JP5975917B2 - 壁体構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、壁体構造物に関するものである。
堰堤や擁壁、あるいは護岸などの壁体構造物を構築するにあたり、前面体と後面体との間に石材などの中詰め材を充填したものが知られている。この壁体構造物における前面体は、鋼製の枠体に棒状の前面材を配設して構成されている。同様に、後面体は、構成の枠体に棒状の後面材を配設して構成されている。さらに、前面体の枠体と後面体の枠体とがつなぎ材よって接続されている。
この種の壁体構造物として、従来、中詰めされた小礫を含む中詰め材の流出を防止する混合擁壁がある(たとえば、特許文献1参照)。この混合擁壁は、金属製の線材で形成されている籠状物と、この籠状物の内部に充填されている中詰材とを備えている。籠状物の表面には、エキスパンドメタルよりなる壁面材が取り付けられている。壁面材を籠状物の表面に取り付けるにあたり、Uボルトと2つの孔が設けられた板とを備えてなる連結固定具が用いられている。
壁体構造物としては、小礫を含む中詰め材の流出を防止するためにエキスパンドメタルなどの網状体を用いるものも知られている。このような壁体構造物においては、従来、番線や上記特許文献1に記載されたU字ボルト等を備える連結固定具などによって前面材にエキスパンドメタルなどの網状体を固定するものが知られている。
特開2005−273377号公報
しかし、番線(なまし鉄線)やU字ボルト等を用いた連結固定具などを用いた壁体構造物では、枠体に対するエキスパンドメタルなどの網体の取付位置については、現場で適宜決定されている。このため、網体の取付位置が適切とならない場合が少なくなく、この場合、枠体に対する網体の位置が確定できなくなってしまう。
中詰め材の流出を防止するためには、枠体表面全体を網体で覆う必要があるため、枠体表面積が大きいときには、複数の網体を設置する場合がある。この場合は、網体の端部より中詰め材が流出することがないように、隣り合う網体の一部を重ね合わせている。このとき、網体の位置が確定できないと、網体の重ね代を大きくとる必要が生じてしまい、網体(網状体)の使用面積が大きくなることがあるという問題があった。また、仮に1枚の網体で取付面を覆うとしても、網体の位置が確定できないと、取付面に隙間が生じ、中詰め材の流出を確実に防止できなくなることがあるという問題があった。
そこで、本発明の課題は、所望の位置に網状体を取り付けられるようにすることにより、網状体の使用面積を小さく済ませるとともに、中詰め材の流出などを抑制することができる壁体構造物を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る壁体構造物は、棒状部材を有する前面体および後面体を備え、前面体と後面体との間に中詰め材が充填され、前面体および後面体の少なくとも一方に中詰め材の流出を防止する中詰め材流出防止構造が形成された壁体構造物であって、中詰め材流出防止構造は、棒状部材および網状体を有し、棒状部材に対して所定位置に設けられた網状体を締結するための締結手段を有し、前記締結手段は、前記網状体を締結するためのボルトのねじ部が貫通する貫通孔が形成された、前記棒状部材の間に設けられている固定プレートを備えたボルト取付手段であり、前記固定プレートに取り付けられたボルトにおけるねじ部が前記網状体における網目に貫通しているとともに、前記ボルトにおけるねじ部にナットがねじ込まれて、前記棒状部材に設けられた前記固定プレートと前記網状体が前記ボルトの頭部とナットとによって挟み込まれており、前記ボルトの頭部と前記ナットとによって前記網状体が締め付けられて、前記棒状部材に前記網状体が固定されてなることを特徴とする。
本発明に係る壁体構造物においては、締結手段によって網状体を棒状部材に対して固定することにより、棒状部材と網状体との相対位置関係を所定の位置関係に精度良く配置することができる。よって、網状体の重ね代を少なくすることができるので、使用する網状体の面積を小さく済ませることができる。
結手段としてボルト取付手段を用いることにより、ボルト取付手段ではボルトとナットとの結合によって枠体に対して網状体を固定しているので、枠体に対して網状体を強固に固定することができる。したがって、中詰め材の流出などを抑制することができる。
