JP5975132B1 - 液体現像剤セット、及びそれを用いた印刷物 - Google Patents
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Abstract
Description
カラーおよびホワイトの液体現像剤は、それぞれ、結着樹脂(A)、着色剤(B)、分散剤(C)、及びキャリア液(D)を含み、
ホワイトの液体現像剤が、着色剤(B)として白色の着色剤を含み、
白色の着色剤が、有機物処理され、塩素法で製造された酸化チタンであり、前記酸化チタンの比重は、カラーの液体現像剤に含まれる着色剤の比重より大きく、
ホワイト液体現像剤の平均粒径D50wとカラー液体現像剤の平均粒径D50cとの比(D50w/D50c)が、0.7〜0.9であることを特徴とする液体現像剤セットに
関する。
重量平均分子量Mwが500≦Mw≦40000であり、
アミン価が5〜150mgKOH/gであることを特徴とする上記液体現像剤セットに関
する。
一般式(1)
CH2=C(R1)COO(AO)nR2
(式中、R1は、水素原子、または、メチル基を表し、
R2は、水素原子、または、炭素数が1〜22の炭化水素基を表し、
nは、1〜200の整数を表し、
Aは、炭素数が2〜4のアルキレン基を表す。)
0であることを特徴とする上記液体現像剤セットに関する。
本発明は、カラー液体現像剤(ただし、ホワイトの液体現像剤である場合を除く)から選ばれる少なくとも1色と、ホワイト液体現像剤からなる液体現像剤セットであって、
カラーとホワイト液体現像剤は、それぞれ、結着樹脂(A)、着色剤(B)、分散剤(C)、及びキャリア液(D)を含み、
ホワイト液体現像剤が、白色着色剤を含み、白色着色剤が、有機物処理され、塩素法で製造された酸化チタンであり、ホワイト液体現像剤の平均粒径D50wとカラー液体現像剤の平均粒径D50cの比(D50w/D50c)が、0.7〜0.9であることが大き
な特徴である。
液体現像剤に用いられるトナー粒子は、少なくとも結着樹脂(A)と着色剤(B)とを含み、加えて顔料分散剤、荷電制御剤などの添加剤を用いることも好ましい。また、分散剤(C)については、キャリア液(D)中にトナー粒子を湿式分散させる際に添加することが好ましいが、トナー粒子作製時にトナー粒子中に添加して用いることもできる。
一般的に、結着樹脂には顔料、染料などの着色剤をその樹脂中に均一分散させる機能と、紙などの基材へ定着する際のバインダーとしての機能がある。結着樹脂(A)としては、顔料分散性及び定着性の観点から、ポリエステル樹脂(a−1)を含むことが好ましい。無機顔料である酸化チタンは、顔料分散性が低いため、有機物処理することで結着樹脂(A)への顔料分散性を向上させるが、結着樹脂(A)がポリエステル樹脂(a−1)を含むことで更なる向上が期待できる。これにより、良好な隠蔽性が得られる。
3価以上のアルコール成分とカルボン酸などの酸成分との重縮合により得られるものであることが好ましい。
対し、通常0.001〜0.5モル%程度の量が好ましい。
さらに、特許第3531980号公報及び特開2006−178296号公報に記載の方法のような公知の方法により合成することも好ましい。
結着樹脂(A)の軟化温度は80〜140℃の範囲であることが好ましい。より好ましくは90℃〜130℃の範囲である。軟化温度は、株式会社島津製作所製「フローテスターCFT−500D」を用いて、開始温度40℃、昇温速度6.0℃/min、試験荷重20kgf、予熱時間300秒、ダイ穴径0.5mm、ダイ長さ1.0mmの条件にて、試料1.0gの4mmが流出したときの温度を軟化温度(T4)として測定したものである。
結着樹脂(A)は、耐オフセット性、定着性、及び画質特性の点から、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定される分子量において、重量平均分子量(Mw)が2,000〜100,000のものが好ましく、5,000〜50,000のものがより好ましい。結着樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)が2,000以上であると、トナー粒子の分散安定性が向上し、良好な転写性、保存安定性が得られる。100,000以下であると粉砕性及び定着性が向上し、発色性・隠蔽性が向上する。また、結着樹脂(A)は、特定の低分子量の縮重合体成分と特定の高分子量の縮重合体成分とからなる2山の分子量分布曲線を有するタイプ、又は1山の単分子量分布曲線を有するタイプのいず
れのものであってもよい。
結着樹脂(A)の酸価は、3〜70mgKOH/gが好ましく、より好ましくは、10
〜40mgKOH/gである。酸価が3mgKOH/gより高いと、結着樹脂(A)に分散剤(C)が吸着しやすくなり、トナー粒子の分散安定性が良くなり、液体現像剤の保存安定性が向上する。酸価が70mgKOH/gより低いと、トナー粒子の帯電性が高く、十
分な隠蔽性、良好な発色性が得られる。また、結着樹脂(A)の酸価は、結着樹脂(A)1g中に含まれる酸を中和するのに必要な水酸化カリウム(KOH)のmg数であり、エタノール/トルエン混合溶媒中で、KOH溶液にて滴定した値である。
着色剤(B)としては、以下に示す白、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各有機顔料、有機染料、特にその造塩化合物;カーボンブラック;磁性体などが好適に用いられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。また、着色剤(B)はキャリア液(D)に対して不溶であることが好ましい。
