以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[実施例1]
図1は、実施例1に係る通帳証書発行機を備えた新規口座通帳発行システムを示す図である。図1に示す新規口座通帳発行システム1は、銀行等の金融機関における帳票発行システムの一例である。
新規口座通帳発行システム1は、営業店2に配置された複数の営業店端末3(3a、3b、・・・)、通帳証書発行機4、ネットワーク5、センタ6に配置された管理サーバ7、及びホスト機器8を有している。
営業店端末3、及び通帳証書発行機4は、営業店2の内のLAN(Local-Area-Network)9に接続されている。LAN9は、ネットワーク5に接続されている。管理サーバ7、及びホスト機器8は、センタ6の内のLAN10に接続されている。LAN10は、ネットワーク5に接続されている。
営業店端末3は、営業店2の担当者が操作する操作端末である。なお、営業店2に配置される営業店端末3の数は、営業店端末3a,3bの2つに限定されるものではなく、通常は、多数の営業店端末が配置されている。
通帳証書発行機4は、繰越しの取引金額が記帳された繰越新規通帳と、新規に開設された口座の初期預け入れ金額のみが記帳された新規口座通帳を発行する装置である。ホスト機器8は、営業店端末3a,3bからの取引依頼を受け付けて、口座管理処理や、振込処理、及び振替処理等の金融取引処理を実行する。
管理サーバ7は、PIM (Passbook/Bond Issuing Machine) サーバであり、営業店端末3a,3bから伝票や証書の発行依頼を受け付けたときは不図示のプリンタ装置に伝票又は証書の発行を指示し、新規開設口座の通帳の発行依頼を受け付けたときは通帳証書発行機4に新規口座通帳の発行を指示する。
また、管理サーバ7は、プリンタ装置や通帳証書発行機4から処理結果の通知を受け付けて、営業店端末3a,3bのうち帳票(通帳、伝票、証書等)の発行依頼を行った営業店端末に処理結果を通知する。
ここで、特には図示しないが、営業店2の店舗のレイアウトについて簡単に説明する。営業店2の店舗は、その内部に、伝票や証書の受け渡しと口座の新規開設の受付が行われる複数の受渡窓口を有するカウンタを備えている。店舗内は、カウンタによって、カウンタ内領域とカウンタ外領域に大別される。
カウンタ内領域は、営業店2の担当行員が作業を行う場であり、顧客に応対する行員がカウンタの受渡窓口に配置され、その奥側に、受渡窓口の行員が行う事務を補佐したり受渡窓口以外の事務を担当する行員が配置される。営業店端末3a,3bと帳票発行機(プリンタ)は、このカウンタ内領域に配置されている。
カウンタ外領域は、顧客用の出入口が設けられている一般フロアであり、ここには、複数台のATMが設置されているATM領域、立ったまま伝票類に記入を行うことができるガラス製の記入台が設置されているテーブル領域、複数台の長椅子が設置されている待合室領域が形成されている。待合室領域は、通常、受渡窓口のカウンタと向かい合わせに設けられている。
上記の各領域には、通常、これといった仕切りがない。そして、通常、待合室領域の一角には1台の通帳繰越機が設置されているが、本例の場合は、この通帳繰越機に代えて通帳証書発行機4が設置される。
これは、通帳繰越機は、繰越通帳を1冊発行するごとに、係員または行員が装置の前で対応を行う仕組みになっており、顧客操作型の装置でないこと、及び通帳の連続発行がハード的に出来ない構成であることから、通帳証書発行機4としたものである。
この、通常、待合室領域への出入り口に相当する位置の床上に、番号票発行機が設置されている。番号票発行機は、番号票発行機と表示装置を備えている。番号票発行機は、待合の順番を示す番号を印刷した番号票を待合室領域に入る顧客に発行すると共に、表示装置の表示面に、現在の待ち人数を表示する。
