JP5975168B2 - 車両前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両前部構造[vehicle front end structure]に関し、特に、前進速度[forward velocity]を伴う車両の剛体バリア[rigid barrier]への衝突時に衝突力[impact force]を受け止めて、前進速度の少なくとも一部を、車両を剛体バリアから側方に移動させる側方速度[lateral velocity]に方向を変える [redirect]よう構成されたフードリッジ補強材[hood ledge reinforcement]を備えた車両前部構造に関する。
一般的に、車体構造は、衝突時の衝突力を吸収する構造的特徴を備えている(例えば、下記特許文献1)。近年、車両長手方向速度を伴う車両が、前部角部(車両全幅の約25%)で固定剛体バリアに衝突する衝突試験が導入された。図1〜図3は、上述したスモール・オーバーラップ・テストに応じた固定剛体バリアBと衝突する従来の車両Cの例を概略的に示している。
図1は、スモール・オーバーラップ・衝突テスト[small overlap crash test]において、固定剛体バリアBに近づく従来の車両Cを示している。図2は、固定剛体バリアBとの衝突直後の初期変形を見せている従来の車両Cを示しており、従来の車両Cの速度は、剛体バリアB回りの回転移動へと部分的に変換されている。図3は、衝突の結果としてさらに変形し、かつ、後部Rが剛体バリアBから側外方に振り出されるように剛体バリアB回りにさらに回転移動している従来の車両Cを示している。
日本国特開2008−213739号 日本国特開2006−290224号
本発明の目的は、前方移動する車両の前面オフセット衝突試験[frontal offset crash test]における剛体バリアとの衝突時の回転移動を削減又は無くすことのできる車両前部構造を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、前方移動する車両の前面オフセット衝突[frontal offset crash test]における剛体バリアとの衝突時の衝突力の向きを、車両が剛体バリアから側方に動かすように変えることのできる車両前部構造を提供することである。
本発明の特徴は、車両前部構造であって、車両縦方向に延在するフロントサイドメンバと、前記フロントサイドメンバの前方部に固定的に取り付けられた前方端を有するフードリッジであって、前記フロントサイドメンバから、車両後方向に、上方かつ側外方に延びているフードリッジと、前記フロントサイドメンバの外方表面に固定的に取り付けられた下部、前記フードリッジの下部に固定的に取り付けられた上部、並びに、前記下部及び前記上部に固定的に取り付けられた少なくとも一つのブレースを備えたフードリッジ補強材と、を備えている車両前部構造を提供する。
スモール・オーバーラップ・衝突テストにおける固定剛体バリアに近づく従来の車両を示す平面図である。 固定剛体バリアとの衝突直後の従来の車両を示す平面図である。 固定剛体バリアとの衝突時に回転移動する従来の車両を示す平面図である。 スモール・オーバーラップ・衝突テストにおける固定剛体バリアに近づく、実施形態の前部構造を備えた車両を示す平面図である。 固定剛体バリアとの衝突直後の前記車両を示す平面図である。 固定剛体バリアとの衝突時に側方移動する前記車両を示す平面図である。 第1実施形態の前部構造を備えた車両の前部を示す側面図である。 前記前部構造の側面図である。 前記前部構造の正面図である。 前記前部構造の斜視図である。 前記前部構造の平面図である。 車輪が取り除かれた前記前部構造の側面図である。 前記前部構造における受力部材、エネルギー伝達ラテラル部材、フードリッジ及びフードリッジ補強材を示す、前方から見た斜視図である。 前記前部構造における受力部材、エネルギー伝達ラテラル部材、フードリッジ及びフードリッジ補強材を示す、後方から見た斜視図である。 前記前部構造におけるエンジンクレードルの分解斜視図である。 前記受力部材の斜視図である。 前記受力部材の分解斜視図である。 図16中の18−18線断面図である。 前記エネルギー伝達ラテラル部材の斜視図である。 前記エネルギー伝達ラテラル部材の展開平面図である。 前記前部構造におけるフロント・サイドメンバ、前記フードリッジ及び前記フードリッジ補強材を示す、下方から見た斜視図である。 前記フードリッジ補強材の側面図である。 前記フードリッジ補強材の斜視図である。 衝突直前における、前記エンジンクレードル、エンジンアッセンブリ、前記受力部材及び前記エネルギー伝達ラテラル部材を示す平面図である。 衝突第1段階における、前記エンジンクレードル、前記エンジンアッセンブリ、前記受力部材及び前記エネルギー伝達ラテラル部材を示す平面図である。 衝突第2段階における、前記エンジンクレードル、前記エンジンアッセンブリ、前記受力部材及び前記エネルギー伝達ラテラル部材を示す平面図である。 衝突第3段階における、前記前部構造の底面図である。 衝突第4段階における、前記前部構造の底面図である。 衝突第5段階における、前記前部構造の底面図である。 衝突第6段階における、前記前部構造の底面図である。 第2実施形態の前部構造における、X字状に延設されたクロスメンバを備えたエンジンクレードル及び受力部材を示す平面図である。 第3実施形態の前部構造における、横方向に延設されたクロスメンバを備えたエンジンクレードル及び受力部材を示す平面図である。 第4実施形態の前部構造における、V字状に延設されたクロスメンバを備えたエンジンクレードル及び受力部材を示す平面図である。 第5実施形態の前部構造における、斜め方向に延設されたクロスメンバを備えたエンジンクレードル及び受力部材を示す平面図である。 衝突直前における、第6実施形態の前部構造のエンジンクレードル、エンジンアッセンブリ及び受力部材を示す平面図である。 衝突第1段階における、前記エンジンクレードル、前記エンジンアッセンブリ及び前記受力部材を示す平面図である。 衝突第2段階における、前記エンジンクレードル、前記エンジンアッセンブリ及び前記受力部材を示す平面図である。 第7実施形態の前部構造におけるエンジンクレードル、受力部材及びエネルギー伝達ラテラル部材を示す平面図である。 前記エンジンクレードル、エンジンアッセンブリ、前記受力部材、前記エネルギー伝達ラテラル部材及びサスペンションアッセンブリを示す平面図である。 第8実施形態の前部構造におけるエンジンクレードル、受力部材及びエネルギー伝達ラテラル部材を示す斜視図である。 第9実施形態の前部構造におけるエネルギー伝達ラテラル部材を示す斜視図である。 前記エネルギー伝達ラテラル部材及びエンジンクレードルを示す斜視図である。 衝突直前における、前記エンジンクレードル、エンジンアッセンブリ及び前記エネルギー伝達ラテラル部材を示す平面図である。 衝突第1段階における、前記エンジンクレードル、前記エンジンアッセンブリ及び前記エネルギー伝達ラテラル部材を示す平面図である。 衝突第2段階における、前記エンジンクレードル、エンジンアッセンブリ及び前記エネルギー伝達ラテラル部材を示す平面図である。 第10実施形態の前部構造におけるフロント・サイドメンバ及びフードリッジ補強材を外側から見た斜視図である。 前記フロント・サイドメンバ及び前記フードリッジ補強材を内側から見た斜視図である。 前記フロント・サイドメンバ及び前記フードリッジ補強材を内側前方から見た斜視図である。 図46中の49−49線断面図である。 衝突第1段階(衝突時)における、前記前部構造を示す平面図である。 衝突第2段階(衝突直後)における、前記前部構造を示す平面図である。 衝突第3段階における、前記前部構造を示す平面図である。 第11実施形態の前部構造におけるフードリッジ補強材の斜視図である。 前記フードリッジ補強材の別の斜視図である。 前記フードリッジ補強材のさらに別の斜視図である。 第12実施形態の前部構造におけるフードリッジ補強材の斜視図である。 第13実施形態の前部構造におけるフードリッジ補強材の斜視図である。 第14実施形態の前部構造における受力部材の斜視図である。 第15実施形態の前部構造におけるエネルギー伝達ラテラル部材の斜視図である。
車両前部構造の実施形態を、図面を参照しつつ以下に説明する。
[第1実施形態]
車両前部構造の第1実施形態を、図4〜図30を参照しつつ説明する。第1実施形態では、車両10は、スモール・オーバーラップ・テスト時に力の方向を変える複数の(構造的)特徴[force redirecting (structural) features](後述する)を備えている。特に、上記複数の特徴のそれぞれは、個別に用いられても、互いに組み合わされて用いられても、前方移動して固定バリア[fixed barrier]Bに衝突する車両10に作用する衝突力を受け止め、その衝突力の少なくとも一部を車両10の固定バリアBから側方への移動を生じさせる横力に変換する。
まず、第1実施形態の具体的な説明の前に、スモール・オーバーラップ・テスト時について簡単に説明する。米国道路安全保険協会(IIHS)は、固定された剛体バリアBに前進速度VFで車両が衝突する様々なテストを開発してきた。IIHSのスモール・オーバーラップ・テストでは、図1〜図3に示されるように、車両Cの前部の25%が剛体バリアBに衝突される。即ち、車両の前部角部のみが剛体バリアBと衝突する。このIIHSのテストは、狭幅オフセットテスト[narrow offset test]や小オフセットテスト[small offset test]としても知られている。このテストでは、衝突時に、車両Cのフロントバンパアッセンブリ[front bumper assembly]は、衝突しないか、剛体バリアBとは限定的にしか接触しない。車両Cに速度が与えられて剛体バリアBに衝突すると、車両Cは急激に減速され、車両Cの質量及び速度に関連する運動エネルギー[kinetic energy]は、車両Cの変形及び反動運動[counter movement]に変換される。よく知られているように、運動エネルギーは、速度の自乗及び質量に比例する関数である。スモール・オーバーラップ・テスト時には、車両Cの運動エネルギーは、部分的に吸収され、かつ、さらなる運動のような他の形の運動エネルギーに部分的に変換される。従って、剛体バリアBと衝突する車両Cの前部における構造は、衝突の結果としての衝突力の多くを吸収する。
