JP2023077040A - 車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】スモールオーバラップオフセット衝突時の車室変形を抑制するとともに重量の増加を抑制した車体構造を提供する。【解決手段】車室の前側端部に設けられ上下方向に延在するフロントピラーロワ10と、フロントピラーロワの上端部から後傾して延在するフロントピラーアッパ20と、フロントピラーロワとフロントピラーアッパとの接合部近傍から車両前方側へ突き出したアッパフレーム70と、アッパフレームよりも車幅方向内側かつ下方側で車室の前部から突き出したフロントサイドフレーム60と、アッパフレームとフロントサイドフレームとを連結する連結構造体80とを備える車体構造1を、アッパフレームの内部に設けられた軸力伝達部材110と、軸力伝達部材の中間部とアッパフレームの内面とを連結するとともに、アッパフレームの外表面の変形を誘発する変形誘発部121~124とを備える構成とする。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車両の車体構造に関する。
自動車等の車両の車体構造に関する技術として、例えば特許文献1には、前面衝突時にフロントアッパーメンバに入力する衝突荷重をフロントピラーアッパに伝達し難くして車室の変形を抑制するため、フロントサイドフレームの上方に車体前後方向に延びるフロントアッパーメンバは、車体前後方向に延びる本体部と、本体部の後端から後下方に傾斜してフロントピラーロアの下部前面に連結される下側連結部と、本体部の後端から後方に延びてフロントピラーロアの上部前面に連結される上側連結部とを備えることが記載されている。また、上側連結部は本体部と別体かつ低剛性に形成されるため圧壊しやすく、フロントピラーアッパに伝達される衝突荷重が小さくなることが記載されている。
特許文献2には、衝撃吸収領域を拡大し衝撃吸収量を増大するため、フロントサイドフレームの後方に配置されるフロントピラーと、フロントサイドフレームの上方でフロントピラーから前方に向けて延び、フロントサイドフレームの車幅外側に配置されるアッパフレームと、下端側がフロントサイドフレームに結合され、上端側がアッパフレームに結合されるダンパハウジングとを備えるものが記載されている。また、ダンパハウジングとアッパフレームとの結合部に、車幅方向に屈曲した屈曲部を備え、屈曲部の前方領域を衝撃吸収領域とすることが記載されている。
特許文献3には、フロントピラーのプレス成形性を向上させるとともに、小ラップ前面衝突事故に対して十分な衝突性能を得るため、フードリッジレインフォース側延設片部がフロントピラーアッパとフロントピラーロアとの間に介在延長し、連結されることが記載されている。
特開2010-120533号公報 特開2012- 61901号公報 特開2014-205465号公報
車幅方向における側端部近傍の微小な領域にのみ車両前方側から衝突物が衝突するスモールオーバラップオフセット衝突では、オーバラップが比較的大きいオフセット衝突やフルラップ衝突に対して、衝突エネルギを十分に吸収できない状態で、車室に比較的大きな荷重が伝達され、車室の変形が生じることが懸念される。
これに対し、車室構造自体の強度を向上することも考えられるが、この場合、例えば部材の板厚や断面を拡大したり、補強構造を追加することなどにより、車体重量が増加してしまう。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、スモールオーバラップオフセット衝突時の車室変形を抑制するとともに重量の増加を抑制した車体構造を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明の一態様に係る車体構造は、乗員が収容される車室の前部における側端部に設けられ上下方向に延在するフロントピラーロワと、前記フロントピラーロワの上端部から上方側かつ後方側へ傾斜して延在するフロントピラーアッパと、前記フロントピラーロワと前記フロントピラーアッパとの接合部近傍から車両前方側へ突き出したアッパフレームと、前記アッパフレームよりも車幅方向内側でありかつ下方側で前記車室の前部から車両前方側へ突き出したフロントサイドフレームと、前記アッパフレームと前記フロントサイドフレームとを前記車室に対して車両前方側に離間した箇所で連結する連結構造体とを備える車体構造であって、前記アッパフレームの内部に設けられ、前端部が前記アッパフレームと前記連結構造体との接合部又はその近傍に固定され、後端部が前記フロントピラーロワの前面部と隣接して配置された軸力伝達部材と、前記軸力伝達部材の中間部から上下方向と車幅方向との少なくとも一方に張り出して形成され前記軸力伝達部材と前記アッパフレームの内面とを連結するとともに、前記軸力伝達部材への軸力の入力に応じて前記アッパフレームの外表面の変形を誘発する変形誘発部とを備えることを特徴とする。