顧客は、番号票発行機から自動発行される番号票を受け取るときに、現在の待ち人数を見て、自分の順番がいまから何番目になるかを知り、その順番から自分のおおむねの待ち時間を知ることができる。
また、顧客は、行内の時間帯が、顧客への応対の繁忙期の時間帯であるか、閑散期の時間帯であるかを、番号票発行機が示す現在の待ち人数で知ることができる。
図2は、上記通帳証書発行機4の外観斜視図である。通帳証書発行機4は、装置本体上面の新規発行通帳スタッカ11、その両側部に配置されたコードリーダ12とカードリーダ13、上面から前面に斜めを向く操作画面14、前面上部に並ぶ付込通帳挿入口15、及び電源スイッチ16、それらの下方に配置された前面扉17を備えている。
新規発行通帳スタッカ11は、通帳証書発行機4が排出(発行)した繰越通帳や新規口座通帳を顧客が取り出せるように設けられている。コードリーダ12は、新規口座の開設手続きが完了した顧客が、その開設手続きを行った受渡窓口から受け取ったコード票からコードを読み取るために設けられている。
カードリーダ13は、溝に差し込まれてスライドされた磁気カードの磁気ストライプに記録された情報を読み取る。操作画面14は、例えば液晶パネルと透明なタッチパッドを組み合わせてなるタッチパネルである。
タッチパネルの画面上の表示を押すことで通帳証書発行機4を外部から操作することができる。例えば顧客は、受渡窓口からコード票と共に受け取った暗証番号を、タッチパネルの画面に表示されるテンキーをタッチ操作して入力することができる。
付込通帳挿入口15は、記帳(付込み)を行う通帳の挿入口である。挿入された通帳の金額記載行の記載が満杯になると、記載が満杯した通帳を排出し、続けて繰越新規通帳を排出する。電源スイッチ16は、通帳証書発行機4の電源投入と電源遮断を操作する押しボタン式のスイッチである。
前面扉17は、通帳証書発行機4に対し、未記入新通帳の補充、メンテナンス等を行うとき、又は、図では陰になって見えない前面扉17裏面に配設されている発行通帳一時収納部に収納されている新規口座通帳を取り出すときに、担当行員によって開閉される扉である。
図3は、上記通帳証書発行機4の内部構成を簡略に示す断面図である。なお図3には、図2と同一の構成部分には図2と同一の番号を付与して示している。図3に示すように、通帳証書発行機4は、通帳収納部18及び通帳収納部19を備えている。
通帳収納部18及び通帳収納部19は、それぞれ複数の一括カセット20を備えている。一括カセット20には、発行前の通帳が収納されている。発行前の通帳には、予めRFID(Radio Frequency IDentification)タグおよび磁気ストライプが貼付されている。
また、通帳証書発行機4は、前面扉17の裏面に発行通帳一時収納部21を備え、新規発行通帳スタッカ11と付込通帳挿入口15との間に、通帳プリンタ22を備え、通帳プリンタ22の後方に磁気ストライプリーダライタ23とRFIDリーダライタ24を備えている。
更に、通帳証書発行機4は、通帳を搬送する搬送路25を備えている。搬送路25は、通帳収納部18又は通帳収納部19から、新規発行通帳スタッカ11まで又は発行通帳一時収納部21まで通帳を搬送して通帳を発行する。
磁気ストライプリーダライタ23は、通帳が備える磁気ストライプに対し情報を読み書きする。例えば、磁気ストライプリーダライタ23は、新規通帳発行時に口座番号等を磁気ストライプに記録し、付込通帳挿入口15から挿入された通帳の磁気ストライプから口座番号等の記録を読み取る。
RFIDリーダライタ24は、通帳に貼付されたRFIDタグの記憶部に対して情報を読み書きする。例えば、RFIDリーダライタ24は、新規通帳の発行時にRFIDタグの記憶部に口座番号等を記録し、付込通帳挿入口15から挿入された通帳のRFIDタグから口座番号等の記録を読み取る。
なお、RFIDタグの記憶部に記録する識別情報は、通帳を一意に識別できるものであればよく、例えば、口座番号であってもよく、シリアル番号などであってもよい。シリアル番号は、RFIDタグの記憶部に予め記録しておいてもよく、その場合は、通帳発行時にシリアル番号と口座番号の関連付けを行うようにする。
