JP5979151B2 - 低反射膜付き物品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、低反射膜を基材上に有する物品を製造する方法に関する。
外光反射の低減や光透過率の向上を目的とした反射防止機能を有する物品が実用化されている。反射防止機能の付与方法としては、ウェットコート法(スピンコート法、スプレーコート法等)を用いて基材上に低反射膜形成用塗料組成物を塗布し、焼成または乾燥することによって低反射膜を形成する方法が知られている(特許文献1参照)。
スピンコート法は、基材上に低反射膜形成用塗料組成物を滴下し、基材を回転させることによって、遠心力で基材上に低反射膜形成用塗料組成物を塗布する方法である。
スプレーコート法は、所定方向に搬送される基材上に、スプレーヘッドから低反射膜形成用塗料組成物を吹き付けることによって、基材上に低反射膜形成用塗料組成物を塗布する方法である。
しかし、スピンコート法には、下記の問題がある。
・基材が大きくなると、基材を回転させることが困難となる。
・低反射膜が基材の周縁において厚くなりやすく、低反射膜の膜厚の均一性に劣る。
・余分な低反射膜形成用塗料組成物を遠心力で基材から吹き飛ばすため、必要とされる低反射膜形成用塗料組成物の量が多くなる。
また、スプレーコート法には、下記の問題がある。
・スプレーヘッドを基材の幅方向に往復させる必要があるため、幅の広い基材上に均一に低反射膜を形成するためには、基材の搬送速度を遅くする必要がある。
・基材上に付着せずに大気中に飛散する低反射膜形成用塗料組成物が多いため、必要とされる低反射膜形成用塗料組成物の量が多くなる。
国際公開第2010/018852号
本発明は、幅の広い基材に対応でき、基材の搬送速度を比較的速くでき、必要とされる塗料組成物の量が比較的少なく、均一な膜厚の低反射膜を形成でき、かつヘイズの比較的小さい低反射膜を形成しやすい低反射膜付き物品の製造方法を提供する。
本発明の低反射膜付き物品の製造方法は、低反射膜を基材上に有する物品を製造する方法であって、塗料組成物を霧状にし、帯電させることによって静電気で前記基材に付着させる静電塗装法を用いて、前記基材上に塗料組成物を塗布し、該塗料組成物を焼成または乾燥することによって、前記低反射膜を形成する工程を有し、当該工程において用いられる前記塗料組成物は、分散媒(a)と、前記分散媒(a)中に分散した微粒子(b)と、前記分散媒(a)中に溶解または分散したバインダ(c)と、前記分散媒(a)中に溶解または分散した、極性基を有する有機化合物(d)を含むことを特徴とする。
前記塗料組成物は、前記有機化合物(d)として、有機酸を含むことが好ましい。
前記塗料組成物は、前記有機化合物(d)として、テルペン誘導体を含むことが好ましい。
前記塗料組成物は、前記有機化合物(d)として、セルロース誘導体を含むことが好ましい。
前記塗料組成物が、前記有機化合物(d)として、不飽和カルボン酸重合体を含むことが好ましい。
前記塗料組成物の塗布時に、前記基材を導電性基板上に設置することが好ましい。
前記基材は、ガラスであることが好ましい。
前記塗料組成物は、前記微粒子(b)と前記バインダ(c)との質量比[微粒子(b)/バインダ(c)]が、10/90〜95/5であり、前記微粒子(b)と前記バインダ(c)の合計の固形分濃度が、0.5〜5.0質量%であり、前記有機化合物(d)の含有量が、塗料組成物の固形分1質量部に対して、0.01〜2質量部であることが好ましい。
本発明の低反射膜付き物品の製造方法によれば、幅の広い基材に対応でき、基材の搬送速度を比較的速くでき、必要とされる塗料組成物の量が比較的少なく、均一な膜厚の低反射膜を形成でき、かつヘイズの比較的小さい低反射膜を形成しやすい。
本発明における低反射膜付き物品の一例を示す断面図である。 本発明における低反射膜付き物品の他の例を示す断面図である。 静電塗装装置の一例を示す概略図である。
<低反射膜付き物品>
図1は、本発明の製造方法で得られる低反射膜付き物品の一例を示す断面図である。低反射膜付き物品1は、基材2と、基材2の表面に形成された低反射膜3とを有する。
(基材)
基材2の材料としては、ガラス、金属、樹脂、シリコン、木材、または紙等が挙げられる。ガラスとしては、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス、または混合アルカリ系ガラス等が挙げられる。樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、またはポリメタクリル酸メチル等が挙げられる。
基材2の形状としては特に制限はないが、一般的には板、フィルム等が挙げられる。
太陽電池のカバーガラス用の基材2としては、一方の表面に梨地模様の凹凸をつけた型板ガラスが好ましい。前記ガラスとしては、更には該型板ガラスの材料としては、通常の窓ガラス等に用いられるソーダライムガラス(通称、青板ガラス)よりも鉄の成分比が少なく、透明度が高いソーダライムガラス(すなわち、高透過ガラス、通称、白板ガラス)が好ましい。白板ガラスは、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:65〜75%、Al23:0〜10%、CaO:5〜15%、MgO:0〜15%、Na2O:10〜20%、K2O:0〜3%、Li2O:0〜5%、Fe23:0〜3%、TiO2:0〜5%、CeO2:0〜3%、BaO:0〜5%、SrO:0〜5%、B23:0〜15%、ZnO:0〜5%、ZrO2:0〜5%、SnO2:0〜3%、SO3:0〜0.5%、という組成を有することが好ましい。また、無アルカリガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:39〜70%、Al23:3〜25%、B2:1〜30%、MgO:0〜10%、CaO:0〜17%、SrO:0〜20%、BaO:0〜30%、という組成を有することが好ましい。また、混合アルカリ系ガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:50〜75%、Al23:0〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO:6〜24%、Na2O+K2O:6〜24%、という組成を有することが好ましい。
