JP5975086B2 - 金型および成形品の製造方法 - Google Patents
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例えば、DIP((Dual Inline Package)やQFP(Quad Flat Package)、PLCC(Plastic leaded chip carrier)などのリードフレームに半導体素子を搭載した半導体装置、BGA(Ball grid array)やLGA(Land grid array)などのサブストレート等の樹脂製基板に半導体素子を搭載した半導体装置は、封止用樹脂により封止される。
このような電子部品の封止に際して、樹脂バリを防止する技術が、特許文献1,2に記載にされている。
ゲートインサート1014には、キャビティ部1012に連絡するゲート1018が設けられる。図中の想像線L1は、キャビティインサート1010にリードフレーム1020をセットした際の側縁位置を示している。
ゲートインサート1014とセンターインサート1016との境界位置には、リードフレーム1020の側縁にそって弾性体1022が設置される。この弾性体1022が、リードフレーム1020をクランプした際に潰れることにより、リードフレーム1020の側縁とモールド金型とのクリアランス部分が、閉止される。そして、クリアランス部分の閉止により、樹脂モールドの際にリードフレームの側縁に沿って、ゲート1018から樹脂が流れ出すことを防止する。
従って、リードフレーム1131の端面から不要な樹脂が流れ出し、リードフレーム1131の端面に付着することが無い。その結果、従来のような付着した不要樹脂を作業者等が取り除く工程が不要である。
更に、第1の金型に凸部を形成して、樹脂バリへの対策を施しているため、基体を改良することなく、問題を解決することができる。
また、拡幅部の中心側にはみ出した凸部の一部は、第2の金型と共に、基体を挟み込むことで、基体の端面を拡幅部に向かって膨らませることができる。従って、拡幅部の中心側にはみ出した凸部の一部が、基体の端面を拡幅部に向かうように押し出し、残余の凸部が、基体の端面を第2の金型の壁面に向かうように押し出すため、隙間の入り口の外側と内側との両方で閉鎖することができる。よって、封止用樹脂の隙間への浸入を、確実に、防止することができる。
凸部が、樹脂通路の両脇に位置することで、樹脂通路から近い位置の基体の端面を押し出すことができる。従って、樹脂通路から連通する隙間の入り口で閉鎖することができるので、効果的に、封止用樹脂の隙間への浸入を防止することができる。
凸部が、基体の端面の方へ向かって突出高さが低くなるように形成されていると、凸部が基体を押圧するときに、端面に対して遠い位置から近い位置まで順番に押圧することになる。従って、基体の板厚が徐々に端面まで移動させられるため、端面の押し出しを効果的に行うことができるので、膨らみ量を大きくすることができる。
拡幅部の中心側にはみ出した凸部の一部が、基体の端面を拡幅部に向かうように押し出し膨らませる。この膨らみの方向が、第2拡幅部にて残った壁面より規制される。従って、基体の端面の膨らみは、基体の端面の厚み分で制限され、余計な方向へ拡がらないため、端面の厚み分の隙間を確実に閉鎖することができる。よって、第2拡幅部は、封止用樹脂の隙間への浸入の防止を、更に確実なものとすることができる。
図1から図4に示すように、上型10(第1金型)と、下型20(第2金型)とは、リードフレーム1(基体)に搭載された半導体素子2(電子部品)を、樹脂封止するものである。
図2および図3に示すように、リードフレーム1は、半導体素子2が搭載されるダイパッド1aと、半導体素子2とワイヤで結線され、半導体素子2と共に、樹脂封止されるインナーリード1bと、インナーリード1bからタイバー1cを介して外部に延びるアウターリード1dと、アウターリード1dの先端部同士を繋ぐフレーム枠1eとを備えている。
また、下型キャビティブロック210は、ポットブロック220側のリードフレーム1の板厚面である端面1fが、ポットブロック220に隙間なく対向するように形成されている。
ポットブロック220には、ポット221にて溶融させた封止用樹脂R0を、カル部121へ押し出すためのプランジャ240が配置されている。
カル部121は、図4に示すように、ポットブロック220のポット221の上方に位置している。図2に示すように、カル部121は、円形空間部121aから2本の細長空間121bが互いに反対の方向に延びている。その細長空間121bの先端部が、ランナー300のポットブロック220に位置するポットブロック側ランナー310(図4参照)に連通している。
ポットブロック側ランナー310には、封止用樹脂R0が流れる下流方向F1に向かうに従って通路底が深くなる第1通路部311が形成されている。ポットブロック側ランナー310には、第1通路部311を過ぎると通路底の深さが一定となる第2通路部312が形成されている。第2通路部312は、下型キャビティブロック210の下型キャビティブロック側ランナー320に連通する。
第2通路部312には、下型キャビティブロック210と対向するポットブロック220の壁面223から上流側となる位置であって、壁面223に面した位置に、拡幅部313が形成されている。
拡幅部313には、フレーム枠1eの厚みに相当する深さのポットブロック220の壁面223が切り欠かれて、第1拡幅部313aとして形成されている。また、拡幅部313には、第1拡幅部313aから深さ方向に、壁面223を残して切り欠いた第2拡幅部313bが形成されている。
凸部111は、リードフレーム1のフレーム枠1eの端面1fの方へ向かって突出高さが低くなるように形成されている。
図3に示すように、半導体素子2が搭載されたリードフレーム1を、図示しない搬送装置が下型20に搬送して配置する。次に、上型10が下降、または下型20が上昇して、上型10と下型20とによりリードフレーム1を型締めすることで挟持する。
このようにして、半導体素子2を封止した成形品が作製される。そして、成形品は、上型10および下型20が型開きされた後に、図示しない搬送装置により取り出され、ランナー300の形状に成形された余分な封止用樹脂を除去するディゲーターに搬送される。
リードフレーム1の端面1fと、ポットブロック220の壁面223との間に隙間S1(図4参照)が生じると、封止用樹脂R0が、ポットブロック側ランナー310から下型キャビティブロック側ランナー320に流れ込む際に、隙間S1に浸入して、リードフレーム1の端面1fに沿って拡がる。この隙間S1への封止用樹脂R0の浸入が、リードフレーム1の端面1fに付着する樹脂バリとなる。
拡幅部313の中心側にはみ出した凸部111の一部が、リードフレーム1の端面1fを拡幅部313に向かうように押し出し膨らませる。この膨らみの方向が、一方ではカルブロック120により規制され、他方では第2拡幅部313bにて、残ったポットブロック220の壁面223より規制される。従って、端面1fの膨らみは、リードフレーム1の端面1fの厚み分で制限され、余計な方向へ拡がらないため、端面1fの厚み分の隙間S1を確実に閉鎖することができる。よって、第2拡幅部313bは、封止用樹脂R0の隙間S1への浸入の防止を、更に確実なものとすることができる。
1a ダイパッド
1b インナーリード
1c タイバー
1d アウターリード
1e フレーム枠
1f 端面
2 半導体素子
10 上型
110 上型キャビティブロック
111 凸部
120 カルブロック
121 カル部
121a 円形空間部
121b 細長空間
130 上型サイドブロック
20 下型
210 下型キャビティブロック
211 ブロック面
212 壁面
220 ポットブロック
221 ポット
222 ブロック面
223 壁面
230 下型サイドブロック
240 プランジャ
300 ランナー
310 ポットブロック側ランナー
311 第1通路部
312 第2通路部
313 拡幅部
313a 第1拡幅部
313b 第2拡幅部
313w 通路壁
320 下型キャビティブロック側ランナー
R0 封止用樹脂
CV キャビティ
F1 下流方向
F2 方向
W1,W2 間隔
S1 隙間
Claims (5)
- 第1金型と第2金型を型締することで形成されるキャビティ内に、基体に搭載された電子部品が配置されると共に、前記基体が第1金型と第2金型によって挟持された状態で、封止用樹脂を、樹脂通路を通じて前記キャビティ内に注入して、前記電子部品を封止する金型において、
前記基体を型締め時に押圧することで、前記基体の端面を押し出して、前記基体の端面と、前記端面に対向する前記第2金型の壁面との前記樹脂通路に通じる隙間を閉鎖する凸部が、前記第1金型に形成され、
前記樹脂通路は、前記壁面の位置から上流側に拡幅部が形成され、
前記凸部は、前記拡幅部の通路壁の位置より、前記拡幅部の中心側にはみ出して形成された金型。 - 前記凸部は、前記樹脂通路の両脇に位置して前記基体を押圧する請求項1記載の金型。
- 前記凸部は、前記基体の端面の方へ向かって突出高さが低くなるように形成された請求項1または2記載の金型。
- 前記拡幅部には、前記基体の厚みに相当する深さの前記壁面が切り欠かれた第1拡幅部と、前記第1拡幅部から深さ方向に、前記壁面を残して切り欠いた第2拡幅部とが形成されている請求項1記載の金型。
- 第1金型と第2金型を型締めすることにより形成されるキャビティ内に、基体に搭載された電子部品が配置されると共に、前記基体が第1金型と第2金型によって挟持された状態で、封止用樹脂を、樹脂通路を通じて前記キャビティ内に注入して、前記電子部品を封止する樹脂封止方法において、
前記基体に搭載された前記電子部品を、前記第2金型内に配置する工程と、
前記第1金型に形成された凸部であって、前記基体の端面に対向する前記第2金型の壁面の位置から前記樹脂通路の上流側に形成された拡幅部における通路壁の位置より、前記拡幅部の中心側にはみ出した凸部により、前記基体を型締め時に押圧することで、前記基体の端面を押し出して、前記基体の端面と、前記端面に対向する前記第2金型の壁面との前記封止用樹脂の前記樹脂通路に通じる隙間を閉鎖した状態で、前記第1金型と第2金型により前記基体を挟み込む工程と、
前記封止用樹脂を、前記樹脂通路を通じて前記キャビティ内に注入して、前記電子部品を封止する工程と、
前記第1金型と第2金型を型開きして前記電子部品を封止した成形品を取り出す工程とを含む成形品の製造方法。
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