通帳プリンタ22は、名義人、口座番号、支店名、残高等の情報を通帳に印字する。また、通帳証書発行機4は、リジェクトする通帳を収容するリジェクトスタッカ26、27を備えている。
図4は、上記通帳証書発行機4を制御する制御装置のブロック図である。図4に示す制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)31によって装置全体が制御されている。CPU31には、バス32を介してRAM(Random Access Memory)33、HDD(Hard Disk Drive)34、通信インタフェース35、グラフィック処理装置36、および入出力インタフェース37が接続されている。
RAM33には、CPU31に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムが一時的に格納される。また、RAM33には、CPU31による処理に必要な各種情報が一時的に格納される。HDD34には、OSやアプリケーションプログラムや、処理に必要なデータテーブルやパラメタが格納される。
通信インタフェース35は、図1にも示した営業店2の内のLAN9、ネットワーク5を介して、センタ6のLAN10に接続している。通信インタフェース35は、センタ40の管理サーバ7と、制御装置30のCPU31との情報の送受信を行う。
グラフィック処理装置36は、CPU31からの命令に従って、入出力インタフェース37を介して、タッチパネル38の表示画面に画像を表示させる。入出力インタフェース37には、タッチパネル38の他に、搬送ユニット39、通帳収納ユニット41が接続されている。
更に、入出力インタフェース37には、通帳プリンタユニット42、図3にも示した磁気ストライプリーダライタ23、RFIDリーダライタ24、コードリーダ12、カードリーダ13及び図3には図示しなかったがスピーカ43が接続されている。
入出力インタフェース37は、タッチパネル38、搬送ユニット39、通帳収納ユニット41、通帳プリンタ22、磁気ストライプリーダライタ23、RFIDリーダライタ24、コードリーダ12、カードリーダ13から送られてくる信号を、バス32を介してCPU31に送信する。
上記の搬送ユニット39は、搬送路25を駆動するユニットである。通帳収納ユニット41は、通帳収納部18、通帳収納部19が収納する通帳の搬送路25への排出と、収納する通帳の残量を管理するユニットである。通帳プリンタユニット42は、通帳プリンタ22を制御するユニットである。
なお、磁気ストライプリーダライタ23、RFIDリーダライタ24、コードリーダ12、及びカードリーダ13については既に説明した通りである。また、スピーカ43は、図2の外観図では見えない内部装置であり、通帳証書発行機4に機械的又は処理結果に不具合が生じたとき、外部に警報を発するためのものである。
図5〜図7は、通帳証書発行機4の制御装置においてHDD34の所定領域に構築されるデータテーブルの例を示す図である。図5〜図7に示すデータテーブルは、基本的に動作環境パターンを示すデータを格納したテーブルである。
これらのデータは、営業店端末3a、3bから入力されたデータに基づいて、管理サーバ7側でデータを集積し、データテーブルのファイルを自動作成し、それを通帳証書発行機4がダウンロードする仕組みとなっている。
図5は通帳証書発行機4の通帳証書発行に関わる基本的なデータ構成を示す基本データテーブル44である。基本データテーブル44は、ヘッダ部45とデータ部46からなる。ヘッダ部45は、項目欄47に示すように「通帳証書発行ヘッダ」と「リザーブ」の2行のデータ領域を有している。それらのサイズ欄48には、データサイズが、それぞれ24バイトと8バイトであることが記述されている。