結手段が隣接する棒状部材を連結するように溶接等によって強固に固定されていることにより、補剛効果によって隣接する棒状部材の強度を高めることができる。さらに、棒状部材の強度が高められることにより、中詰め材の圧力によって網状体にたわみを生じさせないようにすることもできる。
また、隣接する棒状部材の間に締結手段が配設されており、隣接する棒状部材が一体構造とされているようにすることができる。この場合、締結手段が隣接する棒状部材を連結するように溶接等によって強固に固定されているので、補剛効果によって隣接する棒状部材の強度を高めることができる。さらに、棒状部材の強度が高められることにより、中詰め材の圧力によって網状体にたわみを生じさせないようにすることもできる。
また、網状体がエキスパンドメタルであるようにすることができる。
網状体がエキスパンドメタルであることにより、中詰め材の流出を効果的に防止できるとともに、壁体構造体としても良好となる強度を維持することができる。
また、ボルト取付手段における貫通孔は、所定長さの長孔であるようにすることができる。
本発明では、締結手段は、ボルトのねじ部が貫通する所定長さの長孔を備えている。このため、枠体に対して網状体がわずかにずれていたとしてもボルトにおけるねじ部の貫通位置を長孔内で調整して、枠体に対する網状体のズレを吸収することができる。したがって、枠体に対する網状体の取付を効率よく行うことができる。
さらに、締結手段は、ボルトのねじ部が貫通する長孔を備え、エキスパンドメタルにおける網目は、短辺と長辺とを備えた略菱形形状をなしており、長孔における長手方向が、エキスパンドメタルにおける網目の長辺方向に沿って形成されているようにすることができる。
枠体に網状体を取り付ける際には、横方向に対するずれが大きくなる傾向にある。この点、本発明においては、長孔における長手方向が、エキスパンドメタルにおける網目の長辺方向に沿って形成されている。このため、枠体に対する網状体の横方向のズレを好適に抑制することができる。
また、エキスパンドメタルにおける網目は、短辺と長辺とを備えた略菱形形状をなしており、長孔における長手方向が、エキスパンドメタルにおける網目の長辺方向に沿って形成されている。このため、枠体に対する網状体の横方向(エキスパンドメタルにおける網目の長辺方向)のズレを抑制する範囲を広くすることができる。
さらに、締結手段が複数形成されており、締結手段の間隔が、エキスパンドメタルにおける網目の目合いの略倍数に調整されているようにすることができる。
このように、締結手段同士の間隔が、エキスパンドメタルにおける網目の目合いの略倍数に調整されていることにより、複数のボルトでエキスパンドメタルを取り付ける際に、ボルトをエキスパンドメタルの網目に確実に挿入することができる。
このように、本発明によれば、所望の位置に網状体を取り付けられるようにすることにより、材料の効率化の低下や中詰め材の流出などを抑制することができる。
堰堤に用いられる鋼製枠の斜視図である。 堰堤の部分拡大正面図である。 鋼製枠の側面図である。 鋼製枠の要部拡大側面図である。 固定装置の分解斜視図である。 ボルト孔の長径を決めるための説明図である。 ボルト孔の長径を説明する図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る堰堤に用いられる鋼製枠の斜視図、図2は、本実施形態に係る堰堤の部分拡大正面図である。また、図3は、鋼製枠の側面図、図4は、鋼製枠の要部拡大側面図である。図1に示すように、本実施形態に係る鋼製枠Wは、前面体1および後面体2を備えている。鋼製枠Wは、堰堤に用いられるものであり、前面体1は、堰堤における下流側に配置され、後面体2は上流側に配置される。また、図2に示すように、複数の面体および枠体が上下左右に適宜並設されて、堰堤Xが形成される。
鋼製枠Wにおける前面体1と後面体2とのそれぞれ上部は、上面体3を介して接続されており、前面体1と後面体2とのそれぞれ下部は、底面体4を介して接続されている。さらに、前面体1と後面体2とのそれぞれの高さ方向中央位置には、長尺状のつなぎ材Tが掛け渡されている。また、前面体1とつなぎ材Tとの間、底面体4とつなぎ材Tとの間には、それぞれ斜め材Nが配置されている。