これによれば、衝突時に連結構造体から軸力伝達部材の先端部に車両後方側への荷重が入力された際に、軸力伝達部材は荷重を軸力として車両後方側へ伝達しつつ車室に対して後退する。このとき、変形誘発部がアッパフレームの内面を牽引してアッパフレームに局所的な変形を誘発する。この局所的な変形が基点となり、アッパフレームは屈曲変形し、圧壊する。
このようなアッパフレームの圧壊により、衝突のエネルギを吸収し、フロントピラーロワへの入力を低減することができ、重量増を伴うフロントピラーロワ、フロントピラーアッパの過度な補強を行うことなく車室の変形を抑制することができる。
本発明において、前記変形誘発部は、前記軸力伝達部材の長手方向に沿って複数設けられる構成とすることができる。
これによれば、アッパフレームの車両前後方向における広範囲にわたって圧壊の形態を制御することが可能となり、上述した効果を促進することができる。
本発明において、前記変形誘発部は、前記軸力伝達部材と前記アッパフレームの第1の内面部とを連結する第1の変形誘発部と、前記軸力伝達部材と前記アッパフレームの前記第1の内面部と対向する第2の内面部とを連結する第2の変形誘発部とを、前記軸力伝達部材の長手方向に順次配列した構成とすることができる。
これによれば、アッパフレームの対向する一対の壁面に、車両前後方向に沿って交互に局所的な変形を誘発することができる。このため、アッパフレームをジグザグ状に順次屈曲するように圧壊させることができ、アッパフレームが軸力伝達部材に沿って圧縮される安定した変形モードで効果的にエネルギ吸収を行うことができる。
本発明において、前記軸力伝達部材は、前端部に対して後端部が低くなるように傾斜して配置される構成とすることができる。
これによれば、軸力伝達部材の前端部に入力された車両後方側への荷重を、斜め下方側へ伝達し、フロントピラーロワの中間部に入力することで、フロントピラーロワの上下方向における中間部を後方側が凸となる方向に湾曲又は屈曲変形させることが可能となり、フロントピラーロワの上端部からフロントピラーアッパに、フロントピラーアッパの後端部が上昇する方向のモーメントを発生させることができる。このため、フロントピラーアッパが下降する方向に車体変形が生じることを抑制できる。
以上説明したように、本発明によれば、スモールオーバラップオフセット衝突時の車室変形を抑制するとともに重量の増加を抑制した車体構造を提供することができる。
本発明を適用した車体構造の実施形態を車両上方から見た状態を示す模式的平面視図である。 実施形態の車体構造を車幅方向から見た状態を示す模式的側面視図である。 スモールオーバラップオフセット衝突後における実施形態の車体構造を車両上方から見た状態を示す模式的平面視図である。 スモールオーバラップオフセット衝突後における実施形態の車体構造を車幅方向から見た状態を示す模式的側面視図である。
以下、本発明を適用した車体構造の実施形態について説明する。
実施形態の車体構造1は、車室2の前方側にパワーユニットコンパートメント3が設けられた乗用車等の自動車に設けられるものである。
図1は、実施形態の車体構造を車両上方から見た状態を示す模式的平面視図である。
図2は、実施形態の車体構造を車幅方向から見た状態を示す模式的側面視図である。
車体構造1は、車室2とパワーユニットコンパートメント3との接合部周辺の構成に特徴を有する。
車室2は、図示しない乗員等を収容する空間部である。
パワーユニットコンパートメント3は、例えば、図示しないエンジン、トランスミッション、モータジェネレータ、及び、その補機類などのパワーユニットを収容する空間部である。
パワーユニットコンパートメント3は、車室2の前端部から車両前方側へ張り出して形成されている。
車体構造1は、フロントピラーロワ10、フロントピラーアッパ20、トーボード30、トーボードクロスメンバ40、フロアパネル50、フロントサイドフレーム60、アッパフレーム70、ストラットハウジング80、サスペンションクロスメンバ90等を有して形成されている。
フロントピラーロワ10は、車室の前端部かつ左右側端部にそれぞれ設けられた柱状の部材である。
フロントピラーロワ10は、上下方向に延在している。
フロントピラーロワ10は、長手方向と直交する平面で切って見た断面形状が閉断面として形成されている。
フロントピラーロワ10は、図示しないフロントウインドウガラス及びフロントドアガラスの下端部よりも下方側(いわゆるグリーンハウスよりも下方側)の領域に設けられている。
フロントピラーアッパ20は、フロントピラーロワ10の上端部から上方へ突き出した柱状の部材である。