また、「通帳証書発行ヘッダ」の詳細欄49には、通帳証書発行ヘッダとしての「基本情報」が記述される。また、「リザーブ」の詳細欄49は何も記述されていない。これは「リザーブ」は、開発上の機能拡張のためのデータ領域であり、本例では未使用領域となっているためである。
データ部46は、データ部1〜データ部nまで顧客の数だけあるデータ群の集合である。各データ部i(i=1、2、3、・・・、n)は、データ部1を例に示すと、項目欄47に示すように、「顧客ID」、「種別」、「店番」、「口座番号」、「媒体コード」、「ステータス」、「暗証番号」、「リザーブ」、「拡張情報」の9行のデータ領域を有している。
それらのサイズ欄48には、データサイズが、それぞれバイト数で「8」、「2」、「3」、「7」、「3」、「4」、「12」、「256」と記述されている。そして、「顧客ID」の詳細欄49には、営業店カウンタで発行されたIDが8バイト以内のデータで記述される。
また、「種別」の詳細欄49には、取扱いの対象となる媒体が何であるかを2バイトのデータで設定される。すなわち、媒体が通帳であるときは「1」が設定される。媒体が証書であるときは「2」が設定される。そして、媒体がカードであるときは「3」、不明であるときは「4」、その他のときは「5」が設定される。
また、「店番」の詳細欄49には、店番を示す3桁の番号が3バイトで記述される。「口座番号」の詳細欄49には、通帳の口座番号または証書番号を示す7桁の番号が7バイトで記述される。「媒体コード」の詳細欄49には、媒体を固有に認識する5桁のコードが5バイトで記述される。「ステータス」の詳細欄49には、通帳又は証書が正常に発行されたものか否か示す情報が3バイトで記述される。
また、「暗証番号」の詳細欄49には、顧客が設定する暗証番号が4バイト以内のデータとして格納される。「リザーブ」の詳細欄49には、現在、開発上の機能拡張は未だであるため未使用のままであり、記述すべきデータは格納されていない。「拡張情報」の詳細欄49は、拡張情報の格納領域であり、例えば、顧客の住所、年齢、家族構成などの情報が格納される。
図6は、曜日別(曜日毎)の繁忙状態を判断するための曜日別繁忙データテーブルのデータ構成の例を示す図である。図6に示す曜日別繁忙データテーブル50は、ヘッダ部51とデータ部52からなる。
ヘッダ部51は、項目欄53に示すように「繁忙モードヘッダ」と「リザーブ」の2行のデータ領域を有している。それらのサイズ欄54には、データサイズが、それぞれ24バイトと8バイトであることが記述されている。
そして、「繁忙モードヘッダ」の詳細欄55には、繁忙モードヘッダとしての「基本情報」が記述される。また、「リザーブ」の詳細欄49は、この場合も何も記述されていない。
なお、「リザーブ」のデータ項目は、以降のデータ構成にも存在しているが、前述したように、現在、本例で示す以上の機能拡張は未開発であり、いずれの「リザーブ」の詳細欄49も記述が空欄となるので、以下「リザーブ」の説明は省略する。
図6において、データ部52は、データ部月曜〜データ部金曜まで実働曜日の数だけあるデータ群の集合である。各データ部n曜(n=月、火、水、木、金)は、データ部月曜を例に示すと、項目欄53に示すように、「曜日、月日」から「リザーブ」まで、7行のデータ領域を有している。
すなわち、「曜日、月日」から「リザーブ」までの間に、「9:00〜10:00繁忙モード」、「10:00〜11:00繁忙モード」、「11:00〜12:00繁忙モード」、「13:00〜14:00繁忙モード」、「14:00〜15:00繁忙モード」と5つの時間帯別の繁忙モード項目が設定されている。
項目欄53の「曜日、月日」の詳細欄55に対応するデータ領域には、データ部j((j=月、火、水、木、金)が月曜日のデータ領域であるときは「0001」、火曜日のデータ領域であるときは「0002」、水曜日のデータ領域であるとき「0003」、木曜日のデータ領域であるとき「0004」、そして、金曜日のデータ領域であるとき「0005」が設定される。