導電性が高く、液体現像剤に適用した場合、帯電性を低下させてしまう問題があった。特に、乾式現像剤とは異なり、高い帯電性が必要な液体現像剤は、酸化チタンの導電性を抑える必要がある。そのため、不純物の少ないルチル型の酸化チタンを有機物による表面処理を行い、導電性を抑制することで、液体現像剤に適した白色の着色剤が得られる。さらには、優れた隠蔽性を実現するという観点から、粒径0.1〜0.4μmの酸化チタンが好ましい。0.4μm以下である場合は、結着樹脂(A)へのより均一なトナー粒子が得られ、隠蔽性が向上する。0.1μm以上である場合は、結着樹脂(A)への分散が容易で、分散不良の着色剤量を抑制でき、液体現像剤の帯電性が向上し、隠蔽性・転写性が向上する。
イエローの有機顔料としては、ベンズイミダゾロン化合物、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、キノフタロン化合物、アゾ金属錯化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物等が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、138、139、147、150、155、168、174、176、180、181、185、191等が好適に用いられる。中でもキノフタロン化合物、縮合アゾ化合物、又はベンズイミダゾロン化合物を用いることが好ましい。またイエローの染料の造塩化合物としては、酸性染料の造塩化合物、又は塩基性染料の造塩化合物を用いることができる。
マゼンタの有機顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、ローダミンレーキ等の塩基性染料のレーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、209、220、221、254、255、268、269等、C.I.ピグメントバイオレット1、19等が好適に用いられる。中でも、ナフトールAS(C.I.ピグメントレッド269等)、キナクリドン(C.I.ピグメントレッド122等)、カーミン6B(C.I.ピグメントレッド57:1等)が好ましい材料である。また、キナクリドン顔料とモノアゾ顔料であるカーミン6B(C.I.ピグメントレッド57:1)とを併用したものは、良好なマゼンタ色又は赤色を呈し好ましいものである。またマゼンタの染料の造塩化合物としては、ローダミン系酸性染料の造塩化合物又はローダミン系塩基性染料の造塩化合物が好ましく用いられる。
シアンの有機顔料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン
化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、60、62、66等が好適に用いられる。中でもC.I.ピグメントブルー15:3等の銅フタロシアニン化合物を用いることが好ましい。また、前記有機顔料と併用する形態で、トリアリールメタン系の染料由来の化合物を用いることも好ましい。さらには、色相調整の目的で前記シアン又は青色の有機顔料、シアン又は青色染料の造塩化合物、シアン、青色染料の油溶性染料に加えて、緑色顔料を補色として使用することができる。緑色顔料としては、具体的にはC.I.ピグメントグリーン7、36等のハロゲン化フタロシアニン化合物が好ましい。
一般的に、分散剤はトナー粒子が存在するキャリア液中に添加して、トナー粒子を均一に分散させ、現像特性を向上させる効果を有するものであるが、分散剤(C)はキャリア液中に添加しても、トナー製造における混練の際にトナー粒子中に添加してもよい。キャリア液中に添加して、トナー粒子を分散させた場合、分散剤(C)は、トナー粒子表面の結着樹脂部、特に優れた分散安定性の効果を発揮するポリエステル樹脂部に吸着していると推察される。このように、分散剤(C)は、トナー粒子表面に吸着、あるいはトナー粒子内部に分散している状態で存在していることが好ましい。
mgKHO/gである。アミン価が5mgKHO/g以上である場合、トナー粒子への吸着性が高く、湿式粉砕での粉砕性が向上する。これにより、ホワイト液体現像剤の平均粒径D50wとカラー液体現像剤の平均粒径D50cの比(D50w/D50c)を0.7〜
0.9にすることが容易になり、ホワイト液体現像剤のトナー粒子の沈降を抑制し、安定
した転写性・保存安定性を得ることができる。アミン価が150mgKHO/g以下であ
る場合、トナー粒子の帯電性が高くなり、トナー粒子が基材へ転写されやすく、良好な隠蔽性を得ることができる。さらには、キャリア液への溶解性も高くなり、粉砕性が向上する。また、分散剤(C)のアミン価はASTM D2074の方法に準拠し、測定した全アミン価(mgKHO/g)である。
ノニル(メタ)アクリレート、8−メチルノニル(メタ)アクリレート、2−メチルノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリレートメチルデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、2−メチルウンデシル(メタ)アクリレート、9−エチルウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−メチルドデシル(メタ)アクリレート、11−メチルドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、2−メチルトリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、2−メチルテトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、2−メチルペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、2−メチルヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、2−メチルヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、2−メチルオクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、2−メチルノナデシル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、ヘンイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート等の炭素数9〜24のアルキル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;並びに、
N−ノニル(メタ)アクリルアミド、N−(8−メチルノニル)(メタ)アクリルアミド、N−デシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジデシル(メタ)アクリルアミド 、N
−ウンデシル(メタ)アクリルアミド、N−(1−メチルウンデシル)(メタ)アクリルアミド、N−ドデシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジドデシル(メタ)アクリルアミド、N−トリデシル(メタ)アクリルアミド、N−(1−メチルトリデシル)(メタ)アクリルアミド、N−テトラデシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジテトラデシル(メタ)アクリルアミド、N−ペンタデシル(メタ)アクリルアミド、N−(1−メチルペンタデシル)(メタ)アクリルアミド、N−ヘキサデシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキサデシルアクリルアミド、N−ヘプタデシル(メタ)アクリルアミド、N−(1−メチルヘプタデシル)アクリルアミド、N−オクタデシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクタデシルアクリルアミド、N−ノナデシル(メタ)アクリルアミド、N−イコシル(メタ)アクリルアミド、N−ヘンイコシル(メタ)アクリルアミド、N−ドコデシル(メタ)アクリルアミド等の炭素数9〜24のアルキル(メタ)アクリルアミド類;並びに、
4−ノニルフェニル(メタ)アクリレート、4’−デシル−4−ビフェニリル(メタ)アクリレート、3−ペンタデシルフェニル(メタ)アクリレート、N−(10−フェニルデ
シル)(メタ)アクリルアミド、N−(4−ドデシルフェニル)(メタ)アクリルアミド、N‐[2−(1−ナフチル)エチル]−N−ドデシル(メタ)アクリルアミド、N−[4−(1−ピレニル)ブチル]−N−ドデシル(メタ)アクリルアミド、N−オクタデシル−N−[2−(1−ナフチル)エチル](メタ)アクリルアミド等の芳香環と炭素数9〜24のアルキル基を含む(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド類;並びに、
1−ウンデセン、1−ドデセン、2−ドデセン、1−トリデセン、2−トリデセン、1−テトラデセン、2−テトラデセン、4−テトラデセン、1−ペンタデセン、2−ペンタデセン、4−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、2−ヘキサデセン、4−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、2−ヘプタデセン、4−ヘプタデセン、1−オクタデセン、2−オクタデセン、4−オクタデセン、1−ドコセン、2−ドコセン、4−ドコセン等の炭素数9〜24のアルキル基を含有するαオレフィン類が例示できる。
一般式(1)
CH2=C(R1)COO(AO)nR2
(式中、R1は、水素原子または、メチル基を表し、
R2は水素原子、または、炭素数が1〜22の炭化水素基を表し、
nは1〜200の整数を表し、
Aは炭素数が2〜4のアルキレン基を表す。)
1〜22の炭化水素基である。炭素数22以下は、原料の入手が容易であり実用的である
。炭素数1〜22の炭化水素基としては、置換又は無置換のものが選択でき、無置換のものが好ましく、無置換のアルキル基が好ましい。無置換のアルキル基としては、分岐を有するもの、有しないもの、いずれをも使用することができる。一般式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体は、2種類以上を併用しても良い。なお、R2は、水素又は炭素数
が1〜18の炭化水素基であることがさらに好ましい。
分散剤(C)の重合で使用する重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。重合の際、全単量体100質量部に対して、任意に0.001〜5質量部の重合開始剤を使用することができる。
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。
連鎖移動剤としては、メルカプタン系、チオグリコール系、β−メルカプトプロピオン酸系などのチオール系化合物;アリル水素を有するロジン系化合物又はテルペン系化合物などを用いることができる。連鎖移動剤を用いる場合、添加量は全単量体100質量部に対して0.01〜10.0質量部、好ましくは0.1〜5質量部である。