衝突時には、様々な部材が変形する。この変形は、車両Cの前部構造の全体設計に依存して車両毎に異なるので、図2及び図3には正確かつ明確には表現されていない。その代わりに、図3には、衝突の結果としての、従来の車両Cの変形の一般的な程度が表現されている。しかし、スモール・オーバーラップ・テストを用いてIIHSによってテストされた従来の車両は、相対的に一貫性のある応答を示した。具体的には、剛体バリアBへの衝突時には、車両Cの運動エネルギーの一部は、車両Cの構造の変形によって部分的に吸収され、車両Cの運動エネルギーの他の一部は、車両Cの後部Rを剛体バリアBから側方に離れるように回転させる[swing]回転運動[rotational movement](反動運動)に変換される。即ち、衝突時には車両Cの速度Vの一部が変換される。具体的には、衝突時に車両Cに伝達された速度Vの一部は、少なくとも部分的に力の回転成分や、図3に示されるような角速度Vに変換される。後述する様々な実施形態の力の方向を変える特徴は、車両10において用いられるとき、スモール・オーバーラップ・テスト中の剛体バリアBとの接触時間と車両縦方向[longitudinal direction]に後方に伝達される力とを減じるのと同様に、スモール・オーバーラップ・テスト中に車両Cに生じる回転力を減少させるか取り除く。
フロントバンパアッセンブリやストラットタワー[strut tower]などの車両構造においては、衝突点がフロントバンパアッセンブリ、フロントサイドメンバ及びフロントサスペンション構成要素を含む前部構造とオーバーラップする衝突時には、その車両構造が衝突エネルギーを吸収するように構成されている、ということは図面及び以下の記述より理解されるべきである。下記の様々な実施形態において、力の方向を変える複数の特徴は、スモール・オーバーラップ・テスト中に衝突力を吸収するよう設計されているというよりはむしろ、剛体バリアBを逸らす[deflect]ように角度を付けられた傾斜表面[ramping surface]を定義するように構成されている。後述する傾斜表面は、剛体バリアBと接触する角度の付けられた表面を定義し、変形に対抗して(多少の変形はある)車両10の前進速度の少なくとも一部を車両10の側方運動[lateral movement]に変換する。即ち、車両10の運動エネルギーや慣性は、傾斜表面によって、車両10をガイドして剛体バリアBから離れるような側方に移動させる側方運動に変換される。
追って詳しく説明されるように、車両10は、力の方向を変える複数の特徴を備えている。車両10の力の方向を変える特徴による予見されなかった一つの恩恵(後述する)は従来の車両C(図1〜図3参照)とは異なり、図4〜図6に示されるように、車両10の後部は、スモール・オーバーラップ・テスト中に回転を顕著に減少させ、車両10の後部は、スモール・オーバーラップ・テスト後に剛体バリアBから離れるように振り出されるようなことはない。
むしろ、剛体バリアBとの衝突中に、車両10に作用する運動エネルギー又は速度Vの一部は、図5及び図6に示されるように車両10全体(前部及び後部)が剛体バリアBから側方に移動するように変換される。衝突初期に、速度VF1(図4)は、車両10の力の方向を変える特徴によって方向が変えられ始めるか、逸らされ始めて、図5のやや減少された速度VF2が生じる。速度VF1の速度VF2への減少によって、図5に示されるように側方速度VL1が生じる。図6に示されるように、衝突が継続されると、前進速度VF1は車両によってさらに変換され、より小さな前進速度VF3及びより大きな側方速度VL2が生じる。側方速度VL2は、車両10の側方運動へと直接変換される。
たとえあったとしても、車両10に作用する前進速度VF1の少ししか回転運動に変換されない。むしろ、車両10の前進速度VF1に対応する運動エネルギーは、少なくとも部分的には、車両10の前後双方を動かすことになる側方速度VF2へと変換される。さらに、図6に示される車両10の前進速度VF3は、図3に示される従来の車両Cの前進速度VFVよりも大きく、従来の車両Cが車両10と類似しているとしても、従来の車両Cは、車両10の力の方向を変える特徴の何れをも備えていない、ということは理解されるべきである。具体的には、従来の車両Cは、一般的に、スモール・オーバーラップ・テスト中に初期速度Vに相当する運動エネルギーの大部分を吸収する。一般的に、剛体バリアBとの衝突後には、従来の車両Cの最終的な速度Fはとても小さい。しかし、後述する力の方向を変える特徴を一つ以上備えている車両10においては、車両Cを比較して、車両10によって吸収される運動エネルギーは少なく、車両10の運動エネルギーの少なくとも一部は逸らされるか方向が変えられて側方運動へと変換される。車両10はスモール・オーバーラップ・テスト後に剛体バリアBから側方に離れるように移動されたので、車両10は、初期運動エネルギーの多くを前進速度VF3として維持している。以下の記載から明らかにされるように、「衝突力[impact/impacting force]」及び「前進力[forward force]」の用語は、区別しないで用いられ得るもので、スモール・オーバーラップ・テスト中の車両縦方向Lに作用する車両10の速度VF1に対応する運動エネルギーを指す。即ち、図4〜図6に示されるスモール・オーバーラップ・テストにおいて、車両10は、速度を与えられ、剛体バリアBに衝突される。スモール・オーバーラップ・テストを行う意義上、車両10は車両縦方向Lの前方への運動を与えられるだけなので、剛体バリアBとの衝突初期における車両10の速度に対応する運動エネルギーの全ては、車両縦方向Lにある。理論上、スモール・オーバーラップ・テストでは、剛体バリアBとの衝突以前には、車両10に作用する横力はない。従って、全ての側方速度及び側方運動は、車両10と剛体バリアBとの間の衝突の結果生じる。後述する車両10の力の方向を変える複数の特徴は、剛体バリアBを逸らすように構成・配置されており、車両10の速度(及び運動エネルギー)の少なくとも一部を剛体バリアBから離れるような車両10の側方運動へと変換する。
第1実施形態の車両前部構造(力の方向を変える特徴)について、まず、図7〜図14について説明する。図7に示されるように、車両10は、バンパアッセンブリ14を有する前部構造12と、サイドフェンダ16と、前部構造12を構成する構造的要素の多くを少なくとも部分的に覆う[cover and conceal]エンジンフード18とを備えている。図8〜図14は、前部構造12の部分と車両10の力の方向を変える特徴とを露出させるために、バンパアッセンブリ14、サイドフェンダ16及びエンジンフード18が外された車両10の様々な図面である。
図8〜図14に示されるように、車両10の力の方向を変える複数の特徴は、受力部材[force receiving member]20(受力構造[force receiving structure])、エネルギー伝達ラテラル部材[lateral energy transfer member]22及びフードリッジ補強材[hood ledge reinforcement]24を含んでいる。受力部材20、エネルギー伝達ラテラル部材22及びフードリッジ補強材24の全ては、車両10の前部構造12の簡単な説明の後に、より詳しく説明される。
図8〜図14に示されるように、前部構造12は、様々な構成部品を備えているが、特に、車体構造部[body structure]30とエンジンクレードル32とを備えている。エンジンクレードル32は、フロント・サブフレームとも呼ばれる部材である。
車体構造部30の構成要素に関して説明する。車体構造部30の各側部は、少なくとも次のものを備えている:シル[sill]40、Aピラー[A-pillar]42、ダッシュウォール[dash wall]44を構成するパネル、フロントサイドメンバ46及びフードリッジ48。しかし、車体構造部30の両側部(運転席側及び助手席側)はほぼ同じであるので、便宜上、それらの一方(左側:運転席側)のみを説明する。
シル40は、シル40を形成するように形作られて一緒に溶接された複数のパネルから典型的に作られた従来型の車体剛構造体である。シル40は、Aピラー42の下端から、車両10のドア開口の下方を後方へと延びている。Aピラー42は、同様に、Aピラー42を形成するように形作られて一緒に溶接された複数のパネルから典型的に作られた従来型の車体剛構造体である。Aピラー42はシル40の、前端に剛結されており、ドア開口の前端を規定するように上方に延びている。あるいは、シル40及びAピラー42は、シル40をAピラー42から分割する継ぎ目がなくなるか、あるいは、少ししかなくなるように、共通の要素から作られ得る。ダッシュウォール44は、車両10の運転席側のAピラー42から車両10の助手席側のAピラー(図示せず)まで延設されている。ダッシュウォール44は、従来の態様で、車両10のエンジンコンパートメントをパッセンジャコンパートメントから分離させている。
フロントサイドメンバ46は、ダッシュウォール44から車両の前部領域へと前方に延設されたビーム[beam]である。バンパアッセンブリ14は、図10及び図11に示されるように、典型的にフロントサイドメンバ46の前端46aに取り付けられる。フロントサイドメンバ46の後端46bは、図12に示されるように、ダッシュウォール44に剛結されている。車両10の全体設計によるが、フロントサイドメンバ46は、パッセンジャーコンパートメントの床(図示せず)の下をさらに後方へと延在し得る。フロントサイドメンバ46は、図10及び図12に示されるように、外方面[outboard surface]46cも備えている。
フードリッジ48は、前端(前方端)48a及び後端48bを有する構造部材である。フードリッジ48の前端48aは、図8、図10及び図12〜図14に示されるように、フロントサイドメンバの前端46aに固定的に取り付けられている。フードリッジ48の後端48bは、ダッシュウォール44及びAピラー42の少なくとも一方又は双方に固定的に取り付けられている。フードリッジ48は、全体的に湾曲された形状を有している。具体的には、フードリッジ48は、図9に示されるように、フロントサイドメンバ46の前端46aから、車両後方方向に、上方へ、かつ、側外方へと延びており、ダッシュウォール44及びAピラー42に近づくにつれて真っ直ぐになる。この全体形状によって、フードリッジ48の前端48aは、図9及び図11に示されるように、後端48bより内方に位置される。フードリッジ48の形状は、図9〜図12に示される傾斜表面[ramping surface]48rも規定している。傾斜表面48rは、図11に示されるように、車両縦方向Lに対する傾斜角αを規定している。傾斜表面48rは、追って詳述されるように、衝突からの縦力を伝達して、その縦力の少なくとも一部を車両10の側方運動に変換することのできる、フードリッジ48の側外方へと延びる部分である。
