以下に、添付図面を参照して、本発明に係る伝票処理システム及び伝票処理方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、本発明を金融機関の店舗に配設される店舗システムに適用した場合を示すこととする。
まず、実施例1に係る店舗システムの特徴について説明する。図1は、実施例1に係る店舗システムの特徴を説明するための説明図である。図1に示すように、この店舗には、電子記帳機20、勘定系窓口端末60及び役席端末70が設けられている。
従来、電子記帳機20を用いて伝票データが生成されたならば、この伝票データは窓口端末に送信され、この窓口端末を用いて伝票データが伝票に印刷される。そして、印刷された伝票の情報が、勘定系窓口端末60及び役席端末70上で再入力されていた。しかしながら、かかる従来技術によれば、伝票の情報を再入力するための人的労力が過大になるとともに、再入力を行う際の誤入力が生ずる可能性がある。そこで、この店舗システムでは、電子記帳機20を用いて生成された伝票データを勘定系窓口端末60及び役席端末70で取得できるようにして、窓口担当者及び役席者による伝票の情報の再入力を不要にした。
ここでは、電子記帳機20における伝票データの生成から取引処理の実行までの一連の流れとともに本発明の特徴について具体的に説明する。店舗を訪れた顧客が、受付機10で所望の取引を選択すると、該顧客は電子記帳機20に赴くようにガイダンスされる場合がある。
その後、顧客が電子記帳機20に対して取引内容を入力すると(S1)、伝票データが生成される。具体的には、電子記帳機20は、受付機10に対して受付番号採番要求データを送信し、その応答として受付番号を取得すると(S2)、受付番号を含む番号札を印刷するとともに、ICカード識別情報を有するICカードを発行する(S3)。また、この受付番号及びICカード識別情報を含む伝票データを生成し、生成した伝票データを管理サーバ30に送信する(S4)。
管理サーバ30は、電子記帳機20から受信した伝票データを図示しない記憶部に一時記憶するとともに、勘定系窓口端末60又は役席端末70からの要求に応じて、該当する伝票データを勘定系窓口端末60又は役席端末70に送信する。このように、本実施例1では、勘定系窓口端末60又は役席端末70が管理サーバ30を介して伝票データを取得できるよう構成しているので、後述する窓口タブレット40(従来技術の窓口端末に対応)において、伝票データを印刷し、また勘定系窓口端末60及び役席端末70で伝票の情報を再入力する必要がない。
顧客は、窓口に呼び出されたならば、窓口担当者に番号札とICカードを手渡す。勘定系窓口端末60が、ICカードリーダを用いてICカードに記憶されたICカード識別情報を読み取ると(S5)、このICカード識別情報を含む伝票要求データを管理サーバ30に送信し、該管理サーバ30から返送されるICカード識別情報に対応する伝票データを受信する(S6)。勘定系窓口端末60は、伝票データを受信したならば、伝票データに含まれる伝票ID(取引種別を示す)に応じた取引画面を表示部に表示し、伝票データに含まれる各入力項目を取引画面に反映させる処理を行う。
このように、電子記帳機20は、受付番号を含む番号札及びICカードを発行するとともに、受付番号及びICカード識別情報を含む伝票データを管理サーバ30に送信し、勘定系窓口端末60は、ICカードからICカード識別情報を読み取ったならば、このICカード識別情報に対応する伝票データを管理サーバ30から取得して表示することとしたので、窓口担当者が勘定系窓口端末60に伝票の情報を再入力しなくとも、勘定系窓口端末60の表示部に伝票の情報を表示することができる。
ところで、上記一連の説明では、窓口担当者が勘定系窓口端末60を用いて取引の実行を行う場合を示したが、取引内容によっては役席者の承認が必要となる場合がある。かかる場合には、窓口担当者は、顧客から手渡されたICカードを役席者に回付する(S7)。
役席端末70は、役席端末70のICカードリーダでICカードに記憶されたICカード識別情報を読み取り(S8)、このICカード識別情報を含む伝票要求データを管理サーバ30に送信し、管理サーバ30から返送された伝票データを受信する(S9)。また、役席端末70は、伝票データを受信したならば、伝票データに含まれる取引種別及び取引の内容を表示する。
このように、役席端末70は、ICカードからICカード識別情報を読み取ったならば、このICカード識別情報に対応する伝票データを管理サーバ30から取得して表示することとしたので、役席者が役席端末70に伝票の情報を再入力しなくとも、役席端末70の表示部に伝票の情報を表示することができる。
なお、役席者による承認操作を受け付けたならば、ICカード識別情報及び役席者IDを含む役席承認データを管理サーバ30に送信する(S10)。管理サーバ30は、役席承認データを受信すると、ICカード識別情報に対応付けられる伝票データに役席者IDを登録する。役席者は、役席承認操作が終了したならば、ICカードを回付元の窓口担当者に返却する(S11)。勘定系窓口端末60は、ICカードリーダで役席者から返却されたICカードのICカード識別情報を読み取り(S12)、このICカード識別情報を含む伝票要求データを管理サーバ30に送信し、管理サーバ30から返送される伝票データを受信する(S13)。このようにして取得された伝票データには、役席者による承認が行われた旨を示す役席者IDが含まれる。
勘定系窓口端末60は、受信した伝票データに対応する伝票の情報を表示部に表示することとなるが、伝票データに役席者IDが記憶されている場合には、役席者による承認済みである旨を併せて表示する。その後、勘定系窓口端末60は、画面に表示された内容に応じた取引処理を実行する旨の操作を受け付けたならば、取引画面に表示された内容に応じた取引要求データを勘定系ホスト92に送信する(S14)。
なお、上記一連の説明では、電子記帳機20にて生成された伝票データを管理サーバ30経由で勘定系窓口端末60又は役席端末70に受け渡す場合を説明したが、店舗に配設された後述する窓口タブレット及び出納機等の装置に伝票データを受け渡すこともできる。
次に、実施例1に係る店舗システムのシステム構成について説明する。図2は、店舗システムのシステム構成を示す図である。図2に示すように、店舗システムは、受付機10、電子記帳機20、管理サーバ30、窓口タブレット40、勘定系窓口端末60、役席端末70及び出納機80を含む。また、勘定系窓口端末60及び役席端末70は、通信網91を介して勘定系ホスト92と接続される。
受付機10は、店舗90の入り口近傍に配設され、顧客に対して来店目的に応じた番号札を発行する装置である。具体的には、この受付機10が、顧客の来店目的の入力を受け付けたならば、来店目的に応じた受付番号を採番し、採番した受付番号を含む番号札の発行を行う。また、この受付機10は、顧客の来店目的に応じて、顧客を電子記帳機20に誘導するか否かを判定し、顧客を電子記帳機20に誘導する場合には、その旨のガイダンス表示を行う。なお、顧客を電子記帳機20へ誘導する場合には番号札を発行しない。
また、受付機10は、窓口に設置された図示しない呼出装置から顧客呼出要求データを受信すると、顧客の呼出処理を行う。具体的には、窓口担当者が前顧客の取引処理を終え、次の顧客を呼び出すために呼出装置を操作したならば、該呼出装置から受付機10に対して窓口番号を含む顧客呼出要求データが送信される。受付機10は、次に呼び出すべき顧客の受付番号を特定し図示しない呼出装置に受付番号を表示するとともに、呼出装置から受付番号に対する音声呼出メッセージを出力する。
電子記帳機20は、店舗90のロビー等に配設され、顧客によって入力された取引内容に対応する伝票データを生成する装置である。なお、顧客は、電子記帳機20に対して手入力で取引内容を入力するのが通常であるが、顧客が所持する顧客ICカードに取引内容をあらかじめ記憶しておき、この顧客ICカードに記憶された取引内容を反映させることで、顧客による手入力に係る労力を軽減することもできる。
また、電子記帳機20は、顧客による取引内容の入力が終了すると、受付機10に受付番号採番要求データを送信し、受付機10から返送される受付番号を含む番号札を発行する。また、電子記帳機20は、ICカード識別情報を含むICカードを発行する。本実施例では、その都度ICカード識別情報を付与することとするが、このICカード識別情報を固定的にICカードに付与することもできる。