上記した数値範囲を示す「〜」とは、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含む意味で使用され、特段の定めがない限り、以下本明細書において「〜」は、同様の意味をもって使用される。
基材2は、図2に示すように、基材本体4の表面に機能層5を有するものであってもよい。
機能層5としては、アンダーコート層、密着改善層、または保護層等が挙げられる。
アンダーコート層は、アルカリバリア層やワイドバンドの低屈折率層としての機能を有する。アンダーコート層としては、アルコキシシランの加水分解物(ゾルゲルシリカ、すなわちゾルゲル法によるシリカ前駆体)を含むアンダーコート用塗料組成物を基材上に塗布することによって形成される層が好ましい。アンダーコート層の上に後述する低反射膜用の塗料組成物を塗布する場合、アンダーコート層は、あらかじめ焼成されていてもよく、ウェットな状態のままでもよい。アンダーコート層の上に低反射膜用の塗料組成物を塗布する場合、塗付温度(すなわち塗布する際の基材温度)は、室温〜80℃が好ましく、塗布された塗膜の焼成温度は30〜700℃が好ましい。アンダーコート層の膜厚は、10〜500nmが好ましい。
(低反射膜)
低反射膜3は、基材2上に、静電塗装法によって後述する塗料組成物を塗布し、焼成または乾燥することによって形成される、バインダ(c)またはその焼成物と微粒子(b)とを含む膜である。バインダがアルコキシシランの加水分解物の場合、低反射膜3は、アルコキシシランの加水分解物の焼成物(SiO)からなるマトリックス中に微粒子(b)が分散した膜となる。バインダが樹脂の場合、低反射膜3は、樹脂からなるマトリックス中に微粒子(b)が分散した膜となる。低反射膜3は、単層の膜であってもよく、複層の膜であってもよい。
低反射膜3の膜厚は、50〜300nmが好ましく、80〜200nmがより好ましい。低反射膜3の膜厚が50nm以上であれば、光の干渉が起こり、反射防止性能が発現する。低反射膜3の膜厚が300nm以下であれば、クラックが発生せずに成膜できる。
低反射膜3の膜厚は、反射分光膜厚計により測定される。
低反射膜3の反射率は、波長300〜1200nmの範囲内における最も低い値(いわゆるボトム反射率)で、2.6%以下が好ましく、1.0%以下がより好ましい。
<低反射膜付き物品の製造方法>
本発明の低反射膜付き物品の製造方法は、所定方向に搬送される基材2上に、静電塗装法によって、塗布液として後述する塗料組成物を塗布し、形成された塗膜を焼成または乾燥し、硬化させることによって、低反射膜3を形成する方法である。
(静電塗装装置)
図3は、静電塗装装置の一例を示す概略図である。
静電塗装装置10は、コーティングブース11と;コーティングブース11を貫通し、導電性基板6およびこの上に載せられた基材2を所定方向に搬送するチェーンコンベア12と;チェーンコンベア12の上方のコーティングブース11内に、基材2の搬送方向に交差する方向に複数が並んで配置され、それぞれに高電圧ケーブル13、塗料組成物の供給ライン14、塗料組成物の回収ライン15および2系統のエアの供給ライン16が接続された静電塗装ガン17と;高電圧ケーブル13を介して静電塗装ガン17に接続され、かつ接地された高電圧発生装置18と;静電塗装ガン17およびチェーンコンベア12の下方に配置され、排気ダクト19が接続された排気ボックス20とを具備する。
チェーンコンベア12は、複数のプラスチックチェーンからなり、プラスチックチェーンの一部が導電性プラスチックチェーンに置き換えられて導電性を有する。また、チェーンコンベア12は、プラスチックチェーンを嵌め込む金属チェーン(図示略)およびその駆動モータ(図示略)の接地ケーブル(図示略)を介して、接地されている。
塗布時に基材2を導電性基板6上に設置する。導電性基板6が導電性を有するため、チェーンコンベア12、金属チェーンおよび駆動モータの接地ケーブルを介して基材2が充分に接地され、塗料組成物が均一に基材2上に塗布される。導電性基板6としては、基材2の温度降下を抑制し、かつ温度分布を均一化できることから、金属メッシュトレイが好ましい。
静電塗装ガン17は、ノズルセットフレーム(図示略)に固定されている。ノズルセットフレームによって、静電塗装ガン17のノズル先端から基材2までの距離、基材2に対する静電塗装ガン17の角度、および基材2の搬送方向に対する複数の静電塗装ガン17が並ぶ方向等を調整できる。
静電塗装ガン17のノズル先端および塗料組成物の供給ライン14、ならびに回収ライン15には高電圧が印加されるため、静電塗装ガン17、供給ライン14、および回収ライン15と、金属(ノズルセットフレーム、コーティングブース11の側壁貫通部分等)との接続部分は、樹脂等で絶縁処理されている。
