シリコーン溶液、アルキルビニルエーテルとアクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとの共重合物等の公知のものが挙げられる。
<積層体、硬化物>
本発明の硬化物は、好適には、ウレタン・アクリル複合樹脂(C)及び反応性希釈剤(E)からなる組成物と、架橋剤(D)とを公知の方法で混合することで得られる。また、本発明の積層体は、基材上に本発明の接着剤の硬化物からなる層を有するものである。積層体の製造方法は特に制限されず、例えば、接着剤を基材の一方の面に塗布し、次いで、未硬化の接着剤面に他の基材を重ねて、20~150℃程度で加熱処理を行い、接着剤を硬化させることで、積層体を得ることができる。硬化後の接着剤層の厚みは、好ましくは0.1μm~300mmである。
本発明の接着剤は、多種の基材間の接着に用いることができる。好適な基材としては、例えば、アルミニウム等の金属、ポリエチレン、ポリロピレン、ポリウレタン、ポリアクリレート及びポリカーボネート及びそれらのコポリマー等の熱可塑性ポリマー、加硫ゴム等の熱硬化性ポリマー、尿素-ホルムアルデヒドフォーム、メラミン樹脂、木材、炭素繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチック及びその他の繊維強化プラスチックが挙げられ、接着剤層を介して接着される基材は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
本発明の接着剤は、優れた塗膜強度、柔軟性、耐熱性、耐薬品性、及び接着力を有ており、該接着剤を用いた積層体は、自動車、建材、船舶、航空機等の輸送機器の構造部材(パネル部品、骨格部品、足回り部品等)として有用である。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、特に断りのない限り実施例における「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。
<重量平均分子量(Mw)>
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、標準ポリスチレンによる換算値として求めた。測定は、GPC装置としてGPC-8020(東ソー社製)、溶離液としてテトラヒドロフラン、カラムとしてTSKgelSuperHM-M(東ソー社製)を3本直列に連結し、流速0.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃の条件で行った。
本明細書における化合物の略称を以下に示す。
<ポリオール>
・T5651;2官能ポリカーボネートポリオール、数平均分子量1,000、水酸基価110mgKOH/g、商品名「デュラノールT5651」、旭化成社製
・T5650J;2官能ポリカーボネートポリオール、数平均分子量819、水酸基価137mgKOH/g、商品名「デュラノールT5650J」、旭化成社製
・PTG-1000SN;2官能ポリテトラメチレンエーテルグリコール、数平均分子量1,000、水酸基価112mgKOH/g、保土谷化学工業社製
<ポリイソシアネート>
・IPDI:イソホロンジイソシアネート
<(メタ)アクリル単量体>
・HEAA:ヒドロキシエチルアクリルアミド
・HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート
・BMA:n-ブチルメタクリレート
<反応性希釈剤(E)>
・T5650E;2官能ポリカーボネートポリオール、数平均分子量500、水酸基価220mgKOH/g、商品名「デュラノールT5650E」旭化成社製
・G3450J;2官能ポリカーボネートポリオール、数平均分子量800、水酸基価142mgKOH/g、商品名「デュラノールG3450J」旭化成社製
・PTMG650;2官能ポリテトラメチレンエーテルグリコール、数平均分子量600、水酸基価173mgKOH/g、三菱ケミカル社製
<架橋剤>
・ポリメリックMDI:ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ダウ社製
<ウレタン・アクリル複合樹脂の製造>
(製造例1)
窒素ガス導入管、撹拌装置、温度計、還流器を備えた反応容器に、ポリオールとして、T-5651を100.0部、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネートを30.5部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.02部を仕込み、均一に撹拌した後、窒素雰囲気下90℃で5時間反応させてウレタンプレポリマーを得た。
次に、80℃まで冷却し、溶媒としてメチルエチルケトンを55.1部、反応性希釈剤としてT5650Eを139.8部、連鎖移動剤として2-アミノエタンチオール5.7部を加え、75℃で2時間反応させウレタンユニットを得た。反応の終点は、FT-IRによりイソシアナト基由来のピーク(2270cm-1付近)の消失により確認した。