フロントピラーロワ10、フロントピラーアッパ20は共同して車両のフロントピラー(Aピラー)を構成する。
フロントピラーアッパ20は、上端部が下端部に対して車両後方側となるように、後傾している。
また、フロントピラーアッパ20は、上端部が下端部に対して車幅方向内側となるように、内傾して配置されている。
フロントピラーアッパ20は、長手方向と直交する平面で切って見た断面形状が閉断面として形成されている。
フロントピラーアッパ20は、フロントウインドウガラスの側端部、及び、フロントドアガラスの前端部に沿って配置されている。
フロントピラーアッパ20の後端部は、図示しないルーフの側部に沿って延在する図示しないルーフサイドフレームに、連続的に接続されている。
ルーフサイドフレームには、図示しないセンターピラー(Aピラー)、リアピラー(Cピラー、Dピラー等)の上端部が接続される。
トーボード30は、左右のフロントピラーロワ10の間にわたして設けられたパネル状の部材である。
トーボード30は、車室2の下半部における前面部を構成する部分である。
トーボード30の上部31は、車幅方向から見たときに、上下方向に沿って延在している。
トーボード30の下部32は、上部31の下端部から下方へ張り出して形成されている。
下部32は、下端部が上端部(上部31との接続部)に対して車両後方側となるように、前傾して配置されている。
トーボードクロスメンバ40は、左右のフロントピラーロワ10の上部の間にわたして配置されている。
トーボードクロスメンバ40は、トーボード30の上部31に対して車両前方側へ張り出して形成されている。
トーボードクロスメンバ40は、フロントウインドウガラスの下端部に沿って延在している。
フロアパネル50は、車室2の床面部を構成するパネル状の部材である。
フロアパネル50は、トーボード30の下部32の下端部から、車両後方側へ張り出して形成されている。
フロアパネル50の側端部には、サイドシル51が設けられている。
サイドシル51は、閉断面を有しかつ車両前後方向に延在する構造部材である。
サイドシル51の前端部は、フロントピラーロワ10の下端部に結合されている。
フロントサイドフレーム60は、図示しないパワーユニット及びフロントサスペンションの一部を支持する車体の構造部材である。
フロントサイドフレーム60は、車室2の前部からパワーユニットコンパートメント3にかけて、車両前後方向に延在している。
フロントサイドフレーム60は、車両前後方向から見た断面形状が閉断面となるよう構成されている。
フロントサイドフレーム60の前部61は、トーボード30における上部31と下部32との接合部付近から、車両前方側へ突出して形成されている。
フロントサイドフレーム60の中間部62は、トーボード30の下部32の前面(下面)に沿って配置されている。
フロントサイドフレーム60の後部63は、フロアパネル50の下面に沿って、車両前後方向に延在している。
中間部62、後部63は、トーボード30、フロアパネル50にそれぞれ溶接等によって固定されている。
フロントサイドフレーム60は、フロントピラーロワ10よりも車幅方向内側に配置されている。
フロントサイドフレーム60は、車幅方向に離間して一対設けられている。
左右のフロントサイドフレーム60の間には、パワーユニットの主機等が配置される。
フロントサイドフレーム60の車幅方向外側には、図示しない前輪と、前輪を支持する図示しないサスペンション装置の一部が配置される。
アッパフレーム70は、フロントピラーロワ10の前部から車両前方側へ突き出した構造部材である。
アッパフレーム70は、車両前後方向から見たときに、上面部、下面部、及び、側面部を有する矩形状の閉断面形状を有する。
アッパフレーム70の上面部71は、フロントピラーロワ10の上端部と同等の高さに配置されている。
アッパフレーム70の下面部72は、上面部71と上下方向に間隔を隔てて対向して配置されている。
アッパフレーム70の下面部72は、図2に示すように車幅方向から見たときに、前端部に対して後端部が低くなるよう水平方向に対して傾斜している。
アッパフレーム70の内側側面部73は、車両前後方向に沿って配置されている。
アッパフレーム70の外側側面部74は、内側側面部73と車幅方向(左右方向)に間隔を隔てて対向して配置されている。
アッパフレーム70の外側側面部74は、図1に示すように上方から見た平面視において、前端部に対して後端部が車幅方向外側となるように、車両前後方向に対して傾斜して配置されている。
上記構成により、アッパフレーム70は、車両前後方向と直交する断面における断面が、車両前方側から後方側へ向かうのにつれて連続的に大きくなるよう形成されている。
ストラットハウジング80は、サスペンション装置の一部を収容する部分である。