また、繁忙パターンは本例の場合、1から20まで細分化されており、パターン1には「0011」、パターン2には「0012」、・・・、パターン20には「0030」が格納されている。これらのパターンには、例えば、定例キャンペーン期間、月末、月初、給料日などの特殊日が割り当てられている。曜日やパターンに該当しない特殊な日は、西洋暦XXYY:XX月YY日と日付が格納される。
また、上記の時間9:00〜15:00は、銀行業務の中の顧客対応業務の時間帯であり、この間の、繁忙程度と顧客対応区分が1時間ごとに区切って詳細欄55に記述されている。
繁忙の程度が繁忙ではなく通常のときは「0」、繁忙のときは「1」、繁忙状態が頂点に達している、すなわちピークのときは「2」、特殊なときは「3」、その他のときは「5」が記述される。
上記の「2:ピーク」は、繁忙時において特に取引件数が集中するときや大口の件数が発生することが予めわかっている時間帯の対応を示し、「3:特殊」は、取引が大口の顧客または身体の不自由な顧客に対する対応を示し、「5:その他」は、なんらかの要因で営業不可となり、取引できない状況の場合の対応を示している。
図7は、特定日別・パターン別の繁忙状態を判断するための特定日・パターン別繁忙データテーブルのデータ構成の例を示す図である。この特定日・パターン別繁忙データテーブル56は、データ部58が、データ部指定月日1〜データ部指定月日n(n=1、2、3、・・・)のn数だけあるデータ群の集合となっている。
このデータ部58のデータ群の名称が、データ部指定月日1〜データ部指定月日n、となっている点を除けば、ヘッダ部57及びデータ部58の各データ群に対応する項目欄59、サイズ欄60、詳細欄61のデータ記述内容は、図6に示した曜日別繁忙データテーブル50の記述様式と同一である。
この特定日・パターン別繁忙データテーブル56を目的とする用途について説明する。銀行内部の処理の運用方法では、日ごとのパターンを特殊日ごとに設定する場合が多く発生する。例えば、個別のキャンペーン期間などは取引件数が多くなる、などの事象に対応するため、個別パターンのデータ領域として特定日・パターン別繁忙データテーブル56が設けられているものである。
図8は、上述した本例のシステム構成において、銀行のカウンタの受渡窓口における行員と顧客との取引の対応を示すフローチャートである。なお、ここに示す処理は、新規通帳発行の行員と顧客による前段の取引となる手順を示している。
この手順は、顧客がカウンタの受渡窓口に出向き、新規に口座を開設してその新規通帳の発行を希望する旨を受渡窓口の担当行員(以下、単に窓口行員という)に申し込むことによって、カウンタ側取引対応として手順が開始される。
まず、窓口行員は窓口カウンタにて従来通りの窓口業務を行う。すなわち、顧客の申し込みを聞いた窓口行員は新規口座開設の申し込み書式の伝票を顧客に渡す。顧客は窓口カウンタ又は適宜、記入台で通帳発行情報を伝票に記入する(ステップS1)。
上記に続いて、顧客は、書式に従って記入した伝票を窓口行員に提出する(ステップS2)。窓口行員は、提出された伝票に基づいて顧客の本人確認を行い、顧客により登録用の印影が押印された伝票や、口座開設のための個人情報の記載された伝票に基づいて、営業店端末3を用いて通帳発行情報を入力する。この入力情報は管理サーバ7に送信される。これにより、管理サーバ7側において、通帳作成情報が生成される(ステップS3)。
続いて、窓口行員は、営業店端末3を用いて顧客を特定するIDを作成する(ステップS4)。この処理では、窓口行員は、先ず、新規口座開設の従来通りの手続情報(顧客通帳発行情報)の他に、本発明に成る手続用のコード情報と暗証番号を作成する。作成されたコード情報と暗証番号は管理サーバ7と通帳証書発行機4へ通知される。