また、電子記帳機20は、取引内容と、受付番号とICカードのICカード識別情報とを含む伝票データを生成し、管理サーバ30に送信する。
管理サーバ30は、電子記帳機20、勘定系窓口端末60及び役席端末70等と通信可能に接続され、これらの装置間で伝票データの受け渡しを可能とする装置である。管理サーバ30は、電子記帳機20から受信した伝票データを記憶する。また、管理サーバ30は、窓口タブレット40、勘定系窓口端末60、役席端末70及び出納機80からのICカード識別情報を含む伝票要求データを受信すると、指定されたICカード識別情報に対応する伝票データを要求元に送信する。また、管理サーバ30は、窓口タブレット40、勘定系窓口端末60、役席端末70及び出納機80からのICカード識別情報と伝票データの更新内容を含む伝票要求データを受信すると、受信した伝票要求データに応じて対応する伝票データを更新する。
窓口タブレット40は、店舗90の窓口に配設される装置であって、顧客が電子記帳機20を用いて生成した伝票データを窓口担当者が顧客と共に確認するための装置である。窓口タブレット40は、図示しない呼出装置による呼出操作に連動して管理サーバ30から顧客に対応する伝票データを受信し、呼び出された顧客が所望する取引の内容を画面に表示する。窓口担当者は、画面に表示された伝票データの確認において、入力漏れ等により訂正が必要と判断した場合には、窓口タブレット40を用いて伝票データを訂正することができる。
ここで、図示しない呼出装置による呼出操作に連動して顧客に対応する伝票データを窓口タブレット40の画面に表示する処理について説明する。受付機10は、図示しない呼出装置から顧客呼出要求データを受け付けると、顧客の呼出処理を行うとともに、呼び出した顧客の受付番号及び呼び出し先の窓口を示すデータを管理サーバ30に送信する。管理サーバ30は、受付機10から受信したデータに含まれる受付番号に対応する伝票データを、呼び出し先の窓口に配設される窓口タブレット40に送信する。窓口タブレット40は、このようにして受信した伝票データを用いて、呼び出された顧客が所望する取引の内容を画面に表示する。
勘定系窓口端末60は、窓口に配設され、窓口担当者の入力操作を受け付けて、入力操作に応じた取引処理を実行する装置である。具体的には、取引処理において勘定系窓口端末60は、受け付けた入力操作に応じた取引要求データを勘定系ホスト92に送信し、勘定系ホスト92から取引成立の旨を示す応答データを受信したならば、取引処理に係る貨幣の収納処理及び払出処理を図示しない貨幣入出金機63を制御して実行する。
また、勘定系窓口端末60は、電子記帳機20で生成された伝票データを用いて取引処理を行う場合には、電子記帳機20で発行されたICカードからICカード識別情報を読み取り、読み取ったICカード識別情報を含む伝票要求データを管理サーバ30に送信する。勘定系窓口端末60は、その応答としてICカード識別情報に対応する伝票データを管理サーバ30から取得する。勘定系窓口端末60は、取得した伝票データを用いて顧客が所望する取引に応じた取引画面を表示し、かかる取引画面の項目に取得した伝票データの内容を反映する。このように管理サーバ30から受信した伝票データを用いて取引画面の表示及び表示された取引画面の項目に伝票データの内容を自動で反映するようにしたので、取引処理を実行するにあたり窓口担当者は、取引内容を手作業で再入力する必要はない。
役席端末70は、役席者が役席承認処理等を行うための勘定系の端末である。役席端末70は、伝票データに対応する取引の役席承認処理を行う場合には、電子記帳機20で発行されたICカードからICカード識別情報を読み取り、ICカード識別情報を含む伝票要求データを管理サーバ30に送信する。役席端末70は、その応答としてICカード識別情報に対応する伝票データを管理サーバ30から取得する。役席端末70は、取得した伝票データを用いて顧客が所望する取引の内容を画面に表示する。役席端末70は、表示された取引の内容に関する役席承認操作を受け付けたならば、管理サーバ30が管理する伝票データに役席者IDを追加する。
出納機80は、窓口の後方に配設され、窓口担当者等の店員の入力操作を受け付けて、受け付けた入力操作に応じた貨幣の収納処理又は払出処理を行う装置である。出納機80は、勘定系窓口端末60に接続される図示しない貨幣入出金機63では対応できない大量の貨幣の収納処理、大量の貨幣の払出処理、新札及び包装硬貨の払出処理を行うための装置である。例えば、顧客口座からの出金取引において、払い出す貨幣が大量である場合には、勘定系窓口端末60で勘定系ホスト92に顧客の口座情報及び出金金額等を含む出金の取引要求データを送信し、出納機80で出金金額に対応する貨幣の払出処理を実行することになる。
このような場合に、出納機80は、電子記帳機20で発行されたICカードからICカード識別情報を読み取り、読み取ったICカード識別情報を含む伝票要求データを管理サーバ30に送信する。出納機80は、その応答としてICカード識別情報に対応する伝票データを管理サーバ30から取得する。出納機80は、取得した伝票データを用いて顧客が所望する取引に係る貨幣の払出処理の画面を表示し、かかる画面の払出金額等の入力項目に対して伝票データに応じた内容を反映する。このように管理サーバ30から受信した伝票データに応じた画面を自動で表示し、表示された画面の項目に伝票データに応じた内容が自動で反映されるので、貨幣の払出処理を実行するにあたり窓口担当者は、処理内容を手作業で再入力する必要はない。
通信網91は、専用線等の通信網であり、店舗90に配設される勘定系窓口端末60及び役席端末70は、該通信網91を介して勘定系ホスト92とのデータ通信を行う。勘定系ホスト92は、顧客の預金口座及び顧客から徴収された手数料等を管理する装置であって、勘定系窓口端末60及び役席端末70からの取引要求データを受信して、受信した取引要求データに基づいて顧客の預金口座に係る情報や、手数料に係る情報の更新を行う。
次に、図2に示した受付機10の構成について説明する。図3は、図2に示した受付機10の構成を示す機能ブロック図である。受付機10は、表示操作部11、番号札印刷部12、ICカードリーダ13、通信部14、記憶部15及び制御部16を有する。
表示操作部11は、タッチパネル式の液晶ディスプレイ等の画面の表示及び入力操作を受け付ける入出力部である。表示操作部11は、来店目的の選択用の操作ボタンなどを表示し、該ボタンによる入力操作を受け付ける。番号札印刷部12は、受付番号を含む番号札を印刷するプリンタである。ICカードリーダ13は、電子記帳機20で発行されたICカードを読み取る装置であり、ICカードのICチップに記憶されるICカード識別情報を読み取る。通信部14は、LAN(Local Area Network)等の通信線を介して管理サーバ30及び電子記帳機20とのデータ通信を行なうためのインタフェース部である。
記憶部15は、ハードディスク装置又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部15は、設定パラメータ15a、受付番号採番データ15b及び受付番号データ15cを有する。設定パラメータ15aは、受付機10の受付処理に関するパラメータである。受付番号採番データ15bは、採番帯ごとの採番済みの受付番号等を管理するデータである。受付番号データ15cは、採番した受付番号ごとの処理の状況や呼び出された窓口番号等を含むデータである。
制御部16は、受付機10の全体を制御する制御部であり、受付処理部16a、受付番号採番部16b、番号札発行部16c及び呼出処理部16dを有する。実際には、受付処理部16a、受付番号採番部16b、番号札発行部16c及び呼出処理部16dに対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、それぞれに対応するプロセスを実行させることになる。
受付処理部16aは、来店客の受付処理の全体を制御する制御部である。受付処理部16aは、表示操作部11の来店目的の入力操作を受け付ける画面を表示し、来店目的の入力操作を受け付ける。また、受付処理部16aは、受付番号採番部16bを用いて来店目的に応じた受付番号を採番し、受付番号に関連付けて来店目的などの情報を受付番号データ15cに登録する。