分散剤(C)の合成時には、公知の溶剤が好適に使用される。しかしながら、分散剤(C)を液体現像剤に使用する場合、分散剤(C)は、液体現像剤で使用するキャリア液(D)の溶剤に溶解した状態で取り出せるか、又は、固体として取り出せることが好ましい。キャリア液(D)中にトナー粒子を湿式分散させる際に高分子分散剤(C)を添加する場合、分散剤(C)はキャリア液(D)に溶解していることが好ましく、分散剤(C)をトナー粒子作製時にトナー粒子中に添加して用いる場合は、分散剤(C)は固体であることが好ましい。キャリア液(D)に溶解した分散剤(C)を得るには以下の3つの方法がある。一つ目の方法としては、液体現像剤で使用するキャリア液(D)を合成溶剤として重合する。二つ目の方法としては、キャリア液(D)に置換できる溶剤中で重合し、その後、キャリア液(D)を加えて、重合に使用した溶剤だけを留去する。三つ目の方法としては、キャリア液(D)に置換できる溶剤とキャリア液(D)の混合溶液中で重合し、その後、キャリア液(D)以外の溶剤だけを留去する。そのため、重合開始剤としては、分散剤(C)まで合成した後に液体現像剤に用いるキャリア液(D)に置換できる溶剤、又は溶剤留去できる溶剤を用いることが好ましい。
分散剤(C)の重量平均分子量(Mw)は、トナー粒子を湿式分散させる際の分散性、帯電性、及び粉砕性の観点から、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で
測定される分子量において、500〜40,000であることが好ましく、2,000〜30,000であることがより好ましい。重量平均分子量(Mw)は前述の方法により測定することができる。500以上であると、トナー粒子の粉砕性が向上し、液体現像剤の粘度上昇が抑えられ、隠蔽性・発色性が向上する。40,000以下であると、トナー粒子の分散安定性及び帯電性が向上し、良好な転写性が得られる。
分散剤としては、従来から液体現像剤に使用されている分散剤を用いてもよい。具体的には、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸ジルコニウム等の脂肪酸金属塩、レシチン、チタンキレート等の有機チタネート類のチタネートカップリング剤、アルコキシチタンポリマー、ポリヒドロキシチタンカルボキシレート化合物、チタンアルコキシド、コハク酸イミド化合物、ポリイミン化合物、フッ素含有シラン化合物、ピロリドン系化合物などが挙げられる。中でもチタンアルコキシド、コハク酸イミド化合物、フッ素含有シラン化合物、ピロリドン系化合物等を液体現像剤100質量部に対して、5質量部以下の範囲において適量混合して用いてもかまわない。
液体現像剤に用いるキャリア液(D)は、脂肪族炭化水素である。脂肪族炭化水素は、親油性を有し、化学的に安定して絶縁性を有している。特に、良好な保存安定性、及び良好なトナー粒子の分散性を得て、所望のトナー粒子径が得られる。脂肪族炭化水素としては、直鎖状パラフィン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素等が挙げられる。これらの中でも、残留する芳香族系炭化水素が極めて少ないパラフィン系炭化水素が好ましい。また、キャリア液は、画像形成装置中で使用される物質又は装置、特に感光体等の現像プロセス用の部材及びその周辺部の部材に対して化学的に不活性であることが好ましい。
、ASTM D1078、JIS K2254によって規定される方法によるものである。
33)が30以下であるものを使用することが好ましい。より好ましくは20〜30の範囲である。また、アニリン点(JIS K2256)は60〜105℃、さらに好ましく
は70〜95℃の範囲であることが安定したキャリア液を得る上で好ましい。カウリブタノール数値が30以下、あるいはアニリン点が60℃以上であると、溶媒としての溶解能力が低く、キャリア液がトナー粒子を溶解することがないため、トナー粒子の保存安定性及び発色性が高くなる、キャリア液が着色して紙などの基材を汚してしまうなどの問題を
防止することができる。アニリン点が105℃以下であると、トナー粒子をキャリア液に分散させる際に添加する分散剤及び添加剤などとの相溶性が高く、分散性が向上し、十分な隠蔽性・画像濃度を得ることができる。
011〜1016Ω・cmの範囲である。ここで電気抵抗率は、川口電機製作所社製ユニバーサルエレクトロメーターMMA−II−17Dと液体用電極LP−05とを組み合わせて行うことができる。電気抵抗率が109Ω・cm以上の場合、トナー粒子の帯電性が高く
なり、十分な隠蔽性・画像濃度が得られ、隠蔽性及び発色性が向上する。
0.90g/cm3の範囲であることが好ましい。より好ましくは、0.75〜0.85
g/cm3の範囲である。この範囲は、トナー粒子と分散剤が安定して存在できるため、
優れた定着性と画像濃度が得られる点で好ましい。また、キャリア液(D)は、動粘度(ASTM D445)1〜25mm2/sの範囲であることが好ましい。特に好ましくは2〜15mm2/sの範囲である。この範囲は、現象時に帯電粒子を移動させることができ
、また、揮発性を十分有し、最終的な画像が形成された媒体から定着工程で容易にキャリア液を除去させることができる点で好ましい。動粘度が1mm2/sよりも高いと、液体
現像剤の粘度が高くなるために現像ローラーへの転移性が良く、十分な画像濃度を得ることができる。さらに現像後のトナー粒子の移動を抑制し、画像の精細性が向上する。また、動粘度が25mm2/sよりも低いと、トナー粒子の流動性が良好で、電気泳動しやす
くなるため、十分な画像濃度を得ることができる。さらに、紙などの基材への浸透性が高く、トナー粒子が定着する際のキャリア液除去が容易になり、十分な定着性を得ることができる。特に、重ね合わせ画像での定着性は大きく向上する。