上記のコード情報は、例えばバーコード又は二次元コードとして窓口カウンタ内部のプリンタにより印刷出力され、これとは別に、暗証番号も同じくプリンタで印刷出力されて顧客に渡される。なお、コード情報はRFIDタグとして発行してもよい。
なお、以下の説明では、バーコード又は二次元コード又はRFIDタグを一括して単にIDということにする。
続いて、顧客は、窓口行員から渡されたコード情報と暗証番号のうち、暗証番号を、テンキーと確定キーから成る専用の暗証番号入力器により入力して確認する。この確認により暗証番号が確定する(ステップS5)。ここで、顧客と窓口行員によるカウンタ側取引対応が終了する。
図9は、受渡窓口における行員と顧客との取引の対応が完了した後に続く通帳証書発行機による通帳発行取引の処理を示すメインフローチャートである。
図10は、メインフローチャートのモード判定処理の詳細を示すサブフローチャートである。
図11は、メインフローチャートの通常モード通帳発行処理の詳細を示すサブフローチャートである。
図12は、メインフローチャートの繁忙モード通帳処理の詳細を示すサブフローチャートである。なお、以下に示す処理は全て通帳証書発行機4の制御装置のCPU31によって行われる処理である。
図9のメインフローチャートにおいて、処理が開始されると、CPU31は、先ずモード判定処理を行う(ステップS11)。このモード判定処理においては、図10のサブフローチャートに示すように、先ず、発行済みの通帳作成情報を確認する(ステップS11−1)。
続いて、CPU31は、現在日付と現在時刻を取得し、更に発行待ち件数と状況を取得する(ステップS11−2)。次に、CPU31は、店舗内は繁忙か否か判別する。この判別では、繁忙時間又は繁忙曜日であるか判断する(ステップS11−3)。
この判断では、図6示した曜日別繁忙データテーブル50が参照され、現在の営業日と時間が「0:通常」か、又は「1:繁忙」、「2:ピーク」であるかが閾値により判断される。
そして、繁忙又はピーク(ステップS11−3の判別が「繁忙・ピーク」)であるなら営業ステータスを、判断前に繁忙モードであった場合はそのまま、通常モードであった場合は、繁忙モードに変更して(ステップS11−8)、モード判定処理を終了し、図9のメインフローチャートの処理に戻る。
また、図10のステップS11−3の判別において通常であるなら、CPU31は、続いて特定日パターンの繁忙時間か否かを判断する(ステップS11−4)。この判断では、図7に示した特定日・パターン別繁忙データテーブル56が参照され、現在の営業日と時間が「0:通常」か、又は「1:繁忙」、「2:ピーク」であるかが閾値により判断される。
そして、繁忙又はピーク(ステップS11−4の判別が「繁忙・ピーク」)であるなら、上記同様にステップS11−8の処理に移行して、営業ステータスを、判断前に繁忙モードであった場合はそのまま、通常モードであった場合は、繁忙モードに変更して、モード判定処理を終了し、図9のメインフローチャートの処理に戻る。
また、図10のステップS11−4の判別において通常であるなら、CPU31は、続いて未発行通帳が5件以上あるか否かを判断する(ステップS11−5)。この処理では、図8に示したカウンタ側取引対応が終了しているにも関わらず、通帳証書発行機4に対して顧客による通帳発行操作が行われていないものが5件以上ある、すなわち、顧客の待ち時間が長いか否かを判断している。
そして、未発行通帳が5件以上ある場合は(ステップS11−5の判別が「あり」)、上記同様にステップS11−8の処理に移行して、営業ステータスを、判断前に繁忙モードであった場合はそのまま、通常モードであった場合は、繁忙モードに変更して、モード判定処理を終了し、図9のメインフローチャートの処理に戻る。
また、図10のステップS11−5の判別において、未発行通帳が5件未満である場合は(ステップS11−5の判別が「なし」)、CPU31は、続いて未発行通帳のうち、3分経過しているものが2冊以上あるか否かを判断する(ステップS11−6)。この処理では、顧客による通帳発行操作が行われていないものが5件未満ではるものの、残りの件数の待ち時間が長いか否かを判断している。