前面体1は、高さ方向に延在する長尺状のフレーム材11および横方向に延在する長尺状のビーム材12を備えている。ビーム材12は、上段、中段、および下段にそれぞれ配置されている。また、フレーム材11は、ビーム材12の端部同士を結んで、左中右にそれぞれ配置されている
また、フレーム材11とビーム材12とが重なり合う位置には、ジョイント13が設けられており、フレーム材11およびビーム材12の端部同士がそれぞれジョイント13によって接合されている。さらに、上下方向に離間するビーム材12同士の間には、棒状部材である前面材14が掛け渡されている。なお、図5における棒状部材は、略C形鋼を示しているが、本発明の棒状部材は、略C形鋼に限定されるものではなく、丸鋼、異型棒鋼、形鋼、鋼管であってもよい。
前面材14は、長尺状の部材であり、フレーム材11と略平行配置されている。また、フレーム材は、1組のビーム材12に対して複数本配設されている。これらの前面材14は、互いに平行に配置されるとともに、ビーム材12の長手方向に対して略等間隔をおいて配置されている。
後面体2は、前面体1と同様のフレーム材21およびビーム材22を備えている。また、フレーム材21とビーム材22とが重なり合う部分には、ジョイント23が設けられており、フレーム材21およびビーム材22の端部同士がジョイント23で接合されている。さらに、上下に併設されて2本のビーム材22同士の間には、後面材24が配設されている。フレーム材21、ビーム材22、ジョイント23、および後面材24の配置態様は、前面体1のフレーム材11、ビーム材12、ジョイント13、および前面材14の配置態様と同様である。
上面体3は、前面体1および後面体2の上側にそれぞれ配置された上ビーム材12,22の間にそれぞれ掛け渡された複数本の上面材31を備えている。これらの複数の上面材31は、いずれも鋼製であり、ビーム材12の長手方向に対して略等間隔をおいて配置されている。
底面体4は、前面体1および後面体2の下側にそれぞれ配置された下ビーム材12,22に平行に配置された長尺状の幅方向部材41を備えている。幅方向部材41は、前面体1および後面体2の下側にそれぞれ配置された下ビーム材12,22の略中央位置に配置されている。また、下ビーム材12,22と幅方向部材41との間には、長尺状の奥行き方向部材42が配設されている。
さらに、隣接する奥行き方向部材42同士の間には、図示しない長尺状の底面材が複数本配設されている。底面材は、互い略等間隔で配置されており、前面体1の下ビーム材12と幅方向部材41との間、および後面体2の下ビーム材22と幅方向部材41との間に掛け渡されて配設されている。
これらの前面体1、後面体2、上面体3、および底面体4に囲まれて形成される鋼製枠Wは、図2に示すように、複数併設されて堰堤となる。当該堰堤の面材は、中詰め材の圧力(土圧)に耐えうる必要があるため、下方に配置される面体の方が、上方に配置される面体よりも前面体14同士の離間幅が狭くされており、上方からかかる荷重を支えている。
また、前面体1には、図4にも示すように、網状体であるエキスパンドメタル5が取り付けられている。エキスパンドメタル5は、図2に示すように、前面体1の内側に配設されており、数枚、たとえば4枚から6枚程度のエキスパンドメタル5を並設することによって、前面体1の前面のほぼ全面にわたる広さとされている。また、エキスパンドメタル5には、短辺と長辺とを備えた略菱形形状をなす多数の網目が形成されている。
このエキスパンドメタル5は、ボルト取付手段(締結手段)である固定部材6によって前面体1に固定されている。また、隣接するエキスパンドメタル5同士の端部は、わずかに重ね合わされた状態とされている。このため、隣接するエキスパンドメタル5同士の間に隙間が形成されることにより、この隙間から中詰め材Cが流出しないようにされている。
固定部材6は、図5に示すように、正面形状が矩形状をなす固定プレート61を備えている。固定プレート61は、前面体1における隣接する2本の前面材14にまたがって配設され、これらの前面材14に溶接固定されている。さらに、固定プレート61は、図1および図2に示すように、2本の前面材14に対して4枚配設されており、これらの4枚の固定プレート61は、互いに高さ方向に離間して配設されている。