図に示されてはいないが、フードリッジ48の上表面48c(図9参照)の少なくとも一部は、エンジンフード18の外方縁[outboard edge]の形状及び輪郭と一致する。フードリッジ48は、図8に示されるように、下表面48dも有している。シル40、Aピラー42ダッシュウォール44フロントサイドメンバ46及びフードリッジ48は従来的な特徴であるので、便宜上、さらなる説明は省略する。
特に図15を参照して、前部構造12のエンジンクレードル32について説明する。エンジンクレードル32は、クレードル前部材[cradle front member]52、クレードル左部材[cradle left member]54、クレードル右部材[cradle right member]56及びクレードル後部材[cradle rear member]58を備えている。クレードル左部材54及びクレードル右部材56は、クレードル側部材[cradle side members]56及び58と総称される。クレードル前部材52とクレードル左部材54とは、それらの間の交差部が第1前方角部60を規定するように、互いに固定的に取り付けられている。クレードル前部材52とクレードル右部材56とは、それらの間の交差部が第2前方角部62を規定するように、互いに固定的に取り付けられている。クレードル左部材54とクレードル後部材58とは、互いに固定的に取り付けられている。クレードル左部材54とクレードル後部材58との間の交差部の後部には、第1後方角部64が形成されている。クレードル右部材56とクレードル後部材58とは、互いに固定的に取り付けられている。クレードル右部材56とクレードル後部材58との間の交差部の後部には、第2後方角部66が形成されている。
エンジンクレードル32は、四つの取付点(車体結合箇所)70、72、74及び76において、車体構造部30の下部にマウントされている。より具体的には、取付点70は第1前方角部60に位置し、取付点72は第2前方角部62に位置し、取付点74は第1後方角部64に位置し、取付点76は第2後方角部66に位置する。取付点70、72、74及び76は、従来の態様で、車体構造部30の下部に結合されている。具体的には、取付点70及び74は、図8に示されるように、車両10の運転席側(左側)のフロントサイドメンバ46の下部に取り付けられ、取付点72及び76は、同様に、車両10の助手席側(右側)のフロントサイドメンバの下部に取り付けられる。
エンジンクレードル32の車体構造部30への取り付けは構造的に強固であるが、取付点70、72、74及び76はエンジンアッセンブリ80からの振動を吸収する弾性ブッシュ[resilient bushings]や、あるいは、エンジンクレードル32が車体構造部30に可動的に取り付けられ得るように、大きな締結具[fasteners]のような剛取付構造[rigid attachment structures]を備えることができる。
エンジンクレードル32は、エンジンマウント構造部[engine mounting structures]82、84及び86も備えている。エンジンマウント構造部82は、第1前方角部60から後方へと、クレードル左部材54の上面に沿って位置されている。エンジンマウント構造部84は、クレードル前部材52の上面に沿って位置されている。エンジンマウント構造部86は、クレードル後部材58の上面に沿って位置されている。エンジンマウント構造部82、84及び86のそれぞれは、原動機取付具[motor mount]88を備えている(図15には、二つの原動機取付具88のみが示されている)。原動機取付具88は、離間された位置でエンジンアッセンブリ80に締結されている(図15には、二箇所の原動機取付位置のみが示されている)。原動機取付具88は、図15に示されるように、エンジンマウント構造部82、84及び86にさらに締結されている。即ち、エンジンアッセンブリ80は、エンジンクレードル32に固定的に連結されている[coupled to]。
エンジンアッセンブリ80は、エンジン、トランスミッション及びトランスアクスルを備えている。エンジンは、内燃機関や電気モータであり得る。トランスミッションは、連続可変トランスミッション(CVT)、ヂュアルクラッチトランスミッション(DCT)マニュアルトランスミッション又はオートマチックトランスミッションであり得る。さらに、エンジンアッセンブリ80は、二つの駆動源を切り替えられる、内燃機関と電気モータとトランスミッションとを組み合わせたものであり得る(ハイブリッドパワートレイン)。エンジンアッセンブリ80は、便宜上、概略的に一連の箱として示されている。しかし、エンジンやトランスミッションはそれぞれ個別に独自の大きさと形状を有していることは理解されるべきである。従って、発明は、図面中でエンジンアッセンブリ80に与えられた概略的形状に限定されることはない。
エンジンクレードル32は、図15に示されるように、操舵やサスペンションの構成部品も支持している。これらの操舵やサスペンションの構成部品は、基本的に、エンジンクレードル32のクレードル後部材58によって支持されている。これらの従来的な操舵やサスペンションの構成部品の説明は、便宜上省略する。
特に図16〜図18を参照して、受力部材20(受力構造)を説明する。第1実施形態では、受力部材20は、上部90及び下部92を含む、二品からなる構造物[two piece construct]である。上部90は、複数の平坦フランジ90a、90b、90c及び90dと、上部90の前方端90fから後方端90gへと延びる湾屈曲[contoured]フランジ90eとを備えている。
下部92は、複数の平坦フランジ92a、92b、92c及び92dと、下部92の前方端92fから後方端92gへと延びる湾屈曲フランジ90eとを備えている。後方端92gは、エンジンクレードル32のクレードル左部材54への取り付けに用いられる取付フランジを規定している。
下部92の後方端92gによる規定される取付フランジを備えているので、下部92は上部90よりも若干大きい。より具体的には、湾屈曲フランジ92eは湾屈曲フランジ90eより長い。さらに、上部90の湾屈曲フランジ90eは、下部92の内方面[inboard surface]92h(図18参照)に沿うように形作られている。上部90は、受力部材20の全体形状を形成している下部92に溶接される。受力部材20は、湾屈曲フランジ92eが上部90の内方面に沿うように形作られるように湾屈曲フランジ90eが湾屈曲フランジ92eより長くなり得る、代替となる逆の構成も持ち得る。
上部90が下部92に溶接された受力部材20は、受力面[force receiving surface]94及び伝力部[force transmitting section]96を規定する。受力面94は、基本的には、下部92の湾屈曲フランジ92eの一部に沿って規定され、湾屈曲フランジ92eの後側に配置されて溶接された湾屈曲フランジ90eによって補強されている。伝力部96は、図16及び図17に示されるように、湾屈曲フランジ90e及び湾屈曲フランジ92eの一部によって規定される。受力面94は、概して平坦又は平面[flat or planar]の外方面である。伝力部96も、平坦又は平面であり、受力面94によって受けられた力をエンジンクレードル32に伝達するように設けられた受力部材20の剛部分[rigid portion]である。
受力部材20は、エンジンクレードル32に、例えば溶接によって、固定的に取り付けられる。具体的には、上部90の平坦フランジ90b、90c及び90dのそれぞれは、エンジンクレードル32のクレードル左部材54の上面に溶接され得る。上部90の平坦フランジ90aは、クレードル前部材52の上面に溶接され得る。さらに、下部92の平坦フランジ92b、92c及び92dのそれぞれは、エンジンクレードル32のクレードル左部材54の下面(図に示されず)に溶接され得る。下部92の平坦フランジ92aは、クレードル前部材52の下面(図に示されず)に溶接され得る。同様に、受力部材20の下部92の後方端92gによって規定された取付フランジは、エンジンクレードル32のクレードル左部材54の外方面に、エンジンマウント構造部82に隣接して溶接される。あるいは、受力部材20は、取り外し可能な締結具によってエンジンクレードルに取り付けられ得る。
従って、受力部材20は、エンジンクレードル32に剛的かつ固定的に[rigidly and fixedly]取り付けられた受力構造を規定する。受力部材20は、エンジンクレードル32の第1前方角部60を概ね包むような全体形状を有している。受力部材20のエンジンクレードル32への取り付けのための上述した溶接点は、受力部材20とエンジンクレードル32との間の単なる取付例であることは理解されるべきである。必要に応じて、さらなる溶接点が設けられてもよく、異なる取付位置が、受力部材20とエンジンクレードル32との間に代わりに規定され得る。
エンジンクレードル32の両側に二つの受力部材20が、一つは第1前方角部60に、一つは第2前方角部62にあるということは、ここでの図面及び記載から理解されなければならない。しかし、二つの受力部材20は同一(互いに鏡像)であるので、便宜上、二つの受力部材20の二つ目についての説明は省略する。また、エンジンクレードル32の第1前方角部60又は第2前方角部62の一方に一つの受力部材のみがある構成も採用され得る。
あるいは、受力部材20が、一品の一体部材として形成され得ることや、受力部材20の力の方向を変える特徴を提供するように溶接された二以上の金属要素から作られ得ることは、ここでの図面及び記載から理解されなければならない。あるいは、エンジンクレードル32は、受力部材20の上記特徴を備えるように設計・組み立てられ得る。特に、エンジンクレードル32は、受力部材20を備えずに、受力面94及び伝力部96を備えるように設計・製造され得る。即ち、クレードル前部材52及びクレードル左部材54は、受力面94及び伝力部96の形状[shape]、並びに、構造的機能及び形状[structural functions and geometry]を備えるように、異なって構成され得る[can be constructed differently]。
受力部材20は、基本的に、受力面94及び伝力部96を有する受力構造を規定する。図16に示されるように、受力面94及び伝力部96の配置[design and orientation]は、受力部材20の上記特徴によって規定される第1頂部A、第2頂部A及び第3頂部Aで規定される。具体的には、受力面94の前方端が、受力部材20の第1頂部Aを規定する。図に示されるように、受力面94は、エンジンクレードル32の第1前方角部60近傍から伝力部96へと側外方に延びている。即ち、受力面94は、エンジンクレードル32の第1前方角部60近傍に位置する第1頂部Aから第2頂部Aに延びている。伝力部96は、第2頂部Aから第3頂部Aに延びている。第3頂部Aは、エンジンマウント構造部82の近傍に位置されているが、受力部材20の後方端92g(取付フランジ)よりは前方に位置されている。下記の様々な実施形態(例えば、図31〜図34)の説明で明らかにされるように、第1頂部Aと第3頂部Aとの間に延びる線は、図11に示される車両方向Lとは平行ではなく(図24〜図26も参照)、クレードル左部材54の縦方向と実質的に平行に延びる。