ストラットハウジング80は、例えば、下方側が開口したボックス状の構造体として形成することができる。
例えば、サスペンション装置がマクファーソンストラット式である場合には、ストラットハウジング80は、図示しないストラットの上部を収容する。
ストラットは、ショックアブソーバ及びその外径側に巻き回されたコイルスプリングを有する。
ショックアブソーバの下端部は、前輪が回転可能に取り付けられる図示しないハブベアリングハウジング(ハブナックル)に締結される。
ストラットハウジング80には、ストラットの上端部が締結される図示しないストラットトップマウント部が形成されている。
ストラットハウジング80の下部は、フロントサイドフレーム60の前部61の車幅方向外側の部分に溶接等により結合されている。
ストラットハウジング80とフロントサイドフレーム60との結合箇所は、フロントサイドフレーム60とトーボード30との結合箇所に対して車両前方側に、トーボード30との間に間隔を有して配置されている。
ストラットハウジング80の上部は、アッパフレーム70の内側側面部73に、溶接等により結合されている。
ストラットハウジング80は、本発明の連結構造体として機能する。
サスペンションクロスメンバ90は、左右のフロントサイドフレーム60の前部61の間にわたして設けられる梁状の構造部材である。
サスペンションクロスメンバ90は、車両前後方向における位置が、ストラットハウジング80と隣接して配置されている。
サスペンションクロスメンバ90には、例えば、車両のパワーユニットが走行用動力源としてエンジンを有する場合には、エンジン主機を、弾性体を介して支持するエンジンマウントが設けられる。
また、サスペンションクロスメンバ90は、例えばトランスバースリンク(ロワアーム)などのサスペンション装置の構成部品が取り付けられる。
実施形態の車体構造においては、以下説明するレインフォースメント110等が設けられる。
レインフォースメント(リインフォースメント)110は、アッパフレーム70の内部に配置され、車両前後方向に作用する荷重を軸力として伝達可能な軸力伝達部材である。
レインフォースメント110は、例えば、鋼などの金属製のパイプ材や棒材を用いて、ストレートな軸状に形成することができる。
レインフォースメント110の前端部111は、アッパフレーム70の内側側面部73におけるストラットハウジング80との結合部に固定されている。
レインフォースメント110の後端部112は、アッパフレーム70の内部で他部品とは結合されない状態で配置されている。
後端部112は、フロントピラーロワ10の前面部と、車両前後方向に間隔を隔てて対向した状態で配置されている。
レインフォースメント110は、第1リブ121、第2リブ122、第3リブ123、第4リブ124を備えている。
第1リブ121、第2リブ122、第3リブ123、第4リブ124は、レインフォースメント110の中間部から、張り出して形成されている。
第1リブ121、第2リブ122、第3リブ123、第4リブ124は、前端部111側から後端部112側にかけて、相互に間隔を隔てて順次配列されている。
第1リブ121、第2リブ122、第3リブ123、第4リブ124は、例えば鋼板等により、上下方向及び車幅方向に沿った平面状に形成されている。
第1リブ121、第3リブ123は、図2に示すように車幅方向から見たときに、レインフォースメント110よりも下側の領域に設けられている。
第1リブ121、第3リブ123の下端部は、アッパフレーム70の下面部72に、例えば溶接等によって接合されている。
第1リブ121、第2リブ123の側端部は、レインフォースメント110よりも下側の領域における内側側面部73、外側側面部74に例えば溶接等によって接合されている。
第1リブ121、第3リブ123は、アッパフレーム70の横断面の下部(一例として下半部)を閉塞するよう設けられたセパレータ状に構成することができる。
第2リブ122、第4リブ124は、図2に示すように車幅方向から見たときに、レインフォースメント110よりも上側の領域に設けられている。
第2リブ122、第4リブ124の上端部は、アッパフレーム70の上面部71に、例えば溶接等によって接合されている。
第2リブ122、第4リブ124の側端部は、レインフォースメント110よりも上側の領域における内側側面部73、外側側面部74に例えば溶接等によって接合されている。
第2リブ122、第4リブ124は、アッパフレーム70の横断面の上部(一例として上半部)を閉塞するよう設けられたセパレータ状に構成することができる。
第1リブ121、第2リブ122、第3リブ123、第4リブ124は、衝突時にレインフォースメント110の車室2に対する後退に応じて、アッパフレーム70の各壁面部に局所的な変形を誘発する変形誘発部である。