固定プレート61には、長孔形状をなす貫通孔であるボルト孔62が形成されている。ボルト孔62は、その長軸が固定プレート61の長手方向に沿って配置されている。固定プレート61における長孔には、ボルト63のねじ部が貫通している。ボルト63の頭部は、鋼製枠Wの外側に配置されており、ボルト63は、鋼製枠Wの外側から内側に向けて固定プレート61に対して差し込まれている。
さらに、固定プレート61における内側には、エキスパンドメタル5が配設されており、エキスパンドメタル5のさらに内側に座金64が配置されている。座金64は、ボルト63のねじ部に対して鋼製枠Wの内側から差し込まれているとともに、ボルト63のねじ部には、内側からナット65が締め付けられている。ボルト63のねじ部にナット65が締め付けられることにより、固定プレート61と座金64によってエキスパンドメタル5が締め付けられて保持されている。
エキスパンドメタル5は、図2に示すように、4つの固定部材6によって前面体1に固定されて取り付けられている。また、ボルト63におけるねじ部の長さは、エキスパンドメタル5の厚みと、ナット65の厚みよりわずかに長い長さとされている。このため、ボルト63のねじ部にナット65がねじ込まれて固定された際、ボルト63におけるねじ部のうち、ナット65から飛び出す部分はないか、あるとしてもわずかとすることができる。さらに、固定部材6の表面には、前面体1と同様の表面処理が施されている。前面体1における前面材14、エキスパンドメタル5、および固定部材6によって、中詰め材流出構造が形成されている。
ここで、固定プレート61に形成されたボルト孔62の長手方向の長さは、エキスパンドメタル5の目合いおよび前面体1の幅方向に隣接する固定プレート61同士の幅(以下「固定プレート幅」という)に応じて決められている。本実施形態では、エキスパンドメタル5として、長径LWが50.8mm、短径SWが22mmの目合いのものを用いている。
その一方、図6に示すように、鋼製枠Wにおける前面材14同士の幅は、堰堤に形成される部位によって異なる。堰堤の低い位置に配置される鋼製枠Wでは、前面材14同士の幅が狭く、堰堤の高い位置に配置される鋼製枠Wでは、前面材14同士の幅が広い。このため、固定プレート幅も鋼製枠Wごとに異なるものとなる。
仮に、固定プレート61の幅方向中央位置にボルト孔62を形成したとする。この場合、固定プレート幅の違いから、一方の固定プレートでは、エキスパンドメタル5の網目の中央位置にボルト63を止めても、他方の固定プレートでは、エキスパンドメタル5の網目の長手方向中央位置からずれた位置にボルト63が位置することとなる。
具体的には、上方に配置されている鋼製枠Wでは、ボルト63がエキスパンドメタル5の網目の長手方向中央位置からずれる長さは5.0mmとなる。また、高さ方向中央に配置されている鋼製枠Wでは、ボルト63がエキスパンドメタル5の網目の長手方向中央位置からずれる長さは2.0mmとなる。さらに、下方に配置されている鋼製枠Wでは、ボルト63がエキスパンドメタル5の網目の長手方向中央位置からずれる長さは3.0mmとなる。
これらのずれを吸収するため、図7に示すように、ボルト孔62の長辺の長さを約30mmとしている。鋼製枠Wにおけるボルト63がエキスパンドメタル5の網目の長手方向中央位置からずれる長さの最長長さが5.0mmである。このため、ボルト孔62の長辺の長さとすることにより、ボルトの取り付け位置のずれを吸収することができる。したがって、いずれの位置に配置される鋼製枠Wにおいても同一規格のエキスパンドメタル5を用いることができる。
たとえば、図6に示すように、上方に配置されている鋼製枠Wでは、固定プレート61に形成されたボルト孔62同士の間隔は390mmに設定されている。また、高さ方向中央に配置されている鋼製枠Wでは、ボルト孔62同士の間隔は520mm、下方に配置されている鋼製枠Wでは、ボルト孔62同士の間隔は540mmとされている。