図16に示されるように、受力部材20の一部は、第1頂部Aから内方へと、取付前腕部[front attachment arm]98を規定する第1前方角部60を回って前方に延びている。取付前腕部98は、取付前腕部98がエンジンクレードル32の前方面[forward facing surface]を覆うように、エンジンクレードル32に固定的に取り付けられる。このように、受力部材20の一部が第1前方角部60の前方面を覆うように、受力部材20がクレードル前部材52にさらに固定的に取り付けられることで、車両縦方向Lの衝突入力に対して、受力部材20のエンジンクレードル32からの破断を抑制することができる。
図16に示されるように、受力面94は、第1頂部Aで第1垂直高Hを有し、第2頂部Aで第2垂直高Hを有している。第2垂直高Hは、第1垂直高Hより高い。
図11に示されるように、受力面94は、車両縦方向Lに対して傾斜角αで後方かつ側外方に延びている。受力面94は、スモール・オーバーラップ・テストで車両縦方向Lの後向きの衝突力を受けるように構成されている。その後、受力面94によって受けられる衝撃力の少なくとも一部は、伝力部96を介してエンジンマウント構造部82近傍のエンジンクレードル32に方向が変えられる[redirected]。伝力部96によってエンジンクレードルへ32に向けて方向が変えられた力は、バリアBとの衝突点から側方へと離れるように車両10を動かすことになる横力である。このような力を力の横成分へと変換することの一つの効果は、追ってより詳しく説明されるように、エンジンクレードル32とエンジンアッセンブリ80とを若干接触させ、かつ、エネルギー伝達ラテラル部材22とエンジンアッセンブリ80とを接触させるように、エンジンクレードル32のクレードル左部材54が変形可能で、この結果、車両10の側方運動が生じるということである。具体的には、車両10の質量の多くがエンジンアッセンブリ80によって構成されているので、エンジンアッセンブリ80に横力を作用させることで、車両10の側方運動が確実となる。
図11に示される傾斜角αは、90度以下であるが、45度以下で10度より大きいことが好ましい。傾斜角αが45度のときに、車両縦方向Lに沿った衝突入力を最も大きな横力に変換できるので、傾斜角αは45度以下とされるのがよい。また、傾斜角αを10度より大きくすることで、受力面94に対して垂直に発生される力が大きくなるため、車両縦方向Lに沿った衝突入力の横力への変換効果を高めることができる。なお、図示された実施形態では、傾斜角αは20度に等しい(図24〜図26参照)。車両縦方向Lとフードリッジ48の傾斜表面48rとで規定される傾斜角は、傾斜角αに近似又はほぼ等しい[similar or approximately equal to]。
図12〜図15、図19及び図20を参照して、エネルギー伝達ラテラル部材22について説明する。エネルギー伝達ラテラル部材22は、図12〜図14及び図24〜図26に示されるように、エンジンクレードル32のクレードル左部材54の上面及び受力部材20の上面に固定的かつ剛的に取り付けられる[fixedly and rigidly mounted]剛構造物[rigid construct]である。エネルギー伝達ラテラル部材22が、クレードル左部材54及び受力部材20の一方又は双方に、柔軟な接着剤[flexible adhesive]やゴム[rubber]等を介して固定的に取り付けられたり、及び/又は、例えばスプリングを介して可動的に取り付けられる構成も採用され得る。
図19及び図20に示されるように、エネルギー伝達ラテラル部材22は、基本的に、外方側部[outboard side section]100、上部102、内方側部[inboard side section]104、前側部[front side section]106(図20のみに示されている)及び後側部[rear side section]108を備えている。図20に示されるように、エネルギー伝達ラテラル部材22は、おおよそ図20に示される形状に切断された単一片の金属板[sheet metal or metal plate]から形成され得る。その後、金属板は、エネルギー伝達ラテラル部材22の稜線[edges]を実質的に規定する複数の被変形部[deformed regions]を形成するように曲げられて、金属板が、図19に示される箱状構造を規定する。あるいは、エネルギー伝達ラテラル部材22は、図19に示される全体形状を形成するように互いに溶接された複数の鋳造又は鍛造された板要素[plate elements]から形成され得る。さらなる代替構成として、エネルギー伝達ラテラル部材22は、曲線的な形態[curvilinear profile]を有するように、中実又は中空チューブ状構造として形成され得る。またさらなる代替構成では、エネルギー伝達ラテラル部材22は、内方側部104、前側部106及び後側部108のみを有するC字形状を有するように形成され得る。
内方側部104は、エンジン接触面110を規定する。外方側部100、上部102、内方側部104、前側部106及び後側部108は、図19に示される形状に変形・溶接された時に、エネルギー伝達ラテラル部材22の本体を規定する。エネルギー伝達ラテラル部材22が、複数の被変形部を有する単一片の金属板から、上部102、前側部106、前側部106と対向する後側部108及びエンジン接触面110を規定する内方側部104を有する箱状構造を形成するように形成されることで、軽量かつ高剛性の構造を安価に構築でき、また、衝突入力を効率よくエンジンアッセンブリ80に伝達させることができる。
図24〜図26に示されるように、内方側部104のエンジン接触面110は、エンジンアッセンブリ80の近傍に位置され、エンジンアッセンブリ80に面している。エンジン接触面110は、エンジンクレードル32の変形時にエンジンアッセンブリ80と直接接触して、方向の変えられた横力を伝力部96からエンジンクレードル32へと、また、エネルギー伝達ラテラル部材22からエンジンアッセンブリ80へと伝達するように構成されている。(第10実施形態に関連してより詳しく後述されるエンジンアッセンブリ接触部材150と同様の)エンジンアッセンブリ接触部材がクレードル左部材54及びエンジン接触面110の一方又は双方に取り付けられることができ、それにより、横力は、受力部材20、エネルギー伝達ラテラル部材22及びクレードル左部材54からエンジンアッセンブリへと向けられる。
エネルギー伝達ラテラル部材22の第1部分(外方部)は、受力部材20の上面に溶接され、受力部材20の上面に沿って延在している。エネルギー伝達ラテラル部材22の第2部分(内方部)は、エンジン接触面110がエネルギー伝達ラテラル部材22の内方端を規定するように、エンジンクレードル32の上面に溶接され、エンジンクレードル32の上面に沿って延在している。即ち、第2部分(内方部)は、エンジンクレードル32(クレードル左部材54)に剛的に取り付けられている[rigidly attached to]。より具体的には、エネルギー伝達ラテラル部材22は、エンジンクレードル32の前方角部60とエンジンマウント構造部82との間でクレードル左部材54に固定的に取り付けられる。即ち、エネルギー伝達ラテラル部材22は、クレードル左部材54の外方側縁からクレードル左部材54の内方側縁まで延在しており、エンジン接触面110が内方側縁の近傍に配置されている。あるいは、エンジンクレードル32は、受力部材20及びエネルギー伝達ラテラル部材22の双方の特徴を備えるように設計・組み立てられ得るか、でなければ、受力部材20及びエネルギー伝達ラテラル部材22は、互いに一体的に形成され、クレードル左部材54に連続して溶接され得る。エンジン接触面110は、当該エンジン接触面110とエンジンアッセンブリ80との間に所定の横隙間[prescribed lateral gap]G(図24)を設けて、エンジンアッセンブリ80の近傍に位置されている。所定の横隙間Gは、エンジンアッセンブリ80及びエネルギー伝達ラテラル部材22(即ちエンジンクレードル32)が車両10の通常使用[normal operation]中には互いに接触しない程度に大きい製造上の許容値[manufacturing tolerance]である。横隙間Gは、また、エンジンクレードル32及び/又はエネルギー伝達ラテラル部材22をエンジンアッセンブリ80へと移動させる周辺構造[surrounding structure]の変形時にエンジンクレードル32に作用する横力に反応してエネルギー伝達ラテラル部材22がエンジンアッセンブリ80と接触する程度には十分に小さい。即ち、衝突時にクレードル左部材(クレードル側部材)54に作用する横力によってクレードル左部材54が変形してエンジン接触面110がエンジンアッセンブリ80と接触して、横力がエネルギー伝達ラテラル部材22を介してエンジンアッセンブリ80に直接伝達されるように、横隙間Gが設定されている。図示された実施形態では、所定の横隙間Gは、少なくとも10ミリメートルである。
図19及び図20に示される実施形態では、エネルギー伝達ラテラル部材22は、前側部106及び後側部108の外方端間の第1幅Wを規定している。前側部106及び後側部108の内方端間の第2幅Wは、第1幅Wより大きい。さらに、エンジンクレードル32及び受力部材20が取り付けられたときにエンジン接触面110が後側部108からエンジンマウント構造部82に向けて後方へと延びるように、内方側部104が第3幅Wを規定している。
図24に示されるように、エネルギー伝達ラテラル部材22は、受力部材20の受力面94に対して直角な[normal to]方向に長く延在している。エネルギー伝達ラテラル部材22が受力面94に対して直角な方向に延在されることで、受力面94が受けた力を効率よくエネルギー伝達ラテラル部材22に伝達させることができる。横力をエンジンアッセンブリ80に向けるのに加えて、エネルギー伝達ラテラル部材22は、エンジンクレイドル32に対する受力部材20の位置決めの補強も提供している。エネルギー伝達ラテラル部材22が受力部材20の上面及びエンジンクレードル32の上面に固定されているので、エネルギー伝達ラテラル部材22は、受力部材20とエンジンクレードル32との間のブレース[brace]としての役割も果たしており、エンジンクレードル32に対する受力部材20の垂直な動きを防止している。