ただし、設定パラメータ15aに「電子記帳機に誘導する場合には番号札を発行しない」旨の設定が行われていて、受け付けた来店目的により電子記帳機20への誘導が必要と判定された場合には、受付処理部16aは、番号札は発行しない。なお、設定パラメータ15aに「電子記帳機に誘導する場合には番号札を発行しない」旨の設定が行われている場合には、受付機10において、電子記帳機20に誘導する必要がある来店目的を表示しないようにするとともに、そのような来店目的の顧客を直接電子記帳機20へ誘導するメッセージを表示するようにしてもよい。
受付番号採番部16bは、受付処理部16aから受付番号を採番する旨の指示を受け付けたならば、受け付けた来店目的に応じて受付番号を採番する。また、受付番号採番部16bは、電子記帳機20から来店目的を含む受付番号採番要求データを受け付けたならば、受け付けた来店目的に応じて受付番号を採番する。具体的には来店目的に応じて受付番号帯を特定し、受付番号採番データ15bを参照することにより受付番号帯に対する最終採番済の受付番号を特定し、その最終採番済の受付番号の次の番号を新たな受付番号として採番する。
番号札発行部16cは、受付処理部16aから番号札を発行する旨の指示を受け付けたならば、受付番号を含む番号札を番号札印刷部12で印刷する。また、番号札発行部16cは、電子記帳機20でプリンタが故障してしまったことにより発行できなかった番号札の発行処理を行う。具体的には、電子記帳機20で発行されたICカードがICカード発行部に挿入されると、ICカードからICカード識別情報が読み取られる。番号札発行部16cは、管理サーバ30からICカード識別情報に対応する受付番号を取得し、その受付番号を含む番号札を番号札印刷部12で印刷する。
なお、番号札発行部16cは、電子記帳機20で受付機10との通信障害等により受付番号を取得できず発行できなかった番号札の発行処理を行えるようにしてもよい。具体的には、電子記帳機20で生成される伝票データにデータ生成時刻を記憶するようにして、番号札発行部16cは、電子記帳機20で発行されたICカードからICカード識別情報が読み取られたならば、管理サーバ30からICカード識別情報に対応するデータ生成時刻を取得し、そのデータ生成時刻に応じた適正な受付番号を採番して、かかる受付番号を含む番号札を番号札印刷部12で印刷するようにしてもよい。また、本実施例では、電子記帳機20で発行できなかった番号札の発行処理を受付機10で行う場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば勘定系窓口端末60で行えるようにしてもよい。
呼出処理部16dは、図示しない呼出装置から顧客呼出要求データを受け付けると、受付番号データ15cを参照して、次に窓口に呼び出す顧客の受付番号を特定する。呼出処理部16dは、図示しない呼出装置にその受付番号を表示するとともに、呼出装置から受付番号に対する顧客の音声呼出メッセージを出力するよう制御する。また、呼出処理部16dは、かかる顧客の呼出処理を行うとともに、呼び出した顧客の受付番号及び呼び出し先の窓口を示すデータを管理サーバ30に送信する。管理サーバ30は、受付機10から受信した受付番号に対応する伝票データを、呼び出し先の窓口に配設される窓口タブレット40に送信する。窓口タブレット40は、受信した伝票データを用いて呼び出された顧客が所望する取引の内容を画面に表示する。このようにして、図示しない呼出装置からの顧客呼出要求データに連動して、呼び出される顧客が所望する取引内容が、呼び出される窓口に配設される窓口タブレット40に自動的に表示される。
次に、図3に示した受付機10の記憶部15に記憶されるデータの一例について説明する。図4は、受付機10の記憶部15に記憶されるデータの一例を示す図である。
図4(a)に示すように、設定パラメータ15aは、顧客を電子記帳機20に誘導したときに番号札を発行する必要があるかどうかを示す電子記帳機誘導時発行要否のデータと、来店目的別の受付番号帯である目的別受付番号帯のデータと、来店目的別の窓口の種類を示す目的別窓口のデータと、来店目的別の電子記帳機20への誘導の要否を示す目的別電子記帳機への誘導要否のデータとを含む。
図4(a)に示す設定パラメータ15aは、電子記帳機誘導時発行要否が「必要」で、顧客を電子記帳機20に誘導する場合には番号札を発行する必要があることを示している。また、図4(a)に示す設定パラメータ15aの目的別受付番号帯のデータは、来店目的が入金、出金、振込及び税公金納付の受付番号の採番帯が「1〜399」であり、来店目的が諸届及びローンの受付番号の採番帯が「500〜899」であることを示している。また、図4(a)に示す設定パラメータ15aの目的別窓口のデータは、来店目的が入金、出金、振込及び税公金納付に対応する窓口の種類が「ハイカウンタ」で、来店目的が諸届及びローンに対応する窓口の種類が「ローカウンタ」であることを示している。また、図4(a)に示す設定パラメータ15aの目的別電子記帳機への誘導要否のデータは、来店目的が入金、出金、振込及び税公金納付の場合には「電子記帳機に誘導する」で、来店目的が諸届及びローンの場合には「電子記帳機に誘導しない」ことを示している。
図4(b)に示すように、受付番号採番データ15bは、窓口種類に最終の採番済の受付番号である最終採番済受付番号と、対応する窓口番号とを関連付けたデータである。図4(b)に示す受付番号採番データ15bは、窓口種類が「ハイカウンタ」に対して、最終採番済の受付番号が「150」、対応窓口番号が「1,2,3」が関連付けられ、窓口種類が「ローカウンタ」に対して、最終採番済の受付番号が「550」、対応窓口番号が「4,5」が関連付けられている状況を示している。
図4(c)に示すように、受付番号データ15cは、来店目的と、受付日付と、受付時刻と、状態と、呼び出された窓口の番号とを受付番号に関連付けたデータである。状態の情報は、「1」が受付済を示し、「2」が窓口に呼出済であることを示し、「9」が処理終了であることを示している。
図4(c)に示す受付番号データ15cの1レコード目は、受付番号が「150」の番号札に対する顧客は、来店目的が「振込」、受付日付が「2014/4/15」、受付時刻が「11:30」、状態が「2」(呼出済)、呼び出された窓口の窓口番号が「2」である状況を示している。また、2レコード目は、受付番号が「550」の番号札に対する顧客は、来店目的が「ローン」、受付日付が「2014/4/15」、受付時刻が「11:35」、状態が「1」(受付済)である状況を示している。
次に、図2に示した電子記帳機20の構成について説明する。図5は、電子記帳機20の構成を示す機能ブロック図である。図5に示すように、電子記帳機20には、カードリーダ23、通帳読取部24、ICカード発行部25、レシートプリンタ26、表示操作部21、通信部22、記憶部27及び制御部28を有する。
カードリーダ23は、顧客のキャッシュカードなどを受け付けて、キャッシュカードから顧客の口座に係る情報を読み取るための装置である。通帳読取部24は、通帳に貼り付けられた磁気ストライプから通帳の口座に係る情報を読み取るための装置である。ICカード発行部25は、ICカードを発行する装置であり、内部に複数のICカードを収納する収納部を備え、ICカードを発行する際には、かかる収納部からICカードを取出口に搬送する。また、ICカード発行部25は、ICカードを発行する際に、収納部と取出口の間にある書込部において、ICカードのICチップにICカード識別情報を書き込んで取出口に搬送する。レシートプリンタ26は、ロール紙等に印刷する印刷装置であり、採番された受付番号を含む番号札を印刷する。
表示操作部21は、タッチパネル式の液晶ディスプレイ装置などの画面の表示及び入力操作を受け付ける入出力部である。通信部22は、LAN等の通信線を介して管理サーバ30及び受付機10とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部27は、ハードディスク装置又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部27は、顧客サマリデータ27a及び伝票項目データ27bを記憶する。顧客サマリデータ27aは、顧客が依頼する取引の概要を示すデータであって、発行されたICカードのICカード識別情報、採番された受付番号、カードリーダ23や通帳読取部24で読み取った顧客の口座情報及び伝票の種類別の伝票データ数等を含む。また伝票項目データ27bは、顧客の入力操作を受け付けて生成されるデータであり、顧客が所望する取引の内容が記憶されたデータである。