ボルト孔62同士の間隔をエキスパンドメタル5の長径の整数倍とすれば、エキスパンドメタル5の網目に必ずボルト63を取り付けることができる関係となる。ところが、固定プレート61同士の幅は、前面体1における前面材1の幅や前面材1の離間距離に依存しており、エキスパンドメタル5の長径の整数倍にできるとは限らない。
この点、たとえば上方に配置される鋼製枠Wでは、下記(1)式の関係を満たすことにより、エキスパンドメタル5のストランドにボルト63が当接することなく、その網目にボルト63を挿入させることができる。
n・LW−8〜−15 ・・・(1)
ただし、n:任意の整数
LW:エキスパンドメタルの網目における長辺の長さ
同様に、高さ方向中段に配置される鋼製枠Wでは、下記(2)式の関係を満たすことにより、下段に配置される鋼製枠Wでは、下記(3)式の関係を満たすことにより、それぞれエキスパンドメタル5のストランドにボルト63が当接することなく、その網目にボルト63を挿入させることができる。
n・LW+4〜+15 ・・・(2)
n・LW−10〜−18 ・・・(3)
上記(1)式〜(3)式により、エキスパンドメタル5の長径LWの整数倍の寸法と固定プレート61に形成されたボルト孔62同士の間隔との差異は、ボルト孔62の位置を中心として上限15mm、下限15mm程度のずれ量を見ておけば良いことがわかった。したがって、上記したボルト孔62の長辺の長さを30mmとすることにより、想定されるすべての状況でエキスパンドメタル5の取付が可能となる。
また、鋼製枠Wの内側には、図3に示すように、中詰め材Cが設けられている。中詰め材Cは、たとえば現地発生土砂や小礫材(15cm未満の礫)などによって構成されている。中詰め材Cは、堰堤の組立てが進むにつれて鋼製枠Wの内側に投入され、最終的に構成枠Wの内側に充填される。鋼製枠Wの内側に充填された中詰め材Cは、鋼製枠Wの内側から鋼製枠Wに対してエキスパンドメタル5を押し付けている。
次に、本実施形態に係る堰堤の組立手順について説明する。本実施形態に係る堰堤を組立てる際には、堰堤の設置位置に対して、まず、底面体4を配設する。底面体4は、現場において幅方向部材41、奥行き方向部材42、および底面材を組み付けて配設することもできるし、あらかじめ工場等で組み付けられた幅方向部材41、奥行き方向部材42、および底面材を敷設することで配設することもできる。
底面材を配設したら、前面体1および後面体2を配設する。前面体1については、あらかじめ工場等で加工されたフレーム材11、ビーム材12、および前面材14を取り付けて配設する。同様に、後面体2についても、あらかじめ工場等で加工されたフレーム材21、ビーム材22、および後面材24を取り付けて配設する。ただし、前面体1および後面体2を配設するにあたり、施工現場または工場等においてフレーム材11,21、ビーム材12,22、前面材13、および後面材24をあらかじめ組立てしたものを配設することもできる。
こうして、前面体1および後面体2を配設したら、前面体1に対してエキスパンドメタル5を取り付ける。前面体1にエキスパンドメタル5に取り付ける際には、前面体1における前面材14に溶接固定された固定プレート61に形成された長孔62にボルト63を鋼製枠Wの外側から挿入しておく。ボルト63は、あらかじめ長孔62に挿入しておくことにより、ボルト63を鋼製枠Wの外側から挿入する手間を省くことができる。この際、ボルト63におけるねじ部には、図示しない留め治具を取り付けておけば、組立てが終了するまでの間、ボルト63からエキスパンドメタル5が脱落することを防止できる。留め治具は、たとえば鋼板、合成樹脂材、ゴム材からなり、いずれも博肉のため、取り外しすることなくナット65を締め付けできる。
堰堤を組立てするにあたり、高所作業を行う場合、堰堤Xの組立てが進むにつれて鋼製枠Wの内側では、中詰め材Cが順次充填されていることから、鋼製枠Wの内側での作業を行う際に、足場を組む必要性は低くなる。その一方、鋼製枠Wの外側で作業を行う際には、鋼製枠Wの内側から作業員の手などが届かない位置での作業が生じる場合に、足場を組むなどの必要性が生じる。
このため、仮に、ボルト63を現場で鋼製枠Wの外側から挿入しようとした場合、鋼製枠Wの外側に足場を組むなどの必要が生じる。この点、ボルト63をあらかじめ長孔62に挿入しておくことにより、ボルト63を挿入する作業は不要となるので、鋼製枠Wの外側に足場を組むなどの必要がなくなる。