特に、図21〜図23を参照して、フードリッジ補強材24について説明する。フードリッジ補強材24は、基本的に、下部120、上部122並びに複数のブレース128及び130を備えている。フードリッジ補強材24の上部122は、下部120及び上部122がV字状構造を規定するように下部120の前端120aに固定的に取り付けられている前端122aを備えている。より具体的には、側方から見ると、図22に示されるように、上部122及び下部120は、それらの間に鋭角を規定している。上部122及び下部120との間に鋭角を規定することで、フードリッジ48(エンジンフード18)の高さを低くすることができる。しかし、車体構造部30の全体設計にもよるが、前端120aと前端122aとの交差部では、上部122の下方を向く表面と下部120の外方を向く表面とが、それらの間に直角[right angle]又は鈍角[obtuse angle]を規定してもよい。
ブレース128及び130は、下部120と上部122との間に延在している。より具体的には、ブレース128及び130のそれぞれは、下部120及び上部122の双方に、例えば溶接で、固定的に取り付けられている。
上部122は、主部122b及びフランジ縁部[peripheral flange section]122cを備えている。フランジ縁部122cは、主部122bから角度的にずらされた方向に延びている。例えば、図示された実施形態では、フランジ縁部122cの長さに沿ったほとんどの点で、フランジ縁部122cは、主部122bに対して直角である[perpendicular to]。車体構造部30に取り付けられると、主部122bは、フードリッジ48の下表面48dに何カ所かで[at a variety of locations]溶接され、フランジ縁部122cは、フードリッジ48の外方表面[outboard surface]に溶接される。さらに、車体構造部30に取り付けられると、下部120は、フロントサイドメンバ46の外方面46cに溶接される。
図示された実施形態では、ブレース128及び130はそれぞれ、基本的に、箱状構造を形成するように互いに溶接された複数の金属板から作られており、上下端で下部120及び上部122に溶接されている。即ち、ブレース128及び130のそれぞれは、中空管状構造を有している。ブレース128及び130のそれぞれを中空管状構造にすることで、軽量化できる。図に示されているように、ブレース128は、下部120及び上部122の間の継ぎ目又は交差部に沿って、下部120及び上部122の間の位置に固定されている。しかし、ブレース130は、下部120及び上部122それぞれの先端近傍に位置されている。ブレース130を下部120及び上部122それぞれの先端近傍に位置させることで、衝突初期からエネルギーを吸収することができる。図示されている実施形態では、ブレース128及び130は互いに平行ではないが、必要に応じて、それらは互いに平行に配置され得る。
図12に示されるように、フードリッジ補強材24がフロントサイドメンバ46及びフードリッジ48に取り付けられた状態で、フードリッジ補強材24の下部120の上縁120eは、水平にされている[horizontally oriented]。上縁120eを水平にすることで、衝突エネルギーをフロントサイドメンバ46に効果的に伝達することができる。さらに、取り付けられると、フードリッジ補強材24の下部120は、車両縦方向Lに延在する。下部120が車両縦方向Lに延在させることで、衝突エネルギーをフロントサイドメンバ46にさらに効果的に伝達することができる。
フードリッジ補強材24の上部122は、フードリッジ補強材24が取り付けられた状態では、フロントサイドメンバ46の前端(前方部)46aから上方かつ側方に離れるように延在している。さらに、上部122は、フードリッジ48の傾斜表面48rに対して強度と剛性を付与するように、傾斜表面48rに沿って延在している。
図示された実施形態では、フードリッジ補強材24は、フロントサイドメンバ46及びフードリッジ48に溶接されて示されている。しかし、あるいは、フードリッジ補強材24の下部120は、例えばネジ締結具[threaded fasteners]によって、フロントサイドメンバ46に取り外し可能に締結され得るし、フードリッジ補強材24の上部122も同様に、例えばネジ締結具によって、フードリッジ48の下部に取り外し可能に締結され得る。
図8〜図12に示されるように、フードリッジ48は、内部補強材134を備えている。内部補強材134は、フードリッジ48の内部に隠されており[concealed]、前部衝突力をより効果的に横力へと変換するためにフードリッジ48を強固にする[stiffen]ように設けられている。内部補強材134は、フードリッジ48の傾斜表面48rに対応する部分からAピラー42へと後方に延びている。
図24〜図30は、力の方向を変える複数の特徴とスモール・オーバーラップ・テストに対するそれらの反応とを概略的に示している。特に、図24〜図26は、テスト中の車両10上の受力部材20及びエネルギー伝達ラテラル部材22の効果を示しており、図27〜図30は、同テスト中の車両10上の受力部材20及びフードリッジ補強材24の効果を示している。一連の画像中に力の方向を変える複数の特徴を三つ全ての効果を示すのは困難である。従って、テスト中の衝突の結果としての車両10が有する力の方向を変える複数の特徴の効果をより完全に理解するために、二つの異なる向き[orientations]が提供される。
特に、受力部材20、エネルギー伝達ラテラル部材22及びフードリッジ補強材24のそれぞれは、衝突時にそれらが車両10の前進推進力[forward momentum]の少なくとも一部を車両10の前方への運動に対する車両10の回転や角度変位を伴わず又はほとんど伴わずに車両10をバリアBに対して側方に移動させるような横力に変換するように、構成されている。
図24は、前方角部60におけるエンジンクレードル32の一部の平面図である。図24には、スモール・オーバーラップ・テストにおける衝突直前の受力部材20及びエネルギー伝達ラテラル部材22が示されている。衝突直前では、車両10は、当該車両10がバリアBとの衝突直前に所定速度で移動しているように前進推進力又は前進速度VF1を有している。図25には、衝突は、受力面94とバリアBとが接触する第1段階にある。衝突の結果、前進速度VF1に対応する運動エネルギーの一部は、代わりに車両10をバリアBから離れるように側方に移動させ始める側方速度VL1に変換される[translated or redirected]。従って、前進速度VF1は、前進速度VF2の小さなレベルによって示されるように減少される。図25及び図26に示される概略的シーケンスにおいて受力部材20及びエンジンクレードル32が多少の変形を受け始めるということは理解されるべきである。
図26では、衝突は十分に進行して[well underway]衝突の第2段階にある。受力面94とバリアBとのさらなる接触によって、前進速度VF2は、代わりに車両10のバリアBから離れるようなさらなる側方運動を生じさせる、レベルの増加された側方速度VL2へと継続的に変換される。従って、前進速度VF2は、前進速度VF3のより小さなレベルによって示されるようにさらに減少される。
図24〜図26に示されるように、受力部材20は、車両縦方向L上で後方に向けられた前進力を受け止めて、その力(運動エネルギー)の少なくとも一部を伝力部96を介してエンジンマウント構造部82及び原動機取付具88近傍のエンジンクレードル32に向ける。一方、エネルギー伝達ラテラル部材22は、受力部材20とエンジンクレードル32との間の補強を提供する。さらに、図26に示されるように、エンジンクレードル32が衝突の結果として変形を受け始めるにつれて、エネルギー伝達ラテラル部材22のエンジン接触面110とエンジンクレードル32とは、エンジンアッセンブリ80の隣接面を押圧し始める。エンジン接触面110、エンジンクレードル32及びエンジンアッセンブリ80の隣接面の接触によって、エンジンアッセンブリ80は変換された横力の一部を吸収する。エンジンアッセンブリ80は少なくとも異なる三つのエンジンマウント構造部82、84及び86を介してエンジンクレードル32に取り付けられ、かつ、エンジンアッセンブリ80は大きな質量を有しているので、エンジンアッセンブリ80に作用された力は、車両10をバリアBから離れるように押す。
図27〜図30では、エネルギー伝達ラテラル部材22は見えないが、受力部材20及びフードリッジ補強材24は見える。
図27は、衝突の第3段階における車両10の下部を示す、車両10の底面図であり、受力部材20は明らかにいくらか変形しており、示されていないが、エネルギー伝達ラテラル部材22はエンジンアッセンブリ80と接触し、フードリッジ48がバリアBと接触し始めたところである。バリアBからフードリッジ48に作用された衝突力の一部はフフードリッジ補強材24によってフロントサイドメンバ46へと向けられて、バリアBから離れるような車両10のさらなる側方運動が生じる。従って、衝突の第3段階では、フードリッジ補強材24は、前進速度VF4をフロントサイドメンバ46へと向け始めて、車両10をバリアBから離すように側方に移動させる側方速度VL3を発生させる。
衝突の第4段階にある図28では、フードリッジ48は、フードリッジ補強材24と共に多少の変形を受け始めており、前進速度VF4のより多くをフロントサイドメンバ46へと向けて車両10をバリアBから離すようにさらに側方に移動させる側方速度VL4を発生させ、これに対応して、図28で減少された前進速度VF5として示されているように前進推進力が減少される。図29及び図30は衝突の第5及び第6段階を示しており、前進速度VF6及びVF7の一部がフードリッジ補強材24によってフロントサイドメンバ46に向けられた結果として横速度VF5及びVF6はさらに増加して、車両10はバリアBから離れるようにさらに側方に移動している。
従って、力の方向を変える複数の特徴である、受力部材20、エネルギー伝達ラテラル部材22及びフードリッジ補強材24のそれぞれは、上述した衝突に対応する衝突力を受けとめ、かつ、車両10の速度に対応する運動エネルギーの一部を変換することで、受け止められた力を、車両10をバリアBから離れるように移動させる横力成分に変換する。さらに、受力部材20の受力面94及びフードリッジ補強材24の傾斜表面48rは、変換された側方運動エネルギーをエンジンアッセンブリ80に伝達することによって補助するエネルギー伝達ラテラル部材22と共に、変換された衝突力を車両の側方運動に変換する傾斜として互いに平行に作用する。従って、エンジンアッセンブリ80の質量は、変換された側方運動エネルギーの一部を吸収し、その運動エネルギーを車両10の側方運動へと変換する。