状パラフィン溶媒混合物、特にイソパラフィン系炭化水素、又は“エクソールD110”、“エクソールD130”(ExxsolTM)(エクソンモービル)、“AFソルベント4号”、“AFソルベント5号”(JX日鉱日石エネルギー)のようなナフテン系炭化水素であることが好ましい。
キャリア液(D)液体現像剤100質量%に対して、60〜90質量%であることが好ましい。60質量%以上とすることで、液体現像剤の良好な流動性が得られ、90質量%以下とすることで、良好な定着性、隠蔽性・画像濃度が得られる。
(顔料分散剤)
トナー粒子に内添する顔料分散剤としては、ポリアミン系の樹脂型分散剤ソルスパース24000SC、ソルスパース32000(ルーブリゾール社製)、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製);アクリル共重合物の樹脂型分散剤BYK−116(ビックケミー社製)などを用いることができる。特に顔料濃度が高い着色マスターバッチを経て製造する場合は、マスターバッチ製造時に添加することが好ましい。顔料分散剤の添加量は、トナー粒子の分散性向上の点から、着色剤(B)100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上が良い。また、トナー粒子の粉砕性及び生産性向上の点から、着色剤(B)100質量部に対して、好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下が良い。
トナー粒子においては、着色剤(B)の発色性を損なわない範囲で色素誘導体を用いることも可能である。色素誘導体としては、有機色素(有機顔料、有機染料)、アントラキノン、アクリドン、又はトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、又は置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物が挙げられる。
液体現像剤中のトナー粒子には、必要に応じて色相に支障を来たさない範囲で無色あるいは淡色の公知の荷電制御剤が含有されてもよい。荷電制御剤は、現像されるべき静電潜像担持体上の静電荷像の極性に応じて、正荷電制御剤又は負荷電制御剤が用いられる。液体現像液中においては、トナー粒子は正帯電を呈することが好ましく、正荷電制御剤を通常用いるものである。
液体現像剤の製造方法について説明する。液体現像剤は、例えば、以下の5つのプロセスを経て得られることが好ましい。
結着樹脂(A)と着色剤(B)とを、マスターバッチ中の着色剤(B)の濃度が10〜60質量部となる割合で、2軸押出機、熱ロール等を用いて混練を行い、冷却後粗粉砕を行い、着色マスターバッチを得る。また、結着樹脂(A)及び着色剤(B)に加えて、顔料分散剤、色素誘導体等を添加することもできる。
(1)で得た着色マスターバッチと結着樹脂(A)とを、スーパーミキサー等のミキサーで混合し、予備分散し、次いで溶融混練を行うことで、着色マスターバッチを結着樹脂(A)中に希釈、展開し、トナー粒子用のチップを得る。ここでの予備分散及び溶融混練を行う時点で、顔料分散剤、分散剤(C)、荷電制御剤、ワックスなどを添加してもよい。さらにトナー粒子用のチップはハンマーミル、サンプルミル等の粗砕により5mm以下の粒径としておくことが好ましい。また、(1)及び(2)の工程は、統合することも可能であり、その場合は(1)の着色マスターバッチの工程を経ることなく、(2)の工程において、予備分散時に全ての材料を仕込み、トナー粒子用チップを作製すればよい。溶融混練としては、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、1軸、2軸のエクストルーダー等の公知の混練機を用いることができる。
(2)で得られたトナー粒子用チップを微粉砕し、平均粒径で100μm以下とする。微粉砕は通常、ジェットミル等のジェット気流式粉砕機、ターボミル、クリプトロン、ハンマーミル等の機械式粉砕機を用いることが好ましい。
(3)で得た乾式粉砕されたトナー粒子を、キャリア液(D)と同一組成の溶媒に展開し、湿式粉砕機(分散機)を用いて、平均粒径で0.5〜4μm、好ましくは1〜3μmの範囲になるように粉砕を行う。また、この時にトナー粒子に吸着させる機能を有する分散剤(C)を添加することも有効である。湿式粉砕(分散)工程を経て、分散剤はトナー粒子に吸着し、帯電的にも安定化する。湿式粉砕(分散)を行う際は、粉砕時の温度が50℃を超えないように冷却することが望ましい。温度が50℃以下であると、トナー粒子が融着を起こすことなく、粒度分布の制御ができる。
77.7質量%、Al2O3 17.4質量%)等が使用可能であるが、中でも良好な粉砕性を得るためには、ジルコニアビーズ又はジルコンビーズを用いることが好ましい。また、粉砕メディアの粒子径(直径)は0.1mm〜3.0mmの範囲において使用可能であるが、中でも0.3〜1.4mmの範囲であることが好ましい。0.1mmより大きいと、粉砕機内の負荷を小さくすることができ、発熱によりトナー粒子が溶融することによる粉砕性の低下を抑制することができる。3.0mmより小さいと、十分な粉砕を行うことが可能である。分散メディアの充填率は、40〜85質量%であることが好ましい。85質量%以下であると、粉砕機内の負荷を小さくすることができ、上記と同様に粉砕性の低下を抑制することができる。また、40質量%以上であると、粉砕効率が向上するため微細化が容易である。また、スラリー中のトナー粒子の濃度が高い場合(40〜50質量%の濃度)は充填率を40〜70質量%とするとよい。