なお、静電塗装装置は、図示例のものに限定はされない。基材2上に、静電塗装法によって塗料組成物を塗布し得るものであれば、公知の静電塗装装置を採用できる。
(塗布方法)
静電塗装装置10においては、下記のようにして基材2の表面上に塗料組成物が塗布され、塗膜が形成される。
高電圧発生装置18によって、静電塗装ガン17のノズル先端に高電圧を印加する。同時に、塗料組成物の供給ライン14から塗料組成物を静電塗装ガン17に供給するとともに、エアの供給ライン16からエアを静電塗装ガン17に供給する。静電塗装ガン17のノズル先端から噴霧され、マイナス電荷を帯びた塗料組成物の粒子が、接地された基材2に向かって静電引力によって引き寄せられ、基材2上に効率よく付着する。
静電塗装ガン17のノズル先端から噴霧されなかった一部の塗料組成物は、塗料組成物の回収ライン15を通って塗料組成物タンク(図示略)に回収される。また、静電塗装ガン17のノズル先端から噴霧され、基材2上に付着しなかった一部の塗料組成物は、排気ボックス20に吸引され、排気ダクト19を通って回収される。
基材2の表面温度は、室温〜80℃が好ましく、室温〜70℃がより好ましい。表面温度が80℃より高いと、塗布液滴の乾燥が早くなり過ぎるため、ヘイズや塗布ムラを生じやすい。一方、表面温度が室温より低いと、乾燥に時間がかかり、塗布環境や塗布条件により膜品質が影響を受けやすくなる。
基材2の搬送速度は、0.6〜80.0m/分が好ましく、2.0〜60.0m/分がより好ましい。基材2の搬送速度が0.6m/分以上であれば、生産性が向上する。基材2の搬送速度が80.0m/分以下であれば、基材2上に塗布される塗料組成物の膜厚を制御しやすい。
静電塗装ガン17のノズル先端から基材2までの距離は、基材2の幅、基材2上に塗布される塗料組成物の膜厚等に応じて適宜調整され、通常は、150〜450mmである。基材2までの距離を近づけると塗布効率は高まるが、近づけ過ぎると放電を起こす可能性が高くなり安全上の問題が発生する。一方、基材2までの距離が離れるにしたがって塗布領域は拡大するが、離れ過ぎると塗布効率の低下が問題となる。
静電塗装ガン17のノズル先端に印加される電圧は、基材2上に塗布される塗料組成物の塗布量等に応じて適宜調整され、通常は、−30kV〜−90kVの範囲である。電圧の絶対値が大きい方が塗着効率が高まる傾向にある。なお、液特性、塗布環境および塗布条件にもよるが、印加電圧がある程度の高さになると、塗布効率は飽和に達する。
静電塗装ガン17への塗料組成物の供給量は、基材2上に塗布される塗料組成物の塗布量等に応じて適宜調整され、通常は、40〜600mL/分である。供給量が少な過ぎると膜切れが発生する。最大供給量は、塗布膜厚、塗布スピード、または液特性等によって最適な値を選択できる。
静電塗装ガン17に供給されるエアの圧力は、基材2上に塗布される塗料組成物の塗布量等に応じて適宜調整され、通常は、0.01MPa〜0.5MPaである。供給されるエアは、静電塗装ガン17の回転速度を制御する系統と、塗布パターンを制御する系統の、併せて2系統で形成される。回転速度を制御する系統のエア圧を高くすると回転速度の上昇により液滴が細分化され、塗布パターンが広がる傾向を示す。一方、塗布パターンを制御するエア圧を高くすると噴霧される液滴の広がりを抑制し、効率よく基材2へ塗布できる。これらエア圧のバランス調整により、膜の均一性と塗布効率とを両立できる。具体的には、エア圧が0.01MPaより低いと液滴の広がりが大きくなり過ぎ、膜の外観および均一性に問題が発生し、さらに塗布パターンの形状制御が困難となり、塗布効率も低下する。一方、エア圧が0.5MPaより高いとエアの供給ライン14の耐圧部材の使用からコスト面で不利であり、また生産性および膜品質の面でも特に有利とはならない。
(乾燥、焼成)
塗料組成物の塗布膜の乾燥または焼成温度は、30℃以上が好ましく、基材2、微粒子(b)またはバインダ(c)の材料に応じて適宜決定すればよい。たとえば、基材2、微粒子(b)またはバインダ(c)の材料がともに樹脂の場合、乾燥または焼成温度は樹脂の耐熱温度以下となるが、該温度以下であっても充分な反射防止性能が得られる。焼成温度は、30℃以上、700℃以下が好ましい。基材2がガラスの場合には、低反射膜3の焼成工程とガラスの物理強化工程を兼ねることもできる。物理強化工程では、ガラスは軟化温度付近まで加熱される。この場合、焼成温度は、約600〜700℃に設定される。焼成温度は、通常、基材2の熱変形温度以下とするのが好ましい。焼成温度の下限値は、塗料組成物の配合に応じて決定される。自然乾燥であっても重合はある程度進むため、時間に何らの制約もないのであれば、乾燥または焼成温度を室温付近の温度設定とすることも、理論上は可能である。
(塗料組成物)
塗料組成物は、分散媒(a)と、分散媒(a)中に分散した微粒子(b)と、分散媒(a)中に溶解または分散したバインダ(c)と、分散媒(a)中に溶解または分散した、極性基を有する有機化合物(d)と、必要に応じて他の添加剤とを含む。塗料組成物は、たとえば、微粒子(b)分散液と、バインダ(c)溶液と、有機化合物(d)と、必要に応じて追加の分散媒(a)、他の添加剤とを混合することにより調製される。
塗料組成物の固形分濃度は、0.5〜5.0質量%が好ましく、0.9〜2.0質量%がより好ましい。固形分濃度が0.5質量%以上であれば、塗料組成物の塗膜の膜厚を薄くでき、最終的に得られる低反射膜3の膜厚を均一にしやすい。固形分濃度が5.0質量%以下であれば、基材2上に塗布される塗料組成物の塗膜の膜厚を均一にしやすい。