追ってより詳しく説明されるように、受力部材20は、エネルギー伝達ラテラル部材22及びフードリッジ補強材24を伴わずに車両10に採用されることができ、それでも、衝突に反応して車両10に側方運動を提供することができる。同様に、エネルギー伝達ラテラル部材22は、受力部材20及びフードリッジ補強材24を伴わずに車両10に採用されることができ、それでも、衝突に反応して車両10に側方運動を提供することができる。また同様に、フードリッジ補強材24は、受力部材20及びエネルギー伝達ラテラル部材22を伴わずに車両10に採用されることができ、それでも、衝突に反応して車両10に側方運動を提供することができる。また、これらの力の方向を変える三つの特徴のいずれか二つの組み合わせも、三番目の特徴を伴わずに車両10に採用され得る。
上記段落で言及されたものを含む、代替となる様々な実施形態について以下に説明する。また、代替となる様々な以下の実施形態に関連して説明される特徴の何れも、適用可能な第1実施形態の特徴の何れかと組み合わされて統合され得ることは理解されるべきである。
[第2実施形態]
図31を参照して、第2実施形態におけるエンジンクレードル32aについて説明する。第1及び第2実施形態の間の類似性を考慮して、第1実施形態の部品と同一の第2実施形態の部品には第1実施形態と同じ参照番号が与えられる。また、第1実施形態の部品と同一の第2実施形態の部品の説明は、便宜上、省略する。
第2実施形態では、エンジンクレードル32aは、第1実施形態のエンジンクレードル32と同一の部分、即ち、クレードル前部材52、クレードル左部材54、クレードル右部材56及びクレードル後部材58と、それらの各特徴とを、既に説明したように備えている。しかし、エンジンクレードル32aは、クロスブレース[cross-brace]140をさらに備えている。クロスブレース140は、クレードル前部材52とクレードル左部材54との交差部に固定的に取り付けられている。また、クロスブレース140は、クレードル右部材56とクレードル後部材58との交差部に固定的に取り付けられている。さらに、クロスブレース140は、クレードル左部材54とクレードル後部材58との交差部に固定的に取り付けられている。最後に、クロスブレース140は、クレードル前部材52とクレードル右部材56との交差部に固定的に取り付けられている。クロスブレース140は、取り外し可能な締結具によって、及び/又は、溶接されて、エンジンクレードル32aに固定され得る。
エンジンクレードル32aは、また、当該エンジンクレードル32aの側部に対応する前方角部に、二つの受力部材20を備えている。受力部材20は、上で説明したものであり、便宜上、その詳しい説明は省略する。
クロスブレース140は、衝突時の車両10の前進推進力の車両10の側方運動への変換を最大にするために、衝突時にエンジンクレードル32aをより強固にする役割を果たす。
エンジンクレードル32aは、第1実施形態で説明されたのと全く同じ方法で車両10に採用される。図示されていないが、上述したように、エンジンクレードル32aはエネルギー伝達ラテラル部材22を備え得るし、車両10はフードリッジ補強材24も備え得る。
あるいは、エンジンクレードル32aは、エネルギー伝達ラテラル部材22及びフードリッジ補強材24を省略して受力部材20のみを採用し得るし、それでも、衝突に対して、前進推進力の側方運動への変換を達成し得る。
[第3実施形態]
図32を参照して、第3実施形態におけるエンジンクレードル32bについて説明する。第1及び第3実施形態の間の類似性を考慮して、第1実施形態の部品と同一の第3実施形態の部品には第1実施形態と同じ参照番号が与えられる。また、第1実施形態の部品と同一の第3実施形態の部品の説明は、便宜上、省略する。
第3実施形態では、エンジンクレードル32bは、第1実施形態のエンジンクレードル32と同一の部分、即ち、クレードル前部材52、クレードル左部材54、クレードル右部材56及びクレードル後部材58と、それらの各特徴とを、既に説明したように備えている。しかし、エンジンクレードル32bは、ブレース142をさらに備えている。ブレース142の第1端は、エンジンマウント構造部82の近傍の、クレードル左部材54の内方側の中央部に固定的に取り付けられている。ブレース142の第2端は、クレードル右部材56の内方側の中央部に固定的に取り付けられている。ブレース142は、取り外し可能な締結具によって、及び/又は、溶接されて、エンジンクレードル32bに固定され得る。
エンジンクレードル32bは、また、当該エンジンクレードル32bの側部に対応する前方角部に、二つの受力部材20を備えている。受力部材20は、上で説明したものであり、便宜上、その詳しい説明は省略する。
ブレース142は、衝突時の車両10の前進推進力の車両10の側方運動への変換を最大にするために、衝突時にエンジンクレードル32bをより強固にする役割を果たす。
エンジンクレードル32bは、第1実施形態で説明されたのと全く同じ方法で車両10に採用される。図示されていないが、上述したように、エンジンクレードル32bはエネルギー伝達ラテラル部材22を備え得るし、車両10はフードリッジ補強材24も備え得る。
あるいは、エンジンクレードル32bは、エネルギー伝達ラテラル部材22及びフードリッジ補強材24を省略して受力部材20のみを採用し得るし、それでも、衝突に対して、前進推進力の側方運動への変換を達成し得る。
[第4実施形態]
図33を参照して、第4実施形態におけるエンジンクレードル32cについて説明する。第1及び第4実施形態の間の類似性を考慮して、第1実施形態の部品と同一の第4実施形態の部品には第1実施形態と同じ参照番号が与えられる。また、第1実施形態の部品と同一の第4実施形態の部品の説明は、便宜上、省略する。
第4実施形態では、エンジンクレードル32cは、第1実施形態のエンジンクレードル32と同一の部分、即ち、クレードル前部材52、クレードル左部材54、クレードル右部材56及びクレードル後部材58と、それらの各特徴とを、既に説明したように備えている。しかし、エンジンクレードル32cは、ブレース144及び146をさらに備えている。
ブレース144の第1端は、エンジンマウント構造部82からやや前方の、クレードル左部材54の内方側の部分に固定的に取り付けられている。ブレース144の第2端は、クレードル後部材58の前方側の中央部とブレース146の第1端とに固定的に取り付けられている。ブレース146の第1端も、クレードル後部材58の前方側の中央部に固定的に取り付けられている。ブレース146の第2端は、クレードル右部材56の内方側の部分に固定的に取り付けられている。ブレース144及び146は、取り外し可能な締結具によって、及び/又は、溶接されて、エンジンクレードル32cに固定され得る。
エンジンクレードル32cは、また、当該エンジンクレードル32cの側部に対応する前方角部に、二つの受力部材20を備えている。受力部材20は、上で説明したものであり、便宜上、その詳しい説明は省略する。
ブレース144及び146は、衝突時の車両10の前進推進力の車両10の側方運動への変換を最大にするために、衝突時にエンジンクレードル32cをより強固にする役割を果たす。
エンジンクレードル32cは、第1実施形態で説明されたのと全く同じ方法で車両10に採用される。図示されていないが、上述したように、エンジンクレードル32cはエネルギー伝達ラテラル部材22を備え得るし、車両10はフードリッジ補強材24も備え得る。
あるいは、エンジンクレードル32cは、エネルギー伝達ラテラル部材22及びフードリッジ補強材24を省略して受力部材20のみを採用し得るし、それでも、衝突に対して、前進推進力の側方運動への変換を達成し得る。
[第5実施形態]
図34を参照して、第5実施形態におけるエンジンクレードル32dについて説明する。第1及び第5実施形態の間の類似性を考慮して、第1実施形態の部品と同一の第5実施形態の部品には第1実施形態と同じ参照番号が与えられる。また、第1実施形態の部品と同一の第5実施形態の部品の説明は、便宜上、省略する。
第5実施形態では、エンジンクレードル32dは、第1実施形態のエンジンクレードル32と同一の部分、即ち、クレードル前部材52、クレードル左部材54、クレードル右部材56及びクレードル後部材58と、それらの各特徴とを、既に説明したように備えている。しかし、エンジンクレードル32dは、ブレース148をさらに備えている。ブレース148の第1端は、エンジンマウント構造部82からやや前方の、クレードル左部材54の内方側の部分に固定的に取り付けられている。ブレース148の第2端は、クレードル右部材56とクレードル後部材58との交差部に固定的に取り付けられている。ブレース148は、取り外し可能な締結具によって、及び/又は、溶接されて、エンジンクレードル32dに固定され得る。
エンジンクレードル32dは、また、当該エンジンクレードル32dの1つの前方角部にのみ、受力部材20を備えている。受力部材20は、上で説明したものであり、便宜上、その詳しい説明は省略する。
ブレース148は、衝突時の車両10の前進推進力の車両10の側方運動への変換を最大にするために、衝突時にエンジンクレードル32dをより強固にする役割を果たす。
エンジンクレードル32dは、第1実施形態で説明されたのと全く同じ方法で車両10に採用される。図示されていないが、上述したように、エンジンクレードル32dはエネルギー伝達ラテラル部材22を備え得るし、車両10はフードリッジ補強材24も備え得る。
あるいは、エンジンクレードル32dは、エネルギー伝達ラテラル部材22及びフードリッジ補強材24を省略して受力部材20のみを採用し得るし、それでも、衝突に対して、前進推進力の側方運動への変換を達成し得る。
[第6実施形態]
図35〜図37を参照して、第6実施形態におけるエンジンクレードル32eについて説明する。第1及び第6実施形態の間の類似性を考慮して、第1実施形態の部品と同一の第6実施形態の部品には第1実施形態と同じ参照番号が与えられる。また、第1実施形態の部品と同一の第6実施形態の部品の説明は、便宜上、省略する。
第6実施形態では、エンジンクレードル32eは、第1実施形態のエンジンクレードル32と同一の部分、即ち、クレードル前部材52、クレードル左部材54、クレードル右部材56(図35〜図37には示されていない)及びクレードル後部材58(図35〜図37には示されていない)と、それらの各特徴とを、既に説明したように備えている。
第6実施形態では、エンジンクレードル32eは、上述した第1実施形態と同様に、受力部材20を備えている。しかし、エンジンクレードル32eは、エネルギー伝達ラテラル部材22を備えていない。また、車両10は、フードリッジ補強材24を備えていない。しかしながら、エンジンクレードル32eは、車両10で用いられたとき、第1実施形態のように、衝突に対して、前進速度の側方速度への変換を同様に達成し得る。