続いて、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)又は水酸基と窒素原子とを有する(メタ)アクリル単量体(b1a)として、HEAA58.7部、その他のエチレン性不飽和単量体としてBMA14.7部を加え均一に撹拌した後、窒素雰囲気下で75℃に昇温した。ここに重合開始剤として2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.1部を30分毎に13回分割して加え、重合開始剤の添加後にさらに2時間反応させて(メタ)アクリルユニットを形成し、減圧下で溶媒を全て除去して、ウレタン・アクリル複合樹脂(C-1)と反応性希釈剤からなる組成物(CE-1)を得た。
(製造例2~29、比較製造例1~2)
表1~3に示す化合物、及び配合組成に変更した以外は、製造例1と同様の操作を行い、製造例2~29及び比較製造例1~2の、ウレタン・アクリル複合樹脂(C-2~C-31)と反応性希釈剤からなる組成物(CE-2~CE-31)をそれぞれ得た。
得られたウレタン・アクリル複合樹脂と反応性希釈剤からなる組成物、並びに、ウレタン・アクリル複合樹脂(C)の重量平均分子量、ウレタン・アクリル複合樹脂(C)中のウレタンユニット(A)の割合(%)、ポリオール中のポリカーボネートポリオール(F1)の割合(%)、(メタ)アクリルユニット(B)中の水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)の割合(%)、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)中の水酸基と窒素原子とを有する(メタ)アクリル単量体(b1a)の割合(%)、ウレタン・アクリル複合樹脂(C)と反応性希釈剤(E)中の反応性希釈剤(E)の割合(%)、反応性希釈剤(E)中のポリカーボネートポリオール(F2)の割合(%)、を表1~3に示す。
Figure 2022057626000001
Figure 2022057626000002
Figure 2022057626000003
<比較用樹脂の製造>
(比較製造例3)ウレタン樹脂(J)
窒素ガス導入管、撹拌装置、温度計、還流器を備えた反応容器に、ポリオールとしてT5651を100.0部、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネート15.6部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.02部を仕込み、均一に撹拌した後、窒素雰囲気下110℃で5時間反応させウレタン樹脂を得た。続いて、反応性希釈剤としてT5650Eを77.0部添加し、十分に撹拌混合して、反応性希釈剤を含む比較用のウレタン樹脂(J)を得た。得られたウレタン樹脂(J)の重量平均分子量は34,000であった。
(比較製造例4)アクリル樹脂(K)
窒素ガス導入管、撹拌装置、温度計、還流器を備えた反応容器に、反応性希釈剤であるT5650Eを8.3部、n-ブチルメタクリレート6.2部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート6.3部、チオグリコール酸2-エチルヘキシル0.1部を加え均一に撹拌した後、窒素雰囲気下で75℃に昇温し、ここに重合開始剤として2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.1部を30分毎に13回分割して加え、重合開始剤を全て添加した後さらに2時間反応させることで、反応性希釈剤を含む比較用のアクリル樹脂(K)を得た。得られたアクリル樹脂(K)の重量平均分子量は18,000であった。
<接着剤の調製>
[実施例1]
製造例1で得られた、組成物(CE-1)を10部、架橋剤(D)としてポリメリックMDIを4.8部、を室温で撹拌混合し、実施例1の接着剤を調製した。
[実施例2~29及び比較例1~5]
表4~7に示す配合組成に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例2~29、及び比較例1~5の接着剤を調製した。
<接着剤の評価>
実施例及び比較例で調製した接着剤について、以下の試験を行った。判定結果を表4~7に記載した。なお、比較例2の接着剤は、粘度が高く試料の調製が困難であったため、試験を実施できなかった。
[せん断接着力]
各接着剤組成物を、ステンレス基材(長さ100mm、幅25mm、厚み2mm)上に、幅25mm、長さ10mm、厚み0.1mmとなるよう塗布し、炭素繊維強化プラスチック基板(長さ100mm、幅25mm、厚み2mm)と貼りあわせ、厚み0.1mmを保持するよう圧着した状態で80℃1日養生させて、試験片を得た。得られた試験片を温度25℃、相対湿度50%の条件下、引張り速度1mm/分で引張り試験機を用いてせん断接着強度を測定し、以下の評価基準で判定した。
(評価基準)
◎ :せん断接着力が、10MPa以上(非常に良好)
○ :せん断接着力が、7MPa以上、10MPa未満(良好)
△ :せん断接着力が、5MPa以上、7MPa未満(使用可能)
× :せん断接着力が、5MPa未満(使用不可)
[破断応力・破断伸度]
厚さ2mmのシート状型枠に各接着剤を充填し、表面を整えて、80℃1日の養生後、3号ダンベル型で打ち抜き、評価用のダンベル型試験片を作製した。このダンベル片を用いて、引張速度50mm/分で引張試験を行い、破断応力(MPa)と破断伸度(%)を測定し、以下の基準で判定した。