(4)で得られた湿式粉砕を経たトナー粒子(少なくとも結着樹脂(A)及び着色剤(B)を含有する)、キャリア液(D)、及び分散剤を含んだ材料に、キャリア液(D)、必要に応じてさらに分散剤を加え、混合して、トナー粒子の濃度をコントロールした上で液体現像剤を精製する。分散剤(C)は、(1)〜(5)のいずれの工程で加えてもよいが、(4)工程で得られた材料に、調製用のキャリア液(D)と共に添加することでトナ
ー粒子が安定した状態で分散している液体現像剤を得ることができる。
トナー粒子としては、体積平均粒径(D50)が0.5〜4μmであることが好ましく、1〜3μmがより好ましい。本発明において、粒径は、日機装社製レーザー回折散乱式粒度分析計マイクロトラックHRAを用いて測定したものであり、体積平均粒径(D50)は累積50パーセント径の値である。
測定溶媒には、キャリア液(D)を用いて、測定前に60秒間の超音波処理を行い測定を行った。
なることが好ましい。酸化チタンはカラーの着色剤と比較して比重が大きいことから、平均粒径D50wをカラー液体現像剤の0.9以下にすることで、カラー液体現像剤と同じトナー粒子の均一な帯電性と移動性が得られる。さらには、比重が大きいトナー粒子の凝集・沈降を抑制し、良好な転写性、隠蔽性、保存安定性が得られる。平均粒径D50wを0.7以上にすることで、ホワイト液体現像剤の粘度上昇を抑制し、トナー粒子の移動性が向上し、優れた転写性、保存安定性が得られる。
ED露光されたアモルファスシリコン感光体を用いて転写前除電し、中間転写体を介して現像を行うことが好ましい。また、感光体は表面電位+450〜550V、残留電位+50V以下、現像ローラーにかかるバイアスは+250〜450Vの範囲であることが好ましい。
種の用途で使用されている広汎な塗工紙が全て対象となり、具体的には、例えば、微塗工紙、軽量コート紙、コート紙、アート紙、マットコート紙、キャストコート紙等が挙げられ、これらの厚みや形状は何ら限定されない。特に塗工紙において、本実施形態の液体現像剤を用いることで、良好な画質が得られ、シャープな文字やバーコードを印刷することができる。これらは印刷基材の表面が滑らかであっても、凹凸のついたものであっても良いし、透明、半透明、又は不透明のいずれであっても良い。また、これらの印刷基材の2種以上を互いに張り合わせたものでも良い。更に印字面の反対側に剥離粘着層等を設けても良く、また、印字後、印字面に粘着層等を設けても良い。
還流冷却器、蒸留等、窒素ガス導入管、温度計、及び撹拌機を備え付けたフラスコに、表1に示す多価アルコール、多塩基酸、及び、触媒としてジブチル錫オキサイド2部を投入し、撹拌しながら窒素ガスを導入し、200℃まで加温し、反応系の温度を維持しながら4時間反応させた。さらに、減圧下で1時間反応させた。常圧に戻し、反応系の温度を100℃以下に下げ、重縮合を停止させ、ポリエステル樹脂である結着樹脂1を得た。
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:一般式(2)において、R=エチレン基であり、x=y=2である化合物。
得られた結着樹脂1を等量のトルエンに入れて、加熱し溶解させた。撹拌しながら窒素ガスを導入し、トルエンの沸点までさらに加温し、表2に示すスチレン系モノマー、アクリル酸、アクリル酸エステル類、更には重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイドを含む混合溶液を2時間かけて滴下しながら溶液重合を行った。滴下終了後、さらにトルエンの沸点温度で2時間反応させ、ジ−t−ブチルパーオキサイドを1部添加して重合を停止させた。次に180℃まで加温しトルエンを除去し、ポリエステル樹脂とスチレン−アクリル共重合樹脂を含む結着樹脂2を得た。
合成例1と同様に、表3に示す多価アルコール、多塩基酸、及び、触媒としてジブチル錫オキサイド2部を投入し、撹拌しながら窒素ガスを導入し、200℃まで加温し、反応系の温度を維持しながら7時間反応させた。さらに、減圧下で2時間反応させた。常圧に戻し、反応系の温度を100℃以下に下げ、重縮合を停止させ、ポリエステル樹脂3を得た。さらに、得られたポリエステル樹脂3を等量のトルエンに入れて、加熱し溶解させた。撹拌しながら窒素ガスを導入し、トルエンの沸点までさらに加温し、表4に示すスチレン系モノマー、アクリル酸、アクリル酸エステル類、更には重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイドを含む混合溶液を2時間かけて滴下しながら溶液重合を行った。滴下終了後、さらにトルエンの沸点温度で2時間反応させ、ジ−t−ブチルパーオキサイドを1部添加して重合を停止させた。次に180℃まで加温しトルエンを除去し、ポリエステル樹脂とスチレン−アクリル共重合樹脂を含む結着樹脂3を得た。
窒素ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備え付けた反応容器に、IPソルベント2028(イソパラフィン系炭化水素溶剤、出光興産社製)90.1部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加温して、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート20.0部、ステアリルメタクリレート60.0部、ブチルアクリレート20.0部、さらに重合開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチ
ル(V−601(和光純薬製))9.0部の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに110℃で3時間反応させた後、V−601(和光純薬製)0.9部を添加し、さらに110℃で1時間反応を続けて、分散剤1の溶液を得た。高分子分散剤1の重量平均分子量(Mw)は約7380であった。これを1gサンプリングして、180℃20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、分散剤溶液の不揮発分が50%になるようにIPソルベント2028を加えた。これより、分散剤1の不揮発分50%溶液を得た。
分散剤の合成例1と同様の反応容器に、IPソルベント2028を90.1部仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加温して、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート20.0部、ステアリルメタクリレート60.0部、ポリエチレングリコール(エチレンオキサイド付加数:9)モノメタクリレートモノメチルエーテル20.0部、さらに重合開始剤としてV−601(和光純薬製)9.0部を含む混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに110℃で3時間反応させた後、V−601(和光純薬製)0.9部を添加し、さらに110℃で1時間反応を続けて、高分
子分散剤2の溶液を得た。分散剤2の重量平均分子量(Mw)は7,000であった。これを1gサンプリングして、180℃で20分間加熱乾燥して不揮発分を測定した。分散剤2の溶液に、分散剤溶液の不揮発分が50質量%になるようにIPソルベント2028を加えた。これより、分散剤2の不揮発分50質量%溶液を得た。
分散剤の合成例1と同様の反応容器に、IPソルベント2028を98.9部仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加温して、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート20.0部、ステアリルメタクリレート60.0部、ポリエチレングリコール(エチレンオキサイド付加数:9)モノメタクリレートモノメチルエーテル20.0部、さらに重合開始剤としてV−601(和光純薬製)1.0部を含む混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに110℃で3時間反応させた後、V−601(和光純薬製)0.1部を添加し、さらに110℃で1時間反応を続けて、分散剤3の溶液を得た。分散剤3の重量平均分子量(Mw)は63,000であった。これを1gサンプリングして、180℃で20分間加熱乾燥して不揮発分を測定した。分散剤3の溶液に、分散剤溶液の不揮発分が50質量%になるようにIPソルベント2028を加えた。これより、分散剤3の不揮発分50質量%溶液を得た。
シアン着色剤
C.I.ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニンブルー)
Lionol Blue FG7919(トーヨーカラー社製)
マゼンタ着色剤
C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ)
Hostaperm Pink E(クラリアント社製)
C.I.ピグメントレッド57:1(カーミン6B)
Permanent Rubine L6B(クラリアント社製)
イエロー着色剤
C.I.ピグメントイエロー13(ジスアゾイエロー)
Permanent Yellow GR(クラリアント社社製)
ブラック着色剤
カーボンブラック
NIPEX150(オリオン・エンジニアドカーボンズデグサ社製)
ソルスパーズ24000SC 酸価:25mgKOH/g
塩基性樹脂型分散剤(ポリアミン系樹脂)
IPソルベント2028 イソパラフィン系炭化水素(出光興産社製)
乾点:262℃ アニリン点:89℃ 密度:0.790g/cm3 動粘度:3.50mm2/s
エクソールD110 ナフテン系炭化水素(エクソンモービル社製)
乾点:266℃ アニリン点:83℃ 密度:0.808g/cm3 動粘度:3.43mm2/s
タイペークPF−740 40質量部
結着樹脂1 58質量部
ソルスパース24000SC 2質量部
上記材料(合計5kg)を20Lの容積を有するヘンシェルミキサーで混合(3,000rpm、3分)した後、二軸混練押出機(PCM30)で供給量6kg/hr、吐出温度145℃にて溶融混練を行い、更にロール温度140℃の3本ロールにて混練を行った。冷却固化した後ハンマーミルで粗粉砕し、次いでI式ジェットミル(IDS−2型)で微粉砕し、平均粒径6.0μmの粉砕品W1を得た。
粉砕品W1 25質量部
IPソルベント2028 72質量部
分散剤1 3質量部
を秤量し、十分に撹拌、混合し、IPソルベント2028溶液中に粉砕品W1を分散させた(スラリー濃度は25質量%)。この粉砕品W1を分散させたスラリーを、媒体撹拌式ミルである湿式粉砕機、ダイノーミルマルチラボ(シンマルエンタープライゼス社製、容量1.4L)を用いて循環運転を60分行い、湿式粉砕を行った。このときの湿式粉砕の条件は以下の通りであった。アジテーターディスク(材質:ジルコニア)周速10m/s、シリンダーZTA、メディア(材質:ジルコニア)直径1.25mm、充填率70%、溶液流量45kg/h、冷却水5L/min、圧力0.1Kg/cm260分間湿式粉砕
を行った後、スラリーを取り出し、目開き33μm(SUS304製)のメッシュを通過
させ、液体現像剤1W(ホワイトトナー粒子1を含む)を得た。ホワイトトナー粒子1の粒度分布の確認を行ったところ、平均粒径(D50)が1.9μmであった。液体現像剤1Wの粘度(η)は50mPa・sであった。
(実写試験)