塗料組成物の固形分とは、微粒子(b)およびバインダ(c)(ただし、バインダ(c)がアルコキシシランの加水分解物の場合、SiO換算固形分濃度)の合計を意味する。
有機化合物(d)の含有量は、塗料組成物の固形分1質量部に対して、0.01〜2質量部が好ましく、0.03〜1質量部がより好ましい。有機化合物(d)が0.01質量部以上であれば、静電塗装の際に静電気力による微粒子(b)の凝集が充分に抑えられ、その結果、ヘイズが充分に小さい低反射膜が形成される。有機化合物(d)が2質量部以下であれば、低反射膜3の強度が良好となる。
微粒子(b)とバインダ(c)との質量比(微粒子/バインダ)は、95/5〜10/90が好ましく、70/30〜90/10がより好ましい。微粒子/バインダが95/5以下であれば、低反射膜3と基材2との密着性が充分に高くなる。微粒子/バインダが10/90以上であれば、反射防止性能が充分に高くなる。
本発明の塗料組成物は、前記微粒子(b)と前記バインダ(c)との質量比[微粒子(b)/バインダ(c)]が、10/90〜95/5であり、前記微粒子(b)と前記バインダ(c)の合計の固形分濃度が、0.5〜5.0質量%であり、前記有機化合物(d)の含有量が、塗料組成物の固形分1質量部に対して、0.01〜2質量部であることが好ましい。
(分散媒(a))
分散媒(a)(ただし、後述の有機化合物(d)を除く。)としては、水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル等)、グリコールエーテル類(エチレングリコールモノアルキルエーテル等)、含窒素化合物(N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、含硫黄化合物(ジメチルスルホキシド等)等が挙げられる。
バインダ(c)がアルコキシシランの加水分解物の場合の分散媒(a)は、アルコキシシランの加水分解に水が必要となるため、水を含む必要がある。
分散媒(a)は、基材2またはバインダ(c)に応じて適宜選択することが好ましい。
基材2がポリカーボネートの場合の分散媒(a)としては、ポリカーボネートを溶解できる溶媒(たとえば、含窒素化合物等)を含むアルコール系分散媒が好ましい。
基材2がポリエチレンテレフタレートの場合の分散媒(a)としては、ポリエチレンテレフタレートを溶解できる溶媒(たとえば、ジクロロメタン等)を含むアルコール系分散媒が好ましい。
基材2がトリアセチルセルロースの場合、バインダ(c)としてはポリエステル、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等が用いられ、バインダ(c)がポリエステルの場合の分散媒(a)としては、酢酸エチル等が好ましい。
(微粒子(b))
微粒子(b)としては、金属酸化物微粒子、金属微粒子、顔料系微粒子、および樹脂微粒子からなる群から選択される少なくとも1種が好適な材料として挙げられる。
金属酸化物微粒子の材料としては、Al、SiO、SnO、TiO、ZrO、ZnO、CeO、Sb含有SnO(ATO)、Sn含有In(ITO)、RuOからなる群から選択される少なくとも1種が好適な材料として挙げられる。中でも、SiOは、低屈折率である点から、低反射膜3の材料として好適であり、特に好ましい。
金属微粒子の材料としては、Ag、Ru等の金属、AgPd、RuAu等の合金、等が挙げられる。
顔料系微粒子としては、チタンブラック、カーボンブラック等の無機顔料、有機顔料が挙げられる。
樹脂微粒子の材料としては、アクリル樹脂、ポリスチレン、メラニン樹脂等が挙げられる。
微粒子(b)の形状としては、球状、楕円状、針状、板状、棒状、円すい状、円柱状、立方体状、長方体状、ダイヤモンド状、星状、または不定形状等が挙げられる。また、微粒子(b)は、中空状または穴あき状、または連通孔状であってもよい。また、微粒子(b)は、各微粒子が独立した状態で存在していてもよく、各微粒子が鎖状に連結していてもよく、各微粒子が凝集していてもよい。微粒子(b)としては、上記した形状のものが混在していてもよい。
微粒子(b)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
微粒子(b)の平均凝集粒子径は、1〜1000nmが好ましく、3〜500nmがより好ましく、5〜300nmがさらに好ましい。微粒子(b)の平均凝集粒子径が1nm以上であれば、反射防止効果が充分に高くなる。微粒子(b)の平均凝集粒子径が1000nm以下であれば、低反射膜3のヘイズが低く抑えられる。
微粒子(b)の平均凝集粒子径は、分散媒(a)中における微粒子(b)の平均凝集粒子径であり、動的光散乱法で測定される。なお、凝集がみられない単分散の微粒子(b)の場合には、平均凝集粒子径は平均一次粒子径と等しい。
本発明における低反射膜3は、微粒子(b)の周囲に選択的に形成された空隙によって反射防止効果を発現しているため、微粒子(b)の材料として必ずしも低屈折率のもの(たとえばSiO)を用いる必要がない。そのため、微粒子(b)の有する様々な特性と反射防止効果とを併せ持つ低反射膜3を形成できる。たとえば、微粒子(b)の材料がSiOの場合、低反射膜3の屈折率をより低くできるため、反射率が充分に低い低反射膜3を形成できる。また、微粒子(b)の材料がATOの場合、導電性および/または赤外線遮蔽性と反射防止効果とを併せ持つ低反射膜3を形成できる。また、微粒子(b)の材料がCeOまたはZnOの場合、紫外線吸収性と反射防止効果とを併せ持つ低反射膜3を形成できる。また、微粒子(b)の材料が高屈折率のTiOの場合であっても、従来では考えられなかった1層コートで低反射膜3を形成でき、そのため、TiOの有する親水性、抗菌性等と反射防止効果とを併せ持つ低反射膜3を形成できる。また、微粒子(b)の材料が熱分解型アクリル樹脂の場合も低反射膜3を形成できる。また、微粒子(b)の材料が有機顔料または無機顔料の場合、着色した低反射膜3を形成でき、また、反射防止機能を有する着色フィルタ等を製造できる。