続いて、ボルト63におけるねじ部をエキスパンドメタル5に形成された目合いに貫通させ、固定プレート61を挟んでエキスパンドメタル5と前面材14とを近接させる。それから、ボルト63におけるねじ部に座金64を挟んでナット65を締め付ける。そして、ナット65とボルト63の頭部とによって、座金64および固定プレート61を挟んでエキスパンドメタル5を保持することができる。こうして、エキスパンドメタル5が固定プレート61を介して前面体1における前面材13に固定される。
エキスパンドメタル5を前面体1に固定したら、前面体1と後面体2との間に中詰め材Cを充填していく。その後、前面体1と後面体2との間に中詰め材Cが充填されたら、前面体1と後面体2との間の上側開口部に上面体3を設ける。そして、上面体3における蓋体によって鋼製枠Wの上面を閉塞することにより、堰堤Xの一部ができあがる。
以後、同様の手順によって鋼製枠Wを製造するとともに、鋼製枠Wの内側に中詰め材Cを充填していくことにより、堰堤Xが完成する。
このように、本実施形態に係る堰堤においては、前面体1におけるエキスパンドメタル5は、ボルト63を備える固定部材6を用いたボルト接合によって前面材14に取り付けられている。このため、番線などで固定する場合と比較して、取り付け位置を明確にすることができるので、前面材14とエキスパンドメタル5との相対位置関係を所定の位置関係に精度良く配置することができる。したがって、前面体1に複数枚並べて配設されるエキスパンドメタル5の重ね代を少なくすることができるので、使用するエキスパンドメタル5の面積を小さく済ませることができる。
さらに、エキスパンドメタル5は、ボルト63の頭部とナット65によって前面体1に対して固定され、ナット65は、スパナやインパクトレンチなどの工具によって締め付けられている。このため、エキスパンドメタル5を前面体1に対して強固に固定することができるので、中詰め材の流出を確実に防止することができる。
また、固定部材6による接合がボルト接合とすることにより、エキスパンドメタル5にボルト63のねじ部を通した後の作業は、座金64およびナット65の取り付けのみとすることができる。したがって、施工性を向上させることができる。さらに、ボルト63のねじ部には、留め治具が取り付けられているので、ナット65の取り付け作業を円滑に行うことができる。しかも、留め治具が取り付けられたボルト63のねじ部にエキスパンドメタル5を引っ掛けることもできるので、施工性をさらに向上させることができる。
さらに、先端が尖った形状である番線を固定部材として用いた場合には、作業員が施工中に番線の先端に引っ掛かり、作業の妨げとなることが考えられる。この点、固定部材6におけるボルト63の先端部は、丸み形状を有している。このため、作業員が固定部材6におけるボルト63の先端に引っ掛かることを防止することができるので、作業の妨げとなることを抑制することができ、さらには作業の安全性を確保することができる。
また、固定部材6の表面には、前面体1と同様の表面処理が施されている。このため降雨等に起因するさび汁の発生を防止することができ、外観が悪化することを抑制できる。しかも、ボルト接合による固定部材を用いることにより、番線などを用いた場合の雑然とした外観と異なり、整然とした外観とすることができ、外観の悪化をさらに抑制することができる。
さらに、エキスパンドメタル5における網目は、短辺と長辺とを備えた略菱形形状をなしており、ボルト孔62における長手方向が、エキスパンドメタル5における網目の長辺方向に沿って形成されている。このため、前面材1に対するエキスパンドメタル5の横方向のズレを好適に抑制することができる。
また、プレート61同士の幅がエキスパンドメタル5における網目の目合いの略倍数に調整されていることから、ボルト孔62同士の幅も同様に調整されている。このため、複数のボルト63でエキスパンドメタル5を取り付ける際に、ボルト63をエキスパンドメタル5の網目に確実に挿入することができる。