(破断応力の評価基準)
◎ :破断応力が、30MPa以上(非常に良好)
○ :破断応力が、25MPa以上、30MPa未満(良好)
△ :破断応力が、20MPa以上、25MPa未満(使用可能)
× :破断応力が、20MPa未満(使用不可)
(破断伸度の評価基準)
◎ :破断伸度が、300%以上(非常に良好)
○ :破断伸度が、250%以上、300%未満(良好)
△ :破断伸度が、200%以上、250%未満(使用可能)
× :破断伸度が、200%未満(使用不可)
[150℃耐熱耐性]
上記[破断応力・破断伸度]と同様にして、ダンベル型試験片を作製した。このダンベル片を150℃の環境下で100時間加熱処理した後、上記[破断応力・破断伸度]と同様に引張試験を行い、破断応力(MPa)と破断伸度(%)を測定した。試験前後の試験片について変化率を算出し、以下の基準で判定した。
(破断応力の変化率の評価基準)
◎ :変化率が、10%未満(非常に良好)
○ :変化率が、10%以上、30%未満(良好)
△ :変化率が、30%以上、50%未満(使用可能)
× :変化率が、50%以上(使用不可)
(破断伸度の変化率の評価基準)
◎ :変化率が、10%未満(非常に良好)
○ :変化率が、10%以上、30%未満(良好)
△ :変化率が、30%以上、50%未満(使用可能)
× :変化率が、50%以上(使用不可)
[150℃耐油耐性]
上記[破断応力・破断伸度]と同様にして、ダンベル型試験片を作製した。このダンベル片を150℃のオートマオイルに100時間浸漬した後、上記[破断応力・破断伸度]と同様に引張試験を行い、破断応力(MPa)と破断伸度(%)を測定した。試験前後の試験片について変化率を算出し、以下の基準で判定した。
(破断応力の変化率の評価基準)
◎ :変化率が、10%未満(非常に良好)
○ :変化率が、10%以上、30%未満(良好)
△ :変化率が、30%以上、50%未満(使用可能)
× :変化率が、50%以上(使用不可)
(破断伸度の変化率の評価基準)
◎ :変化率が、10%未満(非常に良好)
○ :変化率が、10%以上、30%未満(良好)
△ :変化率が、30%以上、50%未満(使用可能)
× :変化率が、50%以上(使用不可)
Figure 2022057626000004
Figure 2022057626000005
Figure 2022057626000006
Figure 2022057626000007
本発明の接着剤は、接着強度、破断応力、破断伸度、耐熱耐性、耐薬品耐性のいずれにおいても良好な結果が得られた。一方で、比較例の接着剤は、接着強度、破断応力、破断伸度、耐熱耐性、耐薬品耐性の一部又は全てが、実施例よりも劣る結果であった。

Claims (9)

  1. ウレタンユニット(A)と(メタ)アクリルユニット(B)とが連鎖移動剤残基により連結したウレタン・アクリル複合樹脂(C)、架橋剤(D)、及び反応性希釈剤(E)を含有する接着剤であって、
    前記ウレタンユニット(A)が、ポリカーボネートポリオール(F1)由来の構成単位を有し、
    前記(メタ)アクリルユニット(B)が、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)由来の構成単位を有し、
    前記反応性希釈剤(E)が、ポリカーボネートポリオール(F2)を含む、接着剤。
  2. 前記ウレタン・アクリル複合樹脂(C)が、ウレタンユニット(A)を、ウレタン・アクリル複合樹脂(C)の全質量を基準として、70~97質量%の範囲で含む、請求項1に記載の接着剤。
  3. 前記ウレタンユニット(A)を構成するポリオールが、ポリカーボネートポリオール(F1)を、ウレタンユニット(A)を構成するポリオールの全質量を基準として、80~100質量%の範囲で含む、請求項1又は2に記載の接着剤。
  4. 前記反応性希釈剤(E)は、ポリカーボネートポリオール(F2)を、反応性希釈剤(E)の全質量を基準として50~100質量%の範囲で含む、請求項1~3いずれか1項に記載の接着剤。
  5. 前記ウレタン・アクリル複合樹脂(C)と前記反応性希釈剤(E)の合計質量を基準として、反応性希釈剤(E)を、30~70質量%の範囲で含む、請求項1~4いずれか1項に記載の接着剤。
  6. 前記(メタ)アクリルユニット(B)を構成するエチレン性不飽和単量体が、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)を、前記エチレン性不飽和単量体の全質量を基準として、25~100質量%の範囲で含む、請求項1~5いずれか1項に記載の接着剤。
  7. 前記水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(b1)が、水酸基と窒素原子とを有する(メタ)アクリル単量体(b1a)を含む、請求項1~6いずれか1項に記載の接着剤。
  8. 請求項1~7いずれか1項に記載の接着剤の硬化物。
  9. 基材上に、請求項8に記載の硬化物からなる層を有する積層体。
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