(バインダ(c))
バインダ(c)としては、アルコキシシランの加水分解物(ゾルゲルシリカ)、樹脂(たとえば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、または紫外線硬化性樹脂等)等が挙げられる。
バインダ(c)は、基材2に応じて適宜選択することが好ましい。
基材2がガラスである場合のバインダ(c)としては、アルコキシシランの加水分解物が好ましい。
アルコキシシランとしては、テトラアルコキシシラン(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等)、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン(パーフルオロポリエーテルトリエトキシシラン等)、パーフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン(パーフルオロエチルトリエトキシシラン等)、ビニル基を有するアルコキシシラン(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等)、エポキシ基を有するアルコキシシラン(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等)、アクリロイルオキシ基を有するアルコキシシラン(3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等)等が挙げられる。
アルコキシシランの加水分解は、テトラアルコキシシランの場合、アルコキシシランの4倍モル以上の水および触媒として酸またはアルカリを用いて行う。酸としては、無機酸(HNO、HSO、HCl等)、有機酸(ギ酸、しゅう酸、モノクロル酢酸、ジクロルム酢酸、トリクロル酢酸等)が挙げられる。アルカリとしては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。触媒としては、長期保存性の点から、酸が好ましく、また、触媒としては、微粒子(b)の分散を妨げないものが好ましい。
(有機化合物(d))
極性基を有する有機化合物(d)を含ませることによって、塗料組成物中における静電気力による微粒子(b)の凝集を抑制し、その結果、ヘイズが十分に小さい低反射膜が形成される。
有機化合物(d)としては、低反射膜3の反射防止効果の点から、分子中に水酸基および/またはカルボニル基を有するものが好ましく、分子中に水酸基、アルデヒド基(−CHO)、ケト基(−C(=O)−)、エステル結合(−C(=O)O−)、およびカルボキシ基(−COOH)からなる群から選ばれる官能基の少なくとも1種以上を有するものがより好ましく、分子中にカルボキシ基、水酸基、アルデヒド基およびケト基からなる群から選ばれる官能基の少なくとも1種以上を有するものがさらに好ましい。
有機化合物(d)としては、有機酸(ただし、不飽和カルボン酸重合体を除く。)、テルペン誘導体、セルロース誘導体、または不飽和カルボン酸重合体が好ましい。
塗料組成物は、少なくとも有機酸を含むことが好ましく、有機酸と、テルペン誘導体、セルロース誘導体および不飽和カルボン酸重合体からなる群から選ばれる1種以上とを含むことがより好ましい。
上記した有機酸としては、ギ酸、しゅう酸、モノクロル酢酸、ジクロルム酢酸、トリクロル酢酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸等が挙げられる。
有機酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アルコキシシランの加水分解に触媒として有機酸を用いた場合、該有機酸も化合物(d)としての有機酸に含まれる。
テルペンとは、イソプレン(C)を構成単位とする(C(ただし、nは1以上の整数である。)の組成の炭化水素を意味する。テルペン誘導体とは、テルペンから誘導される官能基を有するテルペン類を意味する。テルペン誘導体(d)は、不飽和度を異にするものも包含する。
テルペン誘導体としては、テルペンアルコール(たとえば、α−テルピネオール、テルピネン4−オール、L−メントール、(±)シトロネロール、ミルテノール、ボルネオール、ネロール、ファルネソール、フィトール等)、テルペンアルデヒド(たとえば、シトラール、β−シクロシトラール、ペリラアルデヒド等)、テルペンケトン(たとえば、(±)しょうのう、β−ヨノン等)、テルペンカルボン酸(シトロネル酸、アビエチン酸等)、テルペンエステル(たとえば、酢酸テルピニル、酢酸メンチル等)等が挙げられる。
テルペン誘導体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
セルロース誘導体としては、ポリヒドロキシアルキルセルロースが挙げられる。
不飽和カルボン酸重合体としては、ポリアクリル酸が挙げられる。
(他の添加剤)
他の添加剤としては、レベリング性向上のための界面活性剤、低反射膜3の耐久性向上のための金属化合物等が挙げられる。
界面活性剤としては、シリコーンオイル系、アクリル系等が挙げられる。