制御部28は、電子記帳機20の全体を制御する制御部であり、伝票項目データ生成部28a、受付番号取得部28b、ICカード発行処理部28c及び番号札発行部28dを有する。実際には、伝票項目データ生成部28a、受付番号取得部28b、ICカード発行処理部28c及び番号札発行部28dに対応するプログラムを図示しない記憶装置に記憶しておき、これらのプログラムをメインメモリにロードし、CPUで実行することで、対応するプロセスを実行させることになる。
伝票項目データ生成部28aは、顧客が所望する取引の内容に係る入力操作を受け付けて、受け付けた取引の内容に含む伝票データを生成し、伝票項目データ27bとして記憶する。また、伝票項目データ生成部28aは、例えば、顧客が所望する取引が出金取引の場合には、口座番号等の口座情報の入力に際して、カードリーダ23や通帳読取部24でキャッシュカードや通帳から読み取った口座情報を利用することにより、入力操作を効率化することができる。また、伝票項目データ生成部28aは、カードリーダ23や通帳読取部24でキャッシュカードや通帳から顧客の口座情報を読み取った場合には、顧客サマリデータ27aに読み取った顧客の口座情報を登録する。また、伝票項目データ生成部28aは、生成された顧客サマリデータ27a及び伝票項目データ27bを管理サーバ30に送信する。
受付番号取得部28bは、受付機10に受付番号採番要求データを送信し、その応答データを受信することにより新たに採番された受付番号を取得する。また、受付番号取得部28bは、受付番号を取得したならば、顧客サマリデータ27a及び伝票項目データ27bに受付番号を登録する。
ICカード発行処理部28cは、ICカードを識別するICカード識別情報を採番して、かかるICカード識別情報が書き込まれたICカードを、ICカード発行部25より発行する。番号札発行部28dは、受付番号取得部28bが取得した受付番号を含む番号札をレシートプリンタ26により印刷する。
次に、図5に示した電子記帳機20の記憶部27に記憶されるデータの一例について説明する。図6は、電子記帳機20の記憶部27に記憶されるデータの一例を示す図である。
図6(a)に示すように、顧客サマリデータ27aは、ICカード識別情報、受付番号、来店目的、受付日付、受付時刻、口座情報及び作成伝票データ数のデータを含む。ICカード識別情報は、発行されたICカードを識別するための情報であり、電子記帳機20の装置番号と、電子記帳機20で採番した通番とで構成される。口座情報には、キャッシュカード又は通帳の磁気ストライプなどから読み取った口座情報を含み、口座情報には店番号、科目コード及び口座番号を含む。また、作成伝票データ数は、伝票の種類毎に作成した伝票データ数を示すデータである。
図6(a)に示す顧客サマリデータ27aは、ICカード識別情報に含まれる電子記帳機装置番号が「01」、通番が「0150」であることを示している。また、顧客サマリデータ27aは、受付番号が「150」、来店目的が「入金」、来店を受け付けた受付日付が「2014/4/15」、受付時刻が「11:30」であることを示している。また、顧客サマリデータ27aは、顧客の口座情報の店番号が「0005」、科目コードが「01」、口座番号が「1234567」であることを示している。また、顧客サマリデータ27aは、入金伝票に対する作成伝票データ数が「1」、出金伝票に対する作成伝票データ数が「0」、振込伝票に対する作成伝票データ数が「1」であることを示している。
図6(b)に示すように、伝票項目データ27bは、登録日付、受付番号、受付枝番号、伝票ID及び伝票項目入力情報をICカード識別情報に関連付けたデータである。伝票IDは伝票の種類を示すデータである。伝票項目入力情報は、伝票IDに対応する伝票の伝票項目毎の顧客の入力データであり、伝票項目毎に伝票項目を識別する項目識別IDと、顧客の入力データである項目値とを有している。
図6(b)に示す伝票項目データ27bは、ICカード識別情報に含まれる電子記帳機装置番号が「01」で、通番が「0100」に関連付けられたデータであることを示している。また、伝票項目データ27bは、登録日付が「2014/4/15」、受付番号が「150」、受付枝番号が「02」、伝票の伝票IDが「001」、項目識別IDが「020」に対する伝票項目に項目値「0005」が入力され、項目識別IDが「030」に対する伝票項目に項目値「01」が入力された状況を示している。
次に、図2に示した管理サーバ30の構成について説明する。図7は、管理サーバ30の構成を示す機能ブロック図である。図7に示すように、管理サーバ30は、入力部31、表示部32、通信部33と、記憶部34と、制御部35とを有する。入力部31は、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、表示部32は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。通信部33は、LAN等の通信線を介して電子記帳機20、窓口タブレット40、勘定系窓口端末60、役席端末70及び出納機80とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部34は、ハードディスク装置又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部34は、顧客別サマリデータ34a及び伝票項目データ34bを記憶する。
顧客別サマリデータ34aは、電子記帳機20から受信した顧客サマリデータ27aを蓄積したデータである。また、電子記帳機20から受信した顧客サマリデータ27aを顧客別サマリデータ34aに登録する際には、状態を示すデータが付け加えられて登録される。顧客別サマリデータ34aに登録されるときに、状態には受付済みであり、かかる顧客に対する処理がまだ行われていない旨を示す状態が設定される。
伝票項目データ34bは、電子記帳機20から受信した伝票項目データ27bを蓄積したデータである。また、電子記帳機20から受信した伝票項目データ27bを伝票項目データ34bに登録する際には、状態を示す情報が付け加えられて登録される。伝票項目データ34bに登録されるときに、状態には受付済みであり、かかる伝票データに対する処理がまだ行われていない旨を示す状態が設定される。
制御部35は、管理サーバ30の全体を制御する制御部であり、顧客別サマリデータ管理部35a及び伝票項目データ管理部35bを有する。実際には、顧客別サマリデータ管理部35a及び伝票項目データ管理部35bに対応するプログラムを図示しない記憶装置に記憶しておき、これらのプログラムをメインメモリにロードし、CPUで実行することで、対応するプロセスを実行させることになる。
顧客別サマリデータ管理部35aは、電子記帳機20から受け付けた顧客サマリデータ27aを、顧客別サマリデータ34aに追加して記憶する。また、この際に顧客別サマリデータ管理部35aは、状態の項目には「受付済」を設定する。また、顧客別サマリデータ管理部35aは、伝票項目データ34bの状態を監視し、受付番号で対応付けられる全ての伝票に対する処理が終了した場合には、該受付番号に対応する顧客別サマリデータ管理部35aのレコードの状態を「処理終了」に更新する。
伝票項目データ管理部35bは、電子記帳機20から受け付けた伝票項目データ27bを、伝票項目データ34bに追加して登録する。また、この際に伝票項目データ管理部35bは、状態の項目には「受付済」を設定する。また、伝票項目データ管理部35bは、窓口タブレット40、勘定系窓口端末60、役席端末70又は出納機80から伝票項目データ34bに係る更新データを受け付けると、受け付けた更新データに従って伝票項目データ34bを更新する。また、伝票項目データ管理部35bは、窓口タブレット40、勘定系窓口端末60、役席端末70又は出納機80から受付番号又はICカード識別情報を含む伝票要求データを受信すると、指定された受付番号又はICカード識別情報に応じた伝票項目データ34bを検索し、検索されたレコードを要求元に送信する。