そして、5件未満の未発行通帳のうち3分経過しているものが2冊以上ある場合は(ステップS11−6の判別が「あり」)、上記同様にステップS11−8の処理に移行して、営業ステータスを、判断前に繁忙モードであった場合はそのまま、通常モードであった場合は、繁忙モードに変更して、モード判定処理を終了し、図9のメインフローチャートの処理に戻る。
また、図10のステップS11−6の判別において、3分経過しているものが2冊未満である場合は(ステップS11−6の判別が「なし」)、営業ステータスを、判断前に通常モードであった場合はそのまま、繁忙モードであった場合は、通常モードに変更して(ステップS11−7)、モード判定処理を終了し、図9のメインフローチャートの処理に戻る。
図9のメインフローチャートの処理において、CPU31は、ステップS11のモード判定処理で行った判定結果に基づいて、店舗内が繁忙か否かを判別する(ステップS12)。そして、通常営業(通常モード)であるなら、通常モードで通帳発行処理を行う。
この通常モードでの通帳発行処理においては、図11のサブフローチャートに示すように、先ず、顧客が受渡窓口で行員から渡されたIDを通帳証書発行機4に読み取らせる(ステップS13−1)。
この読取では、IDが、ID番号、バーコード、又は二次元コードの場合はコードリーダ12に読み取らせる。また、IDが、RFIDタグ埋め込みカードの場合は、RFIDリーダライタ24に読み取らせる。
上記に続いて、顧客は受渡窓口で確定した(登録した)暗証番号を、通帳証書発行機4のタッチパネル(操作画面14)から入力する(ステップS13−2)。この入力された暗証番号と、上記読み取ったIDとに基づいて、通帳証書発行機4のCPU31と管理サーバ7との間で、取引データの確認を行う(ステップS13−3)。
そして、上記確認した取引データの内容に基づいて、新規通帳の発行が適正であるか否かを判別する(ステップS13−4)。そして、適正であれば(ステップS13−4の判別が発行可)、通帳を発行して(ステップS13−5)、通常モードの通帳発行処理を終了する。
一方、上記ステップS13−4の判別で、適正でないときは(ステップS13−4の判別が発行不可)、顧客と対応するよう案内係を呼び出す(ステップS13−6)。この処理では、通帳証書発行機4から案内係の携帯端末が呼び出され、携帯端末の表示画面に顧客と対応するよう指示が表示される。
案内係りは通帳証書発行機4の設置場所に行って顧客と対応する(ステップS13−7)。この対応では、案内係は通帳証書発行機4の画面から通帳発行不可を確認し、再度手順を踏むことで通帳の発行が可能か否か判断する(ステップS13−8)。
そして、発行可能であれば、顧客が再度手順を踏むことを助言して、ステップS13−5の処理が可能なようにする。一方、ステップS13−8の判断で、通帳の発行が不可であれば、顧客は案内係の助言に従って窓口カウンタで再度の発行手続きを行う(ステップS13−9)。
上記の通常の通帳発行処理を終了した後、図9において、営業が終了しているか否か判別する(ステップS14)。そして、営業が終了していれば(ステップS14の判別がYes)、通帳証書発行取引の処理を終了する。
一方、営業が終了していなければ(ステップS14の判別がNo)、ステップS11に戻って、ステップS11以下を繰り返す。そこで、ステップS12の判別で、店舗内が繁忙であるなら(ステップS12の判別が「繁忙・ピーク」)、案内係を呼び出す(ステップS15)。
この処理では、再呼出し処理時には呼出を継続する。呼び出しを受けた案内係は携帯端末により通帳証書発行機4への配置が可能であることを返信する(ステップS16)。CPU31は、係員が通帳証書発行機4に配置されたか否か判別する(ステップS17)。