[第7実施形態]
図38及び図39を参照して、第7実施形態におけるエンジンクレードル32fについて説明する。第1及び第7実施形態の間の類似性を考慮して、第1実施形態の部品と同一の第7実施形態の部品には第1実施形態と同じ参照番号が与えられる。また、第1実施形態の部品と同一の第7実施形態の部品の説明は、便宜上、省略する。
第7実施形態では、エンジンクレードル32fは、第1実施形態のエンジンクレードル32と同一の部分、即ち、クレードル前部材52、クレードル左部材54、クレードル右部材56及びクレードル後部材58と、それらの各特徴とを、既に説明したように備えている。
第7実施形態では、エンジンクレードル32fは、上述した第1実施形態と同様に、受力部材20及びエネルギー伝達ラテラル部材22を備えている。しかし、車両10は、フードリッジ補強材24を備えていない。しかしながら、エンジンクレードル32fは、車両10で用いられたとき、第1実施形態のように、衝突に対して、前進速度の側方速度への変換を同様に達成し得る。
[第8実施形態]
図40を参照して、第8実施形態におけるエンジンクレードル32gを有する車両10について説明する。第1及び第8実施形態の間の類似性を考慮して、第1実施形態の部品と同一の第8実施形態の部品には第1実施形態と同じ参照番号が与えられる。また、第1実施形態の部品と同一の第8実施形態の部品の説明は、便宜上、省略する。
第8実施形態では、エンジンクレードル32gは、第1実施形態のエンジンクレードル32と同一の部分、即ち、クレードル前部材52、クレードル左部材54、クレードル右部材56及びクレードル後部材58と、それらの各特徴とを、既に説明したように備えている。
第8実施形態では、エンジンクレードル32gは、受力部材20と、第1実施形態のエネルギー伝達ラテラル部材22と置き換えられたエネルギー伝達ラテラル部材22aを備えている。エネルギー伝達ラテラル部材22aの高さが内方側部104から外方側部100へと低くなるように車両10の外方側へと下方に向けて角度が付けられた傾斜上面100aをエネルギー伝達ラテラル部材22aが備えている以外は、エネルギー伝達ラテラル部材22aは、実質的に第1実施形態のエネルギー伝達ラテラル部材22と同じである。あるいは、傾斜上面100aは、エネルギー伝達ラテラル部材22aの高さが内方側部104から外方側部100へと低くなるように階段形状を有し得る。しかしながら、エンジンクレードル32gは、第1実施形態のように、衝突に対して、前進速度の側方速度への変換を同様に達成し得る。エネルギー伝達ラテラル部材22の受力部材20への取付部分(第1部分)が傾斜上面100aを有していることで、軽量かつ高剛性の構造を安価に構築でき、また、衝突入力を効率よくエンジンアッセンブリ80に伝達させることができる。
[第9実施形態]
図41〜図45を参照して、第9実施形態におけるエンジンクレードル32hを有する車両10について説明する。第1及び第9実施形態の間の類似性を考慮して、第1実施形態の部品と同一の第9実施形態の部品には第1実施形態と同じ参照番号が与えられる。また、第1実施形態の部品と同一の第9実施形態の部品の説明は、便宜上、省略する。
第9実施形態では、エンジンクレードル32hは、第1実施形態のエンジンクレードル32と同一の部分、即ち、クレードル前部材52、クレードル左部材54、クレードル右部材56及びクレードル後部材58と、それらの各特徴とを、既に説明したように備えている。
第9実施形態では、受力部材20が省略されており、第1実施形態のエネルギー伝達ラテラル部材22が、改良された[modified]エネルギー伝達ラテラル部材222に置き換えられている。エネルギー伝達ラテラル部材222は、第1実施形態のエネルギー伝達ラテラル部材22の全ての特徴を有しているが、受力部材20が省略されたことに起因して短くされている。なお、エネルギー伝達ラテラル部材222は、第8実施形態で説明したように、傾斜された、又は、階段状の上面100aを有し得る。また、エネルギー伝達ラテラル部材222は、代わりに、第8実施形態で説明したように、内方側部104、前側部106及び後側部108のみを有するC字形状を有し得る。
図43〜図45は、エンジンクレードル32hの変形を伴う衝突段階を示している。エンジンクレードル32hの変形は、エンジンアッセンブリ80が側方へのエネルギーの一部を吸収して車両10を側方に移動させるように、エネルギー伝達ラテラル部材222を、エンジンアッセンブリ80と接触するように移動させる。
エンジンクレードル32hは、第1実施形態のように、衝突に対して、前進速度の側方速度への変換を同様に達成し得る。
[第10実施形態]
図46〜図52を参照して、第10実施形態における車両10について説明する。第1及び第10実施形態の間の類似性を考慮して、第1実施形態の部品と同一の第10実施形態の部品には第1実施形態と同じ参照番号が与えられる。また、第1実施形態の部品と同一の第10実施形態の部品の説明は、便宜上、省略する。
第10実施形態では、受力部材20及びエネルギー吸収ラテラル部材22が車両10から省略されている。しかし、第1実施形態で説明したように、フードリッジ補強材24は備えられている。第10実施形態では、フードリッジ補強材24は、下部120、ブレース128及び130、並びに、上部122を備えている。上部122はフードリッジ48に固定的に取り付けられ、下部120はフロントサイドメンバ46に固定的に取り付けられている。
フロントサイドメンバ46は、互いに溶接され、でなければ、剛結されて車両10のビームを形成する複数のパネルを備えている。例えば、フロントサイドメンバ46は、当該フロントサイドメンバ46の全体形状の中で、間に空間を規定する内方板46i及び外方板46oとを備えている。フロントサイドメンバ46は、エンジンアッセンブリ接触部材150(図48及び図49)及び補強ブラケット[reinforcement bracket]152(図47及び図49)も備えている。
エンジンアッセンブリ接触部材150は、図48及び図49に示されるように、フロントサイドメンバ46の内方板46iの外面に固定されている。補強ブラケット152は、図49に示されるように、フロントサイドメンバ46の内方板46iの内面に固定されており、内方板46iから外方板46oに向けて複数の延出部を有するように形成されている。エンジンアッセンブリ接触部材150及び補強ブラケット152は、図49に示されるように、互いに側方に並設されている。衝突時には、フードリッジ48から側方に向けられた力は、フロントサイドメンバ46に伝達される。このような力はフロントサイドメンバ46を側方に変形させる傾向がある。しかし、フロントサイドメンバ46のそのような変形によって、補強ブラケット152は、側方への力がフロントサイドメンバ46からエンジンアッセンブリ接触部材150を介してエンジンアッセンブリ80に伝達され得るようにフロントサイドメンバ46の全体形状を維持することを補助し、その結果、車両10は、衝突時に側方に移動する。
車両10は、図50〜図52に示されるように、第1実施形態のように、衝突に対して、前進速度の側方速度への変換を同様に達成し得る。
[第11実施形態]
図53〜図55を参照して、第11実施形態におけるフードリッジ補強材24aについて説明する。第1及び第11実施形態の間の類似性を考慮して、第1実施形態の部品と同一の第11実施形態の部品には第1実施形態と同じ参照番号が与えられる。また、第1実施形態の部品と同一の第11実施形態の部品の説明は、便宜上、省略する。
フードリッジ補強材24aは、第10実施形態で説明したように、基本的に、下部120及び上部122を備えているが、複数のブレース224、226、228、230及び232をさらに備えている。フードリッジ補強材24aの上部122は、下部120及び上部122がV字状構造を規定するように下部120の前端120aに固定的に取り付けられる前端122aを備えている。より具体的には、側方から見ると、図53に示されるように、上部122及び下部120は、それらの間に鋭角を規定している。しかし、車体構造部30の全体設計にもよるが、前端120aと前端122aとの交差部では、上部122及び下部120が、それらの間に直角又は鈍角を規定してもよい。
ブレース224、226、228、230及び232は、下部120と上部122との間に延在している。より具体的には、ブレース224、226、228、230及び232のそれぞれは、下部120及び上部122の双方に、例えば溶接で、固定的に取り付けられている。
上部122は、主部122b及びフランジ縁部[peripheral flange section]122cを備えている。フランジ縁部122cは、主部122bから角度的にずらされた方向に延びている。例えば、図示された実施形態では、フランジ縁部122cの長さに沿ったほとんどの点で、フランジ縁部122cは、主部122bに対して直角である[perpendicular to]。車体構造部30に取り付けられると、主部122bは、フードリッジ48の下表面48dに何カ所かで[at a variety of locations]溶接され、フランジ縁部122cは、フードリッジ48の外方表面[outboard surface]に溶接される。さらに、車体構造部30に取り付けられると、下部120は、フロントサイドメンバ46の外方面46cに溶接される。図示された実施形態では、ブレース224、226及び228は、基本的に、下部120及び上部122に溶接された金属の平板やガセット板である。ブレース230及び232は、下部120及び上部122に溶接された円筒又は管状形状の要素である。図に示されるように、ブレース224、226及び228は、下部120及び上部122の間の継ぎ目又は交差部に沿って、下部120及び上部122の間の位置に固定されている。しかし、ブレース230及び232は、下部120及び上部122それぞれの先端近傍に位置されている。図示されている実施形態では、ブレース224、226及び228は互いに平行に延びている。一方、ブレース230及び232は、互いに平行ではないが、必要に応じて、それらは互いに平行に配置され得る。
[第12実施形態]
図56を参照して、第12実施形態におけるフードリッジ補強材24bについて説明する。第1及び第12実施形態の間の類似性を考慮して、第1実施形態の部品と同一の第12実施形態の部品には第1実施形態と同じ参照番号が与えられる。また、第1実施形態の部品と同一の第12実施形態の部品の説明は、便宜上、省略する。
フードリッジ補強材24bは、第10実施形態のフードリッジ補強材24aの下部120及び上部122を備えている。しかし、第10実施形態の平板状のブレース224、226及び228が、中空筒状のブレース224a及び226aに置き換えられている。