金属化合物としては、ジルコニウムキレート化合物、チタンキレート化合物、アルミニウムキレート化合物等が好ましい。ジルコニウムキレート化合物としては、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムトリブトキシステアレート等が挙げられる。
(作用効果)
以上説明した本発明の低反射膜付き物品の製造方法にあっては、静電塗装法によって上記したように塗料組成物を塗布しているため、マイナス電荷を帯びた塗料組成物の粒子が、接地された基材に向かって静電引力によって引き寄せられ、基材上に効率よく付着する。そのため、幅の広い基材に対応でき、必要とされる塗料組成物の量が比較的少なく、かつ均一な膜厚の低反射膜を形成できる。また、静電塗装ガンを基材の幅方向に往復させる必要がないため、基材の搬送速度を比較的速くできる。
また、以上説明した本発明の低反射膜付き物品の製造方法にあっては、塗料組成物が極性基を有する有機化合物(d)を含むため、微粒子(b)の表面が有機化合物(d)によって被覆されることによって、静電塗装の際に静電引力による微粒子(b)の凝集が抑えられ、その結果、ヘイズが小さい低反射膜が形成される。すなわち、極性基を有する有機化合物(d)(有機酸等)の官能基(たとえば、水酸基、カルボキシ基等)は、大きく分極しているため、微粒子(b)の表面に結合しやすく、その結果、微粒子(b)の表面が有機化合物(d)によって被覆されやすい。そして、微粒子(b)の表面を被覆する有機化合物(d)による立体障害によって、静電塗装の際に静電引力による微粒子(b)の凝集が抑えられる。
また、以上説明した塗料組成物にあっては、分散媒(a)と微粒子(b)とバインダ(c)とを含むため、反射防止効果を有する低反射膜を低コストで、かつ比較的低温であっても形成できる。
すなわち、上述した塗料組成物を用いて低反射膜を形成すると、低反射膜中の微粒子(b)の周囲に選択的に空隙が形成されるため、該空隙によって反射防止性能が向上している。
また、塗料組成物が極性基を有する有機化合物(d)を含む場合、空隙部の容積が増えることから、反射防止効果は大きくなる。
また、以上説明した低反射膜付き物品にあっては、反射防止効果が高く、低コストで、かつ比較的低温であっても形成できる塗膜を有するため、高い反射防止効果を有し、さらに、当該物品を製造する際に用いることができる基材があまり限定されず、かつ比較的低コストで製造できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
例2〜9、11〜13、15、16は実施例であり、例1、10、14は比較例である。
(中空状微粒子の外殻の厚さおよび空孔径)
微粒子として使用される中空状微粒子の外殻の厚さおよび空孔径は、中空状微粒子の分散液をエタノールで0.1質量%に希釈した後、コロジオン膜上にサンプリングして透過型電子顕微鏡(日立製作所社製、H−9000)にて観察し、100個の中空状微粒子を無作為に選び出し、各中空状微粒子の外殻の厚さおよび空孔径を測定し、100個の中空状微粒子の外殻の厚さおよび空孔径をそれぞれ平均して求めた。
(微粒子の平均凝集粒子径)
微粒子の平均凝集粒子径は、動的光散乱法粒度分析計(日機装社製、マイクロトラックUPA)を用いて測定した。
(膜厚)
低反射膜の膜厚は、反射分光膜厚計(大塚電子株式会社製、FE3000)を用いて分光反射率を測定し、最小二乗法によりn−k Cauchyの分散式から得られたカーブと実測した反射カーブをフィッティングさせることで測定した。
(透過率)
低反射膜付き物品の透過率は、分光光度計(日本分光社製、V670)を用いて、波長400nm〜1100nmにおける光の透過率を測定した。
下式(1)から透過率差を求めた。
透過率差=低反射膜付き物品の透過率−基材のみの透過率 ・・・(1)。
(反射率)
低反射膜とは反対側の基材の表面に、黒のビニールテープを、気泡を含まないように貼り付けた後、基材の中央部の100mm×100mmの低反射膜の反射率を測定した。なお、反射率は、波長300〜1200nmの範囲におけるボトム反射率(すなわち、波長300〜1200nmの範囲内における最も低い値)である。ボトム反射率を示す波長が380nm以下または780nm以上の場合は、分光光度計(日本分光社製、V670)を用いた。また、ボトム反射率を示す波長が380〜780nmの場合は、分光光度計(大塚電子社製、瞬間マルチ測光システムMCPD−3000)を用いた。
(耐摩耗性)
フェルトパッド(新高理化工業社製、研磨パフ、AM−1)をラビングテスター(大平理化工業社製)に取り付け、該フェルトパッドを1.0kg/cmの荷重にて低反射膜の表面で水平往復運動させ、フェルトパッドを40往復させた後の低反射膜付き物品の外観変化を評価した。外観変化は、蛍光板の上に低反射膜付き物品を置き、該蛍光板から20cmの位置から目視にて低反射膜の表面を観察し、下記の基準にて評価した。
◎:塗膜に傷がない。
○:塗膜に傷がわずかにある。
△:塗膜に傷が多数ある。
×:塗膜が完全になくなっている。
(バインダ溶液(c−1)の調製)
変性エタノール(日本アルコール販売社製、ソルミックスAP−11、エタノールを主剤とした混合溶媒、以下同様)の80.39gを撹拌しながら、これにイオン交換水の11.85gおよび61%硝酸の0.009gを加え、5分間撹拌した。これに、テトラエトキシシラン(SiO換算固形分濃度:29質量%)の7.6gを加え、室温で60分間撹拌し、SiO換算固形分濃度が2.2質量%のバインダ溶液(c−1)を調製した。