この処理では、CPU31は、CPU31が案内係から配置が可能である返信を受けてから、一定時間後に、案内係により通帳証書発行機4の操作画面14から配置済みを示す入力があるか否かを判別する。
そして、配置済みの入力がなければ(ステップS17の判別が「配置未」)、ステップS13の通常モードの通帳発行処理に移行する。他方、配置済みの入力があれば(ステップS17の判別が「配置済み」)、繁忙モードの通帳発行処理を行う(ステップS18)。
この繁忙モードの通帳発行処理では、図12のサブフローチャートに示すように、先ず案内係が通帳証書発行機4の操作画面14を操作して、繁忙モードを設定する(ステップS18−1)。
続いて、案内係が、通帳証書発行機4の操作画面14を操作して認証画面を呼び出して案内係としての認証を行う(ステップS18−2)。この処理では、案内係専有のIDパスワードの入力、又は認証用カードの読取で、認証が行われる。
次に、この認証に基づいて、通帳証書発行機4と管理サーバ7との間で繁忙モード設定の確認処理が行われる(ステップS18−3)。そして、繁忙モードでの通帳発行が可能か否か判別される(ステップS18−4)。
この判別が、「発行不可」の場合は、CPU31は、営業ステータスを繁忙モードから通常モードに変更して(ステップS18−11)、繁忙モードの通帳発行処理を終了する。他方、ステップS18−4の判別が「発行可」なら、案内係の指示入力により通帳証書発行機4は新規発行通帳スタッカ11に通帳の連続発行を行う(ステップS18−5)。
なお、こと繁忙モードがピークモードであるときは、最速の処理で通帳の連続発行を行う。これに続いて、案内係により、顧客が持っている窓口で渡されたID票に記載されている口座番号と氏名が確認される(ステップS18−6)。
そして、案内係が新規発行通帳スタッカ11から取り出した新規発行通帳の口座番号と氏名が、顧客が持っているID票の口座番号と氏名に一致するかが確認される(ステップS18−7)。
そして、口座番号と氏名が「一致」なら、通帳証書を顧客に引き渡して(ステップS18−8)、待っている顧客がもう居ないか否か確認する(ステップS18−10)。そして、待っている顧客がいないときは(ステップS18−10の判別が「0人」)、繁忙モードの通帳発行処理を終了する。
一方、待っている顧客がいるときは(ステップS18−10の判別が「顧客待ちあり」)、ステップS18−6の処理に戻って、ステップS18−6以下の処理を繰り返す。ここで、ステップS18−7の判別で「不一致」のときは、顧客に対し、通帳証書発行機4の操作画面14に「しばらく、お待ちください」の文言が表示され(ステップS18−9)、処理がステップS18−6に戻される。
上記の繁忙モード通帳発行処理を終了した後、図9において、時間帯が繁忙時間を抜けたか否か判別する(ステップS19)。そして、繁忙時間を抜けていれば、「通常」であるので、最初のステップS11に戻って、ステップS11以下を繰り返す。他方、繁忙時間を抜けていなければ「繁忙中」であるのでステップS18の処理を繰り返す。
以上、説明したように、本実施例の通帳証書発行機4によれば、顧客が新規に開設する口座の通帳を窓口カウンタ外の顧客操作型の通帳証書発行機により発行可能とするので、顧客からは、店が混雑しているなかでも迅速に新規口座の通帳を受取ることが出来たと喜ばれるので営業店の評判が向上し、営業成績に貢献する。
なお、上述した実施例では、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることが出来る。例えば、個人を特定するために外部からの入力により受け取る認証としては、暗証情報と限るものではなく、例えば、声紋、指紋、静紋、虹彩等、個人特定情報であればなんでも適用できる。この場合は、通帳証書発行機4はタッチパネルの操作画面14の他に、声紋、指紋、静紋、虹彩等の読取装置を備えているものとする。