以下、実施形態の車体構造1を有する車両において、スモールオーバラップオフセット衝突が発生した際の状態について説明する。
図3は、スモールオーバラップオフセット衝突後における実施形態の車体構造を車両上方から見た状態を示す模式的平面視図である。
図4は、スモールオーバラップオフセット衝突後における実施形態の車体構造を車幅方向から見た状態を示す模式的側面視図である。
前輪及びサスペンション装置の後退や、フロントサイドフレーム60の前部61が車両前後方向に圧縮される圧壊等によって、ストラットハウジング80が車室2に対して相対的に後退すると、レインフォースメント110の前端部111には車両後方側への荷重が入力される。
これにより、レインフォースメント110は、車室2に対した後退を開始する。
レインフォースメント110の後退に伴い、第1リブ121、第3リブ123は、アッパフレーム70の下面部72、及び、内側側面部73、外側側面部74の下部を牽引し、これらの各面部に、局所的な変形(典型的には凹み)を誘発する。
また、レインフォースメント110の後退に伴い、第2リブ122、第4リブ124は、アッパフレーム70の上面部71、及び、内側側面部73、外側側面部74の上部を牽引し、これらの各面部に、局所的な変形(典型的には凹み)を誘発する。
このような局所的な変形は、レインフォースメント70の上面部71又は下面部72と、内側側面部73又は外側側面部74との間のコーナ部(稜線)を崩壊させる。
アッパフレーム70は、これらの局所的な変形を基点として、屈曲変形による圧壊が生じる。すなわち、これらの変形箇所が座屈することにより、アッパフレーム70は、変形箇所側が凹となるよう屈曲する。
上述したように、局所的な変形がアッパフレーム70の前方側から後方側にかけて、下部、上部に繰り返し設けられることにより、アッパフレーム70は、ジグザグ状に順次屈曲する。
これにより、アッパフレーム70は、レインフォースメント110の長手方向(軸方向)に沿って全長が短縮するよう圧壊し、エネルギを吸収する。
その後、アッパフレーム70の圧壊が進行し、レインフォースメント110の後端部112がフロントピラーロワ10に突き当たると、残存するエネルギ及び荷重Fは、レインフォースメント110の後端部112付近においてフロントピラーロワ10に局所的に入力される。
この入力により、フロントピラーロワ10におけるアッパフレーム70と結合された領域(典型的にはフロントピラーロワ10の上部)は、図4に示すように、車幅方向から見たときに車両後方側が凸となるように湾曲あるいは屈曲する変形を示す。
このような湾曲変形等は、フロントピラーアッパ20に、フロントピラーロワ10との結合部付近を中心として、後端部(ルーフ側の端部)が上昇する方向に回動させる回転モーメントMを発生させる。
これにより、車室2における乗員の生存空間に影響を与えるフロントピラーアッパ20の下降を抑制することができる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)衝突時にストラットハウジング80からレインフォースメント110の先端部111に車両後方側への荷重が入力された際に、レインフォースメント110は荷重を軸力として車両後方側へ伝達する。このとき、各リブ121~124がアッパフレーム70の内面を牽引してアッパフレーム70に局所的な変形(稜線の崩壊)を誘発する。この局所的な変形が基点となり、アッパフレーム70は屈曲しつつ圧壊する。
このようなアッパフレーム70の圧壊により、衝突のエネルギを吸収し、フロントピラーロワ10への入力を低減することができる。これにより、重量増を伴うフロントピラーロワ10、フロントピラーアッパ20の過度な補強を行うことなく、車室の変形を抑制することができる。
(2)第1リブ121、第2リブ122、第3リブ123、第4リブ124をレインフォースメント110の長手方向に沿って複数設けたことにより、アッパフレーム70の車両前後方向における広範囲にわたって圧壊の形態を制御することが可能となり、上述した効果を促進することができる。
(3)アッパフレーム70の下部に接続された第1リブ121、第3リブ123と、アッパフレーム70の上部に接続された第2リブ122、第4リブ124とをレインフォースメント110の長手方向に順次配列したことにより、アッパフレーム70の下面部71、上面部72に、車両前後方向に沿って交互に局所的な変形を誘発することができる。このため、アッパフレーム70をジグザグ状に順次屈曲するように圧壊させることができ、アッパフレーム70レインフォースメント110の長手方向に沿って圧縮される安定した変形モードで効果的にエネルギ吸収を行うことができる。