なお、SiO換算固形分濃度は、テトラエトキシシランのすべてのSiがSiOに転化したときの固形分濃度である。
(バインダ溶液(c−2)の調製)
変性エタノール(ソルミックスAP−11)の80.49gを撹拌しながら、これにイオン交換水の11.85gおよび無水しゅう酸の0.016gとの混合液を加え、5分間撹拌した。これに、テトラエトキシシラン(SiO換算固形分濃度:29質量%)の7.6gを加え、室温で60分間撹拌し、SiO換算固形分が2.2質量%のバインダ溶液(c−2)を調製した。
なお、SiO換算固形分濃度は、テトラエトキシシランのすべてのSiがSiOに転化したときの固形分濃度である。
(バインダ溶液(c−3)の調製)
変性エタノール(ソルミックスAP−11)の80.49gを撹拌しながら、これにイオン交換水の11.85gとL−酒石酸の0.015gとの混合液を加え、5分間撹拌した。これに、テトラエトキシシラン(SiO換算固形分濃度:29質量%)の7.6gを加え、室温で60分間撹拌し、SiO換算固形分が2.2質量%のバインダ溶液(c−3)を調製した。
なお、SiO換算固形分濃度は、テトラエトキシシランのすべてのSiがSiOに転化したときの固形分濃度である。
(バインダ溶液(c−4)の調製)
変性エタノール(ソルミックスAP−11)の80.49gを撹拌しながら、これにイオン交換水の11.85gとクエン酸の0.015gとの混合液を加え、5分間撹拌した。これに、テトラエトキシシラン(SiO換算固形分濃度:29質量%)の7.6gを加え、室温で60分間撹拌し、SiO換算固形分が2.2質量%のバインダ溶液(c−4)を調製した。
なお、SiO換算固形分濃度は、テトラエトキシシランのすべてのSiがSiOに転化したときの固形分濃度である。
(中空状SiO微粒子分散液(b−1)の調製)
変性エタノールの29.07gを撹拌しながら、これに水の39g、ZnO微粒子分散液(石原産業社製、FZO−50、固形分濃度:20質量%、平均一次粒子径:21nm、平均凝集粒子径:40nm)の21g、テトラエトキシシラン(SiO換算固形分量:29質量%)の10gを加えた後、28質量%のアンモニア水溶液の0.75gを加え、分散液のpHを10に調整し、20℃で4.5時間撹拌した。これに、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート(関東化学社製)の0.18gを加え、1.5時間攪拌し、コア−シェル型微粒子分散液(固形分濃度:7.2質量%)の100gを得た。
得られたコア−シェル型微粒子分散液に、強酸性カチオン交換樹脂(三菱化学社製、ダイヤイオン、総交換量:2.0mseq/mL以上)の100gを加え、1時間撹拌してpHが4となった後、ろ過により強酸性カチオン樹脂を除去し、SiO換算固形濃度が3質量%の中空状SiO微粒子分散液の100gを得た。中空状SiO微粒子の外殻の厚さは6nmであり、空孔径は30nmであり、平均凝集粒子径は50nmであった。該中空状SiO微粒子分散液を限外ろ過膜で濃縮し、SiO換算固形分濃度が12質量%の中空状SiO微粒子分散液(b−1)を得た。
(塗料組成物(A)の調製)
変性エタノールの43.48gを撹拌しながら、これに、バインダ溶液(c−1)の12.27g、中空状SiO微粒子分散液(b−1)の5.25gを加え、ジアセトンアルコール(以下、DAAと記す。)の15.0g、2−ブタノールの24.0g、テルペン誘導体であるα−テルピネオールの0.1g、アルミニウムトリアセチルアセトナート(以下、Al(AcAc)と記す。)の0.1gを加え、固形分濃度が0.9質量%の塗料組成物(A)を調製した。組成を表1に示す。
(塗料組成物(B)の調製)
変性エタノールの43.48gを撹拌しながら、これに、バインダ溶液(c−2)の12.27g、中空状SiO微粒子分散液(b−1)の5.25gを加え、DAAの15.0g、2−ブタノールの24.0g、Al(AcAc)の0.1g、α−テルピネオールの0.5gを加え固形分濃度が0.9259質量%の塗料組成物(B)を調製した。組成を表1に示す。
(塗料組成物(C)〜(I)の調製)
表1に示す配合に変更した以外は、塗料組成物(B)と同様にして塗料組成物(C)〜(I)を調製した。組成を表1に示す。
(塗料組成物(J)の調製)
変性エタノールの46.63gを撹拌しながら、これに、バインダ溶液(c−1)の12.27g、TiO微粒子分散液(b−2)(石原産業社製 SNS−01)の2.10gを加え、DAAの15.0g、2−ブタノールの24.0gを加え、固形分濃度が0.8991質量%の塗料組成物(J)を調製した。組成を表1に示す。
(塗料組成物(K)の調製)
変性エタノールの46.63gを撹拌しながら、これに、バインダ溶液(c−1)の12.27g、TiO微粒子分散液(b−2)の2.10gを加え、DAAの15.0g、2−ブタノールの24.0g、Al(AcAc)の0.1g、α−テルピネオールの0.5gを加え固形分濃度が0.9259質量%の塗料組成物(K)を調製した。組成を表1に示す。
(塗料組成物(L)〜(M)の調製)
表1に示す配合に変更した以外は、塗料組成物(K)と同様にして塗料組成物(L)〜(M)を調製した。組成を表1に示す。
(塗料組成物(N)の調製)
変性エタノールの42.43gを撹拌しながら、これに、バインダ溶液(c−1)の12.27g、水溶性アクリル樹脂微粒子分散液(b−3)(日本触媒社製 エポスターMX−030W)の6.30gを加え、DAAの15.0g、2−ブタノールの24.0gを加え、固形分濃度が0.8991質量%の塗料組成物(N)を調製した。組成を表1に示す。