[第13実施形態]
図57を参照して、第13実施形態におけるフードリッジ補強材24cについて説明する。第1及び第13実施形態の間の類似性を考慮して、第1実施形態の部品と同一の第13実施形態の部品には第1実施形態と同じ参照番号が与えられる。また、第1実施形態の部品と同一の第13実施形態の部品の説明は、便宜上、省略する。
フードリッジ補強材24cは、第1実施形態のフードリッジ補強材24の下部120及び上部122を備えている。しかし、第1実施形態のブレース128及び130が、ブレース330及び332に置き換えられている。第1実施形態のブレース330及び332は、第1実施形態のブレース128及び130と同様に中空内部を有する四角形状断面を有しているが、その角部は丸められている。
[第14実施形態]
図58を参照して、第14実施形態における受力部材420について説明する。第1及び第14実施形態の間の類似性を考慮して、第1実施形態の部品と同一の第14実施形態の部品には第1実施形態と同じ参照番号が与えられる。また、第1実施形態の部品と同一の第14実施形態の部品の説明は、便宜上、省略する。
受力部材420は、第1頂部Aから第2頂部Aに延びる弓状(湾曲状)[arcuate (curved)]の受力面494と、第2頂部Aから第3頂部Aに延びる弓状(湾曲状)の伝力部496とを有している。受力面494及び伝力部496は、受力部材420が円盤状となるように、第1頂部Aから第3頂部Aまで連続する曲線的な形態[curvilinear profile]を形成している。あるいは、受力部材420が球状となるように、受力部材420の上部90及び/又は下部92も連続する曲線的な形態を形成し得る。
[第15実施形態]
図59を参照して、第15実施形態におけるエネルギー伝達ラテラル部材522について説明する。第1及び第15実施形態の間の類似性を考慮して、第1実施形態の部品と同一の第15実施形態の部品には第1実施形態と同じ参照番号が与えられる。また、第1実施形態の部品と同一の第15実施形態の部品の説明は、便宜上、省略する。
エネルギー伝達ラテラル部材522は、外方側部500、主部502及び内方側部504を備えている。外方側部500は、丸められた弓状[rounded or arcuate]の形状であることを除けば、第1実施形態のエネルギー伝達ラテラル部材22の外方側部100と同等である。主部502は、半円筒又は半円管形状を規定する湾曲形状を有している。主部502の外方端は、主部502の内方端の直径よりも小さい直径を有している。しかし、主部502の内方端及び外方端は、主部502を半フラスコ形状[half frustoconical shape]というよりもむしろ半円筒状[half-cylinder shape]とするような同一直径を持ち得る。内方側部504は、概して、第1実施形態のエネルギー伝達ラテラル部材22の内方側部104同じであるが、丸められた形状又は弓状の形状[rounded or arcuate shape]を有している。外方側部500、主部502及び内方側部504が内部に中空空洞[hollow cavity]や中実円柱又は半円柱状の胴体を[solid cylinder or half cylinder shaped body]を規定するようにエネルギー伝達ラテラル部材522が形成される構成も採用され得る。
車両10の上述されなかった種々の要素及び特徴は、当該技術分野でよく知られた従来構成[conventional components]である。これらの要素や特徴は当該技術分野でよく知られているので、それらの構造はここでは詳細には説明されない[discussed or illustrated]。むしろ、それらの構成が本発明を実現するために用いられ得る種類の構造であることは、当業者にとっては、本開示から明らかである。
本発明の範囲を理解するに際し、ここで用いられているように、「備えている[comprising]」の語及びその派生語は、述べられた特徴、要素、構成[componemts]、組[group]、整数及び/又は工程[steps]の存在を特定するが、他の述べられていない特徴、要素、構成、組、整数及び/又は工程の存在を除外するものではないオープン・エンドな用語[open-ended term]である。このようなことは、「備えている[including]」や「有している[having]」の語及びそれらの派生語のように同様の意味を持つ語にも適用される。また、単数形で用いられた「部[part]」、「部[section]」、「部材[member]」又は「要素[element]」の語は、単数及び複数の意味を持ち得る。また、上記実施形態を説明するためにここで用いられたように、方向を示す下記の語、「前方[forward]」、「後方[rearward]」、「上方[above]」、「下方[downward]」、「垂直[vertical]」、「水平[horizontal]」、「下方[below]」及び「横[transverse]」は、他の似たような方向を示す用語と同様に、車両前部構造を備えた車両についてのこれらの方向を示している。従って、本発明を説明するために用いられたようなこれらの用語は、車両前部構造を備えた車両に対して解釈されるべきである。
ここで用いられたような「実質的に[substantially]」、「約[about]」及び「おおよそ[approximately]」のような程度の用語は、最終結果を著しく変えることがないように、(これらの語によって)変えられた単語[modified term (by these terms)]の偏差の妥当な量を意味するものである。
限定された実施形態が本発明を説明するために選ばれたが、添付の請求の範囲で定義されているような発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び改良が行われ得ることは、当業者にとっては、本開示から明らかである。例えば、種々の構成の大きさ、形状、位置又は向きは、必要に応じて[as needed and/or desired]変更され得る。直接接続されたり、互いに接触する、(上記実施形態で)示された構成は、それらの間に配置される中間構造を有し得る。一つの要素の機能は、二つの要素で実行され得るし、その逆も同様である[and vice versa]。ある実施形態の構造及び機能は、他の実施形態においても採用され得る。全ての利点が、ある特定の実施形態で同時にもたらされるというわけでは必ずしもない。単独又は他の特徴と共に従来技術からは新規である特徴は、そのような特徴によって具体化される構造的及び/又は機能的概念を含む、出願人によるさらなる発明の別の説明が考慮されるべきである。従って、本発明による実施形態の上記説明は、説明のためにのみ提供されており、また、添付の請求の範囲によって定義されるような発明及びそれらと均等のものを限定する目的のために提供されているのではない。
米国特許出願の第13/797,498号(2013年3月12日出願)、第13/797,399号(2013年3月12日出願)[当該出願に対して提出された2回の予備補正を含む]及び第13/797,237号(2013年3月12日出願)の全ての内容は、ここに参照されることで本明細書に援用される。本発明の実施形態を参照することで上述のように本発明が説明されたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、請求の範囲に照らして決定される。

Claims (12)

  1. 車両前部構造であって、
    車両縦方向に延在するフロントサイドメンバと、
    前記フロントサイドメンバの前方部に固定的に取り付けられた前方端を有するフードリッジであって、前記フロントサイドメンバから、車両後方向に、上方かつ側外方に延びているフードリッジと、
    前記フロントサイドメンバの外方表面に固定的に取り付けられた下部、前記フードリッジの下部に固定的に取り付けられた上部、並びに、前記下部及び前記上部に固定的に取り付けられた少なくとも一つのブレースを備えたフードリッジ補強材と、を備えている車両前部構造。
  2. 請求項1に記載の車両前部構造であって、
    前記フードリッジ補強材の前記上部が、前記下部の前端に固定的に取り付けられる前端を備えており、
    前記下部及び前記上部が、V字状構造を規定している、車両前部構造。
  3. 請求項1に記載の車両前部構造であって、
    前記上部及び前記下部が、それらの間に鋭角を規定している、車両前部構造。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の車両前部構造であって、
    前記少なくとも一つのブレースが、前記下部の先端近傍から前記上部の先端近傍へと延在している、車両前部構造。
  5. 請求項4に記載の車両前部構造であって、
    前記少なくとも一つのブレースが、中空管状構造を有している、車両前部構造。
  6. 請求項2に記載の車両前部構造であって、
    前記少なくとも一つのブレースが、前記下部の先端近傍から前記上部の先端近傍へと延在しており、
    前記フードリッジ補強材が、前記少なくとも一つのブレースと前記下部及び前記上部の前記先端との間に配された第2のブレースを備えており、
    前記第2のブレースが、前記下部から前記上部へと延在し、かつ、前記下部及び前記上部に固定的に取り付けられている、車両前部構造。
  7. 請求項6に記載の車両前部構造であって、
    前記第2のブレースが、中空管状構造を有している、車両前部構造。
  8. 請求項6に記載の車両前部構造であって、
    前記第2のブレースが、平板又はガセット板である、車両前部構造。
  9. 請求項6に記載の車両前部構造であって、
    前記第2のブレースが、前記少なくとも一つのブレースに対して平行である、車両前部構造。
  10. 請求項1〜9の何れか一項に記載の車両前部構造であって、
    前記下部は、前記フードリッジ補強材が前記フロントサイドメンバ及び前記フードリッジに取り付けられた状態で、水平にされた上縁を有している、車両前部構造。
  11. 請求項1〜9の何れか一項に記載の車両前部構造であって、
    前記下部は、前記フードリッジ補強材が前記フロントサイドメンバ及び前記フードリッジに取り付けられた状態で、前記車両縦方向に延在している、車両前部構造。
  12. 請求項1〜11の何れか一項に記載の車両前部構造であって、
    前記上部は、前記フードリッジ補強材が前記フロントサイドメンバ及び前記フードリッジに取り付けられた状態で、前記フロントサイドメンバの前記前方部から上方かつ側方に離れるように延在している、車両前部構造。
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