(4)レインフォースメント110が前端部111に対して後端部112が低くなるように傾斜して配置されることにより、レインフォースメント110の前端部111に入力された車両後方側への荷重を、斜め下方側へ伝達し、フロントピラーロワ10の中間部に入力することで、フロントピラーロワ10の上下方向における中間部を後方側が凸となる方向に湾曲変形させることが可能となり、フロントピラーロワ10の上端部からフロントピラーアッパ20に、フロントピラーアッパ20の後端部が上昇する方向のモーメントMを発生させることができる。このため、フロントピラーアッパ20が下降する方向に車体変形が生じることを抑制できる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)車体構造を構成する各構成要素の形状、構造、材質、製法、配置、個数などは、上述した実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
(2)実施形態で軸力伝達部材に設けられる変形誘発部(リブ)の構成や配列は一例であって、適宜変更することができる。
例えば、実施形態ではアッパフレームの下部、上部にそれぞれ接続されたリブを順次配列する構成としているが、これに限らず、例えばアッパフレームの車幅方向内側、外側にそれぞれ接続されたリブを順次配列してもよい。また、これらのリブをともに備える構成としてもよい。
また、変形誘発部の構成も、実施形態のようなリブ状(セパレータ状)のものに限らず、適宜変更することができる。
(3)実施形態では、レインフォースメント(軸力伝達部材)をパイプ材、棒材などにより形成しているが、これに限らず、他の形態や製法のものを用いてもよい。例えば、軸力伝達部材をアルミニウム系合金などの押出材によって形成したり、板金部材を組み合わせて構成してもよい。また、カーボンコンポジットなどの非金属材料を用いてもよい。
(4)実施形態では、アッパフレームとフロントサイドフレームとをストラットハウジングにより連結しているが、これに限らず、他の構造体によって連結してもよい。
1 車体構造 2 車室
3 パワーユニットコンパートメント
10 フロントピラーロワ 20 フロントピラーアッパ
30 トーボード 31 上部
32 下部 40 トーボードクロスメンバ
50 フロアパネル 51 サイドシル
60 フロントサイドフレーム 61 前部
62 中間部 63 後部
70 アッパフレーム 71 上面部
72 下面部 73 内側側面部
74 外側側面部 80 ストラットハウジング
90 サスペンションクロスメンバ 110 レインフォースメント
111 前端部 112 後端部
121 第1リブ 122 第2リブ
123 第3リブ 124 第4リブ
M 回転モーメント F 荷重

Claims (4)

  1. 乗員が収容される車室の前部における側端部に設けられ上下方向に延在するフロントピラーロワと、
    前記フロントピラーロワの上端部から上方側かつ後方側へ傾斜して延在するフロントピラーアッパと、
    前記フロントピラーロワと前記フロントピラーアッパとの接合部近傍から車両前方側へ突き出したアッパフレームと、
    前記アッパフレームよりも車幅方向内側でありかつ下方側で前記車室の前部から車両前方側へ突き出したフロントサイドフレームと、
    前記アッパフレームと前記フロントサイドフレームとを前記車室に対して車両前方側に離間した箇所で連結する連結構造体と
    を備える車体構造であって、
    前記アッパフレームの内部に設けられ、前端部が前記アッパフレームと前記連結構造体との接合部又はその近傍に固定され、後端部が前記フロントピラーロワの前面部と隣接して配置された軸力伝達部材と、
    前記軸力伝達部材の中間部から上下方向と車幅方向との少なくとも一方に張り出して形成され前記軸力伝達部材と前記アッパフレームの内面とを連結するとともに、前記軸力伝達部材への軸力の入力に応じて前記アッパフレームの外表面の変形を誘発する変形誘発部と
    を備えることを特徴とする車体構造。
  2. 前記変形誘発部は、前記軸力伝達部材の長手方向に沿って複数設けられること
    を特徴とする請求項1に記載の車体構造。
  3. 前記変形誘発部は、前記軸力伝達部材と前記アッパフレームの第1の内面部とを連結する第1の変形誘発部と、前記軸力伝達部材と前記アッパフレームの前記第1の内面部と対向する第2の内面部とを連結する第2の変形誘発部とを、前記軸力伝達部材の長手方向に順次配列したこと
    を特徴とする請求項2に記載の車体構造。
  4. 前記軸力伝達部材は、前端部に対して後端部が低くなるように傾斜して配置されること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車体構造。
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