次に、図7に示した管理サーバ30の記憶部34に記憶されるデータの一例について説明する。図8は、図7に示した管理サーバ30の記憶部34に記憶されるデータの一例を示す図である。
図8(a)に示すように、顧客別サマリデータ34aは、来店目的、来店を受け付けた受付日付及び受付時刻、顧客の状態、顧客の口座情報及び作成された伝票の種類別の伝票データ数をICカード識別情報及び受付番号に関連付けたデータである。ICカード識別情報は、発行されたICカードを識別するための情報であり、電子記帳機20の装置番号と、電子記帳機20で採番された通番とで構成される。状態は、「1」が受付済を示し、「2」が呼出済を示し、「9」が処理終了を示している。口座情報には店番、科目コード及び口座番号などの情報を含む。
図8(a)に示す顧客別サマリデータ34aは、ICカード識別情報の電子記帳機装置番号が「01」で、ICカード識別情報の通番が「0100」で、受付番号が「150」に関連付けられたデータであることを示している。また、顧客別サマリデータ34aは、来店目的が「入金」、来店を受け付けた受付日付が「2014/4/15」、受付時刻が「11:30」、状態が「9」(処理終了)である状態を示している。また、顧客別サマリデータ34aは、顧客の口座情報の店番号が「0005」、科目コードが「01」、口座番号が「1234567」である状態を示している。また、顧客別サマリデータ34aは、入金伝票に対する作成伝票データ数が「1」、出金伝票に対する作成伝票データ数が「0」、振込伝票に対する作成伝票データ数が「1」である状態を示している。
図8(b)に示すように、伝票項目データ34bは、図6(b)に示した電子記帳機20の記憶部27に記憶される伝票項目データ27bに、状態及び役席IDが追加されたデータである。状態は、「0」が未処理を示し、「1」が役席承認待を示し、「2」が役席承認済を示し、「3」が役席承認却下を示し、「9」が処理済を示している。また、役席者IDは、当該レコードの取引内容に対する役席者の承認が行われた場合に記憶される役席者の識別情報であり、役席者IDが記憶されている場合にはその役席者IDで特定される役席者による役席承認が行われたことを示す。
図8(b)に示す伝票項目データ34bは、ICカード識別情報に含まれる電子記帳機装置番号が「01」で、通番が「0100」に関連付けられたデータであることを示している。また、伝票項目データ34bは、登録日付が「2014/4/15」、受付番号が「150」、受付枝番号が「02」、伝票IDが「001」、状態が「9」(処理済)である状況を示している。また、伝票項目データ34bは、項目識別IDが「020」に対する伝票項目に項目値「0005」が入力され、項目識別IDが「030」に対する伝票項目に項目値「01」が入力され、役席者IDは記憶されていないので役席者の承認が行われていない状況を示している。
次に、図2に示した窓口タブレット40の構成について説明する。図9は、窓口タブレット40の構成を示す機能ブロック図である。窓口タブレット40は、表示操作部41と、通信部42と、記憶部43と、制御部44とを有する。表示操作部41は、タッチパネル式の液晶ディスプレイなどの入出力デバイスであり、入力項目の表示、操作入力ボタンの表示及び入力操作の受付等を行うデバイスである。通信部42は、LAN等の通信線を介して管理サーバ30とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部43は、ハードディスク装置又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部43は、顧客サマリデータ43a及び伝票項目データ43bを記憶する。
顧客サマリデータ43aは、電子記帳機20の顧客サマリデータ27aと同じ形式のデータであって、窓口に呼び出された顧客に対応するデータである。かかる顧客サマリデータ43aは、顧客が窓口に呼び出された時に管理サーバ30から受信したデータを記憶したものであり、呼び出された顧客に対応する顧客別サマリデータ34aのレコードに対応するデータである。
伝票項目データ43bは、電子記帳機20の伝票項目データ27bと同じ形式のデータであって、窓口に呼び出された顧客に対応するデータである。かかる伝票項目データ43bは、顧客が窓口に呼び出された時に管理サーバ30から受信したデータを記憶したものであり、呼び出された顧客に対応する伝票項目データ34bのレコードに対応するデータである。
制御部44は、窓口タブレット40の全体を制御する制御部であり、受付番号リスト表示部44a及び伝票項目データ確認部44bを有する。実際には、受付番号リスト表示部44a及び伝票項目データ確認部44bに対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、対応するプロセスを実行させることになる。
受付番号リスト表示部44aは、表示操作部41による指示を受け付けて窓口に呼び出されていない顧客の一覧である未呼出リスト又は処理済みの顧客の一覧である処理済リストを表示する。
伝票項目データ確認部44bは、顧客が窓口に呼び出され時に、呼び出された顧客に対応する顧客別サマリデータ34aのレコードを管理サーバ30から受信し、顧客サマリデータ43aとして記憶する。また、伝票項目データ確認部44bは、顧客が窓口に呼び出され時に、呼び出された顧客に対応する伝票項目データ34bのレコードを管理サーバ30から受信し、伝票項目データ43bとして記憶する。また、伝票項目データ確認部44bは、伝票項目データ43bの内容を画面に確認できるように表示する。また、表示した伝票項目データ43bの内容の変更が必要な場合には、伝票項目データ43bに対する変更の入力操作を受け付けて、受け付けた入力操作に応じて伝票項目データ43bを更新する。また、伝票項目データ確認部44bは、伝票項目データ43bに伝票データを新たに追加することもできる。伝票項目データ確認部44bは、伝票項目データ43bの変更及び追加が行われると、変更及び追加された伝票項目データ確認部44bを管理サーバ30に送信する。
次に、図2に示した勘定系窓口端末60の構成について説明する。図10は、勘定系窓口端末60の構成を示す機能ブロック図である。図10に示すように、勘定系窓口端末60は、入力部61、表示部62、貨幣入出金機63、プリンタ64、ICカードリーダ68、通信部65、記憶部66及び制御部67を有する。
入力部61は、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、表示部62は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。貨幣入出金機63は、勘定系窓口端末60の指示に応じて貨幣の金種識別、真偽判定、計数、収納及び払出を行う装置である。ただし、貨幣入出金機63は、主に小口の貨幣処理を取り扱う装置であり、大量の貨幣の収納や払出には所定の制限がある。また、束紙幣や包装硬貨を払い出すことはできない。このように大量の貨幣の収納、大量の貨幣の払出、束紙幣の払出又は包装硬貨の払出については出納機80で行われるのが一般的である。
プリンタ64は、取引処理において通帳及び伝票に対する印字処理を行うデバイスである。ICカードリーダ68は、電子記帳機20で発行されたICカードのICチップからICカード識別情報を読み取るためのデバイスである。通信部65は、LAN等の通信線を介して管理サーバ30とデータ通信するためのインタフェース部である。また、通信部65は、LAN等の通信線及び通信網91を介して勘定系ホスト92とデータ通信するためのインタフェース部でもある。
記憶部66は、ハードディスク装置又は不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部66は、顧客サマリデータ66a及び伝票項目データ66bを記憶する。
顧客サマリデータ66aは、電子記帳機20の顧客サマリデータ27aと同じ形式のデータである。また、顧客サマリデータ66aは、顧客から手渡されたICカードのICカード識別情報に関連付けられて管理サーバ30で管理される顧客別サマリデータ34aのレコードを取得して記憶したデータである。伝票項目データ66bは、電子記帳機20の伝票項目データ27bと同じ形式のデータである。また、伝票項目データ66bは、顧客から手渡されたICカードのICカード識別情報に関連付けられて管理サーバ30で管理される伝票項目データ34bのレコードを取得して記憶したデータである。