(塗料組成物(O)の調製)
変性エタノールの42.43gを撹拌しながら、これに、バインダ溶液(c−1)の12.27g、水溶性アクリル樹脂微粒子分散液(b−3)の6.30gを加え、DAAの15.0g、2−ブタノールの24.0g、Al(AcAc)の0.1g、α−テルピネオールの0.5gを加え、固形分濃度が0.9259質量%の塗料組成物(O)を調製した。組成を表1に示す。
(塗料組成物(P)の調製)
表1に示す配合に変更した以外は、塗料組成物(O)と同様にして塗料組成物(P)を調製した。組成を表1に示す。
Figure 0005979151
(静電塗装装置)
図1に示す静電塗装装置10(液体静電コータ、旭サナック社製)を用意した。
静電塗装ガン17としては、回転霧化静電自動ガン(旭サナック社製、エスポターボII ESA88 50φカップ)を用意した。回転霧化静電自動ガンを、基材2の搬送方向に交差する方向に、600mm間隔で3本並べた。基材2の温度分布を均一化し、かつ接地をより取りやすくするために導電性基板6として金属メッシュトレイを用いた。
〔例1〕
基材として型板ガラス[旭硝子社製、商品名:「Solite」(低鉄分の高透過度のソーダライムガラス(白板ガラス)であって、一方の表面に梨地模様の凹凸が形成された型板ガラス)、サイズ:400mm×400mm、厚さ:3.2mm]を用意し、酸化セリウム水分散液で型板ガラスの梨地模様面を研磨洗浄し、水で酸化セリウムを洗い流した後、イオン交換水でリンスし、乾燥させた。
図1に示す静電塗装装置10のコーティングブース11内の温度を25℃±1℃、湿度を60%±10%に調節した。
静電塗装装置10のチェーンコンベア12の上に、あらかじめ30〜35℃に加温した型板ガラスを、導電性基板6を介して置いた。チェーンコンベア12で等速搬送しながら、型板ガラスの梨地模様面上に、表2に示す塗布条件による静電塗装法によって塗料組成物(A)を塗布した後、大気中、550℃で30分間焼成し、低反射膜付き物品を得た。該物品を評価した。結果を表2に示す。
〔例2〜16〕
塗料組成物、塗布条件を表2に示す塗料組成物、塗布条件に変更した以外は、例1と同様にして低反射膜が形成された物品を得た。該物品を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0005979151
本発明の製造方法で得られた低反射膜付き物品は、外光反射の低減や光透過率の向上を目的とした反射防止機能を有する物品、たとえば、太陽電池のカバーガラス、太陽光集熱発電装置(たとえば、集熱管、反射鏡等)、ディスプレイ(たとえば、LCD、PDP、有機EL、CRT、SED等)、それらの前面板、乗り物(たとえば、自動車、電車、航空機、船舶等)用窓ガラス、住宅用窓ガラス、住宅・店舗用内装ガラス、産業用加工ガラス、照明器具、タッチパネルのカバーガラス等として有用である。
なお、2011年11月4日に出願された日本特許出願2011−241864号の明細書、特許請求の範囲、図面および要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。
1 低反射膜付き物品
2 基材
3 低反射膜
10 静電塗装装置

Claims (8)

  1. 低反射膜を基材上に有する物品を製造する方法であって、
    塗料組成物を霧状にし、帯電させることによって静電気で前記基材に付着させる静電塗装法を用いて、前記基材上に前記塗料組成物を塗布し、該塗料組成物を焼成または乾燥することによって、前記低反射膜を形成する工程を有し、
    当該工程において用いられる前記塗料組成物は、分散媒(a)と、前記分散媒(a)中に分散した微粒子(b)と、前記分散媒(a)中に溶解または分散したバインダ(c)と、前記分散媒(a)中に溶解または分散した、極性基を有する有機化合物(d)を含むことを特徴とする低反射膜付き物品の製造方法。
  2. 前記塗料組成物が、前記有機化合物(d)として、有機酸を含む、請求項1に記載の低反射膜付き物品の製造方法。
  3. 前記塗料組成物が、前記有機化合物(d)として、テルペン誘導体を含む、請求項1または2に記載の低反射膜付き物品の製造方法。
  4. 前記塗料組成物が、前記有機化合物(d)として、セルロース誘導体を含む、請求項1または2に記載の低反射膜付き物品の製造方法。
  5. 前記塗料組成物が、前記有機化合物(d)として、不飽和カルボン酸重合体を含む、請求項1または2に記載の低反射膜付き物品の製造方法。
  6. 前記塗料組成物の塗布時に、前記基材を導電性基板上に設置する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の低反射膜付き物品の製造方法。
  7. 前記基材が、ガラスである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の低反射膜付き物品の製造方法。
  8. 前記塗料組成物は、前記微粒子(b)と前記バインダ(c)との質量比[微粒子(b)/バインダ(c)]が、10/90〜95/5であり、前記微粒子(b)と前記バインダ(c)の合計の固形分濃度が、0.5〜5.0質量%であり、前記有機化合物(d)の含有量が、塗料組成物の固形分1質量部に対して、0.01〜2質量部である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の低反射膜付き物品の製造方法。
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