さらには、ボルト63を挿入するボルト孔が所定長さの長孔として形成されている。このため、前面材1に対するエキスパンドメタル5の横方向のズレを吸収することができる。さらには、隣接する前面材14同士が固定部材6を介して溶接等によって強固に固定されて連結されている。このため、前面材14と固定部材6とが一体構造として補剛されるので、前面材14単体の強度異常音強度を発揮することができる。さらには、前面材14の強度が高められることにより、中詰め材の圧力によるエキスパンドメタル5にたわみを抑制することもできる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、前面体1に対してエキスパンドメタル5を取り付けているが、後面体2にも取り付けることができるし、前面体1と後面体2との両方にエキスパンドメタル5を取り付けることもできる。さらには、前面体1や後面体2における側面、底面、上面にもエキスパンドメタル5を取り付けることができる。
また、上記実施形態では、網状体としてエキスパンドメタル5を用いているが、他の網状体、たとえば、金網やパンチングメタルなどを用いることもできる。ただし、網状体としては、エキスパンドメタルを用いることにより、施工性の向上に寄与することができ、強度を十分に保つことができるので、好適である。
さらに、上記実施形態では、締結手段としてボルト取付を用いているが、他の締結手段、たとえば、リベット止め、簡易フック、小型万力などを用いることもできる。ただし、締結手段としてボルト取付を用いることにより、施工性の向上に寄与することができ、強度を十分に保つことができるため好適である。
1…前面体
2…後面体
3…上面体
4…底面体
5…エキスパンドメタル
6…固定部材
11…フレーム材
12…ビーム材
13…ジョイント
14…前面材
21…フレーム材
22…ビーム材
23…ジョイント
24…後面材
41…幅方向部材
42…奥行き方向部材
61…固定プレート
62…ボルト孔
63…ボルト
64…座金
65…ナット
C…中詰め材
W…鋼製枠
T…つなぎ材
N…斜め材
X…堰堤

Claims (6)

  1. 棒状部材を有する前面体および後面体を備え、前記前面体と前記後面体との間に中詰め材が充填され、前記前面体および前記後面体の少なくとも一方に前記中詰め材の流出を防止する中詰め材流出防止構造が形成された壁体構造物であって、
    前記中詰め材流出防止構造は、棒状部材および網状体を有し、前記棒状部材に対して所定位置に設けられた網状体を締結するための締結手段を有し、
    前記締結手段は、前記網状体を締結するためのボルトのねじ部が貫通する貫通孔が形成された、前記棒状部材の間に設けられている固定プレートを備えたボルト取付手段であり、
    前記固定プレートに取り付けられたボルトにおけるねじ部が前記網状体における網目に貫通しているとともに、前記ボルトにおけるねじ部にナットがねじ込まれて、前記棒状部材に設けられた前記固定プレートと前記網状体が前記ボルトの頭部とナットとによって挟み込まれており、
    前記ボルトの頭部と前記ナットとによって前記網状体が締め付けられて、前記棒状部材に前記網状体が固定されてなることを特徴とする壁体構造物。
  2. 隣接する前記棒状部材の間に前記締結手段が配設されており、前記隣接する棒状部材が一体構造とされている請求項1に記載の壁体構造物。
  3. 前記網状体がエキスパンドメタルである請求項1または請求項に記載の壁体構造物。
  4. 前記締結手段における貫通孔は、所定長さの長孔である請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の壁体構造物。
  5. 前記網状体がエキスパンドメタルであり、
    前記締結手段は、前記ボルトのねじ部が貫通する長孔を備え、
    前記エキスパンドメタルにおける網目は、短辺と長辺とを備えた略菱形形状をなしており、
    前記長孔における長手方向が、前記エキスパンドメタルにおける網目の長辺方向に沿って形成されている請求項1または請求項2に記載の壁体構造物。
  6. 前記締結手段が複数形成されており、
    前記締結手段同士の間隔が、前記エキスパンドメタルにおける網目の目合いの略倍数に調整されている請求項または請求項に記載の壁体構造物。
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