制御部67は、勘定系窓口端末60の全体を制御する制御部であり、取引処理部67a、伝票項目データ取得部67b及び伝票項目自動入力部67cを有する。実際には、取引処理部67a、伝票項目データ取得部67b及び伝票項目自動入力部67cに対応するプログラムを図示しない記憶装置に記憶しておき、これらのプログラムをメインメモリにロードし、CPUで実行することで、対応するプロセスを実行させることになる。
取引処理部67aは、顧客の依頼内容に応じた取引処理の全体を制御する処理部である。具体的には、取引処理部67aは、窓口担当者の取引画面に対する入力操作を受け付けて、受け付けた入力操作に応じた取引要求データを勘定系ホスト92に送信する。そして、取引処理部67aは、勘定系ホスト92から取引成立の応答を受信したならば、貨幣入出金機63を制御することにより取引処理に係る貨幣の収納処理及び払出処理を実行する。また、取引処理部67aは、顧客口座への入出金取引の場合などには、顧客から預かった通帳に取引履歴の印刷処理を行う。
伝票項目データ取得部67bは、顧客から手渡されたICカードのICカード識別情報を読み取り、読み取ったICカード識別情報を含む伝票要求データを管理サーバ30に送信する。伝票項目データ取得部67bは、伝票要求データに対する応答データを顧客サマリデータ66a及び伝票項目データ66bとして記憶する。
伝票項目自動入力部67cは、電子記帳機20で生成された伝票データに対応する伝票項目データ66bが存在する場合には、該伝票項目データ66bに応じた取引処理を実施するための取引画面を自動的に表示する。具体的には、伝票項目自動入力部67cは、伝票項目データ66bの伝票IDに応じた取引画面を自動的に展開し、展開された取引画面の入力項目に伝票項目データ66bの伝票項目入力情報を自動的に反映する。このように、顧客から電子記帳機20で発行されたICカードが手渡された場合には、かかるICカードをICカードリーダ68で読ませることにより、顧客が電子記帳機20で入力した内容が反映された取引画面が自動的に表示されるので、窓口担当者は入力部61等を用いて取引の内容を入力する必要はない。
役席端末70及び出納機80についても、ICカードリーダが接続され、かかるICカードリーダにより電子記帳機20で発行されたICカードのICカード識別情報を読み取り、ICカード識別情報に対応する伝票データを管理サーバ30から取得して、かかる伝票データを用いて、それぞれの装置で行われる処理に係る入力操作を省力化することを可能とする。役席端末70又は出納機80において、電子記帳機20で生成した伝票データを利用して入力操作の省力化を実現する構成については、勘定系窓口端末60と同様であることから、役席端末70及び出納機80の構成についての説明は省略する。
次に、実施例1に係る電子記帳機20における伝票データの登録処理の処理手順について説明する。図11は、電子記帳機20における伝票データの登録処理の処理手順を示すフローチャートである。
伝票項目データ生成部28aは、来店目的等の入力操作を受け付けて、顧客が所望する取引を特定し、かかる取引に必要な伝票の種類を特定する(ステップS101)。伝票項目データ生成部28aは、特定された伝票の種類に応じた伝票項目の入力操作を受け付けて(ステップS102)、受け付けた内容に応じて伝票項目データ27b及び顧客サマリデータ27aを生成する(ステップS103)。
他の伝票に係る伝票項目データ27bを作成する場合には(ステップS104;Yes)、ステップS101に戻る。他の伝票に係る伝票項目データ27bを作成しない場合には(ステップS104;No)、受付番号取得部28bは、受付機10に受付番号採番要求データを送信して、その応答データを受信することにより新たに採番された受付番号を取得する(ステップS105)。受付番号取得部28bは、受付番号を伝票項目データ27b及び顧客サマリデータ27aに反映する。また、ICカード発行処理部28cは、電子記帳機20の装置番号と装置内の通番で構成されるICカード識別情報を採番する(ステップS106)。ICカード発行処理部28cは、かかるICカード識別情報を伝票項目データ27b及び顧客サマリデータ27aに反映する。
番号札発行部28dは、レシートプリンタ26により受付番号を含む番号札を発行する(ステップS107)。かかる番号札の発行処理(ステップS107)において、プリンタ障害等の発生により番号札の発行ができなかった場合には(ステップS108;Yes)、番号札発行部28dは、番号札を受付機10で発行することができる旨のメッセージの表示を行う(ステップS109)。番号札の発行処理(ステップS107)において、番号札が正常に発行できた場合には(ステップS108;No)、ステップS109をスキップしてステップS110に移行する。
ICカード発行処理部28cは、ICカード識別情報採番処理(ステップS106)で採番したICカード識別情報が記憶されたICカードをICカード発行部25により発行する(ステップS110)。伝票項目データ生成部28aは、生成した伝票項目データ27b及び顧客サマリデータ27aを管理サーバ30に送信して(ステップS111)、処理を終了する。
次に、実施例1に係る窓口タブレット40における伝票データの確認処理の処理手順について説明する。図12は、窓口タブレット40における伝票データの確認処理の処理手順を示すフローチャートである。
伝票項目データ確認部44bは、窓口に呼び出された顧客に関連付けられた顧客別サマリデータ34aのレコード及び伝票項目データ34bのレコードを管理サーバ30から受信して、それぞれを顧客サマリデータ43a及び伝票項目データ43bとして記憶する(ステップS201)。
伝票項目データ確認部44bは、確認処理がまだ行われていない伝票項目データ43bのレコードに記憶される取引内容を画面に表示して、確認操作又は変更等の指示操作を受け付ける(ステップS202)。伝票項目データ43bの確認処理(ステップS202)において、確認終了の旨の操作を受け付けて(ステップS203;Yes)、伝票項目データ43bが変更されていた場合には(ステップS204;Yes)、変更された伝票項目データ43bを管理サーバ30に送信する(ステップS205)。
伝票項目データ43bの確認処理(ステップS202)において、確認終了の旨の操作を受け付けていない場合には(ステップS203;No)、ステップS202に戻ることにより確認終了の旨の動作を待ち合わせる。また、伝票項目データ43bが変更されていなかった場合には(ステップS204;No)、ステップS205をスキップしてステップS206に移行する。
伝票項目データ43bに確認処理が行われていないレコードが有る場合には(ステップS206;Yes)、ステップS202に戻る。また、伝票項目データ43bに確認処理が行われていないレコードが無い場合には(ステップS206;No)、処理を終了する。
次に、実施例1に係る勘定系窓口端末60における伝票データに係る取引処理の処理手順について説明する。図13は、勘定系窓口端末60における伝票データに係る取引処理の処理手順を示すフローチャートである。
伝票項目データ取得部67bは、顧客から手渡されたICカードのICチップに記憶されたICカード識別情報をICカードリーダ68により読み取る(ステップS301)。伝票項目データ取得部67bは、ICカード識別情報を含む伝票要求データを管理サーバ30に送信して、ICカード識別情報に対応する顧客別サマリデータ34aのレコードと、ICカード識別情報に対応する伝票項目データ34bのレコードとを取得して、それぞれを顧客サマリデータ66a及び伝票項目データ66bとして記憶する(ステップS302)。
伝票項目自動入力部67cは、取引処理が行われていない伝票項目データ66bのレコードに記憶される伝票IDに応じた取引画面を表示し、伝票項目データ66bの伝票項目情報に記憶される内容を取引画面の項目に反映する(ステップS303)。かかる取引画面で取引を実行する旨の指示操作を受け付けたならば(ステップS304;Yes)、取引処理部67aは、取引処理の実行に先だって役席者の承認の要否を判定する(ステップS305)。取引を実行する旨の指示操作を受け付けていない場合には(ステップS304;No)、ステップS303に戻ることにより取引の実行する旨の指示操作を待ち合わせる。