実写試験は、市販の液体現像複写機(Savin870:セイビン社製)を改造したものを用いて、23℃/50%RHの環境条件下で、アモルファスシリコン感光体を用い、感光体表面電位を+450〜500V、残留電位+50V以下、現像ローラーのバイアスを+250〜450Vに設定し、初期から100枚の画像試験を行った。画像評価には、100枚目の画像を用いた。このとき単色の画像作製はホワイト単色でベタ刷りを行い、カラートナー×ホワイト(カラートナーは、シアン、イエロー、マゼンタ、もしくはブラック)の2色重ね画像作製はカラー単色ベタ刷り後、ホワイトの重ねベタ刷りを行った。基材はPETフィルム、熱圧着は速度30m/min、120℃の条件にて行った。
隠蔽性評価には、トナー粒子濃度を25%で、それぞれホワイト単色の画像出力を行った。得られたホワイト画像サンプルのベタ部を、ブラック単色画像の濃度値(ID値)が1.80の紙基材上に置き、ホワイト画像の隠蔽性をブラックID値の低下度合いで確認した。ブラックID値が、0.3未満となれば実用上の隠蔽性が好ましく、0.2未満であればより好ましい。ID値は、X−Rite504により測定した。
A:ブラックID値が0.2未満
B:ブラックID値が0.2以上0.3未満
C:ブラックID値が0.3以上
重ね画像出力時に、感光体から中間転写体へ液体現像剤が転写する前後の感光体部の液体現像剤層をテープで採取し、PETフィルム上に貼り付け、ブラック単色画像の濃度値(ID値)が1.80の紙基材上に置き、X−Rite504にてブラックID値の測定を行なった。重ねの転写効率は、
ホワイト転写効率=(通過後のブラック濃度)/((通過前のブラック濃度)+(通過
後のブラック濃度))×100
の計算式により求めた。転写効率は、90%以上であれば実用上望ましく、95%以上であればより好ましい。
A:転写効率が95%以上 B:転写効率が90%以上、95%未満 C:転写効率が90%未満
定着率は、1センチ×1センチのベタ部分を出力した印字画像をブラック単色画像の濃度値(ID値)が1.80の紙基材上に置き、出力時のブラック画像濃度(ID1)を測定した。その後印字物にメンディングテープ(3M社製スコッチ810)を貼り、1kgの円柱状の真鍮錘を転がし1往復させた。その後メンディングテープを取り除き、再びブラック画像濃度(ID2)を測定した。ホワイト液体現像剤の定着率は、
ホワイト定着率=(ID1)/(ID2)×100
の計算式により求めた。定着率は、80%以上であれば実用上好ましく、90%以上であればより好ましい。
ホワイト液体現像剤の保存安定性は、25℃の環境下に1ヵ月間静置した後、液体現像剤中のトナー粒子の様子を目視にて観察し、以下の3段階の評価を行った。
A:トナー粒子の沈降凝集がほとんど認められない
B:トナー粒子の沈降凝集がわずかに認められるが、実用上問題のない範囲である
C:トナー粒子の沈降凝集がはっきりと認められる
.9以上のため、トナー粒子の帯電性・移動性が低下し、隠蔽性、重ねの転写効率、保存安定性が低下した。さらには、トナー粒子の比重が高く、保存安定性が低下した。比較例6では、平均粒径比が0.7以下のため、トナー粒子が過粉な粉砕を受けてしまい、顔料がトナー表面に露出する、液体現像剤の粘度が高くなるなどして、重ねの転写効率、保存安定性が低下した。
Claims (6)
- イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックから選ばれる少なくとも1色のカラー液体現像剤と、ホワイトの液体現像剤とを含む液体現像剤セットであって、
カラーおよびホワイトの液体現像剤は、それぞれ、結着樹脂(A)、着色剤(B)、分散剤(C)、及びキャリア液(D)を含み、
ホワイトの液体現像剤が、着色剤(B)として白色の着色剤を含み、
白色の着色剤が、有機物処理され、塩素法で製造された酸化チタンであり、前記酸化チタンの比重は、カラーの液体現像剤に含まれる着色剤の比重より大きく、
ホワイト液体現像剤の平均粒径D50wとカラー液体現像剤の平均粒径D50cとの比(D50w/D50c)が、0.7〜0.9であることを特徴とする液体現像剤セット。 - 分散剤(C)が、少なくともアミノ基を有するエチレン性不飽和単量体と、炭素数9〜24のアルキル基を含有するエチレン性不飽和単量体と、下記一般式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体とを共重合してなり、
重量平均分子量Mwが500≦Mw≦40000であり、
アミン価が5〜150mgKOH/gであることを特徴とする請求項1に記載の液体現
像剤セット。
一般式(1)
CH2=C(R1)COO(AO)nR2
(式中、R1は、水素原子、または、メチル基を表し、
R2は、水素原子、または、炭素数が1〜22の炭化水素基を表し、
nは、1〜200の整数を表し、
Aは、炭素数が2〜4のアルキレン基を表す。) - 結着樹脂(A)が、ポリエステル樹脂(a−1)と、スチレン樹脂、アクリル樹脂、およびスチレン−アクリル共重合樹脂から選ばれる少なくとも1つの樹脂(a−2)とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の液体現像剤セット。
- 結着樹脂(A)の重量平均分子量Mwが、2000≦Mw≦100000であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の液体現像剤セット。
- 結着樹脂(A)における(a−1)と(a−2)との質量比率[(a−2)/(a−1)]が、1以下であることを特徴とする請求項3記載の液体現像剤セット。
- 請求項1〜5いずれかに記載の液体現像剤セットを用いて得られる印刷物。
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