役席者の承認が不要と判定された場合には(ステップS306;No)、取引処理部67aは、取引画面に表示された内容に応じた取引処理を実行する(ステップS307)。具体的には、取引処理部67aは、取引画面に表示された内容を含む取引要求データを勘定系ホスト92に送信し、勘定系ホスト92からの応答データに応じて貨幣の払出処理や通帳の印字処理を行う。また、取引処理部67aは、取引処理(ステップS307)が終了したならば、受付番号及び受付枝番号を含む処理済通知データを管理サーバ30に送信する(ステップS311)。かかる処理済通知データを受信した管理サーバ30は、受付番号及び受付枝番号で特定される伝票項目データ34bのレコードの状態を処理済であることを示す「9」に更新する。
役席者の承認が必要と判定された場合には(ステップS306;Yes)、取引処理部67aは、役席者の承認が必要である旨のメッセージを表示して(ステップS310)、受付番号及び受付枝番号を含む役席承認待通知データを管理サーバ30に送信する(ステップS311)。かかる役席承認待通知データを受信した管理サーバ30は、受付番号及び受付枝番号で特定される伝票項目データ34bのレコードの状態を役席承認待であることを示す「1」に更新する。
取引処理がまだ行われていない伝票項目データ66bのレコードが有る場合には(ステップS309;Yes)、ステップS303に戻る。また、取引処理が行われていない伝票項目データ66bのレコードが無い場合には(ステップS309;No)、処理を終了する。
次に、実施例1に係る役席端末70における伝票データの役席承認処理の処理手順について説明する。図14は、実施例1に係る役席端末70における伝票データの役席承認処理の処理手順を示すフローチャートである。
役席端末70は、勘定系窓口端末60の窓口担当者から回付されたICカードのICチップに記憶されたICカード識別情報を読み取る(ステップS401)。役席端末70は、ICカード識別情報を含む伝票要求データを管理サーバ30に送信して、ICカード識別情報に対応する顧客別サマリデータ34aのレコードと、ICカード識別情報に対応する伝票項目データ34bのレコードとを取得して記憶する(ステップS402)。
役席端末70は、取得した伝票項目データ34bのレコードのうち役席承認待のレコードに対応する取引の内容を画面に表示して、役席者の承認操作を受け付ける(ステップS403)。役席端末70は、処理対象の伝票項目データ34bのレコードに対する受付番号、受付枝番号、ステップS403で受け付けた承認操作の結果、承認された場合には役席者の役席者IDを含む役席承認データを管理サーバ30に送信する(ステップS404)。かかる役席承認データを受信した管理サーバ30は、受付番号、受付枝番号に対応する伝票項目データ34bのレコードの状態を更新する。具体的には、受信した役席承認データに役席者が承認したことを示す情報が含まれていた場合には、状態を役席承認済である旨を示す「2」に更新するとともに、送信されてきた役席者IDをレコードに記憶する。また、受信した役席承認データに承認されなかったことを示す情報が含まれていた場合には、状態を役席承認却下である旨を示す「3」に更新する。
伝票項目データ34b等の取得処理(ステップS402)で取得した伝票項目データ34bに未処理の役席承認待のレコードが存在する場合には(ステップS405;Yes)、ステップS403に戻る。また、伝票項目データ34b等の取得処理(ステップS402)で取得した伝票項目データ34bに未処理の役席承認待のレコードが存在しない場合には(ステップS405;No)、処理を終了する。
上述したように、実施例1では、電子記帳機20は、顧客が依頼する取引内容の入力を受け付けると、ICカード識別情報が書き込まれたICカードを発行し、かかるICカード識別情報と、顧客が依頼する取引の内容とを含む伝票データを管理サーバ30に送信する。勘定系窓口端末60及び役席端末70は、電子記帳機20で発行されたICカードからICカード識別情報を読み取り、ICカード識別情報を含む伝票要求データを管理サーバ30に送信し、その応答として管理サーバ30から伝票データを取得し、伝票データを用いて処理に必要な画面を表示し、顧客が電子記帳機20で入力した内容を表示した画面に反映するようにした。かかる構成により、金融機関の店舗に設けられた電子記帳機20を用いて伝票データが生成された場合に、この電子記帳機20以外の端末装置上で伝票に係る情報を再入力するための人的労力と誤入力を効率良く低減することができる。
実施例1では、電子記帳機20で顧客が入力した取引に係る情報に対応付けられたICカードを発行するものとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ICカードを発行する代わりに顧客のマイナンバーカードを用いるものとして、採番したICカード識別情報をマイナンバーカードに書き込むようにしてもよい。実施例2では、ICカードの代わりにマイナンバーカードを用いて運用する例を説明する。
まず、実施例2に係る電子記帳機120の構成について説明する。図15は、実施例2に係る電子記帳機120の構成を示す機能ブロック図である。図15に示す電子記帳機120の機能ブロック図では、実施例1の電子記帳機20と同じ構成要素については電子記帳機20と同じ符号を付与し、異なる構成要素については新たに採番した符号を付与した。電子記帳機120の構成の説明では、実施例1の電子記帳機20と同じ符号を付与した構成要素についての説明は省略し、新たに採番した符号を付与した構成要素について主に説明するものとする。
図15に示すように、実施例2に係る電子記帳機120は、ICカード発行部125及び制御部28のICカード発行処理部128cが、実施例1の電子記帳機20のICカード発行部25及び制御部28のICカード発行処理部28cと差異がある。また、実施例2の制御部28には、マイナンバーカード処理部128eが追加となっている。
実施例1のICカード発行部25は、収納部に収められたICカードを発行する装置であったが、実施例2のICカード発行部125は、外部からICカードを挿入することも可能で、挿入されたマイナンバーカードである場合には、マイナンバーカードのICチップの空き領域にデータの書き込みを行う。
ICカード発行処理部128cは、マイナンバーカードがICカード発行部125に挿入された場合には、新たなICカードを発行するのではなく、マイナンバーカードの空き領域に採番したICカード識別情報を書き込んで排出する。
マイナンバーカード処理部128eは、マイナンバーカードがICカード発行部125に挿入されると、マイナンバーカードのICチップに書き込まれているデータを読み取り、読み取ったデータを用いて伝票項目に対する自動入力を行う。例えば、マイナンバーカードには、名前、住所及び顔画像データ等を有しているので、住所を入力する必要が有る場合には、マイナンバーカードを挿入してマイナンバーカードに記憶される住所を利用することにより住所の入力操作を省力化することができる。
次に、実施例2に係るマイナンバーカードのICチップに記憶されるデータの一例について説明する。図16は、実施例2に係るマイナンバーカードのICチップに記憶されるデータの一例を示す図である。
図16に示すように、マイナンバーカードのICチップには、12桁のマイナンバー、個人情報、顔画像データ及び予備領域にICカード識別情報が記憶される。個人情報には名前及び住所等のデータが含まれる。またICカード識別情報は、電子記帳機120で採番された情報であり、電子記帳機120の装置番号と、電子記帳機120で採番された通番とで構成される。
図16に示すマイナンバーカードのICチップに記憶されるデータは、マイナンバーが「123456789012」、名前が「田中 一郎」、住所が「東京都港区・・・」、ICカード識別情報の電子記帳機120の装置番号が「01」、通番が「0150」である状況を示している。
次に、実施例2に係る勘定系窓口端末160の構成について説明する。図17は、実施例2に係る勘定系窓口端末160の構成を示す機能ブロック図である。図17に示す勘定系窓口端末160の機能ブロック図では、実施例1の勘定系窓口端末60と同じ構成要素については勘定系窓口端末60と同じ符号を付与し、異なる構成要素については新たに採番した符号を付与した。勘定系窓口端末160の構成の説明では、実施例1の勘定系窓口端末60と同じ符号を付与した構成要素についての説明は省略し、新たに採番した符号を付与した構成要素について主に説明するものとする。
図17に示すように、実施例2に係る勘定系窓口端末160は、制御部67の伝票項目データ取得部167bが、実施例1の勘定系窓口端末60の制御部67の伝票項目データ取得部67bと差異がある。また、実施例2の制御部67には、取引時確認処理部167dが追加となっている。
伝票項目データ取得部167bは、ICカードリーダ68に電子記帳機120で発行されたICカードがかざされた場合には、実施例1の伝票項目データ取得部67bと同様に、電子記帳機120で発行されたICカードのICチップからICカード識別情報を読み取り、読み取ったICカード識別情報を含む伝票要求データを管理サーバ30に送信する。また、伝票項目データ取得部167bは、ICカードリーダ68にICカード識別情報が書き込まれたマイナンバーカードがかざされた場合には、マイナンバーカードのICチップからICカード識別情報を読み取り、読み取ったICカード識別情報を含む伝票要求データを管理サーバ30に送信する。伝票項目データ取得部167bは、管理サーバ30からの応答データを顧客サマリデータ66a及び伝票項目データ66bとして記憶する。
取引時確認処理部167dは、伝票項目データ66bに記憶される取引の内容により取引時の本人確認の要否を判定する。取引時確認処理部167dは、取引時の本人確認が必要と判定された場合には、表示部62に本人確認が必要である旨のメッセージを表示するとともに、マイナンバーカードに記憶される顔画像データを読み取って、顧客の顔画像を表示部62に表示する。窓口担当者は、表示部62に表示された顔画像と窓口を訪れた顧客の顔とを見比べることにより本人確認を行うことができる。なお、顧客の顔画像データを採取するカメラを設けて、カメラで取得した顧客の顔画像データと、マイナンバーカードに記憶される顔画像データを用いて同一人物で有るか否かを自動判定することもできる。
次に、実施例2に係る電子記帳機120における伝票データの登録処理の処理手順について説明する。図18は、電子記帳機120における伝票データの登録処理の処理手順を示すフローチャートである。図18に示すフローチャートでは、実施例1の電子記帳機20における伝票データの登録処理と同じ処理には、図11に示したフローチャートと同じステップ番号を付与し、実施例1の電子記帳機20における伝票データの登録処理と異なる処理には、新たに採番したステップ番号を付与した。図18の電子記帳機120における伝票データの登録処理の処理手順の説明においては、図11に示したフローチャートと同じステップ番号を付与した処理の説明は省略し、新たに採番したステップ番号を付与した処理について主に説明する。
伝票の種類に応じた伝票の項目の入力操作の受付処理(ステップS501)が、実施例1の伝票項目の入力操作の受付処理(ステップS102)と差異がある。実施例2の伝票項目の入力操作の受付処理(ステップS502)は、表示操作部21の操作による伝票項目の入力に加えて、ICカード発行部125でマイナンバーカードのICチップに記憶されるデータを読み取り、読み取ったデータを入力項目に反映することができる。具体的には、氏名又は住所等の入力項目が有る場合には、マイナンバーカードに記憶される氏名や住所を読み取って、かかる入力項目に反映することができる。
また、実施例1ではICカード発行部25から、ICカード識別情報採番処理(ステップS106)で採番されたICカード識別情報が書き込まれたICカードを発行する(ステップS110)こととしたが、実施例2では、マイナンバーカードがICカード発行部125に挿入された場合には(ステップS502;Yes)、マイナンバーカードのICチップにICカード識別情報の採番処理(ステップS106)で採番されたICカード識別情報を書き込んで返却して(ステップS503)、ステップS111に移行する。
また、実施例2では、マイナンバーカードがICカード発行部125に挿入されなかった場合には(ステップS502;No)、実施例1と同様にICカード識別情報の採番処理(ステップS106)で採番されたICカード識別情報が書き込まれたICカードを発行することになる(ステップS110)。
上述してきたように、実施例2では、実施例1の構成に加えて、電子記帳機120は、マイナンバーカードが挿入され場合には、採番されたICカード識別情報をマイナンバーカードに書き込み、かかるICカード識別情報と、顧客が依頼する取引の内容を含む伝票データとを管理サーバ30に送信するようにした。勘定系窓口端末160及び役席端末70は、マイナンバーカードからICカード識別情報を読み取り、ICカード識別情報を含む伝票要求データを管理サーバ30に送信することにより、管理サーバ30からICカード識別情報に対応する伝票データを取得し、伝票データに従って処理に必要な画面を表示し、顧客により電子記帳機120で入力された内容を画面の入力項目に自動で反映するようにした。かかる構成により、金融機関の店舗に設けられた電子記帳機120を用いて伝票データが生成された場合に、この電子記帳機120以外の端末装置上で伝票に係る情報を再入力するための人的労力と誤入力を効率良く低減する。
なお、上記実施例1及び実施例2では、管理サーバ30でICカード識別情報に対応付けて伝票データを管理するようにし、勘定系窓口端末60、160、役席端末70及び出納機80は、ICカードから読み取ったICカード識別情報を用いて、かかるICカード識別情報に関連付けられた伝票データを管理サーバ30から取得するものとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電子記帳機20、120は、生成した伝票データをICカードに記憶し、勘定系窓口端末60、160、役席端末70及び出納機80は、ICカードから伝票データを読み取るようにしてもよい。また、このようにする場合には、管理サーバ30が不要となるだけではなく、電子記帳機20、120と、勘定系窓口端末60、160、役席端末70及び出納機80とがLAN等の通信線により接続されている必要もない。
また、上記実施例1及び実施例2では、電子記帳機20、120により番号札及びICカードを発行するものとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、カード面へのリプリントが可能なICカードを用いて、ICチップにICカード識別情報を書き込むとともに、カード面に受付番号をプリントして、ICカードを発行することにより、かかるICカードに番号札の役割を担わせるようにしてもよい。
なお、上記実施例1及び実施例2では、電子記帳機においてICカード識別情報を採番し、ICカード識別情報が書き込まれたICカードを発行する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電子記帳機のICカード発行部の収納部に予めICカード識別情報が記憶されたICカードが収められていて、ICカード発行時にかかるICカード識別情報を読み取るようにして、かかるICカード識別情報に関連付けて伝票データを管理するようにしてもよい。また、受付番号をICカード識別情報としてもよい。
なお、上記実施例1及び実施例2では、電子記帳機で生成された伝票データを用いて勘定系窓口端末60、160、役席端末70及び出納機80における再入力にかかる人的労力の軽減する旨の説明をしてきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ロビーに配設されるロビー入金機及び両替機を管理サーバ30と通信可能に接続し、ロビー入金機及び両替機は、ICカードからICカード識別情報を読み取ったならば、このICカード識別情報に対応する伝票データを管理サーバ30から取得して伝票データに応じた取引画面を表示するようにしてもよい。
また、上記実施例1及び実施例2で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。